JP2007154096A - 光駆動型アクチュエータ、光駆動型アクチュエータの製造方法、縮合系ポリマー、およびフイルム - Google Patents

光駆動型アクチュエータ、光駆動型アクチュエータの製造方法、縮合系ポリマー、およびフイルム Download PDF

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Abstract

【課題】高い光応答性、柔軟性、および軽量性を有するとともに無音で駆動する光駆動型アクチュエータ、およびその光駆動型アクチュエータの簡便な製造方法を提供することを目的とする。また、その光駆動型アクチュエータの製造に用いられる良好なポリマーやそのポリマーからなるフイルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 光の刺激を受けて構造変化を引き起こす光異性化基を主鎖中に含む、その光異性化基の構造変化に応じて変形する縮合系ポリマーを備え、その縮合系ポリマーは、光の刺激に応じて変形しアクチュエータとしての機能を有するものであることを特徴とする光駆動型アクチュエータを備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光の刺激を受けて変形する光駆動型アクチュエータおよびその製造方法に関する。また、その光駆動型アクチュエータに用いられるポリマーに関する。
医療機器、産業用ロボット、およびマイクロマシンなどの分野において、小型かつ軽量で柔軟性に富むアクチュエータの必要性が高まっている。
特に高分子アクチュエータは、その柔軟さ、軽量性、および駆動時に無音であることから多大な注目を集めている。その中で、光により駆動する光駆動型アクチュエータは、非接触でエネルギー供給が可能であり、駆動のための配線を必要とせず、電気配線から発生するようなノイズを回避できることなどから、特に、医療・介護分野や航空宇宙分野で用いられる産業用ロボットやマイクロマシンへの応用が期待されている。
光の刺激を受けて駆動する高分子材料としては、従来より、光応答性ゲルに関する研究が活発に行われている。例えば、光イオン化するトリフェニルメタンのロイコ体を含むポリアクリルアミドゲルによる光変形(非特許文献1参照)や、ポリアクリルアミドゲルにCO赤外レーザー光を照射することによる屈曲動作(非特許文献2参照)が実現されている。前者の例は光によるイオン解離反応が起き、その結果としてゲル中の浸透圧が増大し膨潤したものであり、後者の例は赤外レーザー光照射によって発生する熱によるゲルの体積変化に基づく浸透圧変化によるものである。さらに、ポリアクリルアミドゲル以外にも光異性化基としてアゾベンゼン基をその主鎖に含むポリイミドゲル等も知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このような光応答性ゲルは、その駆動原理が浸透圧変化に基づく水などの溶媒分子の取り込み・吐き出しによるため、溶媒が不可欠でドライな環境で使用できないという問題を有していた。
ドライな環境下において光の刺激を受けて駆動する高分子材料として、最も古くはアゾベンゼン基を含むポリイミドが紫外線により収縮する現象が報告されている(非特許文献3参照)。しかし、高温動作である点、応答速度が非常に遅い点、及び収縮率が僅かである点でアクチュエータとして供するには問題を有していた。
近年において、ドライ環境で使用可能な光駆動型アクチュエータとしては、液晶エラストマが報告されている。例えば、光応答性基としてアゾベンゼン基を側鎖に有する高分子を液晶配向状態で架橋した液晶エラストマが紫外光照射により伸縮挙動、屈曲挙動を示すことが報告されている(特許文献2、非特許文献4、非特許文献5参照)。また、アゾベンゼン誘導体からなる重合性液晶組成物を光、あるいは熱により架橋したポリドメイン液晶エラストマが紫外光の偏光照射により自由な方向に屈曲作動できることが知られている(非特許文献6参照)。
しかしながら、いずれの例においても、光に対する応答速度が遅く、膜厚とともに応答性が大きく減少し、薄膜としてしか機能を発揮できないという点で問題を有していた。また、非特許文献5、非特許文献6においては、液晶発現温度域でのみの駆動で作動温度等が限定されるという点で問題を有しており、また、自立性薄膜作製のためには、モノマー組成物の支持体への塗布、長時間にわたる可視光照射による硬化、及び支持体からの硬化膜の剥離といった煩雑な方法しか無く、性能面のみならず、製造適性の観点においても課題が残されていた。
Macromolecules誌、第19巻、2476頁(1986年) J.Chem.Phys.誌、第102巻、551頁(1995年) Macromolecules誌、第3巻、349頁(1970年) Phys.Rev.Lett.誌、第87巻、015501頁(2001年) Chem.Mater.誌、第16巻、1637頁(2004年) Nature誌、第425巻、145頁(2003年) 特開2005−23151号公報 特開2005−256031号公報
本発明は、上記事情に鑑み、高い光応答性、柔軟性、および軽量性を有するとともに無音で駆動する光駆動型アクチュエータ、およびその光駆動型アクチュエータの簡便な製造方法を提供することを目的とする。また、その光駆動型アクチュエータの製造に用いられる良好なポリマー、そのようなポリマーからなるフイルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の光駆動型アクチュエータにおいて、
光の刺激を受けて構造変化を引き起こす光異性化基を主鎖中に含む、該光異性化基の構造変化に応じて変形する縮合系ポリマーを備え、
上記縮合系ポリマーは、光の刺激に応じて変形しアクチュエータとしての機能を有するものであることを特徴とする。
光異性化基を主鎖中に有する縮合系高分子を含ませることで、光駆動型アクチュエータが高い光応答性を示すようになる。また、光駆動型アクチュエータが高分子から形成されており、この光駆動型アクチュエータは、柔軟性、軽量性を有するとともに無音で駆動することができる。
ここで、上記光異性化基が、アゾベンゼン基であることが好ましい。
アゾベンゼン基は、通常、熱力学的に安定なトランス体として存在しているが、紫外光をアゾベンゼン基に照射することでシス体となり、可視光をアゾベンゼン基に照射することで再びトランス体に戻る光異性化基である。したがって、光異性化基としてアゾベンゼン基を用いることで、光異性化反応を起こすことが容易となり、極めて高い光応答性が得られる。
上記アゾベンゼン基が下記一般式(1)で表されることが好適である。
Figure 2007154096
(式中、X、Yは、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表す。pおよびqは0〜4の整数を表す。但し、p+q≠0であり、p(またはq)が2以上の場合、X(またはY)は、同じであっても異なっていてもよい。)。
アゾベンゼンのフェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を導入することにより、上記縮合系ポリマーの物性を適切にコントロールすることができる。
上記一般式(1)において、置換基X、Yの少なくとも1つが分岐型アルキル基であることが好適である。
アゾベンゼンのフェニル基に置換可能な分岐型アルキル基を導入することによっても、上記縮合系ポリマーの物性を適切にコントロールすることができる。
ここで、請求項1〜5のうちいずれか1項記載の縮合系ポリマーが、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類のいずれかであることが好ましい。
溶媒の膨潤を利用してアクチュエータを駆動させるような機構を必要とせず、その分、アクチュエータを高速に駆動させることができる。
また、請求項1〜5のうちいずれか1項記載の光駆動型アクチュエータが、フイルム状に成形されたものであることが好ましい。
フイルム状に成形されることにより、加工性が高められた光駆動型アクチュエータを得ることができる。
さらに、請求項1〜5のうちのいずれか1項記載の光駆動型アクチュエータが、フイルム状に成形され、延伸が施されたものであることが好ましい。
加工性が高められるとともに光に対する応答性が高められた光駆動型アクチュエータを得ることができる。
光の刺激を受けて変形するポリマーを備え該ポリマーの変形をアクチュエータとして利用する光駆動型アクチュエータの製造方法において、
光異性化基を主鎖中に有する縮合系ポリマーを含む組成物をフイルム状に成形する工程と、
その縮合系ポリマーを含む組成物を延伸する工程とを備えたことを特徴とする。
フイルム状に成形することで加工性を高めるとともに延伸操作をすることで光に対する応答性を高めた光駆動型アクチュエータを簡単に製造することができる。
ここで、光の刺激を受けて構造変化を引き起こす光異性化基を主鎖中に含む、その光異性化基の構造変化に応じて変形する、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有する縮合系ポリマーであることを特徴とする。
Figure 2007154096
(式中、X’、Y’は、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し、X’及びY’のうち、少なくとも1つは分岐アルキル基である。rおよびsは0〜4の整数を表す。但し、r+s≠0であり、r(またはs)が2以上の場合、X’(またはY’)は、同じであっても異なっていてもよい。Lは二価の連結基または単結合を表す。Zは−OC(=O)−、−OC(=O)NR−、−C(=O)NR−より選ばれる二価の連結基を表し、Rは水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。なお、これらの二価の連結基はどちらの向きで連結していてもよい。ZはZと反対の向きで連結した二価の置換基を表す。)
一般式(2)で表される繰り返し単位を有する縮合系ポリマーを採用することで、その縮合系ポリマーの物性を適切にコントロールすることができる。
ここで、請求項9記載の縮合系ポリマーがフイルムからなることを特徴とする。
請求項9記載の縮合系ポリマーがフイルムであることより、その縮合系ポリマーの加工性が高められる。
本発明によれば、高い光応答性、柔軟性、および軽量性を有するとともに無音で駆動する光駆動型アクチュエータ、およびその光駆動型アクチュエータの簡便な製造方法を提供することができる。また、その光駆動型アクチュエータの製造に用いられる良好なポリマーやそのポリマーからなるフイルムも提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
発明者らは、鋭意検討した結果、光異性化基を主鎖中に含む縮合系ポリマーが、高い光応答性を示し、加工性も良好な光駆動型アクチュエータ材料となり得ることを見出した。
本発明の光駆動型アクチュエータは、光異性化基を主鎖中に有する縮合系ポリマー(以下、光応答性縮合系ポリマーと略記することがある)を含有する。ここで、「光異性化基」とは、光により立体異性化または構造異性化を起こす官能基であり、好ましくは、さらに別の波長の光または熱によってその逆異性化を起こすものである。これらの官能基を有する化合物として、一般的には、構造変化と共に可視域での色調変化を伴うものは、フォトクロミック化合物としてよく知られているものが多く、具体的には、アゾベンゼン類、ベンズアルドキシム類、アゾメチン類、スチルベン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類、ジアリールエテン類、ケイ皮酸類、レチナール類、ヘミチオインジゴ類等が挙げられる。
また、「縮合系ポリマー」とは、重縮合或いは重付加によって合成可能な高分子を指すが、環化重縮合および環化重付加により得られる高分子(例えばポリイミド類、ポリベンゾアゾ−ル類、ポリオキサゾ−ル類、ポリピラゾール類、ポリイソオキサゾリン類等)はポリマー構造が剛直であり光応答速度の観点で好ましくないため、本発明では除外するものとする。
前記光異性化基のうち、アゾベンゼン基が好ましく、更に、アゾベンゼン基の中でも、下記一般式(1)で表されるものが特に好ましい。
Figure 2007154096
式(1)中、X、Yは、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表す。X、Yで表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、スルファモイルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が例として挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、分岐型アルキル基(例えば、イソプロピル基、sec-ブチル基、t-ブチル基など)がさらに好ましく、t-ブチル基が最も好ましい。
pおよびqは0〜4の整数を表す。但し、p+q≠0であり、p(またはq)が2以上の場合、X(またはY)は、同じであっても異なっていてもよい。
上記光異性化基は主鎖のみならず、側鎖や架橋基等に含まれていても良い。
前記光応答性縮合系ポリマーは、縮合系ポリマーであり、例えば、ポリエーテル類、ポリスルフィド類、ポリシロキサン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリウレタン類、ポリスルホネート類、ポリホスホネート類などが挙げられる。
この中でもポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類が好ましく、ポリエステル類が最も好ましい。
上記光異性化基以外に、上記光応答性縮合系ポリマーに含まれ得る構造としては、特に限定されず、ポリマーの物性を適切にコントロールする等の目的で種々の官能基を主鎖成分或いは側鎖成分として導入可能である。
前記光応答性縮合系ポリマーとして、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好適に挙げられる。
Figure 2007154096
一般式(2)中、X’、Y’は、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し、X’及びY’のうち、少なくとも1つは分岐アルキル基である。X’及びY’の具体例としては一般式(1)中のX、Yと同様のものを挙げることができる。rおよびsは0〜4の整数を表す。但し、r+s≠0であり、r(またはs)が2以上の場合、X’(またはY’)は、同じであっても異なっていてもよい。
Lは二価の連結基または単結合を表し、二価の連結基であることがより好ましい。二価の連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、下記一般式(3)で表される2価の連結基、−O−、−C(=O)−、−N(R)−、−S−、−S(=O)−、−SO−、又はこれらの連結基群から選ばれる2種以上を組み合わせて形成される2価の連結基が好ましい。Rは水素原子もしくは置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
アルキレン基としては、炭素数が2〜18のものが好ましく、炭素数が4〜12のものがさらに好ましい。アリーレン基としては、炭素数が6〜24のものが好ましく、炭素数が6〜18のものがより好ましく、炭素数が6〜12のものがさらに好ましい。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン、ナフタレン基等が挙げられる。
Lは置換または無置換のアルキレン基、下記一般式(3)で表される2価の連結基、又はこれら連結基を組み合わせて形成される2価の連結基であることが最も好ましい。
Figure 2007154096
上記一般式(3)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。繰り返し単位n1としては1〜25が好ましく、1〜10がより好ましい。
は−OC(=O)−、−OC(=O)NR−、−C(=O)NR−より選ばれる二価の連結基を表し、Rは水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。なお、これらの二価の連結基はどちらの向きで連結していてもよい。ZはZと反対の向きで連結した二価の置換基を表す。(例えば、Z=−OC(=O)−の時はZ=−C(=O)O−である。)
縮合系ポリマー各種の合成方法は、「新高分子実験学3 高分子の合成・反応(2) 縮合系高分子の合成」(高分子学会編、発行:共立出版、1996)第2〜3章に記載してある方法を参考にすることができる。特に、ポリエステル類の合成法については上記文献p.77〜p.95、ポリアミド類の合成法については上記文献p.57〜p.77、ポリウレタン類の合成法については上記文献p.229〜p.233をそれぞれ参考にすることができる。特に、ポリエステル類やポリアミド類の合成においては、界面重縮合法が温和な条件で高分子量体が得られる点で好ましい。
前記光応答性縮合系ポリマー中に含有される前記光異性化基の好ましい量は、ポリマーの単位質量当たりの官能基モル数で表した場合、0.1mmol/g〜10mmol/gであり、より好ましい量は0.5mmol/g〜8mmol/gである。
前記光応答性縮合系ポリマーの質量平均分子量は、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜300,000、より好ましくは10,000〜200,000の範囲であるときに、機械的強度、及び成形加工性とがバランスされて好適である。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
以下に前記光応答性縮合系ポリマーとして本発明に好ましく用いられる具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値(a、b等の数値)は、それぞれ各構成単位の組成比を示すモル百分率であり、MwはTSK Gel GMHxL、TSK Gel G4000 HxL、TSK Gel G2000 HxL (いずれも東ソー(株)の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した質量平均分子量である。但しP−14〜P−18およびP−22〜P−25はTHFへの溶解性不良のため、分子量に関連する一つの指標として粘度の測定を行った。下記例において、ηinhは括弧内に記した溶媒及び濃度において、自動粘度測定装置((株)離合社製VMC−252)によりウベローデ型毛細管式動粘度計を用いて測定した粘度(inherent・viscosity)である。
Figure 2007154096
Figure 2007154096
Figure 2007154096
本発明の光駆動型アクチュエータは、前記光応答性縮合系ポリマーを2種以上含んでいても良い。また、ガラス転移温度等の熱物性や弾性率等の力学物性を調整する目的で、光応答性縮合系ポリマー以外のポリマーを種々含有させても良い。さらに、各種添加剤、例えば、熱安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、可塑剤、軟化剤、難燃剤、顔料、発泡剤、発泡助剤などを必要に応じて加えて使用してもよい。
次に、本発明の光駆動型アクチュエータの製造方法について詳しく説明する。
本発明の光駆動型アクチュエータは、ポリマーの成形手段として報告されている公知慣用の方法により、上記光応答性縮合系ポリマーを含む組成物から成形することができる。例えば、フイルム状に成形する手段としては、溶液状態より製膜する方法或いは溶融状態より製膜する方法を挙げることができる。
溶液状態より製膜する方法としては、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が用いることができる。
溶液状態より製膜する方法に用いられる塗布液の溶剤には、前記光応答性縮合系ポリマーを含む組成物を溶解、あるいは分散できる公知の溶剤を用いることができる。該溶剤の具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤が挙げられ、クロロホルム、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミドが好ましく、クロロホルム、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。また、これらの溶剤を組み合わせて用いてもよい。
溶液状態より製膜する方法に用いられる基材としては、特に限定しないが、塗布溶剤によって膨潤あるいは溶解しないものが好ましい。また、塗布物の乾燥には公知の乾燥法を用いることができる。具体的には、室温乾燥、加温乾燥、送風乾燥、減圧乾燥が挙げられ、またこれらを組み合わせてもよい。
乾燥後の塗布物は、基材から剥離してもよいし、基材の柔軟性が高い場合には基材と共に光駆動型アクチュエータとして供することもできる。
溶融状態より製膜する方法としては、熱溶融プレス法あるいは溶融押出し法などを用いることができる。このうち、熱溶融プレス法としては、平板プレス、真空プレス等のバッチ法や連続ロールプレス法等の連続法が挙げられる。
図1は、本発明の光駆動型アクチュエータの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
第1の工程として、光異性化基を主鎖中に有する縮合系ポリマーを含む組成物をフイルム状に成形する(ステップS100)。
続いて、第2の工程として、そのフイルム状に成形された、光異性化基を主鎖中に有する縮合系ポリマーを含む組成物を延伸する(ステップS101)。
これらの工程を経て、本発明の光駆動型アクチュエータが製造される。
本発明の光駆動型アクチュエータは、フイルム状に成形した後あるいは成形する際、応力下で一軸、あるいは二軸に延伸を施すことが好ましい。延伸には、加熱延伸法、調湿延伸法、あるいは調湿下における加熱延伸法等を用いることができるが、加熱延伸法、あるいは調湿下における加熱延伸法が好ましい。延伸率は1.01から10が好ましく、1.1から5がさらに好ましい。
本発明の光駆動型アクチュエータを駆動させる際に照射する光源としては、用いる光応答性基に適した波長を有するものであれば、特に限定しない。また、照射光は偏光であっても非偏光であっても良い。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(光応答性縮合系ポリマーP−4の合成)
Figure 2007154096
37重量%塩酸水溶液22mlに水90mlを加えた水溶液に、M−1(10.91g、0.100mol)を加え、5℃以下に冷却した。これに、亜硝酸ナトリウム7.59gを水22mlに溶解させた水溶液を滴下により加えた(内温は5℃以下)。30分間、内温5℃〜10℃にて攪拌した。得られた溶液を、M−2(15.02g、0.100mol)の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:16.12g、水:90ml)に内温を5℃以下に保ちながら、滴下により加え、30分間攪拌した。得られた反応物を1N 塩酸水溶液(1.5L)に加え、生成した沈殿をろ取し、重曹水溶液および水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:へキサン/酢酸エチル(3/1(v/v)))により精製し、M−3(20.67g、76.5mmol)を得た。
M−3(2.703g、10mmol)を水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:0.81g、水:100ml)に溶解させ、これにテトラn−ブチルアンモニウムクロリド(1.60g、5.76mmol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら、M−4(2.111g、10mmol)を1,2−ジクロロエタン(30ml)に溶解させた溶液を30分間にわたって滴下により加え、さらに30分間激しく攪拌した。得られた反応物に塩化メチレン20mlを加え、有機層を分離した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。溶媒をある程度留去して濃縮させ、メタノールに加えて、再沈殿させた。得られた沈殿をろ別、乾燥させてP−4(3.5g)を得た。重量平均分子量をTSK Gel GMHxL、TSK Gel G4000 HxL、TSK Gel G2000 HxL (いずれも東ソー(株)の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で測定した結果、77000であった。
[実施例2]
(光応答性縮合系ポリマーP−9の合成)
Figure 2007154096
M−5(20.00g、0.103mol)、トルエン(300ml)、48重量%水酸化ナトリウム水溶液(300ml)の混合物を0℃まで冷却し、テトラn−ブチルアンモニウム硫酸水素塩(76.94g、0.227mol)を添加し、さらに、M−6(80.34g)を激しく攪拌しながら滴下により添加した。0℃にて30分間攪拌後、室温まで昇温し、さらに30分間攪拌した。水を加え、有機層を分離した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重層水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順に洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:へキサン/酢酸エチル/エタノール(10/10/1(v/v/v)))で精製し、M−7(15.23g、0.036mol)を得た。M−7(10.00g、0.024mol)にトリフルオロ酢酸(40ml)、塩化メチレン(40ml)を加えて、室温にて1時間攪拌した。溶媒を減圧留去して、M−8(7.44g、0.024mol)を得た。M−8(7.44g、0.024mol)を塩化メチレン(150ml)に溶解させ、0℃にて、シュウ酸クロリドの2M塩化メチレン溶液(72ml、0.144mol)、ジメチルホルムアミド(パスツールピペットにて1滴)を加えた。10分後、室温まで昇温し、さらに1時間攪拌した。得られた反応物から溶媒を減圧留去することによりM−9(7.5g、0.022mol)を得た。
M−3(2.703g、10mmol)を水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:0.81g、水:100ml)に溶解させ、これにテトラn-ブチルアンモニウムクロリド(1.60g、5.76mmol)を加えた。溶液を激しく攪拌しながら、M−4(1.794g、8.50mmol)、M−9(0.521g、1.50mmol)を1,2−ジクロロエタン(30ml)に溶解させた溶液を30分間にわたって滴下により加え、さらに30分間激しく攪拌した。得られた反応物に塩化メチレン20mlを加え、有機層を分離した後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。溶媒をある程度留去して濃縮させ、メタノールに加えて、再沈殿させた。得られた沈殿をろ別、乾燥させてP−9(4.3g)を得た。重量平均分子量をTSK Gel GMHxL、TSK Gel G4000 HxL、TSK Gel G2000 HxL (いずれも東ソー(株)の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で測定した結果、88000であった。
[実施例3]
(光応答性縮合系ポリマーP−15の合成)
Figure 2007154096
M−3(8.04g、29.7mmol)をクロロベンゼン−ジクロロベンゼン混合溶媒(体積比80:20)(100ml)に溶解し、窒素雰囲気下にて加熱還流させながら、ヘキサメチレンジイソシアナート(5.00g、29.7mmol)を同じ混合溶媒(50ml)に溶解した溶液を約半分加えて激しく攪拌させた。残りは3〜4時間かけて滴下し、すべて加えてからさらに1時間加熱還流させる。室温まで冷却し、生成した沈殿をろ別し、メタノールで洗浄後、乾燥させ、P−15(10.3g)を得た。
[実施例4]
(光応答性縮合系ポリマーP−16の合成)
Figure 2007154096
37重量%塩酸水溶液22mlに水90mlを加えた水溶液に、M−11(15.02g、0.100mol)を加え、5℃以下に冷却した。これに、亜硝酸ナトリウム7.59gを水22mlに溶解させた水溶液を滴下により加えた(内温は5℃以下)。30分間、内温5℃〜10℃にて攪拌した。得られた溶液を、M−12(13.52g、0.100mol)、酢酸ナトリウム(24.61g、0.300mol)を含むメタノール水溶液(100ml)に内温を5℃以下に保ちながら、滴下により加え、30分間攪拌した。得られた反応物をエタノールに加え、生成した沈殿をろ取し、エタノールで洗浄した。乾燥して得られた生成物を水酸化カリウム(40g)を含むエタノール水溶液(エタノール:100ml、水:200ml)に加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却後、濃塩酸を注意深く加え、pHを6に調整した。生成した沈殿をろ取し、水で洗浄後、乾燥し、M−13(17.8g、70mmol)を得た。
M−13(2.54g、10mmol)と炭酸ナトリウム(2.12g、20mmol)を水(50ml)とテトラヒドロフラン(40ml)に溶解させた。溶液を激しく攪拌しながら、M−14(1.83g、10mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解させた溶液を一度に加え、さらに10分間激しく攪拌した。得られた固体をろ別、水で洗浄して乾燥させ、P−16(3.2g)を得た。
[実施例5]
(第1および第2の光駆動型アクチュエータの作製)
P−4(0.5g)をプレス機(MINI TEST PRESS−10 TOYOSEIKI社製)を用いて160℃、5MPaにて熱溶融プレスさせることにより、フイルム状に成形し、第1の光駆動型アクチュエータ(膜厚88μm、大きさ1.0cm×2.0cm)を得た。更に、熱プレスにより得られたフイルムを60℃にて、延伸率2.0で一軸延伸させることにより、第2の光駆動型アクチュエータ(膜厚60μm、大きさ1.0cm×2.0cm)を得た。
(第1の光駆動型アクチュエータにおける光応答性の評価)
図2は、本発明の実施例5における第1の光駆動型アクチュエータの光応答性の評価実験を示す図である。
図2(a)は、紫外線照射前の状態を示す。載置台2の上面の端部に光駆動型アクチュエータ1の一端が止め具3で固定されている。なお、止め具3は、光を遮断する材質からなる。
第1の光駆動型アクチュエータ1に、紫外線照射器(EXECURE3000、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)より出射される紫外光を偏光板を介して直線偏光に変換し、100mW/cm(365nm)の強度で室温にて真上から照射した。
図2(b)は、紫外線照射後の状態を示す。図2(b)に示すように、偏光板の透過軸方向において、水平形態から屈曲形態に18秒間で変化し、直線偏光により駆動し、かつその方向を制御できることを確認した。
(第2の光駆動型アクチュエータにおける光応答性の評価)
第1の光駆動型アクチュエータの前記光応答性評価実験と同様にして、第2の光駆動型アクチュエータに、紫外線照射器(EXECURE3000、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)より出射される紫外光を100mW/cm(365nm)の強度で室温にて真上から照射した。
その結果、一軸延伸方向において、水平形態から屈曲形態に5秒間で変化した。
この実施例5において、第1および第2の光駆動型アクチュエータを用いた光応答性の評価実験の結果から、第1および第2の光駆動型アクチュエータが光の刺激を受けて駆動することを確認した。
[実施例6]
(第3の光駆動型アクチュエータの作製)
P−7(0.5g)をプレス機(MINI TEST PRESS−10 TOYOSEIKI社製)を用いて140℃、5MPaにて熱溶融プレスさせることにより、フイルム状に成形した。得られたフイルムを室温にて、延伸率2.0で一軸延伸させることにより、第3の光駆動型アクチュエータ(膜厚50μm、大きさ1.2cm×2.2cm)を得た。
(第4の光駆動型アクチュエータの作製)
P−7(200mg)をクロロホルム(500μL)に溶解し、塗布液を調製した。該塗布液をミクロフィルター(DISMIC−13 PTFE 0.45MM:ADVANTEC社製)にて濾過し、石英ガラス板上にスピンコート(1000rpm、20秒)により塗布し、室温で1時間乾燥した後、剃刀を用いてフイルムをガラス基板より剥離し、第4の光駆動型アクチュエータ(膜厚22μm、大きさ0.4cm×0.8cm)を得た。
(第3の光駆動型アクチュエータにおける光応答性の評価)
第1の光駆動型アクチュエータの前記光応答性評価実験と同様にして、第3の光駆動型アクチュエータに紫外線照射器(EXECURE3000、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)より出射される紫外光を100mW/cm(365nm)の強度で室温にて照射した。その結果、一軸延伸方向において、水平形態から屈曲形態に5秒間で変化し、光により駆動することを確認した。
(第4の光駆動型アクチュエータにおける光応答性の評価)
第1の光駆動型アクチュエータの前記光応答性評価実験と同様にして、得られた第4の光駆動型アクチュエータに、紫外線照射器(EXECURE3000、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)より出射される紫外光を偏光板を介して直線偏光に変換し、100mW/cm(365nm)の強度で室温にて真上から照射した。その結果、偏光板の透過軸方向において、水平形態から屈曲形態に10秒間で変化し、直線偏光により駆動し、且つその方向を制御できることを確認した。
この実施例6において、第3および第4の光駆動型アクチュエータを用いた光応答性の評価実験の結果から、第3および第4の光駆動型アクチュエータが光の刺激を受けて駆動することを確認した。
[比較例]
非特許文献5(Chem.Mater.誌、第16巻、1637頁(2004年))に記載の方法に従い、下記モノマー・架橋剤(組成比:A6AB2/DA6AB=50/50(mol比))より、自立性の液晶エラストマーフイルム(膜厚=42μm)を作製した。該フイルムに対して、100℃において、紫外線照射器(EXECURE3000、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)より出射される紫外光を100mW/cm(365nm)の強度で照射した。その結果、配向膜のラビング方向において、水平形態から屈曲形態に20秒間で変化した。一方、該フイルムに対して、室温において同条件で紫外線を照射したが、1分間照射し続けてもフイルムの形態変化は観察されなかった。
Figure 2007154096
実施例5・6及び比較例より、本発明の光駆動型アクチュエータ(第1〜第4)は、側鎖に光異性化基を有するポリマーからなるアクチュエータ(比較例)に比べて、室温で駆動するという点で優れていることがわかる。さらに、延伸を施されたフイルム(第2および第3の光駆動型アクチュエータ)の場合は応答速度が速いという有利な効果が得られることもわかった。
以上説明したように、本発明によれば、高い光応答性、柔軟性、および軽量性を有するとともに無音で駆動する光駆動型アクチュエータ、およびその光駆動型アクチュエータの簡便な製造方法を提供することができる。また、その光駆動型アクチュエータの製造に用いられる良好なポリマーやそのポリマーからなるフイルムも提供することができる。
なお、本発明の光駆動型アクチュエータは、例えば、医療・介護分野における、能動鉗子、内視鏡、人工筋肉、ドラッグデリバリーシステム、バイオ素子、航空宇宙分野における、小型探査機、生体模倣ロボット、人工衛星などの駆動部に適用できる。さらに、一般機器において、デジタルカメラ、携帯電話、マイクロポンプ、触感ディスプレイ、非接触検査機器などの駆動部に利用できる。
本発明の光駆動型アクチュエータの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の実施例5における第2の光駆動型アクチュエータの光応答性の評価実験を示す図である。
符号の説明
1 光駆動型アクチュエータ
2 載置台
3 止め具

Claims (10)

  1. 光の刺激を受けて変形するポリマーを備え、該ポリマーの変形をアクチュエータとして利用する光駆動型アクチュエータにおいて、
    光の刺激を受けて構造変化を引き起こす光異性化基を主鎖中に含む、該光異性化基の構造変化に応じて変形する縮合系ポリマーを備え、
    前記縮合系ポリマーは、光の刺激に応じて変形しアクチュエータとしての機能を有するものであることを特徴とする光駆動型アクチュエータ。
  2. 前記光異性化基が、アゾベンゼン基であることを特徴とする請求項1記載の光駆動型アクチュエータ。
  3. 前記アゾベンゼン基が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項2記載の光駆動型アクチュエータ。
    Figure 2007154096
    (式中、X、Yは、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表す。pおよびqは0〜4の整数を表す。但し、p+q≠0であり、p(またはq)が2以上の場合、X(またはY)は、同じであっても異なっていてもよい。)。
  4. 前記一般式(1)は、置換基X、Yの少なくとも1つが分岐型アルキル基であることを特徴とする請求項3記載の光駆動型アクチュエータ。
  5. 前記縮合系ポリマーが、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類のいずれかであることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の光駆動型アクチュエータ。
  6. フイルム状に成形されたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の光駆動型アクチュエータ。
  7. フイルム状に成形され、延伸が施されたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の光駆動型アクチュエータ。
  8. 光の刺激を受けて変形するポリマーを備え該ポリマーの変形をアクチュエータとして利用する光駆動型アクチュエータの製造方法において、
    光異性化基を主鎖中に有する縮合系ポリマーを含む組成物をフイルム状に成形する工程と、
    該縮合系ポリマーを含む組成物を延伸する工程とを備えたことを特徴とする光駆動型アクチュエータの製造方法。
  9. 光の刺激を受けて構造変化を引き起こす光異性化基を主鎖中に含む、該光異性性基の構造変化に応じて変形する、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする縮合系ポリマー。
    Figure 2007154096
    (式中、X’、Y’は、フェニル基に置換可能な水素原子以外の置換基を表し、X’及びY’のうち、少なくとも1つは分岐アルキル基である。rおよびsは0〜4の整数を表す。但し、r+s≠0であり、r(またはs)が2以上の場合、X’(またはY’)は、同じであっても異なっていてもよい。Lは二価の連結基または単結合を表す。Zは−OC(=O)−、−OC(=O)NR−、−C(=O)NR−より選ばれる二価の連結基を表し、Rは水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。なお、これらの二価の連結基はどちらの向きで連結していてもよい。ZはZと反対の向きで連結した二価の置換基を表す。)
  10. 請求項9記載の縮合系ポリマーからなることを特徴とするフイルム。
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