JP2007154847A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007154847A
JP2007154847A JP2005354796A JP2005354796A JP2007154847A JP 2007154847 A JP2007154847 A JP 2007154847A JP 2005354796 A JP2005354796 A JP 2005354796A JP 2005354796 A JP2005354796 A JP 2005354796A JP 2007154847 A JP2007154847 A JP 2007154847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
output
internal combustion
combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005354796A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Soejima
慎一 副島
Noriyasu Adachi
憲保 足立
Katsuya Hirai
克哉 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005354796A priority Critical patent/JP2007154847A/ja
Publication of JP2007154847A publication Critical patent/JP2007154847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】内燃機関の燃焼モードを確実に切り換える。
【解決手段】制御装置100は、燃焼モードを切り換え可能なエンジン200の動作状態を制御する。これは、エンジン200の出力を推定する出力推定部110と、燃焼方式の切り換え前に、出力推定部110によって切り換え前の出力として推定される切換前出力と、出力推定部110によって切り換え後の出力として推定される切換後出力との出力段差が所定値よりも小さくなるまで、切換前出力を変化させるように、動作状態を規定する少なくとも一つの動作パラメータを変化させるパラメータ制御部120とを備える。更に、出力段差が所定値よりも小さくなった後に、燃焼モードを切り換える燃焼方式切換部130と、パラメータ制御部120が動作パラメータを所定時間継続して変化させた場合に、燃焼方式を強制的に切り換える強制切換部140とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン等である内燃機関の燃焼制御装置の技術分野に関する。
この種の内燃機関では、例えば空燃比の互いに異なるストイキ燃焼やリーン燃焼等の燃焼モードの切り換えが行われる。このような燃焼モードの切り換えの際、例えばトルク段差等の出力段差が大きく生じてしまう場合があり、この出力段差を抑制するため各種の提案がなされている。
例えば特許文献1では、燃焼モードを切り換える際、吸入空気量等から推定される内燃機関のトルクが切換後の所定のトルクに一致するまで点火時期を遅角する、即ちトルク補正を行うことにより切換時のトルク段差を抑制する技術が提案されている。
特開平11−22609号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、推定される内燃機関のトルクに、製品ばらつきや経年劣化に起因して誤差が生じた場合には、燃焼モードが切り換わらないおそれがあるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、内燃機関の燃焼モードを確実に切り換えることが可能な内燃機関の燃焼制御装置を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置は上記課題を解決するために、2つ以上の燃焼方式を切り換え可能な内燃機関の動作状態を制御する内燃機関の燃焼制御装置であって、前記動作状態及び前記燃焼方式に基づいて前記内燃機関の出力を推定する出力推定手段と、前記燃焼方式の切り換え前に、前記出力推定手段によって前記切り換え前の前記内燃機関の出力として推定される切換前出力と、前記出力推定手段によって前記燃焼方式の切り換え後の前記内燃機関の出力として推定される切換後出力との出力段差が所定値よりも小さくなるまで、前記切換前出力を変化させるように、前記動作状態を規定する少なくとも一つの動作パラメータを変化させるパラメータ制御手段と、前記出力段差が前記所定値よりも小さくなった後に、前記燃焼方式を切り換える燃焼方式切換手段と、前記パラメータ制御手段が前記動作パラメータを所定時間継続して変化させた場合に、前記燃焼方式を強制的に切り換える強制切換手段とを備える。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置によれば、その動作時には、内燃機関における、例えばストイキ燃焼方式及びリーン燃焼方式の2つの燃焼方式(又は「燃焼モード」とも呼ぶ)が、以下のように、例えばトルク段差等の出力段差を抑制しつつ切り換えられる。
先ず、アクセルペダルの踏み込みに応じてスロットルが開かれると、燃焼方式の切換前出力、ストイキ燃焼方式で燃焼した場合の出力(以下「ストイキ燃焼出力」という)及びリーン燃焼方式で燃焼した場合の出力(以下「リーン燃焼出力」という)が、動作状態及び燃焼方式に基づいて出力推定手段によって夫々推定される。次に、リーン燃焼出力と切換前出力とが比較される。リーン燃焼出力が切換前出力よりも小さい場合には、燃焼方式は切り換えられず(即ち、ストイキ燃焼方式のままで)、例えば点火時期制御手段によって点火時期の遅角など、パラメータ制御手段によって動作パラメータを変化させる制御が継続的に行われる。例えば、パラメータ制御手段によって動作パラメータを変化させる制御は、ストイキ燃焼出力と切換前出力との差が小さくなるように行われる。一方、リーン燃焼出力が切換前出力よりも大きい(即ち、出力段差が所定値よりも小さくなっている)場合には、燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと燃焼方式切換手段によって切り換えられる。ここで所定値は、出力段差が実践上殆ど或いは完全に無いと認められる程度の出力段差の大きさとして設定すればよい。このように、本発明では特に、リーン燃焼出力と切換前出力との出力段差が所定値よりも小さくなった後に、燃焼方式を切り換えるので、燃焼方式の切換時における出力段差の発生を抑制或いは防止することができる。
更に、本発明では特に、強制切換手段は、パラメータ制御手段によって動作パラメータを変化させる制御が所定時間継続して行われた場合に、燃焼方式を強制的に切り換える。ここで、動作パラメータを変化させる制御としては、点火時期の遅角又は進角制御、吸気弁の開閉時期の制御、排気弁の開閉時期の制御、吸入空気量の増減などがあり、これらの制御のうち少なくとも一つの制御が行われる。一方、既に動作パラメータを変化させる制御が所定時間継続して行われた場合には、動作パラメータを変化させる制御が更に継続して行われることはなく、強制切換手段によって燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと切り換えられる。ここで、所定時間は、燃焼方式を切り換えても、内燃機関の動作状態が実践上殆ど或いは完全に不安定にならないと認められる程度の十分な時間として設定すればよい。従って、強制切換手段によって、出力段差を発生させずに、確実に燃焼方式を切り換えることができる。これにより、例えば空気量を検出するエアフローメータの製品ばらつきや経年劣化、スロットルの製品ばらつきや汚れの付着等のために生じ得る、出力推定手段による出力の推定における推定誤差によって、誤ってリーン燃焼出力が切換前出力よりも小さいままと推定されてしまったとしても、確実に燃焼方式を切り換えることができる。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置の一態様では、前記パラメータ制御手段は、前記燃焼方式の切り換え前に、前記出力段差が前記所定値よりも小さくなるまで、前記切換前出力を変化させるように、前記動作パラメータとしての前記内燃機関に係る点火時期を遅角させる点火時期制御手段を有し、前記強制切換手段は、前記点火時期制御手段が前記点火時期を前記所定時間継続して遅角させた場合に、前記燃焼方式を強制的に切り換える。
この態様によれば、出力段差が所定値よりも小さくなるまで、点火時期制御手段によって点火時期の遅角が行われた後に、燃焼方式が切り換えられるので、出力段差の発生を抑制或いは防止することができる。更に、点火時期が所定時間継続して遅角された後に、強制切換手段によって燃焼方式が強制的に切り換えられるので、出力段差を発生させずに、確実に燃焼方式を切り換えることができる。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置の他の態様では、前記強制切換手段は、前記出力段差が前記所定値よりも小さくなるまで前記内燃機関に供給される空気の空気量が変更された後に、前記燃焼方式を強制的に切り換える。
この態様によれば、出力段差が所定値よりも小さくなるまで、即ち、出力段差が殆ど或いは完全に発生しない程度に内燃機関に供給される空気の空気量が変更された後に、燃焼方式が強制的に切り換えられる。よって、出力段差を殆ど或いは完全に発生させることなく、燃焼方式を確実に切り換えることができる。尚、本態様では、動作パラメータを変化させる制御(例えば、点火時期の遅角など)が所定時間継続して行われたか否かにかかわらず、上述したように空気量が変更された後に、燃焼方式が強制的に切り換えられるようにしてもよい。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置の他の態様では、前記所定時間は、前記内燃機関に供給される空気の空気量が目標空気量になるまでの空気量遅れ時間である。
この態様によれば、強制切換手段によって、燃焼方式が強制的に切り換えられる際に、空気量が目標空気量となっているので、出力段差を殆ど或いは完全に発生させることなく、燃焼方式を確実に切り換えることができる。
上述した所定時間が空気量遅れ時間である態様では、前記強制切換手段は、前記動作状態に基づいて前記空気量遅れ時間を算出する空気量遅れ時間算出手段を備えてもよい。
このように構成すれば、内燃機関の動作状態に基づいて、空気量遅れ時間が、空気量遅れ時間算出手段によって算出されるので、出力段差をより確実に、殆ど或いは完全に発生させることなく、燃焼方式を強制的に切り換えることができる。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置の他の態様では、前記所定時間は、前記内燃機関からの排気ガスの排気温度が、前記排気ガスを浄化するための触媒が溶損する触媒溶損温度に上昇するまでの触媒溶損時間である。
この態様によれば、動作パラメータを変化させる制御に伴う排気ガスの排気温度の上昇による触媒の溶損の発生を殆ど或いは完全に無くすことができる。或いは、燃費や排出ガスエミッションの悪化を低減或いは防止することができる。
上述した所定時間が触媒溶損時間である態様では、前記強制切換手段は、前記動作状態に基づいて、前記触媒溶損時間を算出する触媒溶損時間算出手段を備えてもよい。
このように構成すれば、内燃機関の動作状態に基づいて、触媒溶損時間が、触媒溶損時間算出手段によって算出されるので、動作パラメータを変化させる制御に伴う排気ガスの排気温度の上昇による触媒の溶損の発生を、より確実に、殆ど或いは完全に無くすことができる。或いは、燃費や排出ガスエミッションの悪化を、より確実に、低減或いは防止することができる。
本発明の内燃機関の燃焼制御装置の他の態様では、前記所定時間は、前記内燃機関に供給される空気の空気量が目標空気量になるまでの空気量遅れ時間と前記内燃機関からの排気ガスの排気温度が、前記排気ガスを浄化するための触媒が溶損する触媒溶損温度に上昇するまでの触媒溶損時間とのうちいずれか短い方の時間である。
この態様によれば、出力段差を殆ど或いは完全に無くすことができると共に、動作パラメータを変化させる制御に伴う排気ガスの排気温度の上昇による触媒の溶損の発生を殆ど或いは完全に無くすことができる。
上述した所定時間が空気量遅れ時間と触媒溶損時間とのいずれか短い方の時間である態様では、前記強制切換手段は、前記空気量遅れ時間を算出する空気量遅れ時間算出手段と、前記触媒溶損時間を算出する触媒溶損時間算出手段とを備えてもよい。
この態様によれば、内燃機関の動作状態に基づいて、触媒溶損時間が、触媒溶損時間算出手段によって算出される。よって、出力段差を殆ど或いは完全に無くすことが、より確実にできると共に、動作パラメータを変化させる制御に伴う排気ガスの排気温度の上昇による触媒の溶損の発生を、より確実に、殆ど或いは完全に無くすことができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る制御装置について、図1から図6を参照して説明する。
(エンジンの構成)
先ず、本実施形態に係る制御装置が設けられた内燃機関の一例たるエンジンの詳細な構成を、図1を参照して、その基本動作と共に説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るエンジンの図式的なシステム系統図である。
図1において、エンジン200は、自動車に備えられており、シリンダ201内において点火プラグ202により、燃料(ガソリン)と空気とが混合された混合気を爆発させると共に、爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を動作と共に説明する。
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は吸気管206を通過し、インジェクタ207から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。インジェクタ207には、燃料(ガソリン)が燃料タンク223からフィルタ224を介して供給されており、インジェクタ207は、この供給される燃料を、本発明に係る「内燃機関の燃焼制御装置」の一例としての制御装置100の制御に従って吸気管206内に噴射することが可能に構成されている。尚、燃料タンク223には、燃料残量を検出するための燃料センサ225が設置されている。
ここで、制御装置100は電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)からなり、周知の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。また、スロットルポジションセンサ215等の各種センサからの入力信号を受ける入力ポート及び、電動モータ217やインジェクタ207等の各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートに対して、バスを介して接続されている。
シリンダ201内部と吸気管206とは、吸気弁208の開閉によって連通状態が制御されている。シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気ガスとなり吸気弁208の開閉に連動して開閉する排気弁209を通過して排気管210を介して排気される。
吸気管206上には、クリーナ211が配設されており、外部から吸入される空気が浄化される。クリーナ211の下流側(シリンダ側)には、エアフローメータ212が配設されている。エアフローメータ212は、ホットワイヤー式と称される形態を有しており、吸入された空気の質量流量(以下、適宜「空気量」という)を直接測定することが可能に構成されている。吸気管206には更に、吸入空気の温度を検出するための吸気温センサ213が設置されている。
吸気管206におけるエアフローメータ212の下流側には、シリンダ201内部への吸入空気量を調節するスロットル214が配設されている。このスロットル214には、スロットルポジションセンサ215が制御装置100と電気的に接続されており、その開度(即ち、スロットル開度)が検出可能に構成されている。更に、スロットル214の周囲には、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ216、及びスロットル214を駆動する電動モータ217も配設されている。従って、制御装置100においては、アクセルペダル226の踏込量を検知するアクセルポジションセンサ216からの信号又は内部演算により求めた目標スロットル開度に実際のスロットル開度が一致するように電動モータ217に電流を流し、電動モータ217が駆動されることでスロットル214が開閉され、吸気管206を通過する吸気量が制御される。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置を検出するクランクポジションセンサ218が設置されている。クランクポジションセンサ218は、クランクシャフト205の回転状態に基づいて、シリンダ201内部におけるピストン203の位置、及びエンジン200の回転数など取得することが可能に構成されている。また、シリンダ201を収容するシリンダブロックには、エンジン200のノック強度を測定可能なノックセンサ219が配設されており、係るシリンダブロック内のウォータージャケット内には、エンジン200の冷却水温度を検出するための水温センサ220が配設されている。
排気管210に沿って排気口側へと下っていくと、前段の三元触媒装置222及び後段の三元触媒装置234が設置されている。両三元触媒装置とも、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。三元触媒装置222の上流側(シリンダ側)には、空燃比センサ221が配設されている。空燃比センサ221は、排気管210を介して排出される排気ガスから、エンジン200の空燃比を検出することが可能に構成されている。
エンジン200は、2つ以上の燃焼方式の切り換えが可能であり、制御装置100は、エンジン200における、例えばストイキ燃焼方式及びリーン燃焼方式の2つの燃焼方式を、例えばトルク段差等の出力段差を抑制しつつ切り換えることが可能に構成されている。即ち、制御装置100は、上述したようにスロットルポジションセンサ215等の各種センサによって、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、燃料噴射時間等の検出が可能となっており、更に、燃焼方式の切り換えに応じて、電動モータ217によるスロットル開度制御、インジェクタ207による燃料噴射量或いは燃料噴射時間制御、点火プラグ202による点火時期制御等が可能となっている。
(制御装置の構成)
次に、本実施形態に係る制御装置の構成について、図1に加えて、図2を参照して説明する。ここに図2は、本実施形態に係る制御装置の図式的なブロック図である。
図2において、制御装置100は、出力推定部110、パラメータ制御部120、燃焼方式切換部130及び強制切換部140を備えている。
本発明に係る「出力推定手段」の一例としての出力推定部110は、例えば制御装置100の一例たるECUの一部等からなり、エンジン200の動作状態及び燃焼方式に基づいて、エンジン200の例えばトルク等の出力を推定する。出力推定部110は、エンジン200の出力を推定した結果を例えば、後述するパラメータ制御部120に出力する。
本発明に係る「パラメータ制御手段」の一例としてのパラメータ制御部120は、例えば制御装置100の一例たるECUの一部等からなり、本発明に係る「点火時期制御手段」の一例としての点火時期制御部120aを備えている。点火時期制御部120は、エンジン200の動作状態を規定する動作パラメータを変化させる制御の一例として、エンジン200に係る点火時期(即ち、点火プラグ202によって点火するタイミング)の遅角制御を行う。また、パラメータ制御部120は、動作パラメータを変化させる制御として、点火時期の遅角制御の他、点火時期の進角制御、吸気弁208の開閉時期の制御、排気弁209の開閉時期の制御、吸入空気量のスロットル214等による増減などが可能に構成されていてもよい。更に、点火時期制御部120は、点火時期の遅角制御を、エンジン200の燃焼方式の切り換え前に、出力推定部110によって切り換え前のエンジン200の出力として推定される切換前出力と、出力推定部110によって燃焼方式の切り換え後のエンジン200の出力として推定される切換後出力との例えばトルク段差等の出力段差が所定値よりも小さくなるまで、切換前出力を変化させるように行う。ここで、本実施形態に係る所定値は、出力段差が殆ど或いは好ましくは完全に無いと認められる程度の出力段差の大きさとして予め設定されている。
本発明に係る「燃焼方式切換手段」の一例としての燃焼方式切換部130は、例えば制御装置100の一例たるECUの一部等からなり、上述した出力段差(即ち、切換前出力と切換後出力との差)が上述した所定値よりも小さくなった後に、燃焼方式を切り換える。即ち、燃焼方式の切り換えに応じて、点火時期を遅角させる。
本発明に係る「強制切換手段」の一例としての強制切換部140は、例えば制御装置100の一例たるECUの一部等からなり、点火時期制御部120が点火時期の遅角制御を所定時間継続して行った場合に、燃焼方式を強制的に切り換える。ここで、本実施形態に係る所定時間は、燃焼方式を切り換えても、エンジン200の動作状態が殆ど或いは好ましくは完全に不安定にならないと認められる程度の十分な時間として設定されている。
(制御装置の動作処理)
次に、以上のように構成された本実施形態に係る制御装置の動作処理について説明する。
先ず、本実施形態に係る制御装置により、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理について、図1及び図2に加えて、図3及び図4を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る制御装置により、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理を示すフローチャートである。図4は、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合におけるスロットル開度、空気量及び推定トルクの時間変化を示すグラフである。
制御装置100は、エンジン200における、例えばストイキ燃焼方式及びリーン燃焼方式の2つの燃焼方式を、本発明に係る「出力段差」の一例としてのトルク段差を抑制しつつ切り換える。ここで、ストイキ燃焼方式は、エンジン200において燃料と空気を理論空燃比で燃焼させる燃焼方式であり、例えばエンジン200のアイドル状態のとき、即ち、アクセルペダル226が踏み込まれていないときに用いられる。一方、リーン燃焼方式は、エンジン200において理論空燃比よりも空気に対して燃料が少ない状態で燃料と空気を燃焼させる燃焼方式であり、例えばアクセルペダル226が踏み込まれ、空気量が増加したときに用いられる。ここでは、アクセルペダル226の踏み込みに応じて(言い換えれば、これに対応したスロットル214の開閉に応じて)、エンジン200へ供給される空気量が変化する際に、燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合について説明する。
図3において、先ず、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量に応じてスロットル214が開かれる(ステップS11)。即ち、スロットル214は、アクセルペダル226の踏み込み量に応じた目標スロットル開度に実際のスロットル開度が一致するように電動モータ217によって駆動され始める。言い換えれば、図4において、グラフCo1に示すように、スロットル開度は時刻t1から目標スロットル開度に一致するように増加し始める。そして、グラフCa1に示すように、エンジン200に吸入される空気量も、スロットル開度に応じて、目標空気量まで時刻t1後から増加し始める。
次に、燃焼方式の切換前トルク(即ち、燃焼方式が切り換えられる前にエンジン200から出力されるトルク)、ストイキ燃焼トルク(即ち、ストイキ燃焼方式で燃焼した場合にエンジン200から出力されるトルク)及びリーン燃焼トルク(即ち、リーン燃焼方式で燃焼した場合にエンジン200から出力されるトルク)が、動作状態及び燃焼方式に基づいて出力推定部110によって夫々推定される(ステップS12)。ここで、図4に示すように、スロットル214が開かれた直後(即ち、時刻t1の直後)は、ストイキ燃焼方式で燃焼されているため、切換前トルクとストイキ燃焼トルク(グラフCs1参照)とは殆ど又は完全に同じ大きさのトルクとして推定される。また、リーン燃焼トルク(グラフCl1参照)は、ストイキ燃焼トルク(Cs1参照)に比べて小さいトルクとして推定される。即ち、同じ空気量に対しては、リーン燃焼トルクは、ストイキ燃焼トルクに比較して小さいという関係がある。
尚、切換前トルク、ストイキ燃焼トルク及びリーン燃焼トルクの推定は、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角制御が行われる毎に繰り返される。リーン燃焼トルク及びストイキ燃焼トルクは、時間の経過に従って目標空気量に近づくように増大する空気量に応じて夫々推定される。即ち、図4に示すように、推定されるリーン燃焼トルク(グラフCl1参照)及びストイキ燃焼トルク(グラフCs1参照)は、空気量(グラフCa1参照)が目標空気量に達するまでは、時間の経過に従って増大することとなる。切換中のトルクは、例えば点火時期制御部120aによる点火時期の遅角によって殆ど或いは完全に変化しないようにされる。即ち、空気量の増加に伴うストイキ燃焼トルクの推定増大量(言い換えれば、切換前トルクとストイキ燃焼トルクとの差)分だけトルクを抑制するように、点火時期制御部120aは点火時期の遅角を行う。
次に、図3において、リーン燃焼トルクと切換前トルクとが、制御装置100によって比較される(ステップS13)。リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合(ステップS13:NO)、即ち、時間の経過が比較的短く(即ち、図4中、時刻t2よりも前であり)空気量が少ないためにリーン燃焼トルクが切換前トルクよりも小さい場合には、燃焼方式は切り換えられず(即ち、ストイキ燃焼方式のままで)、例えば点火時期制御部120aによって点火時期の遅角制御が継続的に行われる(ステップS15)。例えば点火時期の遅角は、ストイキ燃焼トルクと切換前トルクとの差の分だけ、即ち、トルクが切換前トルクになるように行われる。言い換えれば、点火時期の遅角を行うことによりエンジン200から出力されるトルクを殆ど或いは完全に一定に保つように補正が行われる。一方、リーン燃焼トルクが切換前トルクよりも大きい場合(ステップS13:YES)、即ち、時間の経過が比較的長く(即ち、図4中、時刻t2の直後であり)空気量が多いためにリーン燃焼トルクが切換前トルクより大きい場合には、燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと燃焼方式切換部130によって切り換えられる(ステップS16)。言い換えれば、切換前トルクと切換後トルクであるリーン燃焼トルクとの出力段差が所定値よりも小さくなった場合には、燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと燃焼方式切換部130によって切り換えられる。
このように、本実施形態では特に、リーン燃焼トルクと切換前トルクとのトルク段差が所定値よりも小さくなった後に、燃焼方式を切り換えるので、燃焼方式の切換時におけるトルク段差の発生を抑制或いは防止することができる。尚、本実施形態では、切換後トルクであるリーン燃焼トルクが切換前トルクよりも大きい場合に、燃焼方式が強制的にストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられるようになっているが、リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合においても、リーン燃焼トルクと切換前トルクとのトルク段差が所定値よりも小さいときには、燃焼方式が切り換えられるようにしてもよい。
更に、本実施形態では特に、強制切換部140は、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角制御が所定時間継続して行われた場合に、燃焼方式を強制的に切り換える。
即ち、図3において、リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合(ステップS13:NO)において、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角が行われる(ステップS15)前に、既に点火時期の遅角が所定時間継続して行われたか否かが強制切換部140によって判定される(ステップS14)。即ち、点火時期の遅角が行われた遅角制御時間と所定時間との比較が行われる。点火時期の遅角が所定時間継続して行われていない場合には(ステップS14:NO)、強制切換部140によって燃焼方式が強制的に切り換えられることはなく、続いて再び例えば点火時期の遅角制御が行われる(ステップS15)。一方、既に点火時期の遅角が所定時間継続して行われた場合には(ステップS14:YES)、点火時期制御部120aによって点火時期の遅角が行われることはなく、強制切換部140によって燃焼方式がストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと切り換えられる。所定時間は、本実施形態では、エンジン200に供給される空気の空気量の遅れ時間である。即ち、スロットル214が開かれてから(即ち、時刻t1から)、空気が目標空気量に到達するまで(即ち、時刻t3)の時間T2である。この場合には、所定時間(即ち、空気量の遅れ時間T2)だけ経過していれば、リーン燃焼トルクは切換前トルクよりも大きくなっている、或いは、リーン燃焼トルクと切換前トルクとの出力段差が所定値よりも小さくなっている可能性が高い。言い換えれば、出力段差が殆ど或いは完全に発生しない程度にエンジン200に供給される空気の空気量が変更された後に、燃焼方式が強制的に切り換えられることになる。従って、強制切換部140によって、出力段差を発生させずに、確実に燃焼方式を切り換えることができる。例えばエアフローメータ212の製品ばらつきや経年劣化によって、図4のグラフCa2に示すように、空気量が誤って本来の空気量(グラフCa1参照)よりも少なく検出されるため、出力推定部110によって、図4のグラフCl2に示すように、誤ってリーン燃焼トルクが切換前トルクよりも小さいままと推定されてしまったとしても、確実に燃焼方式を切り換えることができる。即ち、出力推定部110によるトルクの推定における推定誤差による、エンジン200の燃焼方式の切り換えにおける制御異常を殆ど或いは完全に無くすことができる。尚、空気量遅れ時間として、スロットル214が開かれ始めてから(即ち、時刻t1から)、スロットル214が目標スロットル開度に到達するまでの時間T1に時間T2加えた時間T1+T2を設定してもよい。
次に、本実施形態に係る制御装置により、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理について、図1及び図2に加えて、図5及び図6を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態に係る制御装置により、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理を示すフローチャートである。図6は、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合におけるスロットル開度、空気量及び推定トルクの時間変化を示すグラフである。尚、上述したストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理と同様の処理については適宜説明を省略する。
図5において、先ず、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量に応じてスロットル214が閉じられる(ステップS21)。図6において、グラフCo2に示すように、スロットル開度は時刻t4から目標スロットル開度に一致するように減少し始める。そして、グラフCa3に示すように、エンジン200に吸入される空気量も、スロットル開度に応じて、目標空気量まで時刻t4後から減少し始める。尚、スロットル開度が減少し始める前、即ち、時刻t4よりも前においては、エンジン200の燃焼方式は、リーン燃焼方式であり、時刻t4以降は制御装置100によって、ストイキ燃焼方式に切り換えられる。時刻t4から時刻t5の間は出力段差を発生させないように点火時期を遅角し、時刻t5において遅角を終了し通常のストイキ燃焼にする。
次に、燃焼方式の切換前トルク、ストイキ燃焼トルク及びリーン燃焼トルクが、動作状態及び燃焼方式に基づいて出力推定部110によって夫々推定される(ステップS22)。ここで、図6に示すように、スロットル214が開かれた直後(即ち、時刻t4の直後)は、リーン燃焼方式で燃焼されているため、切換前トルクとリーン燃焼トルク(グラフCl3参照)とは殆ど同じと推定される。
尚、切換前トルク、ストイキ燃焼トルク及びリーン燃焼トルクの推定は、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角制御が行われる毎に繰り返される。図6に示すように、推定されるリーン燃焼トルク(グラフCl3参照)及びストイキ燃焼トルク(グラフCs2参照)は、空気量(グラフCa3参照)が目標空気量に達するまでは、時間の経過に従って減少することとなる。切換中のトルクは、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角によって殆ど或いは完全に変化しないようにされる。即ち、切換前トルクとストイキ燃焼トルクとの差分だけトルクを抑制するように、点火時期制御部120aは点火時期の遅角制御を行う。
次に、図5において、ストイキ燃焼トルクと切換前トルクとが、制御装置100によって比較される(ステップS23)。ストイキ燃焼トルクが切換前トルク以上である場合(ステップS23:NO)、即ち、時間の経過が比較的短く(即ち、図6中、時刻t5よりも前であり)空気量が多いためにストイキ燃焼トルクが切換前トルク以上である場合には、燃焼方式はストイキ燃焼方式で、点火時期制御部120aによって点火時期の遅角制御が継続的に行われる(ステップS25)。例えば点火時期の遅角制御は、ストイキ燃焼トルクと切換前トルクとの差の分だけ、即ち、トルクが切換前トルクになるように行われる。言い換えれば、点火時期の遅角制御を行うことによりエンジン200から出力されるトルクを殆ど或いは完全に一定に保つように補正が行われる。一方、ストイキ燃焼トルクが切換前トルクよりも小さい場合(ステップS23:YES)、即ち、時間の経過が比較的長く(即ち、図6中、時刻t5の直後であり)空気量が少ないためにストイキ燃焼トルクが切換前トルクより小さくなったときに点火時期の遅角制御を終了する(ステップS26)。言い換えれば、切換前トルクと切換後トルクであるストイキ燃焼トルクとの出力段差が所定値よりも小さくなった場合には、燃焼方式がリーン燃焼方式からストイキ燃焼方式への切り換えが終了することになる。
このように、本実施形態では特に、ストイキ燃焼トルクと切換前トルクとのトルク段差が所定値よりも小さくなった後に、燃焼方式を切り換えるので、燃焼方式の切換時におけるトルク段差の発生を抑制或いは防止することができる。
更に、上述したように本実施形態では特に、強制切換部140は、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角制御が所定時間継続して行われた場合に、燃焼方式を強制的に切り換える。
即ち、図5において、ストイキ燃焼トルクが切換前トルク以上である場合(ステップS23:NO)において、点火時期制御部120aによる点火時期の遅角制御が行われる(ステップS25)前に、既に点火時期の遅角制御が所定時間継続して行われたか否かが強制切換部140によって判定される(ステップS24)。点火時期の遅角が所定時間継続して行われていない場合には(ステップS24:NO)、強制切換部140によって燃焼方式が強制的に切り換えられることはなく、続いて再び点火時期の遅角制御が行われる(ステップS25)。一方、既に点火時期の遅角が所定時間継続して行われた場合には(ステップS24:YES)、点火時期制御部120aによって点火時期の遅角制御が行われることはなく、強制切換部140によって燃焼方式がストイキ燃焼方式で点火時期遅角制御を行った状態から、通常のストイキ燃焼方式へと切り換えられる。所定時間は、上述したストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へと切り換えられる場合の所定時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。所定時間は、スロットル214が閉じられてから(即ち、時刻t4から)、空気が目標空気量に到達するまで(即ち、時刻t6)の時間T4であってもよい。この場合には、所定時間(即ち、空気量の遅れ時間T4)だけ経過していれば、ストイキ燃焼トルクは切換前トルクよりも小さくなっている、或いは、ストイキ燃焼トルクと切換前トルクとの出力段差が所定値よりも小さくなっている可能性が高い。従って、強制切換部140によって、出力段差を発生させずに、確実に燃焼方式を切り換えることができる。例えばエアフローメータ212の製品ばらつきや経年劣化によって、図6のグラフCa4に示すように、空気量が誤って検出されるため、出力推定部110によって、図6のグラフCs3に示すように、誤ってストイキ燃焼トルクが切換前トルクよりも小さいままと推定されてしまったとしても、確実に燃焼方式を切り換えることができる。即ち、出力推定部110によるトルクの推定における推定誤差による、エンジン200の燃焼方式の切り換えにおける制御異常を殆ど或いは完全に無くすことができる。尚、空気量遅れ時間として、スロットル214が閉じられ始めてから(即ち、時刻t4から)、スロットル214が目標スロットル開度に到達するまでの時間T3に時間T4加えた時間T3+T4を設定してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る制御装置について、図7及び図8を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る制御装置の構成について、図7を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態における図2と同趣旨の図式的なブロック図である。尚、図7において、図2に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図7において、制御装置102は、強制切換部140(図2参照)に替えて強制切換部142を備えている点で、第1実施形態に係る制御装置100と異なる。制御装置102における、その他の構成は第1実施形態に係る制御装置100と概ね同様である。
強制切換部142は、本発明に係る「空気量遅れ時間算出手段」の一例としての空気量遅れ時間算出部142aを備えている点で、第1実施形態に係る強制切換部140と異なる。空気量遅れ時間算出部142aは、エンジン200の動作状態に基づいて空気量遅れ時間を算出する。即ち、例えば、図4における時間T2或いは図6における時間T4を算出することが可能に構成されている。
次に、本実施形態に係る制御装置の動作処理について、図8を参照して説明する。ここに図8は、第2実施形態における図3と同趣旨のフローチャートである。尚、図8において、図3に示した第1実施形態に係る動作処理と同様の動作処理に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。また、ここでは本実施形態に係る制御装置により、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理について説明し、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理については省略する。
図8において、制御装置102の動作処理は、リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合において(ステップS13:NO)、既に点火時期の遅角が所定時間継続して行われたか否かが強制切換部140によって判定される(ステップS14)前に、空気量遅れ時間が空気量遅れ時間算出部142aによって算出され、所定時間として設定される(ステップS31)点で、図3を参照して上述した第1実施形態に係る動作処理と異なる。
このように、本実施形態では特に、空気量遅れ時間が空気量遅れ時間算出部142aによって算出され、所定時間として設定されるので、トルク段差をより確実に、殆ど或いは完全に発生させることなく、燃焼方式を強制的に切り換えることができる。即ち、例えば空気量遅れ時間を算出せずに、一定の空気量遅れ時間を所定時間として設定する場合と比較して、トルク段差が発生することを一層抑制しつつ、燃焼方式を確実に切り換えることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る制御装置について、図9及び図10を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る制御装置の構成について、図9を参照して説明する。ここに図9は、第3実施形態における図2と同趣旨の図式的なブロック図である。尚、図9において、図2に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図9において、制御装置103は、強制切換部140(図2参照)に替えて強制切換部143を備えている点で、第1実施形態に係る制御装置100と異なる。制御装置103における、その他の構成は第1実施形態に係る制御装置100と概ね同様である。
強制切換部143は、空気量遅れ時間算出部143a及び触媒溶損時間算出部143bを備えている点で、第1実施形態に係る強制切換部140と異なる。
本発明に係る「空気量遅れ時間算出手段」の一例としての空気量遅れ時間算出部143aは、エンジン200の動作状態に基づいて空気量遅れ時間を算出する。即ち、例えば、図4における時間T2或いは図6における時間T4を算出することが可能に構成されている。
本発明に係る「触媒溶損時間算出手段」の一例としての触媒溶損時間算出部143bは、
エンジン200の動作状態に基づいて、触媒溶損時間を算出する。触媒溶損時間は、エンジン200からの排気ガスの排気温度が、排気ガスを浄化するための三元触媒装置222及び234(図1参照)に係る触媒が溶損する触媒溶損温度に上昇するまでの時間である。
次に、本実施形態に係る制御装置の動作処理について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第3実施形態における図3と同趣旨のフローチャートである。尚、図10において、図3に示した第1実施形態に係る動作処理と同様の動作処理に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。また、ここでは本実施形態に係る制御装置により、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理について説明し、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理については省略する。
図10において、制御装置103の動作処理は、リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合において(ステップS13:NO)、既に点火時期の遅角が所定時間継続して行われたか否かが強制切換部140によって判定される(ステップS14)前に、ステップS41からステップS44までの一連の動作処理が行われる点で、図3を参照して上述した第1実施形態に係る動作処理と異なる。
即ち、本実施形態では特に、リーン燃焼トルクが切換前トルク以下である場合には(ステップS13:NO)、先ず、空気量遅れ時間及び触媒溶損温度が夫々、空気量遅れ時間算出部143a及び触媒溶損温度算出部143bによって算出される(ステップS41)。
次に、算出された空気量遅れ時間が、算出された触媒溶損温度よりも大きいか否かが、強制切換部143によって判定される(ステップS42)。即ち、空気量遅れ時間と触媒溶損温度とが強制切換部143によって比較される。空気量遅れ時間が触媒溶損時間以上である場合には(ステップS42:NO)、強制切換部143によって、所定時間として触媒溶損時間が設定される(ステップS43)。一方、空気量遅れ時間が触媒溶損時間よりも小さい場合には(ステップS42:YES)、強制切換部143によって、所定時間として空気量遅れ時間が設定される。即ち、ステップS41からステップS44までの動作処理によって、所定時間として、空気量遅れ時間及び触媒溶損時間のいずれか小さい方が設定される。尚、空気量遅れ時間と触媒溶損時間とが同じ時間である場合には、その時間が所定時間として設定される。よって、トルク段差を殆ど或いは好ましくは完全に無くすことができると共に、更に、点火時期の遅角制御に係る動作処理(ステップS15)に伴う排気ガスの排気温度の上昇による三元触媒装置222及び234に係る触媒の溶損の発生を、より確実に、殆ど或いは完全に無くすことができる。或いは、燃費や排出ガスエミッションの悪化を、より確実に、低減或いは防止することができる。
尚、上述の実施形態では、パラメータ制御部120が有する点火時期制御部120を用いての点火時期の遅角制御によって、燃焼方式の切換時における出力段差の発生を抑制或いは防止するようにしたが、これに代えて又は加えて、点火時期制御部120を用いての点火時期の進角制御、或いは、パラメータ制御部120を用いての吸気弁208の開閉時期の制御、排気弁209の開閉時期の制御、吸入空気量のスロットル214等による増減など、その他の動作パラメータを変化させることによって、燃焼方式の切換時における出力段差の発生を抑制或いは防止するようにしてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の燃焼制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係るエンジンの図式的なシステム系統図である。 第1実施形態に係る制御装置の図式的なブロック図である。 第1実施形態に係る制御装置により、ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理を示すフローチャートである。 ストイキ燃焼方式からリーン燃焼方式へ切り換えられる場合におけるスロットル開度、空気量及び推定トルクの時間変化を示すグラフである。 第1実施形態に係る制御装置により、リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合に実行される処理を示すフローチャートである。 リーン燃焼方式からストイキ燃焼方式へ切り換えられる場合におけるスロットル開度、空気量及び推定トルクの時間変化を示すグラフである。 第2実施形態における図2と同趣旨の図式的なブロック図である。 第2実施形態における図3と同趣旨のフローチャートである。 第3実施形態における図2と同趣旨の図式的なブロック図である。 第3実施形態における図3と同趣旨のフローチャートである。
符号の説明
100…制御装置、110…出力推定部、120…パラメータ制御部、120a…点火時期制御部、130…燃焼方式切換部、140…強制切換部、200…エンジン

Claims (9)

  1. 2つ以上の燃焼方式を切り換え可能な内燃機関の動作状態を制御する内燃機関の燃焼制御装置であって、
    前記動作状態及び前記燃焼方式に基づいて前記内燃機関の出力を推定する出力推定手段と、
    前記燃焼方式の切り換え前に、前記出力推定手段によって前記切り換え前の前記内燃機関の出力として推定される切換前出力と、前記出力推定手段によって前記燃焼方式の切り換え後の前記内燃機関の出力として推定される切換後出力との出力段差が所定値よりも小さくなるまで、前記切換前出力を変化させるように、前記動作状態を規定する少なくとも一つの動作パラメータを変化させるパラメータ制御手段と、
    前記出力段差が前記所定値よりも小さくなった後に、前記燃焼方式を切り換える燃焼方式切換手段と、
    前記パラメータ制御手段が前記動作パラメータを所定時間継続して変化させた場合に、前記燃焼方式を強制的に切り換える強制切換手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記パラメータ制御手段は、前記燃焼方式の切り換え前に、前記出力段差が前記所定値よりも小さくなるまで、前記切換前出力を変化させるように、前記動作パラメータとしての前記内燃機関に係る点火時期を遅角させる点火時期制御手段を有し、
    前記強制切換手段は、前記点火時期制御手段が前記点火時期を前記所定時間継続して遅角させた場合に、前記燃焼方式を強制的に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記強制切換手段は、前記出力段差が前記所定値よりも小さくなるまで前記内燃機関に供給される空気の空気量が変更された後に、前記燃焼方式を強制的に切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記所定時間は、前記内燃機関に供給される空気の空気量が目標空気量になるまでの空気量遅れ時間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記強制切換手段は、前記動作状態に基づいて前記空気量遅れ時間を算出する空気量遅れ時間算出手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 前記所定時間は、前記内燃機関からの排気ガスの排気温度が、前記排気ガスを浄化するための触媒が溶損する触媒溶損温度に上昇するまでの触媒溶損時間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  7. 前記強制切換手段は、前記動作状態に基づいて、前記触媒溶損時間を算出する触媒溶損時間算出手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  8. 前記所定時間は、前記内燃機関に供給される空気の空気量が目標空気量になるまでの空気量遅れ時間と前記内燃機関からの排気ガスの排気温度が、前記排気ガスを浄化するための触媒が溶損する触媒溶損温度に上昇するまでの触媒溶損時間とのうちいずれか短い方の時間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  9. 前記強制切換手段は、
    前記空気量遅れ時間を算出する空気量遅れ時間算出手段と、
    前記触媒溶損時間を算出する触媒溶損時間算出手段と
    を備えたことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
JP2005354796A 2005-12-08 2005-12-08 内燃機関の燃焼制御装置 Pending JP2007154847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005354796A JP2007154847A (ja) 2005-12-08 2005-12-08 内燃機関の燃焼制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005354796A JP2007154847A (ja) 2005-12-08 2005-12-08 内燃機関の燃焼制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007154847A true JP2007154847A (ja) 2007-06-21

Family

ID=38239524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005354796A Pending JP2007154847A (ja) 2005-12-08 2005-12-08 内燃機関の燃焼制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007154847A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9581094B2 (en) 2013-06-11 2017-02-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63170560A (ja) * 1986-12-29 1988-07-14 Toyota Motor Corp 変速シヨツク低減装置
JPH11173184A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2004346868A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63170560A (ja) * 1986-12-29 1988-07-14 Toyota Motor Corp 変速シヨツク低減装置
JPH11173184A (ja) * 1997-12-09 1999-06-29 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の制御装置
JP2004346868A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Denso Corp 筒内噴射式内燃機関の制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9581094B2 (en) 2013-06-11 2017-02-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4938404B2 (ja) エンジン制御装置
JP2006152955A (ja) 多気筒エンジンの失火検出装置
JP4816466B2 (ja) 内燃機関制御装置及び方法
JP5851898B2 (ja) 可変バルブタイミング機構の制御装置
JP2007278175A (ja) 圧縮着火内燃機関の燃焼制御システム
JP6323195B2 (ja) 内燃機関
JP2007285162A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP3446812B2 (ja) 内燃機関
JP4654946B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JP2006266116A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2007154847A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
JP2007205319A (ja) 内燃機関の燃焼状態判定方法
JP4825297B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3944985B2 (ja) 直噴式内燃機関の制御装置
JP2007077842A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004116420A (ja) エンジンの点火時期制御装置
JP4807125B2 (ja) 圧縮着火内燃機関の着火時期制御装置
JP4114201B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007182845A (ja) イオン電流に基づく内燃機関の空燃比判定方法
JP4110534B2 (ja) 内燃機関の可変バルブ制御装置
JP4484627B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御方法
JP2009024496A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP4371139B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置
JP2007332933A (ja) エンジンの制御装置
JP3945064B2 (ja) 内燃機関の燃焼状態検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080819

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100712

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110301

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110412

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111018