JP2007152908A - 走査露光装置、走査露光方法、プログラム及び画像形成装置 - Google Patents

走査露光装置、走査露光方法、プログラム及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチビーム隣接露光方式において生じる相反則不軌による濃度むらを主走査方向の相反則不軌の影響をも考慮に入れ、高性能に抑制し、画像品質の向上を図る。
【解決手段】 LD0〜3の4マルチビーム隣接露光において、2ラインシフトの走査周期ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素を切替え、2回の走査により1ラインを書込む。この点等制御によると、主・副走査方向に隣り合う近傍画素にデータがあっても、この画素同士が同一走査で点灯することがないので、相反則不軌の影響を主・副走査方向に同様に与えることで濃度変化が局在化せず、濃度むらを高性能に抑制することが可能になる。又、画素毎に近傍にあるデータを持つ画素数を調べ、この結果に応じて露光量を補正し、相反則不軌の影響を受ける画像と受けない画像が混在する場合の濃度むらをさらに低減する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、データ(画像)により点灯制御される複数のLD(レーザダイオード)等の素子が発する複数本の光ビームにより2次元走査(ラスタスキャン)し、感光体等を露光する走査露光装置及び走査露光装置を用いて画像を形成する、例えば、レーザプリンタ、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関し、特に、所謂相反則不軌により発生する濃度むら(バンディング)を抑制することが可能な走査露光装置、走査露光方法、プログラム及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体への画像の書込み(露光)に光ビーム走査方式が、従来から広く用いられている。この方式は、画像データで点灯制御されるLD(レーザダイオード)が出力する光ビームをポリゴンミラー等の走査手段により主走査方向に周期走査するとともに、感光体を副走査方向(主走査方向に直交)に移動させて、感光面を2次元走査露光する方式(後記図1、参照)であり、発展形として、LDA(レーザダイオードアレイ:1チップにそれぞれ点灯制御可能な複数の素子を配列させたデバイス)からの複数本の光ビームにより、同時に複数ラインの走査露光を行うもの(以下「マルチビーム方式」という)も実用化されている。
ところで、マルチビーム方式による走査露光においては、所謂相反則不軌による濃度むらが生じ、画像品質が低下することが問題となる。
相反則不軌による濃度むらの発生条件は、隣り合う複数(LDAの素子数)ラインの走査露光をマルチビームで同時に行い、この走査露光を副走査方向に複数(LDAの素子数)ラインずつシフトさせながらポリゴンミラーの回転周期で繰り返す場合である。この走査では、隣り合う走査ラインの露光条件は、同時にマルチビーム走査されるライン間では変わらないが、周期が違うライン同士では異なり、相反則不軌の影響を受け、この結果が濃度むらとなって現れる。
例えば、4素子LD0〜LD3よりなるLDAの場合、図2に示すように、各素子を同時に駆動してマルチビームで走査露光を行うので、主走査の1周期内では、隣り合うLD0〜LD3の露光タイミングが一致する。これに対し、周期が違う場合には、n回目の走査後、所定の時間間隔Tが経過してからn+1回目の走査を行うので、n回目走査のLD3とn+1回目走査のLD0は、隣り合うラインであっても露光タイミングは、一致しない。つまり、この露光タイミングの違いによって、同時露光における場合と異なる電荷分布が境界付近で起き、所謂相反則不軌による濃度むらが生じて画像品質の低下をもたらす。
図16及び図17は、上記4素子内蔵LDAによる相反則不軌により発生する濃度ムラを説明する概念図である。
図16の例は、図中(A)に示すように、4素子LD0〜LD3よりなるLDAを同時に駆動し、1周期当たり4ラインシフトでマルチビームの走査露光を行った場合を示す。この時、各LDは、定濃度の中間調データで駆動し、全面を露光している。露光後の画像形成結果は、図中(B)に示すように、走査周期の違う隣り合うラインLD3とLD0は、相反則不軌の影響を受け、濃くなってしまい、形成された画像は一様な濃度分布とならない。
また、例えば、図17のように、4素子LD0〜LD3が定濃度の中間調データにより3ドットピッチ3ラインで駆動され、1周期当たり4ラインシフトの走査露光を行う場合には、走査周期の違う隣り合うラインLD3とLD0のうち、中間調データにより駆動される部分は、相反則不軌の影響を受け、濃くなってしまう。これらの濃度むらが一定の周期以下で現れるとバンディングとして視覚で認識され、画質不良となってしまう。
マルチビーム方式の走査露光における上記した濃度むら(バンディング)の発生を抑制するために提案された従来法には、走査周期の違う隣り合うライン(図16に示す例におけるLD3とLD0)の走査間隔を広くとったり、このラインの光量を調整する方法、或いはマルチビーム方式で高解像度化を図るために採用されている飛び越し走査(隣り合うラインを同時走査せず、飛び飛びに走査する)による露光方法が濃度むらを低減する機能を持つことが知られている。
下記特許文献1には、濃度むらの低減を可能とする走査露光方法として、多重露光による方法を提案している。この方法は、多重露光によって走査の継ぎ目に発生する濃度の変化量を小さくし、かつ多重露光に必要な副走査方向のラインシフトをバンディングの発生する空間周波数を高くする(バンディングを分散させる)ように設定することで、視認性を低くする方法である。また、同文献には、濃度むらの低減を可能とするもう一つの走査露光方法を提案している。この方法は、飛び越し走査露光(走査ごとにLD素子の駆動を奇数番号と偶数番号、交互に切替えることにより、2ライン飛び越し走査露光を行うことを例示)によって隣接走査露光において走査の継ぎ目で顕著になる濃度の変化量を小さくし、かつ飛び越し走査露光に必要な副走査方向のラインシフトは走査幅の半分として、走査の継ぎ目に発生するバンディングの空間周波数を高くすることで、視認性を抑制する方法である。
特開2004−109680号公報
しかしながら、走査周期の違う隣り合うラインの走査間隔を広くとったり、このラインの露光量を調整する方法は、いずれも新たに構成の付加が必要で、最適調整が難しい、という問題がある。
また、特許文献1に示される多重露光による方法は、副走査方向に画素が隣接しているパターンと隣接していないパターンとが混在するような画像に対しては、相反則不軌による濃度むらを均一に抑制することができない場合が生じる。
また、特許文献1に示される飛び越し走査露光による方法は、飛び越し走査を行うために保持しておく画像データのライン数が多くなり、それだけ記憶容量が余分に必要になるといったことや、この方法でも副走査方向に画素が隣接しているパターンと隣接していないパターンとが混在するような画像に対しては、相反則不軌による濃度むらを均一に抑制することができない場合が生じる。
本発明は、マルチビーム方式の走査露光において、相反則不軌により発生する濃度むらを抑制するための従来法における上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決すべき課題は、特別な構成の付加や困難な調整を必要とする手段に依らず、マルチビーム方式の走査露光に普通用いられるリソース(記憶部等)を用いることにより、かつ副走査方向に画素が隣接しているパターンと隣接していないパターンとが混在するような画像に現れる成分をも考慮に入れて、濃度むらをより高性能に抑制し、画像品質の向上を図ることにある。
請求項1の発明は、画像データにより点灯が制御可能な2N個の発光素子を有し、各発光素子から光ビームを出力する発光源と、前記発光源から出力される各光ビームを主走査方向に偏向し、周期走査させる主走査手段と、前記偏向手段により周期走査される光ビームにより露光される被露光体を該光ビームの主走査方向に交わる方向に変位させる副走査手段と、画像データにより制御が可能な前記発光素子の点灯を制御する走査露光制御手段を有する走査露光装置において、前記走査露光制御手段は、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、異なる周期で点灯させる制御を行うことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された光露光装置において、前記走査露光制御手段は、Nラインシフトによる周期走査ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替え、近傍画素同士を同一走査で点灯させないように制御することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された光露光装置において、前記走査露光制御手段は、データがある画素に対し、該画素の近傍画素におけるデータの有無を条件に発光素子の点灯制御に用いるデータ値を補正する光量補正手段を備えたことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載された光露光装置において、前記光量補正手段は、データがある近傍画素数に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載された光露光装置において、前記光量補正手段は、解像度に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項6の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、前記光量補正手段が画素濃度データを補正する手段であることを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項7の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、前記光量補正手段が発光素子の点灯をON/OFFするPWM変調データを補正する手段であることを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項8の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、前記光量補正手段が発光素子の発光出力パワーを制御するデータを補正する手段であることを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項9の発明は、前記被露光体を感光体とした請求項1乃至8のいずれかに記載された光露光装置と、前記感光体に形成された潜像を可視化像として現像する手段と、前記可視化像を記録媒体に転写する手段を有した画像形成装置を構成することによって、画像形成装置における上記課題を解決するものである。
請求項10の発明は、コンピュータを請求項1乃至8のいずれかに記載された光露光装置における前記走査露光制御手段として機能させるためのプログラムを光露光装置に搭載したコンピュータで駆動することによって、上記課題を解決するものである。
請求項11の発明は、画像データにより点灯が制御可能な2N個の発光素子から光ビームを出力する光ビーム出力工程と、前記光ビーム出力工程で出力された各光ビームを主走査方向に偏向し、周期走査させる走査工程と、前記走査工程で周期走査される光ビームにより、該光ビームの主走査方向に交わる方向に変位させる被露光体を照射する露光工程と、画像データにより制御が可能な前記発光素子の点灯を制御する走査露光制御工程を行う走査露光方法において、前記走査露光制御工程は、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、異なる周期で点灯させる制御を行うことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項12の発明は、請求項11に記載された走査露光方法において、前記走査露光制御工程は、Nラインシフトによる周期走査ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替え、近傍画素同士を同一走査で点灯させないように制御することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項13の発明は、請求項11又は12に記載された走査露光方法において、前記走査露光制御工程では、データがある画素に対し、該画素の近傍画素におけるデータの有無を条件に発光素子の点灯制御に用いるデータ値を補正する光量補正工程を行うことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項14の発明は、請求項13に記載された走査露光方法において、前記光量補正工程では、データがある近傍画素数に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項15の発明は、請求項13又は14に記載された走査露光方法において、前記光量補正工程では、解像度に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項16の発明は、請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、前記光量補正工程では、画素濃度データを補正することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項17の発明は、請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、前記光量補正工程では、発光素子の点灯をON/OFFするPWM変調データを補正することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項18の発明は、請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、前記光量補正工程では、発光素子の発光出力パワーを制御するデータを補正することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
本発明によると、2N個の発光素子を用いるマルチビーム方式の走査露光において、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように異なる周期で点灯させる制御(若しくは主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える制御)を行うことによって、相反則不軌による濃度変化が副走査方向にバンディングとして。局在化して生じることを防ぎ、濃度むらをより高性能に抑制し、画像品質の向上を図ることができ、しかも、この制御を行う際、特別な構成の付加や困難な調整を必要とする手段によらず、マルチビーム方式の走査露光に普通に用いられるリソース(記憶部等)を用いることにより実現が可能となる(請求項1,2,10〜12)。
(2)また、データがある画素に対し、該画素の近傍画素におけるデータの有無を条件に発光素子の点灯制御に用いるデータ値を補正するようにしたことにより、原画像データが意図する値に一致した画像出力を行うことが可能になり、さらに画像品質の向上を図ることができる(請求項3〜8,10,13〜18)。
(3)また、画像形成装置の感光体への走査露光において、上記(1)、(2)の発明の効果を具現化することにより、画像形成装置のパフォーマンスを向上させることが可能になる(請求項9)。
本発明に係わる実施形態を以下に説明する。
以下には、本発明を電子写真方式の画像形成装置の走査露光装置に実施した例を示す。
図1は、本実施形態の走査露光装置の概略構成を示す。
図1に示す走査露光装置は、発光源としてのLDA(レーザダイオードアレイ)10から出力される光(レーザ)ビームをモータで定速回転されるポリゴンミラー(光偏向器)20により主走査方向に周期走査させ、副走査方向(通常、主走査方向に直交し、図1においては紙面に垂直方向)に変位する被露光体としての感光体30を照射し、感光面を2次元面にわたって走査光ビームで露光する。
この走査露光装置におけるLDA10は、1チップにそれぞれ点灯制御可能な複数の素子が配列されている。LDA10の各素子から出力し、ポリゴンミラー20により周期走査される光ビームは、感光体30上で副走査方向に並んで投射され、連続する(隣接する)複数走査ラインの画素列を同時に露光し、所謂マルチビーム隣接露光方式によって画像形成を行うことを可能とする。
図2は、例えば、4素子LD0〜LD3よりなるLDAによるマルチビーム隣接露光方式における露光タイミングを示す。図2に示すように、各素子を同時に駆動してマルチビームで走査露光を行うので、主走査の各周期内では、隣接するLD0〜LD3の露光タイミングは一致する。
このとき、露光の開始と終了のタイミング(即ち、LDA10の画像(画素)データに基づく点灯制御の開始と終了タイミング)は、感光体30の所定位置に画像を形成するために制御される。この制御は、感光体30の直前における主走査ライン上に設けた同期検知センサ40で走査光ビームの通過を検知し、得られた同期信号を基準にして一定のタイミングで立ち上げられ、所定の露光期間の経過後、立ち下げられる信号を用いて露光期間を制御する。
さらに、副走査方向に感光体30を移動(通常、感光体はドラムであるから、ドラムを回転)させながら、主走査させマルチビーム隣接露光を繰り返すときに、マルチビーム隣接露光の各周期の継ぎ目において、主走査ライン間隔を保持しなければならないので、図2に示されるように、n回目のマルチビーム隣接露光(主走査)を行った後、同図中に期間Tとして示される所定時間を経たタイミングで、n+1回目の露光(主走査)を行う。
この期間Tは、副走査方向にシフトさせるライン数によって異なる(例えば、図16では、4マルチビーム隣接露光を副走査4ラインシフトで行っており、後記で詳述する図3の実施形態では、4マルチビーム隣接露光を副走査2ラインシフトで行う)。また、期間Tは、副走査方向に移動する感光体30の移動速度(感光体ドラムの回転速度)に依存する。従って、解像度を変更するために感光体ドラムの回転速度を変化させる場合には、回転速度の変化に応じて期間Tを変更する必要がある。
マルチビーム隣接露光(主走査)を行うときに、LDA10の各素子は画像データにより点灯制御される。
制御部は、主走査ラインが感光体30上の所定位置になるように、副走査カウンタによって定められるタイミングに従ってLDA10の各素子の点灯制御動作を開始し、LDA10の素子数(即ちライン数)分のラインデータを用いて、各ライン毎に画像の書込制御を行う(図2参照)。
画像の書込制御では、走査ビームを基準位置で検出する同期検知センサ40からの同期信号に基づいて主走査方向の各画素位置を主走査カウンタによって定め、画像データの画素列から順次画素クロックに応じて取出した画素データと光量設定データに基づいて、点灯消灯制御信号および発光量を制御するための光量設定信号を生成する(書込制御部の構成、動作については後記の実施形態、参照)。LDドライバは、点灯消灯制御信号および光量設定信号の入力を受け、LDに駆動信号を供給し、LDを点灯制御する。
また、上記した走査露光装置を記録媒体へのプリント出力を行う電子写真方式の画像形成装置に用いる場合、感光体30への走査露光によって静電潜像を生成し、これを可視化像として記録媒体に定着させる必要がある。従って、こうした電子写真方式の画像形成処理には、感光体30回りに、帯電器、トナーによる現像ユニット、転写器、クリーニングユニット、除電器のほか、記録媒体の給紙装置や記録媒体上に形成したトナー像の定着装置を構成要素として備える必要がある。これらの要素を用いることにより、帯電、露光、現像、転写により記録媒体上に画像を形成し、この後、記録紙上に形成された画像を定着する、という通常行われている電子写真プロセスに従い画像形成処理を行う。なお、この画像形成装置は、電子写真方式の装置で用いられている既存の手段を適用することによって、実施が可能であるから、ここでは詳細な説明は省略する。
マルチビーム隣接露光では、上記[背景技術]の項に記したように、相反則不軌により濃度むら(バンディング)が発生する。この相反則不軌により発生する濃度むらを抑制する方法として提案された従来法は、特別な構成の付加や困難な調整を要すること、又副走査方向に画素が隣接しているパターンと隣接していないパターンとが混在するような画像に現れる濃度むら成分を考慮していないために濃度むらが均一に抑制されない、といった点で問題が残されている(上記[発明が解決しようとする課題]の項、参照)。
そこで、本発明では、バンディングが副走査方向に局在化して生じる従来の問題を防ぎ、濃度むらをより高性能に抑制し、画像品質の向上を図るために、図1及び図2を参照し説明したマルチビーム隣接露光方式をベースに、副走査方向のラインシフトと画素単位でLDを点灯制御する、という制御条件の変更によって対応するものである。
即ち、副走査方向のラインシフトは、2N個の発光素子によるマルチビーム隣接露光において、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御(2Nのビーム数を半数のNずつシフトさせ、同一の主走査ラインを2回の走査によって露光するように制御)し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、異なる周期、即ち1回目と2回目の走査に分けて点灯させる制御を行う。
このように、近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、1回目と2回目の走査に分けて点灯させる制御を、以下に示す実施形態では、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える制御とする。このような切替えを行うことで、主走査及び副走査方向に隣り合う近傍画素にデータがあっても、この画素同士が同時に(同一走査で)点灯することが無く、全ての画素に対し、近傍画素による相反則不軌の影響が均一に現れ、濃度変化が局在化しない。
図3は、本実施形態におけるマルチビーム隣接露光における走査露光プロセスを表す遷移図である。
図3に示す走査露光プロセスの遷移図は、4マルチビーム隣接露光を副走査2ラインシフトで行い、かつ2ラインシフトの主走査周期ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える例を示している。
LD0〜3の4素子よりなるLDA10から出力され回転ポリゴンミラー20で偏向された各光ビームは、副走査方向に一列に隣接して並んで感光体30に投射され、感光体30を主走査方向に同時に走査露光し、図3の“1走査目”に示す4マルチビーム隣接露光を行う。4マルチビーム隣接露光で書込まれる画素の行列は、同“1走査目”の図に示すように、主走査及び副走査方向に非点灯(露光されないのでブランク:白で表す)と点灯(露光されるので画素データがあることを表す)とが交互に配される。
次に、副走査方向に2ラインシフトさせ、2走査目の隣接露光を行う。このとき、同図の“2走査目”に示すように、主走査及び副走査方向に非点灯と点灯とが、“1走査目”とは逆にして交互に配される。つまり、LD0は、1走査目は、OFF-ON-OFF-・・であったが、2走査目には、ON-OFF-ON-・・と逆になり、1走査目の非点灯(ブランク:白)を埋める。同様にLD1は、1走査目は、ON-OFF-ON-・・であったが、2走査目には、OFF-ON-OFF-・・と逆になり、1走査目の非点灯(ブランク:白)を埋める。
このように、2回の走査により1ラインの書込みを行うので、上記1〜2走査目の例では、1走査目でLD2,LD3により書込まれた2ライン分のデータ(画素列)は、1走査目の非点灯(ブランク:白)を埋めるために、2走査目まで記憶部に保持させておく必要がある。
副走査2ラインシフトで主走査及び副走査方向に非点灯と点灯を交互に切替えるこの4マルチビーム隣接露光を、順次全ラインに行っていく。なお、図3中に示した破線の内側が有効画像(実際に画像を書込む)領域で、破線の外側は非有効画像領域であるから、有効エリア外である1走査目のLD0,1の領域を実際には露光させる必要はないが、説明の便宜上、図示している。同様に4走査目を最終露光とした場合、4走査目のLD2,3の露光部分も有効エリア外なので露光させる必要は無い。
このように、2ラインシフトの走査周期ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素を切替え、2回の走査により1ラインを書込むようにしたので、主走査及び副走査方向に隣り合う近傍画素にデータがあっても、この画素同士が同時に(同一走査で)点灯することがない。これにより、従来は副走査に隣り合う画素間のみに相反則不軌の影響が出ていたが、本案では主走査に隣り合う画素間でも相反則不軌の影響を同様に与えることで濃度変化が局在化せず、濃度むらを高性能に抑制することが可能になる。
図4は、図3に示したプロセスで走査露光を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。
図4のLD点灯回路は、4本のレーザビーム光を出力するLDA10の各素子LD0〜3を駆動するLDドライバ19と、ライン画像データをもとに各素子LD0〜3の駆動(点灯)制御用データをLDドライバ19に入力する点灯制御回路よりなる。
点灯制御回路は、4マルチビーム隣接露光を副走査2ラインシフトで行うので、前段からはデータDfr(前ライン画像データ)とDre(後ライン画像データ)の2ライン分のデータが1画素毎に順次供給される。供給された2ライン分のデータDfrとDreは、2ラインシフトの走査周期ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に切替え、1ラインを2回の主走査により書込むために、偶数/奇数画素選択回路13に入力される。偶数/奇数画素選択回路13への入力データは、直接前段から入力される2ライン分のデータDfrとDreと、1ライン分遅延させた2ライン分のデータDfrとDreの計4ライン分のデータを必要とする。このために、遅延させるラインデータを保持可能なRAM11,12を設け、この記憶部にも前段から入力される2ライン分のデータDfrとDreそれぞれを入力し、次回の書込みに用いる。なお、図3に示す動作例では、RAM11,12から入力されるデータは、それぞれLD0,1を駆動するために用いられる。
偶数/奇数画素選択回路13は、副走査カウンタ15及び主走査カウンタ14によって定められるタイミングに従って動作する。副走査カウンタ15は、2ラインシフトの走査周期(主走査ライン)を定めるための信号を出力し、この信号によって偶数/奇数画素選択回路13では、LDドライバ19へ送出するLD0〜3点灯制御用データの切替え処理を行う。この切替えは、上記したように、4ライン分の入力データ(前段から直接入力されるデータDfrとDre並びに1ライン分遅延させたデータDfrとDre)について、それぞれ偶数番目と奇数番目の画素を交互に切替えて送出する。また、主走査カウンタ14は、選択された画素を主走査方向の各画素位置を定めるためのタイミング信号を出力し、この信号によって定められるタイミングで順次書込む画素位置のLD0〜3点灯制御用データを送出する。
偶数/奇数画素選択回路13によりタイミングを制御して出力されるLD0〜3点灯制御用データの入力を受けるLDドライバ19は、LDに駆動信号を供給し、LDを点灯制御する。
上記のように、本実施形態においては、濃度むらの抑制をLDの点灯タイミングを変更する制御を行うことによって対処し得るので、特別な構成の付加や困難な調整を必要とする手段によらず、マルチビーム方式の走査露光に普通に用いられるリソース(記憶部等)を用いることにより容易に実施し得、又実効を上げることができる。
なお、上記した実施形態では、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える制御の例を示したが、要は主走査及び副走査方向の近傍画素にデータがある画素同士を同時に(同一走査で)点灯させない条件で点灯制御が可能な他の方法を用いることにより実施しても良い。
「濃度補正(1)」
上記実施形態では、データがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、1回目と2回目の走査に分けて、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える制御を行っている。
ただし、近傍画素にデータの無い孤立した画素が存在する場合に、上記実施形態の制御では、相反則不軌の影響を受けないので、相反則不軌の影響を受ける部分と受けない部分が存在する画像である場合には、同じ濃度の画素データでも、露光後に両部分の間に濃度の違いが生じる。
図5は、この現象を説明する図である。同図の(A)露光イメージ には、原画像データ(データがある画素は、全て同濃度とする)による理想の露光イメージ(相反則不軌が生じない)を示し、同図の(B)画像形成後濃度分布イメージ には、(A)の原画像データにより画像形成を行った結果、画像のデータ内容により相反則不軌による影響が異なって生じた時の画像イメージを例示する。
図5において、露光イメージ(A)の左上の画像(4×3画素)は、近傍画素にデータがあり、上記実施形態の制御を行った結果として得られる濃度分布イメージ(B)では、相反則不軌の影響を大きく受け、高濃度に変化することを示している。これに対し、露光イメージ(A)の右下の画像(5×3画素)は、近傍画素(主・副走査方向に接する画素)にデータがなく、上記実施形態の制御を行っても、得られる濃度分布イメージ(B)では、相反則不軌の影響による影響をあまり受けないことを示している。
上記のように、原画像が同濃度であっても、画像のデータ内容によって(図5のイメージにおける左上の画像と右下の画像のような場合)は、画像の間に濃度差が生じる。
画像のデータ内容よって起こり得るこの副作用は、無くすことが望ましく、本発明においては、濃度差を吸収するための補正を施すことにより、この問題を解消する。
この補正は、対象とする画像データにおける注目画素の近傍画素情報から、注目画素に対する光量補正値を求め、求めた補正値により注目画素を露光するLD光量を調整する方法による。
以下、この濃度補正に係る実施形態について、図6〜を参照して説明する。
まず、注目画素の近傍画素情報を求める。近傍画素情報は、近傍画素との間の関係で、注目画素が補正の対象となる画素であるか、否かを判定するので、近傍画素の有無の情報として求められる。図6は、注目画素と近傍画素との間における異なる関係(a),(b)を説明する図である。なお、同図の上下、左右は、副走査方向、主走査方向に対応する。
図6(a)に示すように、注目画素の上下、左右のいずれかに1画素以上のデータがある画素が存在する場合には、この注目画素は相反則不軌の影響を受ける画素であると判定する。相反則不軌の影響を受ける画素と判定された場合には、係数(後述する図8に関する説明、参照)に応じて光量補正値を求め、この光量補正値に応じてLD光量を減少させるようにし、濃度を調整する。
また、図6(b)に示すように、注目画素の近傍(上下、左右)に全く画素が存在しない場合、本例では、注目画素の斜め方向のいずれかに1画素以上の画素が存在する場合であっても、この注目画素は相反則不軌の影響を受けない画素であると判定する。相反則不軌の影響を受けない画素と判定された場合には、光量補正をせず、濃度を調整しない。
ここで、係数に応じた光量補正値を算出する理由について言及する。
注目画素の近傍にデータがある画素が存在している場合、存在する画素数により、相反則不軌による影響の度合いが異なる。従って、この画素数に応じて、最適な濃度調整に必要な光量補正値を求めることが1つの理由である。近傍画素数へ対応する場合、近傍画素数は、最大4であるから、例えば、図7に示すような画素数1〜4に対応して増減する係数値A〜Dを指示するテーブルを予め用意し、入力される画像データに対し、注目画素の近傍画素数を検出する処理回路を通し、得られる画素数によりこのテーブルを参照し、得られる係数を設定して、濃度を調整することにより、最適化を図る。
近傍画素数以外にも、個々のLDや感光体がそれぞれ有する特性に依存して、相反則不軌による影響の度合いが異なる。従って、この特性の違いにも対応して、濃度調整を適正化する必要性が生じる場合がある。この場合にも、特性の違いに対応して係数値を変更し、濃度を調整することにより、最適化を図ることができる。
また、係数の変更による露光量の増減と相反則不軌による濃度むらの関には、次の関係がある。
即ち、上記実施形態のように、1回目と2回目の走査に分けて、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する(図3)場合、先に図5を参照して述べたように、相反則不軌の影響を受ける画像が影響を受けない画像よりも濃くなることが分かっている。
従って、濃い濃度の画素を薄い濃度になるように制御するか、或いは薄い濃度の画素を濃い濃度になるように制御することで濃度ムラを抑制することが可能になる。本実施形態では、濃い濃度の画素を薄い濃度に制御する方法をとるようにするので、テーブル(図7)の画素数1→4に対応するA→Dに向けて、より濃度を薄くする係数値を設定し、光量を制御する。
図8は、濃度補正を可能とした本実施形態に係る走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。
図8のLD点灯回路は、基本的に先に図4により示した点灯回路をベースに近傍画素のデータ有無により濃度補正を行うための光量補正回路を付加し、構成している。従って、以下では、付加された光量補正回路を中心に説明し、先に図4を参照して説明したLDA10の各素子LD0〜3を点灯制御する基本回路部については、[0021]及び[0022]を参照することとし、ここでは記載を省略する。
光量補正回路は、光量補正値算出部16と光量補正部17よりなる。
光量補正部17は、偶数/奇数画素選択回路13からLDドライバ19に出力されるLD0〜3の点灯制御用データを補正する。即ち、駆動するLDの発光量を補正することにより、本実施形態に係る濃度調整を行うために、補正を施した後、LD0〜3点灯制御用データとしてLDドライバ19に入力する。
また、光量補正値算出部16は、光量補正部17がLD0〜3の点灯制御用データの補正に用いる補正値をそれぞれ算出する。ここに、光量補正値算出部16は、画素書込時に4つのLD素子LD0〜3を点灯制御するデータの出力に対応して、補正値を算出し、算出した補正値を光量補正部17に設定する。つまり、点灯制御用データを出力するLD0〜3それぞれの画素位置において、上記した近傍画素のデータ有無により濃度補正を行うための光量補正値を算出し、出力にタイミングを合わせてデータを補正するために補正値を設定する動作を行う。
上記のように、LD0〜3の点灯を制御するデータの光量補正値は、画素ごとに算出されるので、LD0〜3の点灯制御データとして偶数/奇数画素選択回路13に入力される画像データが、同時に光量補正値算出部16にも入力される。この入力データは、図4の点灯回路で説明したように、前段から1画素毎に順次供給されるデータDfr(前ライン画像データ)とDre(後ライン画像データ)の2ライン分のデータをもとに、4つのLD素子LD0〜3を点灯制御するための4ライン分の画素データである。
また、この4ライン分のデータ以外に、注目画素(LD0〜3により点灯が制御される画素)に対する近傍画素のデータの有無を検出(図6、参照)するので、前後1ラインずつを加え、全6ライン分の画素データが光量補正値算出部16への入力となる。
全6ライン中の先頭ラインは、前段から送られてくる前ラインデータDfrを直接入力する。この先頭ラインから最後尾のラインまで順に1ラインずつ遅らせたデータを同時に入力するので、RAM111,121で1ライン、さらにRAM112,122で1ライン、さらにRAM1123で最後尾を1ラインというように、各RAMを設ける。
光量補正回路を構成する光量補正値算出部16及び光量補正部17による点灯制御用データの補正処理のフローを説明する。
図9は、本実施形態の光量補正回路による補正処理のフロー図を示す。
図9に示すフローは、図示しない制御部が発する走査露光の始動指示に従って、処理をスタートさせる。
処理がスタートされると、4マルチビーム隣接露光を副走査2ラインシフトで行う上記した動作例では、点灯回路には、前段からデータDfr(前ライン画像データ)とDre(後ライン画像データ)の2ライン分のデータが1画素毎に順次供給されてくる。先頭ラインから順に6ライン分のデータが同時に入力される状態になったところで、光量補正値算出部16は、各ラインにおいて、主走査方向の画像データとして順次入力されてくる画素データを3画素分保持していく。
2ラインシフトの副走査を行う副走査カウンタ15のカウント値から、偶数/奇数画素選択回路13に入力される画素データが有効画素領域内のデータであることが判断されると、光量補正値算出部16は、補正処理を始める(ステップS101)。
光量補正値算出部16では、補正処理の始めに、注目画素(点灯制御対象の画素)に対する近傍画素のデータの有無を調べ、データがある近傍画素数を検出する(ステップS102)。図6に示した例によって、データがある近傍画素数を検出する場合の処理では、注目画素を中心に、前後3ライン、主走査方向に3画素分保持された画素データをもとに、注目画素に対する上下、左右の近傍画素におけるデータの有無を調べ、データが存在する近傍画素の画素数を検出する。
この検出結果として、注目画素の近傍にデータがある画素が存在しなければ(ステップS102-NO)、補正処理は必要がないので、次の点灯制御対象画素の補正処理に移行する(ステップS105)。
他方、注目画素の近傍にデータがある画素が存在している場合(ステップS102-YES)、存在する画素数を検出する。図6に示した例では、1〜4の近傍画素数を検出結果として得る。
次いで、検出した近傍画素数に基づいて、光量の補正値を求め、光量補正部17に出力する(ステップS103)。1〜4の近傍画素数を検出結果として得た場合、例えば予め備えておいた画素数−係数テーブル(図7)を参照し、得られる係数を点灯制御対象画素の点灯制御用データに対する補正値とする。
光量補正部17は、光量補正値算出部16から入力される光量補正値を偶数/奇数画素選択回路13から出力されるLD0〜3点灯制御用データを補正するために設定し、設定に従い補正された点灯制御用データをLDドライバ19に入力することにより、LDの光量を補正し、目的とする濃度を調整することが可能になる(ステップS104)。
上記ステップS102〜104の補正処理は、偶数/奇数画素選択回路13に入力される画素データが有効画素領域を外れるまで、入力されてくる画素に対して繰り返えされ(ステップS105)、有効画素領域を外れたところで処理フローを終える。
このようにして補正処理を行い、濃度を調整することにより、相反則不軌の影響を受ける画像と受けない画像が混在する場合の濃度むらを抑えることができるだけではなく、本来の画像データが示す濃度を再現させることも可能になる。
「濃度補正(2)」
上記「濃度補正(1)」においては、相反則不軌による濃度むらを抑制する本案の方法による点灯制御(データがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように制御)による副作用がでないように、濃度補正を行っている。ただ、上記の濃度補正では、解像度の違いによって起こり得る濃度変化について考慮していないために、十分に濃度むらを抑えきれない場合がある。
露光面に作成される光源LDA10からのビームスポットの大きさは、発光波長と光源から露光面までに介在する光学素子によって決められ、例えば、600dpiの解像度に相当する画素サイズ(1画素約40μm)に対して、露光面のビームスポットが若干大きくなる要素が採用される。従って、相反則不軌の影響がでやすい。従来技術においては、相反則不軌の影響が副走査方向の継ぎ目に現れる(図16,17、参照)ことから、上記解像度と露光面のビームスポットサイズの関係によって、図10の斜線部に示すように、高濃度部が生じる。
他方、本案の方法では、1回目と2回目の走査に分けて、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替える制御を行うので、主走査に隣り合う画素にも相反則不軌の影響が及ぶ。図11は、本案において、主・副両走査方向の継ぎ目に現れる相反則不軌による高濃度部(斜線部)を示す。
また、本案の点灯制御方法により、ビームスポットのサイズを変えることなく、1200dpiに解像度を上げた場合は、隣り合うビームスポットの重なりがより大きくなって、相反則不軌の影響が強く現れる。図12は、解像度1200dpiとした場合に主・副両走査方向の継ぎ目に現れる相反則不軌による高濃度部(斜線部)を示す。
図12に示すように、ビームスポットを変えることなく、1200dpiに解像度を上げた場合は、相反則不軌の影響が強く現れ、より濃度が高くなる。
そこで、解像度に応じて光量補正を調整する。例えば、先に近傍画素情報から、注目画素に対する光量補正値を求め、求めた補正値により対象(注目)画素を露光するLD光量を調整する方法を示した(上記「濃度補正(1)、参照」が、そこで同時に解像度を考慮した調整を行うことができる。
即ち、近傍画素にデータがあることを条件に、近傍画素数−係数テーブル(図7)により対象(注目)画素に用いる補正係数を得る例を示したが、この方法において、異なる解像度ごとに適正な調整を可能とする補正係数を指示するテーブルを用意し、設定された解像度に応じたテーブルを適用することにより、実施することができる。
このようにして、相反則不軌の影響を受ける画像に対する濃度を解像度に応じて調整することにより、本来の画像データが示す濃度を再現させ、濃度むらの抑制性能をさらに高度化することが可能になる。
「光量変調方式」
上記「濃度補正(1)」及び「濃度補正(2)」において求めた光量補正値によりLDの発光量を実際に制御するための光量変調方式に係る実施形態を以下に示す。
“濃度変調方式”
図13は、濃度変調方式によりLDの発光量を制御可能とした走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。
図13に示すLD点灯回路は、先の図8に示した同回路における光量補正回路17として、濃度変調回路171を備えた点が異なるが、これ以外は、図8と同一の構成を有する。図8と同一構成部分は、先に説明した通りであるから、ここでは説明を省く。
図13のLD点灯回路における濃度変調回路171は、光量補正値算出回路16から入力される光量補正値に基づいて、偶数/奇数画素選択回路13からLDドライバ19に出力されるLD0〜3の点灯制御用データの濃度を変調することで、LDの駆動を制御し、所期の光量で発光させることを可能とする。
“PWM変調(パルス幅変調)方式”
図14は、PWM変調方式によりLDの発光量を制御可能とした走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。
図14に示すLD点灯回路は、先の図8に示した同回路における光量補正回路17として、PWM変調回路172を備えた点が異なるが、これ以外は、図8と同一の構成を有する。図8と同一構成部分は、先に説明した通りであるから、ここでは説明を省く。
図14のLD点灯回路におけるPWM変調回路172は、偶数/奇数画素選択回路13からのLD0〜3の点灯制御用データをもとに、各LDの点灯ON/OFFを制御するパルスをLDドライバ19に出力する際に、光量補正値算出回路16から入力される光量補正値により点灯パルスのデューティを補正することで、LDのON/OFFを制御し、所期の光量で発光させることを可能とする。
“パワー変調方式”
図15は、パワー変調方式によりLDの発光量を制御可能とした走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。
図15に示すLD点灯回路は、先の図8に示した同回路における光量補正値算出回路16からの光量補正値を入力とするパワー変調回路18を備え、光量補正回路17を不要とした点が異なるが、これ以外は、図8と同一の構成を有する。図8と同一構成部分は、先に説明した通りであるから、ここでは説明を省く。
図15のLD点灯回路におけるパワー変調回路18は、光量補正値算出回路16からの光量補正値をもとに、各LDを駆動するためにLDドライバ19に供給する電流等を変化させることにより、駆動パワーを変調することで、LDを所期の光量で発光させることを可能とする。
本発明を電子写真方式の画像形成装置の走査露光装置に実施した形態に係る概略構成を示す。 4素子LD0〜LD3よりなるLDAによるマルチビーム隣接露光方式における露光タイミングを示す。 本発明に係るマルチビーム隣接露光における走査露光プロセスを表す遷移図である。 図3に示したプロセスで走査露光を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。 本発明に係る走査露光方式により画像に生じる副作用を説明する図を示す。 注目画素と近傍画素との間における異なる関係(a),(b)を説明する図である。 近傍画素数1〜4に対応して増減する係数値A〜Dを指示するテーブルを示す。 濃度補正を可能とした本実施形態に係る走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。 光量補正回路(図8)による補正処理のフロー図を示す。 従来技術において、副走査方向の継ぎ目に現れる相反則不軌による高濃度部(斜線部)を示す。 本案において、主・副両走査方向の継ぎ目に現れる相反則不軌による高濃度部(斜線部)を示す。 本案において、解像度1200dpiとした場合に主・副両走査方向の継ぎ目に現れる相反則不軌による高濃度部(斜線部)を示す。 濃度補正(濃度変調による)を可能とした走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。 濃度補正(PWM変調による)を可能とした本実施形態に係る走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。 濃度補正(パワー変調による)を可能とした本実施形態に係る走査露光プロセス(図3、参照)を行うためのLD点灯回路のブロック図を示す。 従来方式で制御される4素子内蔵LDAによる相反則不軌により発生する濃度ムラの1例を説明する概念図である。 従来方式で制御される4素子内蔵LDAによる相反則不軌により発生する濃度ムラの他の例を説明する概念図である。
符号の説明
10・・LDA(レーザ ダイオード アレイ)、
20・・ポリゴンミラー、
30・・感光体、
40・・同期検知センサ、
11,12,111,112,121,122,123・・RAM、
13・・偶数/奇数画素選択回路、
14・・主走査カウンタ、
15・・副走査カウンタ、
16・・光量補正値算出回路、
17・・光量補正回路、
171・・濃度変調回路、
172・・PWM変調回路、
18・・パワー変調回路、
19・・LDドライバ。

Claims (18)

  1. 画像データにより点灯が制御可能な2N個の発光素子を有し、各発光素子から光ビームを出力する発光源と、
    前記発光源から出力される各光ビームを主走査方向に偏向し、周期走査させる主走査手段と、
    前記偏向手段により周期走査される光ビームにより露光される被露光体を該光ビームの主走査方向に交わる方向に変位させる副走査手段と、
    画像データにより制御が可能な前記発光素子の点灯を制御する走査露光制御手段を有する走査露光装置であって、
    前記走査露光制御手段は、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、異なる周期で点灯させる制御を行うことを特徴とする走査露光装置。
  2. 請求項1に記載された光露光装置において、
    前記走査露光制御手段は、Nラインシフトによる周期走査ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替え、近傍画素同士を同一走査で点灯させないように制御することを特徴とする光露光装置。
  3. 請求項1又は2に記載された光露光装置において、
    前記走査露光制御手段は、データがある画素に対し、該画素の近傍画素におけるデータの有無を条件に発光素子の点灯制御に用いるデータ値を補正する光量補正手段を備えたことを特徴とする光露光装置。
  4. 請求項3に記載された光露光装置において、
    前記光量補正手段は、データがある近傍画素数に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とする光露光装置。
  5. 請求項3又は4に記載された光露光装置において、
    前記光量補正手段は、解像度に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とする光露光装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、
    前記光量補正手段が画素濃度データを補正する手段であることを特徴とする光露光装置。
  7. 請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、
    前記光量補正手段が発光素子の点灯をON/OFFするPWM変調データを補正する手段であることを特徴とする光露光装置。
  8. 請求項3乃至5のいずれかに記載された光露光装置において、
    前記光量補正手段が発光素子の発光出力パワーを制御するデータを補正する手段であることを特徴とする光露光装置。
  9. 前記被露光体を感光体とした請求項1乃至8のいずれかに記載された光露光装置と、
    前記感光体に形成された潜像を可視化像として現像する手段と、
    前記可視化像を記録媒体に転写する手段を有した画像形成装置。
  10. コンピュータを請求項1乃至8のいずれかに記載された光露光装置における前記走査露光制御手段として機能させるためのプログラム。
  11. 画像データにより点灯が制御可能な2N個の発光素子から光ビームを出力する光ビーム出力工程と、
    前記光ビーム出力工程で出力された各光ビームを主走査方向に偏向し、周期走査させる走査工程と、
    前記走査工程で周期走査される光ビームにより、該光ビームの主走査方向に交わる方向に変位させる被露光体を照射する露光工程と、
    画像データにより制御が可能な前記発光素子の点灯を制御する走査露光制御工程を行う走査露光方法であって、
    前記走査露光制御工程は、副走査方向にNラインシフトの周期で画像データによる前記発光素子の点灯タイミングを制御し、かつ画像データによる点灯制御の際、それぞれデータがある近傍画素同士を同一走査で点灯させないように、異なる周期で点灯させる制御を行うことを特徴とする走査露光方法。
  12. 請求項11に記載された走査露光方法において、
    前記走査露光制御工程は、Nラインシフトによる周期走査ごとに、主走査及び副走査方向に偶数番目と奇数番目の画素を交互に点灯制御する画素として切替え、近傍画素同士を同一走査で点灯させないように制御することを特徴とする走査露光方法。
  13. 請求項11又は12に記載された走査露光方法において、
    前記走査露光制御工程では、データがある画素に対し、該画素の近傍画素におけるデータの有無を条件に発光素子の点灯制御に用いるデータ値を補正する光量補正工程を行うことを特徴とする走査露光方法。
  14. 請求項13に記載された走査露光方法において、
    前記光量補正工程では、データがある近傍画素数に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とする走査露光方法。
  15. 請求項13又は14に記載された走査露光方法において、
    前記光量補正工程では、解像度に応じて補正値を調整するようにしたことを特徴とする走査露光方法。
  16. 請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、
    前記光量補正工程では、画素濃度データを補正することを特徴とする走査露光方法。
  17. 請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、
    前記光量補正工程では、発光素子の点灯をON/OFFするPWM変調データを補正することを特徴とする走査露光方法。
  18. 請求項13乃至15のいずれかに記載された走査露光方法において、
    前記光量補正工程では、発光素子の発光出力パワーを制御するデータを補正することを特徴とする走査露光方法。
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