JP2007158440A - 積層型誘電体共振器およびバンドパスフィルタ - Google Patents

積層型誘電体共振器およびバンドパスフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】Q値を高い状態に維持しながら、共振周波数を変化させることが可能であり、しかも低損失で小型サイズの積層型誘電体共振器を提供すること。
【解決手段】誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部C1〜C3とインダクタ部L1,L2とが形成してある積層型誘電体共振器2である。インダクタ部L1,L2が、誘電体層40を介して積層されて端部において接続される複数層の直線パターンで構成してある。直線パターンの一部が、他の部分よりも幅が狭い調整用直線パターンを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、積層型誘電体共振器およびバンドパスフィルタに関する。
地上波TV放送、携帯電話、テレビ付き携帯電話などの無線通信システムの多様化に伴い、バンドパスフィルタやデュプレクサなど、数百MHz〜数GHzのマイクロ波帯において共振回路を構成する積層型誘電体共振器に関しては、小型で、低損失な共振器が望まれている。
積層型誘電体共振器の低損失化を実現させるためには、Q値(=1/tanδ)を向上させる必要がある。共振回路のQ値は、主に誘電体基板の誘電体による損失(誘電体損)と共振回路を構成する内部電極による損失(導体損)とによって決まる。一般に、マイクロ波帯以下の低周波帯では、誘電体損よりも導体損の方がQ値に対して支配的である。
したがって、積層型誘電体共振器の低損失化を実現させてQ値を向上させるためには、共振回路を構成する内部電極を形成する導体材料の比抵抗を小さくすることと、内部電極の幅や厚みを大きくすることとが考えられる。
しかしながら、内部電極の比抵抗を小さくすることは、材料およびコスト面で限界が生じるおそれがあり、内部電極の幅や厚みを大きくすることは、その積層型誘電体共振器を有する電子部品が大型化するという問題がある。
そこで、積層型誘電体共振器のサイズを大きくすることなく、Q値を向上させる手段として、下記の特許文献1および2に示すように、表面に内部電極(長手パターン)がそれぞれ形成された複数枚の誘電体層を多数重ねることが提案されている。
このような構造の積層型誘電体共振器において、共振周波数を調整する方法としては、コンデンサ部の電極面積を変化させる方法がある。たとえば現状では2.7GHz対応の共振器の共振周波数を、2.4GHzに対応させるためには、コンデンサの電極面積を大きくする必要がある。しかしながら、この手法では、積層型誘電体共振器のサイズが大きくなってしまう。
また、共振周波数を調整するその他の方法としては、インダクタ部を構成する内部電極パターンの幅を一律に狭くしてしまうことも考えられる。しかしながら、この方法では、共振周波数を変えられるが、Q値が低くなってしまう。
特開平4−43703号公報 特開2001−237619号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、Q値を高い状態に維持しながら、共振周波数を変化させることが可能であり、しかも低損失で小型サイズの積層型誘電体共振器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層型誘電体共振器は、
誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
前記インダクタ部が、前記誘電体層を介して積層されて端部において接続される複数層の長手パターンで構成してあり、
少なくとも一つの前記長手パターンの一部が、他の部分よりも幅が狭い調整部を有することを特徴とする。
本発明に係る積層型誘電体共振器では、インダクタ部が、誘電体層を介して積層されて端部において接続される複数層の長手パターンで構成してあるために、Q値を高く設定することが可能であり、低損失である。すなわち、本発明では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。
また、本発明では、コンデンサ部を構成する内部電極層のサイズを変化させることなく、長手パターンの一部に、他の部分よりも幅が狭い調整部を形成してあるために、共振器の小型化を図ることができる。
しかも本発明では、長手パターンの全体を一律に幅狭にするのではなく、その一部のみに、他の部分よりも幅が狭い調整部を形成してあるために、Q値を低下させることなく、共振周波数を低下させて調整することが可能になる。このように、長手パターンの全体を一律に幅狭にするのではなく、その一部のみに、他の部分よりも幅が狭い調整部を形成することで、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させることができることを見出したのは、本願発明者等が初めてである。
好ましくは、平面側から見て重複するように誘電体層を介して3〜5層の前記長手パターンが積層してあり、前記インダクタ部を構成している。さらに好ましくは、平面側から見て重複するように誘電体層を介して3層または5層の前記長手パターンが積層してあり、前記インダクタ部を構成している。
インダクタ部を構成する長手パターンは、積層方向に1層および2層よりも3層で、Q値が高くなり、4層では、多少3層よりもQ値が低くなるが、5層になると、最も高いQ値となり、6層では、5層よりもQ値が低下する傾向にある。このことは本願発明者等の実験により確認されている。
好ましくは、長手パターンの端部には、コンデンサ部の一方の電極となるコンデンサ電極部が形成してあり、当該コンデンサ電極部から離れている部分に、前記調整部が形成してある。このようなパターンの場合に、Q値が向上する。
好ましくは、長手パターンが直線パターンであり、当該直線パターンの途中で、両側から段差状に幅が狭くなり、前記調整部が形成してある。このようなパターンである場合に、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させることができる。
あるいは、前記長手パターンが直線パターンであり、当該直線パターンの途中で、片側のみで段差状に幅が狭くなり、前記調整部が形成してもよい。この場合にも、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させることができる。
好ましくは、誘電体層を介して積層してある前記長手パターンのうち、積層方向の中央に位置する長手パターンの幅が最も広く、その中央に位置する長手パターンから積層方向に離れるほど、長手パターンの幅が狭くなるように構成してある。このような電極パターン構造によれば、製造時に積層ズレなどが生じても、特性変動が少ない。
好ましくは、前記誘電体層を介して積層してある前記長手パターンのうち、積層方向の中央に位置する長手パターンから積層方向に最も離れた位置に配置してある長手パターンに、前記調整部が形成してある。このような電極パターン構造によれば、製造時に積層ズレなどが生じても、特性変動が少ないと共に、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させる効果が大きい。
好ましくは、同一の誘電体層の表面には、同じ形状を有する一対以上の長手パターンが線対称位置に形成してある。このような電極パターン構造によれば、Q値を高く設定することができる。
好ましくは、同一の前記誘電体層の表面形成してある一対の長手パターンのそれぞれには、入出力端子に接続するリードパターンが接続してある。このような電極パターン構造によれば、共振器回路を構成しやすい。
好ましくは、前記長手パターンの調整部が接地用端子電極に接続してある。このような電極パターン構造によれば、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させる効果が大きい。
本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタやデュプレクサなどとして利用できるが、好ましくはバンドパスフィルタとして利用される。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタの全体斜視図、
図2は図1に示すII−II線に沿う断面図、
図3は図1に示すIII−III線に沿う断面図、
図4〜図12は図2および図3に示す内部電極層の平面図、
図13は図1〜図12に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る積層型誘電体共振器の一例としての積層型バンドパスフィルタ2は、素子本体4を有する。素子本体4の内部には、誘電体層40を介して、複数の内部電極層20〜36が積層してある。これらの内部電極層20〜36のパターンおよび積層構造により、図13に示すコンデンサ部C1〜C3と、インダクタ部L1およびL2とが形成してあり、バンドパスフィルタ回路を構成している。
図1に示すように、素子本体4は、直方体形状を有し、その大きさは、特に限定されないが、縦(X軸方向)1.0〜3.0mm、横(Y軸方向)0.5〜2.5mm、高さ(積層方向Zに一致する)0.6〜1.0mm程度である。
素子本体4のY軸方向に対向する二側面4cおよび4dには、接地用端子電極電極10および12が形成してあり、X軸方向に対向する二側面4aおよび4bには、入力端子電極6および出力端子電極8が形成してある。これらの端子電極6〜12の材質は、特に限定されないが、たとえばAu、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが用いられる。
素子本体4には、図2および図3に示すように、積層方向Zの上から下に向けて、誘電体層40を介して、内部電極層20〜36が積層してある。誘電体層40は、たとえば誘電体グリーンシートを積層後に焼成して得られる。誘電体層40の材質は、特に限定されず、たとえばBaTiO系、BaZrO系、BaNdTi系、BaSnTi系などの誘電体材料が用いられる。各誘電体層40の厚みは、特に限定されず、10〜200μmである。
各誘電体層40の上に形成してある内部電極層20〜36は、誘電体層40となる誘電体グリーンシートの表面に印刷法などで形成され、グリーンシートと共に焼成されて内部電極となる。内部電極層20〜36を構成する金属としては、特に限定されず、Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金などが例示される。
なお、内部電極層20および22の間と、内部電極層34および36の間は、他の誘電体層40の厚みに比べて大きい。厚みの大きい誘電体層40は、内部電極層を構成する電極パターンを形成しないグリーンシートを多層に積層して焼成することにより得られる。
素子本体4の積層方向Z軸の最も上側に位置する内部電極層20は、図4に示すように、Y軸方向に平行して延びる一対の直線パターン20a,20aと、これらの直線パターン20a,20aの中央部を幅広に接続する長方形パターン20bとを有する。この内部電極層20は、全体としてH字形状のパターンであり、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
直線パターン20a,20aは、側面4cおよび4b間を接続するように延び、図1に示す端子電極10および12に対して電気的に接続してある。長方形パターン20bは、端子電極10および12には直接的には接続されていないが、直線パターン20a,20aに対して接続してあるため、端子電極10および12と導通する。
図2および図3に示す厚めの誘電体層40を介して内部電極層20の下側に位置する内部電極層22は、図5に示すように、X軸方向に延びる直線パターン22bと、この直線パターン22bの両側に形成してあり、Y軸方向に延びる一対の直線パターン22a,22aとを有する。この内部電極層22は、図5に示すように、いずれの側面4a〜4dにも露出しない孤立パターンとなっており、図13に示すコンデンサ部C2のフローティング電極となる。この内部電極層22は、誘電体層40の表面で、側面4cに近い位置で、X軸方向の中央位置に形成され、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層22の下側に位置する内部電極層24は、図6に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン(長手パターンの1種)24a,24aを有する。直線パターン24a,24aの端部には、図13に示すコンデンサ部C1,C2,C3の一方の電極を主として構成するコンデンサ電極部24c,24cが一体に形成してある。
これらのコンデンサ電極部24c,24cは、素子本体4の側面4cには露出せず、図5に示す誘電体層40および内部電極層22を介してコンデンサ部C2を構成する。また、これらのコンデンサ電極部24c,24cは、その下側に位置する誘電体層40を介して、後述する図8に示す内部電極層28のコンデンサ電極部28cとの間で、コンデンサ部C1およびC3を構成する。
各直線パターン24aにおけるコンデンサ電極部24cから離れている端部分には、他の主要部分の幅W1よりも幅W2が狭い調整用直線パターン24a1が形成してある。この調整用直線パターン24a1の幅W2は、直線パターン24aの主要部分の幅W1よりも、50〜100μm程度に幅が狭くしてある。主要部分の幅W1は、特に限定されないが、本実施形態では、200〜400μmである。
各調整用直線パターン24a1の長さD2は、直線パターン24aの全長D1に対して、好ましくは80〜10%、さらに好ましくは60〜40%の長さである。また、直線パターン24aの全長D1は、素子本体のY軸方向の長さD0に対して、特に限定されないが、70〜90%の長さである。
この実施形態では、直線パターン24aの途中において、両側から段差状に幅が狭くなり、調整用直線パターン24a1が形成してあるが、本発明では、片側のみで段差状に幅が狭くなり、調整用直線パターン24a1を形成してもよい。
各調整用直線パターン24a1の端部は、素子本体4の側面4dにまで露出し、図1に示す端子電極12に接続してある。調整用直線パターン24a1を含む直線パターン24aが、それぞれ、図13に示すインダクタ部L1およびL2の一部を構成する。
各直線パターン24aの略中央部より多少側面4c側には、それぞれ、リードパターン24bが接続してある。各リードパターン24bは、側面4aおよび4bに露出するように延び、図1に示す入出力端子6および8にそれぞれ接続するようになっている。図6に示すように、内部電極層24は、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層24の下側に位置する内部電極層26は、図7に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン(長手パターンの1種)26a,26aを有する。各直線パターン26aの幅W3は、図6に示す直線パターン24aにおける主要部の幅W1よりも、50〜100μmほど幅広である。
各直線パターン26aは、平面矢視側から見て、図6に示す直線パターン24aがX軸方向ではみ出さない位置に形成してある。ただし、各直線パターン26aのY軸方向の長さは、直線パターン24aのY軸方向の長さD1よりも短く、平面矢視側から見て、直線パターン24aの端部が側面4c方向に飛び出すようにしてある。
各直線パターン26aは、素子本体4の側面4dに露出し、図1に示す端子電極12に接続してあり、図13に示すインダクタ部L1およびL2を各々構成する。
各直線パターン26aには、それぞれ、リードパターン26bが接続してある。各リードパターン26bは、側面4aおよび4bに露出するように延び、図1に示す入出力端子6および8にそれぞれ接続するようになっている。リードパターン26bは、図6に示すリードパターン24bと同じパターンである。図7に示す内部電極層26も、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層26の下側に位置する内部電極層28は、図8に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン(長手パターンの1種)28a,28aを有する。各直線パターン28aの幅W4は、図7に示す直線パターン26aの幅W3よりも、0〜100μmほど幅広であることが好ましいが、必ずしもW4は幅広である必要はない。
各直線パターン28aは、平面矢視側から見て、図7に示す直線パターン26aがX軸方向ではみ出さない位置に形成してある。ただし、各直線パターン28aのY軸方向の長さは、直線パターン26aのY軸方向の長さと略同じである。
各直線パターン28aは、素子本体4の側面4dに露出し、図1に示す端子電極12に接続してあり、図13に示すインダクタ部L1およびL2を各々構成する。
各直線パターン28aには、それぞれ、リードパターン28bが接続してある。各リードパターン28bは、側面4aおよび4bに露出するように延び、図1に示す入出力端子6および8にそれぞれ接続するようになっている。リードパターン28bは、図6に示すリードパターン24bと同じパターンである。
図8に示すように、直線パターン28a,28aの端部から所定距離離れた位置には、長方形状のコンデンサ電極部28cが形成してある。このコンデンサ電極部28cは、平面矢視側から見て、図6に示す一対のコンデンサ電極部24c,24cを完全に覆う面積で形成してあり、これらの電極部と共に、コンデンサ部C1およびC2を形成する。
図8に示すコンデンサ電極部28cは、素子本体4の側面4cに露出し、図1に示す端子電極10に接続してある。図8に示す内部電極層28も、平面矢視側から見て、Y軸方向に延びる中心線に対して、線対称な電極パターンである。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層28の下側に位置する内部電極層30は、図9に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン(長手パターンの1種)30a,30aと、リードパターン30bとを有する。この内部電極層30は、図7に示す内部電極層26と同じ電極パターンを有する。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層30の下側に位置する内部電極層32は、図10に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン(長手パターンの1種)32a,32aと、その一部である調整用直線パターン32a1と、リードパターン32bと、コンデンサ電極部32cとを有する。この内部電極層32は、図6に示す内部電極層24と同じ電極パターンを有する。
図2および図3に示す薄い誘電体層40を介して内部電極層32の下側に位置する内部電極層34は、図11に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン34a,34aと、それらを連結するようにX軸方向に延びる直線パターン34bとを有する。この内部電極層34は、図5に示す内部電極層22と同じ電極パターンを有する。
図2および図3に示す厚い誘電体層40を介して内部電極層34の下側に位置する内部電極層36は、図12に示すように、Y軸方向に平行に延びる一対の直線パターン36a,36aと、それらを連結するようにX軸方向に延びる長方形パターン36bとを有する。この内部電極層36は、図4に示す内部電極層20と同じ電極パターンを有する。
本実施形態では、図13に示すインダクタ部L1およびL2は、図6〜図10に示す内部電極層24〜32の各直線パターン24a〜32aで構成してある。すなわち、各インダクタ部L1およびL2は、誘電体層40を介して5層の直線パターン24a〜32aで構成してある。
本実施形態に係る積層型誘電体共振器2では、インダクタ部L1およびL2が、誘電体層40を介して積層されて端部において接続される複数層の直線パターン24a〜32aで構成してあるために、Q値を高く設定することが可能であり、低損失である。すなわち、本実施形態では、従来構造に比較して、より多くの電流を通過させることが可能であり、挿入損失が少ない。
また、本実施形態では、コンデンサ部C1,C2,C3を構成する内部電極層のサイズを変化させることなく、直線パターン24a,32aの一部に、他の部分よりも幅が狭い調整用直線パターン24a1および32a1を形成してあるために、共振器の小型化を図ることができる。
しかも本実施形態では、直線パターン24a〜32aの全体を一律に幅狭にするのではなく、その一部のみに、他の部分よりも幅が狭い調整用直線パターン24a1,32a1形成してあるために、Q値を低下させることなく、共振周波数を低下させて調整することが可能になる。
さらに本実施形態では、誘電体層を介して5層の直線パターン24a〜32aによりインダクタ部を構成しているので、Q値を最大限に大きくすることができる。
さらにまた、本実施形態では、誘電体層40を介して積層してある直線パターン24a〜32aのうち、積層方向の中央に位置する直線パターン28aの幅W4が最も広く、その中央に位置する直線パターン28aから積層方向Zに離れている直線パターン24a,26a,30a,32aほど、パターンの幅W3およびW1が狭くなるように構成してある。そのため、製造時に電極パターンの積層ズレなどが生じても、特性変動が少ない。
しかも、本実施形態では、誘電体層40を介して積層してある直線パターン24a〜32aのうち、積層方向の中央に位置する直線パターン28から積層方向Zに最も離れた位置に配置してある直線パターン24a,32aに、調整用直線パターン24a1,32a1が形成してある。このような電極パターン構造によれば、製造時に積層ズレなどが生じても、特性変動が少ないと共に、Q値を低下させることなく、共振周波数を変化(低下)させる効果が大きい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、各インダクタ部L1およびL2は、誘電体層40を介して5層の直線パターン24a〜32aで構成してあるが、本発明では、これに限定されない。本発明では、図7および図9に示す内部電極層26および30を省略し、3層の電極層24,28,32に形成してある直線パターン24a,28a,32aで各インダクタ部L1およびL2を構成しても良い。
あるいは、図7および図9に示す内部電極層26および30の直線パターン26a,30aに、図6および図10に示す調整用直線パターン24a1,32a1と同様な調整用直線パターンを形成しても良い。
また、本発明に係る積層型誘電体共振器は、バンドパスフィルタのみではなく、その他の用途の共振器としても使用することも可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1〜図13に示す積層型バンドパスフィルタのサンプルを実際に複数製造し、共振周波数およびQ値の平均値を求めたところ、共振周波数の平均値は、約2.4GHzであり、Q値の平均値は、89.3であった。なお、直線パターン24a,32aにおける主要部の幅W1は、300μmであり、その全長D1は1200μmであり、調整用直線パターン32a1の幅W2は260μmであり、その長さD2は、長さD1の約半分であった。また、素子本体4の縦横寸法は2.5mm×2.0mmであり、Z軸方向の高さは1.0mmであった。
比較例1
直線パターン24a,32aには、調整用直線パターン24a1,32a1を設けず、全長にわたり、幅W1=300μmとした以外は、実施例1と同様にして、積層型バンドパスフィルタのサンプルを実際に複数製造し、共振周波数およびQ値の平均値を求めた。共振周波数の平均値は、約2.7GHzであり、Q値の平均値は、90.04であった。比較例1では、目的とする周波数領域を得ることができなかった。
比較例2
直線パターン24a,32aには、調整用直線パターン24a1,32a1を設けず、全長にわたり、幅W1=280μmとした以外は、実施例1と同様にして、積層型バンドパスフィルタのサンプルを実際に複数製造し、共振周波数およびQ値の平均値を求めた。共振周波数の平均値は、約2.4GHzであり、Q値の平均値は、84.1であった。比較例2では、目的とする周波数領域を得ることができたが、Q値が低下してしまった。
図1は本発明の一実施形態に係る積層型バンドパスフィルタの全体斜視図である。 図2は図1に示すII−II線に沿う断面図である。 図3は図1に示すIII−III線に沿う断面図である。 図4は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つ平面図である。 図5は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図6は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図7は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図8は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図9は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図10は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図11は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図12は図2および図3に示す内部電極層のうちの一つの平面図である。 図13は図1〜図12に示す積層型バンドパスフィルタの等価回路図である。
符号の説明
2… 積層型バンドパスフィルタ
4… 素子本体
6… 入力端子電極
8… 出力端子電極
10,12… 接地用端子電極
20〜36… 内部電極層
24a〜32a… 直線パターン
24a1,32a1… 調整用直線パターン(調整部)
24b〜32b… リードパターン
24c,32c… コンデンサ電極部
C1,C2,C3… コンデンサ部
L1,L2… インダクタ部

Claims (11)

  1. 誘電体層を介して複数の内部電極層が積層してあり、これらの内部電極層のパターンおよび積層構造により、コンデンサ部とインダクタ部とが形成してある積層型誘電体共振器であって、
    前記インダクタ部が、前記誘電体層を介して積層されて端部において接続される複数層の長手パターンで構成してあり、
    少なくとも一つの前記長手パターンの一部が、他の部分よりも幅が狭い調整部を有することを特徴とする積層型誘電体共振器。
  2. 平面側から見て重複するように、前記誘電体層を介して3〜5層の前記長手パターンが積層してあり、前記インダクタ部を構成している請求項1に記載の積層型誘電体共振器。
  3. 前記長手パターンの端部には、前記コンデンサ部の一方の電極となるコンデンサ電極部が形成してあり、当該コンデンサ電極部から離れている部分に、前記調整部が形成してある請求項1または2に記載の積層型誘電体共振器。
  4. 前記長手パターンが直線パターンであり、当該直線パターンの途中で、両側から段差状に幅が狭くなり、前記調整部が形成してある請求項1〜3のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  5. 前記長手パターンが直線パターンであり、当該直線パターンの途中で、片側のみで段差状に幅が狭くなり、前記調整部が形成してある請求項1〜3のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  6. 前記誘電体層を介して積層してある前記長手パターンのうち、積層方向の中央に位置する長手パターンの幅が最も広く、その中央に位置する長手パターンから積層方向に離れるほど、長手パターンの幅が狭くなるように構成してある請求項1〜5のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  7. 前記誘電体層を介して積層してある前記長手パターンのうち、積層方向の中央に位置する長手パターンから積層方向に最も離れた位置に配置してある長手パターンに、前記調整部が形成してある請求項1〜6のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  8. 同一の前記誘電体層の表面には、同じ形状を有する一対以上の長手パターンが線対称位置に形成してある請求項1〜7のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  9. 同一の前記誘電体層の表面形成してある一対の長手パターンのそれぞれには、入出力端子に接続するリードパターンが接続してある請求項8に記載の積層型誘電体共振器。
  10. 前記長手パターンの調整部が接地用端子電極に接続してある請求項1〜9のいずれかに記載の積層型誘電体共振器。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層型誘電体共振器を有するバンドパスフィルタ。
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