JP2007157333A - フィラメントランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】封止部を棒状のシール用絶縁体を配設するとともに、複数の前記導電性部材を当該シール用絶縁体の外周に間隔を設けて配列し、前記発光管と前記シール用絶縁体とが両者間に導電性部材を介して気密にシールされていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
すなわち、光照射式加熱処理によれば、例えば、被処理物を1000℃以上の温度にまで、十数秒から数十秒で昇温させることが可能であり、光照射停止後、被照射体は急速に冷却される。このような光照射式加熱処理は、通常、複数回に渡って行われる。
上記したように、半導体ウエハを1050℃以上に加熱する際、半導体ウエハに温度分布の不均一が生じると、半導体ウエハにスリップが発生する。
不純物イオン密度を例に取ると、例えば、図7に示すように半導体ウエハの中心に対して中心対称ではない狭小な特定領域で、不純物イオン密度が変化するような場合がある。このような特定領域とその他の領域において同一の放射照度となるように光照射しても、上記特定領域およびその他の領域とでは、温度上昇速度に差異が生じることがあり、上記特定領域の温度とその他の領域の温度とは必ずしも一致しない。
よって、被処理物の処理温度に不所望な温度分布が生じることになり、光加熱処理後、被処理物に所望の物理特性を付与することが困難になるという問題が生じる。
従って、特許文献2に示される技術によれば、被処理体における狭小な特定領域が半導体ウエハの中心に対して中心対称である場合については温度制御が可能である。しかし、特定領域が半導体ウエハの中心に対して中心対称でない場合については、被処理物である半導体ウエハを回転させているので、上記の問題点を良好に解決することはできない。
本発明は、特に、上記した光照射式加熱処理装置に用いるフィラメントランプにおいて、多数の金属箔を封止部に埋設した場合においても、シール不良等の不具合を生じないことにより、信頼性の高いフィラメントランプを提供することを目的とする。
図9において、一方のフィラメント体におけるフィラメントの一端に繋がるリードは、絶縁体に設けられた貫通穴を通過し、他方のフィラメント体のフィラメントと対向する箇所の外側が絶縁管で被覆され、発光管の一端側の封止部に埋設された金属箔に電気的に接続されている。
一方のフィラメント体におけるフィラメントの他端に繋がるリードは、発光管の他端側の封止部に埋設された金属箔に電気的に接続されている。
給電装置は、外部リードを介して各フィラメント毎に接続される。これにより、本発明のフィラメントランプは、各フィラメント体におけるフィラメントに個別に給電可能となっている。
フィラメントランプは、ピンチシールによって、その両端部が封止されている。ピンチシールは、例えば、外部リードとフィラメント体のリードを金属箔に対して溶接した後、外部リードを固定して金属箔の位置する発光管端部をバーナーで焼き、所望のシール部形状に製作された金型で、両側より金属箔を挟み込むことによって行われる。
ところで、本発明者らが考案した図9に示すフィラメントランプにおいては、発光管の端部に形成された封止部には、複数のフィラメントに独立に給電するため、フィラメントの個数の2倍の数の金属箔が埋設されている。従って、フィラメントの個数を増やそうとすると必然的に金属箔の個数が増加することとなる。
そして、図9に示すフィラメントランプにおいて多数の金属箔が必要になった場合(例えば、4枚以上)には、金属箔はフィラメントへの給電によって溶断することのないようにある程度の断面積を有する必要があり、かつ、個々の金属箔が他の金属箔と電気的に絶縁されている必要があることから、矩形状の封止部に多数の金属箔をピンチシールさせようとすると、金属箔がシールされる領域も大きくなる。これにより、製造上困難となったり、リーク等のシール不良が生じやすくなる場合があった。リーク等のシール不良が生じると、フィラメントランプの発光管内に大気が混入し、フィラメントが酸化して断線する不具合を起こしたり、同様に、混入した大気により金属箔が酸化して膨張することにより封止部の石英ガラスを押し広げ、最終的には発光管が破損するという不具合を起こすことによって、フィラメントランプが使用不能な状態になる、という問題がある。
多数の金属箔が必要になるのは、例えば、半導体ウェハ加熱のより高精度な場所的分布制御の必要性という場合が考えられる。
そして、本発明者は、このようなシール不良等の不具合の生じないシール構造を有することにより信頼性の高いフィラメントランプを提供するために検討を積重ねたことによって、後述するように、本発明を完成した。
前記シール用絶縁体は、前記外部リードの位置決め開口が形成されていることを特徴とする。ここで、「位置決め開口」とは、有底穴、切欠きを含む。
上記したように、本発明の光照射式加熱処理装置は、光源部であるランプユニットを上記フィラメントランプが複数本並列配置して構成しているので、従来、発光管内に1つのフィラメントのみ有するフィラメントランプの光源部から放射される光強度分布の設定が、発光管の軸方向と垂直な方向についてのみ調整可能であったのに対し、発光管の軸方向についても調整可能である。よって、被照射物表面における放射照度分布も、2次元方向に高精度に設定することが可能となる。
すなわち、ランプユニットから所定の距離だけ離間した被処理物上の放射照度分布を精密、かつ、任意の分布に設定することが可能となる。
〔A.フィラメントランプの構成〕
図1は、本発明のフィラメントランプの実施形態の一例を示す。図1(a)は斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示すA−A´線で切断した断面図である。
フィラメントランプ1は、例えば石英ガラス等の光透過性材料からなり、その管軸方向に直交する平面で切断した場合の断面が長円形状を有する発光管11を備えている。「長円形状」とは、図1(b)に示すように前記断面における長手方向の長さaが、長手方向に垂直な方向の長さbに比して大きい形状(例えば楕円形状等)の全てを意味するものとする。なお、発光管11は、前記断面が円形状のものであっても良いが、長円形状を採用することにより、後述のフィラメント体と絶縁管を図1(b)に示すa方向に容易に配設することができる。発光管11は、内部にハロゲンガスが導入されるとともに、3つのフィラメント体13a、13b、13cが配設され、両端近傍の内部に棒状のシール用絶縁体12aおよび12bが配設されている。
図1に示すフィラメントランプおいては、導電性部材150aは、後述のリード132bに電気的に接続された内部リード15aと、内部リード15aに電気的に接続された金属箔18a、金属箔18aに電気的に接続された外部リード17aから構成されている。その他の導電性部材150bないし150fについても、150aと同様に、それぞれ内部リード、金属箔、外部リードから構成されている。なお、内部リード15aないし15fはランプ製作加工上の容易性や加工工程の区切り等の理由から設けられているが、フィラメントの定格電力が小さくリード線の素線径が比較的細くて良い場合等で溶接等の製作加工上の取り扱いが容易な場合は内部リードを使用せず、リード132bを直接金属箔18aに接続する構造としても良い。即ち、上記導電性部材150aはリード132bに電気的に接続された金属箔18a、金属箔18aに電気的に接続された外部リード17aから構成されることとしても良い。その他の導電性部材150bないし150fについても150aと同様である。
本発明のフィラメントランプにおける導電性部材は、フィラメント体と後述の給電装置
の両者間に介在して両者に電気的に接続されることで、フィラメント体への給電を行なう機能と、後述するように発光管とシール用絶縁体との両者間に介在することによって気密にシールする機能を有する。図1に示すフィラメントランプでは、一例として後述するように、金属箔を介して発光管とシール用絶縁体とが気密にシールされているが、導電性部材は必ずしも内部リード、金属箔、外部リードの3者からなる必要はない。導電性部材のその他の例として、上記したように内部リードを省略し、後述するフィラメント体のリードと金属箔とを電気的に接続しても良い。また、フィラメント体に対し、発光管の外部に導出する1本の棒状体あるいは1枚の金属箔を接続し、当該棒状体あるいは金属箔の一部分をシールする構造を採用することもできる。
シール用絶縁体12bは、その周面上に、3つの導電性部材150d、150e、150fのうち、金属箔18d、18e、18fが概ね等間隔にてシール用絶縁体12bの長手方向に沿って平行に配設されている。金属箔18dは内部リード15dおよび外部リード17dに接続され、金属箔18eは内部リード15eおよび外部リード17eに接続され、金属箔18fは内部リード15fおよび外部リード17fに接続されている。
フィラメント体13bにおけるリード132bは、仕切板14bに設けられた貫通穴142bに挿通され、フィラメント131aと対向する絶縁管16aに挿通され、仕切板14aに設けられた貫通穴142aに挿通され、シール用絶縁体12aに配置された内部リード15aに接続されている。フィラメント体13bにおけるリード133bは、仕切板14cに設けられた貫通穴141cに挿通され、フィラメント131cと対向する絶縁管16fに挿通され、仕切板14dに設けられた貫通穴143dに挿通され、シール用絶縁体12bに配置された内部リード15eに接続されている。
フィラメント体13cにおけるリード132cは、仕切板14cに設けられた貫通穴143cに挿通され、フィラメント131bと対向する絶縁管16eに挿通され、仕切板14bに設けられた貫通穴143bに挿通され、フィラメント131aと対向する絶縁管16dに挿通され、仕切板14aに設けられた貫通穴143aに挿通され、シール用絶縁体12aに配置された内部リード15bに接続されている。フィラメント体13cにおけるリード133cは、仕切板14dに設けられた貫通穴141dに挿通され、シール用絶縁体12bに配置された内部リード15fに接続されている。
図2(c)ないし図2(e)はシール構造の第2の例を示す図である。図2(c)は、フィラメントランプの長手方向における要部拡大断面図であり、図2(d)、(e)は図2(c)に示すC−C´線、D−D´線で切断した径方向断面図である。
図2(f)、(g)は、シール構造の第3、第4の例を示すためのフィラメントランプの長手方向における要部拡大断面図である。
シール用絶縁体は、例えば石英ガラスなどの絶縁材料からなる。
こうすることによって、内部リード15a、外部リード17a、金属箔18aの全てをシールすることができ、金属箔18aが外部に曝されることがない。従って、作業中の不注意等で、30μm程度と厚みの薄い金属箔18aが切れることによりフィラメントランプを点灯できなくなる、という不具合が生じない。
なお、図2(a)では図示を省略しているが、シール用絶縁体12aには、図1に示す内部リード15b、金属箔18bおよび外部リード17bと、内部リード15c、金属箔18cおよび外部リード17cとが、内部リード15a、金属箔18aおよび外部リード17aと同様に配置されている。内部リード15b、金属箔18bおよび外部リード17bと、内部リード15c、金属箔18cおよび外部リード17cとは、内部リード15a、金属箔18aおよび外部リード17aと同様の形状・全長を有する。
シール用絶縁体12bについてもシール用絶縁体12aと同じ構成である。
こうすることにより、切欠き121a、121b、121cによって内部リード15a、15b、15cの位置が決定され、切欠き122a、122b、122cによって外部リード17a、17b、17cの位置が決定される、という利点がある。
なお、シール用絶縁体12aは、内部リード15a、15b、15cを配置するための切欠き(シール用絶縁体12aにおいては121a、121b、121c)を省略することもできる。シール用絶縁体12bも同様に、内部リード15d、15e、15fを配置するための切欠きを省略することもできる。
シール用絶縁体12aの両端にテーパー部を設けるのは、シール部端部の発光管肉厚を厚くすることが出来るため、シールの信頼性を上げることができる、という理由による。また、シール用絶縁体12aには、より圧力の高くなるフィラメント体側(図において左方)にのみテーパー部が設けられていても良い。
なお、シール用絶縁体12aには、図1に示す内部リード15b、金属箔18bおよび外部リード17bと、内部リード15c、金属箔18cおよび外部リード17cとが、内部リード15a、金属箔18aおよび外部リード17aと同様に設けられている。シール用絶縁体12bについてもシール用絶縁体12aと同じ構成である。
シール用絶縁体12aは、フィラメント体側の面に形成された有底穴125aに対して内部リード15aが差込まれて固定され、発光管外方側の面に形成された有底穴126aに対して外部リード17aが差込まれて固定されている。こうすることにより、有底穴125aの深さによって内部リード15aの位置が決定され、有底穴126aの深さによって外部リード17aの位置が決定される。
なお、シール用絶縁体12aには、図1に示す内部リード15b、金属箔18bおよび外部リード17bと、内部リード15c、金属箔18cおよび外部リード17cとが、内部リード15a、金属箔18aおよび外部リード17aと同様に設けられている。シール用絶縁体12bについてもシール用絶縁体12aと同じ構成である。
フィラメントランプ2は、発光管21内に、2個のフィラメント体23a、23bと、各フィラメント体に電気的に繋がる給電線30aおよび30bと、絶縁体24a、24b、24cと、絶縁管26a、26b、26c、26d、26e、26fと、アンカー29a、29bが配設されている。また、発光管21の両端近傍にシール用絶縁体22a、22bが配設されている。シール用絶縁体22a、22bが配設された箇所において、発光管21とシール用絶縁体22aおよび22bとが、シール用絶縁体22aおよび22bの外周に配置された金属箔を介して気密にシールされた封止部が形成されている。
図3に示すフィラメントランプおいては、導電性部材250aは、フィラメント体23a(リード232a)の一端に電気的に接続された内部リード25aと、内部リード25aに電気的に接続された金属箔28aと、金属箔28aに電気的に接続された外部リード27aとから構成される。
導電性部材250bは、フィラメント体23b(リード232b)の一端に電気的に接続された内部リード25bと、内部リード25bに電気的に接続された金属箔28bと、金属箔28bに電気的に接続された外部リード27bとから構成される。
導電性部材250cは、給電線30bに電気的に接続された内部リード25cと、内部リード25cに電気的に接続された金属箔28cと、金属箔28cに電気的に接続された外部リード27cとから構成される。
導電性部材250dは、給電線30aと電気的に接続された内部リード25dと、内部リード25dに電気的に接続された金属箔28dと、金属箔28dに電気的に接続された外部リード27dとから構成される。
図3に示すフィラメントランプにおいても、図1に示すフィラメントランプと同様に、導電性部材は、必ずしも内部リード、金属箔、外部リードの3者から構成される必要はなく、金属箔と外部リードの2者から構成されても良い。
シール用絶縁体22bは、フィラメント体側の端面に設けられた4つの有底穴に対し、それぞれ内部リード25e、25f、25g、25hが差込まれて固定され、発光管外方側の端面に設けられた有底穴に対し、導電性連結部31aおよび31bが固定されている。金属箔28eと28fが導電性連結部31aに接続されることにより、内部リード25eと25fとが電気的に接続されている。また、金属箔28gと28hが導電性連結部31bに接続されることにより、内部リード25gと25hとが電気的に接続されている。
給電線30aは、一端がシール用絶縁体12bに固定された内部リード25gに接続され、他端が絶縁体24cに設けられた貫通穴243c、フィラメント231bと対向する絶縁管26d、絶縁体24bに設けられた貫通穴244b、フィラメント231aと対向する絶縁管26c、および絶縁体24aに設けられた貫通穴244aの順に挿通され、シール用絶縁体12aに固定された内部リード25dに固定されている。
内部リード25gと25hとが電気的に接続されていることにより、フィラメント体23aと給電線30aとは電気的に接続されている。
給電線30bは、一端がシール用絶縁体22bに差込まれて固定された内部リード25fに接続され、絶縁体24cに設けられた貫通穴242c、フィラメント231bと対向する絶縁管26e、絶縁体24bに設けられた貫通穴243b、およびフィラメント231aと対向する絶縁管26a、および絶縁体24aに設けられた貫通穴243aの順に挿通され、シール用絶縁体22aに差込まれて固定された内部リード25cに接続されている。
内部リード25eと25fとが電気的に接続されていることにより、フィラメント体23bと給電線30bとは電気的に接続されている。
図4は、本発明のフィラメントランプを搭載した加熱装置の構成例を示す正面断面図である。図5は、図4に示す第1のランプユニット10および第2のランプユニット20における各フィラメントランプの配列例を示す平面図である。
図4に示すように、加熱装置100は、チャンバ300を有する。チャンバ300の内部は、石英窓4によりランプユニット収容空間S1と加熱処理空間S2とに分割される。ランプユニット収容空間S1に収容される第1のランプユニット10、第2のランプユニット20から放出される光を、石英窓4を介して加熱処理空間S2に設置される被処理物6に照射することにより、被処理物6の加熱処理が施される。ランプユニット収容空間S1に収容される第1のランプユニット10、第2のランプユニット20は、例えば、10本のフィラメントランプ1を所定の間隔で並列に配置して構成される。両ランプユニット10、20は互いに対向するように配置されている。なお、ランプユニット10を構成するフィラメントランプ1の中心軸方向は、図5に示すように、ランプユニット20を構成するフィラメントランプ1の中心軸方向と互いに交差するように配置されている。
上記冷却風は、反射鏡200も同時に冷却するように風の流れが設定される。なお、反射鏡200が図示を省略した水冷機構により水冷されているような場合は、必ずしも反射鏡200も同時に冷却するように風の流れを設定しなくともよい。
よって、これらの不具合を抑制するため、図4に示すような冷却風供給ノズル81の吹出し口82を石英窓4の近傍にも設け、冷却風ユニット8からの冷却風により石英窓4を冷却するようにすることが望ましい。
図4の例では、電源供給ポート71は、第1のランプ固定台500の導電台51と電気的に接続されている。また、電源供給ポート72は、第1のランプ固定台501の導電台51と電気的に接続されている。第1のランプ固定台500の導電台51は、例えば、外部リード17a(図1参照)と電気的に接続されている。第1のランプ固定台501の導電台51は、例えば、外部リード17e(図1参照)と電気的に接続されている。このような構成により、電源部7における給電装置7aから、第1のランプユニット10における1つのフィラメントランプ1のフィラメント131bへの給電が可能となる。
なお、フィラメントランプ1の他のフィラメント体13a、13c、また、第1のランプユニット10における他のフィラメントランプ1の各フィラメント、第2のランプユニット20の各フィラメントランプ1の各フィラメントについても、他の一対の電源供給ポート71、72より、各々同様の電気的接続がなされる。
被処理物6である半導体ウエハは、上記した円環状のガードリングの円形開口部に半導体ウエハを嵌め込むように配置され、上記段差部で支持される。処理台5は、自らも光照射によって高温となり対面する半導体ウエハの外周縁を補助的に放射加熱し、半導体ウエハの外周縁からの熱放射を補償する。これにより、半導体ウエハの外周縁からの熱放射などに起因する半導体ウエハ周縁部の温度低下が抑制される。
例えば、主制御部3は、ある測定地点の温度が所定の温度に比して低いという温度情報を温度制御部92から得た場合、当該測定地点に近接するフィラメント体の発光部から放射される光が増加するように、当該フィラメント体に対する給電量を増加させるよう温度制御部92に対し指令を送出する。温度制御部92は、主制御部3から送出された指令に基づいて、電源部7から当該フィラメント体に接続された電源供給ポート71、72に供給される電力を増加させる。
また、加熱処理の種類に応じて、加熱処理空間S2には、プロセスガスを導入・排気するプロセスガスユニット800を接続してもよい。例えば、熱酸化プロセスを行なう場合は、加熱処理空間S2に酸素ガス、および、加熱処理空間S2をパージするためのパージガス(例えば、窒素ガス)を導入・排気するプロセスガスユニット800を接続する。プロセスガスユニット800からのプロセスガス、パージガスはチャンバ300に設けられたガス供給ノズル84の吹出し口85から加熱処理空間S2に導入される。また、排気は排出口86から行なわれる。
上記したように、本発明の加熱装置の光源部であるランプユニットは、発光管内にフィラメントとこのフィラメントに電力を供給するリードとが連結されてなるフィラメント体が発光管の管軸に沿って複数配設され、発光管の端部に、前記複数のフィラメント体のそれぞれに対し電気的に接続された導電性部材が複数配設されてなる封止部が設けられているので、各フィラメントに対して独立に給電することが可能なフィラメントランプが複数並列に配置されている。
従来、光源部から放射される光強度分布の設定は、光源部に複数並列に並べられた各フィラメントランプへ給電する電力を調整することにより行われていた。すなわち、上記光強度分布の設定は、発光管の軸方向と垂直な方向についてのみ調整可能であった。
本発明の加熱装置の光源部であるランプユニットに搭載されるフィラメントランプは、発光管内部に上記したように配置されているフィラメントへ給電する電力を個別に調整することが可能であるので、上記光強度分布の設定は、発光管の軸方向についても調整可能である。よって、被照射物表面における放射照度分布も、2次元方向に高精度に設定することが可能となる。
その一方で、図8に示す従来のU字形状を有するランプを使用した場合、水平部と垂直部との境界部分が相当大きな全長を有し、この部分の直下には光が放射されないため、被処理物上でのバラツキが大きくなる、という不具合がある。加えて、発光管が垂直部分を有するU字形状であるが故に、加熱装置の高さ方向に相当なスペースを必要とするため、加熱装置を小型化することができない。
11 発光管
12a、12b シール用絶縁体
121a、122a、121b、122b、121c、122c 切欠き
123a、124a テーパー部
125a、126a 有底穴
13a、13b、13c フィラメント体
131a、131b、131c フィラメント
132a、133a、132b、133b、132c、133c リード
14a、14b、14c、14d 絶縁体
15a、15b、15c、15d、15e、15f 内部リード
16a、16b、16c、16d、16e、16f 絶縁管
17a、17b、17c、17d、17e、17f 外部リード
18a、18b、18c、18d、18e、18f 金属箔
150a、150b、150c、150d、150e、150f 導電性部材
2 フィラメントランプ
21 発光管
22a、22b シール用絶縁体
23a、23b フィラメント体
24a、24b、24c 絶縁体
25a、25b、25c、25d、25e、25f、25g、25h 内部リード
26a、26b、26c、26d、26e、26f 絶縁管
27a、27b、27c、27d 外部リード
28a、28b、28c、28d、28e、28f、28g、28h 金属箔
30a、30b 給電線
31a、31b 導電性連結部
250a、250b、250c、250d 導電性部材
100 加熱装置
200 反射鏡
3 主制御部
4 石英窓
5 処理台
6 被処理物
7a、7b、7c 給電装置
71、72 電源供給ポート
8 冷却風ユニット
81 冷却風供給ノズル
82 吹出し口
83 冷却風排出口
84 ガス供給ノズル
85 吹出し口
86 排出口
800 プロセスガスユニット
9 温度計
92 温度制御部
500、501 第1の固定台
51 導電台
52 保持台
300 チャンバ
S1 ランプユニット収容空間
S2 加熱処理空間
Claims (3)
- 発光管の内部に、フィラメントとこのフィラメントに電力を供給するリードとが連結されてなるフィラメント体が、発光管の管軸に沿って複数配設され、
前記発光管の端部に、前記複数のフィラメント体のそれぞれに対し電気的に接続された導電性部材が複数配設されてなる封止部が設けられたフィラメントランプであって、
前記封止部は、棒状のシール用絶縁体を配設するとともに、複数の前記導電性部材を当該シール用絶縁体の外周に間隔を設けて配列し、前記発光管と前記シール用絶縁体とが両者間に導電性部材を介して気密にシールされていることを特徴とするフィラメントランプ。 - 前記導電性部材は、前記フィラメント体に電気的に接続された金属箔と当該金属箔に電気的に接続された外部リードとを少なくとも備え、
前記シール用絶縁体は、前記外部リードの位置決め開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントランプ。 - 前記シール用絶縁体の少なくとも前記フィラメント体側の端部に、テーパー部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメントランプ。
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