JP2007157417A - ニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ニッケルカドミウム蓄電池の構成を簡単にする一方、その部分充電状態における電圧又は電池電圧変化率を検出可能にした充電制御法を提供する。
【解決手段】 非焼結式カドミウム負極にインジウム又は/及びインジウム化合物を添加することとアルカリ電解液の電解質組成成分である水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの配合割合を調製することにより、ニッケルカドミウム蓄電池を構成し、該蓄電池の充電中の部分充電状態において変化する充電電圧挙動を検出することを特徴とする。
【解決手段】 非焼結式カドミウム負極にインジウム又は/及びインジウム化合物を添加することとアルカリ電解液の電解質組成成分である水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの配合割合を調製することにより、ニッケルカドミウム蓄電池を構成し、該蓄電池の充電中の部分充電状態において変化する充電電圧挙動を検出することを特徴とする。
Description
本発明は、ニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法に関する。
従来、ニッケルカドミウム蓄電池として、一般に、正極として焼結式又は非焼結式ニッケル正極を用い、負極として焼結式又は非焼結式カドミウム正極を用い、そのアルカリ電解液としてNaOH、KOH又はLiOHを電解質組成成分として適当に組み合わせて調製したものが知られている。そのセルを単独或いはセルを複数個組み合わせて組電池として種々の用途に使用されている。
これらのニッケルカドミウム蓄電池のセル又は組電池を急速充電や超急速充電するに当たり、その充電制御方法として以下の4つの方式が使用されている。
(1)充電末期の分極増大によるバッテリー電圧の上昇を検出する電圧検出方式
(2)密閉電池における充電末期のガス吸収反応に伴う発熱によるバッテリー電圧の降下を検出する−ΔV方式
(3)密閉電池における充電末期のガス吸収反応に伴う発熱によるバッテリー温度の変化を検出するdT/dt方式
(4)充放電電気量を演算し、電池の充電状態(残存容量)を推定して充電制御する方式
前記(1)乃至(3)の充電制御方式は、いずれも充電末期の電池電圧や電池温度の急峻な変化を利用したものであるが、複数のセルから成る組電池の場合には充放電サイクルを繰り返す内に、セル間の電池電圧や電池容量のバラツキが徐々に拡大し、一部のセルが過充電され、組電池のサイクル寿命の短命をもたらす傾向がある。
前記(4)の充電制御方式では、電気量収支の演算による誤差の補正ができないため、単独で用いられることは無い。
そこで、セルの過充電を防ぐためには、充電末期における電池電圧や温度の変化を検出する方式ではなく、充電中の部分充電状態(PSOC)での電池電圧の検出方式が望まれる。しかし乍ら、ニッケルカドミウム蓄電池の場合、充電中の電池電圧変化は比較的安定しているため、その部分充電状態での電池電圧、即ち、充電分極挙動は平坦であり、充電中にその立ち上がりがないので、その充電分極挙動を電圧検出方式で検出する充電制御は困難である。
一方、上記の(1)〜(4)の充電制御方式に代え、部分充電状態における充電分極挙動を電圧検出により充電制御方法に適した密閉型ニッケルカドミウム蓄電池とその充電方法が特開昭63-313474号公報に公知である。即ち、特開昭63-313474号公報に記載の発明は、未化成のペースト式、即ち、非焼結式カドミウム負極板をその特許請求の範囲の第1項に記載のように、芯体を除く導電性物質の体積が29.5%に特定した未化成のペースト式カドミウム負極板をその請求項(1)の(イ)に特定した水酸化ニッケル正極と組み合わせ、その請求項(1)の(ロ)に特定した理論容量を満たすことを条件にしたニッケルカドミウム蓄電池と、これにより、ペースト式カドミウム負極が過充電に至る前の状態において水素発生を伴わない特有の分極の増加が現れ、これを充電制御に利用することで密閉性を損なわずに急速充電を可能とするその蓄電池の充電方法を開示したものである。この特有の分極の増加を簡略に説明すると、先ず、ペースト(非焼結)式カドミウム負極板の活物質中に充放電反応に一度以上関与したことがある充電反応の分極が小さい水酸化カドミウムと、充放電反応に一度も関与したことがない充電反応の分極が比較的大きい水酸化カドミウムとを存在させる。これにより、充電において、先ず充電時の反応抵抗が小さな前者が選択的に充電され、その後、充電時の反応抵抗が大きい後者の充電が起きる。そして前者の充電が完了する間際の段階において、電流の集中が起こり、水素発生を伴わない特有の分極の増加(ピーク電圧)が現れる。このピーク電圧を検出することにより、ペースト(非焼結)式カドミウム負極板が完全充電に至る前の部分充電状態で充電を検出し充電制御することで、密閉性を損なわずに急速充電を可能とするものである。
特開昭63-313474号公報
これらのニッケルカドミウム蓄電池のセル又は組電池を急速充電や超急速充電するに当たり、その充電制御方法として以下の4つの方式が使用されている。
(1)充電末期の分極増大によるバッテリー電圧の上昇を検出する電圧検出方式
(2)密閉電池における充電末期のガス吸収反応に伴う発熱によるバッテリー電圧の降下を検出する−ΔV方式
(3)密閉電池における充電末期のガス吸収反応に伴う発熱によるバッテリー温度の変化を検出するdT/dt方式
(4)充放電電気量を演算し、電池の充電状態(残存容量)を推定して充電制御する方式
前記(1)乃至(3)の充電制御方式は、いずれも充電末期の電池電圧や電池温度の急峻な変化を利用したものであるが、複数のセルから成る組電池の場合には充放電サイクルを繰り返す内に、セル間の電池電圧や電池容量のバラツキが徐々に拡大し、一部のセルが過充電され、組電池のサイクル寿命の短命をもたらす傾向がある。
前記(4)の充電制御方式では、電気量収支の演算による誤差の補正ができないため、単独で用いられることは無い。
そこで、セルの過充電を防ぐためには、充電末期における電池電圧や温度の変化を検出する方式ではなく、充電中の部分充電状態(PSOC)での電池電圧の検出方式が望まれる。しかし乍ら、ニッケルカドミウム蓄電池の場合、充電中の電池電圧変化は比較的安定しているため、その部分充電状態での電池電圧、即ち、充電分極挙動は平坦であり、充電中にその立ち上がりがないので、その充電分極挙動を電圧検出方式で検出する充電制御は困難である。
一方、上記の(1)〜(4)の充電制御方式に代え、部分充電状態における充電分極挙動を電圧検出により充電制御方法に適した密閉型ニッケルカドミウム蓄電池とその充電方法が特開昭63-313474号公報に公知である。即ち、特開昭63-313474号公報に記載の発明は、未化成のペースト式、即ち、非焼結式カドミウム負極板をその特許請求の範囲の第1項に記載のように、芯体を除く導電性物質の体積が29.5%に特定した未化成のペースト式カドミウム負極板をその請求項(1)の(イ)に特定した水酸化ニッケル正極と組み合わせ、その請求項(1)の(ロ)に特定した理論容量を満たすことを条件にしたニッケルカドミウム蓄電池と、これにより、ペースト式カドミウム負極が過充電に至る前の状態において水素発生を伴わない特有の分極の増加が現れ、これを充電制御に利用することで密閉性を損なわずに急速充電を可能とするその蓄電池の充電方法を開示したものである。この特有の分極の増加を簡略に説明すると、先ず、ペースト(非焼結)式カドミウム負極板の活物質中に充放電反応に一度以上関与したことがある充電反応の分極が小さい水酸化カドミウムと、充放電反応に一度も関与したことがない充電反応の分極が比較的大きい水酸化カドミウムとを存在させる。これにより、充電において、先ず充電時の反応抵抗が小さな前者が選択的に充電され、その後、充電時の反応抵抗が大きい後者の充電が起きる。そして前者の充電が完了する間際の段階において、電流の集中が起こり、水素発生を伴わない特有の分極の増加(ピーク電圧)が現れる。このピーク電圧を検出することにより、ペースト(非焼結)式カドミウム負極板が完全充電に至る前の部分充電状態で充電を検出し充電制御することで、密閉性を損なわずに急速充電を可能とするものである。
上記特許文献1の充電方法では、PSOC充電状態での充電制御方法としては比較的優れたものではあるが、そのニッケルカドミウム蓄電池は、上記のようにその正,負極板の製造条件や理論容量の特定条件が極めて厳しいので、容易且つ安定良好に製造することが困難であり、而も、ペースト式カドミウム負極の活物質の一部を少なくとも一度以上充放電反応をさせる必要があり、化成工程の簡略化ができないなどのデメリットがある。
本発明は、充電末期による充電制御方法の不都合を解消し、且つ上記特許文献1に開示の蓄電池に比し、著しく構成が簡単で安定良好に製造できるニッケルカドミウム蓄電池の充電分極挙動の制御を可能にした充電制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、充電末期による充電制御方法の不都合を解消し、且つ上記特許文献1に開示の蓄電池に比し、著しく構成が簡単で安定良好に製造できるニッケルカドミウム蓄電池の充電分極挙動の制御を可能にした充電制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、請求項1に記載の通り、非焼結式カドミウム負極にインジウム又は/及びインジウム化合物を添加することとアルカリ電解液の電解質組成成分である水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの配合割合を調製することにより、ニッケルカドミウム蓄電池を構成し、該蓄電池の充電中の部分充電状態において変化する充電電圧挙動を検出することを特徴とするニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
更に本発明は、上記の発明において、請求項2に記載の通り、インジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物の添加量は、カドミウム活物質に対し0.01重量%〜2.00重量%であることを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、請求項3に記載の通り、該アルカリ電解液の電解質組成は、水酸化カリウム0〜40重量%、水酸化ナトリウム0〜30重量%であり、且つ、電解質の総量が50重量%以下であることを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、請求項4又は5に記載の通り、前記の充電電圧挙動の検出方法は、電池電圧検出法又は電池電圧変化率検出法であることを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、請求項2に記載の通り、インジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物の添加量は、カドミウム活物質に対し0.01重量%〜2.00重量%であることを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、請求項3に記載の通り、該アルカリ電解液の電解質組成は、水酸化カリウム0〜40重量%、水酸化ナトリウム0〜30重量%であり、且つ、電解質の総量が50重量%以下であることを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、請求項4又は5に記載の通り、前記の充電電圧挙動の検出方法は、電池電圧検出法又は電池電圧変化率検出法であることを特徴とする。
本発明のニッケルカドミウム蓄電池は、その非焼結式カドミウム負極にインジウム又は/及びインジウム化合物を添加したので、充電中の、即ち、部分充電状態における充電電圧挙動は、即ち、電池電圧や電圧変化率は立ち上がり、非平坦となるので、この電池電圧又は/及び電圧変化率の変化を所要の個所で検出し充電制御することができる。従って、過充電を生ずることなく安定良好に充電を完了することができる。即ち、充電完了又は段別充電、定電流/定電流充電モード切替などの充電制御を行うことにより、例えば、複数個のセルから成る組電池において、長期間の充放電サイクルの進行により、セルの固有差や温度分布などによって各セル間の充電状態にバラツキが発生したとしても、部分充電状態で充電制御されていることから、各セルが過充電によるダメージを受ける可能性を減ずることが可能となり、従って、組電池としての寿命性能をより一段と向上させることができる。特に、密閉式では、ガス発生が抑えられるので一層有効である。
また、上記の充電中での充電電圧挙動の位置はアルカリ電解液の電解質成分組成を適当に調整することにより変化せしめることができる効果をもたらすので、適当に設定した電池電圧値や電圧変化率の検出値で所望の充電容量の蓄電池を得ることができる。
一方、本発明のニッケルカドミウム蓄電池は、上記のように構成が簡単であるので、製造が容易である。
また、上記の充電中での充電電圧挙動の位置はアルカリ電解液の電解質成分組成を適当に調整することにより変化せしめることができる効果をもたらすので、適当に設定した電池電圧値や電圧変化率の検出値で所望の充電容量の蓄電池を得ることができる。
一方、本発明のニッケルカドミウム蓄電池は、上記のように構成が簡単であるので、製造が容易である。
本発明は、次のような知見に基づきなされたものである。
即ち、インジウムを含む非焼結式カドミウム極板は、水酸化カリウム水溶液中での化成処理中にインジウムの影響を受けているカドミウムは粒径の大きなβ型の水酸化カドミウムに変化し、インジウムの影響を受けていない水酸化カドミウムは小さなβ型の水酸化カドミウムに変化する。このように2種類の粒径を有する水酸化カドミウムが存在することで、充電時に過充電の違いにより大きな電位変化が現れる。つまり過充電の小さい粒径の小さいβ型の水酸化カドミウムが先に充電され、次いで過充電の大きな粒径の大きいβ型の水酸化カドミウムが充電される。このときに充電電位カーブに電位ステップが現れるものと考える。
一方、水酸化ナトリウム水溶液中では、インジウムの有無に係わらず、粒径の均一なγ型の水酸化カドミウムが生成し、従って充電中の電位変化は現れないものと考える。
そして、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを混合することで、電位ステップが現れる位置を任意に変更し得ることを見出したものである。
以下に、本発明の更に具体的な実施形態につき詳述する。
本発明のニッケルカドミウム蓄電池の正極は、従来の焼結式又は非焼結式の水酸化ニッケル正極でよい。非焼結式カドミウム負極は、酸化カドミウム又は水酸化カドミウムを活物質とする非焼結式カドミウム負極又はかゝる活物質を主とし、これに金属カドミウムを少量混合して成るものを活物質とする非焼結式カドミウム負極に、インジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物を、0.01重量%〜2.00重量%の範囲添加混合して成るものを使用する、インジウム化合物としては、酸化インジウム、水酸化インジウムなどが使用できる。インジウムの添加は微量でも良いが、電圧挙動が顕著に現れ制御し易くするには、カドミウム活物質に対し0.01重量%〜2.00重量%が好ましく、特に、0.04重量%〜1.00重量%が好ましい。多量に添加してもコスト高やカドミウム活物質の減少を招くのみである。
通常、上記のニッケル正極板の所望枚数と、インジウム又はその化合物添加の非焼結式カドミウム負極板の所望枚数を、セパレータを介して積層し、極板群とし、これを電池容器に収容し、これにアルカリ電解液を所定量混入し、施蓋し、密閉し、ニッケルカドミウム蓄電池とする。
即ち、インジウムを含む非焼結式カドミウム極板は、水酸化カリウム水溶液中での化成処理中にインジウムの影響を受けているカドミウムは粒径の大きなβ型の水酸化カドミウムに変化し、インジウムの影響を受けていない水酸化カドミウムは小さなβ型の水酸化カドミウムに変化する。このように2種類の粒径を有する水酸化カドミウムが存在することで、充電時に過充電の違いにより大きな電位変化が現れる。つまり過充電の小さい粒径の小さいβ型の水酸化カドミウムが先に充電され、次いで過充電の大きな粒径の大きいβ型の水酸化カドミウムが充電される。このときに充電電位カーブに電位ステップが現れるものと考える。
一方、水酸化ナトリウム水溶液中では、インジウムの有無に係わらず、粒径の均一なγ型の水酸化カドミウムが生成し、従って充電中の電位変化は現れないものと考える。
そして、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを混合することで、電位ステップが現れる位置を任意に変更し得ることを見出したものである。
以下に、本発明の更に具体的な実施形態につき詳述する。
本発明のニッケルカドミウム蓄電池の正極は、従来の焼結式又は非焼結式の水酸化ニッケル正極でよい。非焼結式カドミウム負極は、酸化カドミウム又は水酸化カドミウムを活物質とする非焼結式カドミウム負極又はかゝる活物質を主とし、これに金属カドミウムを少量混合して成るものを活物質とする非焼結式カドミウム負極に、インジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物を、0.01重量%〜2.00重量%の範囲添加混合して成るものを使用する、インジウム化合物としては、酸化インジウム、水酸化インジウムなどが使用できる。インジウムの添加は微量でも良いが、電圧挙動が顕著に現れ制御し易くするには、カドミウム活物質に対し0.01重量%〜2.00重量%が好ましく、特に、0.04重量%〜1.00重量%が好ましい。多量に添加してもコスト高やカドミウム活物質の減少を招くのみである。
通常、上記のニッケル正極板の所望枚数と、インジウム又はその化合物添加の非焼結式カドミウム負極板の所望枚数を、セパレータを介して積層し、極板群とし、これを電池容器に収容し、これにアルカリ電解液を所定量混入し、施蓋し、密閉し、ニッケルカドミウム蓄電池とする。
アルカリ電解液は、電解質成分であるNaOH及びKOHの2種又はこれらにLiOHを追加した3種を組み合わせたものを水に適当濃度溶解したもので、その全体の重量%は50重量%以下が好ましい。通常、KOHを主体とし、これにNaOHを配合したものが好ましい。その各電解質の配合量は、KOHは0〜40重量%、NaOHは0〜30重量%、LiOHは0〜10重量%である。
NaOHの上記の添加量の範囲において、その添加量が多いほど、インジウム又はインジウム化合物の添加により現れる部分充電状態における充電分極挙動の立ち上がり、即ち、電圧変化率の立ち上がりは遅く、即ち、充電容量が多い側に現れ、少ないほど早く、即ち、充電容量の少ない側に現れることが認められる。
KOHの添加量が0の場合は電圧変化率の立ち上がりは従来のそれと余り差はない。一方、NaOHの添加量が0の場合は電圧変化率の立ち上がりは早過ぎ通常実用的ではない。LiOHは電極挙動に影響は与えないが。公知の如く正極の利用率向上などのために使用されるものである。
NaOHの上記の添加量の範囲において、その添加量が多いほど、インジウム又はインジウム化合物の添加により現れる部分充電状態における充電分極挙動の立ち上がり、即ち、電圧変化率の立ち上がりは遅く、即ち、充電容量が多い側に現れ、少ないほど早く、即ち、充電容量の少ない側に現れることが認められる。
KOHの添加量が0の場合は電圧変化率の立ち上がりは従来のそれと余り差はない。一方、NaOHの添加量が0の場合は電圧変化率の立ち上がりは早過ぎ通常実用的ではない。LiOHは電極挙動に影響は与えないが。公知の如く正極の利用率向上などのために使用されるものである。
このように、本発明のニッケルカドミウム蓄電池は、非焼結式カドミウム負極にインジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物を添加することにより、部分充電状態における充電分極挙動の電池電圧の変化として現れるので、充電末期以前のこの電池電圧の変化を検出できる一方、電解液組成の調製により、その充電分極挙動を所定の個所で予め定めた電池電圧検出法又は電池変化率検出法で検出できる。その結果、本発明のニッケルカドミウム蓄電池が過充電によりダメージを受ける危険性を予防でき、長寿命の蓄電池が得られる。
而して、本発明の蓄電池は、複数セルから成る組電池は、急速充電又は超急速充電において、上記の充電分極挙動を電池電圧検出法又は電圧変化率検出法で検出でき、セルの固有差によるバラツキ又は/及び充放電サイクルの繰り返しによるバラツキによってもたらされる一部セルの著しい過充電による劣化と、それによる組電池の短寿命を防ぎ、長寿命の組電池として得られ、数分間乃至十数分間短時間の超急速充電に適し、従って、バッテリー駆動式工業用ロボットや電動フォークリフト又はバッテリー式無人搬送車などの頻繁に充放電が繰り返される用途に適する蓄電池として得られる。
而して、本発明の蓄電池は、複数セルから成る組電池は、急速充電又は超急速充電において、上記の充電分極挙動を電池電圧検出法又は電圧変化率検出法で検出でき、セルの固有差によるバラツキ又は/及び充放電サイクルの繰り返しによるバラツキによってもたらされる一部セルの著しい過充電による劣化と、それによる組電池の短寿命を防ぎ、長寿命の組電池として得られ、数分間乃至十数分間短時間の超急速充電に適し、従って、バッテリー駆動式工業用ロボットや電動フォークリフト又はバッテリー式無人搬送車などの頻繁に充放電が繰り返される用途に適する蓄電池として得られる。
次に、更に詳細な実施例を比較例と比較し説明する。
実施例1
正極板として厚み0.65mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量2.6Ahの焼結式ニッケル正極を21枚と、負極板として厚み0.63mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量4.5Ahの酸化カドミウム又は水酸化カドミウムとこれに対し約20%のプリチャージに相当する量の金属カドミウムを主活物質とし、インジウムを主活物質に対し0.05重量%添加した非焼結式カドミウム負極板を22枚とを、セパレータとして厚み0.2mmのポリプロピレン系不織布を介して交互に積層して成る極板群を、金属製電池ケースに収納し、その容器内に、電解質として、水酸化カリウム(KOH)30.0重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)2.0重量%を水に溶解して調製したアルカリ電解液を200cc注液した後に、安全弁を有する金属製蓋により該金属製電池ケースを密閉して、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池(セル)を作製した。
実施例2
アルカリ電解液として、水酸化カリウム(KOH)0重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)20重量%を水に溶解して調製したものを使用する以外は、実施例1と同じ要領で公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
実施例3
アルカリ電解液として、水酸化カリウム(KOH)20重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)10.0重量%を水に溶解して調製したものを使用する以外は、実施例1と同じ要領で公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
実施例1
正極板として厚み0.65mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量2.6Ahの焼結式ニッケル正極を21枚と、負極板として厚み0.63mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量4.5Ahの酸化カドミウム又は水酸化カドミウムとこれに対し約20%のプリチャージに相当する量の金属カドミウムを主活物質とし、インジウムを主活物質に対し0.05重量%添加した非焼結式カドミウム負極板を22枚とを、セパレータとして厚み0.2mmのポリプロピレン系不織布を介して交互に積層して成る極板群を、金属製電池ケースに収納し、その容器内に、電解質として、水酸化カリウム(KOH)30.0重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)2.0重量%を水に溶解して調製したアルカリ電解液を200cc注液した後に、安全弁を有する金属製蓋により該金属製電池ケースを密閉して、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池(セル)を作製した。
実施例2
アルカリ電解液として、水酸化カリウム(KOH)0重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)20重量%を水に溶解して調製したものを使用する以外は、実施例1と同じ要領で公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
実施例3
アルカリ電解液として、水酸化カリウム(KOH)20重量%、水酸化リチウム(LiOH)2.0重量%及び水酸化ナトリウム(NaOH)10.0重量%を水に溶解して調製したものを使用する以外は、実施例1と同じ要領で公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
次に、このように作製した実施例1,2,3の電池につき、以下の手順で基本特性試験を行った。
(1)活性化充放電
充電条件:0.1CA(5A)の電流で150%の定電流充電
放電条件:0.2CA(10A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
(2)容量試験
充電条件:0.1CA(5A)の電流で150%の定電流充電
放電条件:0.2CA(10A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
(3)急速充電試験
充電条件:1.5CA(75A)の電流で105%の定電流充電
放電条件:1.5CA(75A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
更に、実施例2の電池(セル)を5セル直列に接続し、25℃の強制空冷雰囲気中で以下の順序で加速寿命試験を行った。
(4)加速サイクル試験
1)完了充電:0.1CA(5A)の電流で15Hr(150%)の定電流充電
2)サイクル放電:3.0CA(150A)の電流で2分(10%)の放電
3)サイクル充電:3.0CA(150A)の電流で5セル直列の電圧が検出電圧8.0Vまで充電
4)サイクル回数:2000回
5)容量放電:0.2A(10A)の電流で夫々のセルを1.0Vまで放電
6)周囲温度:25±5℃(強制空冷)
(1)活性化充放電
充電条件:0.1CA(5A)の電流で150%の定電流充電
放電条件:0.2CA(10A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
(2)容量試験
充電条件:0.1CA(5A)の電流で150%の定電流充電
放電条件:0.2CA(10A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
(3)急速充電試験
充電条件:1.5CA(75A)の電流で105%の定電流充電
放電条件:1.5CA(75A)の電流で電圧が1.0Vまで放電
周囲温度:25±5℃
更に、実施例2の電池(セル)を5セル直列に接続し、25℃の強制空冷雰囲気中で以下の順序で加速寿命試験を行った。
(4)加速サイクル試験
1)完了充電:0.1CA(5A)の電流で15Hr(150%)の定電流充電
2)サイクル放電:3.0CA(150A)の電流で2分(10%)の放電
3)サイクル充電:3.0CA(150A)の電流で5セル直列の電圧が検出電圧8.0Vまで充電
4)サイクル回数:2000回
5)容量放電:0.2A(10A)の電流で夫々のセルを1.0Vまで放電
6)周囲温度:25±5℃(強制空冷)
次に、比較試験のため、下記のようにして比較例1〜3の角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
比較例1
正極板として厚み0.65mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量2.6Ahの焼結式ニッケル正極を21枚と、負極板として厚み0.80mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量4.5Ahの焼結式カドミウム負極22枚とを、セパレータとしてポリプロピレン系不織布を介して相互に積層して成る極板群を、金属製電池ケースに収容して成る電池容器を用意し、その容器内に、実施例1と同じ電解質組成から成るアルカリ電解液を実施例1と同じ200cc注液した後に、安全弁を有する金属製蓋により金属製電池ケースを密閉して、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。尚、前記の焼結式カドミウム負極には予め公称容量の20%(以下全て公称容量に対する%で表記)のプリチャージが施されている。
比較例2
アルカリ電解液として、実施例2と同じ電解質組成から成るものを使用した以外は、比較例1と同じ要領で、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
比較例3
アルカリ電解液として、実施例3と同じ電解質組成から成るものを使用した以外は、比較例1と同じ要領で、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
比較例1
正極板として厚み0.65mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量2.6Ahの焼結式ニッケル正極を21枚と、負極板として厚み0.80mm、幅70mm、高さ157mm、設計容量4.5Ahの焼結式カドミウム負極22枚とを、セパレータとしてポリプロピレン系不織布を介して相互に積層して成る極板群を、金属製電池ケースに収容して成る電池容器を用意し、その容器内に、実施例1と同じ電解質組成から成るアルカリ電解液を実施例1と同じ200cc注液した後に、安全弁を有する金属製蓋により金属製電池ケースを密閉して、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。尚、前記の焼結式カドミウム負極には予め公称容量の20%(以下全て公称容量に対する%で表記)のプリチャージが施されている。
比較例2
アルカリ電解液として、実施例2と同じ電解質組成から成るものを使用した以外は、比較例1と同じ要領で、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
比較例3
アルカリ電解液として、実施例3と同じ電解質組成から成るものを使用した以外は、比較例1と同じ要領で、公称容量50Ahの角型密閉式ニッケルカドミウム蓄電池を作製した。
次に、このように作製した比較例1〜3の電池につき、実施例1〜3の電池について行ったと同じ要領で基本特性試験、即ち、(1)活性化充電試験、(2)容量試験、(3)急速充電試験を行った。
更に、比較例2の電池(セル)を5セル直列に接続し、上記の実施例3の蓄電池について行ったと同じ要領で加速寿命試験[加速サイクル試験1),2),3),4),5),6)]を行った。
更に、比較例2の電池(セル)を5セル直列に接続し、上記の実施例3の蓄電池について行ったと同じ要領で加速寿命試験[加速サイクル試験1),2),3),4),5),6)]を行った。
図1は、実施例1〜3の電池の充電時の電池電圧の挙動特性を示し、図2は、比較例1〜3の電池の充電時の電池電圧の挙動特性を示す。
図1及び図2を比較し明らかなように、実施例1〜3の充電中の充電電圧の立ち上がりが早いため、電池電圧は比較例1〜3の充電中の電池電圧に比し、総体的に高い。即ち、比較例1〜3の充電中の電池電圧は、充電容量が定格容量の50Ahに達する時点で1.6Vに達するに対し、実施例1〜3の充電中の電池電圧が同じ1.6Vに達するには、電池の充電容量は40Ahであり、電池容量50Ahの時点では1.65Vに達することが判る。また、電解液組成の観点から見ると、NaOHの含有量が多いほど電池電圧の立ち上がりが遅いことが判る。
従って、実施例1〜3の電池の予め定めた電池電圧検出法で、充電電圧の挙動を充電末期以前に余裕を以って、所望の個所で電池電圧で検出することができる。例えば、実施例1〜3は、充電中の部分充電において、満充電(50Ah)の約80%以下で電池電圧検出を行うことができるので、従来の充電末期で電圧検出を行う場合に、過酷な過充電になる惧れが防止でき、また、電解液の減失や液漏れによる急激な容量低下を防止できる。また、予め定めた検出電圧の設定を例えば、1.6Vとした場合、実際の検出値が1.59Vにずれても、大きな容量を維持することができる。
図1及び図2を比較し明らかなように、実施例1〜3の充電中の充電電圧の立ち上がりが早いため、電池電圧は比較例1〜3の充電中の電池電圧に比し、総体的に高い。即ち、比較例1〜3の充電中の電池電圧は、充電容量が定格容量の50Ahに達する時点で1.6Vに達するに対し、実施例1〜3の充電中の電池電圧が同じ1.6Vに達するには、電池の充電容量は40Ahであり、電池容量50Ahの時点では1.65Vに達することが判る。また、電解液組成の観点から見ると、NaOHの含有量が多いほど電池電圧の立ち上がりが遅いことが判る。
従って、実施例1〜3の電池の予め定めた電池電圧検出法で、充電電圧の挙動を充電末期以前に余裕を以って、所望の個所で電池電圧で検出することができる。例えば、実施例1〜3は、充電中の部分充電において、満充電(50Ah)の約80%以下で電池電圧検出を行うことができるので、従来の充電末期で電圧検出を行う場合に、過酷な過充電になる惧れが防止でき、また、電解液の減失や液漏れによる急激な容量低下を防止できる。また、予め定めた検出電圧の設定を例えば、1.6Vとした場合、実際の検出値が1.59Vにずれても、大きな容量を維持することができる。
図3は、実施例1及び2の電池の充電時の電池電圧と電圧変化率の挙動を示し、図4は、比較例1及び2の電池の充電時の電池電圧と電圧変化率の挙動を示す。
図3及び図4を比較し明らかなように、図4に示す比較例1及び2の電池の電圧変化率は、充電容量が満充電(50Ah)の約80%に達するまでは、その充電分極は変化なく平坦であり、満充電に近い充電容量から急激に上昇変化するので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御ができない。また、比較例1及び2の電池は充電容量約80%での電池電圧は、1.51〜1.54V程度である。これに対し、実施例1の電池の電圧変化率は、充電容量約10%から上昇し、約50%の当たりでピークとなるので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御することが可能となる。実施例2の電池の電池圧変化率は、充電容量が満充電の約6%から約9%まで充電分極挙動は上昇する変化を示すので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御することが可能となる。また、実施例1及び2の電池は、充電容量約80%での電圧は、1.6V及び1.57Vと、比較例1及び2の電池に比し高い電圧が得られる。
尚、図3に示さなかったが、実施例3の電池電圧変化率の挙動は、実施例1の充電中の電池電圧変化率の20〜30Ahの中間でのピークがより右側へ寄り、30〜40Ahの中間でピークが現れることを確認した。
尚、アルカリ電解液のNaOH、KOH、LiOHの配合量の調整により、電池電圧の挙動及び充電中の、即ち、部分充電における電池電圧変化率の挙動の変化の位置を適当に変位させることができ、これに従い、予め定める電池電圧を検出する設定値や電池電圧変化率を検出する設定値を変えるようにして、充電中の充電分極挙動の検出を行うようにする。
図3及び図4を比較し明らかなように、図4に示す比較例1及び2の電池の電圧変化率は、充電容量が満充電(50Ah)の約80%に達するまでは、その充電分極は変化なく平坦であり、満充電に近い充電容量から急激に上昇変化するので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御ができない。また、比較例1及び2の電池は充電容量約80%での電池電圧は、1.51〜1.54V程度である。これに対し、実施例1の電池の電圧変化率は、充電容量約10%から上昇し、約50%の当たりでピークとなるので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御することが可能となる。実施例2の電池の電池圧変化率は、充電容量が満充電の約6%から約9%まで充電分極挙動は上昇する変化を示すので、充電中の電圧変化率の挙動を検出して充電制御することが可能となる。また、実施例1及び2の電池は、充電容量約80%での電圧は、1.6V及び1.57Vと、比較例1及び2の電池に比し高い電圧が得られる。
尚、図3に示さなかったが、実施例3の電池電圧変化率の挙動は、実施例1の充電中の電池電圧変化率の20〜30Ahの中間でのピークがより右側へ寄り、30〜40Ahの中間でピークが現れることを確認した。
尚、アルカリ電解液のNaOH、KOH、LiOHの配合量の調整により、電池電圧の挙動及び充電中の、即ち、部分充電における電池電圧変化率の挙動の変化の位置を適当に変位させることができ、これに従い、予め定める電池電圧を検出する設定値や電池電圧変化率を検出する設定値を変えるようにして、充電中の充電分極挙動の検出を行うようにする。
図1乃至図4から明らかなように、負極として焼結式カドミウム負極を用いたニッケルカドミウム蓄電池は、充電による電池電圧は総体的に低く、また、部分充電状態における充電分極挙動が平坦であるので、充電中の電圧変化率による検出ができないが、非焼結式カドミウム負極にインジウム又はその化合物を添加することにより、実施例1〜3が示すように、部分充電状態における電圧変化率の挙動に変化をもたらすので、充電中の充電分極挙動を検出することが可能となる。
次に、上記の実施例2の電池を5セル直列に接続した組電池(実施例2-1,2-2,2-3,2-4及び2-5)と上記の比較例2の電池を5セル直列に接続した組電池(比較例2-1,2-2,2-3,2-4及び2-5)のサイクル寿命試験の結果を示す。即ち、夫々の組電池につき行った加速サイクル試験において測定し各セルの2000サイクル毎のサイクル充電後の容量放電結果である残放電容量/定格(%)を示す。図5から明らかなように、負極として焼結式カドミウム負極を用いた比較例2の電池の組電池の5つのセルは、充電電圧検出が満充電に近い点で行われているため、残存容量は多いが、サイクルの進行により一部のセルがバラツキによって過充電され頻繁に安全弁が作動して密閉性を損ない電解液の減少を起こした。そのため、30000サイクルを超えると急激に残存容量の低下を起こし、40000サイクルに達しないうちにその容量は0に近くなった。その結果、組電池としてのサイクル寿命は短命であることが認められた。
これに対し、非焼結式負極を用いた実施例2の電池の組電池は、5セルとも60000サイクルでも残存容量は60%以上を維持しており、サイクル寿命が極めて長くなることが確認された。このことは、実施例2の電池の組電池は、本発明の非焼結式負極の部分充電における充電分極の変化を例えば電圧検出を行い、電圧制御を対定格容量の80%付近で行うときは、各セルに残存容量の多少のバラツキがあっても、上記のように各セルの容量は60%以上に保たれているので、充電過多のセルが過充電にまで至る確率が低いことを意味し、長期に亘り安定良好なサイクル寿命を維持できる。
尚、実施例では電解液に水酸化リチウムを添加したものを示したが、水酸化リチウムは必ずしも必要ではなく、添加しない場合も同様な効果があった。
これに対し、非焼結式負極を用いた実施例2の電池の組電池は、5セルとも60000サイクルでも残存容量は60%以上を維持しており、サイクル寿命が極めて長くなることが確認された。このことは、実施例2の電池の組電池は、本発明の非焼結式負極の部分充電における充電分極の変化を例えば電圧検出を行い、電圧制御を対定格容量の80%付近で行うときは、各セルに残存容量の多少のバラツキがあっても、上記のように各セルの容量は60%以上に保たれているので、充電過多のセルが過充電にまで至る確率が低いことを意味し、長期に亘り安定良好なサイクル寿命を維持できる。
尚、実施例では電解液に水酸化リチウムを添加したものを示したが、水酸化リチウムは必ずしも必要ではなく、添加しない場合も同様な効果があった。
Claims (5)
- 非焼結式カドミウム負極にインジウム又は/及びインジウム化合物を添加することとアルカリ電解液の電解質組成成分である水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの配合割合を調製することにより、ニッケルカドミウム蓄電池を構成し、該蓄電池の充電中の部分充電状態において変化する充電電圧挙動を検出することを特徴とするニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
- インジウム又はインジウム化合物又はこれらの混合物の添加量は、カドミウム活物質に対し0.01重量%〜2.00重量%であることを特徴とする請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
- 該アルカリ電解液の電解質組成は、水酸化カリウム0〜40重量%、水酸化ナトリウム0〜30重量%であり、且つ、電解質の総量が50重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
- 前記の充電電圧挙動の検出方法は、電池電圧検出法であることを特徴とする請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
- 前記の充電電圧挙動の検出方法は、電池電圧変化率検出法であることを特徴とする請求項1に記載のニッケルカドミウム蓄電池の充電制御方法。
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WO2017002520A1 (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-05 | 日立工機株式会社 | 充電装置 |
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