JP2007150826A - 撮像装置及び車両周辺画像提供装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像位置から近傍部分については夜間でも撮像可能とする一方で、撮像位置から離れた遠い部分については昼間に画像を見たときの違和感の解消(色再現性の向上)に寄与することができる「撮像装置及び車両周辺画像提供装置」を提供すること。
【解決手段】光学撮像系30に含まれるレンズ31と撮像素子32の間に赤外線カット部材33を挿入し、赤外線照明を選択的に使用して周辺の画像を取得する機能を備えた撮像装置11において、赤外線カット部材33に、赤外線(IR)カットコーティングを施した部分CPと施していない部分CNとを撮像位置からの距離に応じて選択的に設ける。
【選択図】図4
【解決手段】光学撮像系30に含まれるレンズ31と撮像素子32の間に赤外線カット部材33を挿入し、赤外線照明を選択的に使用して周辺の画像を取得する機能を備えた撮像装置11において、赤外線カット部材33に、赤外線(IR)カットコーティングを施した部分CPと施していない部分CNとを撮像位置からの距離に応じて選択的に設ける。
【選択図】図4
Description
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置におけるレンズへの赤外線カットコーティングの技術に関し、特に、かかる撮像装置を用いて車両周辺の画像を取得し、表示画面を通して運転者に提供するよう適応された車両周辺画像提供装置に関する。
かかる撮像装置及び車両周辺画像提供装置は、例えば、パーキングエリアでの駐車や車庫入れ等の際に運転者の便宜(駐車支援)を図るのに利用され得る。
デジタルカメラは、撮影した画像を即時に再生することができ、また、パーソナルコンピュータ等の画像入力装置として簡便に利用できる等の利点から、様々な分野で利用されつつある。かかるデジタルカメラには撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device) イメージセンサが内蔵されているが、このCCD撮像素子は、一般に赤外線側波長に対し感度が高い特性となっている。赤外線は人の目には直接見えないが、撮像対象の物体(被写体)の映像がぼけたように見えるという影響を与える。
このため、一般的なデジタルカメラでは、外部から入射される光の各波長成分のうち、人間が見ている可視光線の部分(400〜700nmの波長)のみを撮像素子に受光させて使用し、赤外線の部分(700〜2000nmの波長)についてはこれをカットする赤外線(IR)カットフィルタ等の部材を光学撮像系に挿入し、被写体像を明瞭に見えるようにしている。IRカットフィルタには、近赤外線領域の光を反射して遮断するタイプのものや、近赤外線領域の光を吸収して遮断するタイプのもの、金属薄膜を透明基材上に積層してシート状に成形したり、あるいはレンズ部分の表面に直接コーティングしたもの、近赤外線吸収色素を含有する樹脂組成物をシート状に成形したものなど、様々な形態のものがある。このようなIRカットフィルタは、デジタルカメラ以外にも、例えば、液晶プロジェクタやプラズマディスプレイ、ナビゲーションシステム等の移動体ディスプレイなどにおいて自動輝度調整を行うためのセンサ部分に使用されている。
上述した従来技術に関連する技術としては、例えば、特許文献1に記載されるように、絞り、レンズ及びCCDよりなる光学撮像系に赤外線カット部材を挿入する形式で、CCDから得られる画像データを記憶し信号処理することにより静止画像を記録する電子スチルカメラにおいて、赤外線カット部材の代わりにレンズの前面側表面に赤外線カットコートを施すようにしたものがある。
特開平9−289644号公報
上述したように従来のデジタルカメラでは、可視光線の部分のみを撮像素子に受光させて使用するため、赤外線部分についてはIRカットフィルタを挿入してこれを遮断するようにしていた。このため、以下の問題点があった。
例えば、魚眼レンズを用いたデジタルカメラを使用して車両周辺を撮影し、駐車の際に近くに障害物等が存在するかどうかの監視に利用した場合、昼間の利用においては特に不都合は生じないが、夜間の利用においては近赤外線照明を使用しても車両周辺を撮像することができない。つまり、IRカットフィルタが設置されているため、近赤外線照明の効果が無くなり、カメラ映像から障害物等を見ようとしても暗くて見えないといった課題があった。
図1(a),(b)はその場合のカメラ映像の一例を概略的に示したものである。図示の例は車両周辺を撮像した場合の映像例ではないが、図1(a)に示すように昼間の利用においては、近赤外線照明は不要であり、また、IRカットフィルタの使用により被写体の色を正確に映すことができるので、特に不都合は生じない。これに対し、図1(b)に示すように夜間の利用においては、周辺の映像を見るためには近赤外線照明を必要とするが、撮像範囲全体にIRカットコーティングが施されているので、近赤外線照明を使用してもカメラ映像が暗すぎて被写体を認識することができない。これを車両周辺の映像に置き換えると、夜間に駐車場等において車両を停める際に近くに障害物等が存在するかどうかを確認することができないので、安全性の面で問題がある。
かかる不都合を解消するにはIRカットフィルタを設置しなければよいが、IRカットフィルタを外してしまうと、逆に夜間の利用において近赤外線照明を使用することはできるが、昼間の利用においてはIRカットフィルタが無いために被写体の色を正確に映すことができない(例えば、車両から離れた場所にある植え込みや木の葉の色等が実際と大きく異なる色に映り、違和感を覚える)といった問題が生じる。つまり、IRカットフィルタが無いと色再現性が低下するといった課題があった。
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、撮像位置から近傍部分については夜間でも撮像可能とする一方で、撮像位置から離れた遠い部分については昼間に画像を見たときの違和感の解消(色再現性の向上)に寄与することができる撮像装置及び車両周辺画像提供装置を提供することを目的とする。
上記の従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、光学撮像系に含まれるレンズと撮像素子の間に赤外線カット部材を挿入し、赤外線照明を選択的に使用して周辺の画像を取得する機能を備えた撮像装置において、前記赤外線カット部材に、赤外線カットコーティングを施した部分と施していない部分とを撮像位置からの距離に応じて選択的に設けたことを特徴とする撮像装置が提供される。
この形態に係る撮像装置によれば、図1(c)に概略的に例示するように、撮像位置からある一定の距離を設定し、その距離の範囲内の部分(図中、「近」の側の部分)には赤外線(IR)カットコーティングを施さず、それ以外の部分(図中、「遠」の側の部分)にIRカットコーティングを施すことにより、撮像装置から近傍部分については、赤外線カット部材にIRカットコーティングを施していないので夜間でも赤外線照明を使用することで撮像が可能となり、一方、その近傍部分より遠い部分については、赤外線カット部材にIRカットコーティングを施しているので被写体の色を正確に映すことができ、昼間に画像を見たときの違和感を解消することができる(色再現性の向上)。
また、本発明の他の形態によれば、車両に搭載された車両周辺画像提供装置であって、上記の形態に係る撮像装置と、画面を通して情報を提供する表示装置と、前記赤外線照明のオン/オフ処理を制御すると共に、前記撮像装置により取得された車両周辺の画像を前記表示装置の画面に表示させるよう制御する制御装置とを備えたことを特徴とする車両周辺画像提供装置が提供される。
この形態に係る車両周辺画像提供装置によれば、上記の撮像装置による作用効果から容易に理解されるように、車両周囲の近傍部分については夜間でも撮像可能であるため、駐車場等において車両を停める際に近くに障害物等が存在するかどうかを確認することができ、安全な駐車に寄与することができる。一方、車両周囲から離れた部分については、IRカットコーティングを施しているので被写体の色を正確に映すことができ、昼間の利用において、従来技術に見られたような、植え込みや木の葉の色等が実際と大きく異なる色に映るといった違和感を無くすことができる。つまり、色再現性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図2は本発明の一実施形態に係る車両周辺画像提供装置の構成を概略的に示したものである。本実施形態では、本発明に係る撮像装置を車載用ナビゲーションシステムに組み込んだ場合の構成例を示している。
本実施形態の車両周辺画像提供装置10は、後述するように、車載カメラ(撮像装置)に内蔵された光学撮像系に含まれるレンズと撮像素子の間に赤外線(IR)カット部材を挿入し、赤外線照明を選択的に使用して車載カメラにより取得された車両周辺の画像を画面上に提供する機能(トップビュー表示機能)を備えている。ここでいう「トップビュー表示」とは、画面上で自車両を真上から見た表示であり、典型的なトップビュー表示機能によれば、予め自車両の画像(自車画像)をメモリ等に準備しておき、その一方で複数の車載カメラにより車両周辺の各方向の画像を取得し、取得した各画像を自車両の上方からの視点に変換した後の車両周辺の画像と、上記の自車画像とを必要なときに合成して、ディスプレイの画面に表示する。
本実施形態に係る車両周辺画像提供装置10は、図2に示すように4台の車載カメラ11a,11b,11c及び11dと、各車載カメラにそれぞれ対応して設けられた近赤外線照明用の光源(IR光源)12a,12b,12c及び12dと、各車載カメラ11a〜11dで取得されたアナログの画像データをデジタルデータに変換するコンバータ(A/D)13と、俯瞰画像生成部14と、撮影画像メモリ15と、周辺画像生成部16と、車両画像メモリ17と、画像合成部18と、ディスプレイ装置19と、制御部20と、外光センサ21と、この外光センサ21で検出された車両周囲の明るさ(照度)を指示するアナログ信号をデジタル信号に変換するコンバータ(A/D)22と、操作部23とを備えている。
各車載カメラ11a,11b,11c及び11dは、それぞれ自車両の前方、後方、左方及び右方の画像を取得するためのものであり、自車両外部の適当な箇所に設置されている。また、各IR光源12a,12b,12c及び12dは、それぞれ対応する車載カメラ11a,11b,11c及び11dの近傍に付設されている。
図3はその設置例を模式的に示したものであり、図示のように、前方カメラ11a及びIR光源12aは車両の前部に、後方カメラ11b及びIR光源12bは車両の後部に、左方カメラ11c及びIR光源12cは車両の左側部(図示の例ではドアミラーの下部)に、右方カメラ11d及びIR光源12dは車両の右側部(同様にドアミラーの下部)にそれぞれ設置されている。また、各車載カメラ11a〜11dは、各々のレンズが若干下方を向くように位置決めされ、図中破線で示すように広角範囲(理想的には180°の撮像範囲)で画像を取得できるように設置されている。つまり、各車載カメラ11a〜11dが協働して自車両の全周囲(車両周辺)を撮影できるように配置されている。また、各車載カメラ11a〜11dのうち少なくとも一つの車載カメラは、自車両の一部(車体)の画像を取得できるように設置されている。図示の例では、左方カメラ11c又は右方カメラ11dにより車体を撮影することができる。各車載カメラ11a〜11dは光学撮像系を内蔵しており、この光学撮像系には、後述するように本発明を特徴付ける「赤外線カット部材」が含まれている。この赤外線カット部材の詳細については後で説明する。
俯瞰画像生成部14は、各車載カメラ11a〜11dで撮影された各方向(自車両の前方、後方、左方及び右方)の画像の視点をそれぞれ自車両の上方からの視点に変換した画像(俯瞰画像)を生成するものである。撮影画像メモリ15は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリからなる。この撮影画像メモリ15には、制御部20からの制御に基づき、各車載カメラ11a〜11dで撮影して得られた車両周辺の画像のA/D変換及び視点変換後のデータが所定のタイミングで逐次格納されるようになっている。
周辺画像生成部16は、制御部20からの制御に基づき、撮影画像メモリ15から読み出された各方向(自車両の前方、後方、左方及び右方)の俯瞰画像を合成して、車両周辺の画像を生成するものである。車両画像メモリ17は、撮影画像メモリ15と同様にフラッシュメモリ等の半導体メモリからなり、予め準備された自車両の画像(自車画像)のデータを格納しておくためのものである。
画像合成部18は、制御部20からの制御に基づいて、周辺画像生成部16で生成された車両周辺の画像(俯瞰画像)に、車両画像メモリ17に予め記憶させておいた自車画像を合成する。その際、必要に応じて、少なくとも一つの車載カメラ(例えば、左方カメラ11c)で撮影された自車両の一部(車体)の画像から車体色の情報を抽出し、自車画像の色をその抽出した車体色に修正するための画像処理を行い、その画像処理後の自車画像を車両周辺の画像に合成するようにしてもよい。
ディスプレイ装置19は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)等からなり、運転席から表示画面を見ることができるように車室内のセンターコンソールのほぼ中間位置に設置されている。このディスプレイ装置19の表示画面には、本発明に関連する情報として、画像合成部18で合成された画像(トップビュー画像)が表示される。さらにこの表示画面には、ナビゲーションに係る案内情報(自車の現在位置の周囲の地図、出発地から目的地までの誘導経路、自車の現在位置を示すマーク等)も表示される。
制御部20は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、後述するようにIR光源12a〜12dに対する近赤外線照明のオン/オフ処理を制御したり、各車載カメラ11a〜11dによる画像の取得及びそれに基づくトップビュー画像の表示に係る処理を制御するものである。また、制御部20はタイマ機能を有し、このタイマ機能により設定された時間情報に基づいて近赤外線照明のオン/オフ制御を行う。別の方法としては、周囲の明るさ(照度)を判断して近赤外線照明のオン/オフ制御を行うようにしてもよい。あるいは、ユーザ指示に基づき近赤外線照明のオン/オフ制御を行うようにしてもよい。さらに制御部20は、ナビゲーションに係る種々の処理(GPS受信機の出力から自車の現在位置を検出したり、自立航法センサの出力から自車の方位や走行速度を検出したり、地図データベースを参照して設定された探索条件で出発地(自車の現在位置)から目的地までの誘導経路を探索するなど)を制御する機能も有している。
外光センサ21は、自車両外部の適当な箇所に設置されており、制御部20で行う近赤外線照明のオン/オフ制御のための判断基準となる車両周囲の明るさを検出するものである。操作部23は、ユーザが指示した情報を入力するためのものであり、例えば、リモコン送信機の形態を有しており、特に図示はしないが、ディスプレイ装置19の画面上の各種メニュー、各種項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるための各種操作ボタン、ジョイスティックなどを備えている。この操作部23は、本発明に関連する入力指示として、制御部20で行う近赤外線照明のオン/オフ制御のためのトリガとなる入力指示、ディスプレイ装置19の画面に「トップビュー表示」を行わせるための入力指示を与える。
次に、各車載カメラ11a〜11dに内蔵された光学撮像系の構成(赤外線カット部材を含む)について、図4を参照しながら説明する。
図4(a)に概略的に示すように、各車載カメラ11a〜11dに内蔵された光学撮像系30には、外部からの光を透過させるレンズ31と、このレンズ31を通して入射された光(信号)から映像(電気信号)を検出する「撮像素子」としてのCCDイメージセンサ32と、レンズ31とCCDイメージセンサ32の間に介在(挿入)された「赤外線カット部材」としてのIRカットフィルタ33とが含まれている。このIRカットフィルタ33は、図4(b)に模式的に示すように、IRカットコーティングを施した部分CPとIRカットコーティングを施していない部分CNとに分けて形成されている。図示の例では、上半分の部分にIRカットコーティングが施され(近赤外線の不使用エリア)、下半分の部分にはIRカットコーティングは施されていない(近赤外線の使用エリア)。この下半分の部分(IRカットコーティングを施していない部分CN)は、IRカットフィルタ33を内蔵した当該カメラ11により取得される車両周辺の画像のうち車両周囲の近傍部分の画像に対応する部分に設けられており、一方、上半分の部分(IRカットコーティングを施した部分CP)は、当該車両周辺の画像のうち車両周囲から遠い部分の画像に対応する部分に設けられている。つまり、近赤外線使用エリアCNと近赤外線不使用エリアCPは、自車両(厳密には、当該カメラ11の撮像位置)からの距離に応じて選択的に設けられている。
従って、光学撮像系30に入射された光はレンズ31を透過した後、可視光線の部分はIRカットフィルタ33を透過してCCDイメージセンサ32の対応する受光部(フォトダイオード)に入射され、赤外線の部分はその一部(近赤外線使用エリアCNに対応する部分)のみがIRカットフィルタ33を透過してCCDイメージセンサ32の対応する受光部に入射される。CCDイメージセンサ32に入射された光は、その光量に応じた電気信号に変換されてA/Dに入力される。
なお、IRカットフィルタ33の形態としては、近赤外線領域の光を反射して遮断するタイプのものや、近赤外線領域の光を吸収して遮断するタイプのもの、金属薄膜を透明基材上に積層してシート状に成形したり、あるいは、近赤外線吸収色素を含有する樹脂組成物をシート状に成形したものなど、様々なものが使用され得る。例えば、ガラスやポリエステル系樹脂などの透明基材上にスパッタリングなどにより酸化亜鉛や酸化インジウムなどの金属酸化物薄膜や銀などの金属薄膜を多層積層したものを使用することができる。
また、本実施形態では、撮像素子としてCCDイメージセンサ32を使用しているが、これに代えてCMOSイメージセンサを使用してもよい。
図5は、本装置10において行うトップビュー画像の提供に係る画面表示例を従来例の場合と対比させて概略的に示したものである。
図5(a)に示す本実施形態のトップビュー画像では、ディスプレイ装置19の表示画面40に、上述したように自車両からの距離に応じて近赤外線使用エリアCNと近赤外線不使用エリアCPとに分けたIRカットフィルタ33(図4参照)を内蔵した車載カメラ11a〜11dにより、夜間に赤外線照明(IR光源12a〜12d)を使用して撮像した車両周辺の画像(俯瞰画像)41と、車両画像メモリ17に記憶させておいた自車画像42とを合成して表示した場合の例を示している。
この場合、車両周囲の近傍部分は、IRカットフィルタ33の近赤外線使用エリアCNを通してカメラ映像を見ることができるので、図示のように夜間でも車両周囲の状況を画面40上で把握することができる(車両周囲近傍の画像41a)。一方、これより遠い部分は、IRカットフィルタ33の近赤外線不使用エリアCPに対応し、カメラ映像で見ることができないので、図示のように表示画面40の当該部分は暗くなっている(車両周囲から遠い部分の画像41b)。
これに対し、図5(b)に示す従来例のトップビュー画像では、カメラの撮像範囲全体にIRカットコーティングが施されているため、夜間に近赤外線照明を使用してもカメラ映像で見ることができず、図示のように表示画面40全体が暗くなり、車両周辺に何があるのか認識できない。
なお、図5(a)において、43は車両周囲近傍の画像41a(近赤外線使用エリア)と車両周囲から遠い部分の画像41b(近赤外線不使用エリア)との境界線を示す。この境界線43は、制御部20により近赤外線照明の「オン」制御が行われたときに、必要に応じて制御部20からの制御に基づき画像合成部18を介してディスプレイ装置19の画面40上に目立つ表示態様で(つまり、ユーザが認識し易い表示態様で)表示される。例えば、近赤外線使用エリアと近赤外線不使用エリアの境界が自車両から50cmの距離に設定されたときは境界線43を「赤色」で表示し、自車両から1mの距離に設定されたときは「緑色」で表示する。このように画面40上に境界線43を認識し易い表示態様で表示することにより、ユーザは、夜間に近赤外線照明を用いて自車両からどれくらいの距離の範囲を撮像しているのかを認識することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両周辺画像提供装置10によれば、車両から一定の距離(例えば50cm)を設定し、その距離の範囲内の取得画像に対応する部分にはIRカットコーティングを施さず、その距離の範囲外の取得画像に対応する部分にIRカットコーティングを施している(図4(b)参照)。
従って、車両周囲の近傍部分については、IRカットフィルタ33にIRカットコーティングを施していないので夜間でも近赤外線照明を使用することで撮像が可能となり、駐車場等において車両を停める際に近くに障害物等が存在するかどうかを確認することができ、安全な駐車に寄与することができる。
一方、車両周囲から離れた部分については、IRカットコーティングを施しているので被写体の色を正確に映すことができ、昼間の利用において、従来技術に見られたような、植え込みや木の葉の色等が実際と大きく異なる色に映るといった違和感を無くすことができる(色再現性の向上)。
また、必要に応じて制御部20からの制御に基づきディスプレイ装置19の画面40上に境界線43(図5(a)参照)を目立つ表示態様で表示することにより、ユーザは、夜間に近赤外線照明を用いて自車両からどれくらいの距離の範囲を撮像しているのかを認識することができる。
上述した実施形態では、車両周辺画像提供装置10を搭載する車両にナビゲーションシステムも搭載され、このナビゲーションシステムの一部として組み込んだ場合を例にとって説明したが、本発明に係る撮像装置及び車両周辺画像提供装置は、その要旨からも明らかなように、必ずしもナビゲーションシステムを搭載した車両に搭載される必要がないことはもちろんである。
また、上述した実施形態では、本発明を特徴付ける「赤外線カット部材」としてシート状のIRカットフィルタ33を使用した場合を例にとって説明したが(図4参照)、赤外線カット部材の形態は「シート状」に限定されないことはもちろんである。例えば、図4の例では1枚のレンズ31のみが示されているが、複数枚のレンズで構成されている場合にはその中の平たいレンズ部分の表面に金属酸化物薄膜などを直接コーティングするようにしてもよい。この場合にも、上述したようにIRカットコーティングを施した部分CPと施していない部分CNとに分けてコーティングすることはもちろんである。
また、図4(b)に例示するIRカットフィルタ33では、近赤外線使用エリアCNと近赤外線不使用エリアCPを下半分と上半分とにほぼ同じ面積で分割した場合を例にとっているが、各エリアCN,CPの占有面積は必ずしも同じにする必要がないことはもちろんである。要は、ユーザが、自車両からどれくらいの距離の範囲を夜間に近赤外線照明を用いて撮像したいか、また自車両からどれくらいの距離より遠い範囲を昼間に撮像したいかに応じて、各エリアCN,CPの占有面積は適宜選定され得る。
10…車両周辺画像提供装置、
11a,11b,11c,11d…車載カメラ(撮像装置)、
12a,12b,12c,12d…IR光源(近赤外線照明用の光源)、
14…俯瞰画像生成部、
15…撮影画像メモリ、
16…周辺画像生成部、
17…車両画像メモリ、
18…画像合成部、
19…ディスプレイ装置、
20…制御部、
21…外光センサ、
23…操作部、
30…光学撮像系、
31…レンズ、
32…CCDイメージセンサ(撮像素子)、
33…IRカットフィルタ(赤外線カット部材)、
40…表示画面、
41…車両周辺の画像、
41a…車両周囲近傍の画像、
41b…車両周囲から遠い部分の画像、
42…自車画像、
43…(近赤外線の使用エリアと不使用エリアとの)境界線、
CP…IRカットコーティングを施した部分(近赤外線不使用エリア)、
CN…IRカットコーティングを施していない部分(近赤外線使用エリア)。
11a,11b,11c,11d…車載カメラ(撮像装置)、
12a,12b,12c,12d…IR光源(近赤外線照明用の光源)、
14…俯瞰画像生成部、
15…撮影画像メモリ、
16…周辺画像生成部、
17…車両画像メモリ、
18…画像合成部、
19…ディスプレイ装置、
20…制御部、
21…外光センサ、
23…操作部、
30…光学撮像系、
31…レンズ、
32…CCDイメージセンサ(撮像素子)、
33…IRカットフィルタ(赤外線カット部材)、
40…表示画面、
41…車両周辺の画像、
41a…車両周囲近傍の画像、
41b…車両周囲から遠い部分の画像、
42…自車画像、
43…(近赤外線の使用エリアと不使用エリアとの)境界線、
CP…IRカットコーティングを施した部分(近赤外線不使用エリア)、
CN…IRカットコーティングを施していない部分(近赤外線使用エリア)。
Claims (7)
- 光学撮像系に含まれるレンズと撮像素子の間に赤外線カット部材を挿入し、赤外線照明を選択的に使用して周辺の画像を取得する機能を備えた撮像装置において、
前記赤外線カット部材に、赤外線カットコーティングを施した部分と施していない部分とを撮像位置からの距離に応じて選択的に設けたことを特徴とする撮像装置。 - 前記赤外線カットコーティングを施していない部分は、前記赤外線カット部材の、前記撮像装置により取得される周辺の画像のうち当該撮像位置の近傍部分の画像に対応する部分に設けられ、前記赤外線カットコーティングを施した部分は、当該撮像位置の近傍部分より遠い部分の画像に対応する部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 車両に搭載された車両周辺画像提供装置であって、
請求項2に記載の撮像装置と、
画面を通して情報を提供する表示装置と、
前記赤外線照明のオン/オフ処理を制御すると共に、前記撮像装置により取得された車両周辺の画像を前記表示装置の画面に表示させるよう制御する制御装置とを備えたことを特徴とする車両周辺画像提供装置。 - 前記撮像装置により取得された車両周辺の画像は、前記赤外線カット部材の前記赤外線カットコーティングを施していない部分に対応する車両周囲近傍の画像と、前記赤外線カットコーティングを施した部分に対応する車両周囲から遠い部分の画像とからなることを特徴とする請求項3に記載の車両周辺画像提供装置。
- 前記制御装置は、前記車両周辺の画像を前記表示装置の画面に表示させる際に、前記車両周囲近傍の画像と前記車両周囲から遠い部分の画像との境界線を目立つ表示態様で表示させることを特徴とする請求項4に記載の車両周辺画像提供装置。
- 前記撮像装置は、当該車両の前方、後方、左方及び右方にそれぞれ設けられた車載カメラであり、各車載カメラは、レンズを下方に向けて広角範囲で画像を取得可能に、かつ、協働して当該車両の全周囲を撮影可能に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両周辺画像提供装置。
- 前記撮像素子は、CCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサからなることを特徴とする請求項3に記載の車両周辺画像提供装置。
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