JP2007146698A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変速スクリュー圧縮機において可変速手段の異常温度上昇を防止し、スクリュ
ー圧縮機の突然の異常停止、可変速手段の熱ストレス低減による可変速手段内部構成部品
の寿命延長を図る。
【解決手段】可変速手段の温度が異常停止させるべく温度より低く設定した上限閾値に達
したら、通常運転から負荷軽減運転により電流値を低減し発熱量を低減、冷却促進運転に
よる可変速手段の冷却の増大する運転へと切替え可変速手段の温度を低減することにより
解決する。
【選択図】図1

Description

本発明はスクリュー圧縮機に関するものである。
近年、スクリュー圧縮機では省エネを目的とした可変速機化が進んできており、その可
変速手段の一例としてはインバータがある。このインバータは平滑コンデンサ、ダイオー
ドモジュール、インバータモジュール等の数多くの電気部品により電気回路が構成されて
いる。そして運転時にはこれら電気部品は当然通電されるが、そのため電気部品は発熱し
非通電時に比べて温度は上昇する。スクリュー圧縮機は日常的に運転と停止が繰り返され
るが、この発熱による熱ストレスが電気部品の各許容限度を超えると、性能の低下、故障
といった不具合につながるため、異常温度上昇させないことが望まれる。
従来のスクリュー圧縮機では例えば、特開2003-3981号「スクリュ圧縮機の運転方法」
にあるように、スクリュー圧縮機の駆動モータの保護として可変速手段の電流値を検出し
この電流値が予め設定してある閾値に達したら、通常運転モードから負荷低減運転モード
に移行するものが公知である。
特開2003-3981号公報
スクリュー圧縮機の突然の異常停止は、その下流にある生産設備の稼動を停止させるこ
とに繋がり、企業の生産活動の観点から考えても極力避けるべきで事態である。
従来技術では、スクリュー圧縮機の駆動モータの過度な温度上昇等による突然の異常停
止に対しては、例えば前述の公知例に記載のように、通常運転モードから負荷軽減モード
に移行する手段が講じられているが、可変速手段の異常温度上昇に対しての保護は講じら
れていなく、可変速手段の異常温度上昇の防止については述べられていない。さらに可変
速手段の異常な温度上昇、およびこの異常温度上昇が繰返し行われることにより、可変速
手段の内部構成部品は過大な熱ストレスを受けることになるため可変速手段の早期故障も
引起されていた。特に可変速手段には内部部品を冷却するための冷却フィンが設けられて
いるが、そのフィンピッチは駆動モータの冷却用のフィンピッチより一般的に狭い。この
ため、冷却風によって運ばれる大気塵埃によるフィンの目詰まりや汚れにより冷却効果の
低下は発生し易く、可変速手段の異常温度上昇による突然の故障停止、可変速手段の寿命
延長が市場より強く望まれていた。
前述の課題を解決するため可変速手段の温度が緊急に停止させるべき温度よりも低く設
定した上限閾値に達した場合、通常の運転とは異なる負荷軽減運転、もしくは可変速手段
の冷却を促進する冷却促進運転を行い、異常温度上昇を防止させることで解決する。
例えば可変速手段のフィンが汚損し冷却能力が低下し可変速手段の検出温度が上限閾値
に達した場合を考える。スクリュー圧縮機の運転負荷を軽減することにより可変速手段の
発熱量を低減、可変速手段の温度を低下させ、緊急に停止させるべき事態を防止すると同
時に可変速手段の内部構成部品の異常温度上昇を防止することが出来る。
また別の手段としては、可変速手段を冷却する冷却媒体の流量を自動的に増量し可変速
手段の冷却を促進、温度を低下させる事がある。例えば熱交換器を冷却風により冷却を行
う空冷機においては、油冷却器用の冷却ファンの冷却風量を可変とし、さらに可変速手段
を前述の冷却ファンの冷却風通路に配置する。そして可変速手段での検出温度が上限閾値
に達した場合には、冷却風量を増量させることにより可変速手段の冷却を促進する。この
冷却促進運転を油冷式スクリュー圧縮機で行う場合、好ましくは以下の制御を行う。油冷
式スクリュー圧縮機では吐出し側のガス温度Tdが凝縮水発生限界温度Td1以下に低下する
と吐出し側の油分離手段に凝縮水が発生し、内部の発錆、潤滑油の劣化といった不具合が
発生する。このため吐出しガス温度Td、凝縮水発生限界温度TlがTd>Tlとなる条件におい
ては冷却促進運転を実施、Td<Tdlでは冷却促進運転を行わない制御とする。この場合は前
述の負荷軽減運転に移行させても良い。冷却促進運転のメリットは前述の負荷軽減運転で
は吐出し圧力、空気量を圧縮機の最大能力より低下させるのに対して、圧縮機の能力を低
減させずに運転を継続できる事である。
スクリュー圧縮機以外にも、可変速手段を有する空気圧縮機では圧縮方式は限定しなく
、さらに冷却媒体は冷却水や潤滑油でも構わない。
前述の運転負荷を軽減させる方法としては、回転数を固定し吐出し圧力を低下させる方
法と吐出し圧力を固定し回転数を下げる方法があるが、ユーザの使用環境にあわせてどち
らを選択しても良い。例えば一定圧力の圧縮空気を望むユーザは、運転圧力を一定に保持
したまま圧縮機本体の回転数を低下させる手段、また別の例では圧縮空気を燃焼補助用に
使用するような、圧力よりも圧縮空気量を必要とするユーザは吐出し圧力を低減させる事
もできる。
また、容量制御に吸込み弁、スライド弁を備えるスクリュー圧縮機においては、これら
弁を作動させることにより運転負荷を軽減し、可変速手段の発熱を低減させる事も可能で
ある。
さらに、好ましくは前述の負荷軽減運転、冷却促進運転を行っている運転状態では、ユ
ーザに点検、清掃を知らしめるべく手段、例えばランプを点灯する等を行う。
前述の構成によれば従来技術と比して、可変速手段の温度を検出し、その温度が異常停
止させるべき温度より低い予め設定した上限閾値に達した場合に、負荷軽減運転への移行
による可変速手段の発熱の低減、可変速手段の冷却フィンを流れる冷却風量の増大による
冷却促進、により可変速手段の異常温度上昇を防止することが可能となり異常温度上昇に
よる突然のスクリュー圧縮機異常停止を回避することができるとともに、熱ストレスの軽
減による可変速手段の寿命延長が図れる。
図1は本発明を油冷式スクリュー圧縮機に適用した場合を示す図である。油冷式スクリ
ュー圧縮機本体1はモータ2により駆動され、モータ2の上位には可変速手段としてイン
バータ3を配置し、モータ2を可変速に制御可能としている。インバータ3にはインバー
タ温度検出手段5が配置され、その検出温度情報は制御手段4に接続されており、インバ
ータ3は上位の制御手段5により制御される。油冷式スクリュー圧縮機本体1の下流には
油分離手段8が接続され、油分離手段8で吐出しガス中の油を分離した後、ライン側へ吐
出される。油分離手段8で分離された油は油熱交換器12により冷却されオイルフィルタ
13を通過した後に油冷式スクリュー圧縮機本体1に再度給油される。冷却ファン14は
ファンコントローラ15により冷却風量が可変であり、冷却ダクト16に配置した熱交換
器12およびインバータ3の冷却フィンにも送風可能な構成としてある。
本発明の第一実施例を図1、図2を使用して説明する。例えば使用空気量が一定で、冷
却フィンの塵埃による汚損等によりインバータ温度Tが上昇した場合について述べる。イ
ンバータを緊急に停止させるべく温度T1よりも低い温度に設定した上限閾値T2に達した場
合、インバータ温度検出器7でその温度を検出、制御手段4へと伝達し制御手段4により
回転数Nをそれまで運転していたN1からN2に低下させるべくインバータ3に指令を出し運
転負荷を軽減、これにより電流値が減少するためインバータ3の温度を低下させることが
可能である。この負荷軽減運転によりインバータ温度Tが低下し、T2>T3なる下限閾値T3ま
で低下したら、この負荷軽減運転を解除し、回転数NをN2からN1に戻す。
図1、図3により本発明の第二実施例を説明する。第二実施例ではインバータ温度Tが
上限閾値T2に達し、油冷式スクリュー圧縮機本体1の吐出し側に設置した吐出しガス温度
検出手段9で検出された吐出しガス温度Tdが凝縮水発生限界温度Td1に対してTd>Td1であ
る条件では、冷却ファン14の回転速度を増大し冷却風量QをQ2からQ1に増加させる。イ
ンバータ3の冷却フィンは冷却ファン14により送風可能な場所の配置してあるため冷却
を促進、温度を低下させることができる。インバータ温度Tが下限閾値T3、または油冷式
スクリュー圧縮機本体の吐出しガス温度Tdが凝縮水発生限界温度Td1までのいずれかまで
下降したら冷却促進運転から通常運転へ切り替える。Td<Td1の条件においては、冷却を促
進すると油分離手段7に凝縮水が発生するため冷却促進運転を行わない。ただし冷却促進
運転の代わりとして圧縮機本体1の回転速度を低下、圧縮機本体の吐出し圧力を低減する
負荷軽減運転に移行しても構わない。
本発明の油冷式スクリュー圧縮機への適用例を示す図である。 本発明での第一実施例での制御内容の概要を示す図である。 本発明での第二実施例での制御内容の概要を示す図である。
符号の説明
1・・・油冷式スクリュー圧縮機本体、2・・・モータ、3・・・インバータ、4・・・制御手段、5・・・インバータ温度検出手段、6・・・吸入逆止弁、7・・・吸込みフィルタ、8・・・油分離手段、9・・・吐出しガス温度検出手段、10・・・逆止弁、11・・・圧力検出手段、12・・・油熱交換器、13・・・オイルフィルタ、14・・・冷却ファン、15・・・ファンコントローラ、16・・・冷却ダクト。


Claims (8)

  1. 可変速手段の温度検出を行っている可変速スクリュー圧縮機において、その検出した温
    度が緊急に停止させるべき温度よりも低く設定した上限閾値に達した場合に、運転負荷を
    軽減させることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1のスクリュー圧縮機で、上限閾値よりも低く設定した別の下限閾値まで温度が
    降下した場合に運転負荷の軽減を解除することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1のスクリュー圧縮機で運転負荷を軽減する方法が、回転数の低減と吐出し圧力
    の低減のいずれか、または両方による事を特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 可変速手段、熱交換器とそれを冷却するために送風する可変速可能な冷却ファンと、可
    変速手段の温度検出を行う温度検出手段を有するスクリュー圧縮機において、可変速手段
    を前記冷却ファンにより送風可能な位置に配置し、温度検出手段により検出した温度が緊
    急に停止させるべき温度よりも低く設定した上限閾値に達した場合に、可変速手段を冷却
    する冷却風量を増加させる事を特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項4のスクリュー圧縮機において、圧縮機本体吐出し側のガス温度が、油分離手段
    内に凝縮水が発生しない条件下で行う事を特徴とする油冷式スクリュー圧縮機。
  6. 請求項1のスクリュー圧縮機で、運転負荷の軽減方法がスクリュー圧縮機本体の吸込み
    側につけた吸込み絞り弁、もしくは吐出し側に設けたスライド弁を負荷が軽減する方に動
    作させる事を特徴とするスクリュー圧縮機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかのスクリュー圧縮機で、通常の運転時と異なる運転を行う運転状態においては、その運転状態であることを知らしめる事を特徴とするスクリュー圧縮機。
  8. 可変速手段、熱交換器とそれを冷却するために送風する可変速可能な冷却ファンと、可
    変速手段の温度検出を行う温度検出手段を有するスクリュー圧縮機において、前述の温度
    検出値にもとづき前記冷却ファンの回転数を制御することを特徴とするスクリュー圧縮機


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