JP2007152427A - プレス不良判定方法、プレス不良判定装置及びプレス成形加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレス型の成形部にて被加工素材を成形加工する際に生じるアコースティック・エミッションに基づいて放出される弾性波を検出して電気的信号に変換し、前記弾性波の大きさを電圧値の経時変化として表したAE波形を得て、前記AE波形の積分値であるAEエネルギー値を算出するステップ1と、前記AEエネルギー値と予め設定された基準値とを比較演算した結果に基づいて、AEエネルギー異常の有無を判定するステップ2と、前記ステップ2において、AEエネルギー異常有りと判定された場合に、被加工素材の端部の変位を検出して前記成形部への素材流入量を計測するステップ3と、前記素材流入量と予め設定された基準値とを比較演算した結果に基づいて、プレス不良の有無を判定するステップ4とを備える。
【選択図】図3
Description
プレス成形加工は、一秒に数枚程度の処理速度で行われるため、この非常に短い加工時間の現象を正確に捉えることは非常に難しく、不具合が発生したときに、どのような不具合が、何を原因として発生したのかという情報を、瞬時に得ることは難しい。
特に、成形加工時に被加工素材に割れが発生すると、通常よりも高レベルのエネルギーが放出される。よって、成形加工時にAE波を検出することによって、被加工素材の割れを検出することが可能である。
しかし、上記AEセンサを用いた被加工素材の割れの検出は、比較的小さく形状の単純な製品を成形加工する際には容易に適用することができるが、特に、車輌部品など、巨大な製品においては、被加工素材である鋼板が大きく、また、製品形状が複雑であるため、割れ検出のために取得したAEセンサの検出信号の評価や解析が難しく、実用化が困難となっていた。
そして、完全な良品と、プレス不良可能性の高い部品とを識別することができるので、大幅な検査工数の削減が可能となり、検査員の見落としによる、プレス不良製品の流出防止を実現できる。
また、被加工素材の端部の変位の検出は、AEエネルギー値の異常を検出したときのみ行われるので、測定データ量を無用に増大させることなく、効率的なプレス不良の検出を行うことができる。
さらに、素材流入量の変化に起因するAEエネルギーの増大によっては判断することのできない、異物混入やプレス成形加工装置自体の異常などの突発的なプレス不良を検出することができる。
本発明は、成形加工時に発生するアコースティック・エミッションを利用して、割れやくびれ等のプレス不良を成形加工時に検出する技術である。
そこで、以下に示す実施例では、プレス不良検出方法と、この方法を実施するプレス成形加工装置について説明する。また、プレス不良を検出した場合に、そのプレス不良を特定する方法についても説明する。
そして、このAEにより生じる弾性波を『AE波』と記載する。
図1は本発明の実施例1に係るプレス成形加工装置の全体的な構成を示す図、図2はプレス成形加工装置の制御ブロック図、図3はプレス成形加工装置における成形加工の流れ図である。図4は計測されるAE波形を説明する図、図5は計測されるAE波形の一例を示す図、図6はAEエネルギーにより良品とグレー品とを識別した例を示す図、図17は被加工素材とプレス品の一例を示す図である。
前記ポンチ22は、球頭形状の成形工具であり、ポンチホルダ25に保持され、ダイス20に対して離接する方向に移動することができる。
油圧シリンダ41にて伸縮駆動されるシリンダロッド42の端部には、押出棒44を備えた押出板43が固設される。押出棒44はポンチホルダ25に遊挿されており、該押出棒44の押出板43側端部と反対側の端部には押圧板24が固設される。さらに、押出棒44のポンチホルダ25と押圧板24との間にはバネ45が外嵌される。
また、シリンダロッド42の伸長に伴って、前記押出板43によってポンチホルダ25が押し出され、ポンチ22がダイス20に対して近接する方向に移動する。
なお、ポンチ22と押圧板24とは略同時に被加工素材9に当接するが、押出棒44に外嵌されたバネ45により、押圧板24とダイス20との間で被加工素材9が挟持されたのちは、ポンチ22のみがダイス20に近接する方向に移動して、被加工素材9を型押しする。
前記ポンチホルダ25は、ダイス20とポンチ22により画成されるプレス成形部を包囲する形状に形成され、該ポンチホルダ25にAEセンサ31が取り付けられる。
このAEセンサ31では、前記プレス成形部にて被加工素材9が成形される際に発生するAE波が、検出される。
前記AE計測手段35では、アンプによる信号増幅処理や、ノイズ除去のためのフィルタ処理などが施されて、検出されたAE波が電気的信号に変換され、AE波の大きさの経時変化を電圧値の経時変化として表したアコースティック・エミッション波形(以下、『AE波形』と記載する)を得ることができる。図4では、AE波形の一例を示している。
さらに、AE計測手段35では、このAE波形の積分値であるアコースティック・エミッションエネルギー(以下、『AEエネルギー』と記載する)が算出される。
また、前記押圧板24には、変位センサ32が設けられる。該変位センサ32は本実施例においてレーザー変位計であり、押圧板24とダイス20とにより挟持される被加工素材9の端部9aの位置(変位)を検出するためのものである。
なお、本実施例において、変位センサ32として、レーザー変位計を採用しているが、他に、超音波変位計など各種非接触式変位計や、被加工素材9の端部9aに検出体を連結して該検出体の移動を検出する接触式変位計や、被加工素材9の端部9aを撮像して位置を検出するカメラなどの撮像手段及び画像処理手段など、被加工素材9の端部9aの位置を検出することのできる各種手段を採用することができる。
また、前記変位センサ32は、被加工素材9の複数箇所の端部9aの変位を検出するように配置される。但し、特に、割れの危険性が大きい部位が判明している場合は、その部位周辺の端部9aの変位を検出するように、単数又は複数の変位センサ32を設けることもできる。
前記素材流入量計測手段37では、変位センサ32の検出信号に、アンプによる信号増幅処理や、ノイズ除去のためのフィルタ処理などが施されたうえで、素材流入量として被加工素材9の端部9aの変位が算出される。
前記演算制御装置28には、制御手段46と、エネルギー異常判定手段47と、波形異常判定手段48と、素材流入量良否判定手段38とが、具備される。なお、本実施例において、演算制御装置28では上記各手段を一体的に備えるように構成しているが、各手段を別個独立した構成とすることもできる。
エネルギー異常判定手段47では、AEエネルギー値が基準値よりも大きな値である場合に、[AEエネルギー異常有り]と判定し、それ以外の場合には[AEエネルギー異常無し]と判定する。
波形異常判定手段48では、異常波形が存在した場合には、[プレス不良有り]と判定し、それ以外の場合には[プレス不良無し]と判定する。
このように、AEセンサ31にて突発的に大きな計測値が得られることは、異物混入やプレス成形加工装置10自体の異常など、素材流入量だけでは判断できない異常が発生していることを意味し、プレス不良が発生している可能性が極めて高い。
素材流入量良否判定手段38では、素材流入量が基準値よりも大きな値である場合には、[プレス不良有り]と判定し、それ以外の場合には[プレス不良無し]と判定する。
制御手段46は、成形加工時にAE計測手段35を作動させ、[AEエネルギー異常有り]の判定を受けて、素材流入量計測手段37を作動させる。
また、制御手段46は、[プレス不良有り]の判定を受けて、プレス成形加工装置10の油圧シリンダ41を制御する油圧制御部41aに動作停止信号を送信するとともに、警報手段39を作動させる。これにより、プレス不良が発生すると、直ちに、プレス成形加工装置10の加工動作が停止し、また、プレス不良が発生したことを作業者が知ることができる。
ここで、上記プレス成形加工装置10を用いて本発明の実施例に係るプレス不良検出方法を実施する、プレス成形加工の流れについて説明する。
そこで、本発明に係るプレス不良検出方法では、この現象に着目して、以下に示すように、二段階に分けて素材流入量の異常を検出し、プレス不良発生の有無を判定するものである。
この現象を利用して、上記プレス成形加工装置10では、第一段階として、AEエネルギーの値に基づいて、AEエネルギーの異常を検出する。
この現象を利用して、上記プレス成形加工装置10では、二段階目として、被加工素材9の端部9aの変位の値に基づいて素材流入量の多少を判断し、割れ、くびれ又は減肉によるプレス不良を検出する。
この加工動作の開始と略同時に、演算制御装置28の制御手段46は、AE波形及びAEエネルギー値の計測を開始させるように(S2)、AEセンサ31及びAE計測手段35を動作させる。AE波形及びAEエネルギー値の計測は、プレス成形加工装置10の成形加工動作中継続される。
そして、演算制御装置28の制御手段46は、プレス成形加工装置10によるプレス加工動作が終了すれば(S13)、AEエネルギー値の計測を終了し(S14)、AE波形を記録したのち(S15)、次の被加工素材9の加工動作の制御を開始する(S16)。
このように、プレス成形部への素材流入量を、AEエネルギー値と被加工素材9の端部9aの変位の、双方の値に基づいて総合的に評価することによって、プレス不良の判定を行うので、より精度の高いプレス不良の検出を行うことができる。
さらに、変位センサ32による被加工素材9の端部9aの変位の検出は、AEエネルギーの異常を検出したときのみ行われるので、測定データ量を無用に増大させることなく、効率的なプレス不良の検出を行うことができる。
これにより、素材流入量の変化に起因するAEエネルギーの増大によっては判断することのできない、異物混入やプレス成形加工装置自体の異常などの突発的なプレス不良を検出することができる。
例えば、図6に示す、成形加工時に検出されたAEエネルギーと加工時間との関係を示す図表から分かるように、検出されたAEエネルギーの値によって、完全な良品と、プレス不良可能性の高い製品(グレー品)とを、区分することができる。この場合、完全な良品は、次工程以降の検査をする必要が無く、検査工数の削減を行うことができる。また、同図から、加工時間が所定範囲内にある場合に、プレス不良可能性の高い製品が発生する確立が高いことも分かる。
また、成形加工時の、AEエネルギー値と素材流入量との関係や、突発的なAE波形の変化などの情報から、割れの真因を究明するために、割れない製造要件、管理要件に関する知見を得ることが可能となる。
図7はプレス不良の検出からプレス不良の特定の流れを説明する図、図8は割れ検出システムの構成図、図9は割れ検出システムの制御ブロック図、図10は割れ検出方法の流れ図、図11はくびれ検査システムの構成図、図12はくびれ検査システムの制御ブロック図、図13はくびれ検出方法の流れ図である。
図7に示すように、上記実施例1に従って、プレス成形加工におけるプレス不良の検出が行われる(S51)。これにより、プレス不良の可能性が殆どない完全な良品であって[プレス不良なし]と判定された場合は(S52)、プレス不良のないプレス品であるとされる(S58)。
一方、プレス不良が検出されて[プレス不良有り]と判定されたプレス品に対しては(S52)、先ず、後述する割れ検出方法にて割れの検出が行われる(S53)。プレス品に割れが検出されれば(S54)、当該プレス品のプレス異常は割れであると特定される(S59)。
そして、プレス品にくびれが検出されない場合は(S56)、プレス不良が割れ又はくびれ以外であると特定され(S57)、該当するプレス品に対して、更に、作業者によるプレス品の目視検査や肉厚測定等が行われ、プレス異常の原因の究明が行われる。
また、上述のように、プレス不良がその他と特定されたプレス品に対して、作業者による目視検査や肉厚測定等を行ってプレス不良を特定し、上記実施例1に記載のプレス不良検出方法において記録されたAE波形等の情報を良品のものと比較することによって、プレス不良が発生しない加工条件や管理要件について知見を得ることができる。
続いて、上記割れ検出方法について説明する。
この割れ検出方法は、プレス品の一方の面に投光された検査光が、該プレス品の他方の面側に透過したことを検出することによって、割れを検出するものである。割れが検出されれば、プレス不良を割れと特定することができる。
上記割れ検出方法を行うために、割れ検査システム68が用いられる。
前記プレス品9Aの検査範囲D1の一方の面に投光された検査光は、該検査範囲D1に割れが生じている場合には、当該割れを通じて、他方の面へ透過する。検査システム68では、このようにプレス品9Aを透過した検査光の有無を検出することによって、プレス品9Aの割れを検出する。
本実施例においては、上記演算処理装置90は、制御手段91、演算手段92及及び記憶手段93として機能するCPU61や、入力手段94としてのキーボード62や、出力手段95としてのモニタ63等で成る汎用コンピュータ60にて構成され、該汎用コンピュータ60には画像取込手段98としてキャプチャーボード等が備えられる。
但し、演算処理装置90は、制御手段91、演算手段92、記憶手段93を少なくとも備えた専用の電子計算機にて構成することもできる。
また、前記演算手段92には、検査範囲D1の画像においてプレス品9Aを透過した検査光が検出されるか否かに基づいて、プレス品9Aの割れの有無を判定する判定部92bが具備され、演算処理装置90はプレス品9Aの割れの有無を判定する判定手段として機能する。
続いて、前記演算手段92の判定部92bでは、検査範囲D1の画像に、予め設定された基準輝度以上に明るい部位が存在するか否か、すなわち、輝度異常が存在するか否かの比較演算が行われる(S63)。
上述のように割れが検出されれば、警報手段97を作動させてプレス品9Aの割れの検出が報知するとともに(S66)、出力手段95にて割れが検出されたことを出力するように(S68)、制御手段91より制御信号が送信される。
上述のように割れが検出されなければ、出力手段95にて割れが検出されないことを出力するように、制御手段91より制御信号が送信される。
例えば、照明装置71にて投光される検査光の波長を特定の波長域にある光とし、撮像装置72として当該特定の波長の光を検出するためのフィルタを備えた撮像手段を採用することによって、前記判定部92bでは、検査範囲D1の画像に光が存在するか否かの比較演算を行い、光が存在する場合に、プレス品9Aを検査光が透過し、該プレス品9Aに割れが有ると判定することができる。特にこの場合は、外乱要因となる照明等の波長域と異なる波長域の光を検査光とすることによって、照明等の影響を受けることなく確実に透過光の存在の有無を判断できる。
続いて、前記くびれ検出方法について説明する。
このくびれ検出方法は、プレス品9Aの所定範囲を加熱して、当該所定範囲Aの冷却過程における温度変化を検出し、該温度変化が所定の基準値よりも大きい場合に、プレス不良がくびれであると特定するものである。
上記くびれ検出方法を行うために、くびれ検査システム69が用いられる。
なお、前記加熱手段73はフラッシュライトに限定されるものではなく、検査範囲D2の温度を上昇させることのできる手段であれば、例えば、電気ヒータ等であってもかまわない。
なお、本実施例においては、加熱手段73と赤外線検出手段74とは、何れもプレス品9Aの一方の面側に配置されているが、加熱手段73を一方の面側に、赤外線検出手段74を他方の面側に配置することもできる。但し、加熱手段73にて加熱されたプレス品9Aの表面の温度変化を効率的に捉える点で前者の方が望ましい。
この赤外線放射温度計78にて得られた赤外線熱画像は、演算処理装置80に具備される画像取込手段88にて、該演算処理装置80に取得される。
本実施例においては、上記演算処理装置80は、制御手段81、演算手段82及及び記憶手段83として機能するCPU61や、入力手段84としてのキーボード62や、出力手段85としてのモニタ63等で成る汎用コンピュータ60にて構成され、該汎用コンピュータ60には画像取込手段88としてキャプチャーボードが備えられる。
但し、演算処理装置80は、制御手段81、演算手段82、記憶手段83を少なくとも備えた専用の電子計算機にて構成することもできる。
また、前記演算手段82には、温度変化算出部82aで算出された温度変化と、予め設定された基準値とを比較して、プレス品9Aのくびれの有無を判定する判定部82bが具備され、演算処理装置80はプレス品9Aのくびれの有無を判定する判定手段として機能する。
本実施例の場合、加熱手段73はフラッシュライトであるので、該フラッシュライトが瞬間的に発光することによって、瞬時に検査範囲D2が加熱される。
なお、プレス品9Aに、くびれが生じている場合には、当該くびれが生じている部分が他よりも著しく肉厚が薄いので、他よりも著しく早く温度が低下する。よって、第一検出信号取得時と、第二検出信号取得時との、検査範囲D2の各部位の温度変化が、他と比較して著しく大きい部分があれば、くびれが生じている可能性が高いと考えることができる。
上述のように割れが検出されれば、警報手段87を動作させてプレス品9Aのくびれの検出を報知するとともに(S39)、出力手段85にて割れが検出されたことを出力するように(S41)、制御手段81より制御信号が送信される。
上述のようにくびれが検出されなければ、出力手段85にてくびれが検出されないことを出力するように(S41)、制御手段81より制御信号が送信される。
図14は本発明の実施例3に係るプレス成形加工装置の全体的な構成を示す図、図15は弾性波伝達機構の拡大図、図16は別形態の弾性波伝達機構を備えたプレス成形加工装置を示す図である。
なお、上記プレス成形加工装置10の各構成要素の構造は、前述の実施例1に記載のものとほぼ同一であるので、詳細な説明は省略する。
弾性波伝達機構50は、プレス型内部に形成された伝達空間51と、該伝達空間51内に配設された弾性波伝達部材52(ウェーブガイド)とで構成される。該弾性波伝達部材52は、前記AEセンサ31と前記被加工素材9との双方に少なくとも一部で接触し、プレス型の内部に該プレス型と直接接触しないように挿通したものである。
また、前記弾性波伝達部材52の他方の端面は、ポンチ22の成形面以外の部分に開口している伝達孔54の開口端よりポンチ22の外部へ導出され、ここにAEセンサ31が着脱可能に接続される。AEセンサ31が弾性波伝達部材52に着脱可能に構成されることで、プレス型を交換しても同一のAEセンサ31を接続することができる。
この防振部材53の形状によれば、該防振部材53にて安定して弾性波伝達部材52が支持され、また、弾性波伝達部材52を伝わるAEエネルギーの損失の抑制を図ることができる。
9A プレス品
10 プレス成形加工装置
20 ダイス
22 ポンチ
24 押圧板
25 ポンチホルダ
28 演算制御装置
31 AEセンサ
32 変位センサ
40 駆動装置
Claims (10)
- プレス型の成形部にて被加工素材を成形加工する際に生じるアコースティック・エミッションに基づいて放出される弾性波を検出して電気的信号に変換し、前記弾性波の大きさを電圧値の経時変化として表したAE波形を得て、該AE波形の積分値であるAEエネルギー値を算出するステップ1と、
前記AEエネルギー値と予め設定された基準値とを比較演算した結果に基づいて、AEエネルギー異常の有無を判定するステップ2と、
前記ステップ2において、AEエネルギー異常有りと判定された場合に、
被加工素材の端部の変位を検出して前記成形部への素材流入量を計測するステップ3と、
前記素材流入量と予め設定された基準値とを比較演算した結果に基づいて、プレス不良の有無を判定するステップ4とを、
備えたプレス不良検出方法。 - 前記プレス不良検出方法において、
AEエネルギー異常無しと判定された場合に、前記AE波形における異常波形を検出し、該異常波形の有無に基づいて、プレス不良の有無を判定することを特徴とする、請求項1に記載のプレス不良検出方法。 - 前記プレス不良検出方法において、
プレス不良有りと判定された場合に、前記被加工素材が成形されて成るプレス品の一方の面に検査光を投光し、他方の面へ透過する前記検査光を検出して、
プレス品の割れを検出することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプレス不良検出方法。 - 前記プレス不良検出方法において、
プレス不良有りと判定された場合に、前記被加工素材が成形されて成るプレス品の所定範囲を加熱し、当該所定範囲の冷却過程における温度変化を検出し、この温度変化と所定の基準値とを比較演算した結果に基づいて、
プレス品のくびれを検出することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプレス不良検出方法。 - プレス不良を検出するためのプレス不良検出装置であって、
プレス型の成形部にて被加工素材を成形加工する際に生じるアコースティック・エミッションに基づいて放出される弾性波を検出するAEセンサと、
前記弾性波を電気的信号に変換し、該弾性波の大きさを電圧値の経時変化として表したAE波形を得て、該AE波形の積分値であるAEエネルギー値を算出するAE計測手段と、
前記AEエネルギー値と予め設定された基準値との比較演算結果に基づいて、AEエネルギー異常の有無を判定するエネルギー異常判定手段と、
前記エネルギー異常判定手段にてAEエネルギー異常有りと判定された場合に、成形加工中の被加工素材の端部の変位を検出する変位センサと、
前記変位センサの検出信号に基づいて前記成形部への素材流入量を計測する素材流入量計測手段と、
前記素材流入量と予め設定された基準値との比較演算結果に基づいて、プレス不良発生の有無を判定する判定手段とを、
備えることを特徴とするプレス不良検出装置。 - 前記プレス不良検出装置に、
前記AE波形における異常波形を検出し、該異常波形の有無に基づいて、プレス不良発生の有無を判定する波形異常判定手段を、
さらに備えることを特徴とする、請求項5に記載のプレス不良検出装置 - 前記プレス不良検出装置に、
前記AEセンサと前記被加工素材との双方に少なくとも一部で接触する弾性波伝達部材を備え、該弾性波伝達部材をプレス型の内部に該プレス型と直接接触しないように挿通させることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のプレス不良検出装置。 - 前記弾性波伝達部材は、AEセンサに接触する面積よりも、被加工素材に接触する面積が大きくなるように、該被加工素材との接触面に向かって拡がる断面形状を有することを特徴とする、請求項7に記載のプレス不良検出装置。
- 前記弾性波伝達部材を、プレス型に防振部材を介して固定し、
前記防振部材は、プレス型に接触する面積に対して、弾性波伝達部材に接触する面積が小さくなるように、略円錐形、略円錐台形、略角錐形又は略角錐台形のいずれかの形状を有することを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載のプレス不良検出装置。 - 請求項5〜請求項9の何れか一項に記載のプレス不良検出装置を備えた、プレス成形加工装置。
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