JP2007157298A - 光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路及び光記録媒体アクセス装置 - Google Patents

光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路及び光記録媒体アクセス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度に劣化状況を判定するレーザ光等の光ビームを出力する光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路、及び光記録媒体アクセス装置の提供。
【解決手段】データ記録時のレーザ光の出力時間を累計した第1時間を計測し(S101)、またデータ読取時のレーザ光の出力時間を累計した第2時間を計測し(S102)、閾値テーブルから第1係数及び第2係数を抽出し(S103)、第1係数及び第1時間の積並びに第2係数及び第2時間の積の和を劣化判定指数として計算し(S104)、閾値テーブルから閾値を抽出し(S105)、劣化判定指数が閾値未満であるか否かを判定し(S106)、劣化判定指数が閾値未満と判定した場合(S106:YES)、正常であると判定し(S107)、劣化判定指数が閾値以上と判定した場合(S106:NO)、劣化していると判定する(S110)。
【選択図】図3

Description

光ビーム出力部を備える光ビーム出力回路の劣化判定方法、該劣化判定方法を適用した光ビーム出力回路、及び該光ビーム出力回路を用いた光記録媒体アクセス装置に関し、特に光ビーム出力回路の劣化状況を高精度に判定することが可能な光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路及び光記録媒体アクセス装置に関する。
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光記録媒体に対するデータの記録及び読取を行うDVDレコーダ等の光記録媒体アクセス装置が広く普及している。この様な光記録媒体アクセス装置では、駆動電流を入力することによりレーザ光等の光ビームを出力するレーザダイオード等の半導体を用いたレーザ出力回路が用いられている。レーザ出力回路は、長時間の使用により経時的に劣化し、レーザ光の出力が低下するため、レーザ出力のモニタ電流を検出して入力する駆動電流を制御し、出力を一定に制御するAPC(Automatic Power Control) 回路が用いられている。APC回路によりレーザ光の出力が一定となる様に制御した場合、レーザダイオードの劣化に伴い駆動電流が増大して急速に破壊に至る虞がある。そこでAPC回路が検出したモニタ電流に基づいてレーザダイオードの劣化状況を検知する装置が例えば特許文献1に開示されている。
特開昭64−57771号公報
しかしながら特許文献1に示す様にAPC回路のモニタ電流に基づいてレーザダイオードの劣化状況を検知する場合、APC回路によるレーザの出力の制御が困難な状況になるまで劣化状況を検知することができないという精度に関する問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みて成されたものであり、データ記録時及びデータ読取時の出力時間に基づいて劣化状況を判定することにより、高精度に劣化状況を判定することが可能な光ビーム出力回路の劣化判定方法、該劣化判定方法を適用した光ビーム出力回路、及び該光ビーム出力回路を用いた光記録媒体アクセス装置の提供を目的とする。
また本発明は、光ビーム出力部に入力される電流及び光ビーム出力部から出力されるレーザ光等の光ビームの強度に基づいて劣化状況を判定することにより、高精度に劣化状況を判定することが可能な光ビーム出力回路の劣化判定方法、該劣化判定方法を適用した光ビーム出力回路、及び該光ビーム出力回路を用いた光記録媒体アクセス装置の提供を他の目的とする。
第1発明に係る光ビーム出力回路の劣化判定方法は、光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行うべく光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路の劣化判定方法において、データ記録時の光ビームの出力時間を累計した第1時間を計測し、データ読取時の光ビームの出力時間を累計した第2時間を計測し、計測した第1時間及び第2時間に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定することを特徴とする。
本発明では、データ記録時及びデータ読取時の出力時間に基づいて劣化状況を判定することにより、光ビームの出力時に経時的に劣化するという特性に基づき劣化状況を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第2発明に係る光ビーム出力回路の劣化判定方法は、電流の入力により光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路の劣化判定方法において、光ビーム出力部に入力される電流を測定し、光ビーム出力部から出力される光ビームの強度を測定し、測定した電流値及び強度の関係に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定することを特徴とする。
本発明では、光ビーム出力部に入力される電流及び光ビーム出力部から出力される光ビームの強度に基づいて劣化状況を判定することにより、劣化に従い出力効率が低下するという特性に基づき劣化状況を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第3発明に係る光ビーム出力回路は、光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行うべく光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路において、データ記録時の光ビームの累計出力時間を累計した第1時間を計測する手段と、データ読取時の光ビームの累計出力時間を累計した第2時間を計測する手段と、計測した第1時間及び第2時間に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、データ記録時及びデータ読取時の出力時間に基づいて劣化状況を判定することにより、光ビームの出力時に経時的に劣化するという特性に基づき劣化状況を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第4発明に係る光ビーム出力回路は、第3発明において、前記判定手段は、予め設定されている第1係数及び第1時間の積並びに予め設定されている第2係数及び第2時間の積の和を予め設定されている閾値と比較することで判定する様に構成してあることを特徴とする。
本発明では、データの記録時及び読取時で劣化速度が異なるという特性に基づいて劣化状況を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第5発明に係る光ビーム出力回路は、電流の入力により光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路において、光ビーム出力部に入力される電流を測定する電流測定手段と、光ビーム出力部から出力される光ビームの強度を測定する強度測定手段と、電流測定手段が測定した電流値及び強度測定手段が測定した強度の関係に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、光ビーム出力部に入力される電流及び光ビーム出力部から出力される光ビームの強度に基づいて劣化状況を判定することにより、劣化に従い出力効率が低下するという特性に基づき劣化状況を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第6発明に係る光ビーム出力回路は、第5発明において、複数回の測定に基づき電流値の変化に対する強度の変化の傾きを算出する手段を更に備え、前記判定手段は、算出した傾きを予め設定されている閾値と比較することで判定する様に構成してあることを特徴とする。
本発明では、電流値の変化に対する強度の変化の傾きにより、出力効率の低下を判定するので、高精度に劣化状況を判定することが可能である。
第7発明に係る光記録媒体アクセス装置は、第3発明乃至第6発明のいずれかひとつに記載の光ビーム出力回路と、該光ビーム出力回路が有する光ビーム出力部から光記録媒体に光ビームを出力して、光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行う手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、DVDレコーダ等の装置に適用され、光ビーム出力回路の劣化を高精度に判定することが可能である。
第8発明に係る光記録媒体アクセス装置は、第7発明において、前記判定手段が判定した結果を出力する手段を更に備えることを特徴とする。
本発明では、判定した結果を出力することにより、ユーザに対して劣化状況を通知することが可能である。
第9発明に係る光記録媒体アクセス装置は、第7発明又は第8発明において、前記判定手段が判定した結果を記録する手段を更に備えることを特徴とする。
本発明では、判定した結果を記録することにより、例えば修理時に劣化状況を容易に確認することが可能である。
本発明の光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路及び光記録媒体アクセス装置は、光記録媒体に対するデータを記録する際の光ビームの出力時間を累計した第1時間を計測し、光記録媒体からデータを読み取る際の光ビームの出力時間を累計した第2時間を計測し、予め設定されている第1係数及び第1時間の積並びに予め設定されている第2係数及び第2時間の積の和を予め設定されている閾値と比較することで劣化状況を判定する。
この構成により、本発明では、光ビームの出力時に経時的に劣化し、しかもデータの記録時及び読取時で劣化速度が異なるという光ビーム出力回路の特性に基づき劣化状況を判定するので、劣化状況を早期に、かつ高精度に判定することが可能である等、優れた効果を奏する。
また本発明の光ビーム出力回路の劣化判定方法、光ビーム出力回路及び光記録媒体アクセス装置は、光ビーム出力部に入力される電流を測定し、光ビーム出力部から出力される光ビームの強度を測定し、測定した電流値及び強度の関係、特に電流値の変化に対する強度の変化の傾きを、予め設定されている閾値と比較することで劣化状況を判定する。
この構成により、本発明では、電流値の変化に対する強度の変化の傾きに基づく出力効率が、劣化により低下するという特性に基づき劣化状況を判定するので、劣化状況を早期に、かつ高精度に判定することが可能である。
さらに本発明では、判定した結果を出力することにより、ユーザに対して劣化状況を通知することが可能であり、判定した結果を記録することにより、例えば修理時に劣化状況を容易に確認することが可能である等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における光記録媒体アクセス装置の構成例を示すブロック図である。図1中1は、DVDレコーダ等の光記録媒体アクセス装置であり、光記録媒体アクセス装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御機構10と、制御機構10の制御により実行されるプログラム及びデータ等の各種情報を記録するROM等の記録機構11と、制御機構10の制御によるプログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶するRAM等の記憶機構12とを備えている。また光記録媒体アクセス装置1は、DVD等の光記録媒体2にアクセスして、データの記録及び読取を行う記録/読取機構13を備えている。
また記録媒体アクセス装置1は、外部のアンテナ(図示せず)により受信した放送波から所望の番組情報を取得するチューナ、外部の装置(図示せず)から各種データの入力を受け付ける入力インタフェース等の入力機構14と、モニタ等の表示装置3、その他外部の装置(図示せず)へデータを出力する出力機構15と、ユーザの操作を受け付ける押釦等の操作機構16と、必要に応じて各種情報を表示するLEDパネル等の表示機構17とを備えている。
図2は、本発明の実施の形態1における光記録媒体アクセス装置1が備える記録/読取機構13の構成例を示すブロック図である。記録/読取機構13は、光記録媒体2に対してレーザ光等の光ビームを射出(出力)してデータの記録及び読取を行うピックアップ回路131と、レーザ光の出力を制御するレーザ(光ビーム)出力制御回路132と、レーザ光に関する劣化判定を行うマイコン等の劣化判定回路133とを備えている。
ピックアップ回路131は、レーザ出力制御回路132から入力される駆動電流によりレーザ光を出力するレーザダイオード等のレーザ(光ビーム)出力部1311と、レーザ出力部1311から出力されるレーザ光の強度をモニタ電流として測定するピンフォトダイオード等の出力測定部1312と、出力測定部1312が測定したモニタ電流をフィードバック電圧に変換してレーザ出力制御回路132へ出力するAPCアンプ部1313と、光記録媒体2に対して射出したレーザ光の反射光を受光する受光部1314とを備えている。
そしてピックアップ回路131では、レーザ出力部1311からレーザ光を光記録媒体2に射出することにより、光記録媒体2に対するデータの記録を行い、また記録時より低出力のレーザ光を光記録媒体2に射出して、その反射光を受光部1314にて受光することにより光記録媒体2からのデータの読取を行う。
レーザ出力制御回路132は、光記録媒体2へのデータの記録時及び読取時のレーザ射出電力(レーザパワー)の設定値を出力する設定部1321と、設定部1321から出力された設定値に対し、ピックアップ回路131から出力されたフィードバック電圧に基づく数値を減算することで、設定値を修正する減算部1322と、減算部1322にて修正された設定値に基づく駆動電流を生成してピックアップ回路131へ出力するLDドライバ部1323と、LDドライバ部1323からの駆動電流の出力時間を計測する計測部1324とを備えている。
LDドライバ部1323は、設定部1321から出力される設定値に基づきデータの記録時及び読取時の駆動電流の制御を行う。例えばデータの記録時、LDドライバ部1323では、パルス幅及びタイミングを制御してレーザ出力部1311から射出するレーザ光をパルス発光させることにより、光記録媒体2のディスク記録面の温度を調整し、データを正確に記録することを可能とする。また例えばデータの読取時、LDドライバ部1323では、レーザ出力部1311から射出させるレーザ光に、振幅及び周波数を制御した矩形波を重畳することにより、レーザ光のノイズを逓減することを可能とする。
また本発明の光記録媒体アクセス装置1が備える記録/読取機構13では、出力測定部1312、APCアンプ部1313、設定部1321、減算部1322及びLDドライバ部1323が協働してフィードバック制御を行うことにより、レーザ出力部1311から射出するレーザ光の出力を安定化させることが可能である。
劣化判定回路133は、計測部1324が計測した駆動電流の出力時間を示す値の入力を受け付ける入力部1331と、レーザ出力部1311の劣化状況の判定に要する各種係数及び閾値を記録した閾値テーブル1332aを含むメモリである記録部1332と、劣化状況の判定に関する演算を行う演算部1333と、演算部1333による演算の結果を出力する出力部1334とを備えている。
閾値テーブル1332aには、データ記録時の駆動電流の出力時間に乗じる第1係数、データ読取時の駆動電流の出力時間に乗じる第2係数、劣化状況の判定の基準となる閾値等の様々なデータが記録されている。
次に本発明の実施の形態1に係る光記録媒体アクセス装置1の処理を説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る光記録媒体アクセス装置1の処理の一例を示すフローチャートである。レーザ出力制御回路132では、計測部1324にてLDドライバ部1323からの駆動電流の出力時間を、レーザ光の出力時間として計測する。計測部1324による出力時間の計測は、データ記録時及びデータ読取時で夫々異なる累計カウンタを用いることにより夫々の累計時間の計測として行われる。即ち光記録媒体アクセス装置1のレーザ出力制御回路132は、データ記録時のレーザ光の出力時間を累計した第1時間を計測し(S101)、またデータ読取時のレーザ光の出力時間を累計した第2時間を計測し(S102)、計測により得られた第1時間及び第2時間を示すカウンタ値は劣化判定回路133へ出力される。
光記録媒体アクセス装置1が備える劣化判定回路133では、入力部1331により、計測部1324が計測した第1時間及び第2時間の入力を受け付け、閾値テーブル1332aから第1係数及び第2係数を抽出し(S103)、第1係数及び第1時間の積並びに第2係数及び第2時間の積の和を劣化判定指数として計算する(S104)。劣化判定指数は、レーザ出力部1311の使用による経時的な劣化を判定するための便宜上の数値である。なおデータ記録時のレーザ光の出力は、データ読取時の出力より大きく、そのためレーザ出力部1311の劣化も速いので、第1時間に乗じる第1係数は、第2時間に乗じる第2係数より大きな値となる。
さらに劣化判定回路133では、閾値テーブル1332aから閾値を抽出し(S105)、劣化判定指数が閾値未満であるか否かを判定し(S106)、劣化判定指数が閾値未満であると判定した場合(S106:YES)、レーザ出力部1311は正常であると判定し(S107)、判定した結果を記録部1332に記録し(S108)、また判定した結果を出力部1334から出力する(S109)。ステップS108にて記録された内容は、例えば修理を行う場合に、判定結果の履歴として参照することが可能である。ステップS109にて出力部1334から出力された判定結果は、例えば表示機構17へ送られ表示機構17にて表示(出力)され、また出力機構15へ出力され表示装置3にて表示される。
ステップS106において、劣化判定指数が閾値以上であると判定した場合(S106:NO)、劣化判定回路133では、レーザ出力部1311は劣化していると判定し(S110)、ステップS108へ進み、以降の処理を実行する。
前記実施の形態1では、第1係数及び第1時間の積及び第2係数及び第2時間の積の和を用いて劣化を判定する形態を示したが、本発明はこれに限らず、レーザ光の出力又は駆動電流の値と第1時間との積、並びにレーザ光の出力又は駆動電流の値と第2時間との積の和を用いて劣化を判定する様にしても良く、更にはレーザ光の出力又は駆動電流の時間積分値を算出して劣化を判定する様にしても良い等、様々な形態に展開することが可能である。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1と異なるパラメータを用いてレーザ出力部の劣化状況を判定する形態である。なお以降の説明において実施の形態1と同様の構成要件については、実施の形態1と同様の符号を付して説明する。本発明の実施の形態2における光記録媒体アクセス装置1の構成例は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2における光記録媒体アクセス装置1が備える記録/読取機構13の構成例を示すブロック図である。記録/読取機構13は、ピックアップ回路131、レーザ出力制御回路132及び劣化判定回路133を備えている。
ピックアップ回路131は、レーザ出力部1311、出力測定部1312、APCアンプ部1313及び受光部1314を備えている。なおAPCアンプ部1313では、出力測定部1312が測定したモニタ電流をフィードバック電圧に変換して出力する際に要した電力値を、レーザ光の強度を示すレーザ射出電力(レーザパワー)値として、劣化判定回路133へ出力する。
レーザ出力制御回路132は、設定部1321、減算部1322、LDドライバ部1323、及びLDドライバ部1323にて生成されピックアップ回路131へ出力される駆動電流を測定する電流測定部1325とを備えている。
劣化判定回路133は、APCアンプ部1313から出力されるレーザ射出電力及び電流測定部1325が測定した駆動電流の値の入力を受け付ける入力部1331と、レーザ出力部1311の劣化状況の判定に要する閾値を記録した閾値テーブル1332aを含むメモリである記録部1332と、演算部1333と、出力部1334とを備えている。
次にレーザ出力部1311の駆動電流及びレーザ射出電力の関係について説明する。図5は、本発明の実施の形態2における光記録媒体アクセス装置1にて用いられるレーザ出力部1311に関する駆動電流及びレーザ射出電力の関係を例示したグラフである。図5に例示したグラフは、横軸にレーザ出力部1311の駆動電流をとり、縦軸にレーザ射出電力をとって、その関係を示したものである。レーザ出力部1311の駆動電流は、電流測定部1325が測定した値である。レーザ射出電力は、レーザ出力部1311から出力されるレーザ光の強度をAPCアンプ部1314の出力に要した電力値を用いて示した値である。
図5中、R1は、レーザ出力部1311が正常に機能している場合の駆動電流とレーザ射出電力との関係を示しており、R2は、レーザ出力部1311が劣化した場合の駆動電流とレーザ射出電力との関係を示している。またP1が光記録媒体2からデータを読み取る場合のレーザ射出電力であり、P2が光記録媒体2にデータを記録する場合のレーザ射出電力である。
図5に示す様に、データの読取時よりデータの記録時の方が要求されるレーザ光の強度が大きい。またレーザ出力部1311の劣化に従って出力効率が低下するため、正常時と同程度の強度のレーザ光を出力するためには、駆動電流を大きくすることが必要となる。しかもレーザ出力部1311が劣化した場合、グラフの傾きが小さくなる。
本発明の記録媒体アクセス装置1では、APCアンプ部1314等の各部が協働してフィードバック制御を行うことにより、レーザ出力部1311から射出するレーザ光の出力をP1又はP2を目標値として一定に制御することができる。従ってレーザ射出電力をP1及びP2とした夫々の場合の駆動電流を測定し、レーザ射出電力の変化量を駆動電流の変化量で除した傾きを、初期検査時のキャリブレーションにより予め導出している閾値と比較することにより、レーザ出力部1311の劣化状況を判定することができる。
次に本発明の実施の形態2に係る光記録媒体アクセス装置1の処理を説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る光記録媒体アクセス装置1の処理の一例を示すフローチャートである。本発明の光記録媒体アクセス装置1では、例えば起動時にレーザ光の出力テストを実施する。光記録媒体アクセス装置1が備えるレーザ出力制御回路132では、レーザ光出力時の駆動電流を電流測定部1325にて測定し(S201)、測定値を劣化判定回路133へ出力する。また光記録媒体アクセス装置1が備えるピックアップ回路131では、レーザ出力部1311から出力されるレーザ光の強度を、出力測定部1312にて測定し(S202)、測定したレーザ光の強度を、APCアンプ部1313からレーザ射出電力値として劣化判定回路133へ出力する。
光記録媒体アクセス装置1が備える劣化判定回路133では、入力部1331により、駆動電流の測定値及びレーザ光の出力の強度を示すレーザ射出電力値の入力を受け付け、駆動電流の測定値の変化に対するレーザ射出電力値の変化の傾きを算出する(S203)。駆動電流の測定値の変化とは、光記録媒体2からデータを読み取る場合の駆動電流の測定値と、データを記録する場合の駆動電流の測定値との差である。またレーザ射出電力値の変化とは、データ読取時のレーザ射出電力値と、データ記録時のレーザ射出電力値との差である。そしてステップS203にて算出される傾きとは駆動電流の測定値の変化量をレーザ射出電力値の変化量で除した値である。
そして劣化判定回路133は、閾値テーブル1332aから閾値を抽出し(S204)、ステップS203にて算出した傾きが閾値以上であるか否かを判定し(S205)、傾きが閾値以上であると判定した場合(S205:YES)、レーザ出力部1311は正常であると判定し(S206)、判定した結果を記録部1332に記録し(S207)、また判定した結果を出力部1334から出力する(S208)。
ステップS205において、傾きが閾値未満であると判定した場合(S205:NO)、劣化判定回路133では、レーザ出力部1311は劣化していると判定し(S209)、ステップS207へ進み、以降の処理を実行する。
前記実施の形態2では、データ記録時及びデータ読取時の2点での測定に基づき傾きを算出する形態を示したが、本発明はこれに限らず、適切に設定された2点、更には3点以上の測定に基づき傾きを算出する様にしても良い等、様々な形態に展開することが可能である。
前記実施の形態1及び2では、レーザ光を用いた装置に適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、レーザ光以外の光ビームを用いた装置に適用する等、様々な形態に展開することが可能である
また前記実施の形態1及び2では、DVDレコーダに適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、光記録媒体にアクセスする様々な装置に適用することが可能であり、例えばCDプレイヤ等の再生専用装置に適用することも可能である。
本発明の実施の形態1における光記録媒体アクセス装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における光記録媒体アクセス装置が備える記録/読取機構の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る光記録媒体アクセス装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における光記録媒体アクセス装置が備える記録/読取機構の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における光記録媒体アクセス装置にて用いられるレーザ出力部に関する駆動電流及びレーザ射出電力の関係を例示したグラフである。 本発明の実施の形態2に係る光記録媒体アクセス装置の処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 光記録媒体アクセス装置
13 記録/読取機構
131 ピックアップ回路
1311 レーザ出力部
1312 出力測定部
1313 APCアンプ部
132 レーザ出力制御回路
1323 LDドライバ部
1324 計測部
1325 電流測定回路
133 劣化判定回路
1332 記録部
1332a 閾値テーブル
2 光記録媒体

Claims (9)

  1. 光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行うべく光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路の劣化判定方法において、
    データ記録時の光ビームの出力時間を累計した第1時間を計測し、
    データ読取時の光ビームの出力時間を累計した第2時間を計測し、
    計測した第1時間及び第2時間に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する
    ことを特徴とする光ビーム出力回路の劣化判定方法。
  2. 電流の入力により光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路の劣化判定方法において、
    光ビーム出力部に入力される電流を測定し、
    光ビーム出力部から出力される光ビームの強度を測定し、
    測定した電流値及び強度の関係に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する
    ことを特徴とする光ビーム出力回路の劣化判定方法。
  3. 光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行うべく光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路において、
    データ記録時の光ビームの累計出力時間を累計した第1時間を計測する手段と、
    データ読取時の光ビームの累計出力時間を累計した第2時間を計測する手段と、
    計測した第1時間及び第2時間に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする光ビーム出力回路。
  4. 前記判定手段は、予め設定されている第1係数及び第1時間の積並びに予め設定されている第2係数及び第2時間の積の和を予め設定されている閾値と比較することで判定する様に構成してあることを特徴とする請求項3に記載の光ビーム出力回路。
  5. 電流の入力により光ビームを出力する光ビーム出力部を有する光ビーム出力回路において、
    光ビーム出力部に入力される電流を測定する電流測定手段と、
    光ビーム出力部から出力される光ビームの強度を測定する強度測定手段と、
    電流測定手段が測定した電流値及び強度測定手段が測定した強度の関係に基づいて光ビーム出力回路の劣化状況を判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする光ビーム出力回路。
  6. 複数回の測定に基づき電流値の変化に対する強度の変化の傾きを算出する手段を更に備え、
    前記判定手段は、算出した傾きを予め設定されている閾値と比較することで判定する様に構成してある
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ビーム出力回路。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれかひとつに記載の光ビーム出力回路と、
    該光ビーム出力回路が有する光ビーム出力部から光記録媒体に光ビームを出力して、光記録媒体に対するデータの記録又は読取を行う手段と
    を備えることを特徴とする光記録媒体アクセス装置。
  8. 前記判定手段が判定した結果を出力する手段を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体アクセス装置。
  9. 前記判定手段が判定した結果を記録する手段を更に備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光記録媒体アクセス装置。
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