JP4276316B2 - 遠心破砕機のロ−タ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遠心破砕機のロ−タに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
遠心破砕機は、ハウジングにより画成される破砕室内の中央に、垂直軸を中心に高速回転するドラム状のロ−タを有しており、このロ−タ内に投入した破砕原料をロ−タの回転により発生する遠心力によりロ−タ周面の放出口より放出し、破砕室の周囲に設けたデッドベッドやアンビル等の破砕体に衝突させて破砕を行う装置である。
【0003】
また、遠心破砕機はその構造上の機能により、鉱物等の破砕原料を細かい粒径まで破砕できるため、骨材等の最終製品サイズまでの破砕が主な目的とされている。そこで、現状における遠心破砕機の重要な課題の一つとして、所要量の製品サイズの骨材等を得るために、いかに破砕効率を高め、省エネルギ−及び運転時間の短縮を図るかが注目されている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、破砕効率を高め、省エネルギ−促進及び運転時間の短縮を図ることができる遠心破砕機のロ−タを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、内部に供給された破砕原料を、高速回転して放出し、周囲の破砕体に衝突させて破砕を行う遠心破砕機のロ−タにおいて、ロ−タの外面より突出させて破砕翼を設け、この破砕翼によりロ−タ内から放出された破砕原料を叩いて破砕を行うよう構成し、前記破砕翼は、ロ−タ周面に開設された破砕原料の放出口の近傍のロ−タ回転方向の上流側に突設したことを特徴とする、遠心破砕機のロ−タを提供する。
【0007】
以下、図1、2を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
<イ>ロ−タ本体の形状
ロ−タ本体1の形状は種々の形状が考えられるが、例えば図1に示すように、上下に対向する円盤状の天板11及び底板12と、それらの周縁部を連結する側板13よりなるドラム状等に形成される。
【0009】
天板11の中央には破砕原料の投入口14が開設され、側板13には周方向に適宜間隔をおいて破砕原料の放出口15を複数開設してある。
【0010】
また、放出口15のロ−タの回転方向の上流側には、放出される破砕原料の衝突から放出口15の出口部を保護するための硬質材よりなる先端チップ2が装着されている。
【0011】
<ロ>破砕翼の形状
破砕翼3の形状は種々の形状が考えられるが、例えば図2に示すように、破砕部31と取付部32よりなるL型の硬質材よりなる形状が考えられる。
【0012】
また、破砕部31と取付部32との内角側には補強用のリブ33を設け、また取付部32にはボルト穴34を開設しておく。
【0013】
なお、破砕部31及び取付部32の縦横の寸法あるいは角形や円形等の形状に関しては、破砕効率を考慮すると共に、ロ−タ本体1内から飛翔する破砕原料の障害とならない点を考慮して設計する。
【0014】
また、破砕部31及び取付部32の板厚に関しては摩耗や取付強度を考慮する。さらに、破砕部31と取付部32の角度は本実施の形態では直角であるが、破砕効率や摩耗等を考慮して鋭角にあるいは鈍角に形成してもよい。
【0015】
<ハ>破砕翼の取付位置
上記のように構成した破砕翼3の取付位置は、ロ−タ本体1外面の天板11、底板12、側板13であればどこでもよいが、但し、ロ−タ本体1内から飛翔する破砕原料の障害とならない点を考慮する。
【0016】
本実施の形態では、ロ−タ本体1の周面である側板13の各放出口15の近傍であって、ロ−タ本体1の回転方向の上流側に、ロ−タ本体1の中心から放射線状に複数枚突設してある。
【0017】
また、破砕翼3は上下に2つ並べてボルト止めしてあり、部分的に摩耗量が異なる場合は、これらを逆に取り付けて摩耗に対応することができる。上下に3つ以上取り付ける場合も考えられる。
【0018】
また、上下の破砕翼3をロ−タ本体1の回転方向に前後にずらして取り付け、摩耗や破砕効率を考慮することも考えられる。
【0019】
さらに、破砕翼3は放出口15の近傍のみでなく、側板13の隣接する放出口15間の適宜位置に任意枚数突設することも考えられる。
【0020】
なお、破砕翼3をロ−タ本体1の天板11や底板12に突設する場合は、周囲の他の部位との接触や、破砕原料の跳ね返り方向による障害、破砕原料の投入及び排出に与える影響等を考慮する必要がある。
【0021】
【作用】
次に図3を参照して本発明の作用について説明する。投入口14よりロ−タ本体1内に投入された鉱物等の破砕原料は、ロ−タ本体1の回転により発生する遠心力によって放出口15より放出され、周囲に設けたデッドベッド4等の破砕体に衝突して破砕される。
【0022】
しかし中には、デッドベッド4等に衝突しても十分に破砕されずに跳ね返って来る破砕原料5や、ロ−タ本体1内の破砕原料同士やロ−タ内壁との衝突で十分に加速されなかったり、飛翔方向が変わってしまった破砕原料6もある。
【0023】
本発明は、これらの不十分な破砕原料を破砕翼3で叩いて効果的に破砕することができる。しかも、破砕翼3で叩かれ破砕された破砕原料は、破砕翼3の打撃力によって周囲のデッドベッド4等に衝突して再度破砕が行われる。
【0024】
従って、破砕翼3で十分な破砕が行われなかった破砕原料があっても,再度デッドベッド4等に衝突させて確実に破砕を行うことができる。
【0025】
さらに、再度のデッドベッド4等との衝突でも十分に破砕されなかった破砕原料は、再び、上記したような破砕翼3による破砕効果とデッドベッド4への衝突破砕効果を期待することができる。すなわち、所定の製品サイズに近付くまで二重、三重またはそれ以上の破砕効果を期待することができるのである。
【0026】
なお、破砕粒径の調節はロ−タの回転速度、破砕原料の投入量、ロ−タと破砕体との間隙、運転時間、ロ−タ径などの種々の条件を調節して任意の粒径を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】
従来は、一度遠心破砕機を通して製品サイズまで十分に破砕できなかった破砕原料は、遠心破砕機から排出した後にベルトコンベア等の搬送ル−トを介して再び遠心破砕機内に投入し、再破砕あるいは再々破砕を行っていた。そのため、破砕効率が低く、省エネルギ−や作業効率の改善が要望されていた。
【0028】
それに対して本発明は、破砕翼による上記のような破砕作用によって、ベルトコンベアなどの搬送ル−トを介して循環させる破砕の不十分な原料の量を著しく減少させることができる。従って、破砕効率を高め、省エネルギ−の促進及び運転時間の短縮を達成することができる。
【0029】
加えて、破砕翼3を設けることによって、ロ−タ周面に破砕原料が衝突して摩耗するのを防止する効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遠心破砕機のロ−タの説明図
【図2】 破砕翼の説明図
【図3】 本発明の作用の説明図
Claims (1)
- 内部に供給された破砕原料を、高速回転して放出し、周囲の破砕体に衝突させて破砕を行う遠心破砕機のロ−タにおいて、
ロ−タの外面より突出させて破砕翼を設け、
この破砕翼によりロ−タ内から放出された破砕原料を叩いて破砕を行うよう構成し、
前記破砕翼は、ロ−タ周面に開設された破砕原料の放出口の近傍のロ−タ回転方向の上流側に突設したことを特徴とする、
遠心破砕機のロ−タ。
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