JP2007153768A - 免疫改善剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アレルギー症状の改善、感染性疾患の予防及び/又は改善などの免疫改善作用を有しながら、日々、食品としても安全に摂取することのできる免疫改善剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤、並びに、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、前記免疫改善剤の製造方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】 ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤、並びに、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、前記免疫改善剤の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は免疫改善剤及びその製造方法に関し、ナマコよりプロテアーゼ処理により遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤である。詳しくはナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とし、腸管免疫に関わるTh1/Th2バランスにおいてTh1へのバランスを高めることにより、花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギー症状の改善作用、並びに、風邪等の感染性疾患の予防及び/又は改善作用を有する免疫改善剤に関するものである。
アレルギー疾患は年々増大しており、20〜30代の花粉症有症率は30%とされている。アレルギー疾患は通常は無害な環境中の抗原に対して免疫系が過剰の反応を起こすことである。花粉、ダニ、食品などに対してアトピー性皮膚炎、蕁麻疹などの皮膚症状や喘息、消化器症状などが認められる。
アレルギー発症においてはアレルゲンに特異的T細胞および抗体が関わっている。アレルゲン摂取により引き起こされる即時型アレルギーについては、免疫グロブリンE(IgE)抗体によって引き起こされる。IgE抗体はマスト細胞表面に発現しているIgEレセプターに結合し、これがアレルゲン分子によって架橋し、その刺激が細胞内に伝えられると細胞内に蓄積したヒスタミン、ロイコトルエンその他の炎症性ケミカルメディエーターが遊離される。T細胞については、外来抗原を認識するCD4T細胞にTh1、Th2の2つのタイプがあり、IL-4、IL-5を産生するTh2細胞がIgE誘導能をもち、アレルギー発症に関与するとされる。
ヒトは誕生したときはTh2が優先となっているが、しだいに感染免疫を担当するTh1の働きが強まり、感染防御能が高まるにつれ、Th2の働きは弱まってくる。しかしながら、Th2が弱まらないときにはアレルギー疾患が発症するのではないかと考えられている。また、成長してからも生活習慣の中で何らかの原因でTh1/Th2バランスが崩れ、Th2優位となるとアレルギー発症の原因となると考えられる。
従ってTh1系を活性化することが免疫機能を改善し、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症等の抗アレルギー性疾患の改善、また、風邪や感染防御などの免疫増強に繋がると考えられている。最近、食品中の成分のいくつかがTh1/Th2の免疫系に作用することが明かになっている(非特許文献1、特許文献1参照)。しかしながら、このようなTh1/Th2バランスを改善し、アレルギー症状の改善や感染防御に対する免疫改善作用について十分効果を発揮する素材は知られていない。
Nagura T, et al., British Journal of Nutrition, 88, 421-426(2002)
特開2005−82497号公報
本発明は、このような従来の課題を克服し、免疫改善作用を有しながら、日々、食品としても安全に摂取することのできる免疫改善剤を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明者らは、腸管免疫Th1/Th2バランスについてTh1系を活性化する素材の検索を行ってきた。その結果、ナマコのプロテアーゼ処理物に高いTh1活性化作用があることを見出し、また、実際に卵白アルブミン(OVA)免疫マウスを使った実験では、ナマコのプロテアーゼ処理物の投与により血中のIgE抗体が低下することを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に係わる本発明は、ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤を提供するものである。
請求項2に係わる本発明は、Th1を活性化し、Th1/Th2バランスを改善する効果があることを特徴とする請求項1に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項3に係わる本発明は、アレルギー症状の改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項4に係わる本発明は、感染性疾患の予防及び/又は改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項5に係わる本発明は、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤の製造方法を提供するものである。
請求項6に係わる本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤を含む食品を提供するものである。
請求項2に係わる本発明は、Th1を活性化し、Th1/Th2バランスを改善する効果があることを特徴とする請求項1に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項3に係わる本発明は、アレルギー症状の改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項4に係わる本発明は、感染性疾患の予防及び/又は改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤を提供するものである。
請求項5に係わる本発明は、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤の製造方法を提供するものである。
請求項6に係わる本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤を含む食品を提供するものである。
本発明の免疫改善剤は、腸管免疫を介したTh1/Th2バランスを改善することにより、インターフェロン−γ産生を促すと共に、インターロイキン−12(IL-12)産生を増加させ、Th2への誘導を抑制することによりIgEの産生を抑制する。このような、インターフェロン−γの産生増加やIgEの産生抑制は、花粉症やアトピー皮膚炎、喘息等のアレルギー症状の改善に繋がるものである。また、風邪などの感染性疾患の予防及び/又は改善効果を発揮するものである。さらに、関節炎等の炎症性の疾患に対しても有効である。
しかも、本発明の免疫改善剤は、食品として日常的に摂取することが可能であり、アレルギー症状や感染性疾患、炎症性疾患などの改善を図ることが容易となる。
しかも、本発明の免疫改善剤は、食品として日常的に摂取することが可能であり、アレルギー症状や感染性疾患、炎症性疾患などの改善を図ることが容易となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1に記載の本発明は、ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤である。
請求項1に記載の本発明は、ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤である。
ナマコは棘皮動物門ナマコ鋼に属する生物であり、世界中に1500種類、日本に200種類いるとされる。一般的に食用として多く利用されているのはマナマコ(Apostichopus japonicus)で、体表面の色によりアカナマコ、アオナマコ、クロナマコに分けられ、生食が可能なナマコである。しかし、他のナマコも加熱処理すれば食用として用いることができる。本発明において利用されるナマコとしては、食用可能なナマコ、特にマナマコが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
また、これらのナマコは、加熱処理された後にホモジナイズされていることが必要であり、加熱処理後に洗浄処理を行い、次いでホモジナイズされたものを用いるのが好ましい。
なお、上記のナマコは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらのナマコは、加熱処理された後にホモジナイズされていることが必要であり、加熱処理後に洗浄処理を行い、次いでホモジナイズされたものを用いるのが好ましい。
なお、上記のナマコは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、ナマコをプロテアーゼ処理することにより、免疫改善作用を有する成分を遊離させる。
ナマコのプロテアーゼ処理に用いるプロテアーゼは、ペプチド結合を加水分解する酵素であれば、エキソ型又はエンド型、天然酵素又は合成酵素、及び由来する生物の種類などにかかわらず、いずれも用いることができる。例えば、植物由来のパパイン、微生物由来のプロテアーゼあるいは、動物由来のペプシン、トリプシン、キモトリプシン、などを挙げることができるが、酵素反応中の腐敗を防ぐために高温条件下で反応を行えることから、耐熱性酵素を用いることが望ましい。また、これらのプロテアーゼは、市販の酵素製剤を用いてもよいし、プロテアーゼ生産能を有する生物から抽出等することにより得た粗酵素液、もしくはその濃縮・精製物等を用いてもよい。中でも、微生物又は植物由来のプロテアーゼは、分解力が強く効率的であるため好適に用いられる。
本発明において、ナマコのプロテアーゼ処理物の抽出を効率的に行うには、これらの条件を満たす酵素として、微生物由来のプロテアーゼS(天野エンザイム株式会社)を用いることが望ましい。なお、これらのプロテアーゼは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ナマコのプロテアーゼ処理に用いるプロテアーゼは、ペプチド結合を加水分解する酵素であれば、エキソ型又はエンド型、天然酵素又は合成酵素、及び由来する生物の種類などにかかわらず、いずれも用いることができる。例えば、植物由来のパパイン、微生物由来のプロテアーゼあるいは、動物由来のペプシン、トリプシン、キモトリプシン、などを挙げることができるが、酵素反応中の腐敗を防ぐために高温条件下で反応を行えることから、耐熱性酵素を用いることが望ましい。また、これらのプロテアーゼは、市販の酵素製剤を用いてもよいし、プロテアーゼ生産能を有する生物から抽出等することにより得た粗酵素液、もしくはその濃縮・精製物等を用いてもよい。中でも、微生物又は植物由来のプロテアーゼは、分解力が強く効率的であるため好適に用いられる。
本発明において、ナマコのプロテアーゼ処理物の抽出を効率的に行うには、これらの条件を満たす酵素として、微生物由来のプロテアーゼS(天野エンザイム株式会社)を用いることが望ましい。なお、これらのプロテアーゼは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、プロテアーゼ処理条件は、用いるナマコの種類や前処理の有無、用いるプロテアーゼなどにより異なるが、ナマコ100g当たり10〜5,000ユニット、好ましくは200〜1,000ユニットのプロテアーゼを添加し、40〜80℃、好ましくは70℃で、0.5〜24時間程度、好ましくは5〜15時間反応させると良い。なお、プロテアーゼの単位は、一分間当たりに1マイクロモルのアミノ酸を遊離する能力(μmole amino acid・min-1)を1ユニットとする。
このようにして得られたナマコのプロテアーゼ処理物は、プロテアーゼ処理により遊離された免疫改善作用を有する成分を含有している。したがって、上記により得られたナマコのプロテアーゼ処理物を、本発明の免疫改善剤とすることができる。
なお、本発明においてナマコのプロテアーゼ処理物とは、酵素処理により得られたそのままのものだけでなく、さらに公知の方法による濃縮物、精製物、乾燥物などをも包含するものである。
例えば、プロテアーゼ処理後のナマコより遠心分離を行って不溶物を取り除いた上清を、本発明の免疫改善剤に用いることができる。このとき、遠心分離は5,000×g〜20,000×gで5〜120分間、好ましくは10,000×g〜20,000×gで20〜60分間の遠心分離を行うことにより、不溶物を取り除くことができる。また、遠心分離の代わりにフィルタープレス等を行って不溶物を除去することも出来る。
なお、本発明においてナマコのプロテアーゼ処理物とは、酵素処理により得られたそのままのものだけでなく、さらに公知の方法による濃縮物、精製物、乾燥物などをも包含するものである。
例えば、プロテアーゼ処理後のナマコより遠心分離を行って不溶物を取り除いた上清を、本発明の免疫改善剤に用いることができる。このとき、遠心分離は5,000×g〜20,000×gで5〜120分間、好ましくは10,000×g〜20,000×gで20〜60分間の遠心分離を行うことにより、不溶物を取り除くことができる。また、遠心分離の代わりにフィルタープレス等を行って不溶物を除去することも出来る。
得られたナマコのプロテアーゼ処理物を製剤化するにあたっては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤などの各種形態とすることができ、特に経口投与される剤形が好ましい。その他、これらの形態に適当な賦形剤、保存料、甘味料、栄養補助剤等を本製剤に添加して用いることもできる。
請求項1に記載の本発明の免疫改善剤の使用量については、特に制限されることはないが、通常はナマコ抽出物として、一日当たり乾燥重量で0.001〜10g、好ましくは0.01〜0.5g程度を摂取すると良い。
なお、摂取方法は、経口摂取が好ましいが、これに限定されるものではない。
なお、摂取方法は、経口摂取が好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明の免疫改善剤を摂取することにより、請求項2に記載したように、腸管免疫のTh1/Th2バランスを改善、すなわち、Th1細胞を活性化し(あるいは増加させ)、Th2細胞の働きを抑制(あるいは減少させ)することができる。したがって、本発明の免疫改善剤は、請求項3及び4に記載したように、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症等のアレルギー性症状の改善や、風邪などの感染性疾患の予防及び/又は改善などに好適に用いられる。
本発明の免疫改善剤は、そのままで摂取してもよいし、請求項6に記載したように免疫改善剤を含む食品として摂取することも可能である。ここで、当該食品の形態としては特に制限はなく、飲料をはじめ、パンやビスケットなどの形態で、さらには菓子などの形態でも用いることができる。さらに、免疫改善作用を有する機能性食品とすることもできる。
上記食品における本発明の免疫改善剤の配合量は特に限定されないが、通常、ナマコ抽出物として乾燥重量で0.01〜70質量%、好ましくは1.0〜30質量%程度である。
上記食品における本発明の免疫改善剤の配合量は特に限定されないが、通常、ナマコ抽出物として乾燥重量で0.01〜70質量%、好ましくは1.0〜30質量%程度である。
次に、本発明の免疫改善剤の製造方法について説明する。
請求項5に記載の本発明は、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤の製造方法である。
請求項5に記載の本発明は、ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤の製造方法である。
まず、ナマコを加熱処理する工程においては、先述のナマコを、ボイル、焙炒など公知の方法により加熱処理する。加熱処理方法は特に制限されないが、ボイルするのが好ましい。このとき、加熱条件は60〜120℃で5〜60分間、好ましくは90〜100℃で10〜30分間とすればよい。なお、プロテアーゼ処理前のナマコを水中で加熱しても、免疫改善作用を有する成分は溶出しない。
また、加熱処理後のナマコは、水、熱水等による洗浄処理を行ってから、次のホモジナイズ工程に供することが好ましい。
また、加熱処理後のナマコは、水、熱水等による洗浄処理を行ってから、次のホモジナイズ工程に供することが好ましい。
次に、ナマコをホモジナイズする工程においては、上記により得られた加熱処理後のナマコを、ミートチョッパーやミキサー、カッターなどによりホモジナイズする。これは、後に行う酵素反応を効率よく行うためであり、上記ホモジナイズは、これらの目的を達成できる程度に行えば良い。
また、ナマコをプロテアーゼ処理する工程では、上記によりホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理することにより、免疫改善作用を有する成分を遊離する。ここで用いるプロテアーゼは、上述の通り、特に限定されない。
プロテアーゼ処理条件は、上記したように、用いるナマコの種類や前処理の有無、用いるプロテアーゼなどにより異なるが、例えば、ナマコ100g当たり10〜5,000ユニット、好ましくは200〜1,000ユニットのプロテアーゼを添加し、40〜80℃、好ましくは70℃で、0.5〜24時間程度、好ましくは5〜15時間反応させると良い。なお、プロテアーゼの単位は、一分間当たりに1マイクロモルのアミノ酸を遊離する能力(μmole amino acid・min-1)を1ユニットとする。
また、このとき、ナマコに対して2〜10倍量の水の存在下で反応させることが好ましい。なお、当該酵素反応を停止させるには、80〜100℃で5〜20分間加熱して酵素を失活させればよい。
プロテアーゼ処理条件は、上記したように、用いるナマコの種類や前処理の有無、用いるプロテアーゼなどにより異なるが、例えば、ナマコ100g当たり10〜5,000ユニット、好ましくは200〜1,000ユニットのプロテアーゼを添加し、40〜80℃、好ましくは70℃で、0.5〜24時間程度、好ましくは5〜15時間反応させると良い。なお、プロテアーゼの単位は、一分間当たりに1マイクロモルのアミノ酸を遊離する能力(μmole amino acid・min-1)を1ユニットとする。
また、このとき、ナマコに対して2〜10倍量の水の存在下で反応させることが好ましい。なお、当該酵素反応を停止させるには、80〜100℃で5〜20分間加熱して酵素を失活させればよい。
上記のようにして得られたナマコのプロテアーゼ処理物は、そのままの形態で用いてもよいし、公知の方法により濃縮、精製、乾固などを行ってもよい。
例えば、プロテアーゼ処理後のナマコより遠心分離を行って不溶物を取り除いた上清を用いて、本発明の免疫改善剤を製造することができる。このとき、遠心分離は5,000×g〜20,000×gで5〜120分間、好ましくは10,000×g〜20,000×gで20〜60分間の遠心分離を行うことにより、不溶物を取り除くことができる。また、遠心分離の代わりにフィルタープレス等を行って不溶物を除去することも出来る。
例えば、プロテアーゼ処理後のナマコより遠心分離を行って不溶物を取り除いた上清を用いて、本発明の免疫改善剤を製造することができる。このとき、遠心分離は5,000×g〜20,000×gで5〜120分間、好ましくは10,000×g〜20,000×gで20〜60分間の遠心分離を行うことにより、不溶物を取り除くことができる。また、遠心分離の代わりにフィルタープレス等を行って不溶物を除去することも出来る。
得られたナマコのプロテアーゼ処理物を製剤化するにあたっては、既述の通り、必要に応じて適当な賦形剤、保存料、甘味料、栄養補助剤等を添加することができる。剤形は錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤などの各種形態とすることができ、特に経口投与される剤形が好ましい。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明する。
製造例1
アカナマコ(Apostichopus japonicus、1kg)の腹部の中心部分をカッターで切り、腸を取り出したのち、砂、泥などを完全に取り除いた。腸を取り除いたナマコは90℃前後の湯浴中で、ゆっくり攪拌しながら30分ボイルした。ボイルが終わったら、水浴中にナマコを通し、再度洗浄した。熱処理ナマコ800gを得た。
アカナマコ(Apostichopus japonicus、1kg)の腹部の中心部分をカッターで切り、腸を取り出したのち、砂、泥などを完全に取り除いた。腸を取り除いたナマコは90℃前後の湯浴中で、ゆっくり攪拌しながら30分ボイルした。ボイルが終わったら、水浴中にナマコを通し、再度洗浄した。熱処理ナマコ800gを得た。
上記で得られた熱処理ナマコをミートチョッパーによりミンチにした。ミンチに対して2倍重量の水を加え良く攪拌した。70℃にまで加熱し、プロテアーゼ(プロテアーゼS、天野エンザイム株式会社)を5,000ユニットとなるよう添加した。そのまま70℃で12時間反応を行い、100℃での10分加熱で酵素を失活させたのち、10,000×g、30分の遠心分離により、上清を得た。このものを凍結乾燥して、ナマコのプロテアーゼ処理物15gを得た。
実施例1(マウス脾臓細胞サイトカイン産生への効果)
[実験動物]
雌性BALB/cマウス6週齡(日本チャールズリバー)を用い、1週間の予備飼育後、実験に供した。予備飼育から実験中を通して23 ± 2℃、湿度55 ± 5 %の環境下のチップゲージで飼育し、食餌(CRF-1、オリエンタル酵母)、飲水は全て自由摂取とした。
[実験動物]
雌性BALB/cマウス6週齡(日本チャールズリバー)を用い、1週間の予備飼育後、実験に供した。予備飼育から実験中を通して23 ± 2℃、湿度55 ± 5 %の環境下のチップゲージで飼育し、食餌(CRF-1、オリエンタル酵母)、飲水は全て自由摂取とした。
[免疫計画]
卵白アルブミン(OVA)20μg及びアジュバンド(ALUM、LSL(株))2 mgを400μLの生理食塩水に溶解し、マウスに腹腔投与(1次免疫)し、14日後に同量の投与(2次免疫)を施した後、翌日に脾臓を摘出した。
卵白アルブミン(OVA)20μg及びアジュバンド(ALUM、LSL(株))2 mgを400μLの生理食塩水に溶解し、マウスに腹腔投与(1次免疫)し、14日後に同量の投与(2次免疫)を施した後、翌日に脾臓を摘出した。
[脾細胞の採取・培養法]
摘出した脾臓を、滅菌シャーレ中Complete培地(10%ウシ胎児血清、1mMピルビン酸、2mMグルタミンを含むRPMI培地)内で脂肪などを洗浄した後に細断し、更に70μmセルストレイナー(FALCON、352350)で濾して細胞を懸濁させた。なお、PRMI培地は、RPMI-1640 powder (GIBCO)10.4 g, 1N HCl2.5 mL, 1 M HEPES (NaOHでpH7.2 に調整)10 mL, 7.5% 重曹 20 mL に水を加えて1Lとしたものである。シャーレ中の脾細胞懸濁液を滅菌チューブに移し、1600×g、4℃で5分間遠心分離後、生細胞数を計数し、5×106 cells/mLに調整した。
脾細胞の培養は、細胞懸濁液を2 mL/wellで24穴プレート(Corning, NY)に加えた後、OVAを最終濃度100μg/mLとなるように添加し、37℃、CO2濃度5 %の条件下にて培養した。製造例1で得たナマコのプロテアーゼ処理物(被検物)は10μg/mlとなるように培養液に添加した。72時間培養後にwell中の脾細胞及び上清を滅菌チューブに回収し、1600×g、4℃で5分間遠心分離して上清を採取し、−80℃で保存した。
摘出した脾臓を、滅菌シャーレ中Complete培地(10%ウシ胎児血清、1mMピルビン酸、2mMグルタミンを含むRPMI培地)内で脂肪などを洗浄した後に細断し、更に70μmセルストレイナー(FALCON、352350)で濾して細胞を懸濁させた。なお、PRMI培地は、RPMI-1640 powder (GIBCO)10.4 g, 1N HCl2.5 mL, 1 M HEPES (NaOHでpH7.2 に調整)10 mL, 7.5% 重曹 20 mL に水を加えて1Lとしたものである。シャーレ中の脾細胞懸濁液を滅菌チューブに移し、1600×g、4℃で5分間遠心分離後、生細胞数を計数し、5×106 cells/mLに調整した。
脾細胞の培養は、細胞懸濁液を2 mL/wellで24穴プレート(Corning, NY)に加えた後、OVAを最終濃度100μg/mLとなるように添加し、37℃、CO2濃度5 %の条件下にて培養した。製造例1で得たナマコのプロテアーゼ処理物(被検物)は10μg/mlとなるように培養液に添加した。72時間培養後にwell中の脾細胞及び上清を滅菌チューブに回収し、1600×g、4℃で5分間遠心分離して上清を採取し、−80℃で保存した。
[サイトカイン産生の測定法]
サイトカイン(インターフェロン−γ(IFN-γ)及びインターロイキン-10(IL-10))の測定は、PharMingen社のOptEIATM IFN-γ Set 及びIL-10 Setを用いて行った。
すなわち、抗マウス各種サイトカインモノクローナル抗体(1次抗体)を固相化緩衝液(0.1 M 炭酸ナトリウム緩衝液、pH 9.5もしくは0.2 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.5)で至適濃度に希釈し、96 wellマイクロプレート(Corning, NY)に100μL/well加え、4℃で一晩静置して1次抗体を固相化した。固相化の後にwell内を0.1Mリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、夾雑物をブロッキングするために10% FCS含有PBSを200μL/well加え、室温下で1時間静置した。
ブロッキングの後にwell内をPBSで洗浄し、上記で得た脾細胞培養上清を100μL/well加え、室温下で2時間静置して1次抗体と上清中のサイトカインを抗原抗体反応させた。抗原(1次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ビオチン標識抗マウス各種サイトカインモノクローナル抗体(2次抗体)及びアビジン標識ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を、10% FCS含有PBSで至適濃度に希釈しそれぞれ100μL/well加え、室温下で1時間静置して、1次抗体と結合したサイトカインと2次抗体を抗原抗体反応させた。
抗原(2次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、酵素反応の基質として、テトラメチルベンゼン(TMB)及び過酸化水素の混合液を100μL/well加え、暗中室温下で30分間反応させた。酵素反応の後に1 M リン酸50μL/well加え反応を停止させ、450 nmの吸光波長を紫外可視マイクロプレートリーダー(E max、 Molecular Devices社)を用い、エンドポイントで測定した。サイトカイン量は濃度既知標準品を用いて検量線を作成して定量した。
なお、対照として、ナマコのプロテアーゼ処理物の代わりに等量のPBSを用いて上記と同様に試験した。
サイトカイン(インターフェロン−γ(IFN-γ)及びインターロイキン-10(IL-10))の測定は、PharMingen社のOptEIATM IFN-γ Set 及びIL-10 Setを用いて行った。
すなわち、抗マウス各種サイトカインモノクローナル抗体(1次抗体)を固相化緩衝液(0.1 M 炭酸ナトリウム緩衝液、pH 9.5もしくは0.2 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.5)で至適濃度に希釈し、96 wellマイクロプレート(Corning, NY)に100μL/well加え、4℃で一晩静置して1次抗体を固相化した。固相化の後にwell内を0.1Mリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、夾雑物をブロッキングするために10% FCS含有PBSを200μL/well加え、室温下で1時間静置した。
ブロッキングの後にwell内をPBSで洗浄し、上記で得た脾細胞培養上清を100μL/well加え、室温下で2時間静置して1次抗体と上清中のサイトカインを抗原抗体反応させた。抗原(1次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ビオチン標識抗マウス各種サイトカインモノクローナル抗体(2次抗体)及びアビジン標識ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を、10% FCS含有PBSで至適濃度に希釈しそれぞれ100μL/well加え、室温下で1時間静置して、1次抗体と結合したサイトカインと2次抗体を抗原抗体反応させた。
抗原(2次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、酵素反応の基質として、テトラメチルベンゼン(TMB)及び過酸化水素の混合液を100μL/well加え、暗中室温下で30分間反応させた。酵素反応の後に1 M リン酸50μL/well加え反応を停止させ、450 nmの吸光波長を紫外可視マイクロプレートリーダー(E max、 Molecular Devices社)を用い、エンドポイントで測定した。サイトカイン量は濃度既知標準品を用いて検量線を作成して定量した。
なお、対照として、ナマコのプロテアーゼ処理物の代わりに等量のPBSを用いて上記と同様に試験した。
結果を図1に示した。図中、(A)はIFN-γ、(B)はIL-10の産生量をそれぞれ示す。被検物10μg/mlの培養液中への添加により、インターフェロン-γ(INF-γ)の濃度は著しく増大した。これに対してIL-10の濃度は顕著に減少した。
INF-γは主にTh1細胞から分泌されるホルモンであり、また、IL-10はTh2から分泌されるサイトカインであることから、被検物添加により、Th1細胞が増加し、逆にTh2細胞は減少したことが分かる。
INF-γは主にTh1細胞から分泌されるホルモンであり、また、IL-10はTh2から分泌されるサイトカインであることから、被検物添加により、Th1細胞が増加し、逆にTh2細胞は減少したことが分かる。
実施例2(抗アレルギー活性の評価)
[免疫計画]
雌性BALB/cマウス6週齡を対照群とナマコのプロテアーゼ処理物(被検物)投与群の2群(各5匹)に分けた。OVA 20μg及びアジュバンド(ALUM) 2 mgを400μLの生理食塩水に溶解し、マウスに腹腔投与(1次免疫)し、10日後に同量の投与(2次免疫)を施し、一次免疫から17日後に採血した。採取した血液は2500×g, 20分間の遠心分離により血清を得た。試験期間中各マウスに対して、被検物投与群には製造例1で得たナマコのプロテアーゼ処理物を0.5%(w/v)含む飲料水を与え、対照群には飲料水のみを与え、それぞれ飲水は自由とした。
[免疫計画]
雌性BALB/cマウス6週齡を対照群とナマコのプロテアーゼ処理物(被検物)投与群の2群(各5匹)に分けた。OVA 20μg及びアジュバンド(ALUM) 2 mgを400μLの生理食塩水に溶解し、マウスに腹腔投与(1次免疫)し、10日後に同量の投与(2次免疫)を施し、一次免疫から17日後に採血した。採取した血液は2500×g, 20分間の遠心分離により血清を得た。試験期間中各マウスに対して、被検物投与群には製造例1で得たナマコのプロテアーゼ処理物を0.5%(w/v)含む飲料水を与え、対照群には飲料水のみを与え、それぞれ飲水は自由とした。
[OVA特異的IgE抗体価の測定法]
測定は、Radioallergosorbent(RAST)法の原理に基づくエンザイムイムノアッセイ(EIA)を応用して行った。
すなわち、抗原(OVA及びジニトロフェニル-OVA(DNP-OVA))を0.05 M 炭酸ナトリウム緩衝液(carbonate-bicarbonate buffer、pH9.5)で希釈し、96 wellマイクロプレート(Corning, NY)に50μL/well加え、4℃で一晩静置して、抗原を固相化した。固相化の後にwell内をPBSで洗浄し、夾雑物をブロッキングするために0.1% カゼイン-PBSを200μL/well加え、室温で1時間静置した。
ブロッキングの後にwell内をPBSで洗浄し、0.1% カゼイン-PBSで5倍に希釈した上記血清試料を50μL/well加え、4℃で1日静置して、固相化抗原と血清中抗体(1次抗体)を抗原抗体反応させた。抗原(1次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ウサギ抗マウスIgE抗体(2次抗体、フナコシ)を50μL/well加え、室温下で1時間抗原抗体反応させた。抗原(2次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ヤギ抗ウサギβ-ガラクトシド IgG(3次抗体、フナコシ)を50μL/well加え、室温下で1時間抗原抗体反応させた。
抗原(3次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、酵素反応の基質として0.1 mM 4-メチルウンベリフェリルβ−ガラクトシド(4-MUG)を100μL/well加え、37℃で1時間反応させた。酵素反応の後に1 M 炭酸ナトリウムを25μL/well加え反応を停止させ、反応産物4-メチルウンベリフェロン(4-methyl-umbelliferone)の蛍光強度を、励起波長330 nm、蛍光波長453 nmの吸収波長により蛍光プレートリーダー(Becton Dickinson社)で測定した。各検体の抗体価は、対照群の血清中抗体の示した蛍光強度の1/2倍の値を示す希釈度(力価)で表した。
測定は、Radioallergosorbent(RAST)法の原理に基づくエンザイムイムノアッセイ(EIA)を応用して行った。
すなわち、抗原(OVA及びジニトロフェニル-OVA(DNP-OVA))を0.05 M 炭酸ナトリウム緩衝液(carbonate-bicarbonate buffer、pH9.5)で希釈し、96 wellマイクロプレート(Corning, NY)に50μL/well加え、4℃で一晩静置して、抗原を固相化した。固相化の後にwell内をPBSで洗浄し、夾雑物をブロッキングするために0.1% カゼイン-PBSを200μL/well加え、室温で1時間静置した。
ブロッキングの後にwell内をPBSで洗浄し、0.1% カゼイン-PBSで5倍に希釈した上記血清試料を50μL/well加え、4℃で1日静置して、固相化抗原と血清中抗体(1次抗体)を抗原抗体反応させた。抗原(1次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ウサギ抗マウスIgE抗体(2次抗体、フナコシ)を50μL/well加え、室温下で1時間抗原抗体反応させた。抗原(2次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、ヤギ抗ウサギβ-ガラクトシド IgG(3次抗体、フナコシ)を50μL/well加え、室温下で1時間抗原抗体反応させた。
抗原(3次)抗体反応の後にwell内をPBSで洗浄し、酵素反応の基質として0.1 mM 4-メチルウンベリフェリルβ−ガラクトシド(4-MUG)を100μL/well加え、37℃で1時間反応させた。酵素反応の後に1 M 炭酸ナトリウムを25μL/well加え反応を停止させ、反応産物4-メチルウンベリフェロン(4-methyl-umbelliferone)の蛍光強度を、励起波長330 nm、蛍光波長453 nmの吸収波長により蛍光プレートリーダー(Becton Dickinson社)で測定した。各検体の抗体価は、対照群の血清中抗体の示した蛍光強度の1/2倍の値を示す希釈度(力価)で表した。
[血清中遊離ヒスタミンの測定]
血清中遊離ヒスタミンの分析は、蛍光ポストカラム検出法を用いたイオン交換クロマトグラフィーにより行った。
すなわち、試料の分離はShim-pack PAG-SP及びShim-pack ISC-05カラム(いずれも島津製作所)を用い、流速0.6 mL/min、カラム温度50℃で行った。カラムスイッチング分析のため、溶媒は以下のA〜Dを用いた。
A:10 mM SDS 含有 100 mM EDTA・2Na (pH 6.0)
B:1 M NaCl 含有 100 mM EDTA・2Na (pH 8.5)
C:5% CH3CN 含有 6.0 mM NaH2PO4 に溶解した 3.7 mM OPA溶液 (pH 2.8)
D:100 mM EDTA・2Na (pH 8.5)
また、プレカラム: 4.0 min、 A→D; 9.0 min、 D→A及びトラップカラム: 3.3 min、 B→A; 7.0 min、 D→Bのタイムプログラムで2段カラムスイッチングを行い、初期条件で20分間平衡化した。ポストカラム試薬であるOPA(オルトフタルアルデヒド)を含む上記溶媒Cは0.3 mL/minの一定流速で送液した。反応後は蛍光検出機RF-10AXL(島津製作所)を用い、励起波長360 nm、蛍光波長440 nmで蛍光検出した。
血清中遊離ヒスタミンの分析は、蛍光ポストカラム検出法を用いたイオン交換クロマトグラフィーにより行った。
すなわち、試料の分離はShim-pack PAG-SP及びShim-pack ISC-05カラム(いずれも島津製作所)を用い、流速0.6 mL/min、カラム温度50℃で行った。カラムスイッチング分析のため、溶媒は以下のA〜Dを用いた。
A:10 mM SDS 含有 100 mM EDTA・2Na (pH 6.0)
B:1 M NaCl 含有 100 mM EDTA・2Na (pH 8.5)
C:5% CH3CN 含有 6.0 mM NaH2PO4 に溶解した 3.7 mM OPA溶液 (pH 2.8)
D:100 mM EDTA・2Na (pH 8.5)
また、プレカラム: 4.0 min、 A→D; 9.0 min、 D→A及びトラップカラム: 3.3 min、 B→A; 7.0 min、 D→Bのタイムプログラムで2段カラムスイッチングを行い、初期条件で20分間平衡化した。ポストカラム試薬であるOPA(オルトフタルアルデヒド)を含む上記溶媒Cは0.3 mL/minの一定流速で送液した。反応後は蛍光検出機RF-10AXL(島津製作所)を用い、励起波長360 nm、蛍光波長440 nmで蛍光検出した。
血中遊離ヒスタミン濃度、及びOVA特異的IgE力価の測定結果を表1に示した。ナマコのプロテアーゼ処理物(本発明品)投与により、血中の遊離ヒスタミン濃度およびOVA特異的IgE力価は著しく減少した。この結果は、本発明品投与がTh1優位へと導き、Th1/Th2バランスを改善したことによる抗アレルギー作用の効果であると考えられる。
本発明の免疫改善剤をそのまま、或いはこれに適宜栄養補助剤等を添加し、花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギー症状の改善や風邪や感染性疾患に対しての防御、改善作用のある免疫増強作用をもつ機能性食品、医薬として用いることができる。
本発明の免疫改善剤は、Th1を活性化し、Th2への誘導を抑制することにより、Th1/Th2バランスを改善し、アレルギー症状の改善、感染性疾患の予防及び/又は改善、炎症性疾患の改善などに用いることができる。しかも、本発明の免疫改善剤は、食品として日常的に摂取することが可能である。
したがって、本発明は、医薬および食品製造業に貢献することができる。
したがって、本発明は、医薬および食品製造業に貢献することができる。
Claims (6)
- ナマコをプロテアーゼ処理することにより遊離される成分を有効成分とする免疫改善剤。
- Th1を活性化し、Th1/Th2バランスを改善する効果があることを特徴とする請求項1又は2に記載の免疫改善剤。
- アレルギー症状の改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤。
- 感染性疾患の予防及び/又は改善に用いられる請求項1又は2に記載の免疫改善剤。
- ナマコを加熱処理する工程、加熱処理後のナマコをホモジナイズする工程、及び、ホモジナイズされたナマコをプロテアーゼ処理する工程からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の免疫改善剤を含む食品。
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KR101182420B1 (ko) | 2010-02-09 | 2012-09-12 | 원진수산영어조합법인 | 카텝신 엘을 사용하여 해삼을 분해하는 방법 |
CN102754837A (zh) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | 广东中大南海海洋生物技术工程中心有限公司 | 海参祛斑功能性食品的制备方法 |
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KR101808615B1 (ko) | 2016-06-28 | 2017-12-13 | 부산대학교 산학협력단 | 해삼 추출물을 유효성분으로 포함하는 알레르기성 호흡기 질환의 예방 또는 치료용 조성물 |
CN110195090A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-09-03 | 池州市月亮湾生物科技有限公司 | 海参肠卵多肽粉的制备方法及所得海参肠卵多肽粉 |
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-
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- 2005-12-02 JP JP2005348793A patent/JP2007153768A/ja not_active Withdrawn
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