JP2007158178A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送電極を備えた電荷転送部とを具備し、前記電荷転送部が、第1層導電性膜からなる第1層電極と、前記第1層電極に対して電極間絶縁膜を介して当接せしめられた、第2層導電性膜からなる第2層電極とを備えた電荷転送電極で構成される固体撮像素子であって、前記電極間絶縁膜が、低温プラズマによるラジカル酸化膜で構成されたことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
例えば電荷転送部の厚さを薄くし、光電変換部への集光を向上するために、電荷転送部を単層電極構造とした構造が提案されている(例えば特許文献1)。この構造を実現するために、第1層導電性膜により第1層電極のパターンを形成した後、熱酸化により電極間絶縁膜を形成し、この上層に第2層導電性膜を形成している。
そしてこの酸化シリコン膜4を電極間絶縁膜として、第2層ドープトポリシリコン膜等からなる第2層電極のパターン3bを形成し、CMPあるいはレジストエッチバックにより平坦化する方法がとられている。
しかしながらこの熱酸化工程において、電極エッジが反るなど、丸まり易くなる。
この場合、第1層電極のエッジ部の反りにより電極下のポテンシャルプロファイル、特には電荷引き抜き部のポテンシャルプロファイルに支障をきたすことになる。またエッジ部の反りには第2層ドープトポリシリコン膜が入り込み、それがストリンガーとして残り、第2層ドープトポリシリコン膜のエッチング工程では除去しにくくなることがあった。
この場合も単層電極構造の場合と同様の問題があった。
また、電荷転送電極を覆うように形成される遮光膜8と電荷転送電極との短絡を防止するために絶縁膜17の膜厚を低減できないために、電荷転送部の薄型化に限界があった。
すなわち、第1層電極及び第2層電極のエッジ形状が丸くなるのを抑制し、転送効率の低下、電荷引き抜き特性の低下DCショートあるいは電界集中などの、特性劣化を生じるのを防止することのできる固体撮像素子を提供することを目的とする。
また、低温形成が可能で、膜質の良好な電極間絶縁膜を備えた固体撮像素子を提供することを目的とする。
さらにまた、遮光膜との間に特別に絶縁膜を介在させることなく、形成することができ電荷転送部の薄型化の可能な固体撮像素子を提供することを目的とする。
この構成により、熱酸化を用いることなく、プラズマ酸化プロセスを適用することにより、低温酸化が可能となりかつ電極エッジの丸まりを抑制することができ、高精度のパターンを有する電荷転送部の形成が可能となる。また、エッジが丸くなることに起因して、このエッジ部分に第2層電極パターン即ち第2層導電性膜が入り込み、電界のエッジ集中が生じるのを抑制することができる。これにより、転送効率の低下、電荷引き抜き特性の低下ひいては、第2層導電性膜のストリンガーに起因するDCショートあるいは電界集中などを抑制することが可能となる。
この構成により、第2層電極表面を膜質の良好な絶縁膜で覆うことができ、電荷転送電極を覆うように形成される遮光膜と電荷転送電極との短絡を防止することができる。また、膜質が良好であるためこの絶縁膜の膜厚を薄くすることができ、電荷転送部の薄型化をはかることが可能となる。
この構成により、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との2層膜となり、絶縁性が向上するため絶縁耐圧を高めつつ酸化量を低減することができ、薄膜化が可能となる。また第1層電極と第2層電極との間の距離を狭めることができ、第1層電極と第2層電極との間のオフセットに起因するポテンシャルポケットを低減することができ、転送効率の向上をはかることができる。
この構成により、膜質の良好な電極間絶縁膜を用いているため単層構造の電荷転送電極においてリークの確実な低減を図ることができる。
この構成によれば、特に第1層電極の上縁近傍で主たる電荷の授受がなされるがこの上縁近傍で膜質の良好な電極間絶縁膜を用いているため2層構造の電荷転送電極においてリークの確実な低減を図ることができる。
この方法によれば、熱酸化を用いることなく、プラズマ酸化プロセスを適用することにより、低温酸化が可能となり、低温下で、緻密で膜質の良好な電極間絶縁膜を形成することができるとともに、第1層電極のエッジ部の丸まりを抑制することができる。従って、エッジが丸くなることに起因して、このエッジ部分に第2層電極パターン即ち第2層導電性膜が入り込み、電界のエッジ集中が生じるのを抑制することができる。これにより、転送効率の低下、電荷引き抜き特性の低下ひいては、第2層導電性膜のストリンガーに起因するDCショートあるいは電界集中などを抑制することが可能となり、信頼性の高い電極間絶縁膜を形成することができる。
この方法によれば、酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との積層膜を構成するため、絶縁耐圧の高い電極間絶縁膜を形成することができるため、薄型化をはかることができ、その結果電極間距離を低減することができる。このことにより、第1層電極と第2層電極の距離を低減でき、電極間ギャップに起因するポテンシャルポケットの生成を抑制することができ、またポテンシャルポケットを生成したとしても浅くすることができ、駆動電圧を高くすることなく形成可能である。
この方法によれば、酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との積層膜を構成するため、絶縁耐圧の高い絶縁膜を形成することができるため、この上層に絶縁膜を介在させることなく遮光膜を形成することができ、電荷転送部の薄型化をはかることができる。その結果、光電変換部への入射光量を増大することができ、高感度化をはかることができる。なお、第2層電極上を覆う絶縁膜の形成後に、反射防止膜の形成に先立ち、HTO膜を形成するのが望ましい。これは水素アニール即ちシンター工程において水素の通り道を確保するためであるが、これにより、酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とこのHTO(酸化シリコン)膜とで、ONO膜を構成するため、より絶縁性が高くなり、遮光膜と電荷転送電極との絶縁性を高めることが可能となる。
この方法によれば、スパッタリング法であれば、反射防止膜(例えば窒化シリコン膜)上にチタンナイトライド(TiN)などの密着性膜を介在させることなく、タングステン膜を形成することができ、界面に水素の通り道を残すことができるため、形成後の水素アニール処理も有効となり、電荷転送部のさらなる薄型化をはかることができ、極めて薄型で高効率の固体撮像素子を形成することが可能となる。その結果、光電変換部への入射光量を増大することができ、さらなる高感度化をはかることができる。
この構成により、反射防止膜のパターニング工程が不要となり、かつ遮光膜と電荷転送電極との間の絶縁性を高めることができる。従って、全面に形成された、反射防止膜(例えば窒化シリコン膜)上にチタンナイトライド(TiN)などの密着性膜を介在させることなく、スパッタリング法によりタングステン膜を形成することができ、界面に水素の通り道を残すことができるため、反射防止膜をほぼ全面に形成した後の水素アニール処理も有効となり、電荷転送部のさらなる薄型化をはかることができ、極めて薄型で高効率の固体撮像素子を形成することが可能となる。その結果、光電変換部への入射光量を増大することができ、さらなる高感度化をはかることができる。ここでスパッタリングにより形成されるタングステン膜は、密着性層を形成することなく、反射防止膜(窒化シリコン)上に形成することができるため、高さを低くすることができる。なお、水素の通過を妨げる原因となる密着性層が存在しないため、水素アニール時の水素の通過孔となる開口は基板上のどこかに存在すればよく、反射防止膜に開口を形成するための高精度のパターニングが実質的には不要となる。ただし望ましくは、反射防止膜は、電極上面で開口を形成しておくのが望ましい。
この構成によれば、単層電極構造の電荷転送電極を電極間リークの虞もなく高歩留まりで得ることができる。
この構成によれば、2層電極構造の電荷転送電極を電極間リークの虞もなく高歩留まりで得ることができる。
また、低温プラズマによるラジカル酸化を用い、層間酸化を行うことで結晶方位依存性のない酸化が可能となり、通常の熱酸化にみられるような膜厚や膜質のばらつきを低減することができる。
(第1の実施の形態)
まず、不純物濃度1.0×1016cm−3程度のn型のシリコン基板1表面に、膜厚15〜35nmの酸化シリコン膜2aと、膜厚50nmの窒化シリコン膜2bと、膜厚5〜10nmの酸化シリコン膜2cを形成し、3層構造のゲート酸化膜2を形成する。
そして、アッシングによりレジスト除去を行なうことにより、固体撮像素子形成部および周辺回路部の一部を覆うように第2層ドープトアモルファスシリコン膜3bが形成される。このとき、基板表面の酸窒化シリコン膜4bおよび窒化シリコン2bはエッチング除去する。
そしてこの上層に、膜厚700nmのBPSG膜10を形成し、この上層にP−SiNからなる絶縁膜(パッシベーション膜)16を形成する。
ここでBPSG膜を成膜後、850℃でリフローし平坦化するあるいはBPSG膜10に代えて低温プラズマによるラジカル酸化により酸化シリコン膜を形成し、導波路を形成するためにフォトダイオード部に開口を形成し、この開口内にCVD法により窒化シリコン膜を形成し光導波路を形成するようにしてもよい。
このようにして微細でかつ、特性のばらつきがなく、信頼性の高い固体撮像素子を形成することができる。なお熱酸化で形成する場合には950℃以上で数時間程度の熱処理が必要であり膜厚230nm程度必要であったのに対し、この方法によれば総膜厚85nm程度でよく、600℃以下で数分程度の熱処理でよく、拡散にほとんど影響を与えることなく形成可能である。
前記第1の実施の形態では、第1層電極と第2層電極との間の電極間絶縁膜および第2層電極上の絶縁膜の形成に低温プラズマによるラジカル酸化後に連続して酸窒化処理を行うことによって形成した酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との積層構造で形成したが、いきなり低温プラズマによる酸窒化処理により酸窒化シリコン膜を形成してもよい。
前記第1の実施の形態では、2層構造の電荷転送電極を用いた固体撮像素子について説明したが、図7に示すように単層構造の電荷転送電極を用いた場合にも適用可能であることはいうまでもない。なお、ここでゲート酸化膜の形成に低温プラズマによるラジカル酸化後に連続して酸窒化処理を行うことによって形成した酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との積層構造で形成したが、いきなり低温プラズマによる酸窒化処理により酸窒化シリコン膜を形成してもよい。
2 ゲート酸化膜
3a 第1層電極(第1層ドープトポリシリコン膜)
3b 第2層電極(第2層ドープトポリシリコン膜)
3 電荷転送電極
4a 酸化シリコン膜
4b 酸窒化シリコン膜
4 電極間絶縁膜
5a 酸化シリコン膜
5b 酸窒化シリコン膜
5 絶縁膜
6 HTO膜
7 反射防止膜
8 遮光膜
30 フォトダイオード領域(光電変換部)
40 電荷転送部
50 カラーフィルタ
60 マイクロレンズ
70 平坦化層
Claims (20)
- 光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する電荷転送電極を備えた電荷転送部とを具備し、
前記電荷転送部が、第1層導電性膜からなる第1層電極と、前記第1層電極に対して電極間絶縁膜を介して当接せしめられた、第2層導電性膜からなる第2層電極とを備えた電荷転送電極で構成される固体撮像素子において、
前記電極間絶縁膜は、低温プラズマによるラジカル酸化膜で構成された固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子であって、
前記第2層電極表面が、低温プラズマによるラジカル酸化膜で被覆された固体撮像素子。 - 請求項1または2に記載の固体撮像素子であって、
前記ラジカル酸化膜は、酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜との2層膜である固体撮像素子。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の固体撮像素子であって、
前記第1および第2層電極はいずれも半導体基板表面にゲート酸化膜を介して並置された単層構造の電荷転送電極を構成することを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の固体撮像素子であって、
前記第2層電極は前記第1層電極の上層の一部に重畳するように形成された2層電極構造の電荷転送電極を構成することを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項1乃至5に記載の固体撮像素子であって、
前記電荷転送電極のほぼ全面を覆うように形成された反射防止膜を介して、スパッタリング法により形成されたタングステン膜を含む遮光膜を備えた固体撮像素子。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の固体撮像素子であって、
前記第1層導電性膜または第2層導電性膜はシリコン系導電性膜であることを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項7に記載の固体撮像素子であって、
前記シリコン系導電性膜はドープトアモルファスシリコン膜であることを特徴とする固体撮像素子。 - 請求項7に記載の固体撮像素子であって、
前記シリコン系導電性膜はドープトポリシリコン膜であることを特徴とする固体撮像素子。 - 光電変換部と、前記光電変換部で生起せしめられた電荷を転送する単層電極構造の電荷転送電極を備えた電荷転送部とを具備した固体撮像素子の製造方法において、
ゲート酸化膜の形成された半導体基板表面に、第1層電極を構成する第1層導電性膜のパターンを形成する工程と、
低温プラズマによるラジカル酸化を行うことにより、前記第1層電極を構成する前記第1層導電性膜のまわりに電極間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1層電極および前記電極間絶縁膜の形成された前記半導体基板表面に第2層電極を構成する第2層導電性膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
さらに低温プラズマによるラジカル酸化を行うことにより、前記第2層導電性膜のまわりに絶縁膜を形成する工程を含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10または11に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記電極間絶縁膜を形成する工程は、酸化シリコン膜を形成する工程と、酸窒化シリコン膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10乃至12のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記絶縁膜を形成する工程は酸化シリコン膜を形成する工程と、酸窒化シリコン膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10乃至13のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記第2層導電性膜および絶縁膜の形成された半導体基板表面に反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜の上層にスパッタリング法によりタングステン膜からなる遮光膜を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項14に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記反射防止膜を形成する工程は、半導体基板表面全体を覆うように形成する工程である固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10乃至15のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法であって、
第1層電極上に突出する前記第2層導電性膜の突出部を除去し、表面を平坦化する工程を含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10乃至15のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記第2層導電性膜の形成工程の後、前記第1層電極上に重畳する領域を残して前記第2層導電性膜をパターニングする工程を含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項10乃至17のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記第1層導電性膜または第2層導電性膜は、シリコン系導電性膜であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 請求項18に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記シリコン系導電性膜はドープトアモルファスシリコン膜であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 請求項18に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記シリコン系導電性膜はドープトポリシリコン膜であることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
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JP2005353681A JP2007158178A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 固体撮像素子およびその製造方法 |
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