JP2007144320A - 衝撃式の破砕装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】砕石を破砕しながら砕砂を同時に整粒して、天然砂と同等程度の高品質の砕砂を製造できる破砕装置を提供する。
【解決手段】投入口13および排出口14を備えたケーシング2と、ケーシング2の内部を左右方向に横断する主軸3と、主軸3に固定したローター5の周囲に装着される多数個の打撃ブロック6と、打撃ブロック6の回転軌跡と対向するケーシング2の内面に装着される一群の衝突ブロック7とを備えている。ケーシング2の内部には、打撃ブロック6および衝突ブロック7が配置される破砕領域Z1と、滞留領域Z2とを設ける。滞留領域Z2の内部には、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂をせき止めて滞留させるせき止め壁28と流動規制翼8とを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】投入口13および排出口14を備えたケーシング2と、ケーシング2の内部を左右方向に横断する主軸3と、主軸3に固定したローター5の周囲に装着される多数個の打撃ブロック6と、打撃ブロック6の回転軌跡と対向するケーシング2の内面に装着される一群の衝突ブロック7とを備えている。ケーシング2の内部には、打撃ブロック6および衝突ブロック7が配置される破砕領域Z1と、滞留領域Z2とを設ける。滞留領域Z2の内部には、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂をせき止めて滞留させるせき止め壁28と流動規制翼8とを設ける。
【選択図】図1
Description
この発明は、主として砕石を破砕してコンクリート骨材用の砕砂を製造するために供される衝撃式の破砕装置に関する。
川砂や海砂などの天然砂の採取が規制されるに伴い、コンクリート用の砂や、舗装道路用の骨材を人工的に生成することが不可避となりつつある。この種の人工砂の製造法には、コンクリート廃材を原料とする場合と、砕石を原料とする場合などがある。前者では砂の表面に付着のモルタル成分の除去が難しい。後者の場合には天然砂と同等程度の性状を備えた人工砂を製造するのに、多くの処理工程を必要とする点に難がある。
砕石を原材料とする場合には、砕石を破砕装置で破砕したのち、整粒処理を別途行って天然砂の性状に似た砕砂を得ている。整粒処理を行うことにより、砕砂どうしを擦り合わせて砕砂表面の角を丸めることができる。このような整粒処理の手間を省くために、砕石の破砕と同時に整粒処理が行える破砕装置が提案されている(特許文献1参照)。そこでは、横軸まわりに回転するローターの周囲に打撃子を固定し、その回転軌跡の周囲3箇所に衝突板を配置している。ローターの回転方向最下手側に配置してある衝突板は、主として整粒のために設けられており、断面L字状の内隅部分で砕砂を受け止める。打撃子やローターで跳ね飛ばされた砕砂や石塊を先の内隅部分に溜まる砕砂に衝突させ、衝突衝撃によって砕砂が擦れ合うことにより整粒を行う。
この発明では打撃ブロックの回転軌跡の周囲に、三角形状の破砕突条を備えた衝突ブロックを配置して、砕石を打撃ブロックと衝突ブロックとに繰り返し衝突させて砕砂を生成する。この種の破砕装置は特許文献2に開示されている。そこでは、ハウジング内面の約三分の一の領域に衝突ブロックを配置して砕石を破砕する。ハウジングの底には、部分円弧状のメッシュ板からなるロストルを配置してあり、ロストルで受け止めた砕砂を打撃子やローターですり潰して3次的に粉砕している。
特許文献1の衝撃式の破砕装置によれば、砕石を破砕しながら整粒できるので、少なくとも整粒の手間は軽減できる。しかし、打撃子やローターで跳ね飛ばされた砕砂や砕石を、衝突板の内隅部分に溜まる砕砂に衝突させて整粒を行うので、整粒処理を効果的に行うことが難しい。また、充分に破砕されていない砕砂が、2段目の衝突板と打撃子の回転軌跡との間から落下して排出される余地があり、得られる砕砂の粒径にばらつきを生じやすい。
この点、特許文献2の破砕装置では、メッシュ板からなるロストルを通過した砕砂のみを落下排出するので、粒径の大きな砕砂が排出される余地はない。しかし、ハウジング内では砕石を破砕しているだけなので、ロストルを通過した砕砂に別途整粒処理を施す必要があり、その分だけ砕砂の製造に余分な手間とコストとが掛かるのを避けられない。また、衝突ブロックの配置領域がハウジング内面の概ね三分の一の領域に限られるので、衝突ブロックの配置領域を通過した大きな粒径の砕砂を効果的に破砕できない不利がある。
この発明の目的は、砕石を破砕しながら砕砂を確実に整粒して、天然砂と同等程度の高品質の砕砂を製造できる破砕装置を提供することにある。この発明の目的は、破砕領域において砕石を破砕しながら砕砂を整粒でき、さらに滞留領域において砕砂を仕上げ整粒でき、したがって充分に整粒された高品質の砕砂を能率よく製造できる破砕装置を提供することにある。
この発明の目的は、砕石の破砕と砕砂の整粒とを一挙に処理でき、従来装置に比べて装置全体の導入コストが少なくて済み、採石場などで砕砂を製造するのに好適な破砕装置を提供することにある。
この発明の破砕装置は、図1に示すごとく投入口13および排出口14を備えたケーシング2と、ケーシング2の内部を左右方向に横断する主軸3と、主軸3に固定のローター5の周囲に装着される多数個の打撃ブロック6と、打撃ブロック6の回転軌跡と対向するケーシング2の内面に沿って装着される一群の衝突ブロック7とを備えている。ケーシング2の内部には、打撃ブロック6および衝突ブロック7が配置される破砕領域Z1と、破砕領域Z1から送出される砕砂をせき止めて滞留させる滞留領域Z2とが設けられる。以て、破砕領域Z1の上半側で原石を破砕し、破砕領域Z1の下半側で破砕された砕砂を整粒することを特徴とする。
滞留領域Z2の出口側には、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂をせき止めて滞留させるせき止め壁28を設ける。
滞留領域Z2に臨む主軸3には、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂の流動を制限する流動規制翼8を固定する。
滞留領域Z2の隣には、排出口14を含む出口領域Z3を設け、せき止め壁28は、滞留領域Z2の中途部から出口領域Z3の側へ向かって先すぼまり状に形成する。滞留領域Z2に配置した流動規制翼8の直径寸法は、打撃ブロック6の回転直径とほぼ同じに設定することができる。
ローター5の周囲に設けられる打撃ブロック6は、図7に示すごとくローター5の回転中心軸とほぼ平行に装着される第1ブロック6aと、ローター5の回転中心軸と交差する状態で装着されて、砕砂を滞留領域Z2の側へ向かって送り操作する第2ブロック6bとで構成する。第1ブロック6aと第2ブロック6bとが、ローター5の周囲に交互に配されている。
その場合、主軸3に固定した複数個のローター5の外周囲には、図7に示すごとくそれぞれ第1ブロック6aと第2ブロック6bとを交互に配置し、ローター5の軸心方向に隣接する第1ブロック6aと第2ブロック6bとは、階段状に連続する状態で各ローター5の外周囲に配することができる。
衝突ブロック7の内面には、図8に示すごとく衝突ブロック7に向かって飛来する砕石を砕いて跳ね返す一対の破砕突条22が、締結ベース23を間にして突設されている。破砕突条22は、飛来する砕石を受け止めて、衝突ブロック7に向かって跳ね返す傾斜が急な衝突面22bと、この衝突面22bより傾斜が緩やかな逃げ面22aとで不等辺三角形状に形成する。
滞留領域Z2内の砕砂を出口領域Z3へ送り操作する送出ブロック9は、図1に示すごとく流動規制翼8に隣接する状態で主軸3に固定する。そして、破砕領域Z1に臨んで開口する投入口13には、図2に示すごとくロータリーバルブ43と掃気筒52とを設け、出口領域Z3に設けた掃気口44と掃気筒52とを集塵ダクト45を介して集塵装置46に接続することができる。
この発明の破砕装置は、回転駆動される主軸3と、主軸3に固定されるローター5と、ローター5の周囲に装着される多数個の打撃ブロック6と、ケーシング2の内面に装着される一群の衝突ブロック7とを含み、打撃ブロック6および衝突ブロック7が配置される破砕領域Z1で砕石などの岩石原料を破砕できるようにした。同時に、細粒化された砕砂をせき止めてケーシング2の底から滞留領域Z2にわたって滞留させ、ケーシング2の底側の衝突ブロック7と打撃ブロック6とによって、砕砂を強制的に擦り合わせて整粒できるようにした。
上記のように、破砕領域Z1において原石を破砕し、同時に衝突ブロック7と打撃ブロック6とで強制的に砕砂を整粒すると、打撃子やローターで跳ね飛ばされた砕砂や砕石を、砕砂塊に衝突させて整粒を行う従来装置に比べ、より効果的に整粒を行って、天然砂と同等程度の高品質の砕砂を製造できる。一基の破砕装置のみで砕石の破砕処理と砕砂の整粒処理とが行えるので、従来の砕砂製造プラントなどに比べて、装置全体のコストが少なくて済み、規模の小さな採石場などで砕砂を製造するのに好適である。
滞留領域Z2の出口側にせき止め壁28を設けて、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂を滞留領域Z2に滞留できるようにすると、破砕領域Z1において滞留する砕砂を、衝突ブロック7と打撃ブロック6とで繰り返し整粒できるうえ、滞留領域Z2を通過する間に、砕砂どうしを擦り合わせて再び整粒できる。
滞留領域Z2に臨む主軸3に流動規制翼8を固定した破砕装置によれば、破砕領域Z1から送出されて来る砕砂の流動を流動規制翼8で制限して、破砕領域Z1における砕砂の滞留をさらに確実化できる。さらに、せき止め壁28でせき止めた砕砂を流動規制翼8で強制的に攪拌できるので、破砕領域Z1で整粒された砕砂を、滞留領域Z2内において再び万遍なく擦り合わせて確実に整粒できる。
せき止め壁28が滞留領域Z2の中途部から出口領域Z3の側へ向かって先すぼまり状に形成してあると、出口側へ向かって押し出される砕砂の山を、流動規制翼8の攪拌作用によって崩壊させて送出方向とは逆向きに砕砂を循環させて繰り返し整粒でき、例えばせき止め壁28が平板状に形成してある場合に比べて、さらに効果的に整粒を行える。滞留領域Z2に打撃ブロック6の回転直径とほぼ同じ直径の流動規制翼8を配置すると、破砕領域Z1から送出された砕砂の移動を流動規制翼8で規制して、破砕領域Z1の内底に滞留する砕砂の量を増加できる。これにより打撃ブロック6とケーシング2の内底の衝突ブロック7との間に滞留する砕砂どうしを互いに擦り合わせて、破砕領域Z1での整粒効果をさらに高めることができる。この後、砕砂は滞留領域Z2において流動規制翼8で強制的に攪拌されて再び整粒されるので、天然砂と同等程度に、充分に整粒された砕砂を能率よく製造できる。
ローター5の周囲に設けられる打撃ブロック6が、ローター5の回転中心軸とほぼ平行に装着される第1ブロック6aと、ローター5の回転中心軸と交差する状態で装着される第2ブロック6bとで構成され、第1ブロック6aと第2ブロック6bとがローター5の周囲に交互に配された破砕装置によれば、両ブロック6a・6bで砕石を異なる方向へ向かって打撃できるので、ケーシング2内における砕石や砕砂の飛翔軌跡が交差し複雑になり、飛翔する砕石や砕砂の衝突機会を増やして破砕効率を向上できる。
ケーシング2の内底に堆積しようとする砕砂は、第2ブロック6bで滞留領域Z2へ向かって強制的に送り操作される。このとき、第2ブロック6bと衝突ブロック7との間に挟まれた砕砂は、斜めに送られて強制的に擦り合わされるので、破砕領域Z1における整粒をさらに効果的に行える。第2ブロック6bは、細粒化された砕砂を連続的に滞留領域Z2へ向かって送給するので、砕砂が破砕領域Z1に不必要に滞留するのを解消することにも役立つ。
図7において複数個のローター5の外周面に、それぞれ第1ブロック6aと第2ブロック6bとを交互に配置し、ローター5の軸心方向に隣接する第1ブロック6aと第2ブロック6bとを階段状に連続する状態で配置した破砕装置によれば、第1ブロック6aの打撃作用と第2ブロック6bの送り作用とを交互に作用させて、ケーシング2の上面側で破砕領域Z1内の砕石を均等に破砕できる。そのうえで、ケーシング2の内底の衝突ブロック7で受け止めて整流される砕砂は、軸心方向に隣接する第1ブロック6aに邪魔されることもなく、滞留領域Z1の側へ向かって円滑に送り出すことができる。
衝突ブロック7の内面に一対の破砕突条22を設け、傾斜が急な衝突面22bと、衝突面22bより傾斜が緩やかな逃げ面22bとで破砕突条22を不等辺三角形状に形成すると、打撃ブロック6で打撃された砕石を衝突面22bで受け止めて破砕し、同時に打撃ブロック6へ向かって跳ね返すことができるので、破砕された砕石の衝突機会を向上して、効果的に砕石を一次破壊できる。ケーシング2の底側では、一対の破砕突条22間に設けた締結ベース23、および隣接する衝突ブロック7間の凹部で砕砂が受け止められるが、傾き角度が急な衝突面22bと打撃ブロック6とによって、受け止められた砕砂を強制的に擦り合わせて整粒できるので、例えば破砕突条22が二等辺三角形状に形成してある場合に比べて、砕砂の整粒処理をさらに効果的に行える。
流動規制翼8の隣に送出ブロック9を設けた破砕装置によれば、滞留領域Z2内の砕砂を送出ブロック9で出口領域Z3へ向かって連続的に送出操作できるので、破砕領域Z1から押し出される砕砂が滞留領域Z2に不必要に滞留するのを避けて砕砂の回収率の向上を図り、さらに主軸3に作用する動力負荷が過剰になるのを避けて、破砕装置を効率よく稼動させることができる。
投入口13にロータリーバルブ43と掃気筒52を設け、出口領域Z3に設けた掃気口44と掃気筒52とを集塵ダクト45を介して集塵装置46に接続した破砕装置によれば、ケーシング2内で発生した粉塵や破砕騒音がケーシング2外へ漏洩するのを確実に防止して、破砕装置が設置された周辺の環境が粉塵で汚損されたり、あるいは破砕騒音が撒き散らされるのをよく解消できる。ケーシング2内の粉塵を予め除去するので、得られた砕砂を分級するときに、分級スクリーンが粉塵の付着で早期に目詰まりすることも解消できる。
(実施例) 図1ないし図9はこの発明に係る破砕装置の実施例を示す。図1ないし図4において破砕装置は、架台1上に固定されるケーシング2と、ケーシング2の内部を左右方向に横断する状態で配置される横向きの主軸3と、主軸3の両側端を軸支する軸受4と、主軸3に固定のローター5の周囲に装着される多数個の打撃ブロック6と、打撃ブロック6の回転軌跡と対向するケーシング2の内面に沿って周回状に装着される一群の衝突ブロック7と、ローター5に隣接して主軸3に固定される流動規制翼8、および送出ブロック9などで構成されている。
ケーシング2は、断面円形の本体ケース2aと、下面側が絞り込まれて断面が熱気球形状に形成された出口ケース2bとからなり、全体が本体ケース2aの筒軸中心を通る水平面に沿って上下に分割してある。図5の想像線で示すように、ケーシング2のケース上半部は、ケース下半部の外面に設けた支軸10を中心にして開閉できる。
図1においてケーシング2の内部は、打撃ブロック6および衝突ブロック7が配置される左側の破砕領域Z1と、流動規制翼8および送出ブロック9が配置される右側の滞留領域Z2と、前記出口ケース2bで囲まれる更に右側の出口領域Z3とに大別できる。破砕領域Z1に臨むケーシング2の側部上面には、砕石(原石)の投入口13が設けられており、出口領域Z3の下部に砕砂の排出口14が設けてある。
図2において主軸3は、左右一対の軸受4で回転自在に軸支してあり、架台1上に固定したモーター15の動力をベルト伝動機構15aで伝動することにより回転駆動される。主軸3には3個のローター5が固定されている。各ローター5の外周囲には打撃ブロック6の一群が固定されている。ローター5は鋼材製の円形ブロックからなり、その外周面に一群のブラケット17を溶接してある。
図7において打撃ブロック6は、打撃面がローター5の回転中心軸と平行に装着される第1ブロック6aと、打撃面がローター5の回転中心軸と交差する状態で装着される第2ブロック6bとを含み、第1ブロック6aと第2ブロック6bとがローター5の周囲に交互に配置される。第2ブロック6bの打撃面とローター5の回転中心軸とで挟む角度は45度とした。
第1ブロック6aは、ケーシング2内に投入されて来る砕石を衝突ブロック7へ向かって概ね接線方向へ打撃するために設けてある。第2ブロック6bは砕石を斜めに打撃して、砕石や砕砂を滞留領域Z2の側へ向かって送り操作しながら、ケーシング2の内底で衝突ブロック7と協同して整粒を行うために設けてある。このように、打撃方向が異なる2種類のブロック6a・6bで砕石を打撃すると、ケーシング2内における砕石や砕砂の飛翔軌跡が交差して複雑になるので、その分だけ飛翔する砕石や砕砂の衝突機会が増えて破砕効率が向上する。
各ローター5における第1ブロック6aと第2ブロック6bとは、それぞれの位相位置がずれるように配置する。これにより、3個のローター5における両ブロック6a・6bは、図7に示すごとくローター5の中心軸に沿って階段状に連続する。このように、各ローター5に装着される両ブロック6a・6bが階段状に連続していると、砕石や砕砂を滞留領域Z2へ向かって円滑に送ることができる。
打撃ブロック6は、横長直方体状の鋳鋼ブロックからなり、その片面に組付凹部16が凹み形成されている。ローター5の周面に固定したブラケット17に組付凹部16を嵌め込み、打撃ブロック6とブラケット17とを2組のボルト18およびナット19で締結することにより、打撃ブロック6をローター5と一体化する。ボルト18の頭部は打撃面に形成した凹部内に収容されている。
図8において衝突ブロック7は、左右方向に長い鋳鋼ブロックからなり、その片面に部分円弧面からなる装着面が形成されており、打撃ブロック6と対向する衝突面の側に一対の破砕突条22が左右幅方向の全幅にわたって突設してある。一対の破砕突条22間には締結ベース23を設けてある。
破砕突条22は、打撃ブロック6の回転方向上手側に設けられた傾斜が急な衝突面22bと、打撃ブロック6の回転方向下手側に設けられた傾斜が緩やかな逃げ面22aとで不等辺三角形状に形成する。衝突面22bを急角度で傾斜させるのは、打撃ブロック6で打撃されて飛来する砕石を、再び打撃ブロック6へ向かって跳ね返すためである。ローター5の中心を通る中心軸線に対する衝突面22bの傾き角度θは28度とした。
衝突ブロック7は、破砕領域Z1に臨むケーシング2の内周面の全体を覆うように配置してあり、締結ベース23の長手方向3個所が、ボルト24およびナット25でケーシング2に締結してある。図示例では合計12個の衝突ブロック7でケーシング2の内周面が覆われるようにして、ケーシング2の上半側の内周面で砕石や大粒の砕砂を効果的に破砕できるようにした。さらに、ケーシング2の内底に溜まる砕砂を衝突ブロック7で受け止め、打撃ブロック6と破砕突条22とによって強制的に擦り合わせることにより整粒し、表面の角を丸めるようにした。
滞留領域Z2には、これの中途部から出口領域Z3側へ向かって先すぼまり状のせき止め壁28が形成されており、せき止め壁28の小径端に砕砂出口29が連続状に形成されている。
せき止め壁28の大径端と破砕領域Z1との間には、流動規制翼8を配置してある。図4および図6において流動規制翼8は、縦長の鋳鋼ブロックからなり、その上半部分が上すぼまり状に形成されていて、せき止め壁28と対向する側の先端に斜めの逃面30が形成されている。
流動規制翼8は、主軸3に固定の取付ボス32に装着する。詳しくは取付ボス32の外周面に固定した4個のブラケット33に流動規制翼8の下半部をあてがい、各流動規制翼8とブラケット33とをボルトおよびナットで締結固定する。
流動規制翼8の先端の回転直径は、打撃ブロック6の先端の回転直径と同じに寸法設定してある。これにより流動規制翼8は、側面から見て十文字状に配置されて滞留領域Z2の内部を左右に区分し、滞留領域Z2を通過する砕砂の移動を規制する。なお、滞留領域Z2に臨む本体ケース2aの内面の全ては、本体ケース2aと相似形の補強壁36によって補強しておく。出口ケース2bの内面も同様の補強壁37で補強してある。
図4に示すごとく先の取付ボス32に隣接して別の取付ボス38が主軸3に固定してあり、該取付ボス38の外周面の2箇所に設けたブラケット39に、送出ブロック9がボルトおよびナットで締結固定してある。
送出ブロック9は、打撃ブロック6と同じ鋳鋼ブロックからなり、第2ブロック6bと同様に、その送出面が主軸3の回転中心軸と交差する状態で取付ボス38に固定してある。送出ブロック9の先端の回転直径は、砕砂出口29の開口径より充分に小さく形成してある。したがって、送出ブロック9と砕砂出口29との間には、充分な排出隙間が形成されている(図1参照)。
砕石を破砕するときケーシング2内には大量の粉塵が発生する。そこで粉塵や騒音が洩出するのを防ぐために、投入口13に掃気筒52を装着し、その上部にロータリーバルブ43を設けている。さらに出口ケース2bの外周面上部に開口した掃気口44と、先の掃気筒52とを、集塵ダクト45を介して集塵装置46に接続してある。
ロータリーバルブ43は、図9に示すごとくハウジング48内に6個の仕切り羽根49を供えたバルブ体50を収容して構成してあり、バルブ体50をハウジング48の外面に装着したモーター51で回転駆動することにより、粉塵などの漏洩を防ぎながら砕石を投入できるし、破砕された砕石が投入口13から外面に跳び出るのを防ぐ。掃気筒52の内部にも砕石の跳び出しを防ぐ邪魔板が配置してある。
本体ケース2aの背面側の周壁には、図3に示すごとく点検口54を有し、その外面が揺動開閉自在な蓋55で覆われている。蓋55の内面には、点検口54の開口幅より僅かに幅狭の衝突ブロック7を固定してある。したがって、蓋55を揺動軸56まわりに開放揺動すると、打撃ブロック6の摩滅状態を確認できるし、衝突ブロック7を蓋55と共にケーシング2外に露出させることにより、その摩滅状態を確認することができる。
上記構成の破砕装置によれば、砕石の投入口13から投入した砕石は、破砕領域Z1で破砕して細粒化する。同時に破砕領域Z1を通過する砕砂は、打撃ブロック6と破砕領域Z1の内底に配置した衝突ブロック7とで強制的に擦り合わせて整粒できる。
図1に示すように、破砕領域Z1から滞留領域Z2へ送給された砕砂は、まず流動規制翼8によってせき止められる。流動規制翼8のせき止め作用によって、破砕領域Z1に滞留する砕砂の量が増加するので、打撃ブロック6と衝突ブロック7とによる整粒を確実に行える。
滞留領域Z2へ送給された砕砂は、砕砂出口29側のせき止め壁28でせき止められて滞留領域Z2の内底に滞留し、ここで流動規制翼8によって強制的に攪拌されて再び整粒される。流動規制翼8の回転軌跡をくぐり抜けた砕砂は、徐々に砕砂出口29へ押し出されて行くが、その間にも滞留する砕砂の山が流動規制翼8で強制的に攪拌されるので、砕砂出口29へ向かって上り傾斜する砂山は常に崩壊される。
その結果、砕砂は流動規制翼8の回転軌跡の側へずり落ち、繰り返し攪拌整粒される。したがって、砕砂出口29に到達した砕砂は、天然の砂と同等程度にまで整粒されており、高品位の砕砂が得られる。砕砂出口29の付近の砕砂は、送出ブロック9で強制的に出口領域Z3へ押し出されて排出口14から落下し、架台1の下面側に設けたコンベア57で分級装置へと移送される。
以上のように、この発明の破砕装置によれば、投入口13に投入した砕石は破砕領域Z1を右方向へ通過する間に破砕され、同時に前段整流され、さらに滞留領域Z2を出口領域Z3へ向かって右方向へ通過する間に再び仕上げ整粒されて排出口14から排出される。
図10は、衝撃ブロック6の別の実施例を示す。そこでは、打撃面の上側と、第2ブロック6bとして使用するとき回転上手側となる側面のそれぞれに、大小の耐摩ピース60・61・62を固定して、衝撃ブロック6が早期に摩滅するのを防止した。各耐摩ピース60・61・62は、超硬チップやセラミックなどで形成する。
上記の実施例では、せき止め壁28を先すぼまりテーパー状に形成したが、これは例えば砕砂出口29へ向かって上り傾斜する平坦な傾斜壁や、滞留領域Z2と出口領域Z3とを区分する板壁で形成してもよいであろう。ローター5は中空のドラム状に形成することができ、その場合の配設個数は少なくとも1個あれば足りる。各ローター5の周方向に配置した打撃ブロック6の一群を一組とするとき、打撃ブロック6は二組以上設けてあることが好ましい。第1ブロック6aはローター5の中心軸線とほぼ平行に配置してあればよく、必要があればローター5の中心軸線と交差する状態で配置することができる。
流動規制翼8は常に十文字状に構成する必要はなく、岩石の硬さに応じて流動規制翼8の装着個数を大小に変更することができる。例えば、流動規制翼8の取付ボス32に対する装着個数は、1〜8個の範囲で変更できる。主軸3の軸心方向に複数組の流動規制翼8を配置してもよい。原石の種類によっては流動規制翼8を省略して、打撃ブロック6と衝突ブロック7とで整粒することができる。
上記の実施例では、ケーシング2の内面全体に衝撃ブロック7を配置して、破砕領域Z1の底部側で砕砂の整粒を行うようにしたが、滞留領域Z2において流動規制翼8で整粒を行う場合には、ケーシング2の底部側の衝撃ブロック7を省略することができる。多くの場合は砕石を原石にして砕砂を製造するが、その必要はなく、砕石以外の石材を原石とすることができる。上記の実施例において、破砕領域Z1の終段のローター5に設けられる打撃ブロックの全てを、第2ブロック6bのみとして、さらに整粒効果を向上することができる。なお、図1においては、破砕領域Z1と滞留領域Z2とを明示する必要上、両者Z1・Z2の間に境界線を表示したが、この境界線は概念的な表示でしかなく、実際には、両者Z1・Z2の境界は曖昧で、ある程度の幅があるものと解すべきである。
2 ケーシング
3 主軸
5 ローター
6 打撃ブロック
6a 第1ブロック
6b 第2ブロック
7 衝突ブロック
8 流動規制翼
9 送出ブロック
13 投入口
14 排出口
22 破砕突条
22a 破砕突条の逃げ面
22b 破砕突条の衝突面
28 せき止め壁
43 ロータリーバルブ
44 排気口
45 集塵ダクト
46 集塵装置
Z1 破砕領域
Z2 滞留領域
Z3 出口領域
3 主軸
5 ローター
6 打撃ブロック
6a 第1ブロック
6b 第2ブロック
7 衝突ブロック
8 流動規制翼
9 送出ブロック
13 投入口
14 排出口
22 破砕突条
22a 破砕突条の逃げ面
22b 破砕突条の衝突面
28 せき止め壁
43 ロータリーバルブ
44 排気口
45 集塵ダクト
46 集塵装置
Z1 破砕領域
Z2 滞留領域
Z3 出口領域
Claims (9)
- 投入口(13)および排出口(14)を備えたケーシング(2)と、ケーシング(2)の内部を左右方向に横断する主軸(3)と、主軸(3)に固定のローター(5)の周囲に装着される多数個の打撃ブロック(6)と、打撃ブロック(6)の回転軌跡と対向するケーシング(2)の内面に沿って装着される一群の衝突ブロック(7)とを備えており、
ケーシング(2)の内部に、打撃ブロック(6)および衝突ブロック(7)が配置される破砕領域(Z1)と、破砕領域(Z1)から送出される砕砂をせき止めて滞留させる滞留領域(Z2)とが設けられており、
破砕領域(Z1)の上半側で原石を破砕し、破砕領域(Z1)の下半側で破砕された砕砂を整粒することを特徴とする衝撃式の破砕装置。 - 滞留領域(Z2)の出口側に、破砕領域(Z1)から送出されて来る砕砂をせき止めて滞留させるせき止め壁(28)が設けてある請求項1記載の衝撃式の破砕装置。
- 滞留領域(Z2)に臨む主軸(3)に、破砕領域(Z1)から送出されて来る砕砂の流動を制限する流動規制翼(8)が固定してある請求項1または2記載の衝撃式の破砕装置。
- 滞留領域(Z2)の隣に、排出口(14)を含む出口領域(Z3)が設けられており、
せき止め壁(28)が、滞留領域(Z2)の中途部から出口領域(Z3)の側へ向かって先すぼまり状に形成されており、
滞留領域(Z2)に配置した流動規制翼(8)の直径寸法が、打撃ブロック(6)の回転直径とほぼ同じに設定してある請求項3記載の衝撃式の破砕装置。 - ローター(5)の周囲に設けられるべき打撃ブロック(6)が、ローター(5)の回転中心軸とほぼ平行に装着される第1ブロック(6a)と、ローター(5)の回転中心軸と交差する状態で装着されて、砕砂を滞留領域(Z2)の側へ向かって送り操作する第2ブロック(6b)とを含み、
第1ブロック(6a)と第2ブロック(6b)とが、ローター(5)の周囲に交互に配されている請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃式の破砕装置。 - 主軸(3)に固定した複数個のローター(5)の外周囲に、それぞれ第1ブロック(6a)と第2ブロック(6b)とが交互に配置されており、
ローター(5)の軸心方向に隣接する第1ブロック(6a)と第2ブロック(6b)とが、階段状に連続する状態で各ローター(5)の外周囲に配されている請求項5記載の衝撃式の破砕装置。 - 衝突ブロック(7)の内面に、衝突ブロック(7)に向かって飛来する砕石を砕いて跳ね返す一対の破砕突条(22)が締結ベース(23)を間にして突設されており、
破砕突条(22)が、飛来する砕石を受け止めて、衝突ブロック(7)に向かって跳ね返す傾斜が急な衝突面(22b)と、この衝突面(22b)より傾斜が緩やかな逃げ面(22a)とで不等辺三角形状に形成されている請求項6記載の衝撃式の破砕装置。 - 滞留領域(Z2)内の砕砂を出口領域(Z3)へ送り操作する送出ブロック(9)が、流動規制翼(8)に隣接する状態で主軸(3)に固定されている請求項6または7記載の衝撃式の破砕装置。
- 破砕領域(Z1)に臨んで開口する投入口(13)に、掃気筒(52)とロータリーバルブ(43)とが設けられており、
出口領域(Z3)に設けた掃気口(44)と掃気筒(52)とが、集塵ダクト(45)を介して集塵装置(46)に接続されている請求項6〜8のいずれかに記載の衝撃式の破砕装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005343118A JP2007144320A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 衝撃式の破砕装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005343118A JP2007144320A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 衝撃式の破砕装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007144320A true JP2007144320A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38206361
Family Applications (1)
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JP2005343118A Pending JP2007144320A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 衝撃式の破砕装置 |
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JP (1) | JP2007144320A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114308318A (zh) * | 2021-12-25 | 2022-04-12 | 河北光太路桥工程集团有限公司 | 一种带有减震装置的制砂机 |
CN114632911A (zh) * | 2022-02-17 | 2022-06-17 | 顾光林 | 一种铸造用型砂处理装置 |
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2005
- 2005-11-29 JP JP2005343118A patent/JP2007144320A/ja active Pending
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CN114308318A (zh) * | 2021-12-25 | 2022-04-12 | 河北光太路桥工程集团有限公司 | 一种带有减震装置的制砂机 |
CN114308318B (zh) * | 2021-12-25 | 2023-07-04 | 河北光太路桥工程集团有限公司 | 一种带有减震装置的制砂机 |
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