JP2007152233A - フィルタ - Google Patents

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Tetsuya Kuno
哲也 久野
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    • F16H57/00General details of gearing
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    • F16H57/0402Cleaning of lubricants, e.g. filters or magnets

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Abstract

【課題】 濾過効率を向上させ得ると共に厚さ方向の小型化を図ることができるフィルタを提供する。
【解決手段】 本フィルタ1Aは、互いに突き合されて濾過室Sを形成する、流入口5を有する第1ケース部材2及び流出口6を有する第2ケース部材3と、濾過室内に収容されるフィルタエレメント4と、を備え、第1ケース部材及び第2ケース部材のうちの少なくとも一方のケース部材2の内表面側には、濾過室内で濾過前の流体をフィルタエレメントの平面方向に分散させるための突起部8が設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルタに関し、さらに詳しくは、濾過効率を向上させ得ると共に厚さ方向の小型化を図ることができるフィルタに関する。
従来より、自動変速機用のオイルフィルタとして、第1ケース部材及び第2ケース部材を突き合わせて形成される濾過室内に、フィルタエレメントを収納してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、割り片5,6(ケース部材)の内表面側に、流出口6aを中心として放射状に延びる起立壁12,13を設けることが開示されている。
しかし、上記特許文献1では、流入口5aから流入されるオイルが起立壁12,13によって流出口6aに向って収束するように案内されるので、オイルは、主に流入口5a及び流出口6aを結ぶ直線付近の濾材9で集中的に濾過されることとなり、濾材表面のオイル濾過部が限定されてしまい濾過効率が悪いといった問題があった。
そこで、上記問題を解決するために、濾材表面とケース部材の内表面との隙間を広くしてオイルを流れ易くすることが考えられるが、この場合、フィルタ全体が厚み方向に大型化してしまうといった問題があった。
特開2004−353783号公報
以上より本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、濾過効率を向上させ得ると共に厚さ方向の小型化を図ることができるフィルタを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.互いに突き合されて濾過室を形成する、流入口を有する第1ケース部材及び流出口を有する第2ケース部材と、
前記濾過室内に収容されるフィルタエレメントと、を備え、
前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材のうちの少なくとも一方のケース部材の内表面側には、前記濾過室内で濾過前の流体を前記フィルタエレメントの平面方向に分散させるための突起部が設けられていることを特徴とするフィルタ。
2.前記突起部は、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材のうちの少なくとも前記第1ケース部材に設けられている上記1.記載のフィルタ。
3.前記突起部は、前記一方のケース部材の平面視にて前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線上に配設されている上記1.又は2.に記載のフィルタ。
4.前記突起部は、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の近傍に配設されている上記3.記載のフィルタ。
5.前記突起部は、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の開口幅より大きな横幅(w2)を有している上記3.又は4.に記載のフィルタ。
6.前記突起部には、前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線方向に沿って延びる案内溝及び/又は案内片が設けられている上記1.乃至5.のいずれか一項に記載のフィルタ。
7.前記突起部には、前記流入口又は前記流出口から放射状に延びる複数の案内溝及び/又は案内片が設けられている上記1.乃至5.のいずれか一項に記載のフィルタ。
8.前記突起部は、塊状又は板状を有している上記1.乃至7.のいずれか一項に記載のフィルタ。
9.前記フィルタエレメントはひだ折り状に形成されており、前記突起部の突起端側が該フィルタエレメントの谷部に挿入されている上記1.乃至8.のいずれか一項に記載のフィルタ。
本発明のフィルタによると、少なくとも一方のケース部材の内表面側に設けられた突起部によって、濾過室内で濾過前の流体がフィルタエレメントの平面方向に分散されてフィルタエレメントの全面域で略均等に濾過される。これにより、フィルタエレメントの表面とケース部材の内表面との隙間を比較的小さくしてフィルタの厚さ方向の小型化を図っても、効率良く濾過することができる。
また、前記突起部が、少なくとも前記第1ケース部材に設けられている場合は、濾過前の流体が第1ケース部材の突起部によって直接的に分散されてフィルタエレメントの全面域で更に均等に濾過される。
また、前記突起部が、前記一方のケース部材の平面視にて前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線上に配設されている場合は、流体をより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、前記突起部が、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の近傍に配設されている場合は、流体をより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、前記突起部が、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の開口幅より大きな横幅を有している場合は、流体をより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、前記突起部に、前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線方向に沿って延びる案内溝及び/又は案内片が設けられている場合は、案内溝及び/又は案内片によって流体の一部が直線方向に案内され、流体をより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、前記突起部に、前記流入口又は前記流出口から放射状に延びる複数の案内溝及び/又は案内片が設けられている場合は、案内溝及び/又は案内片によって流体の一部が放射状に案内され、流体をより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、前記突起部が、塊状又は板状を有している場合は、各種の特定形状の突起部によって流体をより好適に分散できる。
また、前記フィルタエレメントがひだ折り状に形成されており、前記突起部の突起端側が該フィルタエレメントの谷部に挿入されている場合は、突起部によって、流体を分散させ得ると共に流体圧力によるフィルタエレメントの座屈、変形等を抑制できる。
フィルタ
本実施形態に係るフィルタは、以下に述べる第1ケース部材、第2ケース部材及びフィルタエレメントを備えている。
上記「第1ケース部材」及び「第2ケース部材」は、互いに突き合されて濾過室を形成し得る限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。この第1ケース部材は流出口を有しており、第2ケース部材は流出口を有している。また、第1ケース部材及び第2ケース部材の形状としては、例えば、皿状、椀状、平板状等を挙げることができる。
なお、上記第1ケース部材及び第2ケース部材のうちの一方のケース部材がレーザ透過性を有し、他方のケース部材がレーザ吸収性を有することができる。
上記第1ケース部材及び第2ケース部材のうちの少なくとも一方のケース部材の内表面側には1又は2以上の突起部が設けられている。流体の分散性といった観点から、突起部が少なくとも第1ケース部材に設けられていることが好ましい。
なお、上記流出口を有する第2ケース部材に突起部が設けられている場合、その突起部によって濾過室内でフィルタエレメントによる濾過後の流体が直接的にフィルタエレメントの平面方向に分散され、その濾過後の流体の分散によって濾過前の流体が間接的にフィルタエレメントの平面方向に分散されてその濾過面積が広げられることとなる。
上記「突起部」は、濾過室内で濾過前の流体をフィルタエレメントの平面方向に分散させ得る限り、その形状、大きさ、配設形態等は特に問わない。この突起部の配設形態(位置、個数等)、突起高さ(h)、縦幅(w1)、横幅(w2)、フィルタエレメント表面との隙間(l)等を適宜選択することによって分散効果が調整されることとなる(図2及び3等参照)。
上記突起部は、例えば、一方のケース部材の平面視にて流入口及び流出口を結ぶ直線上に配設されていることができる。この場合、上記突起部が、一方のケース部材の流入口又は流出口の近傍に少なくとも配設されていることが好ましい。特に、上記突起部が、一方のケース部材の流入口又は流出口の開口幅より大きな横幅(w2;流入口及び流出口を結ぶ直線と直交する方向の幅)を有することが好ましい。
上記突起部は、例えば、一方のケース部材の平面視にて流入口及び流出口を結ぶ直線上に沿って所定間隔で複数配設されていることができる。これにより、フィルタエレメントの濾過面積が大きな場合でも良好な流体の分散性を発揮できる。
上記突起部の突起端側には、例えば、流入口及び流出口を結ぶ直線方向に沿って延びる案内溝及(10)び/又は案内片を設けることができる(図2等参照)。この案内溝及び案内片の形状、大きさ、個数等は特に問わず、流体の分散効果に応じて適宜選択できる。
上記突起部の突起端側には、例えば、流入口又は流出口から放射状に延びる複数の案内溝(15)及び/又は案内片(19)を設けることができる(図9及び12等参照)。この案内溝及び案内片の形状、大きさ、個数等は特に問わず、流体の分散効果に応じて適宜選択できる。
上記突起部の形状としては、例えば、塊状、板状、異形状等を挙げることができる。この塊状の突起部の横断面形状としては、例えば、多角形状、矩形状、円形状、楕円形状等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、塊状の縦断面形状としては、例えば、多角形状、矩形状、半円形状、半楕円形状等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、板状の突起部の横断面形状としては、例えば、棒状、V字状、L字状等を挙げることができる。さらに、上記突起部の隅角側には、例えば、R等の面取りを施すことができる。
上記「フィルタエレメント」(以下、単に「エレメント」とも記載する。)は、上記濾過室内に収容される限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。このエレメントの形状としては、例えば、ひだ折り状、シート状、波状等を挙げることができる。ひだ折り状のエレメントとしては、例えば、(1)多数のひだ折り状部を有するエレメント本体からなる形態、(2)多数のひだ折状部を有するエレメント本体と、このエレメント本体を保持する保持枠とからなる形態等を挙げることができる。また、上記エレメントの材質としては、例えば、不織布、織物、紙等を挙げることができる。なお、上記エレメントは、例えば、レーザ透過性を有していてもよいし、レーザ吸収性を有していてもよい。
上記フィルタエレメントがひだ折り状に形成されている場合、例えば、上記突起部の突起端側をフィルタエレメントの谷部に挿入させることができる(図8参照)。
上記フィルタエレメントがひだ折り状に形成されている場合、例えば、上記第1及び第2ケース部材の各突合せ端部には、フィルタエレメントの周縁部のひだ折り状部(4a)を上下方向から挟持するくし歯状部(20)を設けることができる(図15等参照)。これにより、フィルタエレメントの座屈、変形等をより確実に抑制できる。この場合、一方のケース部材がレーザ吸収性樹脂からなり、その一方のケース部材のくし歯状部とフィルタエレメントとの間に、レーザ光によるエレメント用溶着部を設けることが好ましい。このエレメント用溶着部によって一方のケース部材とフィルタエレメントとが強固に溶着され、フィルタ使用時に濾過室内に過大な内圧がかかってもフィルタエレメントが第1及び第2ケース部材の間から抜けてしまうことを抑制できるためである。
ここで、例えば、上記フィルタエレメントは、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材のそれぞれの突合せ端部の間に挟持されており、レーザ吸収性樹脂からなる一方のケース部材(第1ケース部材又は第2ケース部材)の突合せ端部と前記フィルタエレメントとの接触部にはレーザ光によるエレメント用溶着部(W1)を設けることができる(図17参照)。これにより、エレメント用溶着部によって一方のケース部材とフィルタエレメントとが強固に溶着され、フィルタ使用時に濾過室内に過大な内圧がかかってもフィルタエレメントが第1及び第2ケース部材の間から抜けてしまうことを抑制できる。また、上記エレメント用溶着部は、濾過室から外方に十分に離れて配設されており、レーザ光の出力等によってエレメント用溶着部の付近で溶着バリ等の異物が発生しても、その異物が、一方のケース部材及びフィルタエレメントの当接面間を通って濾過室内に侵入することを抑制できる。
上記エレメント用溶着部(W1)を設ける場合、例えば、レーザ吸収性樹脂からなる一方のケース部材(第1ケース部材又は第2ケース部材)の前記フィルタエレメントの外端部と接触する表面側には切欠部(21)が設けられており、該切欠部の空間内には前記フィルタエレメントの外端部の一部(4b)が配設されており、少なくとも該フィルタエレメントの外端部の一部は、レーザ光による上記エレメント用溶着部(W1)を構成していることができる(図17参照)。これにより、フィルタ使用時に濾過室内に過大な内圧がかかっても、そのエレメント用溶着部を構成するフィルタエレメントの外端部がケース部材の角部に引っ掛って、フィルタエレメントの抜けをより確実に抑制できる。
上記エレメント用溶着部(W1)を設ける場合、例えば、レーザ透過性樹脂からなる他方のケース部材(第2ケース部材又は第1ケース部材)は、突合せ方向に沿って延び且つレーザ吸収性樹脂からなる一方のケース部材(第1ケース部材又は第2ケース部材)の突合せ端部に当接する外壁部(22)を有しており、前記外壁部と一方のケース部材の突合せ端部との当接部にはレーザ光によるケース用溶着部(W2)を設けることができる(図18参照)。これにより、エレメント用溶着部によって第2ケース部材及びフィルタエレメントが溶着されると共に、ケース用溶着部によって第1ケース部材及び第2ケース部材が溶着される。従って、第1ケース部材、第2ケース部材及びフィルタエレメントの3部材を強固に一体化できる。
以下、図面を用いて実施例1〜4により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例1〜4では、本発明に係る「フィルタ」として、車両の自動変速機用オイルフィルタを例示する。
(実施例1)
本実施例1に係るフィルタ1Aは、図1に示すように、互いに突き合されて濾過室Sを形成する矩形皿状の樹脂製の上部ケース部材2(本発明に係る「第1ケース部材」として例示する。)及び下部ケース部材3(本発明に係る「第2ケース部材」として例示する。)と、これら各ケース部材2,3の間に挟持されるひだ折り状のフィルタエレメント4(以下、単に「エレメント」とも記載する。)と、を備えている。この上部ケース部材2には、図2に示すように、汚染されたオイルの流入口5が形成され、下部ケース部材3には、エレメント4により濾過されたオイルの流出口6が形成されている。
尚、本フィルタの車両搭載時には、流入口5が下側、流出口6が上側に配設され、図示しないポンプによりオイルが流出口6から吸い上げられる。
上部及び下部ケース部材2,3の各内表面側には、図2に示すように、濾過室S内で濾過前のオイルをエレメント4の平面方向に分散させるための角塊状の凸状部8,9(本発明に係る「突起部」として例示する。)が設けられている。この凸状部8は、図3に示すように、上部ケース部材2の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上において流入口5の近傍に配設されている。また、上記凸状部9は、図4に示すように、下部ケース部材3の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上において流出口6の近傍に配設されている。これら各凸状部8,9の配設部位は、エレメント4に対する流入オイルの圧力が他の部位に比べて高い位置である。
上記各凸状部8,9の横幅w2は、流入口5又は流出口6の開口幅より大きな値に設定されている(図3及び4参照)。また、各凸状部8,9の突起端側には、流入口5又は流出口6を結ぶ直線方向に沿って延びる複数(図中2本)の案内溝10が形成されている。
次に、上記実施例1に係るフィルタ1Aの作用について説明する。
流入口5からフィルタ1A内に流入されるオイルは、その大部分が凸状部8によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内溝10を介して直線方向に案内される。その結果、流入されるオイルはエレメント4の全面域に対して略均等に行き渡りエレメント4で濾過される。そして、濾過後のオイルは、その大部分が凸状部9によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内溝10を介して直線方向に案内され、流出口6から流出されることとなる。
なお、上記凸状部8,9の配設形態(位置、個数等)、高さh、縦幅w1、横幅w2、フィルタエレメント表面との隙間l等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる(図2〜4参照)。また、上記案内溝10の配設形態(位置、個数等)、溝深さ、幅、長さ等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる。
(実施例2)
次に、本実施例2に係るフィルタ1Bについて説明する。
なお、本実施例2のフィルタ1Bにおいて、上記実施例1のフィルタ1Aと同じ構成部位には同符号を付け詳説は省略する。
上記フィルタ1Bでは、図5に示すように、上部及び下部ケース部材2,3の各内表面側には、濾過室S内で濾過前のオイルをエレメント4の平面方向に分散させるための平板状の邪魔板11a〜11c,12a〜12c(本発明に係る「突起部」として例示する。)が形成されている。この邪魔板11a〜11cは、図6に示すように、上部ケース部材2の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に沿って所定間隔で複数配設されている。また、上記邪魔板12a〜12cは、図7に示すように、下部ケース部材3の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に沿って所定間隔で複数配設されている。これら各邪魔板11a〜11c,12a〜12cの配設部位は、エレメント4に対する流入オイルの圧力が他の部位に比べて高い位置である。
上記各邪魔板11a〜11c,12a〜12cのうちの流入口5又は流出口6の近傍に配設される各邪魔板11a,12aの横幅w2は、流入口5又は流出口6の開口幅より大きな値に設定されている(図6及び7参照)。また、中間の邪魔板11b,12bは、その横幅方向に所定間隔で一対設けられている。
次に、上記実施例2に係るフィルタ1Bの作用について説明する。
流入口5からフィルタ1B内に流入されるオイルは、各邪魔板11a〜11cによってエレメント4の平面方向に分散され、エレメント4の全面域に対して略均等に行き渡りエレメント4で濾過される。そして、濾過後のオイルは、各邪魔板12a〜12cによってエレメント4の平面方向に分散され、流出口6から流出されることとなる。
なお、上記邪魔板11a〜11c,12a〜12cの配設形態(位置、個数等)、高さh、縦幅w1、横幅w2、フィルタエレメント表面との隙間l等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる(図5〜7参照)。また、図8に示すように、上記邪魔板11a〜11c,12a〜12cの先端側をエレメント4の谷部に挿入させるようにしてもよい。これにより、邪魔板11a〜11c,12a〜12cに、オイルの分散機能を持たせると共に、オイル圧力によるエレメント4の座屈、変形の抑制機能を持たせることができる。
(実施例3)
次に、本実施例3に係るフィルタ1Cについて説明する。
なお、本実施例3のフィルタ1Cにおいて、上記実施例1のフィルタ1Aと同じ構成部位には同符号を付け詳説は省略する。
上記フィルタ1Cでは、図9に示すように、上部及び下部ケース部材2,3の各内表面側には、濾過室S内で濾過前のオイルをエレメント4の平面方向に分散させるための丸塊状の隆起部13,14(本発明に係る「突起部」として例示する。)が形成されている。この隆起部13は、図10に示すように、上部ケース部材2の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に配設されている。また、上記隆起部14は、図11に示すように、下部ケース部材3の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に配設されている。これら各隆起部13,14は、その横断面形状が略楕円形状であり、その縦断面形状が略半円形状とされている。また、各隆起部13,14の配設部位は、エレメントに対する流入オイルの圧力が他の部位に比べて高い位置である。
上記各隆起部13,14の最大横幅w2は、流入口5又は流出口6の開口幅より大きな値に設定されている(図10及び11参照)。また、各隆起部13,14の突起端側には、流入口5又は流出口6から放射状に延びる複数(図中3本)の案内溝15が形成されている。
次に、上記実施例3に係るフィルタ1Cの作用について説明する。
流入口5からフィルタ1C内に流入されるオイルは、その大部分が隆起部13によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内溝15を介して放射方向に案内される。その結果、流入されるオイルはエレメント4の全面域に対して略均等に行き渡りエレメント4で濾過される。そして、濾過後のオイルは、その大部分が隆起部14によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内溝15を介して放射方向に案内され、流出口6から流出されることとなる。
なお、上記隆起部13,14の配設形態(位置、個数等)、高さh、縦幅w1、横幅w2、フィルタエレメント表面との隙間l等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる(図9〜11参照)。また、上記案内溝15の配設形態(位置、個数等)、溝深さ、幅、長さ等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる。
(実施例4)
次に、本実施例4に係るフィルタ1Dについて説明する。
なお、本実施例4のフィルタ1Dにおいて、上記実施例1のフィルタ1Aと同じ構成部位には同符号を付け詳説は省略する。
上記フィルタ1Dでは、図12に示すように、上部及び下部ケース部材2,3の各内表面側には、濾過室S内で濾過前のオイルをエレメント4の平面方向に分散させるための角塊状の隆起部17,18(本発明に係る「突起部」として例示する。)が形成されている。この隆起部17は、図13に示すように、上部ケース部材2の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に配設されている。また、この隆起部18は、図14に示すように、下部ケース部材3の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上に配設されている。これら各隆起部17,18は、その横断面形状が略ひし形状であり、その縦断面形状が略台形状とされている。また、各隆起部17,18の配設部位は、エレメント4に対する流入オイルの圧力が他の部位に比べて高い位置である。
上記各隆起部17,18の最大横幅w2は、流入口5又は流出口6の開口幅より大きな値に設定されている(図13及び14参照)。また、各隆起部17,18の突起端側には、流入口5又は流出口6から放射状に延びる複数(図中6本)の案内片19が形成されている。
次に、上記実施例4に係るフィルタ1Dの作用について説明する。
流入口5からフィルタ1D内に流入されるオイルは、その大部分が隆起部17によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内片19を介して放射方向に案内される。その結果、流入されるオイルはエレメント4の全面域に対して略均等に行き渡りエレメント4で濾過される。そして、濾過後のオイルは、その大部分が隆起部18によってエレメント4の平面方向に分散されると共に、その一部が案内片19を介して放射方向に案内され、流出口6から流出されることとなる。
なお、上記隆起部17,18の配設形態(位置、個数等)、高さh、縦幅w1、横幅w2、フィルタエレメント表面との隙間l等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる(図12〜14参照)。また、上記案内片19の配設形態(位置、個数等)、片高さ、幅、長さ等を適宜選択することによってオイルの分散効果を調整できる。
(実施例の効果)
上記実施例1〜4のフィルタによると、上部ケース部材2の内表面側に設けられた突起部(凸状部8、邪魔板11a〜11c、隆起部13、隆起部17)によって、濾過室S内で濾過前のオイルがエレメント4の平面方向に分散され、エレメント4の全面域で略均等に濾過される。これにより、エレメント4の表面とケース部材2,3の内表面との隙間を比較的小さくしてフィルタ1A〜1Dの厚さ方向の小型化を図っても、効率良く濾過することができる。
また、上記実施例1〜4では、下部ケース部材3の内表面側に突起部(凸状部9、邪魔板12a〜12c、隆起部14、隆起部18)を設けたので、この突起部によって濾過後のオイルを分散させることによって、濾過前のオイルの分散性をより高めることができる。また、突起部をエレメント4の表面に接触又は近接させることによって、オイル圧力によるエレメント4の座屈、変形を抑制できる。
また、上記実施例1〜4では、流入口5(又は流出口6)の開口幅より大きな横幅w2を有する突起部を、上部ケース部材2(又は下部ケース部材3)の平面視にて流入口5及び流出口6を結ぶ直線上で流入口5(又は流出口6)の近傍に配設したので、オイルをより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、上記実施例1では、凸状部8,9に直線状の案内溝10を形成したので、オイルをより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、上記実施例3では、隆起部13,14に放射状の複数の案内溝15を設けたので、オイルをより確実且つ広範囲に分散させることができる。
また、上記実施例4では、隆起部17,18に放射状の複数の案内片19を設けたので、オイルをより確実且つ広範囲に分散させることができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1〜4では、上部ケース部材2に流入口5を形成すると共に下部ケース部材3に流出口6を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、上部ケース部材2に流出口6を形成すると共に下部ケース部材3に流入口5を形成するようにしてもよい。
また、上記実施例1〜4では、上部及び下部ケース部材2,3の両部材に同じ構造の突起部を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、上部及び下部ケース部材2,3の両部材に異なる構造の突起部を設けるようにしてもよい。
また、上記実施例1〜4では、上部及び下部ケース部材2,3の両部材に突起部を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、上部ケース部材2のみに突起部を設けたり、下部ケース部材3のみに突起部を設けたりしてもよい。
また、上記実施例1〜4では、ケース部材2,3に一体成形される突起部を例示したが、これに限定されず、例えば、ケース部材とは別物の突起部をケース部材に後付けするようにしてもよい。
また、上記実施例1〜4において、図15及び16に示すように、各ケース部材2,3の突合せ端部2a,3aにくし歯状部20を形成するようにしてもよい。これにより、各ケース部材2,3のくし歯状部20の間にエレメント4の周縁部のひだ折り状部4aが挟持され、オイル圧力によるエレメント4の座屈、変形をより確実に防止できる。この場合、レーザ吸収性樹脂からなるケース部材3(又はケース部材2)のくし歯状部20の外側面に向って側方からレーザ光を照射して、そのくし歯状部20及びエレメント4の接触部の外側面側にエレメント用溶着部を形成すれば、オイル圧力によるエレメントの抜けを抑制できる。
また、上記実施例1〜4において、図17及び18に示すように、レーザ吸収性樹脂からなる下部ケース部材3(又は上部ケース部材2)の突合せ端部3a(又は突合せ端部2a)とエレメント4との接触部の外側面側に、その突合せ端部3aの先端外角側に向かって側方から照射されるレーザ光L1によるエレメント用溶着部W1を設けるようにしてもよい。これにより、エレメント用溶着部W1によって下部ケース部材3とエレメント4とが強固に溶着され、フィルタ使用時に濾過室S内に過大な内圧がかかってもエレメント4が上部及び下部ケース部材2,3の間から抜けてしまうことを抑制できる。また、上記エレメント用溶着部W1は、濾過室Sから外方に十分に離れて配設されており、レーザ光L1の出力等によってエレメント用溶着部W1の付近で溶着バリ等の異物が発生しても、その異物が、下部ケース部材3及びエレメント4の当接面間を通って濾過室S内に侵入することを抑制できる。
また、上述のようにエレメント用溶着部W1を設ける場合、下部ケース部材3(又は上部ケース部材2)のエレメント4の外端部と接触する表面側(好ましくは、ケース部材の突合せ端部の先端外角側)には切欠部21が設けられており、この切欠部21の空間内にはエレメント4の外端部の一部が配設されており、少なくともエレメント4の外端部の一部が上記エレメント用溶着部W1を構成していることが好ましい。これにより、エレメント4の外端部がケース部材の角部に引っ掛ってエレメント4の抜けをより確実に抑制できる。
さらに、上述のようにエレメント用溶着部W1を設ける場合、レーザ透過性樹脂からなる上部ケース部材2(又は下部ケース部材3)が、突合せ方向に沿って延び且つレーザ吸収性樹脂からなる下部ケース部材3(又は上部ケース部材2)の突合せ端部3a(又は突合せ端部2a)に当接する外壁部22を有し、この外壁部22と下部ケース部材3の突合せ端部3aとの当接部に、外壁部22を介して下部ケース部材3の突合せ端部3aの外側面に向かって側方から照射されるレーザ光L2によるケース用溶着部W2を設けるようにしてもよい。これにより、上記エレメント用溶着部W1によって下部ケース部材3及びエレメント4が溶着されると共に、ケース用溶着部W2によって上部ケース部材2及び下部ケース部材3が溶着される。従って、上部ケース部材2、下部ケース部材3及びエレメント4の3部材を強固に一体化できる。
なお、エレメントの抜け止め形態、並びに上部ケース部材及び下部ケース部材の固定形態は上記レーザ溶着に限られず、例えば、各種固定手段(ビス、ネジ等)による固定、接着剤による接着、振動溶着、超音波溶着等を採用することができる。
汚染流体を濾過するフィルタとして利用される。特に、車両の自動変速機用オイルフィルタとして好適に利用される。
本実施例に係るフィルタの全体斜視図である。 実施例1に係るフィルタの縦断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 実施例2に係るフィルタの縦断面図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 邪魔板の他の形態を示す縦断面図である。 実施例3に係るフィルタの縦断面図である。 図9のX−X線断面図である。 図9のXI−XI線断面図である。 実施例4に係るフィルタの縦断面図である。 図12のXIII−XIII線断面図である。 図12のXIV−XIV線断面図である。 フィルタの他の形態を示す分解斜視図である。 図15の要部断面図である。 フィルタの更に他の形態を説明するための説明図である。 フィルタの更に他の形態を説明するための説明図である。
符号の説明
1A〜1D;フィルタ、2;上部ケース部材、3下部ケース部材、4;エレメント、5;流入口、6;流出口、8,9;凸状部、10;案内溝、11,12;邪魔板、13,14;隆起部、15;案内溝、17,18;隆起部、19;案内片、20;くし歯状部、S;濾過室。

Claims (9)

  1. 互いに突き合されて濾過室を形成する、流入口を有する第1ケース部材及び流出口を有する第2ケース部材と、
    前記濾過室内に収容されるフィルタエレメントと、を備え、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材のうちの少なくとも一方のケース部材の内表面側には、前記濾過室内で濾過前の流体を前記フィルタエレメントの平面方向に分散させるための突起部が設けられていることを特徴とするフィルタ。
  2. 前記突起部は、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材のうちの少なくとも前記第1ケース部材に設けられている請求項1記載のフィルタ。
  3. 前記突起部は、前記一方のケース部材の平面視にて前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線上に配設されている請求項1又は2に記載のフィルタ。
  4. 前記突起部は、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の近傍に配設されている請求項3記載のフィルタ。
  5. 前記突起部は、前記一方のケース部材の前記流入口又は前記流出口の開口幅より大きな横幅(w2)を有している請求項3又は4に記載のフィルタ。
  6. 前記突起部には、前記流入口及び前記流出口を結ぶ直線方向に沿って延びる案内溝及び/又は案内片が設けられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルタ。
  7. 前記突起部には、前記流入口又は前記流出口から放射状に延びる複数の案内溝及び/又は案内片が設けられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフィルタ。
  8. 前記突起部は、塊状又は板状を有している請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルタ。
  9. 前記フィルタエレメントはひだ折り状に形成されており、前記突起部の突起端側が該フィルタエレメントの谷部に挿入されている請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルタ。
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