JP2007144175A - リアルタイム対話式データ解析管理ツール - Google Patents

Abstract

【課題】解析データ及び医用画像を対話式で表示する。
【解決手段】画像（２４、２６）及び定量解析データ（１４）が対話方式（１０）でユーザに対して表示される。様々なモダリティのスキャナを用いて収集されるような時間経過を追って収集した画像が、所与の異常や病巣（１１０、１１２、１１４）の履歴解析を提供するように位置合わせされ、単一の画像（２８）で表示され、かつ比較定量化される。次いでこの履歴画像及び定量データ（１４）を解析して、適用した治療の有効性を決定すると共に、将来実施する治療に対する追加的なガイドを提供することができる。これらの画像には解剖学的画像（２４）や機能画像（２６）を含むことがある。定量データはヒストグラム、チャート、グラフその他（５６、７６、８８）を介して対話式表形式（１４）で表示させることや、グラフ形式で表示させることがある。
【選択図】図１

Description

本発明は、全般的には医学的診断及び治療の評定に関し、さらに詳細には、患者の複数の医学検査に関する解剖学情報及び機能情報を同時かつ対話式に表示する医学的診断／治療評定ツールに関する。この解剖学情報及び機能情報は、ある時間期間にわたって患者から収集した画像及び定量データを含むと共に、担当医がある具体的な異常や病巣に対する治療を確定させかつ当該治療の有効性を評定するのを支援する。

ある１人の患者が多数の撮像検査を受けることは珍しいことではなく、こうした検査は、医師の往診でのことや、入院中でのこと、またさらには生涯の全体にわたることがある。こうした状況は、がんや痴呆などの最近出現した状態や以前は察知されなかった状態を調べるために患者が一連の「テスト」やスキャンを受ける場合に特に生じる可能性が高い。各検査により異なる情報が得られるように、患者が複数のモダリティに及ぶ複数のスキャンを受けることが益々一般的になっている。例えば、医師の往診時や入院中に、磁気共鳴イメージング（ＭＲＩ）、Ｘ線、あるいはコンピュータ断層（ＣＴ）を使用して解剖学情報を提供する画像が収集される可能性がある一方、陽電子放出断層（ＰＥＴ）やファンクショナルＭＲＩを使用して機能情報を提供する画像が収集される可能性がある。解剖学情報は患者の解剖学的構成に至る洞察を提供し、また機能情報は所与の解剖学構造の機能（特に、刺激を受けた場合の機能）に至る洞察を提供する。さらに、解剖学情報と機能情報を組み合わせると、新たな病巣や異常の発見において有利であるのみならず、例えばそれぞれの画像を疾病の経過に従って撮像した場合、その画像が病変の成長、治療に対する応答、及び疾患の進行を示すこともできる。解剖学情報及び機能情報の解析を支援するために、解剖学画像と機能画像を位置合わせし、これにより単一の画像内に解剖学情報と機能情報の両方を表出するようなプログラムが製作されている。

定量解析を実行し取り込むために多くの臨床アプリケーションによって２Ｄ画像データや３Ｄ画像データが解析されている。これらには、肺結節の検出及び寸法決定（高度肺臓解析）、血管の曲率、直径及び緊張度（ｔｏｎｅ）の定量化（高度血管解析）、心臓血管／機能アプリケーション、ポリープ検出のための大腸のナビゲート（ＣＴ大腸撮像（ｃｏｌｏｎｏｇｒａｐｈｙ））、その他が含まれる。さらに、正常なコホートとの比較及び偏差マップの作成を用いて神経疾患が解析されている。患者の診断及び管理に役立つように関心領域から定量解析値（強度（ｉｎｔｅｎｓｉｔｙ）、密度（ＨＵ）、比摂取ボリューム（ｓｐｅｃｉｆｉｃ ｕｐｔａｋｅ ｖｏｌｕｍｅ：ＳＵＶ）、距離、ボリューム、成長速度、パターン及び／または質感（ｔｅｘｔｕｒｅ）認識、機能情報、その他）を出力するようなＣＴ、ＭＲ、ＰＥＴ及び核医学の専用アプリケーションが設計されている。しかし担当医は診断用の定量データ解析及び患者管理と対話するためのツールを有していない。すなわち、定量的な情報はチャートなどの形で確認可能であるが、担当医にとってはこうした情報を対応する画像と一緒に容易にアクセスすることができない。このため担当医は、画像それ自体と得られた定量データとの両者に関して、幾つかのテストの結果を粗雑かつほとんど手作業の方式で調和させなけらばならない。例えば担当医は、選択した治療すなわち療法に対する応答を評定する際に、患者のがん病変に関する見掛けの解剖学的大きさ及び形状に依拠するのが典型的である。しかし、解析的データに対する計測、アーカイブ及び管理を時間の経過に従って行う機能は限定されている。
米国特許出願公開第２００６００３０７６８号

したがって、解析データ、並びにその解析データを取り込む元になった対応画像を担当医に対して表示し、治療に対する疾患や病変の時間経過を追った応答を対話方式で定量化することを可能としたシステム及び方法があることが望ましい。

本発明は、解析データ及び医用画像を対話式で表示するような上述の欠点を克服したシステム及び方法を提供する。

治療や療法に対する疾患及び／または病巣の応答を管理するためのリアルタイム対話式データ解析管理／吟味ツールを提示する。本発明は、時間経過を追った比較吟味のために即時的または長期的な取り出しを目的として定量解析データをアーカイブすること、並びに情報に基づく患者管理のために以前の定量解析データとの迅速な比較を提供できる使用可能形式で現在の定量解析データを表示することが必要である。この使用可能形式は、表レイアウトやグラフ・レイアウトで表示されることがある。本ツールは、解析画像吟味と構造化患者レポート作成との間に配置させるようにして臨床医の読み取り作業フロー内に組み込むことができる。この方式による配置によれば、これら２つの重要な読み取り作業フロー処理過程間での直接的な相互対話が可能となる。ローカライザ画像を選択しクリックすることによって、本ツールは解析吟味に自動的にホットリンクし、主要な集中観察ポートに関心対象画像を表示させる。一方担当医は、レポートアーカイブ向けに関連すると思われる１つまたは複数のグラフデータまたは解析データを患者レポートに反映させることが可能となる。本発明はさらに、あるアプリケーションに特異的なスプレッドシート形式で関連する計測値を提示するための電子データシートを含む。ＰＥＴ／ＣＴアプリケーションの例では、ＳＵＶ ｍａｘ、Ｆｕｎｃｔｉｏｎａｌ Ｖｏｌｕｍｅ（機能的ボリューム）、Ａｎａｔｏｍｉｃａｌ Ｖｏｌｕｍｅ（解剖学的ボリューム）、ＳＵＶ Ｍｅａｎ、％Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅ、その他が表示される計測値の例である。このデータシートによってユーザは、関心対象の任意の病変を選択し、追加の視覚的解析のために解析観察ポート内に表示されたブックマーク付き画像にホットリンクさせることが可能となる。本発明は、グラフ式チャートを活用して疾患や病変の治療に対する応答を表出する。本発明はさらに、チャート、表、及び関心対象のその他の定量データのユーザによる迅速な選択を可能とさせる対話式ナビゲーション・インタフェースを含む。ローカライザ画像またはサムネイル画像を選択してその特定の疾患や病変に対するより詳細な視覚的解析のための解析吟味にホットリンクさせることが可能である。サムネイル画像の参照は、解析とのホットリンクのためあるいは単に視覚的参照のために使用される。

本発明はさらに、解析画像吟味と患者構造化レポート作成の間の対話式データ解析を提供する。したがって本発明は、読み取り作業フローのこれらの構成要素と相互対話する。本発明はさらに、疾患や病変の進行に関連する定量解析、並びに医学的処置や治療法に対する疾患や病変の応答に対する管理を容易にさせる。

本発明は、腫瘍学や神経学関連の病巣を含め多くの生理学的検討に適用可能である。現在の方法は、代謝速度や潅流速度の正常なコホートからの機能的偏差を示す解析値を、ＰＥＴ／ＳＰＥＣＴ画像から取り出している。これらの偏差は、標準化脳（すなわち、標準のアトラスに対してマッピングした個別の脳）の領域に基づいて、ポイントベースかＲＯＩ／ＶＯＩベースのいずれかで表示される。この機能情報は、ＰＥＴ以外にｆＭＲＩを用いても決定することが可能である。神経学疾患（特に、痴呆すなわちアルツハイマー病）はさらに、その指標として解剖学的マーカーを有している。これらのマーカーには、ＣＴ及び／またはＭＲを用いて撮像し解析ツールを用いて定量化することが可能な脳内の萎縮領域（すなわち、海馬の縮小）、並びに脳解剖領域に対する別の変化が含まれる。標準化空間への同様の変換によれば、解剖学情報及び機能情報の相互位置合わせが可能となる。本発明では、データ解析方法によって解剖学的に関連する領域を解剖学属性と機能的属性を用いて同時に解析することが可能となる。同様に、診断、療法応答の特徴付け及び／または治療計画を可能とさせるように長期にわたる検査を融合させることができる。本発明は異種の情報に関する効率的なデータ解析のための能率向上ツールを提供する。

したがって本発明の一態様では、その上に命令の組を表すコンピュータ・プログラムを有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を開示する。このコンピュータ・プログラムはコンピュータによって実行させた際に、そのコンピュータに対して、第１のデータ種別をもつ第１のデータ組と第２のデータ種別をもつ第２のデータ組へのアクセスをさせている。これら第１のデータ組と第２のデータ組は関心対象から収集されていると共に、第１のデータ組は第１の複数のスキャンで収集されかつ第２のデータ組は第１のスキャンと異なる第２の複数のスキャンで収集される。この命令組はコンピュータに対してさらに、第１の複数スキャンと第２の複数スキャンの間の定量計測値の値の変化を表示させている。

本発明は、別の態様では、ある時間期間にわたって収集した患者の医用画像を包含するように構成させた画像データベース、並びにその医用画像に関連する解析データを包含するように構成させた解析データ・データベースを有する医用診断ツールを含む。グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、少なくとも１対の医学的検査からの医用画像をこれに関連する解析データと一緒に対話式に表示すると共に、当該時間期間にわたって収集した医用画像の変化に関するリアルタイムのデータ解析及び吟味を可能とさせている。

本発明の別の態様では、医学的情報を提示する方法を提供する。患者の医学撮像検査の履歴が収集される。患者医学的撮像検査の履歴から定量的な解剖学データと定量的な機能データのうちの少なくとも一方がアクセスを受ける。患者の医学的検査履歴に関する少なくとも２つの患者医学的検査に関する定量的な解剖学データと定量的な機能データのうちの少なくとも一方を、当該患者医学的撮像検査履歴からの少なくとも１つの融合画像と一緒に表示させ、患者の時間経過に伴う変化の対話式評定を可能にしている。この融合画像は解剖学情報及び機能情報を包含する。

本発明のその他の様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面より明らかとなろう。

図面では、本発明を実施するように目下のところ企図されている好ましい一実施形態を図示している。

図面には、本発明の様々な態様を表した例示的なグラフ・ウィンドウ、図表、グラフ式チャートその他、流れ図、及び処理マップが含まれる。

ここで図１を参照すると、本発明の一態様による対話式データ管理／解析ツールを表している。この対話式ツールは、１対のウィンドウ１２、１４を表示させるグラフィカル・ユーザ・インタフェース（ＧＵＩ）１０を含む。一方のウィンドウ１２は画像を表示するために使用され、またもう一方のウィンドウ１４は定量データを表形式またはグラフ形式のいずれかで表示するために使用される。好ましい一実施形態では、１対のウィンドウ１２、１４を表示させるためにコンピュータ・ディスプレイ、ＣＲＴ、モニター、その他を２台使用している。後で記載することにするが、画像ウィンドウ１２は概して静的なウィンドウであり、またデータウィンドウ１４は動的である。すなわち、動的ウィンドウ１４に対するユーザ入力によって画像ウィンドウ１２の表示に変化が生じる。したがって、定量データと対応する画像データに対する管理及び解析の際に、データウィンドウ１４とだけでユーザ相互対話を行うことが好ましい。しかし本質的に、これらの両ウィンドウ１２、１４共を動的としそれぞれをユーザ入力に応答させることもあり得ることが企図される。

データベース（図示せず）またはその他の画像アーカイブ内に保存された医学的検査履歴から取り込まれた定量解析データ１６を表示するデータウィンドウ１４によってユーザは、リストアップした病巣や異常１８を特定し選択し、選択された病巣や異常の画像を画像データベース（図示せず）から自動で呼び出すこと、並びに後で記載するような画像ウィンドウ内に出現させることが可能となる。一実施形態では、得られた画像は切り出し処理（ｓｅｇｍｅｎｔａｔｉｏｎ）を伴って表示され、これにより患者から収集した全体画像のうち選択した異常や病巣に対応する部分だけを表示させることができる。さらに、定量データが対話式の性格をもっているためにユーザは、画像ウィンドウ内で解剖学画像、機能画像、あるいは位置合わせ画像の選択及び表示が可能となる。

図１では、画像ウィンドウ１２は、さらにデータ解析ツールの強健性を示すように複数の画像を表示している。具体的には、融合コロナル像２０と融合サジタル像２２を表示させている。画像２０、２２は、対象の関心領域全体から取り込まれており、異なるモダリティをもつ様々なスキャナからそれぞれ収集した画像に関するそれぞれが異なる撮像面から得られるような融合画像となっている。すなわち図示した例では、ＣＴ画像をＰＥＴ画像に対して位置合わせすることによって融合画像が形成されている。画像ウィンドウ内にはさらに、横断ＣＴ画像２４、横断ＰＥＴ画像２６、及びこれから得た融合横断画像２８も表示させている。各々の画像を位置合わせして融合させることによって、異なるスキャナ（異なるタイプのスキャナとすることも可能）から収集した解剖学情報及び機能情報を担当医がさらに検査しかつ解析できるように単一の画像にして表示させることが可能となる。

図１に示した例ではそのＧＵＩ１０はさらに、臨床医がデータと対話し、表示させる画像の選択、画像の回転、ある具体的な検査の選択、データの保存、その他を可能とさせるために幾つかの対話式ウィンドウ３２を含んだナビゲーション・ペイン３０を含む。

ここで図２を参照すると、本発明の一態様による例示的な解析定量データウィンドウ１４を表している。この例では、様々な異常及び病巣に関するデータを切り出し処理するために定量データを縦列と横列からなる表形式で（具体的には、ある種の計測パラメータの関数として）配列させている。腫瘍学検討に適応させたこの例では、各横列がリスト１８の所与の病変に関する計測値に対応している。これらの病変は、コンピュータにより特定されることや担当医により特定されることがある。病変識別子は病変を特定した際の方式に関する指示を提供する。例えば病変「Ｃ１／Ｐ／ＣＴ」は、リストアップした第１の病変が、収集したＰＥＴ画像及びＣＴ画像に基づいてコンピュータによって自動で検出されたことを示している。他方、病変「Ｃ６／Ｐ」は、コンピュータがＰＥＴ画像のみに基づいて病変を特定したことを示している。病変「Ｕ１０」は、担当医によってこの病変が特定されたことを示している。具体的な異常及び病巣の特定にあたり別の名称付け規則が使用されることがあることを理解されたい。さらに、特定されるすべての異常及び病巣がコンピュータによる検出であることや担当医による検出であることもあり得ることが企図される。画像内における病変の自動検出並びに病変のユーザ選択はよく知られている。

表配列の各縦列は、計測したまたは算出した異なるパラメータに対応している。図示した例では、計測されるパラメータには、ＳＵＶ ｍａｘ、ＳＵＶ ｍｅａｎ、Ａｎａｔｏｍｉｃａｌ Ｖｏｌｕｍｅ、及びＦｕｎｃｔｉｏｎａｌ Ｖｏｌｕｍｅが含まれる。定量データはさらに算出値も含んでおり、これらの縦列には、％ＳＵＶ Ｍａｘ Ｃｈａｎｇｅ、％Ａｎａｔｏｍｉｃａｌ Ｖｏｌｕｍｅ Ｃｈａｎｇｅ、及び％Ｆｕｎｃｔｉｏｎａｌ Ｖｏｌｕｍｅ Ｃｈａｎｇｅが含まれる。これらの計測したパラメータ及び算出したパラメータは単に一例であり、撮像検討及び／または検査対象の医学的状態に関する詳細に応じて別のパラメータや追加的なパラメータが使用されることもあり得ることを理解されたい。さらに、パラメータはメニューの形で配列させることがあること、並びにユーザ入力を介して異なるメニューをウィンドウ１４内に表示させることが可能であることも企図される。この点においては、所与の検討についてある時点では全パラメータと比べてより少ないパラメータを表示させること、並びにユーザをメニューを通じて従来方式でナビゲートすることが可能であることが企図される。

さらに図２に示したように、縦列の各小見出しの下には、特定された各病変に対する複数の値が示されている。これら複数の値は複数の検査から導出されたデータに対応する。したがって図示した例では、計測したパラメータのそれぞれごとに１つの基準値（ｂａｓｅｌｉｎｅ ｖａｌｕｅ）が特定される。この基準値は、病変が最初に診断された（すなわち、発見された）際に計測されたパラメータの値に対応する。この基準値は、異なる時点で取得した後続の医学的検査から導出された定量データの比較解析に使用されることになる。したがって、時点Ｂ及び時点Ｃに関するデータは、後続のスキャンでの計測パラメータについて導出されたデータに対応する。これにより、担当医に対して履歴比較解析を提供できる単一のユーザインタフェースが得られる。さらに、定量データは比較パラメータを含むため、計測値を比較することにより％ＳＵＶ ｍａｘ Ｃｈａｎｇｅなどの比較値の表示が得られる。図示した例では、そのすべての比較値が当初の基準値を元にしたものである。すなわち時点Ｃの比較値では、時点Ｃで実施された検査に関する計測パラメータの値を基準検査中に計測した値と比較している。しかし、時点Ｃにおいて実施された検査に関する比較値を時点Ｂにおいて実施された検査に関する値と比較することも可能であることが企図される。さらに、図１のナビゲーション・ペイン３０への入力に基づいて結果を比較しようとする検査を担当医が選択することがあることが企図される。すなわち、データウィンドウ１４内にはその患者に関して取得したすべての医学的検査と比べてより少ない医学的検査に関する定量データを表示させるが、完全な履歴評価及び評定を得るためには、すべての医学的検査からのデータを時系列方式で表示させることが好ましいことが企図される。

上述のように、データ解析ツール１０は対話式である。この点において、本ツールは担当医に対して、所与の患者の完全な評定及び処置のための定量データ及び画像との対話を可能とする。例えば図３を参照すると、ハイライト表示した値３４のユーザ選択によって、対応する計測パラメータに関する病変に対応した値を決定するために使用した画像を画像ウィンドウ１２内に表示させることが可能である。図示した例では、セル３４を選択することによって、４つの画像３６、３８、４０、４２が画像ウィンドウ１２内に自動的に表示される。図示した例では画像３６は、ターゲットすなわちローカライザ・ボックス４２内で特定した選択病変に関する完全な関心領域画像に対応する。画像３８、４０、４２は、セル３４の値の決定に使用した様々な位置合わせ画像に対応する。本例ではその画像は、アキシャル像３８、サジタル像４０及びコロナル像４２に対応する。さらに、その選択値が時点Ｃにおける医学的検査に関する機能的ボリュームの計測値に対応するため、これらの画像は時点Ｃの医学的検査からの機能画像となる。さらに、画像３８、４０、４２は選択した病変に関するものだけであり、したがって全体画像３６から病変画像が切り出し処理されている。

上で言及したように、データウィンドウ１４上で担当医が機能的パラメータを選択しているため、画像３６、３８、４０及び４２は機能画像の表示となる。この点においては、担当医がセル４４を選択したとすれば、画像ウィンドウは同じ病変に関して時点Ｃで実施された医学的検査からの解剖学的画像を表示するように自動的に更新されることになる。したがって、定量データウィンドウ１４に対する入力を通じて担当医は、長い時間期間にわたって幾つかの医学的検査において患者から収集した幾つかの画像を対話式に観察及び解析することが可能である。これによって担当医は、異常及び病巣を発見することのみならず、当該異常及び病巣に対する治療の有効性を評定することが可能になるので有利である。

ここで図４を参照すると、セル４６をユーザ選択した後に解析ツール１０が表示される。このセルを選択すると、選択したパラメータに対応する値（図示した例の場合、病変Ｃ４／Ｐ／ＣＴについて時点Ｃで取得した検査のＳＵＶ ｍａｘに対応する値）を決定するために使用された画像が自動で表示されることになる。表示された画像４８、５０、５２、５４は全体画像４６と一連のローカライズ画像５０、５２、５４に対応する。画像４８のローカライザ・ボックス５６は、全体画像４８の病変Ｃ４／Ｐ／ＣＴを含む領域に対応する。画像５０、５２、５４はアキシャル像、サジタル像及びコロナル像のそれぞれに対応しており、データウィンドウ１６内のタブ位置４６にあたる病変Ｃ４／Ｐ／ＣＴのＳＵＶ ｍａｘに関する値「２」を得るのに使用した画像が担当医に対して視覚的に表示される。したがって、本対話式ツールは得られた定量データを提供すると共に、対応する定量データの導出に使用した画像を対話式に自動で表示する。

対話式データ解析及び管理ツール１０の追加的な機能的を図５に表している。ここに図示したように、担当医はデータウィンドウ１４に対する１つまたは複数の直接のユーザ入力を介して計測パラメータをグラフ表示させることがある。図示した例では、病変Ｃ７／Ｐ識別子５８のユーザ選択の後に％Ｆｕｎｃ Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅ縦列見出し部６０のユーザ選択を続けることに応答してポップアップ・ウィンドウ５６が表示される。これら２つの入力の結果として、％ＰＥＴ Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅに関する計測値のグラフ描出がウィンドウ５６内に表示される。図示した例では、ウィンドウ５６内にグラフ描出を導出するのに使用される計測値は、基準検査で導出されたデータ並びに時点Ｃで取得される検査から導出されたデータから導出されている。好ましい一実施形態では、グラフ描出はいずれも、デフォルトでは、基準検査から導出されたデータとの比較に従った直近の検査から導出された比較に基づいている。しかし、１つまたは複数のユーザ選択を通じて、任意の２つ検査、３つ検査、４つの検査、その他の数の検査の間でグラフ描出を実施することも企図される。

さらに図５を参照すると、画像６２、６４、６６、６８が上述した方式と同じ方式で画像ウィンドウ１２内に表示されている。この例では、ローカライザ・ボックス７０によって、全体画像６２上の入力５８にあたる選択病変の位置が特定されている。画像６４、６６、６８は当該病変に関するアキシャル像、サジタル像及びコロナル像のそれぞれに対応する。担当医は機能情報パラメータ６０（例えば、％Ｆｕｎｃ Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅ）を選択しているため、その画像は機能画像となると共に、この画像は時点Ｃで取得した検査の対応画像の機能的ボリューム値を導出するのに使用した画像に対応することになる。

同様に図６に示すように、所与の病変識別子７２及び解剖学的パラメータ見出し部識別子７４を選択することによって、ポップアップ・ウィンドウ７６を表示させており、これは本例では解剖学的ボリュームに対応している。図示したようにこのグラフ表示はヒストグラム７８を含んでいるが、比較情報を容易に表示するための別のグラフツールとすることも可能である。この例では、ヒストグラムが、基準時、時点Ｂ及び時点Ｃで取得した検査における計測に従った時間経過を追った病変Ｃ７／Ｐの解剖学的ボリュームを表示している。画像ウィンドウ１２内には、上述したのと同じ方式で対応する全体画像８０及びローカライザ画像８２、８４、８６が表示される。

図７は、定量データウィンドウ１４への１つまたは複数のユーザ入力に応答して表示されることがある別のポップアップ・ウィンドウ８８を表している。上述したのと同じユーザ入力の結果としてウィンドウ８８が出現する。この例では、ポップアップ・ウィンドウ８８は、基準時、時点Ｂ及び時点Ｃで取得した検査について病変Ｃ４／Ｐ／ＣＴのＳＵＶ ｍａｘ Ｃｈａｎｇｅをヒストグラムで表している。画像ウィンドウ１２内の画像は、全体画像９０と、アキシャル面、サジタル面及びコロナル面のそれぞれに沿って取得した一連のローカライズ画像９２、９４、９６と、に対応する。

図８は、本発明に従った処理マップを表している。本処理９８は、ローカルまたはリモートのデータベース（画像蓄積／登録システム（ｐｉｃｔｕｒｅ ａｒｃｈｉｖａｌ ａｎｄ ｃａｔａｌｏｇｕｉｎｇ ｓｙｓｔｅｍ）など）からの画像データ１００に対するアクセスで開始される。この画像データは異なる時間期間で実施された複数の検査から収集されている。この画像データは、単一モダリティのデータであることや多重モダリティのデータであることがあり得る。ネットワーク接続のスキャナ環境では、その画像が異なるスキャン現場で収集されることがある。

次いでこの画像データは、画像に対応する定量データを決定するために１０２において解析を受ける。検査は独立に解析を受けることや、別の検査コンテキスト（例えば、ＣＴスキャンからのＰＥＴデータの自動切り出し処理）において解析を受けることがある。この解析は手作業で実施されること、半自動で実施されること、あるいは全自動で実施されることがある。様々な画像内において自動または手作業のいずれかにより病変が特定されるのはこの解析段階である。

次いで解析済みのデータを１０４において一緒に融合させる。例えばＰＥＴ／ＣＴスキャンでは、２つの検査が位置合わせされる。所与の臓器について、解剖学情報と機能情報の両方が一緒に表示される。この工程には、融合画像とこれに対応するレポート作成情報を表示することを含む。別の例では、異なる時点で取得した２つの胸部Ｘ線検査が位置合わせされる。所与の結節について、この２つの検査間での結節サイズの差を示す画像を表示させることがある。神経学の例では、アルツハイマー病に罹患した患者に対する異なる時点で取得した２つのＭＲ検査からの画像を、位置合わせ画像内に示された時間経過を追って疾患進行と一緒に融合させることがある。この点に関して、解析は、画像の形態、融合画像の形態、あるいは計測値（グラフ形式またはテキスト形式で表現される）の形態をとることがある。解析結果は、単一の検査、複数の検査、あるいはこれら検査の組み合わせに関する画像から収集されることがある。

定量解析を導出し終えた後、担当医が患者の医学的検査を対話式で吟味及び評定できるようにするために、上述した対話式データ解析ツールのウィンドウが埋め込まれる（１０６）。上述したように、グラフ形式及び／またはテキスト形式での表示が可能な対話式ツールによって担当医は、所与の異常や病巣を効果的かつ効率的に評定し、かつ治療の有効性を判定することが可能となる。上で示したように、定量データ及び対応する画像は対話式かつ秩序立った形式で表示されており、これらにより複数の画像資料と患者チャートを同時に識別する必要性が軽減される。

上述のようにテキスト表示及びグラフ表示を通じて、情報提供型と比較型の両方式で１０８においてデータの解析を表示することができる。したがって担当医は、画像、並びに当該画像から導出された長い時間期間にわたるその患者に関する収集データを対話式にナビゲートすることが可能である。さらに図９に示すように、担当医は複数の検査の結果を効率のよい方式で比較することができる。

図９に示すように、第１の検査と第３の検査の間の比較がグラフ形式で表示される。図示した例では、「％Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅ」タブ１１６のユーザ選択の結果として、３つの異なる病変１１０、１１２、１１４に関する％ＰＥＴ Ｖｏｌ Ｃｈａｎｇｅが別のものを基準として表示される。別の選択肢タブ１１８、１２０、１２２または１２４のいずれかを押すことによって別の比較解析及び結果を作成することができる。結果をグラフ形式ではなく表形式で表示させることは、トグル（ｔｏｇｇｌｉｎｇ）タブ１２６によって実行可能である。

図１０に同様の比較解析を表している。本図には、時点Ａにおける検査と時点Ｂにおける検査の間での３つの病変１２８、１３０、１３２のボリューム・サブトラクションを図示している。病変２について得られたサブトラクション画像１３４も表示している。画像１３４は、全体画像１４２のローカライザ・セクション１４０に対応する病変ローカライザ画像１３６、１３８から導出される。グラフ式チャート１４４は、サブトラクション画像１３４内に取り込まれたローカライザ画像間のサブトラクションの視覚値を提供している。履歴プロット１４６、１４８、１５０を介した検査比較も、すべての時間期間に関して３つの例示的な病変の各病変ごとに表示される。

ここで図１１を参照すると、本発明で使用するための例示的な撮像システムを表している。この撮像システムはモダリティを指定するものではない。この点においては、システム１５２は、システムの動作を制御する中央処理装置（ＣＰＵ）１５４を含む。この撮像システムはさらに、オペレータがスキャンを指定し収集したデータ及び画像と対話することを可能にさせるオペレータ・インタフェース１５６を含む。データ収集はデータ収集システム１５８によって（ＣＰＵを介して）制御を受ける。収集したデータはデータベース／ＰＡＣＳ１６０内に保存される。この点においては、画像処理／再構成サブシステム１６２によって作成された再構成画像、並びに収集データから定量データ解析サブシステム１６４によって算出されるか導出された定量データがデータベース１６０内に保存され得ることが企図される。さらに、データベースを複数のデータベースとしデータ収集箇所からリモートに配置させ得ることも企図される。システム１５２はさらに、画像及び本明細書で列挙したような定量データを視覚的に表示するために１つまたは複数のモニター／ディスプレイ１６６を有している。当業者であれば、撮像システムは、所与のスキャンを指定及び実行、並びに画像再構成及び定量解析のためのデータ処理を行うように具体的に記述されたものとは別のソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアを含むことがあることを理解するであろう。

さらに、担当医がスキャナからリモートの位置にある画像及び定量データを解析できるようにコンピュータ、モニター（複数のこともある）を有すると共に、１つまたは複数のデータベースと動作可能に接続された専用のワークステーションを用いることがあることが企図される。このことから、本明細書に記載した対話式画像／定量データ解析ツールは患者がスキャンを受けた治療施設からリモートの位置で使用できることが理解されよう。

本発明について、１つまたは複数の医学的スキャナで収集された画像及び定量データに基づいて医学的患者の異常、病巣、腫瘍、その他の効率的かつ効果的な診断及び評定を容易にするコンピュータ支援型ツールに関して記載してきた。本解析ツールは、定量データ及び医用画像の算出及び表示を容易にするのみならず、異なるスキャンで異なる時間期間にわたって収集された定量データ及び画像データの比較解析を提供することもできる。画像及び定量データは、コンピュータ断層（ＣＴ）、磁気共鳴（ＭＲ）、陽電子放出断層（ＰＥＴ）、超音波、Ｘ線、及び核医学イメージング（ただし、これらに限らない）を含む様々なモダリティのスキャナにより収集できることが企図される。さらに、画像及び定量データの収集で使用するスキャナは、病院や撮像センターなどの一般治療センターに配置させることや、互いからリモートの位置に配置させることができる。この点においては、スキャナ、画像蓄積システム及びデータベースをネットワーク接続した環境が企図されると共に、これを用いるとリモートでの収集並びに収集画像及び定量データの保存が容易になる。しかし本発明は、ハイブリッド型ＰＥＴ／ＣＴスキャナなどの２種類の撮像モダリティの原理に従って画像及び定量データを収集することが可能なハイブリッド・スキャナなどのスタンドアロンのスキャナにも適用可能である。好ましい一実施形態では、解剖学情報と機能情報は、ＣＴスキャナとＰＥＴスキャナをそれぞれ用いて収集される。

本発明について、機能画像の収集のためにＰＥＴスキャナを使用しかつがん病変の治療に関する特定、評価及び評定のための解剖学的画像の収集にＣＴスキャナを使用するような腫瘍学環境に関して記載してきた。しかし、本発明をこのように限定しようとするものではない。すなわち当業者であれば、心臓病並びにアルツハイマー病の診断、評定及び治療などの痴呆（ただし、これらに限らない）を含め別の生理学的検討にも本発明が適用可能であることを理解されよう。

さらに、対話式のツール及び処理に関して本発明を記載してきたが、実施のためにスキャナまたはその他のワークステーションにアップロード可能／ダウンロード可能なコンピュータ読み取り可能や実行可能コード／言語の形で本発明を具現化できることが理解されよう。

本発明を好ましい実施形態について記載してきたが、明示的に記述した以外の等価、代替及び修正が可能であり、これらも本特許請求の範囲の域内にあることを理解されたい。

本発明の一態様による対話式データ管理／解析ツールを表した図である。 本発明の一態様による例示的な解析定量データウィンドウを表した図である。 本発明による図１の対話式データ管理／解析ツールのその解析定量データウィンドウへのユーザ入力後の様子の例示的な実施形態を表した図である。 本発明の別の態様による図１の対話式データ管理／解析ツールのユーザ入力後の様子を表した図である。 本発明の例示的一実施形態による対話式データ管理／解析ツールを、本発明の別の態様に従ったポップアップ・ウィンドウを重ね合わせて表した図である。 本発明の別の例示的実施形態を、本発明の別の態様に従ったグラフ形式表示の比較解析を包含したポップアップ・ウィンドウを重ね合わせて表した図である。 本発明の別の態様によるユーザ入力に応答して対話式データ管理／解析ツール上に重ね合わせ得る別の例示的なポップアップ・ウィンドウを表した図である。 本発明のさらに別の態様による医学的撮像定量データを表示するための処理の各工程を列挙した流れ図である。 ユーザが単一のグラフィカル・ユーザ・インタフェースで複数の検査結果を比較できる本発明のさらに別の態様を表した図である。 本発明のまた別の態様による図９に示したのと同様の別の例示的な比較解析の表示を表した図である。 本発明で使用するための例示的な撮像装置の概要図である。

符号の説明

１０ データ解析ツール、グラフィカル・ユーザ・インタフェース（ＧＵＩ）
１２ 画像ウィンドウ
１４ データウィンドウ
１６ 定量解析データ
１８ 病巣または異常
２０ 融合コロナル像
２２ 融合サジタル像
２４ 横断ＣＴ画像
２６ 横断ＰＥＴ画像
２８ 融合横断画像
３０ ナビゲーション・ペイン
３２ 対話式ウィンドウ
３４ セル
３６ 全体画像
３８ アキシャル像
４０ サジタル像
４２ コロナル像、ローカライザ・ボックス
４４ セル
４６ セル
４８ 全体画像
５０ アキシャル像
５２ サジタル像
５４ コロナル像
５６ ポップアップ・ウィンドウ、ローカライザ・ボックス
５８ 入力
６０ 機能情報パラメータ
６２ 全体画像
６４ アキシャル像
６６ サジタル像
６８ コロナル像
７０ ローカライザ・ボックス
７２ 病変識別子
７４ 解剖学的パラメータ見出し部識別子
７６ ポップアップ・ウィンドウ
７８ ヒストグラム
８０ 全体画像
８２ ローカライザ画像
８４ ローカライザ画像
８６ ローカライザ画像
８８ ポップアップ・ウィンドウ
９２ ローカライズ画像
９４ ローカライズ画像
９６ ローカライズ画像
９８ 処理
１１０ 病変
１１２ 病変
１１４ 病変
１１６ タブ
１１８ 選択肢タブ
１２０ 選択肢タブ
１２２ 選択肢タブ
１２４ 選択肢タブ
１２６ トグルタブ
１２８ 病変
１３０ 病変
１３２ 病変
１３４ サブトラクション画像
１３６ ローカライザ画像
１３８ ローカライザ画像
１４０ ローカライザ・セクション
１４２ 全体画像
１４４ グラフ式チャート
１４６ 履歴プロット
１４８ 履歴プロット
１５０ 履歴プロット
１５２ 撮像システム
１５４ 中央処理装置（ＣＰＵ）
１５６ オペレータ・インタフェース
１５８ データ収集システム
１６０ データベース／ＰＡＣＳ
１６２ 画像処理／再構成サブシステム
１６４ 定量データ解析サブシステム
１６６ モニター／ディスプレイ

Claims (9)

1. コンピュータ（１５４）によって実行させた際に該コンピュータ（１５４）に対して、
   １つの関心対象から収集した第１のデータ種別をもつ第１のデータ組（２４）及び第２のデータ種別をもつ第２のデータ組（２６）にアクセスする工程であって、該第１のデータ組（２４）は第１の複数のスキャンで収集されておりかつ該第２のデータ組（２６）は第２の複数のスキャンで収集されているアクセス工程と、
   前記関心対象に関する前記第１のデータ組（２４）及び第２のデータ組（２６）から所望の定量計測値（１４）を導出する工程と、
   前記第１の複数のスキャン（２４）の間及び前記第２の複数スキャン（２６）の間での前記定量計測値（１４）の値の変化を表示する工程と、
   を実行させる命令の組を表すコンピュータ・プログラムをその上に保存しているコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
2. 前記コンピュータ（１５４）に対してさらに、前記第１のデータ組（２４）及び第２のデータ組（２６）を包含する画像（２８）を表示させている、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
3. 前記命令組はコンピュータ（１５４）に対してさらに、前記定量計測値（１４）の値の変化を表形式（１４）とグラフ形式のうちの一方で表示させている、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
4. 前記第１の複数スキャン（２４）は解剖学情報を収集しており、かつ前記第２の複数スキャンは機能情報（２６）を収集している、請求項３に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
5. 前記命令組はコンピュータ（１５４）に対してさらに、第１の複数スキャンのうちの１スキャンの第１の画像（２４）を第２の複数スキャンのうちの１スキャンの第２の画像（２６）と位置合わせし、該第１と第２の画像（２４、２６）の差を示す差分画像（２８）を表示させている、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
6. 前記命令組はコンピュータ（１５４）に対してさらに、前記所望の定量計測値の現在値を、基準値と以前のスキャンから導出した過去の値のうちの一方である該定量計測値（１４）の以前に導出した値と比較させている（５６）、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
7. 前記命令組はコンピュータ（１５４）に対してさらに、所望の定量計測値の値の変化が正である、中立である、あるいは負であるという補助的指示（１１０、１１２、１１４）を提供させている、請求項６に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
8. 前記命令組はコンピュータ（１５４）に対してさらに、前記第１の複数スキャン（２４）及び第２の複数スキャン（２６）によって時間を追って収集された履歴データ（１６０）に対する評定から所望の定量計測値の変化を導出させている、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
9. 前記関心対象は、前記第１のデータ組（２４）及び／または第２のデータ組（２６）から再構成した１つまたは複数の画像内で特定される異常病巣（１８）を含む、請求項１に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。

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