JP2007144576A - レンズの加工方法 - Google Patents

レンズの加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007144576A
JP2007144576A JP2005343679A JP2005343679A JP2007144576A JP 2007144576 A JP2007144576 A JP 2007144576A JP 2005343679 A JP2005343679 A JP 2005343679A JP 2005343679 A JP2005343679 A JP 2005343679A JP 2007144576 A JP2007144576 A JP 2007144576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
adhesive
holding
jig
lock sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005343679A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Yoshida
武彦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Vision Megane Inc
Original Assignee
Vision Megane Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Vision Megane Inc filed Critical Vision Megane Inc
Priority to JP2005343679A priority Critical patent/JP2007144576A/ja
Publication of JP2007144576A publication Critical patent/JP2007144576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

【課題】撥水コーティングが施されたレンズであっても確実に保持用治具を固定してレンズ加工をすることができ、正確な形状にレンズを研削でき、レンズの表面が損傷されにくい、レンズの加工方法を提供する。
【解決手段】この発明のレンズの加工方法は、レンズの表面に接着剤を塗布する工程、および前記レンズに塗布された接着剤の上から前記レンズを弾性的に保持する工程を備えたレンズの加工方法において、前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、前記レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布することを特徴とする、レンズの加工方法である。
【選択図】図1

Description

この発明はレンズの加工方法に関し、特に、たとえば眼鏡のデザインに合わせてレンズの形状を整えるためのレンズの加工方法に関する。
図9は、眼鏡の一例を示す斜視図である。眼鏡10は、2つのレンズ12を含む。2つのレンズ12は、ブリッジ14で連結される。ブリッジ14で連結されたレンズ12の両側には、耳にかけるためのテンプル16が取り付けられる。
レンズ12は、図11(A)(B)に示すように、平面形状が円形で、かつ各視力に対応した断面形状を有する形で、レンズメーカーから供給される。このレンズ12の外周部が研削され、眼鏡10のデザインに合わせた形状のレンズ12が得られる。
レンズ12を研削するために、図10に示すようなレンズ研削機20が用いられる。レンズ研削機20は、研削室22を含む。研削室22内の両側には、駆動部24a,24bが設けられ、これらの駆動部24a,24bからクランプ軸26a,26bが延びるように形成される。そして、駆動部24a,24bによって、クランプ軸26a,26bの繰り出し量が制御される。また、駆動部24a,24bによって、クランプ軸26a,26bが回転させられ、その回転量も制御される。
一方のクランプ軸26aの先端部には、治具受け28が形成される。治具受け28は、後述のレンズを保持するための保持用治具を装着するためのものである。また、他方のクランプ軸26bの先端部には、レンズ押さえ30が形成される。レンズ押さえ30は、治具受け28によって保持されたレンズ12の対向面側に押し当てられる。なお、レンズ押さえ30の先端部には、ゴムなどの弾性体が設けられ、レンズ12の表面に傷がつかないようになっている。
さらに、治具受け28とレンズ押さえ30の間に向かって水を供給するための2つの給水ノズル32が形成される。また、2つの給水ノズル32の中間部には、ウォータークリーンノズル34が形成される。このウォータークリーンノズル34は、ポリカーボネートレンズを研削するときに水を供給して、削粉を洗い流すために用いられる。
また、研削室22内には、複数の円板状の砥石36が設けられる。これらの砥石36は、粒度の異なる砥粒を含み、研削するレンズ12の種類や用途に対応して使い分けられる。つまり、ガラス製のレンズやプラスチック製のレンズなどのように、レンズの種類に応じて使い分けられたり、粗加工用や仕上げ加工用などのように、研削用途に応じて使い分けられる。
このレンズ研削機20を用いてレンズ12の研削を行うために、レンズ12を治具受け28に保持させるための治具が取り付けられる。そのために、図11に示すように、レンズメータなどを用いて、レンズ12に3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが押印される。印点40は、眼鏡10を使用するときに水平となる直線上に沿って、レンズ12の凸面側に押印される。このとき、たとえば近視用の単焦点レンズなどの場合、中央の印点40cは、レンズ12の光学中心に押印される。また、乱視用レンズなどの場合、3つの印点40が並ぶ直線と乱視軸とが、処方箋の軸角度となるように、3つの印点40がレンズ12に押印される。
さらに、図12および図13に示すように、レンズ12の凸面側に、両面粘着テープからなるロックシート42が貼着される。両面粘着テープからなるロックシート42は、たとえば0.8mm程度のやや厚めの基材の両面に粘着剤層が形成されたものである。さらに、両面粘着テープからなるロックシート42の中央部には、貫通孔42aが形成され、貫通孔42aを通して印点40を確認することができるようになっている。この両面粘着テープからなるロックシート42は、その長手方向が両端の第1の印点40aと第2の印点40bとの内側に納まる大きさに形成される。
両面粘着テープからなるロックシート42上には、軸出し機などを用いて、保持用治具44が取り付けられる。保持用治具44は、レンズ12をレンズ研削機20の治具受け28に保持するために用いられる。保持用治具44は、両面粘着テープからなるロックシート42に貼着されるカップ状の貼着部46を含む。この貼着部46の凸面側には、レンズ研削機20の治具受け28に装着するための装着部48が形成される。装着部48は、貼着部46から突き出すように形成される。装着部48の中央部には、円形の凹部50が形成され、その中央部に貫通孔52が形成される。したがって、貫通孔52は、装着部48側から貼着部46の中央部に向かって貫通する孔となっている。そして、貫通孔52が形成されることにより、レンズ12の中央の印点40cに貫通孔52を合わせて、正確な位置に保持用治具44を取り付けることができる。
さらに、装着部48の端部には、3つの溝54a,54b,54cが形成される。溝54a,54b,54cは、凹部50側から外側に向かって放射状に形成される。そして、2つの溝54a,54bは直線状に配置され、別の溝54cは溝54a,54bと直交する向きに形成される。ここで、2つの溝54a,54bは、他の溝54cより広い幅となるように形成されている。そして、直線状に配置された2つの溝54a,54bが、3つの印点40の並ぶ直線上に配置されるようにして、保持用治具44がレンズ12の凸面上に取り付けられる。また、保持用治具44に形成された貫通孔52は、レンズ12の中央の印点40cに対応した位置に配置される。したがって、保持用治具44の溝54cは、眼鏡10の使用時に、レンズ12の上方となる方向に配置される。
レンズ12に取り付けられた保持用治具44は、レンズ研削機20の治具受け28に装着される。このとき、保持用治具44に溝54a,54b,54cが形成されているため、治具受け28に溝54a,54b,54cに嵌合する凸部を形成しておくことにより、レンズ12の向きを決定することができる。
保持用治具44が治具受け28に取り付けられた状態で、クランプ軸26bが繰り出され、レンズ押さえ30がレンズ12の凹面側に押し当てられる。それにより、レンズ12は、治具受け28とレンズ押さえ30とで挟まれて固定される。この状態で、砥石36を回転させ、レンズ12の端部に押し当てられることにより、レンズ12は研削される。このとき、給水ノズル32から水が供給され、研削によって発生する熱が冷却され、かつ削粉が洗い流される。
レンズ12の研削は、予めレンズの形状を記憶させておくことにより行われる。レンズの形状を記憶させるには、たとえばフレームの形状をトレースしたり、レンズの型板の形状をトレースしたり、ダミーレンズの形状をトレースすることにより行うことができる。そして、保持用治具44の溝54a,54b,54cによってレンズ12の向きが決定されているため、眼鏡10の使用時におけるレンズ12の向きが正しく、かつ正確な形状にレンズ12を研削することができる。このようにして研削されたレンズ12に、ブリッジ14やテンプル16を取り付けることにより、眼鏡10が完成する。
眼鏡のレンズには、たとえばレンズ表面に傷がつきにくくするための物質や、紫外線吸収物質などがコーティングされたものがある。また、レンズの表面に汚れが付着しにくい物質をコーティングしたものが開発され、防汚レンズとして用いられている。しかしながら、このような防汚レンズには、水や油などが付着しにくい撥水物質がコーティングされており、両面粘着テープの粘着剤に対しても濡れ性の低いものである。そのため、レンズの研削時に、レンズと保持用治具との間にずれが生じ、正確な形状にレンズを研削できない場合がある。
そこで、撥水コーティングが施されたレンズであっても、確実に保持用治具を固定することができ、正確な形状にレンズを研削することができるレンズロックシートが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、撥水性または撥油性の眼鏡用レンズの両面にゴム系接着剤を塗布するとともに、弾力性を有するクランプ部材により、眼鏡用レンズに塗布されたゴム系接着剤の上から眼鏡用レンズを弾性的に挟持して、その眼鏡用レンズを眼鏡用レンズ加工機のレンズ保持具に保持させ、この状態でその眼鏡用レンズの研磨加工を行わせるという、眼鏡用レンズの加工方法があった(例えば特許文献2参照)。
特開2004−148444号公報 特開2004−66396号公報
この特許文献1の発明においては、レンズロックシートでは保持力が不足する場合に、このレンズロックシートを大きくして、大きい保持力を得ることが考えられる。しかしながら、レンズロックシートを大きくすると、レンズの表面に押印した印点が隠れてしまい、正確な位置に保持用治具を取り付けられないという問題が生じる。また、レンズロックシートはある程度の厚みがあり、曲率の大きいレンズの場合、レンズロックシートを大きくすると屈曲しにくくなり、レンズ表面に貼着しにくい場合がある。そのため、レンズロックシートを大きくするのには限界があり、レンズロックシートによる保持力を大きくすることが困難である。
また、特許文献2の眼鏡用レンズの加工方法では、眼鏡用レンズの研磨加工が行われた後に、眼鏡用レンズの両面からゴム系接着剤がシンナー等の溶剤で拭き取られるが、ゴム系接着剤は接着力が強いため、ゴム系接着剤を拭き取る際に、保存用治具からゴム系接着剤を拭き取りにくく、また、眼鏡用レンズの表面を損傷してしまうおそれがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、撥水コーティングが施されたレンズであっても確実に保持用治具を固定してレンズ加工をすることができ、正確な形状にレンズを研削でき、レンズの表面が損傷されにくい、レンズの加工方法を提供することである。
この発明にかかるレンズの加工方法は、レンズの表面に接着剤を塗布する工程と、レンズに塗布された接着剤の上からそのレンズを弾性的に保持する工程とを備えたレンズの加工方法において、レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布することを特徴とする、レンズの加工方法である。
この発明にかかるレンズの加工方法では、レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、たとえば、レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を噴霧する工程、レンズをウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤に浸漬する工程、または、レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を筆又は刷毛で塗る工程を含む。
また、この発明にかかるレンズの加工方法では、レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、たとえば、ウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布した保持シートを、前記レンズの表面に貼付する工程を含んでもよい。
この発明にかかるレンズの加工方法では、レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布するので、レンズの表面にゴム系接着剤を塗布する従来の加工方法と比べて、レンズを研磨加工した後に、レンズの表面から接着剤を容易に除去することができる。そのため、この発明にかかるレンズの加工方法では、レンズの表面から接着剤を除去する際に、レンズの表面が損傷されにくくなる。
この発明によれば、撥水コーティングが施されたレンズであっても確実に保持用治具を固定することができ、正確な形状にレンズを研削できレンズの表面が損傷されにくいレンズの加工方法が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
図9に示すような眼鏡10を得るために、図11に示すような平面円形状のレンズ12が研削される。レンズ12の研削を行うために、図12に示すレンズ研削機20が用いられる。このレンズ研削機20にレンズ12を取り付けるために、図1および図2に示すようにして、レンズ12に保持用治具44が取り付けられる。
レンズ12の凸面側には、図11に示すように、3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが押印される。このとき、レンズ12が近視用の単焦点レンズである場合、中央の印点40cは、たとえばレンズメータなどを用いて、レンズ12の光学中心に押印される。そして、3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cは、眼鏡10の使用時に水平となる軸に沿って押印される。
印点40が押印されたレンズ12の表面には、ウレタン系樹脂を含むウレタン系接着剤が塗布される。
塗布される面は、3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cを覆うように保持用治具44より大きな面積を有し、塗布されたウレタン系樹脂を含むウレタン系接着剤により形成された薄膜60は、略円形で、レンズ12の表面に形成された印点40をその薄膜60を通して見ることが出来るように形成される。
一方、ロックシート42が粘着剤層42bにて保持用治具44の貼着部46に貼着されたものを準備し、次に、薄膜60を構成する接着剤が固化する前に、この薄膜60上に、ロックシート42の粘着剤層42bが形成されていない面42cにて貼着する。薄膜60は、ロックシート42よりも大きく、ロックシート42の外周縁より外方に延びている。このとき、中央の印点40cが、ロックシート42の中央の間隙部42a部分に配置されるようにして、ロックシート42が薄膜60上に貼着される。
このように、レンズ12の凸面側には、ロックシート42上に、保持用治具44の貼着部46が貼着される。このとき、保持用治具44の貫通孔52が、中央の印点40cに合わせられる。さらに、直線状に配置された2つの溝54a,54bが、3つの印点、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが結ぶ直線に対応するように配置される。したがって、他の溝54cは、3つの印点、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが結ぶ直線に対して直交する向きに配置される。
つまり、溝54cは、眼鏡10の使用時において、上方となる向きに配置される。
なお、ロックシート42は、両面に粘着剤層が形成されたものを用いても良い。
また、薄膜60を構成する接着剤が、レンズ加工後、保持用治具44の表面より比較的拭き取り易い薄膜60の場合には、図4に示すように、ロックシート42を用いずに、薄膜60を構成する接着剤が固化する前に薄膜60の表面に、保持用治具44を直接貼り付けてもよい。
また、保持用治具44の表面にウレタン系接着剤を塗布して、レンズ12にウレタン系接着剤層面を重ね合わせて保持用治具44を貼り付けるといったように、薄膜60を形成した保持用治具44を薄膜60のウレタン系接着剤が固化する前にレンズ12と接着してもよい。
レンズ12に取り付けられた保持用治具44は、レンズ研削機20の治具受け28に取り付けられる。このとき、保持用治具44には、3つの溝54a,54b,54cが形成されているため、治具受け28に溝54a,54b,54cに対応する凸部を形成しておくことにより、レンズ12の向きを正確に決定することができる。この状態で、クランプ軸26bを押し出すことにより、レンズ押さえ30でレンズ12の凹面側が押えられる。レンズ12の凹面側にも、薄膜60およびロックシート42が貼着されているため、レンズ押さえ30はロックシート42に貼着される。したがって、レンズ12は、その両面において、薄膜60およびロックシート42の貼着力により、治具受け28およびレンズ押さえ30で固定される。なお、レンズ押さえ30でレンズ12の凹面側が支持できるのであれば、レンズ12の凹面側においては、薄膜60は形成されなくてもよい。
固定されたレンズ12に、給水ノズル32から水が供給され、回転する砥石36が当接されて、レンズ12が研削される。このとき、クランプ軸26a,26bの繰り出し量や回転量が調整され、さらに砥石36の繰り出し量が調整されることにより、所定の形状のレンズ12となるように研削される。
ウレタン系樹脂と有機溶剤とを含む粘着性接着剤を、撥水コーティングを施したレンズ(CarlZeiss Super Safety SSPコート(カールツアイス スーパーセイフティー エスエスビーコート))の凹面と凸面との両面に、直径3.0〜3.5cm位の略円形に刷毛で塗布して薄膜を形成する。一方、直径1.7〜2.0cmの略円形の両面接着テープからなるロックシートに保持用治具を貼り付けたものを準備する。そして、前記接着剤が固化する前に、薄膜上に保持用治具をロックシートを介して貼り合せたところ、約2分位でロックシートは動かなくなり、約20分後に、保持用治具をもってレンズ研削機に装填し、レンズ研削機によってレンズ加工を施した。
この粘着性接着剤は、弾力性がありレンズを回転させて加工するときもせん断せず、レンズ加工を行うことができ、しかもレンズ加工後、レンズの表面から爪で美麗に剥離することができた。
シリル化ウレタン樹脂を含む粘着性接着剤を、撥水コーティングを施したレンズ(CarlZeiss Super Safety SSPコート(カールツアイス スーパーセイフティー エスエスビーコート))の凹面と凸面との両面に、直径3.0〜4.0cm位の略円形に刷毛で塗布して薄膜を形成する。一方、直径1.7〜2.0cmの略円形の両面接着テープからなるロックシートに保持用治具を貼り付けたものを準備する。そして、前記接着剤が固化する前に、薄膜上に保持用治具をロックシートを介して貼り合せたところ、約4分位でロックシートは動かなくなり、約30分後に、保持用治具をもってレンズ研削機に装填し、レンズ研削機によってレンズ加工を施した。
この粘着性接着剤は、弾力性がありレンズを回転させて加工するときもせん断せず、レンズ加工を行うことができ、しかもレンズ加工後、レンズの表面から爪で美麗に剥離することができた。
このように、薄膜60を形成することにより、ロックシート42より大きい面積でレンズ12を保持することができる。しかも、薄膜60は、レンズ12に押印された第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cの確認が容易である。さらに、薄膜60を構成する接着剤としては、12の表面より引き剥がし易いウレタン系接着剤を用いられることにより、レンズ12の加工後において薄膜60を引き剥がすとき、レンズ12の表面に傷がつくことを防ぐことができる。
また、薄膜60のレンズ12に貼着される面とは反対側の表面は、レンズ12の表面に比べて粘着剤に対する濡れ性が高く親和力が強いため、小さいロックシート42によって保持用治具44が取付けられても、十分大きい保持力を得ることができ、レンズ12の研削中にレンズ12がずれたりすることを抑えることができる。したがって、表面が滑らかな撥水コーティングが施されたレンズ12であっても、十分な保持力で固定して研削を行うことができ、正確な形状のレンズ12を得ることができる。
前記実施の形態においては、レンズ12の表面に薄膜60を形成し、薄膜60の表面に、ロックシート42に保持用治具44を貼着したものを貼着するとしたが、その順序はこれに限定されるものではない。
次に、別のレンズの加工ついて、主として図5ないし図8に基づいて説明する。
印点40が押印されたレンズの表面に、ウレタン系樹脂を含む接着剤を塗布する。
塗布される面は、3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cを覆うように保持用治具44より大きな面積を有し、塗布されたウレタン系樹脂を含むウレタン系接着剤により形成された薄膜160は、略円形で、レンズ12の表面に形成された印点40をその薄膜160を通して見ることが出来るように形成される。
次に、薄膜160を構成するウレタン系樹脂を含む接着剤が固化する前に、保持シート162を接着する。保持シート162は、薄膜160に接着し、レンズ12と接着される。
保持シート162は、たとえば厚さ0.1mm程度の薄いメッシュの布地又はメッシュの樹脂脂フィルムからなる。そして、保持シート162としては、薄膜160とは反対側、すなわちレンズ12に貼着されない側の保持シート162の表面が、レンズ12の表面に比べて、粘着剤に対する濡れ性が高く、親和力の強いものが用いられる。
保持シート162は、レンズ12より小さく且つ3つの印点40、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cよりも広がり包み込むような大きさであり、粘着剤層164の面によりレンズ12に貼着される。
保持シート162は、第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cの領域においては、第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cを確認するための第1の間隙部166a、第2の間隙部166b及び中央の間隙部166cが形成されている。
すなわち、第1の印点40aと対応する第1の間隙部166a、第2の印点40bと対応する第2の間隙部166b及び中央の印点40cに対応する中央の間隙部166cが形成されている。
このとき、保持シート162は、第1の間隙部166a、第2の間隙部166b及び中央の間隙部166cが形成されているため、第1の間隙部166a、第2の間隙部166b及び中央の間隙部166cを通して、第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cを確認することができる。
この保持シート162上に、支持体42Xの一面に粘着剤層42b及び他面に粘着剤層42dを形成された両面粘着テープからなるロックシート42が貼着され、ロックシート42よりも大きい保持シート162がロックシート42の外周縁より外方に延びて包み込む。このとき、中央の印点40cが、ロックシート42の中央の間隙部42a部分に配置されるようにして、ロックシート42が保持シート162上に貼着される。
なお、保持シート162は、図7及び図8に示すように、予めロックシート42を粘着剤層42dの面により接着し一体化したものを用いてもよい。
また、ロックシート42は、両面に粘着剤層42b及び粘着剤層42dが形成された、両面粘着テープを用いたが、保持シート162の一方面、すなわちレンズ12に貼着される面にウレタン系樹脂を含む接着剤を塗布してなる薄膜160が形成され、且つ他方面、すなわちロックシート42に貼着される面にもウレタン系樹脂を含む接着剤を塗布してなる薄膜160が形成されたものを用いた場合には、ロックシート42としては保持用治具44側の面にのみ粘着剤層42bが形成されたものを用いてもよい。
さらに、レンズ12の凸面側には、ロックシート42上に、保持用治具44の貼着部46が貼着される。このとき、保持用治具44の貫通孔52が、中央の印点40cに合わせられる。さらに、直線状に配置された2つの溝54a,54bが、3つの印点、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが結ぶ直線に対応するように配置される。したがって、他の溝54cは、3つの印点、すなわち第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cが結ぶ直線に対して直交する向きに配置される。
つまり、溝54cは、眼鏡10の使用時において、上方となる向きに配置される。
レンズ12に取り付けられた保持用治具44は、レンズ研削機20の治具受け28に取り付けられる。このとき、保持用治具44には、3つの溝54a,54b,54cが形成されているため、治具受け28に溝54a,54b,54cに対応する凸部を形成しておくことにより、レンズ12の向きを正確に決定することができる。この状態で、クランプ軸26bを押し出すことにより、レンズ押さえ30でレンズ12の凹面側が押えられる。レンズ12の凹面側にも、保持シート162およびロックシート42が貼着されているため、レンズ押さえ30はロックシート42に貼着される。したがって、レンズ12は、その両面において、保持シート162およびロックシート42の貼着力により、治具受け28およびレンズ押さえ30で固定される。なお、レンズ押さえ30でレンズ12の凹面側が支持できるのであれば、レンズ12の凹面側においては、薄膜60及び保持シート162のみを形成し、ロックシート42は貼着されなくてもよい。
固定されたレンズ12に、給水ノズル32から水が供給され、回転する砥石36が当接されて、レンズ12が研削される。このとき、クランプ軸26a,26bの繰り出し量や回転量が調整され、さらに砥石36の繰り出し量が調整されることにより、所定の形状のレンズ12となるように研削される。
このように、保持シート162を用いることにより、ロックシート42より大きい面積でレンズ12を保持することができる。このとき、保持シート162は、第1の間隙部166a、第2の間隙部166b及び中央の間隙部166cが形成されているため、レンズ12に押印された第1の印点40a、第2の印点40b及び中央の印点40cの確認が容易である。さらに、薄い保持シート162を用いることにより、レンズ12の曲率が大きくても、それに対応して保持シート162が屈曲し、大きい面積で保持シート162をレンズ12に貼着することができる。また、大きい保持シート162が貼着されることにより、レンズ12の表面に傷がつくことを防ぐことができる。
また、保持シート162の表面は、レンズ12の表面に比べて粘着剤に対する濡れ性が高いため、小さいロックシート42によって保持用治具44が取付けられても、十分大きい保持力を得ることができ、レンズ12の研削中にレンズ12がずれたりすることを抑えることができる。したがって、表面が滑らかな撥水コーティングが施されたレンズ12であっても、十分な保持力で固定して研削を行うことができ、正確な形状のレンズ12を得ることができる。
ウレタン系接着剤塗布の方法は、スプレーガン等で噴霧する塗布方法を選択したが、これに限らず、レンズ12を接着剤に浸漬するディッピング方法や、筆や刷毛に接着剤をつけてレンズ表面に塗布する方法を選択してもよい。
また、ウレタン系接着剤に代えて、シリコン系樹脂を含む接着剤を用いても良い。
この発明にかかるレンズの加工方法は、たとえば眼鏡用レンズの加工方法に適用できる。
この発明のレンズの加工方法を採用するために用いられるレンズの保持構造を示す分解斜視図である。 図1に示すレンズの保持構造を示す平面図である。 薄膜をレンズに形成する方法を示す断面図解図である。 別の薄膜をレンズに形成する方法を示す断面図解図である。 この発明の別のレンズの加工方法を採用するために用いられるレンズの保持構造を示す分解斜視図である。 図5に示すレンズの保持構造を示す平面図である。 別の保持シート及び薄膜をレンズに形成する方法を示す断面図解図である。 別の保持シートと両面粘着テープとの重ね合わせ体を示す図で、(A)はその斜視図解図であり、(B)はその断面図解図である。 加工したレンズを用いた眼鏡の一例を示す斜視図である。 レンズの加工を行うために用いられるレンズ研削機の研削室内の一例を示す図解図である。 (A)は、印点を施した加工前のレンズを示す平面図であり、(B)はその断面図である。 従来のレンズの保持構造を示す分解斜視図である。 図12に示す従来のレンズの保持構造を示す平面図である。
符号の説明
10 眼鏡
12 レンズ
14 ブリッジ
16 テンプル
20 レンズ研削機
22 研削室
24a,24b 駆動部
26a,26b クランプ軸
28 治具受け
30 レンズ押さえ
32 給水ノズル
34 ウォータークリーンノズル
36 砥石
40 印点
40a 第1の印点
40b 第2の印点
40c 中央の印点
42 ロックシート
42a 貫通孔
42b,42d,165 粘着剤層
44 保持用治具
46 貼着部
48 装着部
50 円形の凹部
52 貫通孔
54a,54b,54c 溝
60 薄膜
162 保持シート
166a 第1の間隙部
166b 第2の間隙部
166c 中央の間隙部

Claims (5)

  1. レンズの表面に接着剤を塗布する工程、および
    前記レンズに塗布された接着剤の上から前記レンズを弾性的に保持する工程を備えたレンズの加工方法において、
    前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、前記レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布することを特徴とする、レンズの加工方法。
  2. 前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、前記レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を噴霧する工程を含む、請求項1に記載のレンズの加工方法。
  3. 前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、前記レンズをウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤に浸漬する工程を含む、請求項1に記載のレンズの加工方法。
  4. 前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、前記レンズの表面にウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を筆又は刷毛で塗る工程を含む、請求項1に記載のレンズの加工方法。
  5. 前記レンズの表面に接着剤を塗布する工程は、ウレタン系樹脂を含む接着剤またはフッ素系樹脂を含む接着剤を塗布した保持シートを、前記レンズの表面に貼付する工程を含む、請求項1に記載のレンズの加工方法。
JP2005343679A 2005-11-29 2005-11-29 レンズの加工方法 Pending JP2007144576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005343679A JP2007144576A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 レンズの加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005343679A JP2007144576A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 レンズの加工方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007144576A true JP2007144576A (ja) 2007-06-14

Family

ID=38206586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005343679A Pending JP2007144576A (ja) 2005-11-29 2005-11-29 レンズの加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007144576A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162959A (ja) * 2007-12-29 2009-07-23 Nidek Co Ltd 眼鏡レンズ固定用カップの取り付け/取り外し方法、眼鏡レンズ固定用の両面粘着テープ、並びに眼鏡レンズ固定用カップ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162959A (ja) * 2007-12-29 2009-07-23 Nidek Co Ltd 眼鏡レンズ固定用カップの取り付け/取り外し方法、眼鏡レンズ固定用の両面粘着テープ、並びに眼鏡レンズ固定用カップ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5052442B2 (ja) リムレス眼鏡の製造方法及び該方法で使用するために適したマスク
KR20070091352A (ko) 폴리싱 휠
JP6000443B2 (ja) 光ファイバコネクタ研磨装置及び方法
US6942746B2 (en) Lens blocking system
JP2004249454A (ja) 粘着テープ及び玉型加工方法
KR20090020593A (ko) 점착 시트 및 옥형 가공 방법
EP1366858B1 (en) Polisher and polishing method
US20210001579A1 (en) Method for manufacturing spectacle lenses according to a prescription
JP2010158727A (ja) レンズ加工用パッド、その製造方法、プラスチックレンズの製造方法および粘着部材
JP3723536B2 (ja) レンズの加工方法
JP2007144576A (ja) レンズの加工方法
MX2011008404A (es) Modificacion superficial de recubrimiento hidrofobico y/o oleofobico.
US20080047301A1 (en) Tool and a Method for Polishing Optical Surfaces
JP2007118099A (ja) レンズの加工方法及びレンズの加工に用いられる保持シート
JP2009233832A (ja) 研磨工具の取付け構造および研磨装置
JP2007136581A (ja) レンズの加工方法及びレンズの加工に用いられる保持シート
JP2015121805A (ja) 偏光素子及び偏光レンズの製造方法
JP3771524B2 (ja) 眼鏡用レンズの加工方法
JPH1177503A (ja) 眼鏡レンズ研磨用研磨パッドおよびこれを用いた研磨方法
JP4013966B2 (ja) レンズの研磨方法
JP2007156226A (ja) 粘着テープ及び眼鏡レンズの玉型加工方法
JP4405943B2 (ja) 光コネクタ端面加工方法、光ファイバ切断装置及び光コネクタ端面加工装置
JP2003025205A (ja) 研削、研磨加工用の光学素子保持部材
KR200341125Y1 (ko) 안경렌즈 컷팅용 블록킹 테이프
JP3982680B2 (ja) 光コネクタのフェルール端面の加工方法