JP2007146271A - 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法 - Google Patents

貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007146271A
JP2007146271A JP2006017861A JP2006017861A JP2007146271A JP 2007146271 A JP2007146271 A JP 2007146271A JP 2006017861 A JP2006017861 A JP 2006017861A JP 2006017861 A JP2006017861 A JP 2006017861A JP 2007146271 A JP2007146271 A JP 2007146271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noble metal
fine particles
acid
producing
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006017861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4908002B2 (ja
Inventor
Masahiro Izumoto
政博 巖本
Emiko Ekusa
恵美子 江草
Daisuke Okazaki
大輔 岡崎
Taisuke Iseda
泰助 伊勢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP2006017861A priority Critical patent/JP4908002B2/ja
Publication of JP2007146271A publication Critical patent/JP2007146271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4908002B2 publication Critical patent/JP4908002B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】ガラス基板との密着性と膜表面の平滑性に優れた薄膜を成形することができる貴金属微粒子を製造する方法および貴金属薄膜を製造する方法を提供する。
【解決手段】炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物を保護コロイドとして用い、この保護コロイドと貴金属イオンを含む溶液に複数回に分けて還元剤を添加し攪拌した後、余分な保護コロイドおよび溶媒を除去するものである。前記保護コロイドの組合せであれば、貴金属微粒子を有機溶媒に分散したペーストを150〜450℃の温度で焼成しても、焼成膜の表面に残留するために、貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性を改善する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば無アルカリガラスのようなガラス基板との密着性と膜表面の平滑性に優れた薄膜を成形することができる貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法に関する。
従来、各種電極、回路、電界シールド、反射膜等、幅広い用途に銀薄膜等の金属薄膜が提供されている。一般的にガラス基板上あるいは半導体基板上に形成されるこのような金属薄膜の作製方法としては、真空蒸着法やペースト塗布法が知られている。
真空蒸着法は、真空蒸着装置内に基板を設置し、その上に金属薄膜を蒸着する方法であって、膜厚の精密な制御が可能で、高品質の金属薄膜を提供できることを特徴とする。
ペースト塗布法は、市販の金属微粒子を少なくとも樹脂成分および有機溶媒からなるマトリックス成分に分散させ、必要に応じてガラスフリットを添加してガラス基板に塗布し、加熱によって液体成分を蒸発させることによって、金属薄膜を形成する方法である。具体的には、スクリーン印刷、ディップコート法、スピンコート法等があり、真空蒸着法に比較して簡便で安価な製膜プロセスを特徴とする。
特許文献1には、粒径1.0μm以下の金微粒子とエチルセルロースからなる金ペーストが開示されており、金微粒子の粒径を制御することによって、金微粒子間の焼結を良好にし、500℃以下の比較的低温での焼成によって低抵抗値の金薄膜を形成可能にするものである。さらに、特許文献2には、250℃以下の温度で焼成可能な、有機溶媒中に安定に分散した銀微粒子分散ペーストが開示されている。
しかし、真空蒸着法は、装置が大掛かりで高価であり、必要とされる真空度を達成するために長時間の真空引きを要する問題がある。一方、ペースト塗布法は、250℃以下の比較的低温での焼成が可能になってきているものの、そのような低温での焼成では、一般的に金属薄膜の基板に対する密着性が不十分という問題があった。
特開平10−340619号公報 特開2002−299833号公報
即ち、一般的に貴金属は安定であるため、塗布対象物である基板との反応性が低く、基板との密着性に乏しかった。また、銀粒子に限らず、貴金属のように他の物質との反応性、密着性が低い場合には、基板から剥がれやすくなるという問題があった。このため、ガラス基板を表面処理して銀薄膜との密着性を高める必要があった。
しかも、銀をガラス基板上に成膜する場合、焼成温度が250℃を超えると粒成長が顕著となり、そのために平滑な表面が荒れて表面白濁が生じる等、高温焼成時の表面性に劣
る問題が発生し、得られた金属膜をそのまま配線として使用することは困難であった。
本発明は前記の点に鑑みてなされたものであり、ガラス基板との密着性と膜表面の平滑性に優れた薄膜を成形することができる貴金属微粒子を製造する方法および貴金属薄膜を製造する方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は貴金属の表面を保護コロイドで包囲した貴金属微粒子の製造方法であり、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物を保護コロイドとして用い、この保護コロイドと貴金属イオンを含む溶液に還元剤を添加し攪拌した後、余分な保護コロイドおよび溶媒を除去することを特徴としている。
また、本発明の貴金属微粒子の製造方法は、貴金属微粒子が分散しない溶媒に、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物からなる保護コロイド、貴金属イオン、還元剤を加え、貴金属微粒子の沈澱物を生成させて回収する方法であり、貴金属微粒子を沈澱物させることにより効率よく製造することができる。
上記沈澱方法で使用する貴金属微粒子が分散しない溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ペプタノール、α−テレピネオールから選ばれた少なくとも1種のアルコール類がある。
また、本発明の貴金属微粒子の製造方法は、カルボン酸が少なくとも炭素数10〜30のカルボン酸を含むこと、カルボン酸が炭素数4〜9のカルボン酸と炭素数10〜30のカルボン酸からなることを特徴としている。特に、炭素数10〜30のカルボン酸を使用することによって貴金属微粒子を単体で使用しても貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性が改善された薄膜を成形することができる。
前記貴金属微粒子の製造方法は、炭素数10〜30のカルボン酸がデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、そしてオクタデカジエン酸から選ばれた少なくとも一種であり、炭素数4〜9のカルボン酸がペンタン酸、ヘキサン酸、そしてオクタン酸から選ばれた少なくとも一種であり、貴金属が銀であり、また貴金属の割合が60〜95質量%で、保護コロイドの割合が5〜40質量%である。
本発明の貴金属薄膜の製造方法では、このようにして得られた貴金属微粒子を有機溶剤に溶かしてペーストに作製し、該ペーストを基板上に展開して薄膜を形成し、これを150〜450℃の温度で焼成する。
前記ペーストには、さらに有機金属化合物を添加してもよい。ここで、有機金属化合物とは、有機鉄化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物、有機銅化合物、有機ニッケル化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、そして有機ビスマス化合物から選ばれる少なくとも一種である。
本発明は、貴金属微粒子の表面に保護コロイドとして炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸を選定し、これらによって包囲された固形物である貴金属微粒子の製造方法およびこの貴金属微粒子を有機溶剤に溶かしてペーストに作製し、該ペーストを基板上に展開して薄膜を形成し、これを150〜450℃の温度で焼成することを特徴とする貴金属薄膜の製造方法であり、貴金属微粒子を単体で使用しても貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性が改善された薄膜を成形することができる効果がある。特に、炭素数10〜30のカルボン酸を使用することによってその効果が大きい。
また、前記ペーストにさらに有機金属化合物を添加することによって、より平滑性に優れた貴金属薄膜が得られる。
本発明では、貴金属微粒子の表面に保護コロイドとして炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸を選定し、これらによって包囲された固形物である貴金属微粒子の製造方法およびこの貴金属微粒子を用いた貴金属薄膜の製造方法である。
具体的には、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物を保護コロイドとして用い、この保護コロイドと貴金属イオンを含む溶液に複数回に分けて還元剤を添加し攪拌した後、余分な保護コロイドおよび溶媒を除去するものである。前記保護コロイドの組合せであれば、貴金属微粒子を有機溶媒に分散したペーストを150〜450℃の温度で焼成しても、焼成膜に残留するために、貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性を改善する。
即ち、貴金属微粒子の製造方法では、貴金属イオンと、保護剤として(1)炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと(2)炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを組み合わせたものを溶剤に溶解し、還元剤を10分〜2時間かけて滴下して保護剤で保護した貴金属微粒子/溶媒分散液を用意する。
前記貴金属微粒子としては、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの貴金属を一種類のみ使用してもよく、適宜、組み合わせて使用してもよい。
前記貴金属イオンは、溶媒に可溶性のある金属化合物であり、あるいはこの金属を溶解することで調製できるものである。該金属化合物は特に限定されず、例えば塩化金酸またはその塩、硝酸銀、塩化銀、酢酸銀、塩化白金酸またはその塩、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等が挙げられる。
そして上記溶媒としては、例えば主鎖の炭素数が6以上18以下の有機溶媒を用いることが好ましい。炭素数が6未満であると、揮発性が高すぎて取り扱いが困難になり、逆に炭素数が18を超えると、粘性が高すぎて取り扱いが困難になり、また濃縮も困難になるためいずれも好ましくない。具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、トリメチルペンタン等の炭化水素あるいは、トルエン、キシレン、テトラリン、ヘキサデカン、テトラデカン、ヘプタメチルノナン等が好ましい。
前記貴金属イオン溶液の濃度は、溶媒に溶解可能な範囲であれば特に限定されず、好ましくは100mM以上である。100mM未満であると、十分高濃度の貴金属微粒子が連続して得られないため、好ましくない。
前記還元剤としては、溶媒に溶解した還元剤含有溶液を使用するもので、例えば水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン化合物、クエン酸またはその塩、コハク酸またはその塩、アスコルビン酸またはその塩、ホスフィン酸またはその塩、酒石酸またはその塩等を使用することができる。
前記還元剤含有溶液の濃度は、溶媒に溶解可能な範囲であれば特に限定されず、好ましくは貴金属イオンモル濃度に対し0.1倍以上である。0.1倍未満であると、貴金属イオン含有溶液の滴下量に比べ多量の還元剤含有溶液が必要となり、工業的に不利なため好ましくない。
前記還元剤含有溶液は、一度に全て投入するのではなく複数回に分けて投入するのが好ましく、またその速度は、一定であることが好ましい。
前記貴金属微粒子の表面を包囲させる保護コロイドは、(1)炭素数5〜20のアミンを50〜99モル%の範囲内、(2)炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸を1〜50モル%の範囲内で含む原料から得られる化合物であることが好ましい。
前記アミンとしては、例えばペンチルアミン、へキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等を挙げることができる。
(2)炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸としては、(3)炭素数4〜9のカルボン酸と、(4)炭素数10〜30のカルボン酸の組合せである。(4)炭素数10〜30のカルボン酸は、貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性を改善して薄膜を成形する上で好ましい。(3)炭素数4〜9のカルボン酸と(4)炭素数10〜30のカルボン酸の比率は、(3)炭素数4〜9のカルボン酸の割合が0〜99モル%の範囲内、(4)炭素数10〜30のカルボン酸の割合が1〜100モル%の範囲内であることが好ましい。
(3)炭素数4〜9のカルボン酸としては、例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、そしてオクタン酸等を挙げることができる。
4)炭素数10〜30のカルボン酸としては、例えばデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、そしてオクタデカジエン酸等を挙げることができる。
そして、前記分散液を0.5〜3時間攪拌し、得られたろ過液をエバポレータで濃縮した液体を得る。この液体に溶媒を加えて沈澱物を生成させた後、吸引ろ過し、乾燥することによって保護剤で保護した貴金属微粒子の固形物を得る。
ここで使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ペプタノール、α−テレピネオールなどのアルコール類を混合して用いることができる。
前記固形物である保護剤で保護した貴金属微粒子は、貴金属微粒子の割合が60〜95質量%で、保護コロイドの割合が5〜40質量%が好ましく、両者の合計は100質量%である。
そして、この固形物をトルエン、へキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、トリメチルペンタン、ベンゼン、キシレン、テトラリン、ヘキサデカン、テトラデカン、ヘプタメチルノナン等の有機溶媒に溶解してペーストに仕上げることができる。この場合の、貴金属微粒子の濃度が10〜95質量%に調節することが好ましい。
前記ペーストには、さらに有機金属化合物を添加してもよい。ここで、有機金属化合物とは、有機鉄化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物、有機銅化合物、有機ニッケル化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、そして有機ビスマス化合物から選ばれる少なくとも一種である。ペーストに不純物としての有機金属化合物を添加することによって、保護コロイドが除去された銀微粒子の粒成長が有効に抑制され、より平滑性に優れた貴金属薄膜が得られる。
前記各種有機金属化合物の具体例としては、有機鉄化合物として、2−エチルヘキサン酸鉄、酢酸鉄(II)、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄(III)、有機チタン化合物として、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタン2−エチルヘキシオキシド、チタンイソブトキサイド、有機アルミニウム化合物として、アセチルアセトンアルミニウム、アルミニウム(III)n−ブトキシド、アルミニウム(III)t−ブトキシド、アルミニウム(III)ジイソプロポキサイドエチルアセテート、アルミニウム(III)イソプロポキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、有機スズ化合物として、2−エチルヘキサン酸スズ、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、酢酸スズ、テトラ−n−ブチルスズ、テトラメチルスズ、スズ(II)メトキサイド、スズ(II)エトキサイド、トリ−n−ブチルメトキシスズ、有機銅化合物として、酢酸銅、ギ酸銅、シュウ酸銅、銅(II)エチルアセトアセテート、銅(II)2,4ペンタンジオネート、有機ニッケル化合物として、ニッケル(II)2,4ペンタンジオネート、ニッケル(II)ヘキサフルオロペンタンジオネート、有機インジウム化合物として、酢酸インジウム、ギ酸インジウム、シュウ酸インジウム、2−エチルヘキサン酸インジウム、インジウム2,4ペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、有機亜鉛化合物として、アクリル酸亜鉛、亜鉛2−エチルヘキサノエート、メタクリル酸亜鉛、亜鉛ネオデカノエート、有機ビスマス化合物として、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ビスマス(III)t−ペントキサイド、ビスマス(III)テトラメチルヘプタンジオネート等が挙げられる。
得られる薄膜の平滑性及び体積抵抗率を考慮すれば、有機金属化合物の添加量は貴金属に対して0.5at%以下であることがより好ましい。
前記ペーストは基板上にスピンコート法、スクリーン印刷法、ディップコート法、インクジェット印刷法等の方法によって薄膜を形成し、該薄膜を150〜450℃で焼成し、これにより貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性を改善する。
本発明の貴金属微粒子の製造方法における他の実施形態としては、貴金属微粒子の表面に保護コロイドとして炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸を選定し、これらによって包囲された固形物である貴金属微粒子の沈澱物を溶媒中で生成させて回収する方法で、効率よく貴金属微粒子を製造することができる。
具体的には、貴金属微粒子が分散しない溶媒に、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物を保護コロイドと、貴金属イオンと、還元剤を加え、貴金属微粒子の沈澱物を生成させて回収するものである。そして、貴金属微粒子が分散しない溶媒に、保護コロイドと貴金属イオンを加えて、混合攪拌した溶液に複数回に分けて還元剤を添加し貴金属を還元し、貴金属微粒子の沈澱物を生成させ、得られた沈澱物を吸引ろ過して回収する。上記保護コロイドの組合せであれば、貴金属微粒子を有機溶媒に分散したペーストを150〜450℃の温度で焼成しても、焼成膜に残留するために、貴金属の粒成長を抑制して表面の平滑性を維持し、更にはガラス基板との密着性を改善する。
貴金属微粒子が分散しない溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ペプタノール、α−テレピネオールなどのアルコール類を混合して用いることができる。これにより、貴金属微粒子の沈澱物を生成させ、容易に回収することができる。
そして、保護コロイドである(1)炭素数5〜20のアミン、(2)炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸む原料から得られる化合物および/または混合物、貴金属イオン、そして還元剤の種類、添加量等は、前述と同じである。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。これらの例は単なる例示であって、本発明を何ら限定するものではない。
実施例1
酢酸銀2.5g、保護剤として(1)オクチルアミン4.9g、(2)オクタデカジエン酸0.5g、(3)ヘキサン酸2.0gをトリメチルペンタン0.05Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液を攪拌し、0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むプロパノール溶液0.1Lを1時間かけて滴下し銀を還元した。更に、3時間攪拌して黒色の液体を得た。
得られた黒色の液体をエバポレータによって濃縮した後、これにメタノール0.5Lを加えて褐色の沈殿物を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。該沈殿物をトリメチルペンタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて2.3gの黒色の固体を得た(銀ナノ粒子の収率95%)。反応溶媒濃度0.1モル/Lで銀微粒子固形物を得た。UV−VIS(紫外可視分光光度計)で測定したところ、図1に示すような波長430.5nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が30質量%になるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンペーストを調整した。これをガラス基板上にスピンコート法によって薄膜を作製し、300℃のマッフル炉にて30分間焼成した。焼成後、連続膜を作製し、その表面を表面粗さ計で測定した結果、11.2nmであり、表面には凹凸が少なく平滑性に優れていることが判る。また、得られた薄膜は体積抵抗率3.65μΩ・cm、膜厚323.4nmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
尚、表面粗さの測定は、触針式膜厚計で測定し中心線表面粗さ(Ra)を算出した。
薄膜の体積抵抗率は、その表面抵抗値を四探針法で測定し、触針式膜厚計で測定した膜厚および膜面積から算出した。
薄膜と無アルカリガラスとの密着性は、薄膜をクロスカットした後、テープ剥離試験により評価した。
実施例2
オクタデカジエン酸をテトラデカン酸にした以外は実施例1と同様にして、銀ナノ粒子を得た(収率82%)。UV−VISで測定したところ、図1に示すような波長424.5nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。
その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは4.3nmで、凹凸が少なく平滑性に優れていた。また、得られた薄膜の体積抵抗率は5.4μΩ・cm、膜厚0.4μmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、80/100の結果を得た。
実施例3
オクタデカジエン酸をヘキサデカン酸にした以外は実施例1と同様にして、銀ナノ粒子を得た(収率72%)。UV−VISで測定したところ、図1に示すような波長431.5nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。
その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは10.8nmで、凹凸が少なく平滑性に優れていた。また、得られた薄膜の体積抵抗率は4.0μΩ・cm、膜厚0.4μmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、10/100の結果を得た。
実施例4
オクタデカジエン酸をオクタデセン酸にした以外は実施例1と同様にして、銀ナノ粒子を得た(収率95%)。UV−VISで測定したところ、図1に示すような波長428.5nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。
その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは1.4nmで、凹凸が少なく平滑性に優れていた。また、得られた薄膜の体積抵抗率は3.8μΩ・cm、膜厚0.3μmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
実施例5
オクタデカジエン酸をオクタデカン酸にした以外は実施例1と同様にして、銀ナノ粒子を得た(収率67%)。UV−VISで測定したところ、図1に示すような波長427.0nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。
その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは4.5nmで、凹凸が少なく平滑性に優れていた。また、得られた薄膜の体積抵抗率は4.4μΩ・cm、膜厚0.5μmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
実施例6
酢酸銀2.5g、保護剤として(1)オクチルアミン4.9g、(2)オクタデカジエン酸0.5g、(3)ヘキサン酸2.0gをトリメチルペンタン0.05Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液に0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むプロパノール溶液0.1Lを1時間かけて滴下し銀を還元した。更に、3時間攪拌して黒色の液体を得た。
得られた黒色の液体をエバポレータによって濃縮した後、これにメタノール0.5Lを加えて褐色の沈殿物を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。該沈殿物をトリメチルペンタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて2.3gの黒色の固体を得た(銀ナノ粒子の収率95%)。反応溶媒濃度0.1モル/Lで銀微粒子固形物を得た。UV−VISで測定したところ、波長430.5nmにピークを有し、銀ナノ粒子が生成されていることを確認した。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が30質量%になるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンペーストを作製した。このペーストに銀に対して2−エチルヘキサン酸鉄を0.1at%添加した。これを無アルカリガラス基板上にスピンコート法によって薄膜を作製し、300℃のマッフル炉にて30分間焼成した。焼成後、連続膜を作製し、その表面を表面粗さ計で測定した結果、6.6nmであり、表面には凹凸がなく平滑性に優れていることが判る。また得られた薄膜は、体積抵抗率4.98μΩ・cm、膜厚0.3μmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ100/100の結果を得た。
実施例7
2−エチルヘキサン酸鉄0.1at%を0.25at%にした以外は、実施例6と同じ手順に従って、無アルカリガラス基板上に焼成膜を得た。得られた焼成膜の膜厚は312.7nmであり、体積抵抗率は5.16μΩ・cmであった。焼成膜とガラス基板との密着性は良好でテープ剥離試験をクリアした。中心線表面粗さRaは1.8nmであり、金属光沢のある平滑な膜であった。
実施例8
2−エチルヘキサン酸鉄0.1at%をチタンテトライソプロポキシド0.5at%にした以外は、実施例6と同じ手順に従って、無アルカリガラス基板上に焼成膜を得た。得られた焼成膜の膜厚は336.4nmであり、体積抵抗率は7.39μΩ・cmであった。焼成膜とガラス基板との密着性は得られなかったが、中心線表面粗さRaは2.0nmであり金属光沢のある平滑な膜であった。
実施例9
2−エチルヘキサン酸鉄0.1at%を2−エチルヘキサン酸スズ0.1at%にした以外は、実施例6と同じ手順に従って、無アルカリガラス基板上に焼成膜を得た。得られた焼成膜の膜厚は314.2nmであり、体積抵抗率は7.39μΩ・cmであった。焼成膜とガラス基板との密着性は得られなかったが、中心線表面粗さRaは7.9nmであり金属光沢のある平滑な膜であった。
実施例10
2−エチルヘキサン酸鉄0.1at%を2−エチルヘキサン酸スズ0.5at%にした以外は、実施例6と同じ手順に従って、無アルカリガラス基板上に焼成膜を得た。得られた焼成膜の膜厚は381.5nmであり、体積抵抗率は19.68μΩ・cmであった。焼成膜とガラス基板との密着性は良好で、テープ剥離試験をクリアした。中心線表面粗さRaは9.4nmであり金属光沢のある平滑な膜であった。
実施例11
ドデシルアミン9.2gとヘキサン酸2.9gを混合し、60℃、1時間攪拌した後、トリエチルペンタン0.5Lと混合した。この混合溶液に5.0×10−2モル/Lの塩化金(III)酸水溶液0.05Lとプロパノール0.05Lを添加し、1時間攪拌した。この混合溶液に2.5×10−1モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含む水溶液0.05Lを滴下し、金を還元した。
滴下後、1時間以上攪拌し、油層のみを抽出して黒色の液体を得た。得られた液体をエバポレータで凝縮した後、これにメタノール0.5Lを加えて沈殿を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。この沈殿物をトリメチルペンタンで再分散させ、ろ過した後、乾燥させて黒色の固体0.29gを得た(金微粒子の収量54%)。
得られた固体を金属濃度約30質量%となるようにトリメチルペンタンに分散して金微粒子分散トリメチルペンタンペーストを調整した。これを無アルカリガラス基板上にスピンコート法によって薄膜を作製し、ホットプレート上で30分間焼成した。焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で確認した。その結果、薄膜の表面粗さRaは3.6nmで、凹凸が少なく平滑性に優れていた。また、得られた薄膜の体積抵抗率は6.7μΩ・cm、膜厚121nmであった。また、碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
比較例1
オクタデカジエン酸をオクタデセン−1−オールにした以外は実施例1と同様にして、焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは50nm以上で、凹凸が多くて平滑性が劣っていた。
比較例2
オクタデカジエン酸を酢酸オクタデシルにした以外は実施例1と同様にして、焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは50nm以上で、表面には凹凸が多くて平滑性が劣っていた。
比較例3
酢酸銀2.5g、保護剤としてヘキサン酸7.8g、オクチルアミン19.4gをトリメチルペンタン1Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液を攪拌し、0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むプロパノール溶液0.6Lを1時間かけて滴下し、銀を還元した。更に、3時間攪拌して黒色の液体を得た。
実施例1と同様に、得られた黒色の液体をエバポレータによって濃縮した後、これにメタノールを加えて褐色の沈殿物を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。そしてこの沈殿物をイソオクタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて黒色の固体を得た。
しかし、得られた黒色の固体は除々に変色し、これをトルエンに溶解したが、凝集してコロイド分散せずインキを作製することが出来なかった。
比較例4
酢酸銀30g、保護剤としてのナフテン酸145g、および保護剤としてのオクチルアミン140gにトリメチルペンタン0.7を加え、室温で攪拌し、溶解させた。
得られた溶液を攪拌し、0.1モル/L水素化ホウ素ナトリウムプロパノール溶液660mLを20分間かけて滴下し、銀を還元した。さらに1時間攪拌して、沈殿物を吸引ろ過により除去した後、ろ過液をエバポレータで濃縮し、黒色の液体を得た。
得られた黒色の液体にメタノール3Lを添加して褐色の沈殿物を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。得られた沈殿物をトリメチルペンタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて黒色の固体を得た。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が30質量%となるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンインキを調整し、焼成後連続膜を作製し、その表面を肉眼で観察した。その結果、薄膜の中心線表面粗さRaは50nm以上で、凹凸が多くて平滑性が劣っていた。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
比較例5
オクチルアミン16.41gとトルエン0.25Lを混合した。この溶液に5.0×10−2モル/Lの塩化金(III)酸水溶液0.05Lを加え1時間攪拌した。作製した金イオン溶液にドデカンチオール0.51gを加え、還元剤として2.5×10−1モル/Lの水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.05Lを滴下し金を還元した。
滴下後、1時間以上攪拌し、油層のみを抽出した後、エバポレータで濃縮することで黒色の液体を得た。この液体にメタノール0.5Lを添加し、30分程度攪拌して沈殿を生成させた。吸引ろ過により沈殿物を回収した。この沈殿物をトルエンで再分散させ、ろ過した後、乾燥させて黒色の固体を得た。
得られた固体を金属濃度約30質量%となるようにトルエンに分散して金微粒子分散トルエンペーストを調整した。これを無アルカリガラス基板上にスピンコート法によって薄膜を作製し、ホットプレート上で30分間焼成した。得られた薄膜を300℃のホットプレート上で30分間焼成したが、連続膜は得られなかった。
実施例12
酢酸銀2.5g、保護剤として(1)オクチルアミン4.9g、(2)オクタデカジエン酸0.5g、(3)ヘキサン酸2.0gをメタノール0.5Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液に攪拌し、0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むメタノール溶液0.1Lを1時間かけて滴下し銀を還元した。
得られた沈澱物を吸引ろ過により回収した。該沈殿物をトリメチルペンタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて2.3gの黒色の固体を得た。(銀ナノ粒子の収率95%)UV−VIS(紫外可視分光光度計)で測定したところ、波長430.5nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が38質量%になるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンペーストを調整した。これをガラス基板上にスピンコート法によって薄膜を作製し、300℃のマッフル炉にて30分間焼成した。焼成後、連続膜を作製し、その表面を表面粗さ計で測定した結果、11.2nmであり、表面には凹凸が少なく平滑性に優れていることが判る。また、得られた薄膜は体積抵抗率4.66μΩ・cm、膜厚351.3nmであった。また、基盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
実施例13
酢酸銀2.5g、保護剤として(1)オクチルアミン4.9g、(2)オクタデカジエン酸0.5g、(3)ヘキサン酸2.0gをエタノール0.5Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液に攪拌し、0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むエタノール溶液0.1Lを1時間かけて滴下し銀を還元した。
得られた沈澱物を実施例12と同様に吸引ろ過により回収し、2.3gの黒色の固体を得た。(銀ナノ粒子の収率90%)UV−VIS(紫外可視分光光度計)で測定したところ、波長429.0nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が38質量%になるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンペーストを調整した。これを実施例6と同様に焼成して連続膜を作製し、その表面を表面粗さ計で測定した結果、10.6nmであり、表面には凹凸が少なく平滑性に優れていることが判る。また、得られた薄膜は体積抵抗率4.16μΩ・cm、膜厚348.6nmであった。また、基盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
実施例14
酢酸銀2.5g、保護剤として(1)オクチルアミン4.9g、(2)オクタデカジエン酸0.5g、(3)ヘキサン酸2.0gをプロパノール0.5Lに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液に攪拌し、0.03モル/Lの水素化ホウ素ナトリウムを含むプロパノーリ溶液0.1Lを1時間かけて滴下し銀を還元した。
得られた沈澱物を実施例12と同様に吸引ろ過により回収し、2.3gの黒色の固体を得た。(銀ナノ粒子の収率35%)UV−VIS(紫外可視分光光度計)で測定したところ、波長428.2nmにピークを有し、銀のナノ粒子が生成されていることを確認した。
得られた黒色の固体を、金属分濃度が38質量%になるようにトルエンに溶解して銀微粒子分散トルエンペーストを調整した。これを実施例12と同様に焼成して連続膜を作製し、その表面を表面粗さ計で測定した結果、12.2nmであり、表面には凹凸が少なく平滑性に優れていることが判る。また、得られた薄膜は体積抵抗率4.78μΩ・cm、膜厚348.6nmであった。また、基盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
本発明の貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法では、150〜450℃という比較的低い焼成温度で焼成することによって焼成コストを抑制しながら、同時に基板との密着性および表面平滑性に優れた貴金属薄膜を製造することができ、各種電極、回路、電界シールド、反射膜等、幅広い用途の貴金属薄膜に使用できる。
実施例1〜5で得られた銀微粒子固形物のUV−VIS(紫外可視分光光度計)のスペクトルを示すグラフである。

Claims (13)

  1. 貴金属の表面を保護コロイドで包囲した貴金属微粒子の製造方法において、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物を保護コロイドとして用い、この保護コロイドと貴金属イオンを含む溶液に還元剤を添加し攪拌した後、余分な保護コロイドおよび溶媒を除去することを特徴とする貴金属微粒子の製造方法。
  2. 貴金属の表面を保護コロイドで包囲した貴金属微粒子の製造方法において、貴金属微粒子が分散しない溶媒に、炭素数5〜20から選ばれる少なくとも1種類のアミンと、炭素数4〜30から選ばれる少なくとも1種類のカルボン酸とを含む原料を攪拌して得られる化合物および/または混合物からなる保護コロイド、貴金属イオン、還元剤を加え、貴金属微粒子の沈澱物を生成させて回収することを特徴とする貴金属微粒子の製造方法。
  3. 貴金属微粒子が分散しない溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ペプタノール、α−テレピネオールから選ばれた少なくとも1種のアルコール類である請求項2記載の貴金属微粒子の製造方法。
  4. 請求項1または2記載のカルボン酸が、少なくとも炭素数10〜30のカルボン酸を含んでいる貴金属微粒子の製造方法。
  5. 請求項1または2記載のカルボン酸が、炭素数4〜9のカルボン酸と炭素数10〜30のカルボン酸を含んでいる貴金属微粒子の製造方法。
  6. 請求項3または4記載の炭素数10〜30のカルボン酸が、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、そしてオクタデカジエン酸から選ばれた少なくとも一種である貴金属微粒子の製造方法。
  7. 請求項4記載の炭素数4〜9のカルボン酸が、ペンタン酸、ヘキサン酸、そしてオクタン酸から選ばれた少なくとも一種である貴金属微粒子の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の貴金属が、銀である貴金属微粒子の製造方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の貴金属が、金である貴金属微粒子の製造方法。
  10. 貴金属の割合が60〜95質量%で、保護コロイドの割合が5〜40質量%である請求項1乃至8記載の貴金属微粒子の製造方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法によって得られた貴金属微粒子を有機溶剤に溶かしてペーストに作製し、該ペーストを基板上に展開して薄膜を形成し、これを150〜450℃の温度で焼成することを特徴とする貴金属薄膜の製造方法。
  12. 前記ペーストにさらに有機金属化合物を添加し、該ペーストを基板上に展開して薄膜を形成し、これを150〜450℃の温度で焼成する請求項10記載の貴金属薄膜の製造方法。
  13. 前記有機金属化合物が、有機鉄化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物、有機銅化合物、有機ニッケル化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、そして有機ビスマス化合物から選ばれる少なくとも一種である請求項11記載の貴金属薄膜の製造方法。
JP2006017861A 2005-05-31 2006-01-26 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP4908002B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006017861A JP4908002B2 (ja) 2005-05-31 2006-01-26 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005158255 2005-05-31
JP2005158255 2005-05-31
JP2005189602 2005-06-29
JP2005189602 2005-06-29
JP2005317147 2005-10-31
JP2005317147 2005-10-31
JP2006017861A JP4908002B2 (ja) 2005-05-31 2006-01-26 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146271A true JP2007146271A (ja) 2007-06-14
JP4908002B2 JP4908002B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=38208026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006017861A Expired - Fee Related JP4908002B2 (ja) 2005-05-31 2006-01-26 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4908002B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009054453A1 (ja) * 2007-10-24 2009-04-30 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. 微小銀粒子含有組成物、その製造方法、微小銀粒子の製造方法および微小銀粒子を有するペースト
JP2009545657A (ja) * 2006-08-03 2009-12-24 フライズ・メタルズ・インコーポレイテッド 粒子およびインクおよびそれらを用いるフィルム
JP2011195951A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子の製造方法、これを用いたインク組成物及びその製造方法
WO2014050156A1 (ja) 2012-09-27 2014-04-03 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物及びそれを用いた導電性成形体
CN108053915A (zh) * 2017-12-18 2018-05-18 西安宏星电子浆料科技有限责任公司 丝网印刷用金基导体浆料及其制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005060824A (ja) * 2003-07-28 2005-03-10 Mitsuboshi Belting Ltd 合金微粒子の製造方法及び合金薄膜の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005060824A (ja) * 2003-07-28 2005-03-10 Mitsuboshi Belting Ltd 合金微粒子の製造方法及び合金薄膜の製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545657A (ja) * 2006-08-03 2009-12-24 フライズ・メタルズ・インコーポレイテッド 粒子およびインクおよびそれらを用いるフィルム
US9217088B2 (en) 2006-08-03 2015-12-22 Alpha Metals, Inc. Particles and inks and films using them
US8293142B2 (en) 2007-10-24 2012-10-23 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Composition containing fine silver particles, production method thereof, method for producing fine silver particles, and paste having fine silver particles
JP4344001B2 (ja) * 2007-10-24 2009-10-14 Dowaエレクトロニクス株式会社 微小銀粒子含有組成物、その製造方法、微小銀粒子の製造方法および微小銀粒子を有するペースト
KR101004553B1 (ko) 2007-10-24 2011-01-03 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 미소 은 입자 함유 조성물, 그 제조방법, 미소 은 입자의 제조방법
WO2009054453A1 (ja) * 2007-10-24 2009-04-30 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. 微小銀粒子含有組成物、その製造方法、微小銀粒子の製造方法および微小銀粒子を有するペースト
US8293144B2 (en) 2007-10-24 2012-10-23 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Composition containing fine silver particles, production method thereof, method for producing fine silver particles, and paste having fine silver particles
KR101239563B1 (ko) 2007-10-24 2013-03-05 도와 일렉트로닉스 가부시키가이샤 미소 은 입자 함유 조성물 및 미소 은 입자를 갖는 페이스트
US8486310B2 (en) 2007-10-24 2013-07-16 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Composition containing fine silver particles, production method thereof, method for producing fine silver particles, and paste having fine silver particles
JP2009120949A (ja) * 2007-10-24 2009-06-04 Dowa Electronics Materials Co Ltd 微小銀粒子含有組成物、その製造方法、微小銀粒子の製造方法および微小銀粒子を有するペースト
EP3042727A1 (en) * 2007-10-24 2016-07-13 DOWA Electronics Materials Co., Ltd. Composition containing fine silver particles, production method thereof, method for producing fine silver particles, and paste having fine silver particles
JP2011195951A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子の製造方法、これを用いたインク組成物及びその製造方法
US8728350B2 (en) 2010-03-23 2014-05-20 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for producing metal nanoparticles, ink composition using the same and method for producing the same
WO2014050156A1 (ja) 2012-09-27 2014-04-03 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物及びそれを用いた導電性成形体
CN108053915A (zh) * 2017-12-18 2018-05-18 西安宏星电子浆料科技有限责任公司 丝网印刷用金基导体浆料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4908002B2 (ja) 2012-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101474040B1 (ko) 금속 나노 입자 분산액 및 그 제조 방법 그리고 금속 나노 입자의 합성 방법
US8512438B2 (en) Methods for controlling metal nanostructures morphology
JP5355007B2 (ja) 球状銀粉の製造方法
JP5560459B2 (ja) 金属ナノ粒子の合成方法
WO2013105530A1 (ja) 銀ナノ粒子の製造方法及び銀ナノ粒子、並びに銀塗料組成物
JP4908002B2 (ja) 貴金属微粒子の製造方法および貴金属薄膜の製造方法
JP5358877B2 (ja) 抗菌性窯業製品、窯業表面処理剤、および抗菌性窯業製品の製造方法
CN102632651B (zh) 焊料接合用层压体及接合体
JP2007321215A (ja) 金属ナノ粒子分散体および金属被膜
JP2009197323A (ja) 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
JP2007138250A (ja) 銀粒子の製造方法及び得られた該銀粒子を含有する銀粒子含有組成物並びにその用途
JP2007197755A (ja) 金属ナノ粒子の製造方法、金属ナノ粒子、導電性組成物および電子デバイス
JP2007145947A (ja) 導電性インキ組成物とその製造方法
JP5560458B2 (ja) 金属ナノ粒子の合成方法
JP2008179851A (ja) 銀粉の製造方法及び銀粉
KR20180047527A (ko) 표면 처리된 은 분말 및 이의 제조방법
JP5765455B2 (ja) 抗菌性窯業製品、窯業表面処理剤、および抗菌性窯業製品の製造方法
JP2007175619A (ja) 金属薄膜の製造方法
JP2006286338A (ja) 銀パラジウム合金薄膜の製造方法
JP4624743B2 (ja) 銀薄膜の製造方法及び銅−銀合金薄膜の製造方法
JP2005060824A (ja) 合金微粒子の製造方法及び合金薄膜の製造方法
JP5582164B2 (ja) 抗菌性窯業製品、窯業表面処理剤、および抗菌性窯業製品の製造方法
JP2005060816A (ja) 合金微粒子の製造方法及び合金薄膜の製造方法
JP2012048949A (ja) 金担持粒子及びその製造方法、並びにその金担持粒子を用いた導電性膜及びその製造方法
JP5140035B2 (ja) 金属ナノ粒子を含有するコロイド溶液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4908002

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees