JP2007145363A - シールおよびその製造方法、ならびにシール付き容器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器本体に均一に接合し、かつ、容器本体から容易に剥がすことができるシール、ならびにシール付き容器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】シール210は、第1シール層201および第1中間層205aを含む第1積層体32と、第2シール層202および第2中間層205bを含む第2積層体34と、第3シール層203とを含む。第1積層体32は、第1シール層201を内側にして2つ折りされている。第2積層体34は、第2シール層202を内側にして2つ折りされている。第1積層体32の2つ折り部分と、第2積層体34の2つ折り部分とが対向している。第1シール層201と第3シール層203とは、第1中間層205aを介して接合されている。第2シール層202と第3シール層203とは、第2中間層205bを介して接合されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、容器に使用されるシールおよびその製造方法、ならびにシール付き容器およびその製造方法に関する。
例えば食品、医薬品、および化粧品などの用途において、容器本体の口部にシールが接合された容器が使用されている。
例えば、特開平8−175562号公報には、蓋体(シール)のアルミ箔とホットメルト型接着剤との間の一部に紙を介在させたカップ状容器が開示されている。また、例えば、特許第2944741号公報には、上担持手段(タブ)を引っ張ることにより、内シールの本体部を容器から除去することができる容器が開示されている。さらに、例えば、特開2000−85840号公報には、1または複数の収容部と、これに対応する数のタブ付きシール部とで構成された密閉容器が開示されている。
一般に、上記文献に記載されたようなシールはロール状のシートから成形される。しかしながら、上記文献に記載されたシールは非対称な形状を有するため、シールを成形するためのロール状のシートに段差が生じる。このような段差を有するシートからシールを成形すると、位置合わせずれが生じ、その結果、シールを所望の形状に成形することができないおそれがある。
また、上記文献に記載されたようなシールは厚みが部分的に異なるため、シールを容器本体に溶着または接着する際に、厚みの差によって接着不良や接触不良を生じるおそれがある。さらに、タブはラミネートされているのみであるため、タブ部分がシールから剥がれてしまうおそれがある。
また、例えば、実開昭56−91267号公報には、上面フィルムと下面フィルムとの一部を相互に溶着することによって連結した再使用防止容器が開示されている。
しかしながら、この文献に記載された容器では、下面フィルムおよび上面フィルムの一方のみを剥がすと、その一方のみが剥がれるおそれがある。一方、下面フィルムおよび上面フィルムの両方を剥がすには、大きな剥がし強度が必要になるのに加えて、溶着部分のみが剥がれるおそれがある。
特開平8−175562号 特許第2944741号公報 特開2000−85840号公報 実開昭56−91267号公報
本発明の目的は、容器本体に均一に接合し、かつ、容器本体から容易に剥がすことができるシールおよびその製造方法、ならびにシール付き容器およびその製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様のシールは、
第1シール層および第1中間層を含む第1積層体と、
第2シール層および第2中間層を含む第2積層体と、
第3シール層と、
を含み、
前記第1積層体は、前記第1シール層を内側にして2つ折りされ、
前記第2積層体は、前記第2シール層を内側にして2つ折りされ、
前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向し、
前記第1シール層と前記第3シール層とが、前記第1中間層を介して接合され、
前記第2シール層と前記第3シール層とが、前記第2中間層を介して接合されている。
ここで、上記シールにおいて、前記第1シール層と前記第2シール層とが、2つ折り部分において、前記第1および第2中間層を介して接合可能である。
ここで、上記シールにおいて、第4シール層をさらに含むことができ、前記第4シール層は、前記第1中間層を介して前記第1シール層に接合可能であり、かつ、前記第2中間層を介して前記第2シール層に接合可能である。この場合、前記第4シール層の上方に第3中間層をさらに含み、前記第4シール層は、前記第1中間層および前記第3中間層を介して前記第1シール層に接合され、かつ、前記第2中間層および前記第3中間層を介して前記第2シール層に接合されていることができる。
本発明において、「接合」とは、2つ以上の部材をつなぎ合わせることをいい、接着および溶着の両方を含む概念である。ここで、「接合」には、2つ以上の部材が直接接している場合のほか、2つ以上の部材が他の層(接着または溶着のための層)を介してつなぎ合わされている場合も含まれる。なお、後者の場合、他の層の数は限定されず、1または2以上の層を介して2つ以上の部材がつなぎ合わされていてもよい。
また、本発明において、「接着」とは、接着性の材料を用いて2つ以上の部材をつなぎ合わせることをいい、「溶着」とは、2つ以上の部材の間に存在する材料を溶融させることにより、2つ以上の部材をつなぎ合わせることをいう。
本発明の第2の態様のシールは、
第1タブ、第2タブ、および土台部を含み、
前記第1タブおよび前記第2タブは、接合部にて前記土台部に接合され、
前記第1タブおよび前記土台部は、共通の第1シール層を含み、
前記第2タブおよび前記土台部は、共通の第2シール層を含み、
前記第1タブおよび前記第2タブは、共通の第3シール層を含む。
ここで、上記本発明のシールにおいて、前記第1シール層は、第1中間層を介して前記第3シール層と接合可能であり、前記第2シール層は、第2中間層を介して前記第3シール層と接合可能である。
ここで、上記シールにおいて、前記接合部は、前記第1シール層と前記第2シール層とが前記第1および第2中間層を介して接合された部分を含むことができる。この場合、前記第1タブは、前記第1シール層と前記第3シール層とが前記第1中間層を介して接合された部分を含み、前記第2タブは、前記第2シール層と前記第3シール層とが前記第2中間層を介して接合された部分を含むことができる。また、この場合、前記第1シール層および前記第1中間層を含む第1積層体、ならびに前記第2シール層および前記第2中間層を含む第2積層体を含み、前記第1積層体は、前記第1シール層を内側にして2つ折りされ、前記第2積層体は、前記第2シール層を内側にして2つ折りされている。
ここで、上記シールにおいて、前記土台部はさらに第4シール層を含み、前記第4シール層は、前記第1中間層を介して前記第1シール層に接合可能であり、かつ、前記第2中間層を介して前記第2シール層に接合可能である。この場合、前記土台部はさらに、前記第4シール層と前記第1および第2中間層との間に第3中間層を含むことができる。
ここで、上記シールは、容器本体の口部上面に接合され、前記第1および第2タブを引っ張ることにより、前記口部上面から剥離可能である。
上記第1および第2の態様のシールにおいて、前記第4シール層は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含むことができる。この場合、前記材料は、金属または導電性樹脂であることができる。また、この場合、前記金属は、アルミニウムであることができる。
上記第1および第2の態様のシールにおいて、高周波誘導加熱または熱付加により、容器の口部に接合可能である。
上記第1および第2の態様のシールにおいて、前記第1,第2および第3シール層は、前記第1および第2中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなることができる。
上記第1および第2の態様のシールにおいて、前記第1および第2中間層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーから選ばれる材料からなることができる。
上記第1および第2の態様のシールにおいて、前記第1,第2および第3シール層は、紙、セロファン、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、PVC、PVDC、およびオリエンテッドポリプロピレンからなることができる。
本発明の第3の態様の容器は、上記シールと、前記シールが口部上面に接合された容器本体とを含む。
ここで、上記容器において、前記口部上面が、開口部を有する最上層から構成されていることができる。
ここで、上記容器において、食品、医薬品、または化粧品の貯蔵に使用可能である。この場合、上記容器は、水中油型乳化状食品の貯蔵に使用可能である。
本発明の第4の態様のシールの製造方法は、
(a)第1シール層および第1中間層を含む第1積層体を、前記第1シール層を内側にして2つ折りする工程と、
(b)第2シール層および第2中間層を含む第2積層体を、前記第2シール層を内側にして2つ折りする工程と、
(c)前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向するように、前記第1積層体および前記第2積層体を配置する工程と、
(d)前記第1積層体と前記第2積層体の上方に、第3シール層を配置する工程と、
(e)前記工程(a)〜(d)で得られた積層体に熱を付加することにより、または接着性の材料を用いることにより、前記第1,第2および第3シール層を接合させる工程と、
を含み、
前記第1,第2および第3シール層は、前記第1および第2中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる。
本発明の第5の態様のシールの製造方法は、
(a)第1シール層および第1中間層を含む第1積層体を、前記第1シール層を内側にして2つ折りする工程と、
(b)第2シール層および第2中間層を含む第2積層体を、前記第2シール層を内側にして2つ折りする工程と、
(c)前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向するように、前記第1積層体および前記第2積層体を配置する工程と、
(d)前記第1積層体と前記第2積層体の上方に、第3シール層を配置する工程と、
(e)前記第1積層体と前記第2積層体の下方に、第3中間層、第4シール層、および第4中間層を含む第3積層体を配置する工程と、
(f)前記工程(a)〜(e)で得られた積層体に熱を付加することにより、または接着性の材料を用いることにより、前記第1,第2,第3および第4シール層を接合させる工程と、
を含み、
前記第1,第2および第3シール層は、前記第1,第2,第3および第4中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる。
この場合、前記第4シール層は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含み、前記工程(f)は、高周波誘導加熱によって前記第4シール層を発熱させることにより、熱を付加する工程を含むことができる。
上記第4および第5の態様のシールの製造方法において、前記工程(c)において、前記第1中間層と前記第2中間層とを接合させた状態で、前記第1積層体および前記第2積層体を配置することができる。
本発明の第6の態様のシール付き容器の製造方法は、上記第3および第4の態様のシールの製造方法において、容器の口部にシールを取り付ける工程を含む。
本発明の第7の態様のシールは、上記いずれかの方法により得られ、第1タブ、第2タブ、および土台部を含み、前記第1タブおよび前記第2タブは、接合部にて前記土台部に接合されている。
上記本発明の第2および第7の態様のシールにおいて、前記第1タブの平面パターンおよび第2タブの平面パターンを合わせた平面パターンは、第3シート層の平面パターンとほぼ等しくてもよい。
本発明の第1の態様のシールによれば、前記第1シール層と前記第3シール層とが、前記第1中間層を介して接合され、前記第2シール層と前記第3シール層とが、前記第2中間層を介して接合されていることにより、厚さが均一である。このため、容器本体に均一に接合することができる。
また、前記第1シール層と前記第3シール層との接合部分、ならびに前記第2シール層と前記第3シール層との接合部分がそれぞれタブとして機能し、これらのタブを引っ張ることにより、これらのタブのみが剥がれることはなく、強い剥がし強度を必要とせずに、簡単かつ容易に剥離することができる。
さらに、厚さが均一であることにより、容器への溶着または接着時に加熱を行なう場合、加熱により発生した熱が散逸することなく均一に伝導するため、溶着または接着不良が起こりにくい。特に、高周波誘導加熱により、容器に溶着させる場合、特に顕著な効果を有する。
本発明の第2の態様のシールによれば、前記第1タブおよび前記土台部は、共通の第1シール層を含み、前記第2タブおよび前記土台部は、共通の第2シール層を含み、前記第1タブおよび前記第2タブは、共通の第3シール層を含むことにより、本発明の第1の態様のシールと同様の作用効果を有する。すなわち、容器本体に均一に接合させることができ、かつ、溶着または接着不良が起こりにくい。また、前記第1および第2タブを引っ張ることにより、これらのタブのみが剥がれることはなく、強い剥がし強度を必要とせずに、簡単かつ容易に剥離することができる。
本発明の第3の態様の容器によれば、上記シールと、前記シールが口部上面に接合された容器本体とを含むことにより、前記シールが均一に接合しているため、内容物の品質低下のおそれがなく、優れた密封構造を提供することができる。
本発明の第4の態様のシールの製造方法によれば、前記工程(a)〜(e)を含むことにより、容器本体に均一に接合し、溶着または接着不良が起こりにくく、容器本体から簡単かつ容易に剥がすことができるシールを簡便な方法にて製造することができる。また、得られるシールの膜厚は均一であることから、このシールを成形するためにシートからシール用の積層体を裁断する場合、この積層体の膜厚も同様に均一である。よって、シールを成形するためにシートからシール用の積層体を裁断する場合、位置合わせずれが発生しにくい。
本発明の第5の態様のシールの製造方法によれば、前記工程(a)〜(f)を含み、前記第1,第2および第3シール層は、前記第1,第2,第3および第4中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなることにより、容器本体に均一に接合し、溶着または接着不良が起こりにくく、容器本体から簡単かつ容易に剥がすことができるシールを簡便な方法にて製造することができる。得られるシールの膜厚は均一であることから、このシールを成形するためにシートからシール用の積層体を裁断する場合、この積層体の膜厚も同様に均一である。よって、シールを成形するためにシートからシール用の積層体を裁断する場合、位置合わせずれが発生しにくい。
本発明の第6の態様のシール付き容器の製造方法によれば、上記第3および第4の態様のシールの製造方法において、容器の口部にシールを取り付ける工程を含むことにより、容器本体に均一にシールが接合されているため、密閉性に優れ、かつ、容器本体から簡単かつ容易に剥がすことができるシールが付いた容器を簡便な方法にて製造することができる。

本発明の第7の態様のシールによれば、上記いずれかの方法により得られ、第1タブ、第2タブ、および土台部を含み、前記第1タブおよび前記第2タブは、接合部にて前記土台部に接合されていることにより、第2の態様のシールと同様の作用効果を有する。すなわち、容器本体に均一に接合させることができ、強い剥がし強度を必要とせずに、簡単かつ容易に剥離することができ、かつ、溶着または接着不良が起こりにくい。
以下、本発明のシールおよびその製造方法、ならびにシール付き容器およびその製造方法について具体的に説明する。
1.第1の実施の形態
1.1.シールおよびシールを含む容器
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシール20を含む容器100を模式的に示す斜視図である。
1.1.1.容器の構成
本実施の形態の容器100は、容器本体10と、キャップ40とを含む。容器本体10の一端には口部50が設けられ、口部50の上面54(図3および図4参照)にシール20が接合されている。このシール20は、口部50の上面54から剥離することができる。
図1に示す容器100は例えば、水中油型乳化状食品(例えば、マヨネーズ,ドレッシングなど)またはケチャップなどの流動性の食品を充填することができる。容器100の材質としては特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリエチレンおよびEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)の積層体、またはポリエチレンおよび酸素吸収樹脂層の積層体などからなる。
1.1.2.シールの構成および剥離方法
図2は、図1に示すシール20近傍を模式的に示す拡大図である。本実施の形態のシール20は、第1タブ22、第2タブ24、および土台部28を含む。第1タブ22および第2タブ24は、接合部26にて土台部28に接合されている。接合部26は、第1および第2タブ22,24と土台部28とを接合する部分であり、本実施の形態においては、接合部26は土台部28上に直線状に形成されている。シール20は容器本体10の口部50の上面に取り付けられている。
このシール20は、第1および第2タブ22,24を引っ張ることにより、口部50の上面54から剥離可能である。
図3および図4は、図1に示すシール20の剥離方法の一例を模式的に示す図である。図5は、図1に示すシール20を剥離した後の口部50近傍を模式的に示す斜視図である。
シール20を容器本体10の口部50から剥離する場合、まず、図3に示すように、第1および第2タブ22,24を重ねて指で挟み、図4に示すように、口部50上面から離れる方向に第1および第2タブ22,24を重ねて引っ張るのが好ましい。これにより、シール20が容器本体10の口部50から剥離されて、図5に示すように、口部50の上面54が露出する。ここで、第1および第2タブ22,24を重ねて引っ張ることにより、土台部28のうち接合部26下方の領域に、シール20を剥離する力が集中する。これにより、シール20を容易に剥離することができる。なお、シール20の剥離方法は図3および図4に示した方法に限定されない。
本実施の形態の容器100においては、図5に示すように、口部50の上面54が、開口部56を有する最上層208から構成されている場合を示している。この最上層208は、例えば溶着または接着により、口部50の上端に取り付けることができる。すなわち、最上層208の上面は口部50の上面54を構成する。
また、この容器100においては、開口部56から容器10の内容物を取り出すことができる。なお、図5においては、開口部56の形状が星型である場合が示されているが、開口部56の形状はこれに限定されない。
シール20は、高周波誘導加熱または熱付加により容器100の口部50に接合することができる。ここで、高周波誘導加熱とは、コイルに高周波電流を通すことにより、電磁誘導によって、コイル中の導電体の表面に高周波磁束を発生させ、ヒステリシス損失および渦電流損失を生じさせることにより、導電体周辺を加熱する方法である。高周波誘導加熱は、シールを容器の口部に取り付ける際に一般に用いられている。また、ここで、熱付加とは、例えばヒータブロック等と接触させる加熱手段によりシール20を加熱することをいう。シール20を加熱することにより、シール20中の所定の層が溶融するかまたは粘性が増大する結果、容器100の口部50にシール20を取り付けることができる。
本実施の形態のシール20の用途は限定されないが、例えば、食品、医薬品、化粧品などの内容物を貯蔵する容器を密閉するために使用することができる。すなわち、本実施の形態の容器100は、食品,医薬品,または化粧品の貯蔵に使用することができる。
本実施の形態のシール20は密閉性に優れているため、例えば水中油型乳化状食品などの分解または酸化されやすい食品,医薬品,または化粧品の容器を密閉するのに適している。
次に、図2に示すシール20の基本構成を図6および図7に示す。図6は、本発明のシール20の第1の基本構成(シール210)を模式的に示す断面図であり、図7は、本発明のシール20の第2の基本構成(シール220)を模式的に示す断面図である。なお、シール20は、図6または図7に示す基本構成のほかに、さらに別の層を含んでいてもよい。
1.1.2a.第1の基本構成
図6に示すように、シール210(20)は、第1タブ22、第2タブ24、および土台部28を含み、第1タブ22および第2タブ24はともに、接合部26にて土台部28に接合されている。また、第1タブ22および土台部28は、共通の第1シール層201を含み、第2タブ24および土台部28は、共通の第2シール層202を含み、第1タブ22および第2タブ24は、共通の第3シール層203を含む。
また、接合部26において、第1シール層201は、第1中間層205aを介して第3シール層203と接合され、第2シール層202は、第2中間層205bを介して第3シール層203と接合されている、
すなわち、図6に示すように、接合部26は、第1シール層201と第2シール層202とが第1および第2中間層205a,205bを介して接合された部分を含む。
第1タブ22は、第1シール層201と第3シール層203とが第1中間層205aを介して接合された部分を含み、第2タブ24は、第2シール層202と第3シール層203とが第2中間層205bを介して接合された部分を含む。換言すると、第1シール層201と第3シール層203との接合部分が第1タブ22として機能し、第2シール層202と第3シール層203との接合部分が第2タブ24として機能する。第1および第2タブ22,24を重ねて引っ張ることにより、これらのタブのみが剥がれることはなく、強い剥がし強度を必要とせずに、簡単かつ容易に剥離することができる。
また、シール210(20)は、第1シール層201および第1中間層205aを含む第1積層体32と、第2シール層202および第2中間層205bを含む第2積層体34とを含む。第1積層体32は、第1シール層201を内側にして2つ折りされており、第2積層体34は、第2シール層202を内側にして2つ折りされている。すなわち、第1タブ22は、2つ折りされた第1積層体32の一片から構成され、第2タブ24は、2つ折りされた第2積層体34の一片から構成される。また、第1シール層201および第2シール層202は、2つ折り部分において、第1および第2中間層205a,205bを介して接合されている。さらに、第1積層体32の2つ折り部分と、第2積層体34の2つ折り部分とが対向するように、第1および第2積層体32,34が配置されている。
図6に示すように、第1タブ22の平面パターンおよび第2タブ24の平面パターンを合わせた平面パターンは、第3シート層203の平面パターンとほぼ等しい。すなわち、第1タブ22の平面パターンおよび第2タブ24の平面パターンを合わせた平面パターンは、土台部28の平面パターンとほぼ等しい。
第1〜第3中間層205a〜205cは、複数の層の間に設けられ、溶融により層同士を接着または溶着させる機能を有する。
第1〜第3シール層201〜203は、第1〜第3中間層205a〜205cよりも融点が高い材料または熱溶着しない材料(例えば紙)からなるのが好ましい。第1〜第3シール層201〜203は特に限定されないが、例えば、紙、セロファン、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、およびオリエンテッドポリプロピレンから選ばれる材料からなることができ、これらの材料からなる単層または複層である。ここで、ポリエステルとしては、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)が挙げられ、ナイロンとしては、例えばナイロン6,ナイロン66などが挙げられる。また、第1および第2中間層205aは特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーから選ばれる材料からなることができる。
本実施の形態の第1の基本構成のシール210(20)によれば、第1シール層201と第3シール層203とが、第1中間層205aを介して接合され、第2シール層202と第3シール層203とが、第2中間層205bを介して接合されていることにより、容器本体10に均一に接合し、かつ、容器本体から容易に剥がすことができる。また、シール210の膜厚が均一であることから、シール210を成形するためにシートからシール210用の積層体(図示せず)を裁断する場合、この積層体の膜厚も同様に均一である。よって、シール210を成形するためにシートからシール210用の積層体を裁断する場合、位置合わせずれが発生しにくい。
1.1.2b.シールの第2の基本構成
図7に示すように、シール220(20)は、図6に示すシール210と同様の構成を有し、かつ、土台部28が第4シール層204をさらに含む。第4シール層204は、第1中間層205aおよび第3中間層205cを介して第1シール層201に接合され、第2中間層205bおよび第3中間層205cを介して第2シール層202に接合されている。ここで、第4シール層204が第1中間層205aおよび第3中間層205cを介して第1シール層201に接合され、かつ、第2中間層205bおよび第3中間層205cを介して第2シール層202に接合されていることにより、第1および第2シール層201,202のずれを防止することができる。
また、図7に示すように、土台部28はさらに、第4シール層204と第1および第2中間層205a,205bとの間に第3中間層205cを含んでいてもよい。
第4シール層204は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含むことができる。ここで、前記材料としては、例えば金属または導電性樹脂を挙げることができる。なかでも、第4シール層204はアルミニウムからなることが好ましい。第4シール層204がアルミニウムからなることにより、高周波誘導加熱により第4シール層204が発熱して、第1〜第3中間層205a〜205cを溶融させることができる。
なお、図6および図7に示すシール210,220において、第1〜第3シール層201〜203は、第1〜第3中間層205a〜205cよりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなるのが好ましい。これにより、高周波誘導加熱または熱付加において、第1〜第3中間層205a〜205cが溶融し(または接着性が増加し)、かつ、第1〜第3シール層201〜203が溶融しない範囲の温度に各層を加熱することにより、第1〜第3中間層205a,205b,205cのみを溶融(または接着)させることができる。これにより、第1〜第3シール層201〜203を接合させることができる。
第3中間層205cは特に限定されないが、例えば、上述した第1および第2中間層205a,205bとして例示した材料からなることができる。
本実施の形態の第2の基本構成のシール220(20)によれば、上述した第1の基本構成のシール210と同様の作用効果を有する。加えて、第4シール層204が第1中間層205aおよび第3中間層205cを介して第1シール層201に接合され、かつ、第2中間層205bおよび第3中間層205cを介して第2シール層202に接合されていることにより、第1および第2シール層201,202のずれを防止することができる。
1.1.2c.シールの具体例1
図8は、図1に示すシール20の一具体例(シール220A)を模式的に示す断面図である。図8に示すシール220Aは、図7に示すシール220の構成を含む。
シール220Aは口部50の上面54(図3〜図5参照)に配置されている。このシール220Aは、図7に示すシール220と同様に、第1タブ22、第2タブ24、接合部26、および土台部28を含む。図8に示すシール220Aにおいて、第1および第2タブ22,24および接合部26の構成は、シール220と同様である。
図8に示すシール220Aにおいて、土台部28はさらに、第4シール層204の下に第4中間層205dを有する。この第4中間層205dは第1〜第3中間層205a〜205cと同じ材質からなることができる。また、第4中間層205dは剥離層207上に設けられている。さらに、土台部28は最上層208上に配置されている。
剥離層207は、シール220が口部50から剥がれやすくするために設けられている。すなわち、剥離層207の溶着強度は、第1〜第4中間層205a〜205dの溶着強度よりも小さい。よって、剥離層207は、第1および第2タブ22,24を引っ張ったときに、まず剥離層207と最上層208との間からシール220Aが剥がれるような溶着強度を有する。剥離層207は例えば、セルロース等からなる。
図8に示すシール220Aにおいて、第1〜第4シール層201〜204の膜厚は特に限定されないが、例えば、10〜1000μmであるのが好ましい。
1.1.2d.シールの具体例2
図17は、図8に示すシール220Aの一具体例(シール220C)を模式的に示す断面図である。図17に示すシール220Cは、接合部26がシール220の中心から離れた箇所に設けられている点で、図8に示すシール220Aと異なる。すなわち、図17に示すシール220Cにおいては、第1タブ22および第2タブ24が非対称な形状を有する。
1.1.2e.シールの具体例3
図18は、図8に示すシール220Aの一具体例(シール220D)を模式的に示す断面図である。図18に示すシール220Dは、接合部26に隙間27が設けられている点で、図8に示すシール220Aと異なる。すなわち、図18に示すシール220Dにおいては、第1積層体32と第2積層体34とが接していない。
1.3.シールおよびシールを含む容器の製造方法
次に、本実施の形態のシール20およびシール20を含む容器100の製造方法について、図9および図10を参照して説明する。ここでは、図8に示すシール220Aの製造方法を例にとり説明する。図9および図10はそれぞれ、図8に示すシール220Aの一製造工程を模式的に示す断面図である。
(a)まず、第1シール層201および第1中間層205aを含む第1積層体32を、第1シール層201を内側にして2つ折りする(図9参照)。
(b)同様に、第2シール層202および第2中間層205bを含む第2積層体34を、第2シール層202を内側にして2つ折りする(図9参照)。
(c)次に、第1積層体32の2つ折り部分と、第2積層体34の2つ折り部分とが対向するように、第1積層体32および第2積層体34を配置する(図9参照)。
(d)次いで、第1積層体32と第2積層体34の上方に、第3シール層203を配置する(図9参照)。以上により、図9に示す積層体Aが得られる。
(e)次いで、第1積層体32および第2積層体34の下方に、第3中間層205c、第4シール層204、および第4中間層205dを含む第3積層体36を配置する(図9参照)。さらに、第3積層体36の下方に、剥離層207および最上層208を配置する。
(f)さらに、上記(a)〜(e)で得られた積層体(下から順に、最上層208,剥離層207,第3積層体36,および積層体A)を、容器10の口部50上に配置した状態で、この積層体に熱を付加する(図10参照)。これにより、第1〜第4中間層205a〜205dを溶融させて、第1〜第4中間層205a〜205dを接合させる。ここで、第1〜第4中間層205a〜205dが接着性の材料からなる層である場合、あるいは、第1〜第4中間層205a〜205dと第1〜第4シール層201〜204との間に接着性の材料からなる層が設けられている場合、接着性の材料からなる層によって、第1〜第4シール層201〜204を接合させることができる。ここで使用される接着性の材料は、必要に応じて熱を付加することにより、接着性が増加するものであってもよく、あるいは熱を付加しなくても接着性を有するものであってもよい。
上述したように、第1〜第4シール層201〜204は、第1〜第4中間層205a〜205dよりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる。よって、第1〜第4中間層205a〜205dのみが溶融し(または接着性が増加し)、第1〜第4シール層201〜204が溶融しない範囲の温度になるように、熱を付加することにより、第1〜第4中間層205a〜205dのみを溶融(または接着)させることができる。これにより、第1〜第4シール層201〜204を、隣り合う層を介して接合させることができる。
ここで、第4シール層204は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含み、上記工程(f)は、図10に示すように、高周波誘導加熱装置60を用いて高周波誘導加熱を行なうことにより、第4シール層204を発熱させることにより、熱を付加することが好ましい。この工程によれば、口部50の上端57にシール220Aを短時間で付加させることができる。
より具体的には、図10に示すように、口部50にキャップ40をかぶせた状態で高周波誘導加熱を行なうことができる。これにより、シール220Aを口部50上に取り付ける際に生じる位置合わせずれを防止することができる。
本実施の形態のシール220Aの製造方法によれば、シール220Aと容器本体10の口部50との接合領域において、第4シート層204の上方に積層体A(図9参照)が均一に配置された状態で、第4シート層204を発熱させることにより、シール220Aが容器本体10の上に接合される。これにより、容器本体10に均一に接合し、かつ、容器本体10から容易に剥がすことができるシール220Aを簡便な方法にて製造することができる。
また、本実施の形態のシール220Aの製造方法においては、高周波誘導加熱により、第4シール層204から発生する熱によって、第1〜第4シール層201〜204を溶着させることができる。ここで、誘導加熱を行なう際に、第4シール層204の上方に存在する層の膜厚が不均一であると、均一に加熱された第4シール層204から逃げる熱量に差が生じるだけでなく、キャップの内天面からシールへの圧力に差が生じることになる。その結果、第1〜第4シール層201〜204を溶着させることができない場合がある。中でも、第4シール層204と剥離層207との間の溶着が不十分であると、容器10の密閉が不十分となり、容器10の内容物の品質が低下する場合がある。また、シール220Aを容器10の口部50から容易に剥がすことができない場合がある。
これに対して、本実施の形態のシール220Aの製造方法によれば、シール220Aの膜厚が均一である。したがって、高周波誘導加熱によってシール220Aを容器10の口部50に取り付ける場合、第4シール層204の上方に存在する層の膜厚が均一であることにより、均一に加熱された第4シール層204から逃げる熱量に差が生じることがなく、キャップの内天面からシールへの圧力に差が生じることがない。これにより、第1〜第4シール層201〜204および剥離層207を均一に溶着させることができるため、シール220Aを容器10の口部50に均一に取り付けることができる。このため、容器10を確実に密閉することができ、その結果、容器10の内容物の品質を保持することができる。また、シール220Aが容器10の口部50に均一な強度で取り付けられているため、容器10の口部50からシール220Aを安定かつ容易に剥がすことができる。
2.第2の実施の形態
2.1.シールおよびシールを含む容器
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るシール20を含む容器110を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態の容器110は、容器本体11を含む。容器本体11の一端には口部51が設けられ、口部51の上面にシール20が取り付けられている。図11に示すシール20の剥離方法は、図1に示すシール20の剥離方法と同様であるため、詳しい説明は省略する。
本実施の形態の容器110は、キャップを有していない点、ならびに口部51の上端に最上層208を有していない点で、第1の実施の形態の容器100と異なる。その他の構成、および作用効果については、第1の実施の形態の容器100の構成および作用効果と同様であるため、同様の構成要素については詳しい説明は省略する。
図11に示す容器110は限定されないが、例えば、飲料やヨーグルト、サプリメントなどの液状、固形状、または流動状の食品,医薬品,または化粧品を充填することができる。あるいは、容器110は、これら以外の化学物質の貯蔵に使用するものであってもよい。
容器110の材質としては特に限定されないが、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラートからなる。
図11に示すシール20の具体的な構成を図12に示す。図12は、図11に示すシール20の一具体例(シール220B)を模式的に示す断面図である。なお、図12に示すシール220Bのかわりに、第1の実施の形態で説明したシール20(220A,220C,220D)を使用してもよい。
図12に示すシール220Bは、最上層208が設けられていない点以外は、図8に示すシール220Aと同様の構成を有する。
2.2.シールおよびシールを含む容器の製造方法
次に、図12に示すシール220Bおよびシール220Bを含む容器110の製造方法について、図13および図14を参照して説明する。図13および図14はそれぞれ、図12に示すシール220Bの一製造工程を模式的に示す断面図である。
(a)まず、第1シール層201および第1中間層205aを含む第1積層体32を、第1シール層201を内側にして2つ折りする(図13参照)。
(b)同様に、第2シール層202および第2中間層205bを含む第2積層体34を、第2シール層202を内側にして2つ折りする(図13参照)。
(c)次に、第1積層体32の2つ折り部分と、第2積層体34の2つ折り部分とが対向するように、第1積層体32および第2積層体34を配置する(図13参照)。
(d)次いで、第1積層体32と第2積層体34の上方に、第3シール層203を配置する(図13参照)。以上により、図13に示す積層体Aが得られる。
(e)次いで、第1積層体32および第2積層体34の下方に、第3中間層205c、第4シール層204、および第4中間層205dを含む第3積層体36を配置する(図13参照)。さらに、第3積層体36の下方に、剥離層207を配置する。
(f)さらに、上記(a)〜(e)で得られた積層体(下から順に、剥離層207,第3積層体36,および積層体A)を、容器11の口部51の上端54に配置した状態で、この積層体に熱を付加する(図14参照)。これにより、第1〜第4中間層205a〜205dを溶融させて、第1〜第4中間層205a〜205dを接合させる。
ここで、第1〜第4シール層201〜204は、第1〜第4中間層205a〜205dよりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなることが好ましい。この場合、第1〜第4中間層205a〜205dのみが溶融し(または接着性が増加し)、第1〜第4シール層201〜204が溶融しない範囲の温度になるように、熱を付加することにより、第1〜第4中間層205a〜205dのみを溶融(または接着)させることができる。これにより、第1〜第4シール層201〜204を、隣り合う層を介して接合させることができる。
本実施の形態のシール220Bの製造方法によれば、第1の実施の形態のシール220Aの製造方法と同様の作用効果を有する。すなわち、シール220Bと容器本体11の口部51との接合領域において、第4シート層204の上方に積層体A(図14参照)が均一に配置された状態で、第4シート層204を発熱させることにより、シール220Bが容器本体11(口部51の上端57)に取り付けられる。これにより、容器本体11に均一に接合し、かつ、容器本体11から容易に剥がすことができるシール220Bを簡便な方法にて製造することができる。
2.3.シールの一変形例
図15は、図11に示すシール20の一変形例(シール210A)を模式的に示す断面図である。図16は、図15に示すシール210Aの一製造工程を模式的に示す断面図である。
図15に示すシール210Aは、第3積層体36(図13参照)が設けられていない点以外は、図12に示すシール220Bと同様の構成を有する。すなわち、図15に示すシール210Aは、図12に示す第3積層体36(第3中間層205c、第4シール層204、および第4中間層205d)を含まない点で、図6に示すシール210と同様の構成を有する。
また、図15に示すシール210Aは、図16に示すように、高周波誘導加熱ではなく、熱付加により容器11の口部51に取り付けることができる。
すなわち、図13の積層体Aおよび剥離層207を、容器11の口部51上に配置した状態で、加熱手段(図示せず)を用いて熱を付加する。これにより、第1および第2中間層205a,205bを溶融させる。
ここで、第1〜第3シール層201〜203は、第1および第2中間層205a,205bよりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなることが好ましい。これにより第1および第2中間層205a,205bのみが溶融し(または接着性が増加し)、第1〜第3シール層201〜203が溶融しない範囲の温度になるように、熱を付加することにより、第1および第2中間層205a,205bのみを溶融(または接着)させることができる。これにより、第1〜第3シール層201〜203を接合させることができる。
4.実施例
次に、本発明を実施例および比較例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
4.1.実施例1
上述の第1の実施形態のシール220Aの製造方法(図9および図10参照)にしたがって、高周波誘導加熱装置を用いることにより、実施例1のシールをマヨネーズ用ポリエチレン製容器に取り付けた。実施例1のシールは図8に示すシール220Aと同様の構成を有し、ポリエチレン製容器は図1に示す容器100と同様の構成を有する。
実施例1のシールにおいて、第1,第2,および第3シール層201,202,203はいずれもPET(ポリエチレンテレフタラート)からなり、第1〜第4中間層205a〜205dはポリエチレンからなり、第4シール層204はアルミニウム薄膜からなり、剥離層207はセルロースからなり、最上層208はポリエチレンからなる。
実施例1のシールを図3および図4に示す方法にて剥離したところ、容器から容易に剥がすことができた。また、剥離した後の容器上面を確認したところ、シールの剥がれ残りやシール以外の部分が剥離された跡は目視にて確認されなかった。
4.2.実施例2
上述の第2の実施形態のシール220Bの製造方法(図13および図14参照)にしたがって、高周波誘導加熱装置を用いることにより、実施例2のシールを容器に取り付けた。実施例2のシールは図12に示すシール220Bと同様の構成を有し、容器は図11に示す容器110と同様の構成を有する。
実施例2のシールにおいて、第1〜第3シール層201〜203はいずれもPETからなり、第1〜第4中間層205a〜205dはポリエチレンからなり、第4シール層204はアルミニウム薄膜からなり、剥離層207はセルロースからなる。
実施例2のシールを図3および図4に示す方法にて剥離したところ、容器から容易に剥がすことができた。また、剥離した後の容器上面を確認したところ、シールの剥がれ残りやシール以外の部分が剥離された跡は目視にて確認されなかった。
4.3.実施例3
上述の第2の実施形態の一変形例のシール210Aの製造方法(図15および図16)にしたがって、加熱手段(図示せず)を用いることにより、実施例3のシールを容器に取り付けた。実施例3のシールは図15に示すシール210Aと同様の構成を有し、容器は図11に示す容器110と同様の構成を有する。
実施例3のシールにおいて、第1,第2,および第3シール層201,202,203はいずれもPETからなり、第1および第2中間層205a,205bはポリエチレンからなり、剥離層207はセルロースからなる。
実施例3のシールを図3および図4に示す方法にて剥離したところ、容器から容易に剥がすことができた。また、剥離した後の容器上面を確認したところ、シールの剥がれ残りやシール以外の部分が剥離された跡は目視にて確認されなかった。
上述したように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシール20を含む容器100を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すシール20近傍を模式的に示す拡大図である。 図3は、図1に示すシール20の剥離方法の一例を模式的に示す図である。 図4は、図1に示すシール20の剥離方法の一例を模式的に示す図である。 図5は、図1に示すシール20を剥離した後の口部50近傍を模式的に示す斜視図である。 図6は、本発明のシール20の第1の基本構成(シール210)を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明のシール20の第2の基本構成(シール220)を模式的に示す断面図である。 図8は、図1に示すシール20の一具体例(シール220A)を模式的に示す断面図である。 図9は、図8に示すシール220Aの一製造工程を模式的に示す断面図である。 図10は、図8に示すシール220Aの一製造工程を模式的に示す断面図である。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係るシール20を含む容器110を模式的に示す斜視図である。 図12は、図11に示すシール20の一具体例(シール220B)を模式的に示す断面図である。 図13は、図12に示すシール220Bの一製造工程を模式的に示す断面図である。 図13は、図12に示すシール220Bの一製造工程を模式的に示す断面図である。 図15は、図11に示すシール20の一変形例(シール210A)を模式的に示す断面図である。 図16は、図15に示すシール210Aの一製造工程を模式的に示す断面図である。 図17は、図1に示すシール20の一変形例(シール220C)を模式的に示す断面図である。 図18は、図1に示すシール20の一変形例(シール220D)を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10,11 容器本体
20,210,210A,220,220A,220B,220C,220D シール
22 第1タブ
24 第2タブ
26 接合部
27 隙間
28 土台部
32 第1積層体
33 接合面
34 第2積層体
36 第3積層体
40 キャップ
50,51 口部
52 ねじ部
54 口部の上面
56 開口部
57 口部の上端
60 高周波誘導加熱装置
100,110 容器
201 第1シール層
202 第2シール層
203 第3シール層
204 第4シール層
205a 第1中間層
205b 第2中間層
205c 第3中間層
205d 第4中間層
207 剥離層
208 最上層

Claims (16)

  1. 第1シール層および第1中間層を含む第1積層体と、
    第2シール層および第2中間層を含む第2積層体と、
    第3シール層と、
    を含み、
    前記第1積層体は、前記第1シール層を内側にして2つ折りされ、
    前記第2積層体は、前記第2シール層を内側にして2つ折りされ、
    前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向し、
    前記第1シール層と前記第3シール層とが、前記第1中間層を介して接合され、
    前記第2シール層と前記第3シール層とが、前記第2中間層を介して接合されている、シール。
  2. 請求項1において、
    前記第1シール層と前記第2シール層とが、2つ折り部分において、前記第1および第2中間層を介して接合されている、シール。
  3. 請求項1または2において、
    第4シール層をさらに含み、
    前記第4シール層は、前記第1中間層を介して前記第1シール層に接合され、かつ、前記第2中間層を介して前記第2シール層に接合されている、シール。
  4. 第1タブ、第2タブ、および土台部を含み、
    前記第1タブおよび前記第2タブは、接合部にて前記土台部に接合され、
    前記第1タブおよび前記土台部は、共通の第1シール層を含み、
    前記第2タブおよび前記土台部は、共通の第2シール層を含み、
    前記第1タブおよび前記第2タブは、共通の第3シール層を含む、シール。
  5. 請求項4において、
    前記第1シール層は、第1中間層を介して前記第3シール層と接合され、
    前記第2シール層は、第2中間層を介して前記第3シール層と接合されている、シール。
  6. 請求項5において、
    前記接合部は、前記第1シール層と前記第2シール層とが前記第1および第2中間層を介して接合された部分を含む、シール。
  7. 請求項5または6において、
    前記土台部はさらに第4シール層を含み、
    前記第4シール層は、前記第1中間層を介して前記第1シール層に接合され、かつ、前記第2中間層を介して前記第2シール層に接合されている、シール。
  8. 請求項3または7において、
    前記第4シール層は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含む、シール。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記第1,第2および第3シール層は、前記第1および第2中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる、シール。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のシールと、前記シールが口部上面に接合された容器本体とを含む、容器。
  11. 請求項10において、
    前記口部上面が、開口部を有する最上層から構成されている、容器。
  12. 請求項11において、
    水中油型乳化状食品の貯蔵に使用される、容器。
  13. (a)第1シール層および第1中間層を含む第1積層体を、前記第1シール層を内側にして2つ折りする工程と、
    (b)第2シール層および第2中間層を含む第2積層体を、前記第2シール層を内側にして2つ折りする工程と、
    (c)前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向するように、前記第1積層体および前記第2積層体を配置する工程と、
    (d)前記第1積層体と前記第2積層体の上方に、第3シール層を配置する工程と、
    (e)前記工程(a)〜(d)で得られた積層体に熱を付加することにより、または接着性の材料を用いることにより、前記第1,第2および第3シール層を接合させる工程と、
    を含み、
    前記第1,第2および第3シール層は、前記第1および第2中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる、シールの製造方法。
  14. (a)第1シール層および第1中間層を含む第1積層体を、前記第1シール層を内側にして2つ折りする工程と、
    (b)第2シール層および第2中間層を含む第2積層体を、前記第2シール層を内側にして2つ折りする工程と、
    (c)前記第1積層体の2つ折り部分と、前記第2積層体の2つ折り部分とが対向するように、前記第1積層体および前記第2積層体を配置する工程と、
    (d)前記第1積層体と前記第2積層体の上方に、第3シール層を配置する工程と、
    (e)前記第1積層体と前記第2積層体の下方に、第3中間層、第4シール層、および第4中間層を含む第3積層体を配置する工程と、
    (f)前記工程(a)〜(e)で得られた積層体に熱を付加することにより、または接着性の材料を用いることにより、前記第1,第2,第3および第4シール層を接合させる工程と、
    を含み、
    前記第1,第2および第3シール層は、前記第1,第2,第3および第4中間層よりも融点が高い材料または熱溶着しない材料からなる、シールの製造方法。
  15. 請求項14において、
    前記第4シール層は、高周波誘導加熱により発熱する材料を含み、
    前記工程(f)は、高周波誘導加熱によって前記第4シール層を発熱させることにより、熱を付加する工程を含む、シールの製造方法。
  16. 請求項13ないし15のいずれかに記載のシールの製造方法によって、容器の口部にシールを取り付ける工程を含む、シール付き容器の製造方法。
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