JP2007144508A - ディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アウタパッド5aの端部を係止する為の係止溝27aを高精度に形成でき、しかも十分な強度を確保できるサポート19aを、安価に製造する。
【解決手段】素板の1対の腕部を曲げ加工した後、互いに近づく方向に延出した各突出板部23の外周側面に係止溝27aを形成する。この係止溝27aを形成する為に、押し部を有する押型と、受型とを使用する。この受型として、上記押し部と対向する部分に凹部を形成し、この凹部内の容積V1 を、上記押し部のうちの係止溝27aを形成する部分の容積V2 と同じか、又はこの容積V2 に対し5%以下の範囲で小さくしたものを使用する。各突出板部23を上記押型と受型との間で押圧する事により、これら各突出板部23の内周側面に突部49を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車の制動に使用するディスクブレーキを構成するサポートのうち、金属板にプレス加工等による曲げ加工を施して造る金属板製サポートの製造方法の改良に関する。
自動車の制動に使用するディスクブレーキとして、従来から各種構造のものが知られているが、厚肉鋼板等の金属板に曲げ加工を施して成る金属板製サポートを使用するものが、コスト並びに重量の低減を図る面から研究が進められている。図13〜16は、この様な金属板製サポートを組み込んだディスクブレーキの1例として、特許文献1に記載されたものを示している。先ず、この従来構造に就いて簡単に説明する。
このディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータ1に隣接した状態で懸架装置に対し固定されるサポート2にキャリパ3を、1対のガイドピン4a、4bにより、上記ロータ1の軸方向(図13の上下方向、図14の左右方向)の変位自在に支持している。上記サポート2には、上記ロータ1を挟んでアウタ側(車両の幅方向に関して外側)のアウタパッド5a及びインナ側(車両の幅方向に関して中央側)のインナパッド5bを、上記ロータ1の軸方向の変位自在に支持している。又、上記キャリパ3のシリンダ部6に嵌装したピストン7の先端面(図14の左端面)を、上記インナパッド5bを構成するプレッシャプレート8bに突き当て、上記キャリパ3のアウタ側端部に形成したキャリパ爪9の内側面を、アウタパッド5aを構成するプレッシャプレート8aに当接させている。
制動を行なう場合には、上記シリンダ部6内への圧油の送り込みにより、上記ピストン7で上記インナパッド5bを上記ロータ1の側面に押し付ける。この押し付けの反作用として、上記キャリパ3がインナ側に変位するので、上記キャリパ爪9が上記アウタパッド5aを上記ロータ1の側面に押し付ける。この結果、このロータ1が1対のパッド5a、5bのライニング10a、10bにより両側から強く挟持されて、制動が行なわれる。この制動の際、これら各ライニング10a、10bとロータ1との摩擦に伴って上記各パッド5a、5bに加わる制動トルクは、これら各パッド5a、5bのプレッシャプレート8a、8bを支持した、上記サポート2により支承される。
上述の様に構成し作用する従来構造の場合には、上記各パッド5a、5bに伝わる制動トルクの全部を、上記サポート2のうちで上記ロータ1の回出側(ロータ1の回転方向前方で、例えばロータ1が図13の矢印α方向に回転する場合に、同図の右側)部分で支承する。従って、この回出側部分の強度及び剛性を確保すべく、上記サポート2のアウタ側端部に、回入側(ロータ1の回転方向後方で、例えばロータ1が図13の矢印α方向に回転する場合に、同図の左側)、回出側両端部同士を結ぶ連結部11を設けている。
一方、図17は、上述のサポート2と同様の形状のサポートを構成する、金属板製の素板12を示している。この素板12は、金属板を打ち抜く事により全体を環状に形成しており、一端部(図17の下端部)に設けた基板部13と、この基板部13のロータ1(図13、14参照)の周方向(図17の左右方向)両端部に互いに同方向に延出する状態で設けた1対の腕部14、14と、これら両腕部14、14の先端部(図17の上端部)同士を連結した連結部11とを備える。このうちの基板部13は、車体に取り付ける為のインナ側取付部となるものである。又、上記連結部11の両端部に、アウタパッド5a(図13、14参照)を支持する為の1対のアウタパッド支持部16、16を設けている。この様な素板12は、上記各腕部14、14の先半部を、図17の鎖線部分で曲げ加工する事で、全体がL字形の中間素材を造る。この中間素材は、上記基板部13のロータ1の周方向両端部に、車体に取り付ける為のボルト結合用の1対の第一のねじ孔17(図16参照)を形成すると共に、各腕部14、14の基端部に1対の第二のねじ孔18(図13、15、16参照)を形成する。そして、これら各第二のねじ孔18にガイドピン4a、4b(図13、15、16参照)の基端部を圧接若しくは螺合等で結合固定する事で、サポートの完成品とする。
上述の様に図17に示した素板12によりサポートを造る場合、アウタ側端部となる他端部(図17の上端部)に、1対の腕部14、14同士を連結する連結部11が存在する。一方、従来から、上述の図17に示した素板12で、1対の腕部14、14のアウタ側端部となる端部同士を連結する連結部11を省略した素板により、金属板製サポートを造る事が考えられている。図18は、この様な連結部を省略した素板により造る金属板製サポートのうち、特許文献2に記載されたサポート19を示している。このサポート19は、厚肉鋼板等の金属板を曲げ加工する等により一体に造ったもので、基板部13aと、それぞれ1対ずつの、インナパッド支持部24、24と、連結板部22、22と、突出板部23、23とを備える。このうちの基板部13aに、車体に固定する為のボルト取り付け用の第一のねじ孔17、17を形成している。
上記1対のインナパッド支持部24、24は、上記基板部13aの周方向中間部2個所位置に、この基板部13aの外周縁側が開口する状態で、それぞれ形成している。これらインナパッド支持部24、24には、互いに対称形の係止切り欠き25、25を形成している。これら各係止切り欠き25、25には、インナパッド5bを構成するプレッシャプレート8bの両端部に形成した係止鉤部26、26を進入させる。この構成により、上記インナパッド5bを、サポート19に対し、ロータ1(図13、14参照)の軸方向の変位自在に、且つ、制動時にこのインナパッド5bに加わる制動トルクを支承自在に支持する。
又、上記各連結板部22、22は、上記基板部13aの周方向両端部の外周縁部からアウタ側(図18の表側)に折れ曲がったもので、車体への取付状態では、上記各連結板部22、22の内周面と上記ロータ1の外周縁とが対向する。そして、これら各連結板部22、22の先端部から上記各突出板部23、23が、互いに近づき合う方向に延出している。更に、これら各突出板部23、23の外周縁に係止溝27、27を、それぞれ形成している。これら各係止溝27、27に、アウタパッド5aを構成するプレッシャプレート8aの両端部に設けた鉤部28、28を係止する事で、このアウタパッド5aを、ロータ1の軸方向の変位自在に、且つ、制動時にこのアウタパッド5aに加わる制動トルクを支承自在に支持する。
上記サポート19には、キャリパ3(図13、14参照)を、ロータ1の軸方向の変位自在に支持する。この為に、上記サポート3のロータ1回入側、回出側両端部に形成した第二のねじ孔18、18に、1対のガイドピン4a、4b(図13、15、16参照)の基端部を螺合・固定する。そして、これら両ガイドピン4a、4bに、キャリパ3の一部に設けたガイドシリンダ部を、ロータ1の軸方向の変位自在に外嵌する。
この様なサポート19を造る為に、上記特許文献2に記載された製造方法の場合には、先ず、厚肉鋼板等の金属板を打ち抜き成形する事により、図19に示す様な素板20を造る。この素板20は、基板部13a及びインナパッド支持部24、24に対応する形状を加工している。又、この素板20のロータ1の周方向両端部に、それぞれが上記各連結板部22、22及び各突出板部23、23(図18)を構成する、1対の腕部14a、14aを互いに同方向に延出させている。
次いで、図19に鎖線イ、イで示した、1対の腕部14a、14aの基端寄り部分を曲げる曲げ加工を施す事により、全体がL字形である中間素材とする。即ち、この曲げ加工により、上記基板部13aに対応する部分の、ロータ1の周方向両端部外周縁から直角に折れ曲がった、1対の連結板部22、22と、これら各連結板部22、22の先端部に互いに近づく方向に延出した、1対の突出板部23、23とを有する、中間素材を造る。そして、この中間素材に、これら各突出板部23、23を所望形状とすると共に、これら各突出板部23、23に各係止溝27、27を形成する為のプレス加工を施す。このプレス加工は、静止型により上記各突出板部23、23に相当する部分の先端面を抑えつつ、この部分を上型と下型との間で挟持する事により行なう。このプレス加工に伴って、上記各突出板部23、23に相当する部分の厚さ寸法が小さくなり、その代わりにこれら各突出板部23、23の幅寸法が大きくなる。そこで、図20に示す様に、トリミング型59により、幅寸法(図20の上下方向)が大きくなった、各突出板部23、23に相当する部分の幅方向両端部に存在する余肉部60、60を除去して、所定の形状及び寸法を有する突出板部23、23とする。
この様に従来の金属板製サポートの製造方法で各突出板部23、23に係止溝27、27を形成する場合、これら各係止溝27、27を形成すべく上記上型に設ける押し部と、上記下型のこの押し部と対向する部分との形状を、互いの容積の関係で規制する事は考慮していなかった。この為、上記上型と下型との間で上記各突出板部23、23に相当する部分を挟持する様にプレス加工を施すと、幅方向(図20の上下方向)両端部に大きな余肉部60、60が発生してしまい、後でこの余肉部60、60をトリミングする必要が生じる。この様に余肉部60、60をトリミングした場合、圧延された鋼板等の金属板の繊維状組織の流れである、所謂ファイバーフローが途中で切断されてしまう為、サポート19のアウタ寄り部分の強度向上を図る面から未だ改良の余地がある。
又、上記各突出板部23、23に、幅方向両端部に大きな余肉部60、60が発生する様に大きな加圧力のプレス加工を施すと、このプレス加工の作業に使用する金型の寿命が低下し易くなる。この為、サポート19の単品当たりの製造コストが高くなる原因となる。又、この場合、各突出板部23、23に大きな内部応力が発生し易くなり、サポート19の製品に長期間に亙り内部歪みを残留させてしまう可能性がある。この為、各突出板部23、23の強度向上を図る面、及び、サポート19の製品の信頼性向上を図る面から、未だ改良の余地がある。更に、各係止溝27、27の形状及び寸法の精度向上を図り、これら各係止溝27、27とアウタパッド5aの鉤部28、28(図18)との係合部を介して、アウタパッド5aに加わる制動トルクをサポート19で効率良く受けられる様にする面からも未だ改良の余地がある。
これに対して、鋳物製のサポートに切削加工により各係止溝に相当する部分を形成する事も考えられる。但し、この場合には、アウタパッドから制動トルクを受ける部分の強度を十分に確保する事は難しくなる。又、この場合には、加工の為のコストが高くなる原因となる。又、各突出板部同士を連結する連結部がない素材に切削加工で係止溝を形成する場合、これら各係止溝の形状精度を高くする事が非常に困難になる。
尚、上述の図18〜20に示したディスクブレーキ用金属板製サポートの場合、1対の腕部14a、14aのアウタ側端部となる端部同士を連結する連結部を省略した素板20により造る場合に就いて説明した。但し、アウタ側部分に1対の突出板部23、23を設けた構造で、これら各突出板部23、23よりも更にアウタ側に位置する部分の、ロータ1の回入側、回出側両端部同士を連結部により連結し、上記各突出板部23、23にアウタパッド5aの周方向両端部を係止する係止溝27、27を形成する場合も、同様の不都合が生じる。即ち、上記連結部の存在の有無に拘らず、係止溝27、27を形成した構造の場合には、アウタパッド5aの周方向両端部をサポート19に対し、より有効に外れにくくできる。但し、上記各係止溝27、27をプレス加工により形成する際に、上型に設ける押し部と、下型のこの押し部と対向する部分との形状を、互いの容積の関係で規制する事を考慮していない場合には、各突出板部23、23の幅方向両端部に大きな余肉部が発生する。この為、この余肉部をトリミングした場合に、上記ファイバーフローが途中で切断されてしまう。又、大きな加圧力のプレス加工を施すと、金型の寿命が低下し易くなる。又、各突出板部23、23に大きな内部応力が発生し易くなる。又、各係止溝27、27の形状及び寸法の精度向上を図る面からも未だ改良の余地がある。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1、2の他に、特許文献3、4がある。
実開昭52−80389号公報 特開2002−295538号公報 特開昭57−6138号公報 特開昭52−72067号公報
本発明のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法は、この様な事情に鑑みて、アウタパッドの周方向端部を係止する為の係止溝の形状及び寸法の精度を十分に高くでき、しかも、十分な強度を確保できる金属板製サポートを、安価に製造すべく発明したものである。
本発明のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法は、車輪と共に回転するロータの両側にアウタパッドとインナパッドとを軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをロータの軸方向に変位自在に支持し、車体に取り付ける為にこのロータの一方の側に隣接して設けた基板部と、この基板部に上記インナパッドを支持する為に形成されたインナパッド支持部と、この基板部の周方向両端部から上記ロータの外周縁部を越えて他方の側に伸びた1対の連結板部と、これら両連結板部の先端部から互いに近づき合う方向に延出された1対の突出板部と、これら各突出板部の先端部の片面にロータの径方向内方に凹んだ状態で形成された、上記アウタパッドの周方向両端部を係止する為の係止溝とを備えるディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法である。
そして、本発明のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法にあっては、金属板を打ち抜く事により形成した、基板部と、この基板部の周方向両端部に互いに同方向に延出する1対の腕部とを備えた素板の各腕部を曲げ加工する事により、1対ずつの連結板部と突出板部とを構成した後、これら各突出板部を押型と受型との間で押圧して上記各係止溝を形成する。又、この受型が、上記押型の上記各係止溝を形成する為の押し部と対向する部分に凹部を形成し、これら凹部内の容積を、上記各押し部のうちの上記各係止溝を形成する部分(係止溝を形成する際に押し部のうちのこの係止溝内に進入した状態となる部分)の容積と同じか、又はこれら各押し部のうちの各係止溝を形成する部分の容積に対し5%以下の範囲で小さくしたものである。そして、上記各突出板部を上記押型と受型との間で押圧する事により、これら各突出板部の上記各係止溝とは反対側の他面に突部を形成する。
尚、本明細書及び特許請求の範囲で、「周方向」とは、特に断らない限りロータの周方向を言い、同じく「軸方向」とは、特に断らない限りロータの軸方向を言い、本明細書で「径方向」とは、特に断らない限りロータの径方向を言う。
上述の様に構成する本発明のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法の場合には、アウタパッドの周方向端部を係止する為の係止溝の形状及び寸法の精度を十分に高くでき、しかも、十分な強度を確保できる金属板製サポートを、安価に製造できる。即ち、各突出板部に押型と受型とによる押圧加工を施す事により係止溝を形成する際に、各突出板部の各係止溝とは反対側の他面に、各係止溝の内側の容積に対しほぼ同じ容積を有する突部を形成できる。この為、上記各係止溝の形状及び寸法の精度を良好にでき、アウタパッドの周方向端部との係合精度が向上し、制動時にアウタパッドに加わる制動トルクをサポートで効率良く受ける事ができる。又、上記各係止溝を形成した部分の板厚が過度に小さくなる事を防止できる。しかも各突出板部を押型と受型との間で押圧する際の加圧力を小さく抑える事ができる。この為、この押圧の作業に使用する金型の寿命の向上を図れて、サポートの単品当たりの製造コストの低減を図れる。又、上記加圧力を小さくできる為、このサポートのインナ側、及びアウタ側を含めた、全体形状の精度を高める事ができ、歩留りの向上を図れる。
又、従来から一般的に行なわれている単なるコイニング加工の場合、被加工物の一部を加圧し、この一部の肉厚を減少させるので、製品に大きな内部応力が発生し、この製品全体に内部歪み(変形)を長期間に亙り残留させてしまう可能性がある。これに対して、本発明の場合には、上述の様にして係止溝を形成する為、サポートの製品内部に内部歪みが残留する事を少なく抑える事ができ、製品全体の形状精度を高くできると共に、信頼性向上を図れる。又、上記各係止溝を形成するのにも拘らず、被加工部である、各突出板部の肉厚が過度に小さくなる事を防止できると共に、後工程でこれら各突出板部をトリミングせずに済む為、圧延により得られた鋼板等の金属板の繊維状組織の流れである、ファイバーフローが途中で切断されずに済む。この為、サポートのアウタ側端部の強度が低下する事を防止できる。
図1〜11は、本発明のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法の実施例を示している。尚、本実施例の特徴は、金属板を打ち抜く事により形成した平板状の素板20a(図5、6)を造った後、この素板20aの1対の腕部14b、14bを曲げ加工する事により、1対ずつの連結板部22、22と突出板部23、23とを構成し、これら各突出板部23、23にアウタパッド5aの周方向両端部を係止する為の係止溝27a、27aを形成する際の方法を工夫した点にある。サポート19aの完成品の構造自体は、前述の図18に示した従来構造のサポート19とほぼ同様であり、このサポート19aを構成する為の素板20aの基本的構成も、前述の図19に示した従来から知られている製造方法の場合とほぼ同様である。よって、前述の図18〜19に示した従来から知られている製造方法で造る素板20及びサポート19と同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分、並びに、前述の図18〜19に示した従来から知られている製造方法とは異なる部分を中心に説明する。
先ず、図1〜2に示した、本実施例の製造方法により得られるサポート19aに就いて説明する。このサポート19aは、前述の図18に示した従来構造のサポート19と同様に、厚肉鋼板等の金属板を曲げ加工する等により一体に造ったもので、ロータ1(図13、14参照)に関してインナ側(図1の裏側、図2の表側)に設けた略コ字形の基板部13bと、それぞれ1対ずつの連結板部22、22及び突出板部23、23とを備える。又、上記基板部13bの周方向両端寄り部分に、インナパッド5bを構成するプレッシャプレート8bの両端部に設けた係止突部21、21を係止自在なインナパッド支持部24a、24aを設けている。これらインナパッド支持部24a、24aは、上記基板部13bの周方向両端寄り部分の内側面に、互いに向き合う様に開口する状態で形成した断面コ字形の係止溝15、15(図2)を備える。制動時にロータ1からインナパッド5bに加わる制動トルクは、上記各係止溝15、15の周方向に向いた内側面でサポート19aに支承される。即ち、上記各インナパッド支持部24a、24aは、インナパッド5bの係止突部21、21の周方向側面がロータ1の回転方向と同方向に押し付けられる、所謂押しアンカとなる。一方、アウタ側(図1の表側、図2の裏側)に設けた上記各突出板部23、23の外周側面(図1の上側面)に係止溝27a、27aを形成しており、これら各係止溝27a、27aに、アウタパッド5aを構成するプレッシャプレート8aの鉤部28、28を係止自在としている。
上述の様なサポート19aを得る為に本実施例の場合には、次の様にしてサポート19aを造る。先ず、厚肉鋼板等の金属板を打ち抜き成形する事により、図5に示す様な素板20aを造る。この素板20aは、前記基板部13b及びインナパッド支持部24a、24aに対応する形状を加工している。又、この素板20aの周方向両端部に、それぞれが上記各連結板部22、22及び各突出板部23、23(図1参照)を構成する、1対の腕部14b、14bを、互いに同方向に延出させている。又、上記基板部13bの周方向両端部に1対のインナパッド支持部24a、24aを設けている。
次いで、上記素板20aを構成する1対の腕部14b、14bに曲げ加工を施す事により、図9に示す様な、全体をL字形に構成した中間素材50を造る。即ち、この曲げ加工により、上記基板部13bに対応する部分の両端部外周縁からほぼ直角に折れ曲がった、1対の連結板部22、22と、これら各連結板部22、22の先端部に互いに近づく方向に延出した、1対の突出板部23、23とを有する、中間素材50を得る。この為に、本実施例の場合には、図5〜9に示す様な曲げ加工装置29を使用する。この曲げ加工装置29は、互いに上下方向に対向する第一の上型30及び第一の下型31と、互いに上下方向に対向する第二の上型32及び第二の下型33とを備える。このうちの第一の上型30及び第一の下型31は、上記素板20aの基板部13b寄り部分を挟持する機能を有する。又、上記第一の上型30は、上方に設けた支持部分37(図9)と共に昇降自在となっている。これに対して、第一の下型31は、基台34の上面に、上下方向に伸縮自在な弾性部材35を介して、昇降自在に支持している。この弾性部材35は、スプリングを備えたもので、曲げ加工の力に対応する為にスプリング力が高く設定されている。又、上記弾性部材35の下端部は、上記基台34の上面に設けられた溝部58に固定されている。
又、上記第一の下型31の上面は、上記素板20aの基板部13b寄り部分を、がたつきなく設置可能な形状としている。即ち、上記第一の下型31の上面の一端部(図5〜7、9の右端部)に第一の壁部53を、他端部(図5〜7、9の左端部)の長さ方向(図5、7の上下方向、図6、9の表裏方向)中央部に第二の壁部54を、それぞれ形成している。又、上記第一の壁部53の片面(図5〜7、9の左側面)に、上記素板20aの基端部に設けた1対の突部55、55を進入自在な凹部56、56を形成している。上記第一の下型31の上面のうち、上記第一、第二の壁部53、54から外れた部分を、上記基板部13b寄り部分を載置自在な載置面41としている。上記基板部13bに設けた凹部57内に上記第二の壁部54を進入させつつ、上記載置面41に上記基板部13b寄り部分を設置した状態で、上記素板20aの第一の下型31に対するずれを、上記第一、第二の壁部53、54により規制する。
一方、上記第二の上型32は、下方に突出する1対の脚部36、36を有するもので、上記支持部分37(図9)と共に昇降自在となっている。これら各脚部36、36の下面は、水平方向に対し、先端に向かう程第一の上型30及び第一の下型31から離れる方向に傾斜した、第一の傾斜面38、38としている。又、上記第二の下型33は、上記基台34の上面に、上記第一の下型31に対する水平方向の遠近動を可能に支持しており、片側(図5〜7、9の左側)上面に、それぞれが上記各第一の傾斜面38、38と平行な、水平方向に対し傾斜した1対の第二の傾斜面39、39を形成している。この様な構成により、上記第二の上型32が下降するのに伴って、上記各第一の傾斜面38、38と各第二の傾斜面39、39とが係合すると、これら両傾斜面38、39同士の押し付け合いにより、上記第二の下型33が上記第一の下型31に近づく方向(図5〜7、9の右方)に移動する。即ち、上記各第一、第二の傾斜面38、39がカム面としての役目を果たす。又、上記第二の下型33の他側(図5〜7、9の右側)上面に、下方に向かう程第一の下型31に近づく方向に傾斜した傾斜面40を形成している。この傾斜面40は、上記第一の下型31の上面に設けた、上記素板20aを設置可能な載置面41を含む仮想平面に対し、ほぼ直交している。
又、本実施例の場合には、上記第二の下型33の他側上面で、傾斜面40を形成した部分の幅方向(図5、7の上下方向、図6、9の裏表方向)中央部に、受け部となる受け部材42を結合固定している。この受け部材42は、直方体状で、ボルト等の締結部材により、上記第二の下型33に一体に結合固定している。そして、この受け部材42の幅方向(図5、7の上下方向、図6、9の裏表方向)両側面を、互いに平行な平坦面43、43としている。例えば、上記締結部材としてボルトを使用する場合には、上記受け部材42の厚さ方向に貫通する図示しない通孔に挿通させたボルトの先端部を、上記第二の下型33に形成した図示しないねじ孔に螺合・緊締する事で、上記受け部材42をこの第二の下型33に一体に結合固定する。
更に、上記受け部材42の各平坦面43、43同士の間隔(幅方向の全長)L42(図5)を、上記素板20aの1対の腕部14b、14bの先端部内側面同士の間隔L14b (図5)よりも僅かに小さくしている(L42<L14b )。例えば、上記第一の下型31の上面に設けた載置面41に上記素板20aの基板部13b寄り部分を設置し、この素板20aの1対の腕部14b、14bの先端部内側面同士の間に上記受け部材42を位置させた状態で、これら内側面とこの受け部材42の各平坦面43、43とを、それぞれ0.1mm以下の隙間を介して対向させる。
上述の様に構成する曲げ加工装置29により、上記素板20aを曲げ加工する作業は、次の様にして行なう。先ず、上記第一の上型30と第一の下型31とを上下方向に離隔させた状態で、この第一の下型31の載置面41に、素材20aの基板部13b寄り部分を設置する。又、この素材20aの1対の腕部14b、14bの先端部同士の間に、上記第二の下型33に結合固定した受け部材42を位置させる。この状態で、第一の上型30を下降させ、上記素材20aを、この第一の上型30と上記第一の下型31との間で挟持し、加圧する。又、これに伴って、この第一の下型31を下降させる。そして、上記第一の上型30が第一の下型31との間で素材20aを挟持するのよりも少し遅れて、前記第二の上型32の下降により、第一、第二の各傾斜面38、39同士の押し付け合いを行なわせ、前記第二の下型33を上記第一の下型31に向け移動させる。この結果、上記素板20aの1対の腕部14b、14bの先半部を上記第二の下型33の上面に押し付けつつ、上記素板20aの基板部13b寄り部分が上記第一の上型30及び第一の下型31により下方に押し下げられる。そして、上記1対の腕部14b、14bが、図5の鎖線イ、イ部分に沿って(鎖線イ、イ部分を起点として)略L字形に曲げられ、図9に示す様に、1対ずつの連結板部22と突出板部23とを備えた中間素材50となる。
又、この様な曲げ加工に伴って、鎖線イ、イ部分に沿って直角に曲げられるので、上記1対の腕部14b、14bの先端部内側面が互いに近づく方向に力が加わる。そして、これら内側面が上記受け部材42の各平坦面43、43に対し、直線方向又は曲線方向に、又はこれらを組み合わせながら相対移動しつつ摺接する。これにより、上記各腕部14b、14bの先端部の変形が、上記受け部材42により規制される。更に、上記第一、第二の上型30、32がストロークの最下点(下死点)に達した状態で、図9に示す様に、この第一の上型30の下面と、第二の下型33の上面との間で上記突出板部23の先端部を含む上記素板20aが押圧されて、これら各突出板部23の先端部が所望の形状に矯正される。又、上述の様に、曲げ加工時に上記各腕部14b、14bの先端部が変形しようとして、これら各先端部の内側面が受け部材42の各平坦面43、43に摺接し、そのまま上記各突出板部23の先端部内側面が互いの平行度を高精度に維持する。
この様に上記素材20aは、曲げ加工装置29により周方向両端部を曲げられて、1対ずつの連結板部22と突出板部23とを備えた中間素材50(図9)となる。曲げ加工後、第一の上型30と第二の上型32とは元の位置に上昇し、第二の下型33も第一の下型31から離れる方向に移動するので、上記中間素材50を上記曲げ加工装置29から容易に取り外せる。尚、第二の上型32の上昇後は、第二の下型33が、引っ張りばね又は圧縮ばねを備えた図示しない移動機構により図9の左方に移動する。
次に、上記中間素材50は、次工程で、各突出板部23に係止溝27aを形成するプレス加工を施して、第二中間素材52(図10、11)とする。即ち、このプレス加工は、上述の様にして造った中間素材50の各突出板部23に、図10に示す様に、係止溝27aを形成する為のもので、図11に示す様に、押型44と受型45との間で上記各突出板部23を挟持して、これら各突出板部23を押圧する。又、このプレス加工の際、これら各突出板部23の先端面(図10、11の右側面)を押型44と一体に動作するガイド型46により抑える。尚、このガイド型46を静止型として、上記受型45と一体に構成する事もできる。
又、本実施例の場合には、上記押型44の、上記各突出板部23と対向する片面(図11の下面)に、上記各係止溝27aを形成する為の押し部47を突出形成している。又、上記受型45の片面(図11の上面)で、この押し部47と上記各突出板部23を介して対向する部分に、凹部48を形成している。更に、この凹部48内の容積V1 を、上記押し部47のうちの上記係止溝27aを形成する部分(図11に梨地で示す部分で、係止溝27aを形成する際に押し部47のうちのこの係止溝27a内に進入した状態となる部分)の容積V2 とほぼ同じか、又はこれよりも僅かに小さく(この容積V2 に対して5%以下の範囲で小さく)している(0.95V2 ≦V1 ≦V2 )。又、上記押し部47及び凹部48の、上記押型44及び受型45の厚さ方向(図11の表裏方向)の寸法を、互いにほぼ同じとしている。そして、上記各係止溝27aを形成する為に、上記各突出板部23を上記押型44と受型45との間で押圧する。これにより、これら各突出板部23が押し部47により塑性変形させられて、これら各突出板部23の片面である外周側面(図10、11の上面)に、前記ロータ1の径方向(図10、11の上下方向)に凹んだ係止溝27aが形成される。又、これと同時に、上記各突出板部23の係止溝27aと反対側の他面である内周側面(図10、11の下面)に突部49が形成される。この突部49は、上記受型45の凹部48内に進入する。この結果、各突出板部23の係止溝27aの容積と、各突部49の容積(図11に斜格子で示す部分の容積)とは、ほぼ同じになる。
この様にして、各突出板部23に係止溝27aを形成した第二中間素材52は、次の工程で、基板部13bに第一、第二のねじ孔17、18(図1、2)を形成する事により、前述の図1、2に示したサポート19aの完成品とする。この様なサポート19aの使用時には、アウタパッド5aを構成するプレッシャプレート8aの両端部に形成した鉤部28、28を、上記各突出板部23の係止溝27a、27aに、ロータ1の軸方向の変位自在に係止する。
制動時にアウタパッド5aに加わる制動トルクは、上記各鉤部28、28及び各係止溝27a、27aによりサポート19aに支承自在となる。又、前記各インナパッド支持部24a、24aには、インナパッド5bを構成するプレッシャプレート8bの両端部を、ロータ1の軸方向の変位自在に係止する。又、上記サポート19aの基板部13bに形成した第一のねじ孔17、17に螺合、緊締したボルトにより、上記基板部13bを車体に結合固定すると共に、上記第二のねじ孔18、18に、キャリパ3を支持する為のガイドピン4a、4b(図13、14参照)の基端部を結合固定する。この部分の構成及び作用に就いては、前述の図13〜14に示した構造を含め、従来から広く知られているものであるから、詳しい図示並びに説明は省略する。
尚、軽制動時の様にアウタパッド5aに加わる制動トルクが小さい場合には、サポート19aの前記各突出板部23、23の先端縁61、61のうち、ロータ1の回転方向前側である、回出側(図1の右側又は左側)の突出板部23の先端縁61部分のみに、アウタパッド5aを構成するプレッシャプレート8aの本体部62の周方向片側縁を接触させ、上記回出側の先端縁61部分のみで上記制動トルクを支承する。これに対して、急制動時の様に上記制動トルクが大きい場合には、上記サポート19aの回出側の突出板部23が、ロータ1の回出側(両突出板部23、23同士を引き離す方向)に弾性変形する。又、上記アウタパッド5aのプレッシャプレート8aが僅かに弾性変形する。そして、上記回出側の突出板部23が回出側に変形する事を主原因として、前記各係止溝27a、27aのうち、ロータ1の回転方向後側である、回入側(図1の左側又は右側)の係止溝27aの周方向片側縁63に回入側の鉤部28が接触して、この回入側の係止溝27a部分、及び、上記回出側の突出板部23の先端縁61部分の両方で上記制動トルクを支承する。この場合には、上記回入側の係止溝27a部分が所謂引きアンカの役目を果たし、上記回出側の突出板部23の先端縁61部分が所謂押しアンカの役目を果たし、これら引きアンカと押しアンカとの両方で上記制動トルクを支承する。これにより、本例の場合には、上記制動トルクが大きい場合でも、サポート19aの制動時の変形を効率良く小さく抑える事ができる。
但し、上記回出側の突出板部23の先端縁61とアウタパッド5aの本体部62の周方向側縁との周方向の隙間、並びに、上記回入側の係止溝27aの周方向片側縁63とアウタパッド5aの回入側の鉤部28との周方向の隙間の関係を調整する事により、上記制動トルクが小さい場合に、上記回入側の係止溝27aの周方向片側縁63に回入側の鉤部28を接触させ、この回入側の係止溝27a部分のみで上記制動トルクを支承し、制動トルクが大きい場合に、回出側の突出板部23の先端縁61部分と回入側の係止溝27a部分との両方で、上記制動トルクを支承する様にする事もできる。
上述の様に構成する本実施例のディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法の場合には、得られるサポート19aのアウタ側端部(図1の表側端部、図2の裏側端部)に、ロータ1回入側(ロータ1の回転方向後側)とロータ1回出側(ロータ1の回転方向前側)とを連結する連結部を設ける必要がなくなる。この為、この連結部を省略できる分、サポート19aを備えたディスクブレーキのコストを低減できると共に、設置スペースの有効利用を図れる。
しかも、本実施例の場合には、アウタパッド5aの周方向端部を係止する為の係止溝27a、27aの形状及び寸法の精度を十分に高くでき、しかも、十分な強度を確保できるサポート19aを、安価に製造できる。即ち、本実施例の場合には、前記素板20aの1対の腕部14b、14b(図5)を曲げ加工する事により、1対ずつの連結板部22、22と突出板部23、23とを構成した後、これら各突出板部23、23を押型44と受型45(図11)との間で押圧して上記各係止溝27a、27aを形成する際に、この受型45として、上記押型44の押し部47と対向する部分に凹部48を形成したものを使用している。又、これら凹部48内の容積V1 を、上記各押し部47のうちの上記各係止溝27aを形成する部分の容積V2 と同じか、又はこれら各押し部47の各係止溝27aを形成する部分の容積V2 に対し5%以下の範囲で小さくしている(0.95V2 ≦V1 ≦V2 )。そして、上記各突出板部23、23を上記押型44と受型45との間で押圧する事により、これら各突出板部23、23の各係止溝27aとは反対側の他面である内周側面に、突部49を形成している。この為、上記各突出板部23、23に係止溝27aを形成する為に、押型44と受型45とによる押圧加工を施す際に、各突出板部23、23の各係止溝27aとは反対側の内周側面に、各係止溝27aの内側の容積に対しほぼ同じ容積を有する突部49を形成できる。従って、上記各係止溝27aの形状及び寸法の精度を良好にできる為、アウタパッド5aの周方向端部に設けた鉤部28(図1)との係合精度が向上し、制動時にアウタパッド5aに加わる制動トルクをサポート19aで効率良く受ける事ができる。
又、上記各係止溝27aを形成した部分の板厚が過度に小さくなる事を防止できる。しかも各突出板部23、23を押型44と受型45との間で押圧する際の加圧力を小さく抑える事ができる。この為、この押圧の作業に使用する金型の寿命の向上を図れて、サポート19aの単品当たりの製造コストの低減を図れる。又、上記加圧力を小さくできる為、このサポート19aのインナ側、及びアウタ側を含めた、全体形状の精度を高める事ができ、歩留りの向上を図れる。
又、従来から一般的に行なわれている単なるコイニング加工の場合、被加工物の一部を加圧し、この一部の肉厚を減少させるので、製品に大きな内部応力が発生し、この製品全体に内部歪み(変形)を長期間に亙り残留させてしまう可能性がある。これに対して、本実施例の場合には、上述の様にして係止溝27aを形成する為、サポート19aの製品内部に内部歪みが残留する事を少なく抑える事ができ、製品全体の形状精度を高くできると共に、信頼性向上を図れる。例えば、各係止溝を従来から一般的に行なわれている単なるコイニング加工により加工する場合、サポートの基板部の厚さ方向側面の平面度が1.9〜2.1mmとなり、周方向中央部がインナ側(反ロータ1側)に変形する可能性がある。又、この場合には、各係止溝の、ロータの軸方向に関する寸法が小さくなり、しかもその製造誤差が0.7mmと大きくなる可能性がある。これに対して、本実施例の場合には、この様な形状及び寸法の精度悪化を抑える事ができる。又、本実施例の場合には、上記各係止溝27aを形成するのにも拘らず、被加工部である、各突出板部23、23の肉厚が過度に小さくなる事を防止できると共に、後工程でこれら各突出板部23、23をトリミングせずに済む為、圧延により得られた鋼板等の金属板の繊維状組織の流れである、ファイバーフローが途中で切断されずに済む。この為、サポート19aのアウタ側端部の強度が低下する事を防止できる。又、各突出板部23、23に亀裂が発生するのを有効に防止できる。
しかも、本実施例の場合には、この様なサポート19aを、能率良く、且つ精度良く造れる。即ち、素板20aに曲げ加工を施す際に、1対の腕部14b、14bの先端部同士の間に配置した受け部材42によりこれら腕部14b、14bの先端部の変形を規制する。この為、得られるサポート19aでの、これら各腕部14b、14bの先端部の所望形状からのずれを僅少にできる。この為、サポート19aを、能率良く、且つ精度良く造れる。例えば、上記素板20aに曲げ加工を施す際に、前述の図5〜9に示した曲げ加工装置29で、第二の下型33に受け部材42を設けないものを使用した場合、上記曲げ加工に伴って、素板20aの1対の腕部14b、14bの先端部が基板部13b側に近づく様に変形する。この場合には、各突出板部23、23の先端部が互いにハ字形に傾斜して、各突出板部23、23に係止溝27a、27aを精度良く形成する事が難しくなる。これに対して、本実施例の場合には、上述の様に素板20aに曲げ加工を施す際に、上述の様に受け部材42を設けている為、この様な不都合をなくせる。
又、本実施例の場合には、上述の様なサポート19aの完成品を得る為に、従来から考えられている製造方法に使用する、第二の下型33に、受け部材42を設けるだけで良く、製造コストを徒に高くする事がない。
又、本実施例の場合には、上記受け部材42を、上記曲げ加工に使用する第二の下型33に一体に結合固定すると共に、曲げ加工時に、上記1対の腕部14b、14bの先端部同士の間に配置した上記受け部材42の両側面に、これら両腕部14b、14bの側面を摺動させつつ、これら各腕部14b、14bに曲げ加工を施している。この為、上記サポート19aを、より能率良く、且つ、精度良く造れる。
尚、各突出板部23に形成する係止溝27a及び突部49の形状は、前述の図1、10、11に示した様な形状に限定するものではなく、例えば、図12(a)〜(c)に示す別形状の3例の係止溝27b〜27d及び凸部49a〜49cの様に、種々の形状とする事もできる。
尚、上述の実施例の場合には、サポート19aのアウタ側端部で、ロータ1回入側の端部と、ロータ1回出側の端部とを連結する連結部を省略した場合に就いて説明した。但し、本発明は、この様なサポート19aを製造する方法に限定するものではなく、例えば、前述の図13〜17に示した様な、アウタ側端部に、ロータ回入側とロータ回出側との端部同士を連結する連結部を設けたサポートを製造する場合にも適用できる。この連結部を設けた場合、例えば、この連結部よりもロータ側に寄った部分に互いに近づく方向に延出した1対の突出板部に、アウタパッドの周方向端部を係止する係止溝を、上述の実施例の製造方法と同様の方法により形成する。この様な連結部を設けたサポートの場合、上述の実施例の製造方法により得られるサポート19aの場合に比べて、アウタ側端部の強度を、より向上させる事ができる。
本発明の実施例1の製造方法により得られるサポートを、アウタ、インナ両パッドと組合せた状態で、アウタ側から見た図。 図1をインナ側から見た図。 アウタパッドを取り出して示す図。 インナパッドを取り出して示す図。 素板から中間素材を得る為の曲げ加工装置の下型部分を、この素板を設置した状態で示す略平面図。 図5のA−A断面図。 上記曲げ加工装置の下型部分の一部を、上方から見た斜視図。 同じく第二の上型及び第二の下型の一部を、図7の左方から見た斜視図。 上記曲げ加工装置により素板に曲げ加工を施す場合の曲げ加工の最終段階を示す、図6と同様の図。 中間素材の突出板部に係止溝を形成する事により第二中間素材とした状態を示す、図1のB部拡大相当図。 この係止溝を形成すべく突出板部にプレス加工を施す状態を示す、図10と同様の図。 突出板部に形成する係止溝及び突部の別形状の3例を示す、図10と同様の図。 ディスクブレーキの従来構造の1例を、一部を切断して外径側から見た図。 図13のC−C断面図。 図13のサポートのみを取り出して外径側から見た図。 図15の下方に相当するインナ側から見た図。 図13のサポートと同様のサポートを構成する為に最初に造る、1対の腕部の先端部同士を連結部により連結した素板を示す図。 従来例の別例のサポートを、アウタ、インナ両パッドと組合せて示す図。 図18のサポートを構成する為に最初に造る素板を示す図。 この素板に曲げ加工を施す事により得られる中間素材の各突出板部に係止溝を形成した後、幅方向両側をトリミングする状態を示す図。
符号の説明
1 ロータ
2 サポート
3 キャリパ
4a、4b ガイドピン
5a アウタパッド
5b インナパッド
6 シリンダ部
7 ピストン
8a、8b プレッシャプレート
9 キャリパ爪
10a、10b ライニング
11 連結部
12 素板
13、13a、13b 基板部
14、14a、14b 腕部
15 係止溝
16 アウタパッド支持部
17 第一のねじ孔
18 第二のねじ孔
19、19a サポート
20、20a 素板
21 係止突部
22 連結板部
23 突出板部
24、24a インナパッド支持部
25 係止切り欠き
26 係止鉤部
27、27a〜27d 係止溝
28 鉤部
29 曲げ加工装置
30 第一の上型
31 第一の下型
32 第二の上型
33 第二の下型
34 基台
35 弾性部材
36 脚部
37 支持部分
38 第一の傾斜面
39 第二の傾斜面
40 傾斜面
41 載置面
42 受け部材
43 平坦面
44 押型
45 受型
46 ガイド型
47 押し部
48 凹部
49、49a〜49c 突部
50 中間素材
52 第二中間素材
53 第一の壁部
54 第二の壁部
55 突部
56 凹部
57 凹部
58 溝部
59 トリミング型
60 余肉部
61 先端縁
62 本体部
63 周方向片側縁

Claims (1)

  1. 車輪と共に回転するロータの両側にアウタパッドとインナパッドとを軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをロータの軸方向に変位自在に支持し、車体に取り付ける為にこのロータの一方の側に隣接して設けた基板部と、この基板部に上記インナパッドを支持する為に形成されたインナパッド支持部と、この基板部の周方向両端部から上記ロータの外周縁部を越えて他方の側に伸びた1対の連結板部と、これら両連結板部の先端部から互いに近づき合う方向に延出された1対の突出板部と、これら各突出板部の先端部の片面にロータの径方向内方に凹んだ状態で形成された、上記アウタパッドの周方向両端部を係止する為の係止溝とを備えたディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法であって、
    金属板を打ち抜く事により形成した、基板部と、この基板部の周方向両端部に互いに同方向に延出する1対の腕部とを備えた素板の各腕部を曲げ加工する事により、1対ずつの連結板部と突出板部とを構成した後、これら各突出板部を押型と受型との間で押圧して上記各係止溝を形成し、この受型が、上記押型の上記各係止溝を形成する為の押し部と対向する部分に凹部を形成し、これら凹部内の容積を、上記各押し部のうちの上記各係止溝を形成する部分の容積と同じか、又はこれら各押し部のうちの各係止溝を形成する部分の容積に対し5%以下の範囲で小さくしたものであり、上記各突出板部を上記押型と受型との間で押圧する事により、これら各突出板部の上記各係止溝とは反対側の他面に突部を形成するディスクブレーキ用金属板製サポートの製造方法。
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