JP2007153655A - 成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱材や吸音材のような無機粉体と無機繊維とからなり、バインダを用いることなく成形してなる成形体の機械的強度を高めて取扱性や加工性を向上させ、また、粉落ちを防止して清浄環境にも問題無く使用可能にする。
【解決手段】無機繊維と、前記無機繊維よりも焼結温度の低い無機粉体とからなり、かつ、前記無機粉体の少なくとも一部が焼結により連結していることを特徴とする成形体。
【選択図】図1

Description

本発明は、無機粉体と無機繊維とからなる成形体、並びにその製造方法に関する。
無機粉体と無機繊維とを混合し、所定形状に成形してなる成形体は、断熱材や吸音材(防音材も含む)等に広く使用されている。例えば、平均一次粒子径50nm以下の微粒子酸化珪素化合物と、平均繊維径が5μmで平均繊維長が1mmの無機繊維と、平均粒径10μm以下の炭化珪素からなる輻射吸収散乱材とを混合してプレス成形した真空断熱材(特許文献1参照)や、熱処理により得られた超微粒子シリカまたは湿式法により得られた超微粒子シリカと、無機繊維と、輻射吸収散乱材とを混合してプレス成形した真空断熱材(特許文献2参照)等が、断熱性能に優れた断熱材として知られている。
図2に模式的に示すように、これらの真空断熱材に含まれる微粒子酸化珪素化合物や超微粒子シリカは微細な一次粒子1であり、分子間力や静電気力等により会合し、その内径が0.1μm以下のリング状あるいは変形リング状の二次粒子10を形成する性質がある。そして、図3に模式的に示すように、断熱材中でこの二次粒子10が無機繊維20の隙間に輻射吸収散乱材30とともに点在する。熱媒体である空気の平均自由行程は常温で約100nmであるため、この二次粒子10を通じての熱伝導がほぼ遮断され、断熱材全体としての断熱性能が高まる。
特開2002−106784号公報 特公平5−66341号公報
上記の断熱材では、断熱性能を重視して、バインダを用いることなく、二次粒子10、無機繊維20及び輻射吸収散乱材30の混練物をプレス成形している。そのため、断熱材は機械的強度が不足しており、割れや端面の欠け等が起こりやすく、取扱性や加工性に劣るという欠点がある。また、二次粒子10及び輻射吸収散乱材30は無機繊維20の隙間に入り込んでいるだけであり、無機繊維20との付着力が小さく、特に微細な二次粒子10は脱離し易く(粉落ち)、外部を汚染する可能性もある。そのため、特に半導体製造装置等の清浄さが要求される用途には使用し難いという問題もある。
また、吸音材も、無機粉体と無機繊維とをバインダを用いることなく成形した構成のものが知られており、同様に機械的強度や粉落ちの問題を抱えている。
そこで本発明は、断熱材や吸音材のような無機粉体と無機繊維とからなり、バインダを用いることなく成形してなる成形体の機械的強度を高めて取扱性や加工性を向上させ、また、粉落ちを防止して清浄環境にも問題無く使用可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の成形体並びに製造方法を提供する。
(1)無機繊維と、前記無機繊維よりも焼結温度の低い無機粉体とからなり、かつ、前記無機粉体の少なくとも一部が焼結により連結していることを特徴とする成形体。
(2)800〜1000℃における3点曲げ強度が0.4MPa以上であることを特徴とする上記(1)記載の成形体。
(3)嵩密度が300〜600kg/mであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の成形体。
(4)前記無機粉体が、気相法により作られた平均粒径50nm以下の第一の無機粉体と、平均粒径0.7μm以下の第二の無機粉体とからなり、かつ、前記第二の無機粉体は前記第一の無機粉体及び前記無機繊維よりも焼結温度が低く、該第二の無機粉体の少なくとも一部が焼結により連結していることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の成形体。
(5)前記第二の無機粉体が輻射吸収散乱材であることを特徴とする上記(4)記載の成形体。
(6)800〜1000℃における熱伝導率が0.05W/(m・K)以下であることを特徴とする上記(5)記載の成形体。
(7)無機繊維と、前記無機繊維よりも焼結温度の低い無機粉体とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物を常温で加圧成形して予備成形体を得る工程と、前記予備成形体を前記無機粉体の焼結温度で加熱する工程とを有することを特徴とする成形体の製造方法。
(8)得られる成形体の比表面積が40m/g以上となるように加熱することを特徴とする上記(7)記載の成形体の製造方法。
本発明によれば、断熱材や吸音材のような無機粉体と無機繊維とからなり、バインダを用いることなく成形してなる成形体の機械的強度を高めることができる。そのため、本発明の成形体は、取扱性や加工性に優れ、また、粉落ちも抑えられるため半導体製造装置等の清浄環境でも問題なく使用できる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の成形体の内部構造を模式図であるが、無機繊維20の隙間に、第一の無機粉体が会合してなる二次粒子10と第二の無機粉体30とが混在し、更に第二の無機粉体同士が焼結により数珠状に連結したものである。
第一の無機粉体1は、気相法により合成された平均粒径が50nm以下、好ましくは5〜50nm、更に好ましくは7〜20nmの微粒子である。上述のように、このような微細な第一の無機粉体1は、分子間力や静電気力等により会合し、内径0.1μm以下のリング状や変形リング状の二次粒子10を形成する。伝熱媒体となる空気の平均自由行程が常温で約100nmであるため、この二次粒子10を通じての伝熱をほぼ防止でき、本発明の成形体を断熱材として用いる場合に特に有効となる。
第二の無機粉体30は、平均粒径0.7μm以下である。この第二の無機粉体30は、焼結により数珠状に結合して成形体全体の機械的強度を高める。そのため、微細すぎると焼結して結合しても増強効果は小さく、下限としては平均粒径で0.1μm以上とすることが好ましい。一方、大きすぎると、配合量が同一の場合、大径であるほど成形体中に含まれる粉体の数が少なくなるため、材料の均質性の点で好ましくないばかりでなく、第二の無機粉体30の間隔が広くなるため、焼結しても連結せずに個々に点在する成分が多くなる。この点を考慮して、平均粒径の上限を0.7μmとする。更に好ましくは、平均粒径0.3〜0.5μmである。
また、本発明の成形体では第二の無機粉体30のみが焼結により連結しているため、第二の無機粉体30は、第一の無機粉体1及び無機繊維20よりも焼結温度が低いことが必要である。
無機繊維20は、上記の理由から、第二の無機粉体30よりも焼結温度であれば材質に制限は無く、成形体の種類や用途に応じて選択することができる。繊維径や繊維長にも特に制限はないが、この無機繊維20の絡み合いも成形体の強度に寄与するため、平均繊維径は2〜15μmが好ましく、より好ましくは4〜10μmであり、平均繊維長は0.5〜10mmが好ましく、より好ましくは2〜6mmである。
同様に、第一の無機粉体1も、第二の無機粉体30よりも焼結温度であれば材質に制限は無く、成形体の種類や用途に応じて選択することができる。
第一の無機粉体1、第二の無機粉体30及び無機繊維20の配合比は、それぞれの種類並びに成形体の種類や用途に応じて選択できるが、機械的強度を考慮すると、第一の無機粉体1が50〜85質量%、第二の無機粉体30が10〜30質量%、無機繊維が5〜20質量%の割合とすることが好ましく、より好ましくは第一の無機粉体1が60〜75質量%、第二の無機粉体30が15〜25質量%、無機繊維が10〜15質量%の割合である。このような配合であれば、第一の無機粉体の機能が良好に発現するとともに、第二の無機粉体30の連結部分が成形体の全域に満遍なく存在し、成形体は800℃における3点曲げ強度で0.4MPa以上の高強度となる。尚、成形体には、コロイダルシルカやアルミナゾルといった無機バインダー及び有機バインダーは含まれない。
本発明の成形体を得るには、先ず、第一の無機粉体1、第二の無機粉体30及び無機繊維20を、コロイダルシリカやアルミナゾルといった無機バインダー及び有機バインダーを用いることなく所定の配合比にて混合し、混合物を得る。混合方法には制限が無く、公知の混合機を用いて行うことができる。次いで、この混合物を適当なプレス装置を用いて所定形状、例えばマット状に成形して予備成形体を作製する。そして、予備成形体を第二の無機粉体30の焼結温度にて加熱し、第二の無機粉体同士を焼結により連結させることにより、本発明の成形体が得られる。
ここで、第二の無機粉体30の焼結の進行具合、即ち連結の程度は、成形体の比表面積から求めることができ、本発明では40m/g以上とすることが好ましく、更に好ましくは43m/g以上である。比表面積が40m/g以上であれば、第二の無機粉体30の連結状態が良好であり、例えば800℃における3点曲げ強度0.4MPa以上で、かつ、熱伝導率0.05W/(m・K)以下を満足する。尚、この比表面積はBET法(通常の吸着脱離法)により求めることができる。例えば、比表面積測定装置(島津製作所製 ASAP2020)を用いて測定すればよい。熱伝導率は、周期加熱法により求めることができる。3点曲げ強度は、スパン間距離80mm、ロードスピード1.0mm/min、試料サイズは、長さ100mm、幅30mm、厚さ15mmにて測定した。
また、成形体は、嵩密度で300〜600kg/mであることが強度的に好ましく、400〜550kg/mがより好ましい。
本発明の成形体は、断熱材への応用が特に好適であり、以下に断熱材としたときの実施形態を例示する。
断熱材とする場合、第二の無機粉体30として輻射吸収散乱材を用いる。この輻射吸収散乱体は、赤外線を反射、吸収または散乱させる作用を有するが、これらの作用をより効果的に発現するために、波長1μmの光に対して1.25以上の比屈折率を有することがより好ましく、より好ましくは2.0以上である。これらを考慮すると、第二の無機粉体30として炭化ケイ素からなる平均粒径0.7μm以下の粒子が好適である。また、この炭化ケイ素粒子の配合量は、断熱材全量の10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%である。
炭化ケイ素の焼結温度は約800℃であるため、第一の無機粉体には800℃で焼結せず、気相法で合成できる微粒子を用いる。更に、熱伝導率を考慮すると、第一の無機粉体1としてはアルミナ、チタニア、ジルコニアの各微粒子からなる平均粒径50nm以下の微粒子が好ましく、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、この第一の無機粉体1の配合量は、断熱材全量の50〜85質量%、より好ましくは60〜75質量%である。
無機繊維20としては、第二の無機粉体30である炭化ケイ素を考慮して、シリカ−アルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維、アルカリケイ酸塩繊維が好ましく、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。尚、繊維径及び繊維長はそれぞれ上述の範囲である。また、この無機繊維20の配合量は、断熱材全量の5〜20質量%であり、好ましくは10〜15質量%である。
また、本発明において、無機繊維20として、生体溶解性無機繊維を使用することもできる。ここで、生体溶解性無機繊維とは、以下の生体溶解性評価方法により得られる24時間、48時間の溶解速度定数の平均値が500ng/cm・hであり、且つ1250℃で24時間加熱したときの収縮率が5%以下である無機繊維をいう。本発明でも、生体溶解性評価はこれに準拠し、以下の手順で行った。
繊維を目開き45μmの篩により粒子を取り除き、約0.1g精秤したものを濾紙上に置き、繊維上に0.3ml/minの滴下速度で生理食塩水を滴下させて、繊維、濾紙を通った濾液をタンク内に溜める。溜めた濾液については、24、48時間毎に取り出して濾液中の含有元素をICP発光分析装置により定量化し、元試料の組成・重量より溶解度を算出した。この溶解度を元に、別途測定した繊維径及び繊維真密度の値より単位時間・単位表面積当たりの溶解度、即ち溶解速度定数(ng/cm・h)を算出した。
上記基準を満たす生体溶解性無機繊維としては、例えば、特開2000−220037号公報、特開2002−68777号公報、特開2003−73926号公報、あるいは特開2003−212596号公報に記載されている各繊維が挙げられる。具体的には、SiO及びCaOの合計含有量が85質量%以上であり、0.5〜3.0質量%のMgO及び2.0〜8.0質量%のPを含有し、かつドイツ危険物質規制による発癌性指数(KI値)が40以上である無機繊維、SiO、MgO及びTiOを必須成分とする無機繊維、SiO、MgO及び酸化マンガンを必須成分とする無機繊維、SiO 52〜72質量%、Al 3質量%未満、MgO 0〜7質量%、CaO 7.5〜9.5質量%、B 0〜12質量%、BaO 0〜4質量%、SrO 0〜3.5質量%、NaO 10〜20.5質量%、KO 0.5〜4.0質量%及びP 0〜5質量%を含む無機繊維である。
断熱材を得るには、上記の各材料を、バインダーを用いることなく所定の配合比にて混合し、例えばマット状にプレス成形して予備成形体とし、この予備成形体を炭化ケイ素のみが焼結する800〜1100℃、好ましくは950〜1050℃にて大気中で加熱処理すればよい。このとき、比表面積が40m/g以上となるように、加熱温度に合わせて加熱時間を調整する。
得られる断熱材は、800℃における熱伝導率が0.05W/(m・K)以下と優れた断熱性能を示す。しかも、800〜1000℃における3点曲げ強度が0.4MPa以上であり、取り扱い性が容易で、切断した場合も切断端面の欠けも無く加工性にも優れており、更に第一の無機粉体1の脱離もない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1)
気相法で合成された、平均粒径約13nm、熱伝導率(25℃)0.01W/(m・K)である超微粒子状アルミナ粒子(degussa製、製品名AEROXIDE)80質量%と、平均粒子径0.5μmの炭化珪素粒子(大平洋ランダム(株)製、製品名GMF)5質量%と、ムライトファイバー(電気化学工業(株)製、製品名B80、アルミナ含有量含有量80質量%、シリカ含有量20質量%、平均繊維径3μm)15質量%とをミキサーにて混合し、混合物を得た。そして、混合物をプレス成形(プレス圧1.4MPa)して一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。予備成形体の3点曲げ強度は0.27MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(実施例2)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子75質量%、炭化珪素粒子10質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.3MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.22MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(実施例3)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子70質量%、炭化珪素粒子15質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.3MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.18MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(実施例4)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子65質量%、炭化珪素粒子20質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.3MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.15MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(実施例5)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子60質量%、炭化珪素粒子25質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.3MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.13MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(実施例6)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子55質量%、炭化珪素粒子30質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.3MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.09MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
(比較例1)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子85質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。尚、プレス圧は1.5MPaとした。予備成形体の3点曲げ強度は0.36MPaであった。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。得られた成形体の嵩密度は、各温度とも400kg/mであった。各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。
表1に、上記実施例1〜6及び比較例1の配合、予備成形体(即ち、加熱処理前)の3点曲げ強度、成形体の加熱温度毎の3点曲げ強度及び加熱前後の熱伝導率をまとめて示す。比較例1では、予備成形体を600〜1000℃で加熱処理しても超微粒子状アルミナ粒子の焼結が起こらず、3点曲げ強度はほとんど変化していない。これに対し実施例では、炭化珪素が焼結する800℃以上で加熱処理することにより、3点曲げ強度が0.4MPa以上で、予備成形体の3点曲げ強度よりも大幅に高まっている。また、加熱による熱伝導率の増加も実質的に認められない。このことから、断熱性能に影響を与えることなく、強度のみを高めることができることがわかる。
Figure 2007153655
(実施例7)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子55質量%、炭化珪素粒子30質量%及びムライトファイバー15質量%を実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形(プレス圧1.3MPa)により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。予備成形体の比表面積をBET法により測定したところ、56.0m/gであった。次いで、予備成形体を600℃で20時間、1000℃で20時間、1100℃で20時間、1200℃で20時間それぞれ加熱して成形体とした。加熱温度毎に成形体の比表面積をBET法により測定し、また予備成形体からの寸法変化(収縮率)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2007153655
表2に示すように、熱処理温度が1200℃を超えると焼結が進行しすぎて成形体の収縮率が大きくなり、過剰の焼結は好ましくないことがわかる。収縮が無い1100℃までの熱処理では成形体の比表面積が40m/g以上であり、焼結の目安として比表面着が40m/g以上とすることが好ましいといえる。
(実施例8〜13)
それぞれ実施例1で用いた超微粒子状アルミナ粒子及びムライトファイバーと、平均粒子径2.3μmの炭化珪素粒子(大平洋ランダム(株)製、製品名GMF)とを用い、表3に示す配合にて実施例1と同様に混合して混合物とし、得られた混合物からプレス成形(何れも1.3MPa)により一辺が150mmで、厚さ15mmの予備成形体を作製した。各予備成形体の3点曲げ強度を表3に示す。次いで、予備成形体を600℃、800℃、1000℃にて各8時間加熱して成形体とした。成形体の嵩密度は何れも、各温度とも400kg/mであった。また、各温度で加熱した後、成形体の3点曲げ強度、並びに加熱前後における熱伝導率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007153655
表3に示すように、各実施例とも、成形体は熱伝導率の変化はなく、また予備成形体に比べて3点曲げ強度が高まっている。しかし、実施例1〜6の結果に比べると値が低く、増強度合も2倍程度に留まっている。このことから、強度を特に重視する場合には、第二の粒子である炭化珪素粒子を小さくすることが好ましく、実施例1〜6のように平均粒径で0.5μm以下とすることが特に好ましいといえる。
本発明の成形体の一例である断熱材の構造を示す模式図である。 第一の無機粉体からなるニ次粒子を示す模式図である。 従来の断熱材の構造を示す模式図である。
符号の説明
1 一次粒子(第一の無機粉体)
10 二次粒子
20 無機繊維
30 第二の無機粉体

Claims (8)

  1. 無機繊維と、前記無機繊維よりも焼結温度の低い無機粉体とからなり、かつ、前記無機粉体の少なくとも一部が焼結により連結していることを特徴とする成形体。
  2. 800〜1000℃における3点曲げ強度が0.4MPa以上であることを特徴とする請求項1記載の成形体。
  3. 嵩密度が300〜600kg/mであることを特徴とする請求項1または2記載の成形体。
  4. 前記無機粉体が、気相法により作られた平均粒径50nm以下の第一の無機粉体と、平均粒径0.7μm以下の第二の無機粉体とからなり、かつ、前記第二の無機粉体は前記第一の無機粉体及び前記無機繊維よりも焼結温度が低く、該第二の無機粉体の少なくとも一部が焼結により連結していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の成形体。
  5. 前記第二の無機粉体が輻射吸収散乱材であることを特徴とする請求項4記載の成形体。
  6. 800〜1000℃における熱伝導率が0.05W/(m・K)以下であることを特徴とする請求項5記載の成形体。
  7. 無機繊維と、前記無機繊維よりも焼結温度の低い無機粉体とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物を常温で加圧成形して予備成形体を得る工程と、前記予備成形体を前記無機粉体の焼結温度で加熱する工程とを有することを特徴とする成形体の製造方法。
  8. 得られる成形体の比表面積が40m/g以上となるように加熱することを特徴とする請求項7記載の成形体の製造方法。
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JP2018115924A (ja) * 2017-01-17 2018-07-26 国立研究開発法人物質・材料研究機構 無機繊維の生体溶解性評価装置および評価方法

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