JP2007154993A - シール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って複数のシール部分をシールする場合にも、各シール部分のシール性を十分に確保することができるようなシール構造を提供すること。
【解決手段】シリンダヘッド11上にカムキャップ21が配設され、シリンダヘッド11およびカムキャップ21の上方を覆うようにヘッドカバー12が配設される。シリンダヘッド11とヘッドカバー12とがボルト14で締結され、シリンダヘッド11とヘッドカバー12との締結面間がガスケット13によりシールされるとともに、カムキャップ21とヘッドカバー12とがボルト25で締結され、カムキャップ21とヘッドカバー12との締結面間がワッシャ24によりシールされる。そして、ボルト14の締め付け部15では定寸締めが行われる一方で、ボルト25の締め付け部26では定寸締めではない弾性締め付けが行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールするのに適したシール構造に関する。
従来、エンジンのシリンダヘッドおよびヘッドカバーのように、対向配置される2つの部材の締結面間をシールするシール構造として、例えば、特許文献1に示されるようなものが知られている。特許文献1に示されるシール構造は、シール部材を介して締結される2つの部材の締結面の少なくとも一方に溝を形成し、溝の内部にシール部材が維持された状態で2つの部材を締結するシール構造であって、エンジンのシリンダヘッドおよびヘッドカバーに適用した例が示されている。
また、特許文献1には、ボルト等の締め付けによりシール部材が過度に圧縮されることを防止するために、次のような定寸締めを行うことが示されている。すなわち、ヘッドカバーのフランジには、シール部材と干渉しないようにして所定高さの複数の突起が所定の間隔で突設されている。そして、ボルト等の締め付けによりヘッドカバーをシリンダヘッドに締結する際、突起がシリンダヘッドに当接することによって、シール部材の圧縮量を規制して、過度の圧縮を防止するようにしている。
特開2001−124211号公報
上述のような定寸締めを行うことで、対向配置される2つの部材の締結面間のシール性を十分に確保することが可能である。また、複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って複数のシール部分をシールする場合にも、シール部分が全て略同一の平面にあり、締め付け部の締結面が全て略同一の平面にあるときには、全ての締め付け箇所部において上述のような定寸締めを行うことによって、シール性を十分に確保することが可能である。
しかし、複数のシール部分のうち、いずれかのシール部分が略同一の平面になく、複数の締め付け部の締結面のうち、いずれかが略同一平面にない場合にも、全ての締め付け部において定寸締めを行えば、かえってシール性の低下を招くことがある。
この問題点について、エンジンのシール構造、具体的には、図3に示すシリンダヘッド111とヘッドカバー112との間にカムキャップ121等のような介在部材が設けられているようなエンジンのシール構造を例に説明する。この場合、シリンダヘッド111上にカムキャップ121が配設され、シリンダヘッド111およびカムキャップ121の上方を覆うようにヘッドカバー112が配設されている。そして、シリンダヘッド111とヘッドカバー112とがボルト114で締結され、そのシリンダヘッド111とヘッドカバー112との締結面間がシール部材113によりシールされている。また、カムキャップ121とヘッドカバー112とがボルト125で締結され、そのカムキャップ121とヘッドカバー112との締結面間がシール部材124によりシールされている。
そして、定寸締めを行うために、ヘッドカバー112の下面には突起116、117がそれぞれ形成されている。突起116は、ボルト114の締め付け部115において、その下面116aがシリンダヘッド111の上面111aに当接するように設けられている。また、突起117は、ボルト125の締め付け部126において、その下面117aがカムキャップ121の上面121aに当接するように設けられている。
しかしこの場合、シリンダヘッド111とヘッドカバー112とを締結するボルト114の締め付け部115の締結面111a、116aと、カムキャップ121とヘッドカバー112とを締結するボルト125の締め付け部126の締結面121a、117aとが、略同一の平面にないことがある。そして、このような場合にも、全てのボルトの締め付け部において定寸締めを行うとすれば、いずれかの締め付け部で、隙や乗り上げが発生する可能性があり、シール性の低下を招く可能性がある。
つまり、シリンダヘッド111とヘッドカバー112との間にカムキャップ121が介在されているので、カムキャップ121とヘッドカバー112とを締結するボルト125の締め付け部126では、シリンダヘッド111の上面111a(ヘッドカバー112およびカムキャップ121の載置面)を基準面とすると、締め付け部126の締結面121a、117aの、基準面に対する距離(締め付け軸方向の距離)が各部材の寸法公差に起因して大きくバラつく場合がある。このため、ボルト125の締め付け部126において、隙や乗り上げが発生する可能性があり、シール性の低下を招く可能性がある。
なお、図3では、ボルト125の締め付け部126で隙が発生した状態を示しており、ヘッドカバー112の突起117の下面117aとカムキャップ121の上面121aとの間に隙間Cが生じている。このように、ボルト125の締め付け部126に発生する隙は、各ボルトを締結した状態のとき、ボルト114の締め付け部115では、ヘッドカバー112の突起116の下面116aがシリンダヘッド111の上面に当接しているのに対し、ボルト125の締め付け部126では、ヘッドカバー112の突起117の下面117aがカムキャップ121の上面121aに当接していないことをいう。一方、ボルト125の締め付け部126に発生する乗り上げは、隙の場合とは逆に、各ボルトを締結した状態のとき、ボルト125の締め付け部126では、ヘッドカバー112の突起117の下面117aがカムキャップ121の上面121aに当接しているのに対し、ボルト114の締め付け部115では、ヘッドカバー112の突起116の下面116aがシリンダヘッド111の上面111aに当接していないことをいう。
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールする場合にも、各シール部分のシール性を十分に確保することができるようなシール構造を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールするシール構造であって、前記複数の締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となる締め付け部では、定寸締めによってボルトが締め付けられ、かつ、締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超える締め付け部では定寸締めではない弾性締め付けによってボルトが締め付けられることを特徴としている。
上記構成によれば、締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超える締め付け部では、定寸締めが行われず、弾性締め付けが行われるので、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが吸収され、各締め付け部における隙や乗り上げの発生を防止することができる。そして、定寸締めを行う締め付け部において、ボルトを確実に締め付けることができ、ボルトの締め付け力を安定させることができ、ボルトにより締結される2つの部材の締結面間のシール性を十分に確保することができる。
本発明は、例えば、エンジンのシール構造に適用することが可能である。具体的には、エンジンのシリンダヘッド上にカムキャップが配設され、シリンダヘッドおよびカムキャップの上方を覆うようにヘッドカバーが配設され、シリンダヘッドとヘッドカバーとがボルトで締結され、そのシリンダヘッドとヘッドカバーとの締結面間が第1のシール部材によりシールされるとともに、カムキャップとヘッドカバーとがボルトで締結され、そのカムキャップとヘッドカバーとの締結面間が第2のシール部材によりシールされており、第1のシール部材によるシール部分と第2のシール部材によるシール部分とが同一平面にないシール構造に適用することが可能である。
ここで、複数の締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となる場合として、例えば、複数の締め付け部の締結面が略同一平面にある場合が挙げられる。この場合、そのような複数の締め付け部において定寸締めを行い、それ以外の締め付け部において定寸締めではない弾性締め付けを行うようにする。
そして、本発明においては、前記複数のシール部分のうち、シール性の要求が高いシール部分では、定寸締めを行うようにして、要求されるシール性を確保することが好ましい。
本発明によれば、締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超える締め付け部では、定寸締めが行われず、弾性締め付けが行われるので、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが吸収され、各締め付け部における隙や乗り上げの発生を防止することができる。そして、定寸締めを行う締め付け部において、ボルトを確実に締め付けることができ、ボルトにより締結される2つの部材の締結面間のシール性を十分に確保することができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、本発明のシール構造をエンジンのヘッドカバーとシリンダヘッドとカムキャップとの間のシール構造について適用した例について、図1、図2により説明する。図1は、エンジン上部の内部構造を示す図である。図2は、エンジン上部に配置されるシリンダヘッド、カムキャップ、ヘッドカバー等の各部材を概略的に示す分解斜視図である。
まず、エンジン上部の概略構成について説明する。
エンジンのシリンダヘッド11の上面には、ヘッドカバー12とカムキャップ21とが載置されている。ヘッドカバー12は、下面を開放させた四角箱状に形成され、シリンダヘッド11およびカムキャップ21の上方を覆うように配設されている。
カムキャップ21は、シリンダヘッド11上に並べて配設される吸気カムシャフト22および排気カムシャフト23の上部を覆うように配設されている。そして、シリンダヘッド11およびカムキャップ21により、吸気カムシャフト22および排気カムシャフト23が回転自在に支持されている。
このように、エンジンのシリンダヘッド11とヘッドカバー12との間にはカムキャップ21が介在されている。そして、シリンダヘッド11とヘッドカバー12との締結面間がシール部材としてのガスケット13によりシールされるとともに、カムキャップ21とヘッドカバー12との締結面間がシール部材としてのワッシャ24によりシールされることによって、エンジン上部が密閉状態とされている。これにより、エンジン内部のオイル等が外部へ漏れることが防止される。
次に、エンジン上部におけるシール構造について詳しく説明する。
シリンダヘッド11とヘッドカバー12とは、ボルト14の締め付けにより締結されている。シリンダヘッド11とヘッドカバー12とを締結するボルト14の締め付け部15では、いわゆる定寸締め(定寸法締め付け)が行われている。
ヘッドカバー12は、上述したように、下面を開放させた四角箱状に形成されている。このヘッドカバー12の下端周縁には、シリンダヘッド11の上面に対向するようにフランジ12aが一体に形成されている。このフランジ12aの外周には、外方へ突出する複数のボス12bが所定の間隔をもって一体に形成されている。各ボス12bには、ボルト14を挿通するためのボルト挿通孔12cが形成されている。一方、シリンダヘッド11には、ボルト14を螺合するためのねじ孔11aが形成されている。シリンダヘッド11のねじ孔11aとヘッドカバー12のボルト挿通孔12cとは、互いに対応する位置に設けられている。
ヘッドカバー12のフランジ12aの下面には、その全周に沿って延びる溝12dが形成されている。この溝12dにはガスケット13の凸部13aが嵌め合わされる。また、ヘッドカバー12のフランジ12aおよびボス12bの下端には、シリンダヘッド11側に向けて突設された突設部(突起)12eが一体に形成されている。突設部12eは、フランジ12aおよびボス12bの外周縁に沿って形成されており、この突設部12eの下面12fがシリンダヘッド11の上面11bに当接されている。
ガスケット13は、ゴム等の弾性材よりなる。ガスケット13は、ヘッドカバー12のフランジ12aの全周に沿って連続する形状となっている。また、ガスケット13は、断面凸形状となっており、上面の中央部に形成された凸部13aがヘッドカバー12のフランジ12aの溝12dに圧入されるようになっている。
この例では、シリンダヘッド11とヘッドカバー12とを締結するボルト14の締め付け部15が、8箇所、設けられている。そして、各締め付け部15の締結面は、全て略同一の平面にある。ここでは、締め付け部15の締結面は、シリンダヘッド11の上面11bと突設部12eの下面12fとなっている。なお、「略同一」と表現したのは、後述する寸法公差に起因するバラツキを考慮したからである。
シリンダヘッド11とヘッドカバー12とがボルト14により締め付け固定された状態では、ボルト14の締め付け力によってガスケット13が圧縮される。これにより、シリンダヘッド11とヘッドカバー12の締結面間がシールされる。このようなガスケット13によるシール部分がヘッドカバー12のフランジ12aの全周に沿って形成されている。
ここで、上述したように、ヘッドカバー12には、突設部12eが設けられているため、ボルト14の締め付けによるガスケット13の圧縮量(締め付け軸方向(ボルトのねじ込み方向)の圧縮幅)は、突設部12eの長さ(締め付け軸方向の長さ)によって規制される。つまり、ボルト14を締め付けていくほど、シリンダヘッド11とヘッドカバー12とが接近してその締結面間の隙間が狭くなり、ガスケット13の圧縮量が大きくなるが、ヘッドカバー12の突設部12eの下面12fがシリンダヘッド11の上面11bに当接すると、それ以上ボルト14を締め付けられなくなり、ガスケット13の圧縮量が規制される。これにより、ガスケット13の過度の圧縮が防止される。また、そのように、ガスケット13の圧縮量が規制されるので、ガスケット13の非圧縮時の締め付け軸方向の厚さおよび突設部12eの長さの少なくとも一方を調整することによって、ガスケット13の圧縮量を調整することができる。これにより、シリンダヘッド11とヘッドカバー12の締結面間において必要とされるシール性を確保することが可能となる。以上のような定寸締めがボルト14の締め付け部15の全てにおいて行われている。
次に、カムキャップ21とヘッドカバー12とは、ボルト25の締め付けにより締結されている。また、カムキャップ21は、ボルト25の締め付けによってシリンダヘッド11に対し固定されている。
カムキャップ21の左右方向中央(吸気カムシャフト22および排気カムシャフト23の延びる方向に直交する方向の中央)には、ボルト25を螺合するためのねじ孔21aが形成されている。また、ヘッドカバー12の上部の左右方向中央には、ボス12gが形成されており、ボス12gにはボルト25を挿通するためのボルト挿通孔12hが形成されている。カムキャップ21のねじ孔21aとヘッドカバー12のボルト挿通孔12hとは、互いに対応する位置に設けられている。
カムキャップ21の上面21bとヘッドカバー12のボス12gの下面12kとの間には、ワッシャ24が介装されている。ワッシャ24は、ゴム等の弾性材よりなる。ワッシャ24は、リング状に形成されており、中央の孔部にボルト25が挿通されている。なお、シリンダヘッド11上にカムキャップ21およびヘッドカバー12を、ガスケット13およびワッシャ24を介在させない状態で載せたとき、カムキャップ21の上面21bとヘッドカバー12のボス12gの下面12kとの間には隙間が生じており、その隙間にワッシャ24が介装されるようになっている。
この例では、4つのカムキャップ21が各カムシャフト22、23の延びる方向に所定の間隔をもって配設されている。したがって、カムキャップ21とヘッドカバー12とを締結するボルト25の締め付け部26が、4箇所、設けられている。そして、各締め付け部26の締結面は、上述したボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fと略同一の平面にはない。ここでは、締め付け部26の締結面は、カムキャップ21の上面21bとヘッドカバー12のボス12gの下面12kとなっている。
そして、カムキャップ21とヘッドカバー12とがボルト25により締め付け固定された状態では、ワッシャ24が圧縮されている。これにより、カムキャップ21とヘッドカバー12の締結面間がシールされる。このようなワッシャ24によるシール部分がシリンダヘッド11とヘッドカバー12との間に介在されるカムキャップ21ごとに形成されている。
ところで、ボルト25の締め付け部26には、上述のボルト14の締め付け部15におけるヘッドカバー12の突設部12eに相当するものが設けられていない。この点で、ボルト25の締め付け部26は、上述のボルト14の締め付け部15とは異なっている。したがって、ボルト25の締め付け部26では、上述したような定寸締めは行われない。このため、ワッシャ24の圧縮量(締め付け軸方向の圧縮幅)は、ボルト25の締め付けによりヘッドカバー12とカムキャップ21とが当接することによって規制されることがなくなる。
しかし、ワッシャ24の圧縮量は、上述の締め付け部15におけるボルト14の締め付けにより間接的に規制されるようになっている。つまり、ボルト14を締め付けていくほど、カムキャップ21とヘッドカバー12とが接近してその締結面間の隙間が狭くなり、ワッシャ24の圧縮量が大きくなる。そして、ヘッドカバー12の突設部12eの下面12fがシリンダヘッド11の上面11bに当接すると、それ以上カムキャップ21とヘッドカバー12との締結面間の隙間が狭くならなくなり、ワッシャ24が圧縮されなくなる。このように、ワッシャ24の圧縮量が間接的に規制されるようになっている。以上のような定寸締めではない弾性締め(弾性締め付け)がボルト25の締め付け部26の全てにおいて行われている。
以上述べたように、シリンダヘッド11とヘッドカバー12とを締結するボルト14の締め付け部15では、定寸締めを行っている一方で、カムキャップ21とヘッドカバー12とを締結するボルト25の締め付け部26では、定寸締めを行っていない。
ここで、上述したように、ボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fは、全て略同一の平面にある。そして、基準面をシリンダヘッド11の上面11b(ヘッドカバー12およびカムキャップ21の載置面)とした場合、ボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fの、基準面に対する締め付け軸方向の寸法公差に起因するバラツキが所定範囲内となっている。つまり、この例では、複数の締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となっている締め付け部15において、定寸締めによりボルト14を締め付けるようにしている。
また一方では、ボルト25の締め付け部26の締結面21b、12kは、ボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fとは略同一の平面にない。そして、全てのボルト25の締め付け部26において、ボルト25の締め付け部26の締結面21b、12kの基準面に対する締め付け軸方向のバラツキが、各部材の寸法公差に起因して所定範囲を超えている。つまり、この例では、複数の締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超えている締め付け部26において、定寸締めではなく、弾性締めによりボルト25を締め付けるようにしている。
このようなボルト締結によるシール構造では、締め付け部15におけるボルト14の締め付けによって、カムキャップ21とヘッドカバー12とが接近してその締結面間の隙間が狭くなり、ワッシャ24が圧縮される。これにより、締め付け部26の締結面21b、12kの基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが吸収され、締め付け部26における隙や乗り上げの発生を防止することができ、そして、各シール部材によるシールを確実に行うことができる。したがって、隙の発生時にボルトを過度に締め付けることや、過度の締め付けによってヘッドカバー12に余分な応力がかかることがなくなる。また、乗り上げによってガスケット13のシール性が低下することがなくなる。
また、締め付け部15におけるボルト14の締め付けがカムキャップ21とヘッドカバー12とが当接することによって中途で規制されなくなる。つまり、締め付け部15においては、締め付け部26におけるボルト25の締め付けとは関係なく、ヘッドカバー12の突設部12eの下面12fがシリンダヘッド11の上面11bに当接するまでボルト14を確実に締め付けることができ、ボルト14の締め付け力を安定させることができる。そして、ガスケット13によるシリンダヘッド11とヘッドカバー12の締結面間のシール性を十分に確保することができる。
さらに、エンジン内部のオイル等の漏れを防止する点からすると、ワッシャ24によるシール部分に比べてガスケット13によるシール部分のほうがより高いシール性が要求される。この例では、より高いシール性が要求されるボルト14の締め付け部15において、上述のような定寸締めを行うことによって、ガスケット13によるシール部分に必要とされるより高いシール性を確保できるようにしている。
なお、所定範囲内の締め付け軸方向の公差によるバラツキとは、全てのボルトの締め付け部において定寸締めを行った場合に、隙や乗り上げが発生しない程度のバラツキを言う。また、ワッシャ24としては、その非圧縮時の締め付け軸方向の厚さが、カムキャップ21の上面21bとヘッドカバー12のボス12gの下面12kとの隙間、ここでは、上述の締め付け軸方向の公差によるバラツキの影響を考慮した隙間よりも大きく設定されたものが用いられている。
上述の例では、1つのカムキャップ21とヘッドカバー12とは、1つのボルト25のみで締結するようにしたが、これに限定されず、複数のボルト25で締結するようにしてもよい。また、吸気カムシャフト22と排気カムシャフト23とに対して、それぞれ別々のカムキャップを設けるようにしてもよい。また、上述の例では、ゴム製のワッシャ24を用いたが、ワッシャの片面または両面にゴムコーティングを施したゴムコーティングワッシャを用いてもよい
また、上述では、シリンダヘッド11とヘッドカバー12とを締結するボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fの、基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となっている例として、ボルト14の締め付け部15の締結面11b、12fが略同一の平面にある場合について説明したが、このような場合に限定されない。つまり、ボルトの締め付け部の締結面が略同一の平面にない場合であっても、締結面の締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内である締め付け部であれば、定寸締めを行うことが可能である。
また、複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールするシール構造であれば、上述のエンジンのシリンダヘッドとヘッドカバーとカムキャップと間のシール構造の場合に限定されない。つまり、エンジンの他の箇所のシール構造であってもよいし、エンジン以外のシール構造であってもよい。
本発明を適用するエンジンの上部の内部構造を示す断面図である。 エンジン上部に配置されるシリンダヘッド、カムキャップ、ヘッドカバー等の各部材を概略的に示す分解斜視図である。 エンジンのシール構造において、全ての締め付け部で定寸締めを行った場合の問題点を説明するための断面図である。
符号の説明
11 シリンダヘッド
11b 上面
12 ヘッドカバー
12a フランジ
12e 突設部
12f 下面
12g ボス
12k 下面
13 ガスケット
14 ボルト
15 締め付け部
21 カムキャップ
21b 上面
24 ワッシャ
25 ボルト
26 締め付け部

Claims (4)

  1. 複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールするシール構造であって、
    前記複数の締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となる締め付け部では、定寸締めによってボルトが締め付けられ、かつ、締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超える締め付け部では、定寸締めではない弾性締め付けによってボルトが締め付けられることを特徴とするシール構造。
  2. エンジンのシリンダヘッド上にカムキャップが配設され、シリンダヘッドおよびカムキャップの上方を覆うようにヘッドカバーが配設され、
    シリンダヘッドとヘッドカバーとがボルトで締結され、そのシリンダヘッドとヘッドカバーとの締結面間が第1のシール部材によりシールされるとともに、
    カムキャップとヘッドカバーとがボルトで締結され、そのカムキャップとヘッドカバーとの締結面間が第2のシール部材によりシールされており、
    第1のシール部材によるシール部分と第2のシール部材によるシール部分とが同一平面にないシール構造であって、
    前記各ボルトの締め付け部のうち、締め付け部の締結面の基準面に対する締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲内となる締め付け部では、定寸締めによってボルトが締め付けられ、かつ、締め付け軸方向の公差によるバラツキが所定範囲を超える締め付け部では、定寸締めではない弾性締め付けによってボルトが締め付けられることを特徴とするシール構造。
  3. 複数の締め付け部でボルトの締め付けを行って、同一平面にない複数のシール部分をシールするシール構造であって、
    前記複数の締め付け部のうち、締結面が略同一平面にある複数の締め付け部では、定寸締めによってボルトが締め付けられ、その定寸締めが行われる締め付け部以外の締め付け部では、定寸締めではない弾性締め付けによってボルトが締め付けられることを特徴とするシール構造。
  4. 前記複数のシール部分のうち、シール性の要求が高いシール部分では、定寸締めが行わることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013126872A (ja) * 2010-03-31 2013-06-27 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ液圧制御装置

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