JP2003328298A - 蓄熱性を有するシート及びそれを用いた糸及びそれを用いた織物 - Google Patents

蓄熱性を有するシート及びそれを用いた糸及びそれを用いた織物

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Mamoru Ishiguro
守 石黒
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】外気温が高過ぎたり低過ぎたりしても快適と感
じられる体温を長時間安定化せしめることが可能で、通
常の布帛と全く同じ風合いと着心地を醸し出すことが可
能な糸及び織物を提供する。 【解決手段】蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含む
繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加工して得られる
蓄熱性を有するシートを得る。そのシートを幅0.1〜
40mmの範囲に短冊状に裁断し、その1本又は複数本を
撚り合わせて糸を得る。更にその糸を編んで蓄熱性を有
する織物を得る。蓄熱材の融点は0〜60℃の範囲が好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓄熱性を有するシー
ト及び糸及びそれを用いた織物に関するものであり、こ
れらを用いて加工された被服材料を身体につけることに
より予め蓄熱材に蓄えられた熱が体温を蓄熱したり放熱
することにより適度の体温に安定し得るため、快適さが
感じられる被服材料を提供することが可能となる。その
他織物としてカーペット、カーテン、寝具などにも加工
が可能で体温及び室温調節機能を有する各種被服材料や
保温保冷用布帛を得ることが可能となる。
【0002】
【従来の技術】繊維に蓄熱性能や保温性能を保持させる
方法として、特開平1−132816号公報では周期律
表第4族に属する遷移金属の炭化物粉末を溶融紡糸する
方法や、特開平8−170218号公報ではフタロシア
ニン化合物を含有した繊維の提案が成されている。ま
た、特開平6−200417号公報では鞘部が熱可塑性
重合体、芯部が潜熱蓄熱材から成る複合繊維が衣料用に
適した蓄熱材入り繊維が提案されている。しかしながら
これらの方法ではかなりのコストアップにつながるばか
りか風合いや着心地の点で充分なものは得られなかっ
た。
【0003】また、人体から発する熱を蓄えたり放熱す
ることを防いだりする目的で、繊維自体に蓄熱材を内包
したマイクロカプセルを塗工または含浸した布帛類の提
案がなされている(特開昭64−85374号、特開平
9−78470号、同10−295407号公報等)。
このような布帛類を用いたジャケット、手袋、ブーツ等
は蓄熱性があるために保温性に優れた効果を発揮するも
のであり、人体より発する熱をカプセル内の蓄熱材に蓄
えることにより体温調節機能を意図するものである。
【0004】その中で蓄熱材を内包するマイクロカプセ
ルが合成ポリマーの中に練り込まれた繊維が特公平5−
55607号公報で提案されており可逆的熱貯蔵性を示
すと記載されている。しかしながら、充分な強度を有す
る繊維にするためには合成ポリマー中に練り込まれるマ
イクロカプセルの含有比率も自ずと低い割合に成らざる
を得ず、結果的に蓄熱性能の乏しい繊維しか得られなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、外気
温が高過ぎたり低過ぎたりしても、人間が快適と感じら
れる体温を長時間安定化せしめることが可能で、通常の
布帛と全く同じ風合いと着心地を醸し出すことが可能な
シート、及び糸、及び織物を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題解決につき鋭意検討を重ねた結果、蓄熱材を内包する
マイクロカプセルを均一にシートに含有させる方法とし
て一般的に紙を製造する際に用いる湿式抄紙法に着目
し、人間が快適と感じられる体温を長時間安定化せしめ
ることが可能で、通常の布帛と全く同じ風合いと着心地
を醸し出すことが可能なシート、及び糸、及び織物を提
供することを可能ならしめたものである。
【0007】本発明は、1.蓄熱材を内包するマイクロ
カプセルを含む繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加
工して得られる蓄熱性を有するシートである。2.蓄熱
材を内包するマイクロカプセルを含む繊維分散液を湿式
抄紙法でシート状に加工して得られる蓄熱性を有するシ
ートを幅0.1〜40mmの範囲に短冊状に裁断し、その
1本又は複数本を撚り合わせて得られる蓄熱性を有する
糸である。3.蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含
む繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加工して得られ
る蓄熱性を有するシートを幅0.1〜40mmの範囲に短
冊状に裁断し、その1本又は複数本を撚り合わせて得ら
れる蓄熱性を有する糸を編んで得られる蓄熱性を有する
織物である。4.蓄熱材の融点が0〜60℃の範囲であ
る蓄熱性を有するシート、糸または織物である。
【0008】
【発明の実施の形態】蓄熱材をマイクロカプセル化する
方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法
(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に
熱可塑性樹脂を噴霧する方法(同62−45680号公
報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成す
る方法(同62−149334号公報)、蓄熱材粒子の
表面でモノマーを重合させ被覆する方法(同62−22
5241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮
膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号
公報)等に記載されている方法を用いることができる。
【0009】カプセル膜材としては特に限定されない
が、界面重合法、インサイチュー法等の手法で得られ
る、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミ
ド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレ
タン、アミノプラスト樹脂、またゼラチンとカルボキシ
メチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベ
ーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いら
れるが、物理的、化学的に安定で、脂肪族系炭化水素化
合物でも良好な品質のマイクロカプセルが得られるイン
サイチュー法による尿素ホルマリン樹脂、メラミンホル
マリン樹脂皮膜を用いたマイクロカプセルが特に好まし
い。マイクロカプセル分散液のpHは特に限定されない
が10以下が好ましい。
【0010】本発明で用いられる蓄熱材の必要条件とし
て、人間の皮膚温付近の25〜37℃付近に設定される
ことが特に好ましいが、外部から強制的に冷熱又は温熱
を付与して蓄熱性能を有する被服材料や冷熱又は温熱器
具を得るためには0〜60℃の範囲の融点が好ましい範
囲である。具体的には、炭素数が約13〜40までのノ
ルマルパラフィン、セチルアルコール、ステアリルアル
コールなどのアルコール化合物、ステアリン酸等のカル
ボン酸化合物、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸ミリス
チル等のエステル化合物等が挙げられ、更に融解熱量は
80kJ/kg以上であること、強い毒性や臭気がなく
安価であること、などが条件として挙げられる。
【0011】マイクロカプセルの粒子径の設定は、乳化
剤の種類、界面活性剤の濃度、乳化時の乳化液の温度、
乳化比(水相と油相の体積比率)、乳化機、分散機等の
微粒化装置の種類や運転条件(攪拌回転数、時間等)を
変更することにより所望の値に設定することができる
が、糸に撚り合わせた場合に破壊が少ないように1〜1
0μmの範囲に設定することが好ましい。本発明の粒子
径は、ベックマンコールター社製コールターカウンタ
ー、マルチサイザーを用いて測定した体積平均粒子径を
示す。
【0012】湿式抄紙法でシートに蓄熱材を内包するマ
イクロカプセルを含有させる方法としては、パルプや合
成繊維等の繊維を水に分散した容器に蓄熱材を内包する
マイクロカプセルを投入し攪拌した後、紙パルプ技術タ
イムス2000年版臨時増刊:224〜227頁に記載
されているような一般的に湿式抄紙で使用されるカチオ
ン系またはアニオン系の歩留向上剤を単独または併用で
適量添加することにより蓄熱材を内包するマイクロカプ
セルがパルプや合成繊維とフロックを形成し、抄造の際
に白水と共に流出することを抑え、シートに良好に留め
ることが出来る。歩留まり向上剤の添加量は、パルプや
合成繊維等の繊維と蓄熱材を内包するマイクロカプセル
の総量に対して0.001〜0.5質量%であり、好ま
しくは0.005〜0.4質量%である。0.001質
量%未満では良好なフロックが得られず、0.5質量%
を超えた場合は更なるフロック度合いの向上は見込めな
い。
【0013】本発明のシートは、一般紙や湿式不織布を
製造するための抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙
機、傾斜ワイヤー式抄紙機などの湿式抄紙機で製造でき
る。乾燥には、シリンダードライヤー、スルードライヤ
ー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いることができ
る。
【0014】本発明のシートを湿式抄紙法で作製する場
合、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと併用できるシ
ートの原料は、有機繊維、無機繊維、粉体等水に分散で
きるものであれば何でも可能であるが、シートとして柔
軟性等を考慮すると有機繊維の中でも草木類からなる繊
維が好ましい。草木類からなる繊維としてはケナフ、バ
ガス、竹、わら、綿、麻(亜麻、ラミー)、木材パルプ
等が挙げられる。また、耐水性、引っ張り強度等を付与
するために、草木類以外の動物繊維としての絹、羊毛な
どの繊維、再生繊維としてのレーヨン、キュプラ、半合
成繊維としてのアセテート、トリアセテート、プロミッ
クス、合成繊維としてのナイロン、アクリル、ビニロ
ン、ビニリデン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系
などの繊維も必要に応じて配合できる。
【0015】なお、本発明においては、古紙、損紙など
から得られるパルプ繊維も含まれる。また、本発明に使
用できる繊維には必要に応じて高融点ポリエステル
(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ(商品
名:メルテイ4080:ユニチカ社製)やビニロンバイ
ンダー繊維(VPB107×1:クラレ社製)などの熱
水溶融タイプなど各種のバインダーを用いることができ
る。
【0016】本発明のシートは、湿式抄紙後乾燥した時
点で、蓄熱材を内包するマイクロカプセルはシートに固
着しているが、用途に応じて耐水性、耐洗濯性等を付与
するためにシートを作製した後、各種バインダーを付与
することが可能である。その場合に、各種バインダーと
同時に蓄熱材を内包するマイクロカプセルを混合させ、
この段階で再度含有させることも可能である。バインダ
ーとしては、例えば、アクリル系ラテックス、酢ビ系ラ
テックス、ウレタン系ラテックス、エポキシ系ラテック
ス、ポリエステル系ラテックス、SBR系ラテックス、
NBR系ラテックス、エポキシ系バインダー、フェノー
ル系バインダー、PVA、デンプン、一般的に製紙工程
で使用される紙力剤などが挙げられ、これらを単独、も
しくは架橋剤と併用して使用できる。
【0017】各種バインダーを付与する方法としては、
各種バインダーを水に溶解または希釈したり、界面活性
剤を含有した水に溶解した後、製紙メーカー等が一般に
使用しているサイズプレス、タブサイズ等の含浸装置や
エアナイフコーター、グラビアコーター並びに噴霧スプ
レー等の装置を用いて付与することが出来る。バインダ
ーの付与量はシートに対して固形分で0.01〜20質
量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であ
る。0.01質量%未満では耐水性が不十分であり、2
0質量%を超えても耐水性は飽和状態にあるばかりでな
く、シートが堅くなりすぎてしまい風合いを損ねてしま
う。
【0018】シートの抄紙後の厚みは特に限定はされな
いが、織物に加工し更に被服材料まで加工した場合に剛
直感がなく着心地の良い感触が得られるためになるべく
薄く、しかもしなやかに加工することが好ましい。具体
的には厚みが5〜100μm、好ましくは10〜30μ
mの範囲が好ましい。また、シート中に保持されるマイ
クロカプセルの固形重量は、シートの厚みにも影響され
るが、1〜100g/m2、好ましくは5〜50g/m2
の範囲で抄き込まれる。この範囲以下であると蓄熱性能
に乏しく、この範囲以上であると撚糸操作が困難になっ
たり織物の風合いに悪影響を与えるため好ましくない。
シートの抄紙の際に必要に応じ、有機、無機の顔料を添
加することも可能であり、具体的には活性炭、酸化チタ
ン、染料、着色顔料、赤外線吸収性顔料、中空粒子、磁
性粉、珪藻土、香気成分、抗菌剤、防黴剤等を添加でき
る。
【0019】次に本発明の糸について説明する。本発明
の糸を撚る方法としては特に限定されないが、一例とし
ては、本発明のシートを約0.1〜40mm、好ましく
は0.5〜20mm幅の短冊状に裁断し、そのシート片を
1m辺り300〜2000回撚る方法があり、この方法
により強靱さが増した糸を作ることが可能となる。この
場合撚り合わせる短冊状シートは1種類だけでなく、異
なった種類のマイクロカプセルを含有する複数の短冊状
シートと組み合わせて撚り上げても良い。これら撚糸工
程は各種紡績機械によって目的に応じた太さ、長さに加
工される。糸状に仕上げた後、樹脂で含浸加工したり染
色したりすることも可能である。
【0020】次に本発明の織物について説明する。本発
明の織物とは、本発明のシートを用いて作製した糸を用
いて、縦方向の糸と横方向の糸が一定の規則的なルール
で組み合わされた布帛状の構造物を意味する。通常縦糸
と横糸の太さは用途や糸の性質により変化し冬用及び強
度を有するものであれば太めの糸を、夏向き及び薄手の
風合いが必要であれば細目の糸が用いられる。縦糸と横
糸は、のり付け、整経、たて巻、管巻き、製織の各工程
を経て織物製品が完成する。本発明の織物は通常の横編
み機、丸編み機、ラッシェル機、トリコット編み機等の
織物産業で用いられている各種織機を用いて編み込まれ
る。
【0021】かくして得られた織物は帽子、下着、セー
ター、ズボン等の被服材料や靴の中敷きなどに加工さ
れ、体温と蓄熱材との熱交換効果により体温の安定化が
図られるため気温の急激な変化や激しい運動に対しても
快適な着心地が得られる被服材料を提供することが可能
となる。また、本発明の蓄熱性を有する糸を用いて、カ
ーペット、カーテン、畳表、建築用内装材、寝具、ショ
ール等にも加工が可能である。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。実施例中の部
数は固形質量部を表す。また、融点及び融解熱量は示差
熱熱量計(米国パーキンエルマー社製、DSC−7型)
を用いて測定した。
【0023】実施例1 蓄熱材マイクロカプセルの製法 メラミン粉末12重量部に37%ホルムアルデヒド水溶
液15.4重量部と水40重量部を加え、pHを8に調
整した後、約70℃まで加熱してメラミン−ホルムアル
デヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整し
た10%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウ
ム塩水溶液100重量部中に、蓄熱材として、ノルマル
オクタデカン70重量部とノルマルノナデカン10部の
混合液(融点約30℃)を激しく撹拌しながら添加し、
粒子径が3.0μmになるまで乳化を行なった。得られ
た乳化液に、上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合
物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌を施した後、
pHを9まで上げて水を添加して乾燥固形分濃度40%
の蓄熱材マイクロカプセル分散液Aを得た。
【0024】次ぎに2m3の分散タンクに予め水を1m3
投入し、木材パルプ(NBKP:カナダ標準濾水度48
0ml)、マニラ麻、及び上記マイクロカプセル分散液
Aを各々の固形比率が35:35:30になるように混
合し、分散濃度1.0%で30分間分散した後、市販の
カチオン系歩留向上剤を添加し、円網抄紙機で乾燥重量
で25g/m2のウェブを抄造し、表面温度130℃のシ
リンダードライヤーで乾燥してシートを作製した。作製
したシートを縦横40cmの正方形に裁断し、これを1
0枚重ねたものを綿製の袋に充填し座布団を作製した。
【0025】実施例2 実施例1で作製したシートを幅4mm幅に短冊状に裁断
し、1m辺り1100回の撚りを入れて糸を作製し、更
にこの糸を平織りすることにより蓄熱性能を有する織物
作製した後、縦横40cmの正方形に裁断し、これを1
0枚重ねたものを綿製の袋に充填し座布団を作製した。
【0026】実施例3 蓄熱材としてミリスチン酸ミリスチル(融点40℃、融
解熱量176kJ/kg)80部に多価イソシアネート
としてポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート
(住友バイエルウレタン(株)製芳香族イソシアネー
ト、商品名44V20)10部を50℃で溶解した蓄熱
材を、5%(w/w)ポリビニルアルコール(クラレ(株)
製、商品名ポバール117)水溶液100部中に体積平
均粒子径が8μmになるまで室温で強攪拌を施した。次
にこの乳化液に3%ジエチレントリアミン水溶液60部
を添加した後65℃で加熱と攪拌を1時間施してポリウ
レア皮膜を有する固形分濃度40%のミリスチン酸ミリ
スチルのマイクロカプセル分散液Bを得た。
【0027】このマイクロカプセル分散液Bを実施例1
に用いたマイクロカプセル分散液Aと置換した以外は実
施例1と同様の方法でシートを作製した後、縦横40c
mの正方形に裁断し、これを10枚重ねたものを綿製の
袋に充填し座布団を作製した。
【0028】実施例4 実施例3で作製したシートを幅4mm幅に短冊状に裁断
し、1m辺り1100回の撚りを入れて糸を作製し、更
にこの糸を平織りすることにより蓄熱性能を有する織物
作製した後、縦横40cmの正方形に裁断し、これを1
0枚重ねたものを綿製の袋に充填し座布団を作製した。
【0029】比較例1 マイクロカプセル分散液を全く使用せずに、木材パルプ
(NBKP:カナダ標準濾水度480ml)とマニラ麻
との固形比率が50:50になるように混合した以外は
実施例1と同様の方法でシートを作製した。作製したシ
ートを縦横40cmの正方形に裁断し、これを10枚重
ねたものを綿製の袋に充填し座布団を作製した。
【0030】比較例2 比較例1で作製したシートを幅4mm幅に短冊状に裁断
し、1m辺り1100回の撚りを入れて糸を作製し、更
にこの糸を平織りすることにより蓄熱性を有する織物を
作製した後、縦横40cmの正方形に裁断し、これを1
0枚重ねたものを綿製の袋に充填し座布団を作製した。
【0031】実施例及び比較例で作製した座布団を予め
40℃以上に加熱しておき、室温20℃の部屋で各々に
座り暖かさの持続状態をテストした結果、明らかに実施
例の群の方が比較例の群より長時間適温あるいは暖かさ
を持続することが確認できた。
【0032】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
ごとく蓄熱材を内包するマイクロカプセルを抄紙工程で
繊維中に分散担持させたシートは、人間が快適と感じら
れる体温を長時間安定化せしめることを可能とする。さ
らに、このシートを短冊状に裁断した後撚糸し、更に織
物に加工することにより、通気性、風合い、着心地とも
に良好な通常の織物と全く変わらない布帛が得られる。
本発明の織物は多量の冷熱又は温熱を蓄えることが可能
であるため、被服材料に加工した場合に体より発せられ
る熱を蓄えたり放出したりして、体表面の温度を適温に
保持することが可能となる。また、強制的に冷やしたり
加熱したりすることにより長時間涼しい、あるいは暖か
さが長時間持続する被服材利用や温熱、冷熱器具が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 MA04 MA08 PA21 PA46 4L048 AA06 AA13 AA14 AA19 AB28 CA10 DA01 DA13 DA16 DA19 DA30 4L055 AA02 AA07 AC06 AG33 AG94 AH50 AJ08 BE20 FA19 FA30 GA50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含
    む繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加工して得られ
    る蓄熱性を有するシート。
  2. 【請求項2】 蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含
    む繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加工して得られ
    る蓄熱性を有するシートを幅0.1〜40mmの範囲に短
    冊状に裁断し、その1本又は複数本を撚り合わせて得ら
    れる蓄熱性を有する糸。
  3. 【請求項3】 蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含
    む繊維分散液を湿式抄紙法でシート状に加工して得られ
    る蓄熱性を有するシートを幅0.1〜40mmの範囲に短
    冊状に裁断し、その1本又は複数本を撚り合わせて得ら
    れる蓄熱性を有する糸を編んで得られる蓄熱性を有する
    織物。
  4. 【請求項4】 蓄熱材の融点が0〜60℃の範囲である
    請求項1、2または3に記載の蓄熱性を有するシート、
    糸または織物。
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