JP2007158549A - 光センサ回路およびイメージセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプル・ホールド時に電荷集積用コンデンサで電荷集積を高めて感度を高くし、センサ飽和を抑制しダイナミックレンジを広くできる光センサ回路等を提供する。
【解決手段】光センサ回路10は、光電変換素子PDと、電流信号を電圧信号に変換する第1MOS型トランジスタQ1と、第1静電容量素子C1と、第2静電容量要素C2と、第1静電容量素子から第2静電容量素子への電荷転送を制御する第2MOS型トランジスタQ4と、第1MOS型トランジスタQ1と第2MOS型トランジスタQ4のゲート電圧とドレイン電圧を供給する制御手段15を備える。制御手段15は、MOS型トランジスタQ1,Q4のゲート電圧とドレイン電圧の設定に関して、電荷転送が有効に行われるように、初期設定および電荷転送についての適切な電圧制御を行い、かつ電荷転送時間が100μ秒を超えないように設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は光センサ回路およびイメージセンサに関し、特に、入射光の照度に応じた線形出力特性と対数出力特性を有し、転送電荷を増して感度を高め、さらにダイナミックレンジを広くしたMOS型イメージセンサを実現するのに好適な光センサ回路、およびこの光センサ回路を1つの画素として用いて作製されるイメージセンサに関する。
MOS型イメージセンサの各画素を形成する光センサ回路の種類には、入射光の照度(強度)の変化に対して線形出力特性を有する光センサ回路と、入射光の照度の変化に対して対数出力特性を有する光センサ回路とが含まれる。以下に、これらの光センサ回路を概説し、併せてその特性をSN比、ダイナミックレンジ、残像、低照度時の感度等の点で評価する。
図16に、線形出力特性を有する光センサ回路の回路例を示す。この光センサ回路101は、入射光(光信号)L1を検出して電気信号に変換する光センサ素子としてのフォトダイオードPDを備える。フォトダイオードPDは、寄生容量(配線の浮遊容量を含む)であるコンデンサC1を有している。光センサ回路101は、さらに、コンデンサC1の電荷を充放電するためのMOS型トランジスタQ1と、コンデンサC1の端子電圧を増幅するためのMOS型トランジスタQ2と、その増幅された端子電圧(Vout)を画素信号として選択的に出力させるMOS型トランジスタQ3を備える。MOS型トランジスタQ3のドレイン端子には抵抗Rが接続されている。
MOS型トランジスタQ1のゲート端子G1およびドレイン端子D1は電圧コントローラ102によって所要の電圧V1,V2が印加される。またMOS型トランジスタQ3のゲート端子G3および抵抗Rの外側端子T1には同じく電圧コントローラ102等(画素選択回路等)によって所要の電圧V3,V4が印加される。上記の電圧コントローラ102によって出力される所要の電圧V1〜V4の発生のタイミングは、タイミング信号発生部103によって指示される。
上記光センサ回路101の動作を説明する。MOS型トランジスタQ1のドレイン電圧V2をハイレベルに維持した状態で、初期化のタイミングで、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧V1をハイレベルにする。これにより、フォトダイオードPDのコンデンサC1に残っている電荷はMOS型トランジスタQ1のドレインに排出される。その後、ゲート電圧V1をローレベル(0V)に切り換え、MOS型トランジスタQ1をオフする。その後、さらにフォトダイオードPDのコンデンサC1に電荷の蓄積を行わせる。電荷の蓄積で生じたコンデンサC1に端子電圧はMOS型トランジスタQ2のゲートに印加される。フォトダイオードPDでの一定の露光時間の経過後に、MOS型トランジスタQ3をオンにすると、MOS型トランジスタQ3のドレインから光信号が電圧Voutとして出力される。
上記光センサ回路101において、フォトダイオードPDに流れる光電流は、フォトダイオードPDのコンデンサC1に充電された電荷の放電電流により支配される。従って、光センサ回路101のセンサ出力である出力電圧Voutは、放電電流に比例した線形出力特性を示すことになる。光センサ回路101は、露光時間に基づいてセンサ出力を制御できることから、蓄積型イメージセンサとなる。しかし、光センサ回路101の回路構成によれば、出力される出力電圧Voutは入射光L1の強度に比例するため、強い光が入射した場合は飽和し、ダイナミックレンジは広くとれないという問題を有している。
光センサ回路101に類似した回路構成を有する光センサ回路は、特許文献1の図7等に示されている。
次に図17に対数出力特性を有する光センサ回路の回路例を示す。図17において、上記の図16で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、これらの要素に関して重複する詳細説明を省略する。この光センサ回路201では、光センサ回路101におけるMOS型トランジスタQ1の代わりにMOS型トランジスタQ21が用いられている。MOS型トランジスタQ21では、ゲートがドレインに電気的に接続されている。フォトダイオードPD、コンデンサC1、MOS型トランジスタQ2、MOS型トランジスタQ3、抵抗R等のその他の回路構成は、図16で説明したものと同じである。この光センサ回路201では、MOS型トランジスタQ21によって、フォトダイオードPDのセンサ電流を弱反転状態で対数特性を有するセンサ電圧に変換するようにしている。
光センサ回路201において、MOS型トランジスタQ21のゲートはそのドレインに接続され、ドレイン電圧とゲート電圧とを同一の一定のドレイン電圧V2に設定し、MOS型トランジスタQ3をオンにして出力電圧Voutとして光信号を検出するようにしている。MOS型トランジスタQ3のゲート端子G3には電圧コントローラ102からハイレベルのゲート電圧が供給される。
光センサ回路201は、対数出力特性を利用するためダイナミックレンジを広くとることができる。しかし、光電流がMOS型トランジスタQ21のチャンネルを介して流れるため、蓄積型イメージセンサのように露光時間を長くしてS/N比を向上させることができない。従って上記光センサ回路101による蓄積型イメージセンサに比べて低照度の感度は劣る。さらにMOS型トランジスタQ21に流れる電流が少ないと、そのチャンネルのインピーダンスが高くなるため、残像を生じ易いという問題がある。
対数出力特性を有する光センサ回路は特許文献1に記載されている。
特開2000−329616号公報
上記のごとく、線形出力特性を示す光センサ回路によれば、検出信号は入射光強度に比例するため、強い光が入射した場合には飽和し、ダイナミックレンジは広く取ることができない。また対数出力特性を示す光センサ回路によれば、低照度の感度は劣り、MOS型トランジスタQ21に流れる電流が少ないときトランジスタのチャンネルインピーダンスが高くなり、残像を生じ易くなる。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、低照度の入射光に対して線形出力特性を有しかつ高照度の入射光に対して対数出力特性を有する光センサ回路であって、線形出力範囲を任意に設定可能にして光センサ回路毎のばらつきを抑制でき、低照度等でS/N比が高く、サンプル・ホールド時に電荷集積用コンデンサで信号電荷の集積を高めて感度を高くすることができ、さらに、センサの飽和を抑制してダイナミックレンジを広くすることができる光センサ回路、およびこの光センサ回路を使用して成るイメージセンサを提供することにある。
本発明に係る光センサ回路およびイメージセンサは、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の光センサ回路(請求項1に対応)は、光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子から出力される電流信号を弱反転状態で対数特性を有する電圧信号に変換するための第1MOS型トランジスタ(Q1)と、光電変換素子の電圧検出端子に接続された第1静電容量素子(C1)と、電圧信号を保持する第2静電容量要素(C2)と、第1静電容量素子と第2静電容量素子の間の電荷の移動を制御するための第2MOS型トランジスタ(Q4)と、第1MOS型トランジスタと第2MOS型トランジスタのゲート電圧とドレイン電圧を供給する制御手段とを備える。この制御手段は、次のように電圧制御を行う。最初に、第1MOS型トランジスタのドレイン電圧を第1の所定時間だけ高い電圧値(VdH)に設定し、第1MOS型トランジスタのゲート電圧と第2MOS型トランジスタのゲート電圧をそれぞれ第2の所定時間だけ高い電圧値(Vg1H,Vg2H)に設定し、光信号として集積するための第2静電容量要素の充電または放電を制御して一定の電位に設定する。その後、第2MOS型トランジスタをオフして第2静電容量素子をオープン状態にした上で、第1MOS型トランジスタのドレイン電圧を低い電圧(VdL)に設定すると共に、第1MOS型トランジスタのゲート電圧を中間電位(Vg1M)に設定し、これにより、第1静電容量素子の電荷を放電させる。その後、第1MOS型トランジスタのドレイン電圧を高い電圧(VdH)に設定し、その後第3の所定時間が経過した時に、第1MOS型トランジスタのゲート電圧を低い電圧(Vg1L)に設定し、かつVdHとVg1Mについて「Vg1M−VdH<Vth1、かつ、Vg1M−VdL>Vth1、ここでVth1は第1MOS型トランジスタのしきい値電圧」の関係を満たすように設定する。その後、一定の露光時間経過後に第2MOS型トランジスタのゲート電圧を第4の所定時間だけ所定の電圧(Vg2M)に設定し、かつVg1MとVg2Mについて「Vg1M<Vg2M<Vg1M+Vth2、ここでVth2は第2MOS型トランジスタのしきい値電圧」の関係を満たすように設定し、かつ第4の所定時間が100μ秒を超えないように設定し、これにより前記第1静電容量素子の電荷を第2静電容量素子に転送する。その後、第2MOS型トランジスタをオフして第2静電容量素子をオープン状態にした上で第2静電容量素子の端子電圧をセンサ出力信号とする。
第2の光センサ回路(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、上記制御手段は、第1MOS型トランジスタのゲート中間電位(Vg1M)と低い設定電位(Vg1L)を任意の電圧に切り換えることで特徴づけられる。
第3の光センサ回路(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、第2MOS型トランジスタの端子電圧を増幅するための第3MOS型トランジスタ(Q2)を備えることで特徴づけられる。
第4の光センサ回路(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、第3MOS型トランジスタ(Q2)から出力される電圧信号を選択的に出力させるための第4MOS型トランジスタ(Q3)を備えることで特徴づけられる。
本発明に係るイメージセンサ(請求項5に対応)は、前述した第1から第4のいずれかの光センサ回路を1画素として撮像領域が形成されることで特徴づけられる。
本発明によれば次の効果を奏する。
第1に本発明によれば、光電変換素子に入射光が照射された時にMOS型トランジスタQ1の動作に基づき入射光の強度に応じて第1静電容量要素に電荷を蓄電し、次に電荷転送用MOS型トランジスタQ4の動作に基づき第1静電容量要素から第2静電容量要素へ電荷を転送する光センサ回路で、電荷転送時に第2静電容量要素の電荷蓄積用の電位を第1静電容量要素の電位よりも高くなるように設定したため、第1静電容量要素に溜まった電荷を第2静電容量要素へ効率よく転送でき、第1静電容量要素に溜まった電荷を有効に活用でき、サンプル・ホールド時に電荷集積用コンデンサで信号電荷の集積を高め、光センサ回路のセンサ感度を高くすることができる。さらに、露光動作後に電荷転送用MOS型トランジスタのゲート電圧をオン状態にする所定時間が100μ秒を超えないように制御したため、第1静電容量要素から第2静電容量要素への電荷移動後に、光入射により発生した電荷に基づき第1静電容量要素と第2静電容量要素との電位低下が防止でき、結果的に、センサ出力特性の立ち上がりを抑制することができる。これにより特に高照度照射高を受光するときの光センサ回路のダイナミックレンジを広くとることができる。
第2に本発明によれば、入射光の照度に応じて線形出力特性と対数出力特性を有する光センサ回路で、線形出力特性領域と対数出力特性領域の間の変化点を制御することができ、変化点の電位の各光センサ回路毎のばらつきを安定的になくし、低照度等でS/N比が高く、高感度で、さらに残像を少なくすることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図12を参照して本発明に係る光センサ回路の第1実施形態を説明する。図1は第1実施形態に係る光センサ回路の回路構成を示す。図1〜図12において、前述の「背景技術」の欄の説明で用いた図16と図17で示した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
図1は本発明の第1実施形態に係る光センサ回路を示す。光センサ回路10は、光L1を検出して電気信号に変換する光センサ素子であるフォトダイオードPDと、フォトダイオードPDの寄生容量(配線等の浮遊容量を含む)であるコンデンサC1を備えている。コンデンサC1は、フォトダイオードPDのアノード・カソード間に並列に接続され、フォトダイオードPDの電圧検出端子(カソード)に接続されている。なおフォトダイオードPDは光センサ素子の一例であり、光センサ素子はこれに限定されない。
フォトダイオードPDに対して、そのセンサ電流を弱反転状態で対数特性を有するセンサ電圧に変換する変換用のMOS型トランジスタQ1が備えられる。MOS型トランジスタQ1はドレイン11dとソース11sとゲート11gを有する。フォトダイオードPDのカソードはMOS型トランジスタQ1のソース11sに接続されている。他方、フォトダイオードPDのアノードはアース端子に接続されている。MOS型トランジスタQ1のドレイン端子12dには電圧コントローラ13からドレイン電圧Vdが供給され、さらにそのゲート端子12gには電圧コントローラ13からゲート電圧Vg1が供給される。
光センサ回路10では、さらに、電荷を蓄積するためのコンデンサC2と、電荷を移動させるためのMOS型トランジスタQ4を備える。MOS型トランジスタQ4は、コンデンサC1とコンデンサC2の間で、コンデンサC1からコンデンサC2へ電荷を選択的に移動させるための電荷移動用MOS型トランジスタである。この電荷移動用MOS型トランジスタQ4は「シャッタトランジスタ」とも呼ばれている。
MOS型トランジスタQ4がオン動作すると、光センサ回路10が、入射される光L1に感応して当該光の信号を電圧信号としてサンプルしかつホールドする。光センサ回路10の当該サンプル・ホールド機能は「シャッタ機能」と呼ばれる。
MOS型トランジスタQ4では、そのソース16sがフォトダイオードPDのカソードに接続され、そのドレイン16dがセンサ信号を出力する出力端子17となっている。MOS型トランジスタQ4のゲート16gのゲート端子18gには電圧コントローラ13からゲート電圧Vg2が供給される。
電圧コントローラ13によって供給される電圧Vd,Vg1,Vg2の供給タイミングはタイミング信号発生部14によって指示され、各時点の各電圧のレベルは予め定められている。電圧コントローラ13等によって供給される電圧Vd,Vg1,Vg2のそれぞれの電圧波形図は図2のタイミングチャートに示される。電圧コントローラ13とタイミング信号発生部14とに基づいて初期設定機能および電圧制御機能を有する制御手段15が構成される。
電圧コントローラ13から供給される電圧Vd,Vg1,Vg2の電圧レベルの状態によってMOS型トランジスタQ1,Q2の動作状態を制御・設定する。これにより光センサ回路10の動作が制御され、上記シャッタ機能が実現される。
上記の光センサ回路10の動作を以下に説明する。
まず基本的動作を説明する。フォトダイオードPDに光L1が入射されると、フォトダイオードPDでは光L1の照度(または強度)に応じてセンサ電流が流れる。このセンサ電流は、その電荷がコンデンサC1に蓄電されてセンサ電圧に変換され、コンデンサC1の端子電圧(VC1)として維持される。MOS型トランジスタQ1は、フォトダイオードPDのセンサ電流を弱反転状態で対数特性を有するセンサ電圧(VC1)に変換する。次に所定タイミングでMOS型トランジスタQ4がオンしてコンデンサC1とコンデンサC2が電気的に接続された状態になり、コンデンサC1に蓄電された電荷がコンデンサC2に移動し、コンデンサC2に蓄電され、コンデンサC2の端子電圧として保持されることになる。光センサ回路10の出力端子17からの出力電圧Voutは、コンデンサC2の端子電圧として取り出される。
次に、図2〜図5を参照して、電圧コントローラ13によって供給される電圧Vd,Vg1,Vg2との関係での光センサ回路10の動作を説明する。
図2のタイミングチャートは、初期の電圧設定および電荷転送を行うための回路各部の電圧のレベルおよび発生タイミングを示している。また図3〜図5はポテンシャル図である。図3は初期化設定のポテンシャル図であり、図4は露光時のポテンシャル図であり、図5は電荷転送時のポテンシャル図である。各ポテンシャル図において、MOS型トランジスタQ1のドレイン11dの電位(Vd)、MOS型トランジスタQ1のゲート11gの電位(Vg1)、コンデンサC1の電位、MOS型トランジスタQ4のゲート16gの電位(Vg2)、コンデンサC2の電位のそれぞれの状態が示されている。
図2において、t1〜t2で、MOS型トランジスタQ1のドレイン電圧Vdを高い電圧値(VdH)に設定すると共に、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1とMOS型トランジスタQ4のゲート電圧Vg2をそれぞれ高い電圧値(Vg1H,Vg2H)に設定する。これにより、MOS型トランジスタQ1のドレイン11dとコンデンサC1とコンデンサC2は導通状態になり、光信号として集積するためのコンデンサC2の充電または放電を制御して所望の一定の電位に設定する。
上記の状態は図3の(A)に示される。図3の(A)で、縦軸は電位を意味し、横軸は光センサ回路10におけるMOS型トランジスタQ1のドレイン11d(Vd)、MOS型トランジスタQ1のゲート11g(Vg1)、コンデンサC1、MOS型トランジスタQ4のゲート16g(Vg2)、コンデンサC2を示している。縦軸の電位では、下方に向うほど電位が高くなるように設定されている。このことは、図3の(B)〜(D)、図4の(A),(B)、図5の(A)〜(C)でも同じである。図3の(A)で、ドレイン電圧Vd、ゲート電圧Vg1,Vg2の各電位は高い状態(Highの電位レベル)の状態にあり、それぞれ同レベルで、コンデンサC1,C2は電気的に接続された状態にある。図3の(A)に示す状態に基づきコンデンサC2はリセットされた状態になる。
次に時点t2において、ゲート電圧Vg2を低い電圧(Vg2L)にしてMOS型トランジスタQ4をオフし、コンデンサC2をオープン状態にする。ここでコンデンサC2の「オープン状態」とは、コンデンサC1との電気的な接続関係が切断された状態を意味する。すなわちサンプル・ホールド(S/H)がリセットされた状態(ST1)になる。
その後、コンデンサC2がオープン状態である上で、時点t3で、MOS型トランジスタQ1のドレイン電圧Vdを低い電圧(VdL)に設定すると共に、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1を中間的な電位(Vg1M:Mediumの電位レベル)に設定する。ドレイン電圧VdがVdLである状態は時点t4まで続き、ゲート電圧Vg1がVg1Mである状態は時点t5まで続く。ドレイン電圧Vdがt3〜t4の間で低い電圧(VdL)にされることにより、コンデンサC1に蓄電された電荷は放電され、フォトダイオードPDはリセットされる(状態ST2)。コンデンサC1も、電荷が放電されることによりリセット状態になる。
上記の状態は図3の(B)に示される。図3の(B)で、ドレイン電圧Vdのレベルは低電位側の状態にあり、ゲート電圧Vg1の電位は中間的な電位(Mediumの電位レベル)の状態にあり、ゲート電圧Vg2の電位は低い電位(Lowの電位レベル)の状態にある。このときコンデンサC1とコンデンサC2は電気的に切断されている。図3の(B)に示す状態に基づきコンデンサC1はリセットされた状態になる。
その後、時点t4で、MOS型トランジスタQ1のドレイン電圧Vdを高い電圧(VdH)に設定する。
上記の状態は図3の(C)に示される。図3の(C)で、ドレイン電圧Vdのレベルは高電位側の状態にあり、ゲート電圧Vg1の電位は中間的な電位(Mediumの電位レベル)の状態にあり、ゲート電圧Vg2の電位は低い電位(Lowの電位レベル)の状態にある。このときコンデンサC1とコンデンサC2は電気的に切断されおり、かつコンデンサC1の電位がコンデンサC2の電位よりも高くなるように、電位差(状態ST11)が設定される。
さらにその後、所定時間(t5−t4)経過した時に、時点t5で、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1を低い電圧(Vg1L)に設定する。
上記において、VdHとVg1Mについては、「Vg1M−VdH<Vth1、かつ、Vg1M−VdL>Vth1、ここで、“Vth1”はMOS型トランジスタQ1のしきい値電圧」という関係を満たすように設定されている。換言すれば、MOS型トランジスタQ1の中間的なゲート電圧値Vg1Mは、MOS型トランジスタQ1のドレイン電圧VdHに当該MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧を加算した電圧値を超えないように設定される。
図3の(D)では、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1を低い電圧(Vg1L)に変化させる途中の状態を示している。矢印AR1はゲート電圧Vg1の変化の方向を示している。その他は、図3の(C)の状態と同じである。矢印AR1のごとくゲート電圧Vg1を変化させることにより、MOS型トランジスタQ1に基づく線形−対数特性が実現される。
以上によって光センサ回路10の初期設定(初期化)が完了する。
その後、上記の状態に基づき、一定の露光時間(t4〜t6)が経過し、露光が行われる(状態ST3)。露光時間(t4〜t6)において、フォトダイオードPDに流れるセンサ電流がコンデンサC1に電荷として蓄電される。
上記露光時間の経過後に、MOS型トランジスタQ4のゲート電圧Vg2を所定時間(t6〜t7)だけ中間的な値の電圧(Vg2M)に設定する。
上記において、Vg1MとVg2Mについて、「Vg1M<Vg2M<Vg1M+Vth2、ここで、“Vth2”はMOS型トランジスタQ4のしきい値電圧」という大小関係を満たすように設定する。
上記の電圧制御によって、t6〜t7の時間間隔でコンデンサC1に露光に基づき蓄電された電荷をコンデンサC2に転送し、コンデンサC2に電荷を蓄える(状態ST4)。コンデンサC1からコンデンサC2への電荷転送の動作では、転送時間T1(=t7−t6)は、100マイクロ秒(μ秒)を超えない時間に設定されている。転送時間T1は、MOS型トランジスタQ2におけるゲート16gへの印加電圧に基づくオン時間で決定される。
上記のごとく転送時間T1を100μ秒を超えないように短縮時間とすることにより、光センサ回路10で高照度(例えば100〜1000lxの範囲)の光L1を受光するとき、そのセンサ出力特性の立ち上がりを抑制することが可能となる。この理由は、電荷転送用のMOS型トランジスタQ4のオン時間を所定時間以下とすることにより、コンデンサC1とコンデンサC2の間で電荷移動について平衡状態に達するのを防止するからである。この点につき、さらに詳述する。電荷転送用のMOS型トランジスタQ4のオン時間をコンデンサC1とコンデンサC2の間での電荷移動が完了した後も継続してしまう場合、強い光が入射することにより発生した電荷によって、コンデンサC1とコンデンサC2の電位が低下していくことになる。結果として、コンデンサC1からコンデンサC2に電荷が転送した後のコンデンサC2の電位変化量は急激に増加することになる。センサ後段の回路の信号入力範囲は、その仕様により制限されており、コンデンサC2の電位変化量の急激な増加は、入射光強度の測定上限値が小さくなり、結果的にはダイナミックレンジが縮小する。従って、電荷転送用のMOS型トランジスタQ4のオン時間を短くすることにより、強い光が入射しても、コンデンサC2の電位変化量の急激な増加を抑制することが可能となる。従って、結果的にダイナミックレンジを広げることが可能となる。
さらにその後、ゲート電圧Vgを低い電圧(Vg2L)にしてMOS型トランジスタQ4をオフし、コンデンサC2をオープン状態にした上でコンデンサC2の端子電圧をセンサ出力信号として取り出す。
上記の一連の動作が所定のタイミングで周期的に繰り返される。
次に、図6〜図8等を参照して、時点t4以降、すなわち露光開始以降の光センサ回路10における動作について説明する。
図6は、MOS型トランジスタQ1の中間のゲート電圧値Vg1Mとしきい値電圧Vth1、およびフォトダイオードPDの端子電圧VC1の関係を示している。
図6の左側ブロック21の部分で示すように、時点t4の直後、フォトダイオードPDの端子電圧VC1は、MOS型トランジスタQ1の中間のゲート電圧値Vg1Mに対してMOS型トランジスタQ1のしきい値電圧Vth1に相当する電位差だけ低い電圧になるように、ナノ秒オーダ以下のスピードで急激に上昇する。
その後は、さらに時間が経過すると、図6の右側ブロック22の部分に示すように、フォトダイオードPDの端子電圧VC1が上昇し、MOS型トランジスタQ1の中間的ゲート電圧値Vg1MとフォトダイオードPDの端子電圧VC1との電圧差が、MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧Vth1より小さくなる。フォトダイオードPDの端子電圧VC1が上昇するのは、MOS型トランジスタQ1のチャネルインピーダンスが高くなり、サブスレショルド電流が流れるからである。
上記のごとくサブスレショルド電流が流れ過渡特性を有している状態のt5の時点で、MOS型トランジスタQ1の中間的なゲート電圧値Vg1Mを低いゲート電圧値Vg1Lに切り換える。
なお、時点t4と時点t5の間隔は、好ましくは、約マイクロ秒オーダの時間に設定される。このように時間間隔に設定することで、サブスレショルド電流が流れている状態にフォトダイオードPDの端子電圧VC1は到達する。
中間的なゲート電圧値Vg1Mと高いドレイン電圧VdHの差を、MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧Vth1より小さくなるように設定した目的は、このようなサブスレショルド電流が流れている状態にフォトダイオードPDの端子電圧VC1を設定するためである。さらに、時点t5で、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1Mを低い電圧Vg1Lに設定する目的は、下記に示す電位差(W)を大きく設定するためである。
W=VC1−(Vg1L−Vth)
ここで、VC1:フォトダイオードPDの端子電圧
Vg1L:MOS型トランジスタQ1のゲート電圧
Vth1:MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧
すなわち、フォトダイオードPDの端子電圧(VC1)を、ゲート電圧(Vg1L)からしきい値電圧(Vth1)分低い電圧よりも高く設定するためである。
上記のように、電位差Wを高くする設定することで、MOS型トランジスタQ1のゲートをオフすることができ、これにより、露光時、低照度においてはフォトダイオードの寄生容量には光電変換した電荷の蓄積が行われ、フォトダイオードPDの端子電位(VC1)は線形的に電位変動する。このような線形的に電位変動する範囲を「線形出力領域」と呼ぶ。この状態を図4の(A)に示す。図4の(A)で、矢印AR2はコンデンサC1に蓄電される電荷の増加を示す。コンデンサC1で蓄電される電荷の量は、ゲート電位Vg1Lを超えることはない。また露光時、高照度においては、MOS型トランジスタQ1のゲートがオンし、サブしきい値で動作することになり、光電変換した電荷はMOS型トランジスタQ1を流れ、フォトダイオードPDの端子電位は対数出力特性を示す。このような対数的に電位変動する範囲を「対数出力領域」と呼ぶ。この状態を図4の(B)に示す。図4の(B)で、矢印AR3はコンデンサC1に蓄電された電荷の量がゲート電位Vg1Lを超え、ドレイン側に溢れた状態を示している。
以上において、上記電位差Wを大きくすることにより、線形出力領域を大きくすることができる。この理由を以下に図7を参照して詳細を説明する。
図7は、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1としきい値電圧Vth1の関係、およびフォトダイオードPDの端子電圧VC1との関係を示している。ゲート電圧Vg1を低下させることにより、フォトダイオードPDの端子電圧VC1を保持したまま、ゲート電圧Vg1やしきい値電圧Vth1との関係を変化させることができる。すなわち、図7中に特定の範囲として示された上記のW、すなわち電位差Wを変化させることができる。
図7では、図中左側に示した電位関係から、ゲート電圧Vg1を中間のゲート電圧値Vg1MからΔVgだけ低下させて低いゲート電圧値Vg1Lにするという図中右側に示した電位関係への変化を示している。これにより、左側の電位関係に基づく範囲W(High)(=VC1−(Vg1M−Vth1))は、右側の電位関係に基づく範囲W(Low)(=VC1−(Vg1L−Vth1))に変化する。ここでゲート電圧Vg1に関してVgL=Vg1M−ΔVgという関係がある。これによりW(Low)>W(High)という関係が得られる。こうしてゲート電圧Vg1を、中間的なゲート電圧値Vg1Mから低いゲート電圧値Vg1LへΔVgだけ変化させることにより、範囲(電位差)Wを大きくすることができる。
また図8は、MOS型トランジスタQ1の低いゲート電圧値Vg1Lとしきい値電圧Vth1の関係、フォトダイオードPDの端子電圧VC1、線形出力特性の範囲等との関係を示している。図8において、範囲23は線形出力領域を示し、範囲24は対数出力領域を示す。線形出力領域23と対数出力領域24との境界点25は変化点である。
図8に示すごとく、フォトダイオードPDの端子電圧VC1を、任意の線形出力領域23の電位に設定できるので、2次元MOS型イメージセンサのように複数の画素で構成されるイメージセンサ(撮像領域)に適用する場合、MOS型トランジスタの各画素のしきい値電圧のばらつきに起因する、光センサ回路の出力ばらつきを抑制する場合に有効である。
さらにここで、図9〜図11を参照して、一例として2つの光センサ回路(画素)A,Bの間での出力のばらつきを抑制する態様について説明する。
図9に示すように、時点t4での動作以降では、光センサ回路A,Bの各々において、前述したフォトダイオードPDの端子電圧VC1は、MOS型トランジスタQ1の設定されたゲート電圧に対して、MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧Vth1に相当する電位差だけ低い電圧にナノ秒オーダ以下のスピードで急激に上昇する。この時、MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧Vth1が光センサ回路A,Bでばらついているため、端子電圧VC1は光センサ回路A,Bの各々で異なる。すなわち、図6のブロック26,27のそれぞれで示すごとく、光センサ回路Aの端子電圧はVC1Aとなり、光センサ回路Bの端子電圧はVC1Bになっている。
この後、さらに時間が経過すると、図10に示すようになる。すなわち、図10の同ブロック26,27での光センサ回路A,Bの各々で、フォトダイオードPDの端子電圧の電位(VC1A,VC1B)の上昇と共に、MOS型トランジスタQ1の高いゲート電圧値Vg1MとフォトダイオードPDの端子電圧との電位差が、MOS型トランジスタQ1のしきい値電圧(Vth1A,Vth1B)以下となる。MOS型トランジスタQ1のチャネルインピーダンスが高くなるため、サブレショルド電流が流され、これによりフォトダイオードPDの端子電圧の電位(VC1A,VC1B)が上昇する。
このように、サブスレショルド電流が流れて過渡特性を有している状態において、MOS型トランジスタQ1のゲート電圧値Vg1Mを切り換えて低いゲート電圧値Vg1Lに設定すると、図11に示すようになる。すなわち、2つの光センサ回路A,Bにおいて、前述したW(Low)とW(High)の電位差ΔW(=W(Low)−W(High))は、MOS型トランジスタQ1の中間的なゲート電圧値Vg1Mと低いゲート電圧値VgLとの差(ΔVg)で設定されるから、光センサ回路A,Bの各々を構成するMOS型トランジスタQ1のしきい値電圧のばらつきに依存しない電位差となる。従って、異なる光センサ回路Aと光センサ回路Bにおいて各電位差ΔW(=W(Low)−W(High))は同一となる。
以上のように、電位差ΔWを任意に設定できるから、各光センサ回路(画素)の暗状態のセンサ検出電位となるフォトダイオードPDの端子電圧VC1に対して、線形出力特性領域を示す範囲と対数出力特性領域を示す範囲の間の変化点である端子の電位を任意に設定することができ、両範囲を任意に制御することができ、これにより光センサ回路(画素)間の出力のばらつきをなくすことができる。
前述した初期設定および露光の後、所定時間経過後において、前述のごとくコンデンサC1からコンデンサC2への電荷の転送が行われる。この状態を図5の(A)〜(C)に示す。前述の「Vg1M<Vg2M<Vg1M+Vth2」の関係をに基づいて、矢印AR3に示すごとくゲート電圧Vg2を中間的な値(Vg1M)に変化させる。このときMOS型トランジスタQ4の転送用のゲートは完全には開けない。このようにすることにより、コンデンサC1に蓄電された電荷が矢印AR4に示すごとくコンデンサC2に転送される。最後には図5の(C)に示されるごとくゲート電圧Vg2の電位が低くなり(矢印AR5)、低い電圧値(Vg2L)となる。
コンデンサC1の電位とコンデンサC2の電位との関係で、状態ST11(図3の(C))で示すごとく電位差をつけるようにしたため、コンデンサC1からコンデンサC2への電荷の転送を有効に行い、コンデンサC2での電荷集積を高めることができ、コンデンサC1に蓄電された電荷を有効に活用することができる。これによって光センサ回路10の検出感度を高めることができる。
図12に、光センサ回路10によって得られるセンサ出力特性の特性パターンを示す。図12の横軸は対数目盛(log)になっている。MOS型トランジスタQ1のゲート電圧Vg1の中間的なゲート電圧値Vg1Mを任意に切り替えて、撮影条件に見合った最適な状態でセンサ信号を出力させることができる。ゲート電圧値Vg1Mに関して低いゲート電圧値Vg1Lとの差ΔVgを「小」から「大」へ変化させると、センサ出力特性は矢印32のごとく変化する。
次に、本発明に係る光センサ回路の変形例を図13と図14に示す。図13は本発明の第2実施形態に係る光センサ回路を示し、図14は本発明の第3実施形態に係る光センサ回路を示す。
図13に示した第2実施形態に係る光センサ回路20には、第1実施形態に係る光センサ回路10の回路要素に対してセンサ出力電圧を増幅するためのMOS型トランジスタQ2が付設されている。前述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
MOS型トランジスタQ2は、コンデンサC2の端子電圧として出力されるセンサ電圧を増幅するための増幅用MOS型トランジスタである。
上記の光センサ回路20では、コンデンサC2の出力端子またはMOS型トランジスタQ4のドレイン16dが、MOS型トランジスタQ2のゲート41gに印加されている。MOS型トランジスタQ2のドレイン端子42dには抵抗Rを介してドレイン電圧Vrefが電圧コントローラ等から供給され、ソース41sはアース端子に接続されている。MOS型トランジスタQ2のドレイン41dからセンサ出力電圧Voutが増幅された状態で取り出される。
図14に示した第3実施形態に係る光センサ回路30では、上記の第2実施形態に係る光センサ回路20の回路要素に対してMOS型トランジスタQ3が付設される。図14において、第2の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付している。
MOS型トランジスタQ3は、増幅用のMOS型トランジスタQ2から出力される電圧信号を選択的に出力させるための出力選択用MOS型トランジスタである。
この光センサ回路30では、MOS型トランジスタQ2のドレイン41dとMOS型トランジスタQ3のソース51sが接続されている。MOS型トランジスタQ3のゲート端子52gにはゲート電圧Vg3が供給される。MOS型トランジスタQ3のドレイン51dには抵抗Rが接続され、抵抗Rの他端子52dには電圧Vrefが供給される。MOS型トランジスタQ3のドレイン51dからセンサ出力電圧Voutが取り出される。
上記のゲート電圧Vg3と電圧Vrefの各々の電圧波形は前述した図2の(D)と(E)に示される。ゲート電圧Vg3はt8〜t9の間で発生し、電圧Vref は所要レベルの一定電圧の状態で印加されている。ゲート電圧Vg3がオンした時に光センサ回路が選択されてセンサ電圧が出力される。
上記のように構成された光センサ回路20,30において、図14に示すように、各部を駆動するための所要の制御信号を与えることにより、第1実施形態の光センサ回路10と同様に、入射される光L1に応じた電気信号が得られるようにしている。
図15は、一例として図14に示した光センサ回路30を1画素(S)として2次元のマトリクス状に配設して成る矩形の撮像領域71を有するイメージセンサの構成例を示している。図15中、ブロック13は前述の電圧コントローラ、ブロック72は各画素Sに共通に設けられた画素選択回路であり、ブロック73は各画素Sの画素信号を順次出力させるための信号選択回路である。電圧コントローラ13から電圧Vd,Vg1,Vg2が供給され、画素選択回路72から電圧Vg3が供給され、端子52dには電圧Vrefが供給される。
なお、上記の各実施形態の説明ではMOS型トランジスタをnチャネル型として説明したが、その代わりにpチャネル型のMOS型トランジスタを用いることができるのは勿論である。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、撮像装置であるMOS型イメージセンサの1次元または2次元のイメージセンサを形成する光センサ回路(または画素)として利用される。
本発明に係る光センサ回路の第1実施形態の電気回路図である。 第1実施形態(および第3実施形態)に係る光センサ回路の各部の信号状態を示すタイミング波形図である。 初期化設定時における光センサ回路の各部のポテンシャル図である。 露光時における光センサ回路の各部のポテンシャル図である。 電荷転送時における光センサ回路の各部のポテンシャル図である。 第1実施形態に係る光センサ回路のMOS型トランジスタQ1のVg1MとVth1とVC1の関係を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路のMOS型トランジスタQ1のVg1MとVth1とVC1の関係を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路のMOS型トランジスタQ1のVg1LとVth1とVC1と線形出力範囲の関係を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路A,BのMOS型トランジスタQ1のVg1MとVth1とVC1の関係を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路A,BのMOS型トランジスタQ1のVg1MとVth1とVC1の関係を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路A,BのMOS型トランジスタQ1のVg1MとVth1とVC1の関係(ゲート電圧をΔVg低下させた後)を説明する図である。 第1実施形態に係る光センサ回路のセンサ出力の変化特性を示すグラフである。 本発明に係る光センサ回路の第2実施形態の電気回路図である。 本発明に係る光センサ回路の第3実施形態の電気回路図である。 本発明の第3実施形態に係る光センサ回路を利用して構成されたイメージセンサを示す電気回路図である。 線形出力特性を有する従来の光センサ回路の電気回路図である。 対数出力特性を有する従来の光センサ回路の電気回路図である。
符号の説明
10 光センサ回路
13 電圧コントローラ
14 タイミング信号発生部
15 制御手段
20 光センサ回路
30 光センサ回路
PD フォトダイオード
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
Q1 変換用MOS型トランジスタ
Q2 増幅用MOS型トランジスタ
Q3 出力選択用MOS型トランジスタ
Q4 電荷移動用MOS型トランジスタ

Claims (5)

  1. 光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、
    前記光電変換素子から出力される前記電流信号を弱反転状態で対数特性を有する電圧信号に変換するための第1MOS型トランジスタと、
    前記光電変換素子の電圧検出端子に接続された第1静電容量素子と、
    前記電圧信号を保持する第2静電容量要素と、
    前記第1静電容量素子と前記第2静電容量素子の間の電荷の移動を制御するための第2MOS型トランジスタと、
    前記第1MOS型トランジスタと前記第2MOS型トランジスタのゲート電圧とドレイン電圧を供給する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記第1MOS型トランジスタの前記ドレイン電圧を第1の所定時間だけ高い電圧値(VdH)に設定し、第1MOS型トランジスタのゲート電圧と前記第2MOS型トランジスタのゲート電圧をそれぞれ第2の所定時間だけ高い電圧値(Vg1H,Vg2H)に設定し、光信号として集積するための第2静電容量要素の充電または放電を制御して一定の電位に設定し、その後、
    前記第2MOS型トランジスタをオフして前記第2静電容量素子をオープン状態にした上で、前記第1MOS型トランジスタのドレイン電圧を低い電圧(VdL)に設定すると共に、前記第1MOS型トランジスタのゲート電圧を中間電位(Vg1M)に設定し、これにより、前記第1静電容量素子の電荷を放電させ、その後、
    前記第1MOS型トランジスタのドレイン電圧を高い電圧(VdH)に設定し、その後第3の所定時間が経過した後に、前記第1MOS型トランジスタのゲート電圧を低い電圧(Vg1L)に設定し、かつ前記のVdHとVg1Mについて「Vg1M−VdH<Vth1、かつ、Vg1M−VdL>Vth1、ここでVth1は第1MOS型トランジスタのしきい値電圧」の関係を満たすように設定し、その後、
    一定の露光時間経過後に第2MOS型トランジスタのゲート電圧を第4の所定時間だけ所定の電圧(Vg2M)に設定し、かつ前記のVg1MとVg2Mについて「Vg1M<Vg2M<Vg1M+Vth2、ここでVth2は第2MOS型トランジスタのしきい値電圧」の関係を満たすように設定し、かつ前記第4の所定時間が100μ秒を超えないように設定し、これにより前記第1静電容量素子の電荷を第2静電容量素子に転送し、その後、
    前記第2MOS型トランジスタをオフして前記第2静電容量素子をオープン状態にした上で前記第2静電容量素子の端子電圧をセンサ出力信号とする、
    ように電圧制御を行うことを特徴とする光センサ回路。
  2. 前記制御手段は、前記第1MOS型トランジスタの前記ゲート中間電位(Vg1M)と低い設定電位(Vg1L)を任意の電圧に切り換えることを特徴とする請求項1記載の光センサ回路。
  3. 前記第2MOS型トランジスタの端子電圧を増幅するための第3MOS型トランジスタを備えることを特徴とする請求項1または2記載の光センサ回路。
  4. 前記第3MOS型トランジスタから出力される電圧信号を選択的に出力させるための第4MOS型トランジスタを備えることを特徴とする請求項3記載の光センサ回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された光センサ回路を1画素として撮像領域が形成されることを特徴とするイメージセンサ。
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