JP2007153530A - 給紙装置及びこの給紙装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

給紙装置及びこの給紙装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 斜面による分離手段を用いた給紙装置で、密着力の強い用紙の重送を防止する。
【解決手段】 重送時に複数の用紙によって用紙のコシが強い場合にのみ、そのコシに応じて用紙先端が分離斜面から受ける分離力が強くなるように分離手段の分離斜面の用紙との当接角度を変更する。これにより通常よりも分離力が強く作用し、重送を防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、用紙を取り扱う装置内に装備されて、用紙を1枚ずつに分離して次工程に供給する給紙装置と、この給紙装置を装置本体に備えた画像記録装置とに関する。
従来の分離斜面による分離手段をもつ給紙装置には、用紙先端から分離斜面が受ける当接力に応じて、前記分離斜面と用紙先端との当接角度を大きくすることで、用紙を最上面の1枚のみに分離する技術がある(例えば特許文献1参照)。
以下、図7乃至図8により従来の給紙装置を用いた画像形成装置について説明する。図7において、用紙分離ストッパー202の斜面はCSF匡体201に取り付けられている。用紙203は、コイルバネ204によりホッパー205を介して給紙ローラ206に圧せられている。ここで、給紙ローラ206は、摩擦係数の高いゴム材等により形成されている。また、規制板207は用紙サイズに合わせて移動可能であり、給紙ローラ206も付随して移動する構造となっている。
このような構造において、用紙203は図示されない駆動源により回転される給紙ローラ206によりCSF匡体201から引き出され用紙分離ストッパー202の斜面によって用紙分離され1枚の用紙だけが図示されないプリンタ本体へと送られる仕組みとなっている。
ここで、用紙分離ストッパー202の斜面は、図8に示すように切り換えレバー207によって角度θは、第一の角度と第二の角度に切り換え可能となっている。用紙分離ストッパー202と一体に補助レバーが形成されており、それを切り換えレバー207によって回動させることによって用紙分離ストッパー202の斜面角度θが第一の角度と第二の角度に切り換わる構造となっている。切り換えレバー7が207aの位置の時、斜面角度θは第一の角度に設定され、207bの位置の時第二の角度に設定される。角度θは、第一の角度(θ1)として用紙に厚さ約0.07〜約0.1mmの薄紙を使用する場合には約60度〜約80度に設定されることが適当であり、第二の角度(θ2)として用紙にハガキ等厚さ約0.1mm以上の厚紙を使用する場合には約40度〜約60度に設定される。
特開平5−39136号公報
ところが、上述した従来技術によれば、例えば以下のような問題がある。
用紙分離に関連する用紙の剛性、いわゆる用紙のコシは用紙の厚さだけではなく、密度、紙の繊維の方向、温度、湿度等様々な要因によって変化する。したがって、一概に用紙の厚さのみで分離斜面の角度を切り換えることは難しいため、ユーザに混乱を生じさせる。また、切り換えの作業が煩雑であることと、切り換え忘れ等も生じがちである。
また、上述した従来技術によれば用紙厚が厚いものは分離斜面の角度を小さく(実施例によれば、ハガキ等で約40度〜60度)するものである。特に0.1mm厚程度以上の厚紙の場合、その厚さゆえに製造上の裁断工程でバリ等を生じやすく、紙同士が強く貼りついている事が多いが、上述の分離斜面の角度が小さい角度設定になっていると逆に分離性能が低下し、このような貼り付いた用紙同士の重送を防止することはできなかった。
本発明の給紙装置は、積載した用紙の最上面から1枚のみの用紙を取り出して次工程に給紙する給紙装置において、用紙を積載する用紙積載手段と、積載された用紙の最上面に接して用紙を次工程に供給する用紙供給手段と、用紙供給手段により供給される用紙の用紙先端が当接する分離斜面からの分離力によって用紙を最上面の1枚のみに分離する分離手段と、分離手段の分離力を用紙に応じて可変ならしめる分離力可変手段とを備えたことを特徴とする給紙装置である。
本発明の給紙装置によれば、用紙種類、用紙の状態、あるいは給紙状態等の状況に応じて分離手段の用紙分離性能に関連する分離力を分離力可変手段によって可変ならしめ、常に安定した分離性能を発揮することができる。さらに、本発明の給紙装置によれば、給紙手段によって給紙された用紙が重送している状態でも、用紙先端と分離斜面の当接角度を分離力可変手段によって大きな当接角度に可変ならしめる。このため用紙先端が分離斜面から受ける反力すなわち、用紙分離性能に関連する分離力が大きくなり、重送を防止することができる。
本発明の給紙装置は、積載した用紙の最上面から1枚のみの用紙を取り出して次工程に給紙する給紙装置において、用紙を積載する用紙積載手段と、積載された用紙の最上面に接して用紙を次工程に供給する用紙供給手段と、用紙供給手段により供給される用紙の用紙先端が当接する分離斜面からの分離力によって用紙を最上面の1枚のみに分離する分離手段と、分離手段の分離力を用紙に応じて可変ならしめる分離力可変手段とを備えたことを特徴とする給紙装置である。
以下、図1乃至図4を参照しながら本発明の給紙装置を適用したインクジェットプリンタを説明する。
図1において、インクジェットプリンタ1は、給紙装置100と、外装カバー2と、外ガイド3a、内ガイド3b、レジストローラ対4、印字ヘッド5、プラテン6、排紙ローラ対7、排紙トレイ8等により構成される。なお、実際には前述以外の構成を備えたものもあるが、本明細書においては本発明の趣旨を説明するために主に必要な構成について説明する。このため、当業者ならば自明であるはずの構成の一部について説明を省略してある。
給紙装置100は、用紙Sを積載する用紙積載手段であるカセット110と、用紙供給手段であるスイングアーム120と、複数の用紙が搬送されたときに最上面の用紙のみに分離する分離手段であり、かつその分離力を可変する分離力可変手段でもある分離部130と、用紙残量が比較的少量時に最下面の用紙を含む複数の用紙が最上面の用紙とともに搬送されることを阻止する分離パッド140と、スイングアーム120,レジストローラ対4,及び排紙ローラ対7等を駆動する図示しないモータ及びギア列等により構成される。
外装カバー2は、給紙装置100を含むインクジェットプリンタ1全体を覆うように形成されている。外ガイド3aは、給紙装置100より搬送された用紙が次工程に搬送される際の案内部材である。本実施の形態の場合、搬送された用紙はいわゆるUターンして次工程の画像形成手段である印字ヘッド5に搬送されるが、Uターンの際に用紙が通過する外側の搬送路を規制し、次工程へ円滑に案内する。内ガイド3bは、外ガイド3a同様に、Uターンの際に用紙が通過する内側の搬送路を規制し、次工程へ円滑に案内している。
レジストローラ対4は、駆動側のLFローラ4aと、従動側のピンチローラ4bとにより構成されている。LFローラ4aは、図示しないモータ及びギア列により用紙を必要量搬送するために駆動される。ピンチローラ4bは、付勢手段によりLFローラ4a側に付勢されている。レジストローラ対4のニップに用紙を狭持することにより画像形成部である印字ヘッド5方向に用紙を搬送することができる。画像形成中のレジストローラ対4は、上述した図示しないモータにより、所定量の間欠搬送が行なわれる。
また、レジストローラ対4は、停止した状態でそのニップに給紙装置100からの搬送により上流側から搬送された用紙の先端突き当てることで、用紙の斜行を補正する。また、突き当てによる斜行補正の後、印字ヘッド5による画像形成の際の間欠駆動で、用紙を正確な送り量で搬送する。レジストローラ対4による用紙の間欠搬送時の送り量は、画像の品質に大きな影響を与えるため、通常レジストローラ対4は、インクジェットプリンタの搬送手段の中では大きな搬送力を有しており、高精度な駆動制御が行なわれる。
印字ヘッド5は、図示しないキャリッジにより搬送方向と直交する方向、すなわち用紙巾方向に往復移動しながら用紙の印字面に対向する面からインク滴を吐出して画像形成するように構成される。印字ヘッド5はまた、図示しないインク供給手段により、必要な色と量とのインクが適宜供給されるように構成されている。
プラテン6は、印字ヘッド5による画像の印字の際、用紙の印字面の平面度、印字ヘッド5とのクリアランス及び平行度を適切に維持するように構成される。このように、印字ヘッド5と用紙との位置関係を維持する必要があるのは、印字ヘッド5から吐出されたインク滴の着弾位置精度を高精度にするためである。
なお、図示しない用紙吸引手段を別途設け、用紙をプラテン6の搬送面に吸引することでプラテン6に用紙を密着させ、上述の平面度、クリアランス、及び平行度を維持する構成とするとなお好適な構成となる。
排紙ローラ対7は、駆動側の排紙ローラ7aと、従動側の拍車7bとにより構成され、図示しないモータにより前述のレジストローラ対4よりも弱い搬送力で用紙を狭持搬送するように構成されている。排紙ローラ7aは、例えばゴム等の高摩擦部材で形成され、画像形成済の用紙の非印字面に接触して、拍車7bとの作用により後述の排紙トレイ8へと用紙を搬送する。拍車7bは、印字直後の用紙の印字面に直接接触して搬送しなければならないので、極力接触面積を小さくする必要がある。そのため、本実施の形態においては拍車7bはその外周部に針状の突起を多数形成した形状としている。
排紙トレイ8は、排紙ローラ対7から排出された印字済の用紙を所定量積載できるように構成されている。
図2において、用紙供給手段であるスイングアーム120は、スイングアームステイ121と、給紙ローラ122と、給紙ギア123と、ベルト124と、給紙プーリ125等により構成される。
スイングアームステイ121は、回転中心aで揺動可能に図示しないフレームによって支持された振子状の部材で、振子の先端に給紙ローラ122を回転可能に支持している。より詳しくは、スイングアームステイ121の回転中心aは、後述する給紙ローラ122の回転中心aより上方でかつ給紙方向の上流側で上述の図示しないフレームに回転可能に支持されている。
給紙ローラ122は、スイングアームステイ121の揺動先端に回転中心aで支持され、その表面は円筒状で高摩擦係数を有している。例えばEPDM等のゴム材質が一般に知られている。給紙ローラ122は、スイングアームステイ121の揺動により用紙Sの最上面の用紙S1に常に追従して接触するように構成される。また、回転中心aと同軸で給紙ローラ122と一体的にギア部122aが形成されており、後述の給紙プーリ125に一体的に形成されたギア部125aにより回転駆動される。これにより最上面の用紙S1を下流方向Aに搬送する。さらに、給紙ローラ122は、例えばA3サイズ等の比較的巾の大きな用紙に対応して、用紙幅方向に複数個設置される場合もあるが、本実施の形態においては便宜的に1個のみを図示している。
給紙ギア123は、スイングアームステイ121の回転中心aに同軸で回転可能に支持されている。給紙ギア123は、図示しないモータにより駆動される最終段の駆動ギア10により回転駆動されると、給紙ギア123と一体的に形成された給紙ギア123のプーリ部123aで後述のベルト124を駆動するように構成されている。
ベルト124は、前述の給紙ギア123に一体的に形成されたプーリ部123aと、後述の給紙プーリ125を連結しており、給紙プーリ125に一体的に形成されたギア部125aにより前述の給紙ローラ122に一体的に形成されたギア部122aを駆動する。
給紙プーリ125は、前述のベルト124によって給紙ギア123のプーリ部123aと連結しており、給紙プーリ125と同軸に一体的に形成されたギア部125aによって、給紙ローラ122のギア部122aを駆動する。これらの構成により、駆動ギア10によって給紙ローラ122が用紙S1を給紙方向Aに搬送するべく駆動される。
上述の構成により、スイングアームステイ120はその自重、及び/または後述する駆動に伴う摩擦トルクによってB方向に揺動して、積載された用紙Sの最上面の用紙S1に追従して、給紙ローラ122が最上面の用紙S1に対する給紙圧N方向に荷重するように構成されている。また、駆動ギア10が図2中のCCW方向に回転すると、スイングアームステイ120内の駆動機構由来の摩擦トルク等によりスイングアームステイ120がB方向に揺動し、給紙ローラ122の最上面の用紙S1に対して食い込むことでも給紙圧N方向に荷重を作用させる構成となっている。これらにより給紙ローラ122が給紙方向に回転すれば、上述の給紙圧Nが増加するとともに、給紙力Fpが発生する。ここで、給紙ローラ表面と用紙S1との摩擦係数を摩擦係数μ1とすれば、給紙力Fpは下記のようにあらわされる。
p=μ1×N 式(1)
こうしてスイングアーム120は積載した用紙Sの最上面の用紙S1に給紙力Fpを与え、用紙S1を給紙方向Aに搬送する。
用紙積載手段であるカセット110は、積載箱111と、積載する用紙Sの後端を整列させるためのエンドガイド112と、積載する用紙Sの側端面を整列させるためのサイドガイド113、分離手段である分離部130等により構成される。なお、分離部130は、本実施の形態においてはカセット110に設置する構成としたが、必ずしもそれに限られない。たとえばインクジェットプリンタ1本体側に設置してもかまわない。
積載箱111の積載面111aには、分離パッド140を備えている。この分離パッド140の積載面111a上での位置は、スイングアーム120に支持された給紙ローラ122の直下付近に設定されている。また、用紙Sの搬送方向先端側端面が整列されて積載される面、すなわち積載箱111の先端面には、分離部130を備えている。上述したスイングアーム120により搬送された用紙Sが複数枚のときには、分離部130の作用により、最上面の用紙S1のみが分離されて下流に搬送されるように構成されている。
分離部130は、分離プレート131、回転軸132、分離ばね133等により構成されている。
分離プレート131は、分離手段として、また後述の分離ばね133と回転軸132により分離力を可変できる分離力可変手段として機能するように構成されている。分離プレート131の材質は、用紙Sの分離の際に用紙先端面に傷や折れを生じさせないように、金属や樹脂などの表面が平滑な材質が好ましいが、その当接面は分離のために用紙に対して所定の摩擦係数となるよう構成されている。所定の摩擦係数とは、例えば0.05乃至0.7程度が好ましい。また、分離板131は、積載された用紙面に対してなす角度αが40°乃至85°程度の用紙搬送方向上流側から見て上り斜面として構成されており、A3サイズなどの巾の大きな用紙に対応して、用紙巾方向に複数枚設置される場合もある。
分離板131また、図2に示す通常の分離角度αである第1の位置と、図3に示す重送発生時に分離力を変化させた分離角度βである第2の位置との間を移動可能に回転軸132により回転可能に支持されている。回転軸132が搬送方向Aの下流側にあるため、分離角度はα<βなる関係になっている。
分離板131は分離ばね133によって第2の位置から第1の位置に向かって所定の荷重RPで付勢されているため、分離板131は通常は第1の位置にある。例えば、分離ばね133は、圧縮コイルばねや、板ばね等が考えられる。ここで、所定の荷重RPとは、通常の分離動作の際には用紙Sの先端から受ける力に対抗して分離板131が第1の位置となり、重送しそうな時の分離動作の際には用紙Sの先端から受ける力に屈して第2の位置となるような範囲に設定する。これについては後述する。
分離パッド140は、積載した用紙Sが残り数枚のときにその残り用紙が重送しないよう最下面の用紙に対して摩擦力を付与するように構成されている。具体的には、紙どうしの摩擦係数と同程度の摩擦係数を有する部材が好ましい。より詳しくはゴム、発泡ウレタン、ある種の合成皮革等が挙げられる。
次に、分離部130による分離作用を説明する。図4において、最上面の用紙S1には、直下の用紙S2から受ける摩擦力Rと、分離板131から給紙方向Aと逆方向に分離力RS1とが作用するが、給紙力Fpは摩擦力R1及び、分離力RS1よりだいぶ大きくなるように設定してあるため、用紙S1全体として給紙方向に受ける搬送力F1は以下の様になる。
1=Fp−(R+RS1) 式(2)
また、
1>0 式(3)
これにより用紙S1は、分離板131からの分離力RS1及び、用紙摩擦力R1に打ち勝つ搬送力を受け搬送方向Aに搬送される。このとき、用紙S2のさらに下の用紙S3からの摩擦力をR2、分離板131から受ける分離力をRS2とすれば、用紙S1直下の用紙S2が受ける搬送力F2は以下の様になる。
2=R1−(R2+RS2) 式(4)
ここで、用紙間の摩擦力Rnどうし、あるいは分離力RSn(nは自然数)どうしはそれぞれ同程度と考えられる。
1≒R2≒・・・≒Rn(nは自然数) 式(5)
s1≒Rs2≒・・・≒Rsn(nは自然数) 式(6)
用紙S2は、通常の用紙間摩擦力の範囲であれば下流側に搬送されないように分離力RS2を設定するため、直下の用紙S2が給紙方向Aに受ける搬送力F2は以下の様になり、給紙方向Aには搬送されない。
2≦0 式(7)
以下、用紙S3以降も同様となる。なお、分離力RSn(nは自然数)を設定する際には、分離板131の用紙Sとの当接角度、表面の摩擦係数、寸法などを調節する方法が一般的である。
以上の様に、給紙ローラ122による搬送と分離板131の分離作用とによって、最上面の用紙S1のみが搬送方向Aに搬送されて、用紙S2以降は分離されて搬送されないように構成されている。
ところが、積載した用紙の一部で用紙間摩擦力Rn(nは自然数)が端面のバリ、長期保管による密着、表面状態その他により通常想定した範囲外となることがある。その際には例えば用紙S1と用紙S2間の摩擦力が通常想定した範囲よりも大きな値の場合、上述した式(7)の搬送力F2が正の値となることがある。
2>0 式(8)
この場合、分離板131の当接角度が固定の場合、用紙S1と用紙S2の両方が搬送方向Aに搬送されてしまう、いわゆる重送となる。ところが、本実施の形態によればこのような重送となってしまうような用紙間摩擦力Rn(nは自然数)の場合、分離板131が分離の際に用紙先端から受ける力Fbmは用紙に与える分離力RSn(nは自然数)の反力となる為、例えば用紙S1と用紙S2との2枚が重送しそうな場合以下となる。
bm=Rs1+Rs2 式(9)
一方、重送でないとき分離板131が分離の際に用紙先端から受ける力Fbsは以下のようである。
bs=Rs1 式(10)
したがって、例えば下式のように、複数枚重送しそうな際の分離時に分離板131が受ける力は、通常の分離時に分離板131が受ける力の枚数倍程度となりそうである。
bm≒2Fbs 式(11)
ここで、上述した分離ばね133の所定の荷重RPは、その動作範囲において、例えば以下のような範囲になるように設定してある。
bs<RP<Fbm 式(12)
分離ばね133の荷重を上式の範囲に設定してあれば、通常の1枚分離搬送のときには分離板131は分離角度αである第1の位置にあり、複数枚重送しそうな際の分離搬送のときには分離板131は分離角度βである第2の位置にある。各用紙Sの先端が分離板131から受ける分離力RSn(nは自然数)は、分離板131の分離角度βである第2の位置にあるとき、分離角度αである第1の位置にあるときよりも大きい。
これを分離動作時に置き換えて説明すると、例えば用紙S1と用紙S2との2枚が重送しそうな状態のときに、分離板131の分離角度は用紙2枚分のコシに押されて(用紙先端に押されて)分離角度α(第1の位置)から分離角度β(第2の位置)に移動するとともに、用紙Sの先端に与える分離力RSn(nは自然数)も当接角度に対応して大きくなる。これにより用紙S2が給紙方向Aに受ける搬送力F2が式(7)のように正の値にならないように分離角度βを設定すれば、上述した用紙S1と用紙S2との2枚が重送しそうな場合においても正常に分離して用紙S1のみを搬送方向Aへ搬送することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる給紙装置を図5に示す。図6は給紙装置のトグルばねにかかる力関係を模式的に示したものである。
前述の分離ばね133として、トグルばね134を用いることにより、分離板131の変位と荷重との関係を非線形の設定としている。トグルばね134は、2節回転対偶のリンク134b,134cの支点134aに不図示のねじりコイルばね等によりトルクMを与え、各リンク134b,134cは支点134aの反対側でそれぞれ分離板131、積載箱111に当接している。用紙S1が不図示の給紙ローラ122によって図中の搬送方向Aに搬送されると、分離板131が用紙S1の先端から搬送力F1を受ける。搬送力F1によって分離板131は第1の位置から第2の位置に向かって変位しようとするが、トグルばね134のトルクMと、搬送力F1によるトルクM1がつり合う位置でバランスする。このとき支点134aに対して搬送力F1による回転モーメントの腕の長さをL1とすれば、トルクM1は下式の様になる。
1=F1×L1 式(13)
モーメント腕の長さL1は、リンク134bの長さL2が決まれば、リンク134bと搬送力F1とのなす角度γとに依存するため、搬送力F1に対する分離板131の変位の関係は非線形となる。このような非線形荷重設定とすれば、例えば、重送していないときに分離板131が用紙S先端から受ける力Fbsでは分離板131は移動(変位)せずに第1の位置のまま、Fbsよりも多少大きな力、例えばFbmが作用したときには分離板131が第2の位置まで一気に移動するような構成とすることができる。
例えば、より詳しくは分離板131が第1の位置にあるときのリンク134bと搬送力F1とのなす角度γを小さく(例えば1度〜20度程度)設定しておけば、分離板131の第1の位置と第2の位置との移動が素早くなる。
上記のような構成とすることで、分離板131は、重送していない通常の搬送の時には第1の位置にあり、重送しそうな時に通常より搬送力F1が少しでも大きくなると第2の位置に一気に移動するため、確実に重送を防止することができる。
以上まとめると、従来の技術によれば用紙S1と用紙S2との2枚が重送しそうな用紙密着等の場合には複数枚分の用紙のコシが強いにもかかわらず、分離板131の分離角度αが小さくなる方向、すなわち分離力が小さくなる方向に分離板131が移動してしまっていた。このため従来の技術ではこうした重送を防止することができなかった。
しかし、本発明の技術によればこうした重送時に分離板131の分離角度αが大きくなる方向、すなわち分離力RSn(nは自然数)が大きくなる方向に分離板131が移動するため、より大きな分離力RSn(nは自然数)を用紙先端に作用させることができるため、密着した用紙も重送なく分離できる給紙装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係わるインクジェットプリンタの全体図である。 本発明の実施の形態に係わる給紙装置の要部断面図であり、分離板が第1の位置の状態を図示している。 本発明の実施の形態に係わる給紙装置の要部断面図であり、分離板が第2の位置の状態を図示している。 本発明の実施の形態に係わる給紙装置の分離時の力関係を模式的に示したものである。 本発明の第2の実施の形態に係わる給紙装置の要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる給紙装置のトグルばねにかかる力関係を模式的に示したものである。 従来の給紙装置の断面図である。 従来の給紙装置の詳細図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
100 給紙装置
110 カセット
111 積載箱
120 スイングアーム
122 給紙ローラ
130 分離部
131 分離板
132 回転軸
133 分離ばね
134 トグルばね
Sn 分離力(nは自然数)
n 搬送力(nは自然数)
n 用紙(nは自然数)
1 最上面の用紙
S 用紙
α 分離板131が第1の位置のときの用紙Sとの当接角度
β 分離板131が第2の位置のときの用紙Sとの当接角度

Claims (3)

  1. 積載した用紙の最上面から1枚のみの用紙を取り出して次工程に給紙する給紙装置において、
    用紙を積載する用紙積載手段と、
    積載された用紙の最上面に接して用紙を次工程に供給する用紙供給手段と、
    上記用紙供給手段により供給される用紙の用紙先端が当接する分離斜面からの分離力によって上記用紙を最上面の1枚のみに分離する分離手段と、
    上記分離手段の分離力を用紙に応じて可変ならしめる分離力可変手段と、
    を備えたことを特徴とする給紙装置。
  2. 上記分離力可変手段は、上記分離斜面が上記用紙先端から受ける当接力に応じて、上記当接力が通常よりも大きければそれに応じて上記分離斜面と上記用紙先端との当接角度を上記分離力を大きくする方向に変化させることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 請求項1乃至2のうち、いずれか1項に記載の給紙装置と、
    前記給紙装置により1枚ずつ供給される用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009018921A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Kyocera Mita Corp 給紙機構、給紙装置、画像形成装置
CN102189834A (zh) * 2010-03-12 2011-09-21 精工爱普生株式会社 给送装置及记录装置

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