JP2006151674A - 給送装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、積載された最下面のシートのジャムや、それによる給送機構の破損を生じることを回避可能な給送装置、及びこれを備えた信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明にかかる給送装置の代表的な構成は、積載されたシートの上面からシートを1枚ずつ給送する給送装置において、シートを積載するシート積載手段と、積載されたシートの最下面に当接してシートの重送を防止する阻止手段と、積載されたシートの最上面に当接してシートを送り出すシート供給手段と、前記シート供給手段により供給されたシートを最上面のシートのみに分離する分離手段と、前記阻止手段による作用を解除する阻止解除手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、積載されたシートを一枚ずつ分離給送する給送装置と、これを備えた画像形成装置に関するものである。
従来から、シートを取り扱う装置の一例である画像形成装置は、シートを1枚ずつに分離して次工程に供給する給送装置を備えているものがある。
図7乃至図9を用いて、従来の給送装置について説明する。図7に示す給送装置200は、シートSが積載されるシート積載部201と、このシート積載部201に積載されたシートSを給送方向Aに送り出すシート供給部202と、シート積載部201の下流側に設置されてシート供給部202によって送り出されたシートSを受け止めてシートを1枚ずつに分離するシート分離部203と、シート積載部201の底面に固定され最下面のシート、いわゆるラスト紙S(last)に接触してラスト紙S(last)の重送を阻止する摩擦部204とを備えている。
図8(a)は、積載されたシートを給送する際の力について説明する図である。シート供給部202は、積載したシートSの最上面のシートS1に接触してこれを給送方向Aに搬送する。このとき、最上面のシートS1とその直下以降のシートS2乃至Sn(nは2以上の自然数)とのシートS間摩擦力F1乃至Fn−1(nは2以上の自然数)の作用により、最上面のシートS1を含む複数のシートSが搬送されることがある。このまま次工程まで搬送されることを、一般に重送と呼ばれている。複数のシートSが搬送される場合、シートSがシート分離部203に押し当たり、シート分離部203の作用により1枚ずつに分離され、次工程への搬送路へと送り込まれる。これにより重送を防止し、1枚ずつに分離して搬送する。
シート積載部201は、金属や樹脂製等の材質からなる板状の部材であり、その上面にシートSを積載可能に構成される。こうしたシート積載部201に積載したシートSの残量が比較的少量のときには、図8(a)に示すように最上面シートS1とその直下のシートS2とのシートS間摩擦力F1、以下シートSn−1とその直下のシートSn(nは2以上の自然数)とのシートS間摩擦力Fn−1(nは2以上の自然数)等の作用により、ラスト紙S(last)を含む複数のシートSがラスト紙S(last)とともに搬送されることがある。いわゆるラスト紙重送である。こうした状態を防ぐために、シート積載部201の積載面上で、ラスト紙S(last)と接触する面に摩擦部204を設置することは、広く知られた技術である。摩擦部204は、シート間摩擦力F1乃至Fn−1(nは2以上の自然数)よりも若干大きな阻止力Rp、すなわちRp>F1乃至Fn−1となる阻止力Rpをラスト紙S(last)との間に作用させ、ラスト紙S(last)が連れて行かれることを防止している。
例えば、特開平11−189343号公報における従来の技術に開示された分離パッドが例として挙げられる。すなわち、ラスト紙に対しての摩擦力を作用させ、ラスト紙を含む複数枚のシートが重送することを防止する技術である。
特開平11−189343号公報
上記した如く、摩擦部204をシート積載部201の最下面のシート、いわゆるラスト紙S(last)と接触する面に設置した場合について説明する。図8(b)において、シート供給部202によりラスト紙S(last)に作用する給送力をFp、シート積載部201の積載面上の摩擦部204によりラスト紙S(last)に作用する阻止力をRpとする。温湿度や使用するシートの状態如何によっては、いわゆるラスト紙S(last)を搬送する際に、給送力Fpと阻止力Rpとがほとんど釣り合う、すなわちほぼ等しくなることがある。
図9に、横軸に給送圧N、縦軸に給送圧Nによって生じる給送力Fpと阻止力Rpをそれぞれとって、グラフにしたものを模式的に表す。領域L1は給送力Fp及び阻止力Rpともに線形であり、阻止力Rpよりも給送力Fpが大きい領域である。領域L2は阻止力Rpが線形から非線形に変わり、給送力Fpがは線形であるが、阻止力Rpよりも給送力Fpが大きい領域である。
さらに、領域L3は、給送力Fp及び阻止力Rpともに非線形で給送力Fpと阻止力Rpとが等しくなってしまう領域である。ここで、阻止力Rpは給送力Fpの反力として生じるので、給送力Fpよりも大きくなることはない。上述したシート供給部202によりラスト紙S(last)に作用する給送力Fpと、シート積載部201の積載面上の摩擦部204によりラスト紙S(last)に作用する阻止力Rpとが釣り合ってしまう状況などはこの領域L3に該当する。このような状態ではシート積載部201のラスト紙S(last)を搬送するための搬送力(給送力Fpと阻止力Rpとの差分)が得られず、ラスト紙S(last)を次工程に搬送することができず、紙詰まり、すなわちジャムとなる。
特に、シート供給部202に振子状の揺動部材(以下、スイングアーム206という)の先端付近に給送ローラ205を備えたいわゆるスイングアーム方式でラスト紙を搬送する際には、注意が必要となる。すなわち、積載されたシートの減少に伴って、給送ローラ205を下げるために、スイングアーム206は図示矢印B方向へ回動し、シート積載部201に対して起立した状態に近くなる。一方、環境条件により給送力Fpと阻止力Rpの関係が図9に示した領域L3にあると、ラスト紙S(last)は給送されずにジャムとなる。そして給送ローラ205の搬送力は、スイングアーム206をシート面に食い込ませる方向にさらに回動させる力を生じることとなる。このような場合には、シート供給部202に過度の負荷がかかり、場合によってはシート供給部202が破損してしまうおそれがある。
そこで本発明は、積載された最下面のシートのジャムや、それによる給送機構の破損を生じることを回避可能な給送装置、及びこれを備えた信頼性の高い画像形成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる給送装置の代表的な構成は、積載されたシートの上面からシートを1枚ずつ給送する給送装置において、シートを積載するシート積載手段と、積載されたシートの最下面に当接してシートの重送を防止する阻止手段と、積載されたシートの最上面に当接してシートを送り出すシート供給手段と、前記シート供給手段により供給されたシートを最上面のシートのみに分離する分離手段と、前記阻止手段による作用を解除する阻止解除手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、積載されたシートの最下面に当接してシートの重送を防止する阻止手段と、阻止手段による作用を解除する阻止解除手段とを備えたことにより、積載された最下面のシートのジャムや、それによる機構の破損という問題を回避することができる。また、画像形成装置に上述の給送装置を備えることで信頼性の高い画像形成装置を得ることができる。
本発明に係る給送装置および画像形成装置の実施例について説明する。図1は画像形成装置の全体構成図、図2はシート給送装置を説明する図、図3は給送カセットを説明する斜視図、図4は分離手段を説明する図、図5はシートに作用する力について説明する図、図6は他の実施例を説明する図である。
まず、図1を用いて画像形成装置の全体構成について説明する。本実施例においては画像形成装置の例としてインクジェットプリンタを用いて説明するが、電子写真方式その他の画像形成装置においても同様に本発明を適用することができる。
図1に示すインクジェットプリンタ1は、給送装置100、外装カバー2、外ガイド3a、内ガイド3b、レジストローラ対4、記録ヘッド5、プラテン6、排出ローラ対7、排出トレイ8等により構成される。
給送装置100は、シートSを積載するシート積載手段であるカセット110と、シート供給手段であるスイングアーム120と、複数のシートが搬送されたときに最上面のシートのみに分離する分離手段である分離プレート130と、給送カセット110の底面に設けられた分離パッド140、およびスイングアーム120、レジストローラ対4、排出ローラ対7等を駆動する図示しないモータ及びギア列等により構成される。なお、分離パッド140は、シート残量が比較的少量時に最下面のシートを含む複数のシートが最上面のシートとともに搬送されることを阻止する阻止手段である阻止パッド141を備えている。また分離パッド140は、所定の条件時に、最下面のシートに対する搬送の阻止を解除する阻止手段の阻止解除手段として作用するが、これについては後述する。
外装カバー2は、給送装置100を含むインクジェットプリンタ1全体を覆うように形成されている。外ガイド3aは、給送装置100より搬送されたシートが次工程に搬送される際の案内部材である。本実施例の場合、搬送されたシートはいわゆるUターンして画像形成手段である記録ヘッド5に搬送されるが、Uターンの際にシートが通過する外側の搬送路を規制し、次工程へ円滑に案内する。内ガイド3bは、外ガイド3a同様に、Uターンの際にシートが通過する内側の搬送路を規制し、次工程へ円滑に案内している。
レジストローラ対4は、駆動側のLFローラ4aと、従動側のピンチローラ4bとにより構成されている。LFローラ4aは、図示しないモータ及びギア列によりシートを必要量搬送するために駆動される。ピンチローラ4bは、図示しない付勢手段によりLFローラ4a側に付勢されている。レジストローラ対4のニップにシートを狭持搬送することにより画像形成部である記録ヘッド5方向にシートを搬送することができる。画像形成中のレジストローラ対4は、上述した図示しないモータにより、所定量の間欠搬送が行なわれる。
また、レジストローラ対4は、停止した状態でそのニップに給送装置100からの搬送により上流側から搬送されたシートの先端突き当てることで、シートの斜行を補正する。また、突き当てによる斜行補正の後、記録ヘッド5による画像形成の際の間欠駆動で、シートを正確な送り量で搬送する。レジストローラ対4によるシートの間欠搬送時の送り量は、画像の品質に大きな影響を与えるため、通常レジストローラ対4は、インクジェットプリンタの搬送手段の中では大きな搬送力を有しており、高精度な駆動制御が行なわれる。
記録ヘッド5は、図示しないキャリッジにより搬送方向と直交する方向、すなわちシート幅方向に往復移動しながらシートの記録面に対向する面からインク滴を吐出して画像形成するように構成される。記録ヘッド5はまた、図示しないインク供給手段により、必要な色と量とのインクが適宜供給されるように構成されている。
プラテン6は、記録ヘッド5による画像の記録の際、シートの記録面の平面度、記録ヘッド5とのクリアランス及び平行度を適切に維持するように構成される。このように、記録ヘッド5とシートとの位置関係を維持する必要があるのは、記録ヘッド5から吐出されたインク滴の着弾位置精度を高精度にするためである。
なお、図示しないシート吸引手段を別途設け、シートをプラテン6の搬送面に吸引することでプラテン6にシートを密着させ、上述の平面度、クリアランス、及び平行度を維持する構成とするとなお好適な構成となる。
排出ローラ対7は、駆動側の排出ローラ7aと、従動側の拍車7bとにより構成され、図示しないモータにより前述のレジストローラ対4よりも弱い搬送力でシートを狭持搬送するように構成されている。排出ローラ7aは、例えばゴム等の高摩擦部材で形成され、画像形成済のシートの非記録面に接触して、拍車7bとの作用により後述の排出トレイ8へとシートを搬送する。拍車7bは、記録直後のシートの記録面に直接接触して搬送しなければならないので、極力接触面積を小さくする必要がある。そのため、本実施例においては拍車7bはその外周部に針状の突起を多数形成した形状としている。
排出トレイ8は、排出ローラ対7から排出された記録済のシートを所定量積載できるように構成されている。
図2において、シート供給手段であるスイングアーム120は、スイングアームステイ121と、給送ローラ122と、給送ギア123と、ベルト124と、給送プーリ125等により構成される。
スイングアームステイ121は、回転中心a1で揺動可能に図示しないフレームに支持された振子状の部材で、振子の先端に給送ローラ122を回転可能に支持している。より詳しくは、スイングアームステイ121の回転中心a1は、後述する給送ローラ122の回転中心a2より上方でかつ給送方向の上流側に配置され、上述の図示しないフレームに回転可能に支持されている。
給送ローラ122は、スイングアームステイ121の揺動先端に回転中心a2で支持され、その表面は円筒状で高摩擦係数を有している。給送ローラ122は、スイングアームステイ121の揺動によりシートSの最上面のシートS1に常に追従して接触するように構成される。また、回転中心a2と同軸で給送ローラ122と一体的にギア部が形成されており、後述の給送プーリ125に一体的に形成されたギア部により回転駆動される。これにより最上面のシートS1を下流方向に搬送する。さらに、給送ローラ122は、比較的幅の大きなシートに対応して、シート幅方向に複数個設置される場合もあるが、本実施例においては便宜的に1個のみを図示している。
給送ギア123は、スイングアームステイ121の回転中心a1に同軸で回転可能に支持されている。給送ギア123は、図示しないモータにより駆動される最終段の駆動ギア10により回転駆動されると、給送ギア123と一体的に形成された給送ギア123のプーリ部123aで後述のベルト124を駆動するように構成されている。
ベルト124は、前述の給送ギア123に一体的に形成されたプーリ部123aと、後述の給送プーリ125を連結しており、給送プーリ125に一体的に形成されたギア部により前述の給送ローラ122に一体的に形成されたギア部を駆動する。
給送プーリ125は、前述のベルト124によって給送ギア123のプーリ部123aと連結しており、給送プーリ125と同軸に一体的に形成されたギア部によって、給送ローラ122のギア部を駆動する。これらの構成により、駆動ギア10によって給送ローラ122が給送方向に駆動される。
上述の構成により、スイングアーム120はその自重、及び後述する駆動に伴う摩擦トルクによって図示矢印B方向に揺動して、積載されたシートSの最上面のシートS1に追従して、給送ローラ122が最上面のシートS1に対する給送圧N方向に荷重するように構成されている。また、駆動ギア10が図2中のCCW方向に回転すると、スイングアーム120内の駆動機構由来の摩擦トルク等によりスイングアーム120がB方向に揺動し、給送ローラ122の最上面のシートS1に対して食い込むことでも給送圧N方向に荷重を作用させる構成となっている。これらにより給送ローラ122が給送方向に回転すれば、上述の給送圧Nが増加するとともに、給送力Fpが発生する。ここで、給送ローラ表面とシートSとの摩擦係数を摩擦係数μ1とすれば、給送力FpはFp=μ1×N(数式1)のように表される。
こうしてスイングアーム120は積載したシートSの最上面のシートS1に給送力Fpを与え、シートS1を給送方向Aに搬送する。
図3において、シート積載手段であるカセット110は、積載箱111と、積載するシートSの後端を整列させるためのエンドガイド112と、積載するシートSの側端面を整列させるためのサイドガイド113、分離手段である分離プレート130等により構成される。なお、分離プレート130は、本実施例においてはカセット110に設置する構成としたが、必ずしもそれに限られない。
積載箱111の積載面111aには、後述する分離パッド140を備えている。この分離パッド140の積載面111a上での位置は、スイングアーム120に支持された給送ローラ122の直下付近に設定されている。また、シートSの搬送方向先端側端面が整列されて積載される面、すなわち図4にける積載箱111の先端面111bは、積載されたシート面とのなす角度αが100°乃至140°程度の上り斜面として形成されており、先端面111bには後述する分離プレート130を備えている。上述したスイングアーム120により搬送されたシートSが複数枚のときには、分離プレート130の作用により、最上面のシートS1のみが分離されて下流に搬送されるように構成されている。
分離プレート130は、シートSの分離の際にシート先端面に傷や折れを生じさせないように、金属や樹脂などの表面が平滑な材質が好ましい。また、分離プレート130は、カセット110の先端面111bよりも積載したシートS先端側に数mm凸面で、図4において積載されたシート面に対してなす角度βが100°乃至140°程度の上り斜面として構成されており、A3サイズなどの幅の大きなシートに対応して、シート幅方向に複数枚設置される場合もある。
分離パッド140は、比較的高摩擦面を有する阻止パッド141、阻止パッド141よりも比較的低摩擦の低摩擦面142aを有し、阻止パッド141が固定されて一体的に形成された分離パッドベース142と、分離パッドベース142を給送方向と反対側に付勢するバネ143とにより構成される。また、後述するが分離パッド140は第一の位置から第二の位置に移動して阻止手段である阻止パッド141の作用を解除する阻止解除手段としても作用する。
阻止パッド141は、積載箱111のシート積載面111a上で、給送ローラ122の直下近傍を分離パッドベース142の第一の位置として配置される。阻止パッド141は、例えばEPDMゴムや高摩擦シート等の高摩擦係数を有する材質が好ましい。より詳しくは、給送ローラ122とシートS(最上面シートS1)との摩擦係数をμ1、シートS間(シートSn−1とシートSn間、nは2以上の自然数)の摩擦係数をμ2、シートS(最下面シートS(last))と阻止パッド141との摩擦係数をμ3とすれば、μ1>μ3>μ2(数式2)で表す関係となるように摩擦係数が設定されている。
給送ローラ122が最上面シートS1に対して作用する給送圧を給送圧Nとして、給送ローラ122によって最上面シートS1に作用する給送方向の力、すなわち給送力Fpは数式1で表される。
シートSの残量が比較的少量のとき、例えば3枚程度のとき、阻止パッド141は、積載箱111のシート積載面111a上で給送ローラ122の直下近傍に配置されているため、給送圧Nによりラスト紙S(last)に作用する垂直抗力はほぼ給送ローラ122の給送圧Nとほぼ同じと考えられる。このため、図5において、垂直抗力Nと摩擦係数μ3とによるシートS(最下面シートS(last))と阻止パッド141との間の摩擦力(阻止力)の作用によりラスト紙S(last)の給送方向Aへの移動を阻止している。すなわち、阻止力を阻止力Rpとすれば、Rp=μ3×N(数式3)の式で表される。
また、シートS間の摩擦力をRppとすれば、Rpp=μ2×N(数式4)のようになる。数式2より、μ3>μ2、また、μ1>μ2なので、給送力FpとシートS間摩擦力Rpp、及び、阻止力RpとシートS間摩擦力Rppの関係は、Fp>Rpp(数式5)、Rp>Rpp(数式6)のようになる。
これにより、積載したシートSの残量が比較的少量のときに、最下面のラスト紙S(last)が給送方向に受ける力、すなわち摩擦係数μ2によるシートS間摩擦力Rppよりも、ラスト紙S(last)の給送方向への移動を阻止する力、すなわち阻止パッド141の摩擦係数μ3による阻止力Rpが大きくなり、いわゆるラスト重送することを防止する一方で、最上面シートS1に対して、給送力FpとシートS間の摩擦力Rppとの差である搬送力Ftが作用して最上面シートSを下流方向Aに搬送することができる。搬送力Ftは、Ft=Fp−Rpp(数式7)のようになる。
分離パッドベース142は、阻止パッド141に対して給送方向Aの反対方向、すなわち上流側に、阻止パッド141に比べて比較的低摩擦で、阻止パッド141とほぼ同じ高さに設定された低摩擦面142aを有している。また、低摩擦面142aから給送方向A、すなわち搬送方向下流側に上述の阻止パッド141を固定してある。さらに、分離パッドベース142は、おおよそその厚さ分だけ積載箱111の積載面111aよりも低い、積載箱111に形成された凹面111cに対して給送方向前後に移動可能に設置されている。分離パッドベース142の低摩擦面142aの摩擦係数μ4はμ1>μ4 また μ3>μ4(数式8)の式で表す関係になるように設定されている。
分離パッドベース142は、阻止パッド141が給送ローラ122の直下近傍となる第一の位置でバネ143により所定の力で給送方向と反対側に付勢されている。所定の力とは、例えば、シート残量が比較的少ないとき、給送圧Nによりラスト紙S(last)とその上面のシートSnとによって作用するシート間摩擦力Rppよりも大きく、給送圧Nで給送ローラ122によりシートSに作用する給送力Fpよりも小さな力である。すなわち、所定の力を付勢力Rrとすれば、Fp>Rr>Rpp(数式9)のようになる。
したがって、給送力Fpが所定の値以上になると、バネ143による付勢力Rrに抗して低摩擦面142aが給送ローラ122と対向する位置まで移動して分離パッドベース142の第二の位置となるように構成されている。これにより、分離パッド140は、阻止手段として機能するだけでなく、第二の位置に移動することで阻止パッド141の阻止解除手段として作用する。
次に上述した構成の分離パッド140の作用について詳しく説明する。通常は上述した通り、シート残量が少ない場合にもラスト紙重送を防止し、かつラスト紙まで確実に給送できるように阻止パッド141や、給送ローラ122の摩擦係数等が設定されている。しかしながら、シートの種類、その状態、設置環境等の条件如何によっては上述の関係が破綻することがある。例えば、ラスト紙S(last)の搬送動作に対して、μ3>μ1(数式10)の式のような関係となった場合が挙げられる。
上記の関係となった場合、ラスト紙S(last)に対する給送動作は、搬送力Ftが得られないためラスト紙S(last)を搬送できないばかりか、スイングアーム120がますますシート面に食い込むことにより、給送圧Nが極大に達し、ついには給送装置100が破損してしまう。具体的には、給送圧Nが通常よりも極端に大きな値、例えば本発明者による実験の結果ではおおむね20N以上になるような場合がそれにあたる。このとき図9において、数式1で表される給送ローラ122とシートSとの摩擦関係式で導かれる給送力Fp、及び数式3で表されるラスト紙S(last)と阻止パッド141との摩擦関係式で導かれる阻止力Rpが比例関係を維持できなくなることが考えられる。このように比例関係が崩れた非線形の領域では、図9中の領域L3で示す領域で、本来の給送力と阻止力とがほぼ等しくなってしまうと考えられる。
このような状況の際に、第一の位置で上述のバネ143によって給送方向Aと反対方向に所定の力で付勢された分離パッド140が、給送力Fpの値に応じて給送方向Aへ第二の位置に移動する。これにより分離パッドベース142の低摩擦面142aが給送ローラ122の直下近傍に位置することになるので、阻止力Rpが減少することで搬送力Ftが得られ、ラスト紙S(last)を給送方向Aへ搬送できる。これにより、スイングアーム120のシート面への食い込みも解消でき、したがって給送圧Nも通常の範囲内となるから、給送装置100を破損することもなくなる。
なお、給送装置100に給送ローラ122が複数個あり、それに対応してこのような構成の分離パッド140を複数配置した場合、各々の分離パッド140の動作(第一の位置から第二の位置までの移動)を同期させるような工夫が必要となる。そのためには例えば、分離パッドベース142を一体としてその面上に複数個の阻止パッド141を配置すればよい。また、分離パッドベース142が複数個ある場合には、それらが同期して動作するようリンク、ギア等で連結すればよい。これらの工夫における構成は、自明であるので図示は省略する。
また、ラスト紙S(last)の給送動作開始後、分離パッド140が第一の位置から第二の位置に移動しラスト紙S(last)が移動開始した直後に、分離パッド140がバネ143の付勢力によって第一の位置に戻る場合がある。この場合、分離パッド140はラスト紙S(last)の搬送中に第一の位置と第二の位置との間で移動を繰り返して振動し、ビビリや異音となって好ましくない。
このような問題を解決するために、分離パッド140の移動方向にダンパー機構を備えることが有効となる。例えば、粘性を有する部材と接触させておく方法などが考えられる。この際、分離パッド140がバネ143の作用により第二の位置から第一の位置に復帰するまでを所定の時間になるように設定すればよい。
あるいは所定の時定数を持つラッチ機構を用いても良い。ここでラッチ機構は、分離パッド140が一旦第二の位置まで移動した際に、所定の時間の間、分離パッド140を第二の位置で保持し、所定の時間が経過した後に分離パッド140を開放するように構成すれば、分離パッド140はバネ143の付勢力による作用によって第一の位置に復帰する。
これらの場合はいずれも、分離パッド140が第二の位置から第一の位置に復帰するまでの所定の時間とは、ラスト紙S(last)が下流の搬送ローラ、具体的には本実施例の場合にはレジストローラ対4が搬送を開始するまでの時間とすれば好適である。
また、図示しないセンサ等により給送力Fp若しくは給送圧Nを検知し、給送力Fp若しくは給送圧Nが所定の値以下の時には分離パッド140が第一の位置、所定の値以上の時には分離パッド140が第二の位置となるように位置制御するよう構成しても良い。この場合、必ずしも阻止手段である分離パッド140を給送方向Aと反対方向に付勢する付勢手段を設けなくてもよい。
以上のような構成とすることで、本発明の実施例にかかる給送装置100は、給送動作時に外乱等の影響により阻止手段等の設定値が外れた場合でも、ラスト紙S(last)を搬送する搬送力が得られずにジャムとなることを防止し、確実に下流工程に搬送することができる。また、スイングアームを用いた給送機構であってもラスト紙のジャムに起因する破損等の重大な問題を解決できる。また、このような給送装置を画像形成装置に備えることにより、信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
{他の実施例}
上記本実施例においては、分離パッド140が第一の位置から給送方向Aに移動して第二の位置となることで阻止手段である阻止パッド141の解除とした。しかし、阻止普段の解除としては阻止手段が給送方向Aに移動することに限られず、例えば、下方向つまり給送圧Nの方向に移動することで解除してもよい。
また、他の実施例として例えば、図6に示す構成でも良い。図6においては、積載箱111の下方で回転可能に軸支された分離パッドベース144が、バネ143によって図示のC方向(給送方向と反対方向)に付勢されている。分離パッドベース144が第一の位置にあるときは、上述した第一の実施形態と同様に、給送ローラ122の直下近傍に阻止パッド141が配置されている。また分離パッドベース144がC方向と反対側にバネ143の付勢力に抗して回転することで、阻止パッド141が解除位置としての第二の位置となる。この構成の場合も、作用および摩擦係数などの条件は上述の第一の実施形態と同様である。
本発明は、積載されたシートの上面からシートを1枚ずつ給送する給送装置に用いることができる。
画像形成装置の全体構成図である。 シート給送装置を説明する図である。 給送カセットを説明する斜視図である。 分離手段を説明する図である。 シートに作用する力について説明する図である。 他の実施例を説明する図である。 従来の給送装置について説明する図である。 従来のシートに作用する力を説明する図である。 給送圧Nと、給送力Fpおよび阻止力Rpとの関係を示す図である。
符号の説明
A …給送方向
S …シート
S1 …最上面のシート
S(last) …最下面のシート
a1 …回転中心
a2 …回転中心
1 …インクジェットプリンタ
2 …外装カバー
3a …外ガイド
3b …内ガイド
4 …レジストローラ対
4a …LFローラ
4b …ピンチローラ
5 …記録ヘッド
6 …プラテン
7 …排出ローラ対
7a …排出ローラ
7b …拍車
8 …排出トレイ
10 …駆動ギア
100 …給送装置
110 …カセット
111 …積載箱
111a …積載面
111b …先端面
111c …凹面
112 …エンドガイド
113 …サイドガイド
120 …スイングアーム
121 …スイングアームステイ
122 …給送ローラ
123 …給送ギア
123a …プーリ部
124 …ベルト
125 …給送プーリ
130 …分離プレート
140 …分離パッド
141 …阻止パッド
142a …低摩擦面
143 …バネ
144 …分離パッドベース
200 …給送装置
201 …シート積載部
202 …シート供給部
203 …シート分離部
204 …摩擦部
205 …給送ローラ
206 …スイングアーム

Claims (6)

  1. 積載されたシートの上面からシートを1枚ずつ給送する給送装置において、
    シートを積載するシート積載手段と、
    積載されたシートの最下面に当接してシートの重送を防止する阻止手段と、
    積載されたシートの最上面に当接してシートを送り出すシート供給手段と、
    前記シート供給手段により供給されたシートを最上面のシートのみに分離する分離手段と、
    前記阻止手段による作用を解除する阻止解除手段とを備えたことを特徴とする給送装置。
  2. 前記シート供給手段は、
    少なくとも一つの給送ローラと、
    前記給送ローラを回転駆動可能に軸支し、積載したシートの増減に対応して該給送ローラが常に当接するよう揺動させるスイングアームと、
    前記給送ローラよりシート給送方向上流側に配置された前記スイングアームの回転軸とを備えることを特徴とする請求項1記載の給送装置。
  3. 前記阻止解除手段は、
    積載したシートの残量が所定量以下であって、前記給送ローラがシート給送方向に与える力、またはシート積載方向に与える力のいずれか一方が所定値を上回る場合に、前記阻止手段による作用を解除することを特徴とする請求項2記載の給送装置。
  4. 前記阻止解除手段は、
    前記阻止手段が最下面のシートに対して阻止力を発揮する第一の位置から、前記阻止手段が最下面のシートに対して阻止力を発揮しない第二の位置へ移動させることにより、前記阻止手段による作用を解除することを特徴とする請求項1記載の給送装置。
  5. 前記阻止手段は、前記阻止解除手段が阻止を解除してから所定時間経過後に前記第一の位置へと復帰することを特徴とする請求項4記載の給送装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の給送装置と、
    前記給送装置から給送されたシートに画像を形成する画像形成手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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