JP2007145942A - 蓄熱材マイクロカプセル、蓄熱材マイクロカプセル分散液および蓄熱材マイクロカプセル固形物 - Google Patents

蓄熱材マイクロカプセル、蓄熱材マイクロカプセル分散液および蓄熱材マイクロカプセル固形物 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に加水分解されることなく、経時安定性や相変化繰り返し耐久性に優れ、目的とする温度域のみで融解又は凝固が起こり、かつ高熱量及び相変化熱応答性に優れる蓄熱材を提供すること。
【解決手段】蓄熱材混合物が内包されている蓄熱材マイクロカプセルを用いる。例えば、純度87%、酸価7.6、水酸基価19であるラウリン酸ドデシルと、純度86%、酸価7.3、水酸基価18であるラウリン酸デシル。
【選択図】なし

Description

本発明は蓄熱材を内包したマイクロカプセルに関するものであり、具体的には蓄熱材の融解温度及び/又は凝固温度付近で極めて温度緩衝性に優れるマイクロカプセルに関するものである。
蓄熱材とは、文字通り熱を蓄えうる材料のことであり、低温度域から高温度域に至るまで、様々な分野で用いられている。蓄熱材として最も一般的なものとして、水、氷が挙げられる。水は、低分子量の割には比熱が極めて大きく、安全で安価な蓄熱材であり、保冷用途または保温用途の何れの蓄熱材としても使用可能である。また、水を0℃以下に冷やして得られる氷は、融解熱量が約320kJ/kgであり、他の化合物と比較して突出して大きい融解熱量を有している。そのため、最も身近な保冷材として利用されている。
ところで、蓄熱材マイクロカプセルは、被服材料や寝具などの繊維加工物、マイクロ波照射により加熱及び蓄熱する保温材、燃料電池や焼却炉などの廃熱利用設備、電子部品やガス吸着剤などの過熱抑制材及び/または過冷抑制材に加え、建築材料、建築物の躯体蓄熱・空間充填式空調、床暖房用、空調用途、道路や橋梁などの土木用材料、産業用及び農業用保温材料、家庭用品、健康用品、医療用材料等の様々な分野で利用されている。蓄熱材の相変化の温度、つまり、融点と凝固点は、利用分野によって、低温域(10℃以下)、中温域(10〜40℃)、高温域(40℃以上)に大別される。蓄熱材としては、無機系化合物、糖類、有機系化合物である脂肪族炭化水素化合物等が利用されている。このうち、脂肪族炭化水素化合物は蓄熱マイクロカプセルによく使用される(特許文献1〜5)。
中温域に融点を有する脂肪族炭化水素化合物は、工業的に多量に生産されているため、比較的安価であり、マイクロカプセル化も容易である。ところが、この高温域に融点を有する脂肪族炭化水素化合物を天然物から単離することは、量的にもコスト的にも困難である。通常は、炭素数20以上の脂肪族炭化水素は、パラフィンワックスという混合物で市販されている。パラフィンワックスは、離型剤、光沢剤、撥水剤等として用いられているが、蓄熱材としても利用可能である。しかしながら、脂肪族炭化水素化合物の単一化合物品と比べると、構成化合物数が多いパラフィンワックスの融解熱量は低いという欠点がある。また、相変化時の相変化応答性が悪く、凝固状態のパラフィンワックスに加熱を続けた場合、融け始めてから融け終わるまでの温度範囲が広くなるという挙動が見られる。このため、狭い温度変動範囲にて熱を蓄積したり取り出したりする場合には、化合物が本来持つ融解/凝固熱量の一部分しか利用できなくなることがあり、蓄熱材質量当たりの有効利用熱量が小さくなることがあった。
また、0〜30℃付近の中低温域に融点を持つ蓄熱材として用いられる炭素数10〜20程度の脂肪族炭化水素化合物も、混合物の方が入手しやすい。しかし、この場合にも、融点40℃以上の脂肪族炭化水素化合物と同様に、融解熱量が低く、また、相変化応答性も悪い。このため、化合物が本来持つ融解/凝固熱量のうちの一部分しか利用できなかったり、蓄熱材質量当たりの有効利用熱量は小さくなることがあった。
融点が40℃以上で、融解熱量が80kJ/kg以上と高く、相変化応答性に優れる化合物として、高級アルコール類、高級脂肪酸類、エステル化合物を蓄熱材として用いることが提案されている(特許文献6)。これらは、高純度の化合物として製品化されており、融け始めから融け終わりまでの温度範囲が比較的狭く、狭い温度変動範囲にて熱を蓄積したり取り出したりする場合においても、化合物が本来持つ融解/凝固熱量の大部分を利用することができ、蓄熱材質量当たりの有効利用熱量は大きいものとなる。また、価格も比較的安価である。しかしながら、これらの化合物をバルク状態で使用する場合には障害なく使用できるものの、乳化分散を施してマイクロカプセル化する場合には種々の問題点があった。
すなわち、高級アルコール類、高級脂肪酸類の場合をマイクロカプセル化すると、化合物の結晶化速度が速いために、乳化分散性が悪くなり、良好なマイクロカプセル皮膜が形成されにくく、カプセル化率が低くなるという問題があった。また、炭素数によっては特有の臭気の問題もあり、特に乳化分散工程において、異臭を発するために、蓄熱材マイクロカプセル用の蓄熱材としては不向きであった。
一方、エステル化合物においては、容易に入手可能なエステル化合物の多くは、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステルが主であり、これらアルコール残基の炭素数が4以下であるエステル化合物は、脂肪酸残基の炭素数が10以上の高級なものであっても、親水性が高いために、マイクロカプセル化工程において、次のような問題があった。例えば、水等の分散媒体に蓄熱材を乳化分散して蓄熱材マイクロカプセルが作製される際、高級脂肪酸と炭素数4以下の低級アルコールとの反応により得られるエステル化合物を蓄熱材として用いた場合には、分散媒体にエステル化合物の一部が溶け込むため、カプセル化されずにロスしてしまい、有効にカプセル化できる割合(カプセル化率)が低くなるという問題がある。さらに、分散媒体に溶解したエステル化合物が乳化分散性を悪化させたり、カプセル化反応を阻害したり、蓄熱材マイクロカプセル分散液の分散安定性を悪化させたりするなどの現象を引き起こすことが多かった。
さらに、高級脂肪酸と炭素数4以下の低級アルコールとの反応により得られるエステル化合物は、その脂肪酸残基の炭素数とアルコール残基の炭素数を合わせた総炭素数が20程度になると融点は室温付近になる。融点を見ると、蓄熱材として利用可能な範囲となるが、このエステル化合物は加水分解しやすく、加熱冷却を繰り返す用途に長期間使用すると、徐々に分解が起こり、融解熱量の低下と融点の目的温度からの逸脱が生じるといった問題があった。
また、エステル化合物以外のケトン化合物、エーテル化合物、アマイド化合物、アミン化合物などにおいても、連結基を中心として見た場合の少なくとも一方の炭化水素基の炭素数が4以下である場合には、上記エステル化合物と同様の問題点があった。
ところで、蓄熱材の目的融解温度(又は凝固温度)は、その化合物の融点(又は凝固点)で決まる。しかし、目的融解温度(又は凝固温度)に適した化合物が存在しないか、特殊品であり工業的に必要な量が得られないことがある。この場合、2種以上の化合物を混合して所望の融解温度(又は凝固温度)を得ようとすることがあるが、脂肪族炭化水素化合物では、2種以上を混合すると、上述のように混合物の融解熱量(又は凝固熱量)が混合前のそれぞれの単独化合物の融解熱量(又は凝固熱量)よりも大きく低下してしまうことが多い。また、融点の大きく異なる2種類以上の脂肪族炭化水素化合物を混合すると、混合した化合物に由来する2つ以上の融解温度がそのまま現れて、その中間の温度に融解温度を示さない場合が多い。したがって、脂肪族炭化水素化合物では、化合物の融点以外の温度で蓄熱することが困難である。
特開平5−25471号公報 特開2000−178545号公報 特開2000−38577号公報 特開2001−081447号公報 特開2001−288458号公報 特許第2847267号公報
本発明の課題は、容易に加水分解されることなく、経時安定性や相変化繰り返し耐久性に優れ、目的とする温度域で融解又は凝固が起こり、かつ高熱量及び相変化熱応答性に優れる蓄熱材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、次の発明を見出した。
(1)下記一般式(I)〜(III)で表される化合物で、総炭素数の差が4以内である化合物を少なくとも2種以上混合した蓄熱材混合物が内包されていることを特徴とする蓄熱材マイクロカプセル、
Figure 2007145942
〔式中、R1、R2はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Xはヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。〕
Figure 2007145942
〔式中、R3はn価の炭化水素基を表す。R4はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Yはヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。〕
Figure 2007145942
〔式中、Aはm価の原子または原子団または連結基を表す。R5はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Zはヘテロ原子を含む2価の連結基または直接結合を表す。〕
(2)蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が20〜95質量%である上記(1)記載の蓄熱材マイクロカプセル、
(3)蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が25〜90質量%である上記(1)記載の蓄熱材マイクロカプセル、
(4)蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が30〜85質量%である上記(1)記載の蓄熱材マイクロカプセル、
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の蓄熱材マイクロカプセルを分散媒体に分散させた蓄熱材マイクロカプセル分散液、
(6)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の蓄熱材マイクロカプセルを単独または複数個固着せしめてなる蓄熱材マイクロカプセル固形物。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルは、蓄熱材として一般式(I)〜(III)で表される化合物を少なくとも2種以上用いるが、各化合物が有する炭化水素基は炭素数が6以上であるため、水などの分散媒体に溶解しにくく、水分量やpHが変化しやすい環境でも、加水分解しにくいという特徴がある。ゆえに、加熱冷却を繰り返す用途に長期間使用しても安定な熱物性が得られ、高融解熱量を維持することができる。また、マイクロカプセル化工程において、蓄熱材化合物の大部分が油滴となって、有効にカプセル化され、カプセル化率を高くすることができる。さらに、得られる蓄熱材マイクロカプセル分散液は分散安定性が良好なものとなる。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルは、一般式(I)〜(III)で表される化合物のうち、総炭素数の差が4以内である化合物同士を少なくとも2種以上混合した混合物をマイクロカプセルに内包する蓄熱材として用いることで、脂肪族炭化水素化合物では得られなかった温度特性を得ることができた。すなわち、任意の目的融解温度(又は凝固温度)を設定することが必要となったとき、融解熱量(又は凝固熱量)の低下を起こすことなく、かつ、融解温度域(又は凝固温度域)が2つ以上に分かれることなく、1つの融解温度(又は凝固温度)を示すという温度特性を得ることができた。
本発明に係わる蓄熱材は、一般式(I)〜(III)で表される化合物から選択される。
一般式(I)において、R1とR2は、互いに同じであっても、異なっていてもよい、炭素数6以上の炭化水素基である。具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル、トリトリアコンチル、テトラトリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘキサトリアコンチル、ヘプタトリアコンチル、オクタトリアコンチル、ノナトリアコンチル、テトラコンチル、ヘンテトラコンチル、ドテトラコンチル、トリテトラコンチル、テトラテトラコンチル、ペンタテトラコンチル、ヘキサテトラコンチル、ヘプタテトラコンチル、オクタテトラコンチル、ノナテトラコンチル、ペンタコンチルなどの直鎖状の炭化水素基、または2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル、イソドデシル、イソオクタデシルなどの分岐を有する炭化水素基、またはヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、トリトリアコンテニル、テトラトリアコンテニル、ペンタトリアコンテニル、ヘキサトリアコンテニル、ヘプタトリアコンテニル、オクタトリアコンテニル、ノナトリアコンテニル、テトラコンテニル、ヘンテトラコンテニル、ドテトラコンテニル、トリテトラコンテニル、テトラテトラコンテニル、ペンタテトラコンテニル、ヘキサテトラコンテニル、ヘプタテトラコンテニル、オクタテトラコンテニル、ノナテトラコンテニル、ペンタコンテニルなどの不飽和結合を有する炭化水素基、などを挙げることができる。R1とR2において、より好ましくは、炭素数が8〜60であり、さらに好ましくは、10〜40である。炭素数が8未満であると、加水分解に対する安定性が低下したり、必要な熱量が不足したりすることがある。一方、炭素数が60を越えると、原料が天然に存在する量が極めて少なく、高価になることがある。
一般式(I)において、Xは、ヘテロ原子を含む2価の連結基であり、具体例としては、
Figure 2007145942
などを挙げることができる。
一般式(II)において、R3は、n価の炭化水素基であり、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳香環含有炭化水素基、シクロパラフィン環含有炭化水素基などを挙げることができる。また、nは2〜60の整数を表す。ここで、n価とはYと結合する部分がn個あることを表す。
一般式(II)において、R4は、互いに同じであっても異なっていてもよい、炭素数6以上の炭化水素基あり、具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル、トリトリアコンチル、テトラトリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘキサトリアコンチル、ヘプタトリアコンチル、オクタトリアコンチル、ノナトリアコンチル、テトラコンチル、ヘンテトラコンチル、ドテトラコンチル、トリテトラコンチル、テトラテトラコンチル、ペンタテトラコンチル、ヘキサテトラコンチル、ヘプタテトラコンチル、オクタテトラコンチル、ノナテトラコンチル、ペンタコンチルなどの直鎖状の炭化水素基、または2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル、イソドデシル、イソオクタデシルなどの分岐を有する炭化水素基、またはヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、トリトリアコンテニル、テトラトリアコンテニル、ペンタトリアコンテニル、ヘキサトリアコンテニル、ヘプタトリアコンテニル、オクタトリアコンテニル、ノナトリアコンテニル、テトラコンテニル、ヘンテトラコンテニル、ドテトラコンテニル、トリテトラコンテニル、テトラテトラコンテニル、ペンタテトラコンテニル、ヘキサテトラコンテニル、ヘプタテトラコンテニル、オクタテトラコンテニル、ノナテトラコンテニル、ペンタコンテニルなどの不飽和結合を有する炭化水素基、などを挙げることができる。R4において、より好ましくは、炭素数が8〜60であり、さらに好ましくは、10〜40である。炭素数が8未満であると、加水分解に対する安定性が低下したり、必要な熱量が不足したりすることがある。一方、炭素数が60を越えると、原料が天然に存在する量が極めて少なく、高価になることがある。
一般式(II)において、Yは、ヘテロ原子を含む2価の連結基であり、具体例としては、
Figure 2007145942
などを挙げることができる。
一般式(III)において、R5は、互いに同じであっても異なっていてもよい、炭素数6以上の炭化水素基あり、具体例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル、トリトリアコンチル、テトラトリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘキサトリアコンチル、ヘプタトリアコンチル、オクタトリアコンチル、ノナトリアコンチル、テトラコンチル、ヘンテトラコンチル、ドテトラコンチル、トリテトラコンチル、テトラテトラコンチル、ペンタテトラコンチル、ヘキサテトラコンチル、ヘプタテトラコンチル、オクタテトラコンチル、ノナテトラコンチル、ペンタコンチルなどの直鎖状の炭化水素基、または2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル、イソドデシル、イソオクタデシルなどの分岐を有する炭化水素基、またはヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、トリトリアコンテニル、テトラトリアコンテニル、ペンタトリアコンテニル、ヘキサトリアコンテニル、ヘプタトリアコンテニル、オクタトリアコンテニル、ノナトリアコンテニル、テトラコンテニル、ヘンテトラコンテニル、ドテトラコンテニル、トリテトラコンテニル、テトラテトラコンテニル、ペンタテトラコンテニル、ヘキサテトラコンテニル、ヘプタテトラコンテニル、オクタテトラコンテニル、ノナテトラコンテニル、ペンタコンテニルなどの不飽和結合を有する炭化水素基、などを挙げることができる。R5において、より好ましくは、炭素数が8〜60であり、さらに好ましくは、10〜40である。炭素数が8未満であると、加水分解に対する安定性が低下したり、必要な熱量が不足したりすることがある。一方、炭素数が60を越えると、原料が天然に存在する量が極めて少なく、高価になることがある。
一般式(III)において、Zはヘテロ原子を含む2価の連結基または直接結合である。ヘテロ原子を含む2価の連結基の具体例としては、上記Yで例示した基を挙げることができる。
一般式(III)において、Aはm価の原子または原子団または連結基であり、具体例としては、窒素原子、イオウ原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、複素環、ヘテロ原子含有炭化水素基などを挙げることができる。また、mは2〜60の整数を表す。ここで、m価とはZと結合する部分がm個あることを表す。
本発明に係わる蓄熱材の融点は、特に制限を受けるわけではなく、融点が100℃以上の化合物の場合でも、高圧釜での乳化・反応を行うことにより、水媒体を用いたマイクロカプセル化が可能である。一般的なマイクロカプセル化設備が使えるという点では、蓄熱材の融点は、約−50〜100℃の範囲、好ましくは−20〜90℃の範囲に設定されることが好ましい。さらに、R1、R2、R4、R5で示されるそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基は、融解熱量や有害性の点から直鎖状の飽和炭化水素基であることが好ましい。
本発明に係わる蓄熱材としては、特に、脂肪酸と一価アルコールとの脂肪酸エステル化合物、二塩基酸と一価アルコールとのジエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物、N−置換脂肪酸アミド化合物、ケトン化合物が好ましい。さらにとりわけ脂肪酸エステル化合物が、原料の入手のしやすさや合成のしやすさの点などから好適に用いることができる。つまり、一般式(I)において、Xが−COO−結合であり、R1が炭素数6以上の炭化水素基、R2が炭素数6以上の炭化水素基であるエステル化合物である。R1とR2の炭素数は同じであっても異なっていても良い。R1とR2の炭化水素基の炭素数は、それぞれ8〜60の範囲のものがより好ましく、さらにそれぞれ10〜40の範囲のものが好ましい。R1とR2は、直鎖状の飽和炭化水素基が最も好ましい。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルは、蓄熱材の総炭素数の差が4以内である蓄熱材を少なくとも2種以上混合した混合物をマイクロカプセルに内包する。総炭素数の差が4以内であるとは、例えば、一般式(I)において、Xが−COO−結合である時に、R1が炭素数13のトリデシル基、R2が炭素数12のドデシル基であるエステル化合物(総炭素数=26)とR1が炭素数11のウンデシル基、R2が炭素数12のドデシル基であるエステル化合物(総炭素数=24)とを用いるような場合を指す(総炭素数の差=2)。蓄熱材の総炭素数の差が4以内である蓄熱材を少なくとも2種以上混合した混合物をマイクロカプセルに内包することにより、目的融解温度(又は凝固温度)を設定することが必要となったときでも、融解熱量(又は凝固熱量)の低下を起こすことなく、かつ、融解温度温度域(又は凝固温度域)が2つ以上に分かれることなく、1つの融解温度(又は凝固温度)を示すという温度特性を得ることが可能となる。
一方、本発明外となる、蓄熱材の総炭素数の差が5以上である蓄熱材を少なくとも2種以上混合した混合物を用いると、脂肪族炭化水素化合物を2種類以上混合したときと同様の現象が起こる場合がある。すなわち、混合後の混合物の融解熱量(又は凝固熱量)が混合前のそれぞれ単独物の融解熱量(又は凝固熱量)よりも大きく低下してしまったり、融解温度すなわち吸熱を示す温度域(又は凝固温度すなわち放熱を示す温度域)が2つ以上に分かれてしまう場合がある。
本発明における蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率は20〜95質量%であることが好ましく、25〜90質量%であることがより好ましく、30〜85質量%であることが更に好ましい。最多含有率成分の含有率が20質量%よりも小さくなると、少なくとも5種類を超える蓄熱材を混合することになり、構成化合物数が多くなることで、融解熱量(又は凝固熱量)が低くなったり、相変化時の相変化応答性が悪く、即ち、融け始めから融け終わりまでの温度範囲(又は固まり始めから固まり終わりまでの温度範囲)が広くなったりすることがある。また、最多含有化合物の含有率が95質量%を超えると、マイクロカプセルに内包する前の段階における蓄熱材混合物の融解温度と凝固温度との差が大きくなる、すなわち過冷却現象が大きくなる場合がある。この過冷却現象が大きい蓄熱材混合物をマイクロカプセルに内包にした場合、過冷却防止剤として作用する添加剤を加えたとしても、蓄熱材マイクロカプセルの融解温度と凝固温度との差は、マイクロカプセルに内包する前の蓄熱材混合物の状態における融解温度と凝固温度との差よりも小さくなることはない。つまり、蓄熱材マイクロカプセルでも過冷却現象が起こってしまい、融解温度と凝固温度との差を小さくすること(例えば温度差が約5℃以内)が要求される用途においては支障となる場合がある。
本発明に係わる蓄熱材の純度は75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましい。蓄熱材の純度が75%未満であると、不純物による凝固促進作用や不純物自身の凝固・析出・発核作用により、マイクロカプセル中に内包された状態の蓄熱材が所望の温度域以外で融解や凝固を起こすことがあり、所望の温度域での融解熱量や凝固熱量が低くなることがある。ここでいう蓄熱材の純度とは、混合前のそれぞれ蓄熱材単独の状態での蓄熱材全体中に含まれる主成分の含有率を示す。本発明に係わる蓄熱材の純度は、ガスクロマトグラフィー法や液体クロマトグラフィー法などで測定することができる。ガスクロマトグラフィー法についてはJIS K0114に従って測定し、面積百分率法または補正面積百分率法が好適に適用できる。液体クロマトグラフィー法についてはJIS K0124に従って測定する。
本発明に係わる蓄熱材の酸価は8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。また、本発明に係わる蓄熱材の水酸基価は20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることが更に好ましい。蓄熱材の酸価が8を超えたり、水酸基価が20を超えた場合には、蓄熱材に不純物や未反応物として混入しているカルボン酸化合物やアルコール化合物等によって、カプセル皮膜形成反応の進行が部分的に阻害されることがあり、相変化の繰り返しを伴う長期間にわたる使用にも十分耐えうる皮膜強度を確保できない場合がある。なお、酸価と水酸基価のうち、特に酸価の方が皮膜強度に及ぼす影響が大きい。本発明に係わる酸価および水酸基価とは、JIS K0070に従って測定されるものであり、酸価・水酸基価ともに単位はmgKOH/gである。
本発明に係わる蓄熱材は、必要に応じ過冷却防止剤、比重調節剤、劣化防止剤等を添加することが出来る。
本発明に係わる蓄熱材は、融解時に漏れ出さないよう丈夫で熱安定性の良い容器や包材に充填して保温材としたり、親油性のゲル化剤と混合して固形化して用いる、あるいは水中に懸濁させて分散液として使用することも可能であるが、本発明の如くマイクロカプセル化して用いることにより、種々の目的に使いやすい形態に加工することができる。
本発明において、マイクロカプセルの製法として物理的方法と化学的方法が知られているが、特に潜熱蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334号公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)等に記載されている方法が用いられる。
マイクロカプセルの膜材としては、界面重合法、インサイチュー(in−situ)法、ラジカル重合法等の手法で得られるポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、またはゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられる。本発明においては、メラミンホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタンウレアが好ましく、さらに物理的、化学的に安定なインサイチュー法によるメラミンホルマリン樹脂皮膜、尿素ホルマリン樹脂皮膜、または界面重合法によるポリウレア皮膜、ポリウレタンウレア皮膜を用いたマイクロカプセルを使用することが特に好ましい。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は0.5〜50μmの範囲にすることが好ましく、さらに好ましくは1〜20μmの範囲にすることが好ましい。50μmより大きい粒子径では機械的剪断力に極めて弱くなることがあり、0.5μmより小さい粒子径では破壊は抑えられるものの、膜厚が薄くなり耐熱性に乏しくなることがある。本発明で述べる体積平均粒子径とはマイクロカプセル粒子の体積換算値の平均粒子径を表わすものであり、原理的には一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。体積平均粒子径の測定は顕微鏡観察による実測でも測定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定可能であり、本発明における体積平均粒子径は米国コールター社製粒度測定装置マルチサイザーII型を用いて測定を行なった。
本発明の蓄熱材マイクロカプセルは、通常水分散液の状態で作製されるが、この分散液(スラリー)状態のまま使用することができる他、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤー、フィルタープレスなどの各種乾燥装置・脱水装置を用いて、媒体の水を蒸発・脱水・乾燥させて粉体や固形体の形態にして使用することもできる。さらに、粉体や固形体に必要に応じてバインダー等を加えて、押出し造粒、転動造粒、撹拌造粒など各種造粒法を用いて造粒することで粒径を大きくし、扱いやすくした造粒体の形態にして使用することもできる。本発明ではこれら粉体や固形体および造粒体の総称として固形物と呼ぶことにする。なお、固形物の形状としては球状、楕円形、立方体、直方体、円柱状、円錐状、円盤状、俵状、桿状、正多面体、星形、筒型等如何なる形状でも良い。
(実施例)
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。実施例中の部数や百分率は特にことわりがない限り質量基準である。なお、実施例中の蓄熱材マイクロカプセルの融解温度及び凝固温度、融解熱量とは、得られた蓄熱材マイクロカプセルを示差走査熱量計(米国パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量2±0.2mg、昇温速度10℃/分および降温速度10℃/分にて測定した際の、昇温時におけるマイクロカプセルに内包された状態の蓄熱材の融解挙動に起因する、熱容量曲線の吸熱ピークの立ち上がりのオンセット(ベースラインと吸熱曲線の接線との交点)温度を融解温度とし、降温時におけるマイクロカプセルに内包された状態の蓄熱材の凝固挙動に起因する、熱容量曲線の放熱ピークの立ち上がりのオンセット(ベースラインと放熱曲線の接線との交点)温度を凝固温度とし、昇温時における熱容量曲線の吸熱ピークとベースラインとの差の積分値を融解熱量としている。また、マイクロカプセルに内包する前の蓄熱材についても上記と同様の条件にて融解温度と凝固温度とを測定し、融解温度と凝固温度との差を求めた。
実施例中の熱履歴耐久性とは、得られた蓄熱材マイクロカプセルの分散液を5g採取して100℃で2時間加熱することで媒体の水を蒸発させて得られた乾固物を、温度制御が可能な恒温槽中に入れ、相変化温度を挟む温度域として−10℃から60℃までを温度変化させ、300回の温度変化を与えた後の蓄熱量を測定し、温度変化を与える前の蓄熱量との比を熱履歴耐久性とした。温度変化は、昇温に1時間、60℃で30分保持、降温に1時間、−10℃で30分保持のサイクルを1回とする。数値が大きいほど温度変化を与えた後での蓄熱量の保持性に優れていることを示す。なお、蓄熱量については示差走査熱量計で測定される融解熱量により決定した。
蓄熱材として、純度88%、酸価2.6、水酸基価4.8であるミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕70部と純度87%、酸価2.7、水酸基価4.3であるラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕30部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Aを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.7℃であった。
pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液125部の中に、上記混合物A100部を激しく撹拌しながら添加し、平均粒子径が12.0μmになるまで乳化を行なった。次にメラミン10部と37%ホルムアルデヒド水溶液14部及び水25部を混合し、これをpH8に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し、70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行なった。次いで、この分散液のpHを9に調整してカプセル化を終了した。低粘度で、分散安定性が良好なメラミン−ホルマリン樹脂皮膜の蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は12.3μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は28.4℃、凝固温度は24.8℃、融解温度と凝固温度との差は3.6℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は167J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は93%であった。
蓄熱材として、純度92%、酸価1.4、水酸基価3.2であるラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕80部と純度91%、酸価1.6、水酸基価3.5であるラウリン酸デシル〔総炭素数=22〕20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Bを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.1℃であった。
pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液125部の中に、上記混合物Bに過冷却防止剤としてのN−ステアリルパルミチン酸アミド1部を加えた物を激しく撹拌しながら添加し、平均粒子径が2.0μmになるまで乳化を行なった。次にメラミン10部と37%ホルムアルデヒド水溶液14部及び水25部を混合し、これをpH8に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し、70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行なった後、この分散液のpHを9に調整してカプセル化を終了した。低粘度で、分散安定性が良好なメラミンホルマリン樹脂皮膜の蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は2.1μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.4℃、凝固温度は19.1℃、融解温度と凝固温度との差は2.3℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は159J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル97部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル3部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Cを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は3.8℃であった。
混合物Bに換えて混合物Cを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は27.4℃、凝固温度は21.8℃、融解温度と凝固温度との差は5.6℃となり、融解温度と凝固温度との差が若干大きくなった。蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は169J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル95部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル5部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Dを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は3.6℃であった。
混合物Bに換えて混合物Dを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は27.2℃、凝固温度は22.3℃、融解温度と凝固温度との差は4.9℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は167J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル90部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル10部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Eを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は2.6℃であった。
混合物Bに換えて混合物Eを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は24.8℃、凝固温度は21.0℃、融解温度と凝固温度との差は3.8℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は167J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル85部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル15部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Fを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は1.4℃であった。
混合物Bに換えて混合物Fを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は23.1℃、凝固温度は20.2℃、融解温度と凝固温度との差は2.9℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は165J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル50部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Gを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.5℃であった。
混合物Bに換えて混合物Gを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は18.1℃、凝固温度は15.6℃、融解温度と凝固温度との差は2.5℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は152J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル15部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル85部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Hを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は2.9℃であった。
混合物Bに換えて混合物Hを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は17.8℃、凝固温度は14.0℃、融解温度と凝固温度との差は3.8℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は156J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル10部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル90部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Iを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は3.1℃であった。
混合物Bに換えて混合物Iを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は18.2℃、凝固温度は13.9℃、融解温度と凝固温度との差は4.3℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は157J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル5部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル95部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Jを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は3.0℃であった。
混合物Bに換えて混合物Jを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は18.7℃、凝固温度は13.8℃、融解温度と凝固温度との差は4.9℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は159J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル3部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル97部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Kを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は3.7℃であった。
混合物Bに換えて混合物Kを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は19.1℃、凝固温度は13.3℃、融解温度と凝固温度との差は5.8℃となり、融解温度と凝固温度との差が若干大きくなった。蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は160J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、純度90%、酸価1.8、水酸基価3.8であるミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕50部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル〔総炭素数=22〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Lを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物Lを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は16.5℃、凝固温度は14.4℃、融解温度と凝固温度との差は2.1℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は144J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、純度93%、酸価1.5、水酸基価3.1であるミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕70部と実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕30部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Mを得た。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は1.1℃であった。
尿素7.5部とレゾルシン0.6部を溶解し、pHを3.0に調整した5%のエチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液125部中に、上記混合物M100部に過冷却防止剤としてのN−ステアリルパルミチン酸アミド1部を加えた物を激しく撹拌しながら添加し、平均粒子径が5μmになるまで乳化を行なった。次に、この乳化液に37%ホルムアルデヒド水溶液19部と水25部を添加し、60℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行なった。次いで、この分散液のpHを9に調整してカプセル化を終了した。低粘度で、分散安定性が良好な尿素ホルマリン樹脂皮膜の蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は5.2μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は35.0℃、凝固温度は33.4℃、融解温度と凝固温度との差は1.6℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は172J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は95%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル〔総炭素数=22〕85部と純度92%、酸価1.9、水酸基価3.3であるデカン酸デシル〔総炭素数=20〕15部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Nを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は2.0℃であった。
上記混合物N100部に、過冷却防止剤としてN−ステアリルパルミチン酸アミド1部を加え、多価イソシアネートとしてポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、芳香族イソシアネート、商品名44V20)11部を溶解した物を、5%ポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名ポバール117)水溶液125部中に添加し、体積平均粒子径が3μmになるまで室温で撹拌乳化を施した。次に、この乳化液に3%ジエチレントリアミン水溶液69部を添加した後、60℃で加熱と撹拌を1時間施した。低粘度で、分散安定性が良好なポリウレア皮膜を有する蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は3.2μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は15.6℃、凝固温度は11.5℃、融解温度と凝固温度との差は4.1℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は154J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は94%であった。
蓄熱材として、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕40部と実施例12で用いた物と同じラウリン酸デシル〔総炭素数=22〕60部とを均一混合し、蓄熱材の混合物Oを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は1.9℃であった。
上記混合物O100部に、過冷却防止剤としてN−ステアリルパルミチン酸アミド1部を加え、多価イソシアネートとして、ジシクロヘキシルメタン4,4−ジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、脂肪族イソシアネート、商品名デスモジュールW)16部を溶解した物を、5%ポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名ポバール117)水溶液125部中に添加し、平均粒径が4μmになるまで室温で撹拌乳化を行った。次に、この乳化液に3%ポリエーテル水溶液(旭電化工業(株)製、ポリエーテル、商品名アデカポリエーテルEDP−450)69部を添加した後、60℃で加熱と撹拌を施した。低粘度で、分散安定性が良好なポリウレタンウレア皮膜を有する蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は4.2μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は17.8℃、凝固温度は14.2℃、融解温度と凝固温度との差は3.6℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は150J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は95%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕50部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕50部とを均一混合し、蓄熱材の混合物Pを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0℃であった。
上記混合物P100部に、過冷却防止剤としてN−ステアリルパルミチン酸アミド1部を加え、さらにモノマーとしてメタクリル酸メチル11.9部とエチレングリコールジメタクリレート0.6部を溶解させ、これを75℃の1%ポリビニルアルコール水溶液375部に入れ、強撹拌により乳化を行った。次にこの乳化液の入った重合容器内を75℃に保ちながら窒素雰囲気にした後、イオン交換水19部に溶解させた2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド0.5部を添加した。7時間後に重合を終了し、重合容器内を室温にまで冷却し、カプセル化を終了した。低粘度で、分散安定性が良好なラジカル重合法によるポリメタクリル酸メチル皮膜を有する蓄熱材マイクロカプセルの分散液が得られた。得られた蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は5.3μmであった。また、得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は26.9℃、凝固温度は23.5℃、融解温度と凝固温度との差は3.4℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は166J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は92%であった。
蓄熱材として、実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕20部と実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕70部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕10部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Qを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は1.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物Qを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は36.4℃、凝固温度は34.4℃、融解温度と凝固温度との差は2.0℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は170J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕50部と純度91%、酸価1.7、水酸基価3.4であるラウリン酸テトラデシル〔総炭素数=26〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Rを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.7℃であった。
混合物Bに換えて混合物Rを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は35.1℃、凝固温度は32.9℃、融解温度と凝固温度との差は2.2℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は169J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕40部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕30部と実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕30部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Sを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.6℃であった。
混合物Bに換えて混合物Sを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は35.5℃、凝固温度は33.2℃、融解温度と凝固温度との差は2.3℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は165J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕30部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕25部と実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕25部と実施例18で用いた物と同じラウリン酸テトラデシル〔総炭素数=26〕20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Tを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.5℃であった。
混合物Bに換えて混合物Tを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は34.3℃、凝固温度は32.3℃、融解温度と凝固温度との差は2.0℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は162J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は97%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕25部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕25部と実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕25部と実施例18で用いた物と同じラウリン酸テトラデシル〔総炭素数=26〕25部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Uを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物Uを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は34.1℃、凝固温度は32.3℃、融解温度と凝固温度との差は1.8℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は152J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は97%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕20部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕20部と実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕20部と実施例18で用いた物と同じラウリン酸テトラデシル〔総炭素数=26〕20部と純度91%、酸価1.6、水酸基価3.9であるパルミチン酸ドデシル〔総炭素数=28〕20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Vを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.1℃であった。
混合物Bに換えて混合物Vを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は35.2℃、凝固温度は33.8℃、融解温度と凝固温度との差は1.4℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は141J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は97%であった。
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕17部と実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル〔総炭素数=24〕17部と実施例13で用いた物と同じミリスチン酸テトラデシル〔総炭素数=28〕17部と実施例18で用いた物と同じラウリン酸テトラデシル〔総炭素数=26〕17部と実施例22で用いた物と同じパルミチン酸ドデシル〔総炭素数=28〕16部と純度90%、酸価1.9、水酸基価3.5であるラウリン酸ヘキサデシル〔総炭素数=28〕16部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物Wを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の段階の融解温度と凝固温度との差は0.1℃であった。
混合物Bに換えて混合物Wを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は35.8℃、凝固温度は34.5℃、融解温度と凝固温度との差は1.3℃であった。また、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は136J/gとなり、熱量がやや低めとなった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は97%であった。
蓄熱材として、純度87%、酸価2.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価2.8、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物aを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.1℃であった。
混合物Bに換えて混合物aを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.7℃、凝固温度は19.7℃、融解温度と凝固温度との差は2.0℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は153J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は97%であった。
蓄熱材として、純度81%、酸価2.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度82%、酸価2.8、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物bを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物bを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.5℃、凝固温度は19.7℃、融解温度と凝固温度との差は1.8℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は150J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は94%であった。
蓄熱材として、純度76%、酸価2.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度77%、酸価2.8、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物cを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物cを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.3℃、凝固温度は19.6℃、融解温度と凝固温度との差は1.7℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は147J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は90%であった。
蓄熱材として、純度71%、酸価2.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度72%、酸価2.8、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物dを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物dを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.2℃、凝固温度は19.6℃、融解温度と凝固温度との差は1.6℃であった。また、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は139J/gとなり、蓄熱材の純度が本発明の好適な範囲よりも低いと、熱量がやや低めになるという結果となった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は87%であった。
蓄熱材として、純度87%、酸価4.4、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価4.5、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物eを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物eを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.6℃、凝固温度は20.0℃、融解温度と凝固温度との差は1.6℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は151J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は91%であった。
蓄熱材として、純度87%、酸価7.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価7.3、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物fを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物fを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.4℃、凝固温度は20.1℃、融解温度と凝固温度との差は1.3℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は148J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は85%となり、蓄熱材の酸価が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性が若干劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度87%、酸価9.5、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価9.4、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物gを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物gを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.2℃、凝固温度は20.0℃、融解温度と凝固温度との差は1.2℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は143J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は77%となり、蓄熱材の酸価が本発明の好適な範囲よりも高いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性がやや劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度87%、酸価2.6、水酸基価8であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価2.8、水酸基価9であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物hを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物hを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、低粘度で分散安定性が良好な、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.5℃、凝固温度は19.8℃、融解温度と凝固温度との差は1.7℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は150J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は93%であった。
蓄熱材として、純度87%、酸価2.6、水酸基価19であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価2.8、水酸基価18であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物iを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物iを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.4℃、凝固温度は20.0℃、融解温度と凝固温度との差は1.4℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は146J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は87%となり、蓄熱材の水酸基価が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性が若干劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度87%、酸価2.6、水酸基価24であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価2.8、水酸基価25であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物jを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物jを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.3℃、凝固温度は19.9℃、融解温度と凝固温度との差は1.4℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は142J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は79%となり、蓄熱材の水酸基価が本発明の好適な範囲よりも高いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性がやや劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度76%、酸価2.6、水酸基価19であるラウリン酸ドデシル80部と純度77%、酸価2.8、水酸基価18であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物kを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物kを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.4℃、凝固温度は20.1℃、融解温度と凝固温度との差は1.3℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は148J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は84%となり、蓄熱材の水酸基価が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性が若干劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度76%、酸価4.4、水酸基価19であるラウリン酸ドデシル80部と純度77%、酸価4.5、水酸基価18であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物mを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物mを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.3℃、凝固温度は20.2℃、融解温度と凝固温度との差は1.1℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は147J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は80%となり、蓄熱材の水酸基価が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性が若干劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度76%、酸価7.6、水酸基価4.5であるラウリン酸ドデシル80部と純度77%、酸価7.3、水酸基価4.7であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物nを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物nを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.5℃、凝固温度は20.5℃、融解温度と凝固温度との差は1.0℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は146J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は79%となり、蓄熱材の純度が本発明の好適な範囲の下限に近く、かつ蓄熱材の酸価が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性がやや劣るという結果となった。
蓄熱材として、純度87%、酸価7.6、水酸基価19であるラウリン酸ドデシル80部と純度86%、酸価7.3、水酸基価18であるラウリン酸デシル20部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物pを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.2℃であった。
混合物Bに換えて混合物pを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、若干増粘して分散安定性もやや劣る、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は21.3℃、凝固温度は20.3℃、融解温度と凝固温度との差は1.0℃、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は147J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は78%となり、蓄熱材の酸価と水酸基価の両方が本発明の好適な範囲の上限に近いと、蓄熱材マイクロカプセルの相変化繰り返し耐久性がやや劣るという結果となった。
(比較例1)
混合物Aに換えて、実施例1で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル(マイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差2.7℃)のみを用いた以外は実施例1と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は36.7℃、凝固温度は28.5℃、融解温度と凝固温度との差は8.2℃となり、融解温度と凝固温度との差がやや大きくなった。蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は172J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は93%であった。
(比較例2)
混合物Bに換えて、実施例2で用いた物と同じラウリン酸ドデシル(マイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差3.9℃)のみを用いた以外は実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は27.9℃、凝固温度は21.1℃、融解温度と凝固温度との差は6.8℃となり、融解温度と凝固温度との差がやや大きくなった。蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は179J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
(比較例3)
混合物Bに換えて、実施例2で用いた物と同じラウリン酸デシル(マイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差2.9℃)のみを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は19.6℃、凝固温度は12.1℃、融解温度と凝固温度との差は7.5℃となり、融解温度と凝固温度との差がやや大きくなった。蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は163J/gであった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
(比較例4)
蓄熱材として、実施例12で用いた物と同じミリスチン酸ドデシル〔総炭素数=26〕50部と実施例14で用いた物と同じデカン酸デシル〔総炭素数=20〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物qを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は0.4℃であった。
混合物Bに換えて混合物qを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解温度は4.0℃、凝固温度は1.6℃、融解温度と凝固温度との差は2.4℃であった。また、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量は127J/gとなり、低い融解熱量となった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
(比較例5)
蓄熱材として、脂肪族炭化水素化合物であるn−オクタデカン〔総炭素数=18〕50部とn−ヘキサデカン〔総炭素数=16〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物rを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の融解温度と凝固温度との差は1.8℃であった。
混合物Bに換えて混合物rを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解/凝固挙動を評価したところ、融解温度は14.3℃であったが融解ピークは非常にブロードになり、凝固温度は11.2℃であったが凝固ピークも非常にブロードになってしまった。融解温度と凝固温度との差は3.1℃であった。また、蓄熱材マイクロカプセル固形分当たりの融解熱量も119J/gとなり、低い融解熱量となってしまった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
(比較例6)
蓄熱材として、脂肪族炭化水素化合物であるn−オクタデカン〔総炭素数=18〕50部とn−テトラデカン〔総炭素数=14〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物sを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の高温側に現れる融解温度と凝固温度との差は2.5℃であった。
混合物Bに換えて混合物sを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解/凝固挙動を評価したところ、融解ピークは4℃と27℃の2つのピークに分かれてしまい、凝固ピークも2つのブロードなピークに分かれてしまい、ある特定の温度域のみで融解(蓄熱)と凝固(放熱)を起こすという性能を得られるものではなかった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
(比較例7)
蓄熱材として、実脂肪族炭化水素化合物であるn−オクタデカン〔総炭素数=18〕50部とn−ドデカン〔総炭素数=12〕50部とを均一に混合し、蓄熱材の混合物tを調製した。この混合物のマイクロカプセルに内包する前の高温側に現れる融解温度と凝固温度との差は1.3℃であった。
混合物Bに換えて混合物tを用いた以外は、実施例2と同様の操作でカプセル化を行い、蓄熱材マイクロカプセルの分散液を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセルの融解/凝固挙動を評価したところ、融解ピークは−10℃と28℃の2つのピークに分かれてしまい、凝固ピークも2つのブロードなピークに分かれてしまい、ある特定の温度域のみで融解(蓄熱)と凝固(放熱)を起こすという性能を得られるものではなかった。なお、得られた蓄熱材マイクロカプセルの熱履歴耐久性は98%であった。
実施例1で得られた蓄熱材マイクロカプセル分散液をスプレードライにより噴霧乾燥し、平均粒径80μm、含水分2%の蓄熱材マイクロカプセルの粉体を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル粉体は、流動性が良好で、臭気も感じられなかった。
実施例2で得られた蓄熱材マイクロカプセル分散液をスプレードライにより噴霧乾燥し、平均粒径100μm、含水分3%の蓄熱材マイクロカプセルの粉体を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル粉体は、流動性が良好で、臭気も感じられなかった。
実施例1で得られた蓄熱材マイクロカプセル分散液をスプレードライにより噴霧乾燥し、平均粒径120μmの蓄熱材マイクロカプセルの粉体を得た。得られた粉体は、流動性が良好で、臭気も感じられなかった。さらに、得られた蓄熱材マイクロカプセル粉体100部に、結着剤としての30%ポリビニルアルコール水溶液30部と適当量の水を加えて混合した後、押出式造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径1mm、長径3mmの円柱形状の蓄熱材マイクロカプセルの造粒体を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒体は、蓄熱材の染み出し等は見られず、臭気も感じられなかった。
実施例2で得られた蓄熱材マイクロカプセル分散液をスプレードライにより噴霧乾燥し、平均粒径120μmの蓄熱材マイクロカプセルの粉体を得た。得られた粉体は、流動性が良好で、臭気も感じられなかった。さらに、得られた蓄熱材マイクロカプセル粉体100部に、結着剤としての30%ポリビニルアルコール水溶液30部と適当量の添加水を加えて混合した後、押出式造粒装置により押出成型を行い、100℃で乾燥させて、短径2mm、長径4mmの円柱形状の蓄熱材マイクロカプセルの造粒体を得た。得られた蓄熱材マイクロカプセル造粒体は、蓄熱材の染み出し等は見られず、臭気も感じられなかった。
本発明による蓄熱材マイクロカプセルは、被服材料や寝具などの繊維加工物、マイクロ波照射により加熱及び蓄熱する保温材、燃料電池や焼却炉などの廃熱利用設備、電子部品やガス吸着剤などの過熱抑制材及び/または過冷抑制材に加え、建築材料、建築物の躯体蓄熱・空間充填式空調、床暖房用、空調用途、道路や橋梁などの土木用材料、産業用及び農業用保温材料、家庭用品、健康用品、医療用材料など様々な利用分野に応用できる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)〜(III)で表される化合物で、総炭素数の差が4以内である化合物を少なくとも2種以上混合した蓄熱材混合物が内包されていることを特徴とする蓄熱材マイクロカプセル。
    Figure 2007145942
    〔式中、R1、R2はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Xはヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。〕
    Figure 2007145942
    〔式中、R3はn価の炭化水素基を表す。R4はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Yはヘテロ原子を含む2価の連結基を表す。〕
    Figure 2007145942
    〔式中、Aはm価の原子または原子団または連結基を表す。R5はそれぞれ独立の炭素数6以上の炭化水素基を表す。Zはヘテロ原子を含む2価の連結基または直接結合を表す。〕
  2. 蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が20〜95質量%である請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル。
  3. 蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が25〜90質量%である請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル。
  4. 蓄熱材混合物中の最多含有化合物の含有率が30〜85質量%である請求項1記載の蓄熱材マイクロカプセル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱材マイクロカプセルを分散媒体に分散させた蓄熱材マイクロカプセル分散液。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄熱材マイクロカプセルを単独または複数個固着せしめてなる蓄熱材マイクロカプセル固形物。
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