JP2007151453A - エラスチン高含有可溶性ペプチドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】BSEや家畜疫病病原体による汚染のおそれの少ない魚類資源に由来する、化粧品や健康食品の機能素材として使用されるエラスチンを高い割合で含有する可溶性ペプチドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】魚類の動脈球を原料として、血液、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲンを除去後、可溶化処理を行うことにより、エラスチン高含有可溶性ペプチドを得る。得られたペプチドは、皮膚の弾力性、保水性の保持に重要な役割を果たす真皮線維芽細胞を賦活する作用を有しており、化粧料や健康食品の有効成分として有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚類の動脈球を原料として得られる、エラスチンを高い割合で含有する可溶性のペプチド組成物およびその製造方法に関する。
エラスチンは、靭帯や動脈等の伸縮性や弾力性を有する組織に存在するタンパク質である。また、皮膚の弾性に関与する成分としてコラーゲンと共に真皮結合組織に僅かではあるが存在しており、加齢や紫外線による皮膚中のエラスチンの減少や変性は、皮膚のシワやタルミの一因である。そのため、エラスチンは化粧品や健康食品分野を中心に、現在多くの製品に適用されている。
また、上述したように、エラスチンは血管の構成成分であるため、エラスチンの変性は各種血管性疾患に関与していると考えられることから、医薬分野での利用も検討されている。
従来、エラスチンは牛項靭帯等のほ乳類由来の弾性組織を原料としていたが、牛海綿状脳症(BSE)や、豚口蹄疫を始めとする家畜疫病の発生により、安全上の見地からこうしたほ乳類由来のエラスチンは敬遠される傾向にある。そこで、魚類等の海洋性資源由来のエラスチンが注目されるようになっている。
特許文献1(特開平5‐202095号公報)には、魚皮を原料とするコラーゲン・エラスチン溶液およびその製造方法に関する発明が開示されている。また、特許文献2(特開2001‐48770号公報)、特許文献3(特開2001‐72570号公報)、特許文献4(特開2001‐72571号公報)および特許文献5(特開2001‐72572号公報)には、魚皮由来の加水分解エラスチン溶液を含む皮膚外用剤に関する発明および洗浄した魚皮をエラスターゼ処理することにより加水分解エラスチン溶液を得る方法に関する発明が開示されている。
特開平5‐202095号公報 特開2001‐48770号公報 特開2001‐72570号公報 特開2001‐72571号公報 特開2001‐72572号公報
しかし、皮膚はコラーゲン等の膠原繊維が主成分であり、エラスチンはごく微量(ヒトの真皮の場合において、全乾燥重量の4%程度。Valadiら、Nature,5016,1224-1225(1965))しか含まれていないことが知られている。同様に、魚皮も組織学的に見ても殆ど弾性繊維が含まれておらず、エラスチンが殆ど含まれていないことが知られている。そのため、高純度のエラスチンを大量に得るための原料として魚皮は適していない。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意検討を行った結果、魚類の動脈球を原料として使用することによりエラスチンを高濃度で含有するペプチド組成物が得られること、および得られたペプチド組成物が真皮繊維芽細胞や血管内皮細胞の増殖を促進する作用および真皮線維芽細胞賦活活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本出願に係る第1の発明は、魚類の動脈球から血液、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲン質を除去し、次いで可溶化処理を行うことにより得られる、エラスチン高含有ペプチドまたはその水溶液に関するものである。
本発明により提供される可溶性ペプチドは、エラスチンに特有なアミノ酸であるデスモシンおよびイソデスモシンを含んで(0.3残基/1000残基以上)いるが、その含量は、従来知られている魚類由来エラスチンにおける含量とほぼ同程度である。また、本発明により提供される可溶性ペプチドは、グリシンやプロリンの含有率が高い、コラーゲンに多く含まれるヒドロキシプロリンをほとんど含まない(10残基以下/1000残基)等の、エラスチンに特有なアミノ酸組成を有しており、コラーゲンをほとんど含まない高純度のエラスチンペプチドからなる組成物である。
なお、本願特許請求の範囲および明細書中において、「n残基/1000残基」とは、ある特定のアミノ酸が本発明に係る可溶性ペプチド全体に占める割合をアミノ酸1000残基あたりの残基数で表した場合において、その値がnであることを意味する。
本発明により提供される可溶性ペプチドは、真皮成分の産生や、真皮におけるコラーゲンの線維束構造の形成を促進に関与する真皮線維芽細胞や血管内皮細胞の増殖を促進する活性を有しており、機能性素材として化粧品や健康食品等に好適に使用できるものである。
また、本発明により提供される可溶性ペプチドは、真皮線維芽細胞を賦活する活性を有しており、機能性素材として化粧品や健康食品等に好適に使用できるものである。なお、本願特許請求の範囲および明細書中において、「真皮線維芽細胞賦活活性」とは、真皮線維芽細胞における物質代謝活性を向上させる性質をいう。
本出願に係る第2の発明は、水洗後アルカリ水溶液に浸漬処理した魚類の動脈球から脂質およびコラーゲン質を除去する工程と、前記工程により得られた不溶性ペプチド混合物を可溶化処理する工程とを有することを特徴とする、エラスチン高含有ペプチドまたはその水溶液の製造方法に関するものである。
本発明によれば、未利用資源である魚由来動脈球を原料として、家畜疫病病原体等に汚染されていないエラスチンペプチドを高純度かつ高収率で得ることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について説明を行うが、これらはあくまで例示であり、本発明を制限するものではない。
動脈球とは、弁を介して心室と結合しており、心室から大動脈へ送り出される血液の血流調節に関与する魚類に特有の器官である。本発明において原料として使用される動脈球の起源に特に制限はなく、任意の魚種由来の動脈球を使用することができるが、心臓から動脈球を採取するためにある程度の大きさを有する必要がある。そのため、原料として用いる動脈球は、カツオ、マグロ、カジキ、タラ、ハマチ、ブリ、サケ、マス等の大型魚に由来するものであることが好ましく、大量かつ安定的に入手できる魚種であるカツオ、マグロ、タラ、ハマチ、サケに由来するものであることがより好ましい。
原料として使用する動脈球から血液を除去するために流水で洗浄後、粉砕する。粉砕は、ホモジナイザー、フードカッター等の任意の公知の手段により行うことができる。
粉砕した動脈球から、脂質、可溶性タンパク質、コラーゲンを除去することにより、エラスチンを主成分とする不溶性タンパク質混合物が得られるが、原料のさらなる洗浄および以後の処理を容易にするための前処理として、アルカリ溶液を用いた浸漬処理を行うことが好ましい。
アルカリ溶液による処理条件は、魚種により異なるため、事前に検討の上決定することが好ましいが、ここでは原料としてカツオの動脈球を使用した場合について説明する。使用されるアルカリ溶液は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウム、好ましくは水酸化ナトリウムの溶液である。濃度は0.01N〜0.1N、好ましくは0.02Nである。浸漬温度は20℃以下、浸漬期間は数日〜2週間、好ましくは1週間である。また、浸漬中は、アルカリ溶液を1日につき2回以上取り替えることが好ましい。浸漬後、流水洗浄により過剰のアルカリを除去後、中和処理を行う。中和には、当該技術分野において使用される任意の酸を使用することができる。
アルカリ処理した原料からの脂質およびコラーゲンの除去は、蒸留水を添加し95℃に加熱する方法により行うことができる。
こうして得られた不溶性タンパク質混合物を酵素分解することにより、エラスチン高含有可溶性ペプチドを得ることができる。この際、酵素分解に先立ち、該混合物をさらに細片化してもよい。
酵素分解には、食品、医薬品および化粧品製造に使用される任意のタンパク分解酵素を使用することができるが、力価の大きなもの、たとえばAlcalase2.4L FG(Novoenzyme製)、プロチンAC‐10F(大和化成製)、プロテアーゼN「アマノ」G、ペプシン(天野エンザイム製)が好ましい。分解条件は、使用される酵素毎に決定される。酵素の添加量(酵素と基質の重量比)は、当業界でタンパク質分解に用いられる通常の量であり、たとえば1:5000〜1:10000である。また、これらの酵素は単独で用いることもできるが、2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。反応後、酵素の加熱失活により反応を終了させる。
可溶化処理は、不溶性タンパク質混合物を無機酸溶液中で加熱処理する酸分解法によっても行うことができる。使用する酸としてはシュウ酸が好ましく、濃度および加熱温度は、0.25N、90℃が好ましい。
可溶化処理後、アルカリにより中和を行うが、このとき使用するアルカリとしては水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムが好ましい。特に、シュウ酸を使用した場合には、これを完全に除去するために水酸化カルシウムでの中和が必須となる。
また、可溶化処理は、不溶性タンパク質混合物をアルカリ性含水エタノール溶液で処理するアルカリ‐エタノール法によっても行うことができる。この際使用する溶液は、1N水酸化ナトリウム80%エタノール溶液であることが好ましく、処理温度は室温であることが好ましい。
以上のようにして得られたエラスチンペプチドを化粧品原料として使用する場合には、溶液を当該用途に好適である弱酸性〜中性に調整し、必要であれば脱塩を行う。脱塩は、限外ろ過法、イオン交換法等の任意の方法により行うことができる。
残渣を分離するためには、ろ過、遠心分離、デカンテーション等の任意の方法を使用することができる。ろ過による除去の場合には、必要に応じて、不純物を除去するために活性炭等の吸着剤やろ過助剤を添加してもよい。特に溶液のまま使用する場合には、メンブレンフィルター等による除菌ろ過を併せて行うことが好ましい。
得られたエラスチン高含有可溶性ペプチドは、そのまま溶液として使用することもできるが、濃縮後噴霧乾燥または凍結乾燥を行うことにより粉末の形態で使用することもできる。
本発明により得られるペプチドは、慣用の化粧料成分中に配合することにより化粧品の有効成分として使用することができる。化粧料としては、化粧水、クリームその他の任意の形態において使用することができる。該ペプチドの含有量は、通常化粧料の合計重量の0.01〜1重量%の範囲で使用されるが、場合によってはそれ以上またはそれ以下の量であってもよい。
本発明に係るエラスチンペプチドを含有する化粧料を皮膚に塗布することにより、皮膚の保水性、弾力性等の質感の改善が期待される。
また、本発明により得られるペプチドを健康食品中に配合することにより健康食品中の有効成分として使用することができる。健康食品としては、粉末状、顆粒状、タブレット、ペースト状、液状その他の任意の形態において使用することができる。該ペプチドの含有量は、健康食品の合計重量の1〜5重量%の範囲で使用されるが、場合によってはそれ以上またはそれ以下であってもよい。
本発明に係るエラスチンペプチドを含有する健康食品を摂取することにより、化粧料の場合と同様の皮膚の質感の改善が期待される。
以下、本発明の特徴を明らかにするために、実施例に基づきより詳細に説明を行う。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:カツオ由来エラスチン高含有可溶性ペプチド粉末の製造
新鮮なカツオより動脈球(100g)を採取し、流水洗浄後粉砕した。原料の前処理として、0.02N水酸化ナトリウム水溶液に冷蔵庫中で1週間浸漬した。浸漬後、流水洗浄により過剰のアルカリを除去し、排出液が中性となるまで流水洗浄した。これに3倍容の蒸留水を加え、95℃に加熱後、上清を取り除くことにより、脂質およびコラーゲン質を除去した。残留物をフードカッターで細片化し、プロチンAC‐10F(大和化成製)0.5%及びプロテアーゼN「アマノ」G(天野エンザイム製)0.1%を基質量の1%添加し、10時間分解を行った。85℃以上の温度で加熱失活を行い、ろ過及び遠心分離により残渣を分離した。その後精密ろ過によって清澄化した抽出液を噴霧乾燥し、エラスチン高含有可溶性ペプチド粉末(8g)を得た。こうして得られたペプチドについてアミノ酸分析を行った結果を表1に示す。
実施例2:ハマチ由来エラスチン高含有可溶性ペプチド粉末の製造
新鮮なハマチより採取した動脈球(100g)を原料として、実施例1と同様にして、エラスチン高含有可溶性ペプチド(7.3g)を得た。こうして得られたペプチドについてアミノ酸分析を行った結果を表1に示す。
Figure 2007151453
グリシン(Gly)およびプロリン(Pro)含量が著しく高いこと、疎水性アミノ酸残基(Ala、Val、Ile、Leu)の合計含量が高い(約200残基/1000残基)こと、エラスチンに特有なイソデスモシン(Ide)およびデスモシン(Des)の存在、コラーゲンに多く存在するヒドロキシプロリン(Hyp)の含量が低いといった特徴が見られることから、得られたペプチドは、コラーゲン由来ペプチドを殆ど含まない、高純度のエラスチン由来ペプチドであることがわかる。
実施例3:正常ヒト新生児真皮線維芽細胞を用いた細胞増殖作用および賦活活性の測定
正常ヒト新生児真皮線維芽細胞を、5%FBSを含むDMEM:Ham‐F12(1:1)培地に懸濁し、24穴プレートに細胞数1×10となるように播種し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で24時間培養した。次いで、培地を、実施例1に示した魚類由来エラスチンの最終濃度が500μg/mlとなるよう調製した5%FBSを含むDMEM:Ham‐F12(1:1)培地に交換し、培養を行った。コントロールとして5%FBSを含むDMEM:Ham‐F12(1:1)培地を用いた。
細胞数は血球計算盤を用いてカウントし、試料無添加のコントロールにおける細胞数と比較して、その細胞増殖率を100とした相対値にて表2に示した。なお、本表中の「*」は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)であることを表したものである。
Figure 2007151453
表2の結果から明らかなように、本発明において魚類由来エラスチン高含有可溶性ペプチドは、正常ヒト新生児真皮線維芽細胞に対して500μg/mLとなるよう添加した場合に、ブランク(コントロール)と比較して、危険率1%未満で有意な真皮線維芽細胞増殖作用が認められた。
また、細胞における物質代謝活性の指標となる酵素活性を測定するため、正常ヒト新生児真皮線維芽細胞を5%FBSを含むDMEMに懸濁し、96穴プレートに細胞数5×10となるように播種し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で24時間培養した。次いで、実施例1で得られたエラスチン高含有可溶性ペプチドを最終濃度4、20、100、500μg/mLとなるよう調製した5%FBSを含むDMEMに培地を交換し、培養を行った。コントロールとして、5%FBSを含むDMEMを用いた。培養後各ウェルに同仁化学研究所製Cell Counting Kit-8を10μLずつ添加し、テトラゾリウム環の開環により生じるホルマザンをマイクロプレートリーダーにて450nmの吸光度を測定し、細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のコントロールにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表3に示した。なお、本表中の「*」は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)であることを、「**」は、有意確率1%未満(P<0.01)であることを、「***」は、有意確率0.1%未満(P<0.001)であることをそれぞれ表したものである。陽性対照として、10%FBSを含むDMEMを使用した。
Figure 2007151453
表3の結果から明らかなように、本発明において魚類由来エラスチン高含有可溶性ペプチドは、正常ヒト新生児真皮線維芽細胞に対して細胞賦活効果を有していることが認められた。特に、4〜500μg/mLとなるよう添加した場合に、ブランク(コントロール)と比較して、危険率1%未満で有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。
実施例4:正常ウシ大動脈血管内皮細胞を用いた増殖作用の測定
魚類由来エラスチン高含有可溶性ペプチドの血管内皮細胞に対する増殖作用を確認するため、正常ウシ大動脈血管内皮細胞を、5%FBSを含むDMEM:Ham‐F12(1:1)培地に懸濁し、24穴プレートに細胞数2×10となるように播種した後、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で培養した。細胞が定着した後、被験物として、実施例1に示した魚類由来エラスチンの最終濃度が100μg/mlとなるよう調製したPBS溶液を添加し、5日間培養を行った。コントロールとしてPBSを用いた。
細胞数は血球計算盤を用いてカウントし、試料無添加のコントロールにおける細胞数と比較して、その細胞増殖率を100とした相対値にて表4に示した。なお、本表中の「*」は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)であることを表したものである。
Figure 2007151453
表4の結果から明らかなように、本発明において魚類由来エラスチン高含有可溶性ペプチドは、正常ウシ大動脈血管内皮細胞に対して100μg/mLとなるよう添加した場合に、ブランク(コントロール)と比較して、危険率1%未満で有意な血管内皮細胞増殖作用が認められた。

Claims (9)

  1. 魚類の動脈球から血液、脂質、可溶性タンパク質およびコラーゲン質を除去し、次いで可溶化処理を行うことにより得られる、エラスチン高含有可溶性ペプチドまたはその水溶液。
  2. 前記魚類の動脈球が、カツオ、マグロ、カジキ、タラ、ハマチ、ブリまたはサケ由来であることを特徴とする、請求項1に記載のエラスチン高含有可溶性ペプチドまたはその水溶液。
  3. グリシン含量が400残基/1000残基以上、プロリン含量が80残基/1000残基以上、デスモシンおよびイソデスモシン含量の合計が0.3残基/1000残基以上であり、かつヒドロキシプロリン含量が10残基/1000残基以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のエラスチン高含有可溶性ペプチドまたはその水溶液。
  4. 真皮線維芽細胞および/または血管内皮細胞に対する増殖作用を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のエラスチン高含有可溶性ペプチドまたはその水溶液。
  5. 真皮線維芽細胞賦活活性を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のエラスチン高含有可溶性ペプチドまたはその水溶液。
  6. 水洗後アルカリ水溶液に浸漬処理した魚類の動脈球から脂質およびコラーゲン質を除去する工程と、前記工程により得られた不溶性ペプチド混合物を可溶化処理する工程とを有することを特徴とする、エラスチン高含有ペプチドまたはその水溶液の製造方法。
  7. 前記可溶化処理する工程が、タンパク分解酵素を用いた分解反応により行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記可溶化処理する工程が、無機酸溶液中での熱処理により行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. 前記可溶化処理する工程が、アルカリ性エタノール溶液中での処理により行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
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