JP2007143994A - 静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オムツカップ等に取り付けて、排泄物を含む汚物の有無を検知するための静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置の提供。
【解決手段】オムツカップ1に接続してこのオムツカップ1の排泄物を吸引し溜める汚物タンク21と、負圧を発生させオムツカップ1から排泄物を汚物タンク21へ吸引する負圧吸引手段22と、排泄物を含む汚物の有無を検出する静電容量形近接センサ10とを有する排泄物処理装置20である。静電容量形近接センサ10は、検出電極DPの検出面を除く部分を接地電極SPで囲んだ構造を有する。そのため、小形かつ薄形に形成されてオムツカップに容易に付けられ、検出面以外に静電気放電があっても部品の破損等を起こさず、携帯電話器を近づけても、誤動作を生じないで、的確に排泄物を含む汚物の有無を検出できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、通常の体位では排泄できない人、歩行に障害等がありトイレにいけない人、あるいは、いわゆる寝たきりの老人等に利用される静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置に関する。更に詳しくは、おむつ等に取り付けられて、排泄の有無を検知するための静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置に関する。
従来から排泄物の処理装置技術は、数多く提案されている。代表的なものは腰臀部を覆って使用されるオムツそのものであるが、オムツカップで包囲しているものも多く知られている。又、差込式便器や便器付きの介護用ベッドなども知られている。オムツカップの場合は、排泄物を自動的に吸引回収するものが知られており、この吸引された排泄物を含む汚物は汚物タンクに溜められる。
この処理過程で、尿や洗浄水の水分が、オムツカップと装置本体の間を循環する空気の流れに乗って汚物タンクから外部に漏れるのを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、空気清浄用活性炭を内蔵しているフィルタボックスで、循環する空気から、排泄物が発生する臭気を脱臭することが記載されている。又、減圧タンクを負圧にして減圧効果を高め臭気を吸い込み移送する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
被介護者、患者のおむつを予め定められた時間間隔毎に交換しようとした際に、おむつに排尿又は排便されておらず、おむつを交換する必要がない場合もある。また、おむつ交換直後に排泄してしまう場合もある。排泄物を排泄後、適切におむつが交換されないと、被介護者、患者にとっても不快、不衛生である。また、他の病気を発症させる原因となるおそれもある。被介護者、患者も必要以上に交換チェックを受けるため、精神的にも負担になるとともに、介護者、看護士の負担もたいへんなものである。そのため、おむつ内の排泄物の有無を検知するセンサをおむつ内に設置し、排泄の有無を判定して、介護者に通知方法が提案されている。このセンサの技術としては、多数の技術が知られている(特許文献3〜7参照)。
僅か離して並べて形成された1対の電極間のインピーダンス変化を検知するセンサ部と、及び1対の電極間のインピーダンス変化に応じて周波数が変化する周波数変換回路とを有する排泄検知センサを尿用又は便用の排泄検知センサとして用いる排泄検知装置が開示されている(特許文献3参照)。
一対の電極の片方に所定周波数の交流信号を印加すると、他方に電極に電圧が誘起され、これに負荷を接続すると静電容量に応じた電流が流れる。I−V変換器をこれに接続し、静電容量の変化を検知する漏れ検知センサが開示されている(特許文献4参照)。この漏れ検知センサは、水分不透過性(プラスチックフィルム)の裏面シートの上面に、金属膜からなる一対の電極を裏面シート面方向に僅か(距離d=0.5mm程度)離して並べて付着形成し、その上面を、水分不透過性の表面シートで覆ったもので、おむつの表面には結合バンドで結合されるものである。電極としては、アルミニウム、亜鉛銅などの素材を用いている。おむつが泄によって漏れると、漏れた側の比誘電率が「80(水)」程度と非常に高くなり、検知できる。
樹脂フィルムの表面に一組の導電体を櫛波状にプリントし、両電極には、数十MHzの高周波を検出用コンデンサを介して印加し、静電容量検出回路で検出用コンデンサの端子電圧を整流して、この整流電圧の大きさから導電体間の静電容量を検出して、排泄物の有無を判定している報知装置を開示している(特許文献5参照)。
上述のように大便等の排泄物の検出には、静電容量近接センサを用いることがある。静電容量近接センサを含む検出回路については、多数の技術が知られている(特許文献6、7を参照)。図12には、一般的な静電容量形近接センサの回路を図示している。図示するように、静電容量形近接センサは、トランジスタQ1、Q2を含む発振回路101aと検出電極DPとを備えている。物体が検出電極DPに近接すると検出電極DPと大地との間に発生する静電容量が変化し、発振回路101aの発振状態が変化する。その変化を検出して物体の近接を検知する。
検出電極DPと他の部材のとの間の静電容量を小さくするために、検出電極DPの回りに遮蔽補助電極SUB・Pを設けている。遮蔽補助電極SUB・Pを、検出電極DPを上面に形成した回路基板の裏面に形成し、発振回路1の出力aに接続したものが知られている(例えば、特許文献6参照)。
また、図13に示すように、検出電極DPと、発振回路101a、検波回路102等の回路部とを分離することも可能である(例えば、特許文献2の第2図参照)。この場合は、検出電極DPと発振回路101aを芯線Wで接続する。更に、遮蔽補助電極SUB・Pを、シールド線の遮蔽シールドSSで、発振回路101の出力に接続する。更に、図14に示すように、図13に示す遮蔽シールド線SSの外側に2重のシールド部を形成し、接地シールド線ESを用いて、回路部のGNDに接続したものが開示されている(例えば、特許文献7の第4図参照)
特許第3305238号公報 特開2002−153522号公報 特許第3552997号 特許第3136438号 特開2000−185067号公報 実開昭57−171234号公報 実開昭58−34266号公報
しかしながら、従来から種々な装置の提案が試みられているものの、排泄物を含む汚物を完全に検知する装置においては、まだ多くの問題点を残し改善の余地があるのが現状である。すなわち、排泄物を含む汚物と、洗浄用の水の判別が、確実に行われないとともに、センサが小形かつ薄形化、センサの清浄化などを行うことが困難であるおそれがあった。言い換えると、排泄物が排泄されても排出処理がなされないと不衛生であり、少量の洗浄用の水、尿などで反応して排出処理がされてしまうと、洗浄水が不足してしまい排出処理ができなくなってしまう。洗浄水不足防止を図ろうとすると、洗浄水用タンク、汚物タンクの大形化を招いてしまうという問題点もあった。
特許文献3にあっては、電極間のインピーダンス変化に基づいて排泄の有無を検知している。センサは、吸収性物品(おむつ)が排泄物によって濡れたところを検出するため、大形になりやすい。特許文献4、5においては、一対の電極又は導体に交流信号又は高周波信号を印加して、おむつ内の一対の電極の静電容量の変化に基づいて排泄の有無を検知している。発振器から比較的長いリード線を介して検知センサの一対の電極間に交流信号を印加しているため、検知センサと発振器との間のリード線による線間容量の変化が大きくなり、この線間容量の変化の影響でおむつ濡れ報知装置が誤動作を発生する場合もある。また、検出回路に発振器と検波回路を設けているため、おむつ濡れ報知装置が大形化するとともに、コスト高になるおそれが生じるという問題点がある。
更に、導通式のセンサにあっては、不織布、フィルム等の上に電極が構成されているセンサ部が汚れるので、使い捨てになり、コストがかかるとともに、ゴミも発生する。さらに、おむつを広げ、内部に取り付けなくてはならないので、取り扱いが面倒であり、介護者等の負担になっていた。また、内部に取り付けるので、肌に直接触れ、違和感が生じるおそれがあるという問題点があった。
図12に例示した、従来の静電容量形近接センサの場合は、この近くで1〜2GHzと周波数の高い携帯電話器を使用すると、遮蔽補助電極SUB・Pは金属製筒に接続されているためよく高周波を受信する。そして、トランジスタQ2のエミッタに接続されているので、接地ラインGNDから浮いているため、携帯電話器の発信時だけでなく、受信時にも誤動作を起こす。更に、遮蔽補助電極SUB・Pに静電気が放電するとトランジスタQ2は破損する。
また、図13で示す従来の静電容量形近接センサの場合は、シールド部の芯線Wで検出電極DPを発振回路101aの入力に接続し、シールド線SSを発振回路101aの出力に接続しているため、そのシールド部に高い静電圧が人体等により印加されると発振回路101のトランジスタが破損する。又そのシールド線の近傍で携帯電話器等が使用されると、上記したと同様携帯電話器の送受信時に誤動作を起こすという問題がある。また、取り付け部の状況により、検出感度が変化することにより回避できるが、2重シールドだと線そのものが高価である上、加工費も大幅に上昇し、しかも取り扱いも大変不便である、という別の問題がある。
また、上記した静電容量形近接センサでは、検出電極DPと遮蔽補助電極SUB・P間において空気中の湿気が周囲の温度変化などで結露すると、センサとして全く機能しなくなるため、これを防止するのに発泡ポリウレタンを検出電極DPと遮蔽補助電極SUB・P間に充填している。しかし、この発泡ポリウレタンは、定量的に充填することは不可能な上、発泡増量に非常に時間がかかり、また、その量の修正に手間取り生産効率が悪く、流れ作業で生産できずバッチ的なこま切れ生産対応となり、結果として製品が非常に高価なものとなるという問題点があった。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、排泄の有無を検知するための静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、小形かつ薄形に形成されてオムツカップに容易に付けられ、近傍の携帯電話器、無線機等の送受信により誤動作を生じることなく、高精度に排泄の有無を検知する静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、回路素子の高静電圧からの破壊を回避し得る静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、陰部及び肛門を含む排泄部近傍を包囲して身体に取り付けられるオムツカップに接続して、前記オムツカップ内の排泄物を含む汚物を吸引し溜める汚物タンクと、負圧を発生させ前記オムツカップから前記汚物を前記汚物タンクへ吸引する機能を有する負圧吸引手段とを備えた排泄物処理装置において用いられるものであり、前記オムツカップの前記肛門の近傍に取り付けられ、前記汚物の有無を検出するためのもので、検出電極と、前記検出電極と大地間に発生する静電容量に応じた発振をする発振回路と、前記発振回路の発振状態を検出する回路とからなり、前記検出電極の検出面を除く部分を接地電極で囲んだ構造を有する静電容量形近接センサを有することを特徴とする。
本発明2の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、発明1に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、前記発振回路は、帰還バイアス抵抗を有するものであり、前記帰還バイアス抵抗に並列に、対接地容量キャンセル用のコンデンサ及び又はツェナーダイオードを接続したことを特徴とする。
本発明3の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、発明1又は2に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、前記検出電極と前記発振回路の間に電流制限保護抵抗を有することを特徴とする。
本発明4の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、発明1から3の中から選択される1発明に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、前記検出電極と前記接地電極及び基板との間に発泡プラスチック成形品が挿入されていることを特徴とする。
本発明5の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、発明1から4の中から選択される1発明に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、前記オムツカップの前記身体側と反対側の面に、前記検出面を前記肛門又は前記肛門の近傍へ向くようにして設けられたものであることを特徴とする。
本発明6の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、発明5に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、前記静電容量形近接センサは、前記オムツカップに着脱可能に設置されていることを特徴とする。
上述したように、本発明の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置は、汚物の有無を検出するための静電容量形近接センサを、オムツカップの肛門の近傍に取り付け可能なもので、使用者(被介護者、病人、寝たきり老人等)が排泄した、排泄物を含む汚物の有無を的確に検出し、排泄物処理装置に出力する。また、例えば夜間でも、排泄物を排泄したら自動的にオムツカップから排出することが可能であり、介護者の手をわずらわすことがなく衛生的である。使用者も気分を害することがない。この結果、介護者、看護士などは、排泄物処理装置使用中、他の作業、他の介護作業を行うことが可能となり、能率も向上する。
静電容量形近接センサは、検出電極の検出面以外を接地電極で囲んでいるため、検出面以外に静電気放電があっても部品の破損等を起こすことがない。被介護者や排泄物処理装置等の近傍に携帯電話器や無線機を近づけても、静電容量形近接センサは、誤動作を生じることがなく、的確に汚物の有無を検出できるようになった。更に、検出精度や特性の低下をきたさない調整抵抗の範囲で簡単に検出電極の大形化に伴う容量の増大に対応できる。また、静電容量形近接センサはオムツカップの表面(外側)側に取り付けても、排泄物を含む汚物の有無の検出が可能のため、静電容量形近接センサが汚物で汚れる恐れがない。オムツカップは汚れたら洗浄が容易に構成されているので、汚物による検出精度の低下をまねかない。
また、静電容量形近接センサは、検出電極と、この検出電極を囲んでいる接地電極との構成によりセンサ部の小形化、薄形化を図ることができ、オムツカップの窪みに容易に取り付けが可能となった。更に、静電容量形近接センサは、検出電極と回路部の分離による小形化に伴う接続シールド線の大きな容量の補正が簡単にできる。検出電極と接地電極間の対湿処理を、特性を落とすことなく、待ち時間をなくすことにより、生産ラインをバッチ処理から流れ作業とし、生産効率を上げ、結果的に安価な静電容量形近接センサを提供することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、オムツカップを中心とする排泄物処理装置の断面図で、使用者の身体にオムツカップとオムツカバーを取り付けた状態を示している。図2は、大便感知センサをオムツカップに取り付ける様子を示す概念図である。図3は、使用者の大便を感知するための大便感知センサの概略構造を示す図であり、図3の(a)は平面図、図3の(b)は図3の(a)をA−A線で切断した断面図、図3の(c)は図3の(a)をB−B線で切断した断面図である。図4は排泄物を処理する処理装置である排泄物処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、排泄物処理装置20のオムツカップ1は公知の構成のものである。基本構成については、特許文献に詳細が記載されているので、詳細説明は省略する。本発明の理解を容易にするため、オムツカップ1の概要を説明する。オムツカップ1は、図に示すように身体3の陰部、肛門等の排泄部を包囲する樹脂体等で構成されている。オムツカップ本体2は、例えばウレタン樹脂等の硬質の合成樹脂で構成されている。オムツカップ本体2は、軟質の合成樹脂で構成されても良い。
オムツカップ本体2の身体に接する接触部分2aは柔軟な材質の合成樹脂、エラストマ、ゴム等で構成され、身体に密着しオムツカップ本体2から排泄物等が漏洩しないようになっている。接触部分2aを柔軟な材質の合成樹脂等で形成していることにより、鬱血、褥瘡等の発生防止が図られている。
オムツカップ本体2は略U字形状に成形されたものになっている。オムツカップ本体2には、中央部の内側に窪み4を形成し、上端に、身体3にオムツカップ本体2を固定する固定部材であるベルト5が着脱可能に設けられ、オムツカップ本体2との間は帯状の連結部材6で連結している。オムツカップ本体2の下端の配管・配線の接続部2bには、配管(ホース)、配線(ケーブル)等の給排路部材が取り付けられている。
更に詳しく説明すると、オムツカップ本体2には連結部材6、陰部洗浄用ノズル7、肛門洗浄用ノズル8、カップ洗浄用ノズル9、大便感知センサ10、小便感知センサ11、及び、温風吹き出し口12などを備えている。又、これに伴ないオムツカップ本体2の下端の配管・配線の接続部2bには、外部側に突出して排泄物を含む汚物回収のための汚物吸引用ホース(配管)13と、洗浄水供給用ホース(配管)14と、送風用ホース(配管)15と、センサ用ケーブル(信号線)16が設けられている。
オムツカップ1は以上のような構成になっているが、身体3に取り付けるときは、ベルト5を開放した状態でオムツカップ本体2を身体3の排泄部を包囲するように当て、位置が定まったところで固定部材、即ちベルト5を固定する。ベルト5の固定には、ワンタッチで着脱の容易なテープ状のマジックテープ(登録商標)等を使用するとよい。オムツカップ本体2の中央部分は排泄物等の滞留部分で窪み4構成になっている。
窪み4の周縁部は、フレーム状に段差の設けられた構成となっており、この周縁部の身体と接触する部分が、柔軟な材質の合成樹脂、エラストマ、ゴム等で形成されている。窪み4は排泄部から排泄された排泄物を含む汚物等をオムツカップ1の外部に漏洩するのを避ける構造になっている。又、前述したホース等の部材は窪み4部分の下部に接続されている。
又、ノズル、センサ等も窪み4内に設けられている。排泄物を含む汚物は汚物吸引用ホース13を介してサクションポンプ22a等により吸引され、別置の汚物タンク21に回収される。洗浄水供給用ホース14は、陰部洗浄用ノズル7と、肛門洗浄用ノズル8と、カップ洗浄用ノズル9とに接続している。別置の洗浄水タンク23から例えば所定の温度に温められた温水を供給している。
送風用ホース15は、乾燥した温風等を送り込むためのものである。この温風によって陰部、肛門等の排泄部及び排泄部近傍を乾燥させている。センサ用ケーブル16は、大便感知センサ10と、小便感知センサ11の感知信号を制御装置30のシーケンサ27に伝達するためのものである。配線の詳細は図示していないが、大便感知センサ10と、小便感知センサ11からのセンサ用ケーブル16は窪み4内を這わせてセンサ用コネクタに接続されている。
これら汚物吸引用ホース13、洗浄水供給用ホース14、送風用ホース15、センサ用ケーブル16はいずれもオムツカップ本体2の配管・配線の接続部2bに対し着脱自在である。このような構成になるオムツカップ本体2からの排泄物を含む汚物は、大便感知センサ10または小便感知センサ11により排泄物の存在が検知されると、サクションポンプ22aが作動し汚物吸引用ホース13を介して強制的に回収される。
洗浄水供給用ホース14からは洗浄水が供給され、陰部洗浄用ノズル7、肛門洗浄用ノズル8、及び、カップ洗浄用ノズル9とから分散して噴出される。また、洗浄水は、大便、小便の判別により、所要のノズルから噴出し排泄部及び排泄部近傍を洗浄する。洗浄水が排泄部及び排泄部近傍を洗浄することで汚れたり、排泄物と混じり合ったりした排泄物を含む汚物は、汚物吸引用ホース13から吸引回収される。
これらの処理動作は使用者(被介護者、病人、寝たきり老人等)が就寝中であっても行われる。また、使用者が身体の向きを変えたり、寝返りをうったり等の動作を行っても、オムツカップ1は接触部分2aが身体3に密着した状態を維持するようにしている。さらに、排泄物が排泄された場合、その都度自動的に排泄物の存在を検知して排泄物を常時吸引回収するようになっている。オムツカップ1を覆うオムツカバー体として、使用後廃棄が可能ないわゆる使い捨て可能な紙オムツタイプであるオムツカバー体17を適用している。
〔大便感知センサ10の構造〕
次に、使用者の大便を感知するための大便感知センサ10について説明する。大便感知センサ10は、静電容量形近接センサである。大便感知センサ10は、図1に示すように、窪み4内に設けられている。オムツカップ本体2は、合成樹脂で成形加工された構造になっている。大便感知センサ10は、図2に示すように、オムツカップ本体2の外側の面(身体側と反対側の面)に設けられている。このように、大便感知センサ10をオムツカップ本体2の外側の表面に設けることで、大便感知センサ10の検出面が排泄物等によって汚れることを防止することができる。大便感知センサ10は、オムツカップ本体2の外側の面に固定されるとき、プラスチック等で作成された取り付け部材2dを介して、オムツカップ本体2に着脱可能に固定されていると良い。また、大便感知センサ10は、取り付け部材2dを介して着脱可能に取り付けられているので、オムツカップ本体2の洗浄時などには容易に取り外すことができる。オムツカップ洗浄、乾燥完了後に、大便感知センサ10は取り付けることができる。
また、大便感知センサ10は、例えばシート状のプラスチック成形体等で覆い、検出面に排泄物を含む汚物が直接接しないようにガードし、オムツカップ本体2の内側に固定して使用するようにしても良い。この固定するときの手段は、接続用のバンド等のしっかり固定できる手段であれば特にその方法を問わない。図3に示すように、大便感知センサ10の全体は、ケース111に収容されている。ケース111の凸の部分には、排泄物(例えば、大便)を含む汚物等の被検出物を検出するための検出電極DPが設けられている。つまり、ケース111の検出面111aの内面に検出電極DPが配置される。
ケース111の内壁に検出電極DPの側部外周を囲み、金属板112が設けられている。 ケース111の検出面111aの反対側は、カバー116によって蓋がされている。上面の回路パターン114に電子部品115等を搭載したプリント回路基板113がケース111内に収容され、カバー116によって蓋がされている。プリント回路基板113の裏面にも、全面にわたり回路パターン117が形成されている。回路パターン117と金属板112が接続されて接地電極SPが構成されている。検出電極DPが、リード線118で、プリント回路基板113上面の回路パターン114に接続されている。
大便感知センサ10である静電容量形近接センサの動作については、その回路の概要を図示した図5と図6の説明に示すように後述する。なお、大便感知センサ10は、検出面の前方に、オムツカップ本体2のプレート状の面がくるため、オムツカップ本体2の面を検出しないで、オムツカップ本体2に水と物体(例えば、大便に相当するもの)が混合されたものが検出面の前方にきたとき、検出可能なように感度調整されていることが好ましい。また、少量の洗浄水などでは、排泄物有りの検出をしないように感度調整されていることが好ましい。
〔排泄物の処理装置について〕
次に、汚物吸引用ホース13を介して回収される排泄物の処理をするための排泄物処理装置20について図4をもとに説明する。排泄物処理装置20は、オムツカップ1に接続されて室内に置かれる処理装置である。排泄物処理装置20は、回収された排泄物及びそれに付随する汚水等からなる汚物を吸引し処理するためのものである。図4は、排泄物処理装置20を示す図であるが、個々の装置をブロックの形態にした簡略構成の説明図である。
排泄物処理装置20は、汚物タンク21と、負圧吸引手段であるバキュームポンプハウジング22と、洗浄水タンク23と、送水ポンプ24と、制御パネル26及びシーケンサ(又はプログラマブルコントローラ)27で構成される制御装置30とで構成される。
排泄物処理装置20は、図示していないが、キャスタ付きの筐体形状をなし、室内の任意位置に移動設置が可能である。バキュームポンプハウジング22は、排泄物を含む汚物を吸引するための負圧を発生させるサクションポンプ22a、サクションポンプ22aを回転させるためのサクションポンプ用モータ22bを内蔵している。サクションポンプ用モータ22bとシーケンサ27とはケーブル(電線)27eで接続されている。
バキュームポンプハウジング22には、バキュームホース31、臭気除去装置28(後述する)を介して汚物タンク21に接続される吸引口22cと、吸引口22cから吸引した空気を排出する第1の排出口22dと、サクションポンプ用モータ22bに外気を導入するモータ冷却用吸気口22eと、モータ冷却用吸気口22eから導入した外気を排出する第2の排出口22fとを備えている。
モータ冷却用吸気口22eから吸気され、サクションポンプ用モータ22aが発生する熱によって暖められた空気は、第2の排出口22fから第2排出路33を介して排出される。第1の排出口22dから排出される脱臭済みの空気は第1排出路32を介して排出され、排出路の混合部34で第2排出路33の空気と混合され、送風用ホース15によってオムツカップ1に送風される。
汚物タンク21は、オムツカップ1から汚物吸引用ホース13を介して、サクションポンプ22aによって吸引される排泄物を含む汚物を溜めるタンクである。汚物と一緒に吸引される空気は、汚物タンク21内で渦巻き状に回転させて重量の重い汚物や洗浄水と、軽量な空気とを遠心力により分離している。その他汚物類のミストを衝突させて分離するセパレータや汚物量を検出する汚物量センサ(図示せず)等が設けられている。汚物量センサとシーケンサ27とは、ケーブル27aで接続されている。
洗浄水タンク23は、オムツカップ1に所定の温度の温水を供給するためのタンクである。洗浄水タンク23に付随して加熱及び保温するヒーター23aと、簡易的に水温を確認する温度計23bと、温度検出センサとしての機能を兼備した水位検出センサ23c等を備えている。洗浄水タンク23の温水は送水ポンプ24を介して洗浄水送水ホース14によりオムツカップ1に送られる。シーケンサ27は、ヒーター23aとケーブル(電線)27dで、水位検出センサ23cとケーブル(信号線)27cで接続されている。又、シーケンサ27と送水ポンプ24は、ケーブル(電線)27bで接続されている。
操作パネル26は、主に介護者、看護士などが操作するスイッチや表示ランプ等が設けられている。シーケンサ27は、オムツカップ1に配置された大便感知センサ10、小便感知センサ11、汚物タンク21に配置された汚物量センサ、水位検出センサ23c等の信号を受けて、サクションポンプ用モータ22b、送水ポンプ24、ヒーター23a等を動作させて、オムツカップ1の状態を最適に維持できるように制御するためのものである。また、シーケンサ27は、洗浄水タンク23の洗浄水が所定の量より少なくなった場合や汚物タンク21の汚物の量が所定の量より多く溜まった場合には処理を停止し、その旨を介護者、看護士などに通知したり表示したりする制御を行う。
排泄物処理装置20は、更に、臭気を除去する臭気除去機能を有する臭気除去装置28を備えることが可能である。臭気除去装置28は、オムツカップ1、汚物タンク21、及び、バキュームポンプハウジング22に、サクションポンプ22aによって循環して流れる臭気を含む空気の浄化のためのもので、空気に含まれる臭気を除去する装置である。臭気除去装置28は、バキュームポンプハウジング22に隣接して設けられ、特に、汚物タンク21とサクションポンプ22aとの間に設けられ、バキュームポンプハウジング22に隣接して設けられていることが好ましい。臭気除去装置28は、臭気を除去するためのもので、竹炭粉末をハニカム構造に成形した竹炭部材を有すると良い。
即ち、汚物タンク21からバキュームポンプハウジング22のサクションポンプ22aで吸引される臭気を含む空気から、サクションポンプ22aに吸引される前に臭気除去装置28を配置して臭気を除去するものである。すなわち、汚物タンク21、バキュームホース31は、空気が流れる流路が密閉された状態にあり、臭気を含む空気はどこにも漏洩することなく臭気除去装置28に送られ、臭気が除去される。この臭気が除去された空気が、サクションポンプ22aに吸引されることになる。仮にサクションポンプ22aの非回転部分と回転部分の間等から少量の空気が漏洩しても、この空気には臭気はないので室内に臭気がただようようなことがない。
〔大便感知センサ10の回路〕
図5は、大便感知センサ10として利用される静電容量形近接センサの要部回路を示す回路図であり、図6は、その全体回路を示す回路図である。発振回路101は、2個のトランジスタQ1、Q2を有し、トランジスタQ1のベースが、抵抗R2を介して回路のアースGNDに接続され、また帰還バイアス抵抗R1を介してトランジスタQ2のエミッタ(出力a点)に接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、抵抗R4を介してアースGNDに接続されている。また、トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R3を介して電源VCCに接続されている。
トランジスタQ2のコレクタが電源VCCに接続されている。トランジスタQ2のベースがトランジスタQ1のコレクタに接続されている。また、トランジスタQ2のエミッタは、調整抵抗R5、及び抵抗R6を経て、アースGNDに接続されている。また、トランジスタQ2のエミッタは、コンデンサC2を介して、発振回路101の出力端OUTに接続されている。調整抵抗R5と抵抗R6の接続点と、トランジスタQ1のエミッタ間にコンデンサC1が接続されている。発振回路101のトランジスタQ1のベースには、検出電極DPが接続されている。
発振回路101を含む検出回路は、図12に記した従来の静電容量形近接センサに相当するものである。検出電極DPに被検出物(例えば、排泄物を含む汚物)が近接していない状態では、検出電極DPと大地間の静電容量が小さく、この静電容量を回路定数に含む発振回路101の発振条件が充足せず、発振回路101は非発振状態になる。被検知物(例えば、排泄物を含む汚物)が検出電極DPに接近して到来すると、検出電極DPと大地間の静電容量が大となり、発振回路101の発振条件を充足し発振を開始する。発振回路101のこの発振出力により、被検知物である物体の近接を検出する。
本実施の形態1の静電容量形近接センサは、従来のものと相違して、検出電極DPは、検出面を除く部分である、その側部外周囲及び背面を囲むように金属導体膜を設け、これを接地電極SPとして、アースGNDに接続している。図3に示す回路パターン117と金属板112が接続されて接地電極SPが構成されている。検出電極DPが、リード線118で、プリント回路基板113上面の回路パターン114を経て発振回路101に接続されている。
検出電極DPの検出面を除く周囲に接地電極SPを設け、接地電極SPをアースGND(を通して大地)に接続しているので、従来の静電容量形近接センサのように、近傍で携帯電話器や無線機を使用してもこれらからの高周波を発振回路101に受信することなく、誤動作をおこすことがない。また、接地電極に静電気が放電しても発振回路101等の素子を破壊することがない。
帰還バイアス抵抗R1と並列に対接地容量をキャンセルするコンデンサC3を接続している。検出電極DPの検出面を除く周囲に接地電極SP(金属板112)を設け、接地電極SPをアースGND(を通して大地)に接続するようにしている。検出電極の大形化による大地容量の増大、又は検出電極と接地電極間の容量の容量が大きくなると、検出精度や温度特性を含めた感度調整抵抗R5の調整範囲を逸脱する場合がある。
従来は、図12に示すように、検出電極DPを、検出電極DPと同相の遮蔽補助電極SUB・Pで囲み対接地容量を遮蔽していた。このように遮蔽補助電極SUB・Pを発振回路101aの出力に接続する方法では、携帯電話器等による誤動作等の不具合が生じる。この不具合は、上述のように、コンデンサC3と接地電極SPを設けることで解消することができる。
図10は、検出電極DPの対接地容量C0とキャンセル用のコンデンサC3の関係を示すグラフである。R5=A(Ω)を帰還調整抵抗R5の調整下限値、R5=B(Ω)を帰還調整抵抗R5の調整上限値とし(A<B)、回路の他の定数は一定とする。帰還調整抵抗R5の値を変更させて、このグラフの勾配を変えることができる。発振回路101にコンデンサC3が無い場合(C3=0)は、帰還調整抵抗R5はC0=3PFだけの対接地容量を調整することができる。対接地容量が、例えば10PFのときは、帰還調整抵抗R5の値が非常に大きな値になり、よって、発振回路101自体は、安定して動作しないことになる。
このとき、コンデンサC3は5.5〜14.5PFのものを用いると、対接地容量をキャンセルでき、同一の感度で動作することができる。次に、帰還調整抵抗R5と、検出電極DPの対接地容量について説明する。この静電容量形近接センサは、検出電極DPと大地間の1PF程度の容量の変化を検出ものである。ここでいう大地とはアースのことであるが、大地と電源GNDの間には電源トランス又は配線による大地間との浮遊容量が極めて大きく、それにより接続されるための電源グラウンドと同一する。
従って、検出精度や特性を良くする場合、検出電極DPの対接地容量は、検出容量(例は、1PF)に対してSN比から考えても少ないほうが良い。同じ1PFの容量の変化を長い検出距離で検出するためには、検出電極DPの面積を大きくし、発生容量を大きくする必要がある。検出電極DPを大きくすると、電極の容量が増大し、帰還調整抵抗R5を大きくする必要が発生する。しかし、帰還調整抵抗R5を大きくすると、一定の値以上で発振を開始することができなくなる。
帰還調整抵抗R5と対接地容量C0との関係を図11に示す。図11から明らかなように、この静電容量形近接センサの約1PFの近傍の場合は、帰還調整抵抗R5の値を大きく変えても、検出容量値は僅かしか変化しないが、例えば電極容量が9PF、検出容量が1PFで、C0=1+9=10PFの点では、帰還調整抵抗R5の抵抗値が僅か変化してもC0の値は大幅に変化する。しかし、電極容量は9PFと一定であるため、検出容量すなわち、検出距離が大幅にずれることになり、電極容量が30PF近辺になると、検出信号である発振そのものが帰還調整抵抗R5をいくら大きくしても、得ることができないほどに検出距離の変化を起こす。これらの問題は、上記したキャンセル用のコンデンサC3を設けることにより、回避できる。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2を説明する。本実施の形態2は、上述の実施の形態1と同様のものであり、上述の静電容量形近接センサの検出電極DPと発振回路101を分離したものである。以後の本実施の形態2の説明に当たり、実施の形態1と同様の構成、機能の説明は省略し、異なる部分のみを記述する。
図7は、本発明の実施の形態2を示す静電容量形近接センサの要部回路を示す回路図である。この静電容量形近接センサは、図5に示す回路の検出電極DPと、発振回路101とを分離し、両者をシールドケーブル121で接続したものである。発振回路101には、トランジスタQ1のベースに電流制限保護抵抗R0を備え、検出電極DPを、シールドケーブル121の芯線Wを介し、抵抗R0を経て、トランジスタQ1のベースに接続している。
また、接地電極SPは、シールドケーブル121の接地用シールド線ESに接続され、接地用シールド線ESは、発振回路101側でアースGNDに接続されている。検出電極DPを発振回路101から分離するのに、その分離線、つまりシールドケーブル121に近づく物体や、センサ取り付け設置時に対接地容量によって誤動作したり、あるいは検出動作感度が大幅にずれたりするのを防止するために、シールドケーブル121の接地用シールド線ESをアースGNDに接続している。
シールドケーブルは、大きな静電容量を持つため、従来のセンサでは、図13に示すように検出電極用線を遮蔽補助電極用線でシールドし、その上を接地シールド線でシールドする等の対処方法はあるが、高価、複雑な構成になる。本実施の形態2のように、キャンセル用のコンデンサC3を設けるとともに、接地用シールド線ESをアースGNDに接続して接地シールドを行うことにより、検出精度や特性を落とすことなく、誤動作防止、検出感度の大幅ずれの防止を達成することができる。
図6の静電容量形近接センサ、又は図5の発振回路101の代わりに図7の発振回路101を採用した回路を持つ静電容量形近接センサでは、検出電極DPに被検出物(例えば、排泄物を含む汚物)が接近し、検出電極DPの対地静電容量が所定値以上に発生すると、発振回路101は、トランジスタQ1、Q2の帰還発振回路により、発振を開始し、徐徐に発振ゲインは増大し、飽和する。発振回路101の高周波出力は、カップリングコンデンサC2を介して、ダイオードD1、D2からなる倍電圧整流回路で整流され、コンデンサC5で平滑され、直流電圧VIとなる。
この直流電圧VIは、比較回路A1の(+)入力端に加えられ、比較回路A1の(−)入力端に加えられる比較電圧VC={R10/(R9+R10)}×VCCと比較される。比較回路A1は、VC>VIのとき、出力ONで、出力信号“L”であり、被検出物を検出すると、VC<VIとなり、出力OFFで、出力信号“H”となり、OUT端子により、出力信号を発生する。図6おいて、抵抗R8は、比較回路A1のヒステリシスを持たせるための正帰還抵抗であり、コンデンサC4は、検出電極DPの検出面に入って来る高周波電波のバイパスコンデンサである。
図6、図7に示す静電容量形近接センサでは、検出電極DPとトランジスタQ1のベース間に電流制限保護抵抗R0を設けている(後述の図8の回路も同様)。電流制限保護抵抗R0を設けて、検出電極DPに静電気が放電するのを対応している。更に、シールド接地電極SP、接地用シールド線ESは、アースGNDに直接接続されているため、静電気放電の影響、又は携帯電話器や無線機の電波の影響を受けることはない。
プラスチック等でできた構造物がプラスチック同士で接触、摩擦を繰り返すと数千〜数万Vの静電気を帯びる。図12〜14に示す従来の回路において、この静電気を持った物体が検出電極面DPに接近したとき、非常に高電圧の場合、近接センサのケースを介して検出電極DP、遮蔽補助電極SUB・P、遮蔽シールド線等に放電すると一瞬にして発振回路101のトランジスタQ1、Q2や検波回路の素子が破損して、検出機能が失われていた。
また、検出電極DP、遮蔽補助電極SUB・P、又は、遮蔽シールド線SSには、接近した静電気と逆極性でそれと相当する電圧が誘起する。このとき、高電圧の静電気をもつものは、他の接近されたものに放電し、検出電極DP、遮蔽補助電極SUB・P、又は、遮蔽シールド線SSに誘起していた電荷は、バランスをなくし、瞬時に大地に戻る。この電荷移動のとき、トランジスタQ1、Q2、検波回路の他の素子を破損させていた。静電容量形近接センサは、シールド接地電極SP、接地用シールド線ESが、アースGNDに直接接続されているため、上記のような静電気放電、携帯電話器や無線機の電波の影響を受けることがなく、回路素子も破損することもない。
〔実施の形態3〕
次に、本発明の実施の形態3を説明する。本実施の形態3は、上述の実施の形態1と同様のものであり、上述の静電容量形近接センサと主に異なるのは、後述するような機能をするツェナーダイオードZD1、ZD2を設けたものである。以後の本実施の形態3の説明に当たり、実施の形態1と同様の構成、機能の説明は省略し、異なる部分のみを記述する。
図8は、本発明の実施の形態3の静電容量形近接センサを示す回路図である。本実施の形態3では、図6、図7の静電容量形近接センサと同様に検出電極DPと、発振回路101のトランジスタQ1のベース間に電流制限保護抵抗R0を設けている。更に、キャンセル用のコンデンサC3に代えて、ツェナーダイオードZD1を接続し、また、発振回路1の出力a点とアースGND間にツェナーダイオードZD2を接続している。ZD1、ZD2の電圧は、電源VCCより大きくする。
トランジスタQ1のベース電流は、トランジスタQ2のエミッタから抵抗R1で定められた値でトランジスタQ1のベースに流れる。従って、帰還バイアス抵抗R1の電位は、トランジスタQ2のエミッタ側が、トランジスタQ1のベース側より高い。その電位の高い方にツェナーダイオードZD1のカソードを接続し、アノード側をトランジスタQ1のベースに接続している。定常状態では、ツェナーダイオードZD1としての機能は何もない。
しかし、アノードとカソード間には、ジャンクションキャパシティ(接合容量)が存在する。この容量はツェナーダイオードの定格パワーによって異なるが信号用の小形のものでは約10PFを持っており、しかも、その選択度Qも非常に高い。前述したキャンセル用のコンデンサC3の容量が10PF程度までのものであれば、ツェナーダイオードZD1を1個用い、それ以上のキャンセル容量が必要な場合は、ツェナーダイオードZD1の容量で不足した分のみ、キャンセル用のコンデンサ(図示せず)を並列に用いる。
これらツェナーダイオードは、キャンセル用のコンデンサの機能とともに、検出電極DPに放電した静電気から、回路部品を守ることができる。検出電極DPに放電した静電気は、検出電極DP→電流制限保護抵抗R0→ツェナーダイオードZD1のアノード→ZD1のカソード→ツェナーダイオードZD2のカソード→ZD2のアノード→GNDと進み、消滅する。
この静電気の電位が(+)の場合は、抵抗R0で電流が制限されているため、ツェナーダイオードZD2のカソードとZD2のアノード間にツェナーダイオードZD2のツェナー電圧が発生するだけであり、ツェナーダイオードZD2はもとより、他の全ての電子部品を破損させることはない。
また、静電気の電位が(−)の場合は、上記の経路により、ツェナーダイオードZD1のアノード/カソード間にツェナー電圧が発生するだけであり、前記(+)の場合と同様、電子部品の破損を招くことはない。検出電極と、プリント基板上の電子部品15との間は、空間としている。更に、静電容量形型近接センサは、図3に示すものを用いる。
〔実施の形態4〕
次に、本発明の実施の形態4を説明する。本実施の形態4は、上述の実施の形態1〜3に記載のものと同様のものであり、静電容量形型近接センサの別の構造を示すものである。本発明の実施の形態4の回路は、上述の実施の形態1〜3のいずれかに記載の回路を適応可能である。以後の本実施の形態4の説明に当たり、実施の形態1〜3と同様の構成、機能の説明は省略し、異なる部分のみを記述する。
図9には、本実施の形態4の静電容量形型近接センサの構造を図示している。図9(a)は、平面図、(b)は(a)をA−A線で切断した断面図、(c)は、(a)をB−B線で切断した断面図である。この静電容量形型近接センサは、大便感知センサ10として機能するものである。静電容量形型近接センサの全体は、ケース111に収容されている。ケース111の凸の部分には、排泄物(例えば、大便)を含む汚物等の被検出物を検出するための検出電極DPが設けられている。つまり、ケース111の検出面111aの内面に検出電極DPが配置される。ケース111の内壁に検出電極DPの側部外周を囲み、金属板112が設けられている。
ケース111の検出面111aの反対側は、カバー116によって蓋がされている。上面の回路パターン114に電子部品115等を搭載したプリント回路基板113がケース111内に収容され、カバー116によって蓋がされている。プリント回路基板113の裏面にも、全面にわたり回路パターン117が形成されている。電子部品115と検出電極DPとの間の空隙にはスペーサ119が装填されている。スペーサ119は、発泡ポリエチレンから形成されるものである。スペーサ119には、貫通孔119aを設けている。
回路パターン117と金属板112が接続されて接地電極SPが構成されている。検出電極DPが、リード線118で、スペーサ119の貫通孔119aを通り、プリント回路基板113上面の回路パターン114を経て発振回路に接続されている。ここで、使用されているスペーサ119は、独立気泡を有する発泡ポリエチレン成形品であり、通気性はなく、吸湿性もない。一般にポリエチレンの比誘電率は2.2〜2.3であるが、20〜50倍に発泡されているため、見かけ上の比誘電率は空気に近くεS≒1に近いため、これを使用することによる静電容量の変化や特性にまったく影響を与えない。
発泡ポリエチレンは、強靭なため挿入時に割れたり、欠けたりすることはなく弾性が強いため接地電極側はケース内面に電極を圧接し、また検出電極側はプリント基板により強く押されているため、特に特性に影響のある湿気が、検出電極と接地電極間に入り、検出感度の変化を起こすことはない。また、このスペーサは圧挿入するだけであり、流れ作業で加工できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能であることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施の形態1に関わるオムツカップを中心とする排泄物処理装置の断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に関わる大便感知センサ10をオムツカップに取り付ける様子を示す概念図である。 本発明の実施の形態1に関わる静電容量形近接センサの概略構造を示し、(a)は、平面図、(b)は(a)をA−A線で切断した断面図、(c)は、(a)をB−B線で切断した断面図である。 図4は、本発明の実施の形態1に関わる排泄物処理装置の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の実施の形態1に関わる静電容量形近接センサ10の要部の回路構成を示す回路図である。 図6は、本発明の実施の形態1に関わる静電容量形近接センサ10の回路構成を示す回路図である。 図7は、本発明の実施の形態2に関わる静電容量形近接センサの回路構成を示す回路図である。 図8は、本発明の実施の形態3に関わる静電容量形近接センサの回路構成を示す回路図である。 図9は、本発明の実施の形態4に関わる静電容量形近接センサの概略構造を示し、(a)は、平面図、(b)は(a)をA−A線で切断した断面図、(c)は、(a)をB−B線で切断した断面図である。 図10は、静電容量形近接センサの対地静電容量と、キャンセル用の静電容量の関係を説明する図である。 図11は、静電容量形近接センサの対地静電容量と、帰還調整抵抗の関係を説明する図である。 図12は、従来の実施の形態の静電容量形近接センサを示す回路図である。 図13は、従来の実施の形態の静電容量形近接センサの他の例を示す回路図である。 図14は、従来の実施の形態の静電容量形近接センサの他の例を示す回路図である。
符号の説明
1…オムツカップ
2…オムツカップ本体
3…身体
4…窪み
5…ベルト
13…汚物吸引ホース
101…発振回路
113…プリント回路基板
119…スペーサ
C3…キャンセル用のコンデンサ
DP…検出電極
ES…接地用シールド線
Q1、Q2…トランジスタ
R0…電流制限保護抵抗
R1…帰還バイアス抵抗
R5…帰還調整抵抗
SP…接地電極
ZD1、ZD2…ツェナーダイオード

Claims (6)

  1. 陰部及び肛門を含む排泄部近傍を包囲して身体に取り付けられるオムツカップに接続して、前記オムツカップ内の排泄物を含む汚物を吸引し溜める汚物タンクと、
    負圧を発生させ前記オムツカップから前記汚物を前記汚物タンクへ吸引する機能を有する負圧吸引手段とを備えた排泄物の処理装置において、
    前記オムツカップの前記肛門の近傍に取り付けられ、前記汚物の有無を検出するためのもので、検出電極と、前記検出電極と大地間に発生する静電容量に応じた発振をする発振回路と、前記発振回路の発振状態を検出する回路とからなり、前記検出電極の検出面を除く部分を接地電極で囲んだ構造を有する静電容量形近接センサを有する
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
  2. 請求項1に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、
    前記発振回路は、帰還バイアス抵抗を有するものであり、前記帰還バイアス抵抗に並列に、対接地容量キャンセル用のコンデンサ及び/又はツェナーダイオードを接続した
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、
    前記検出電極と前記発振回路の間に電流制限保護抵抗を有する
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
  4. 請求項1から3の中から選択される1項に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、
    前記検出電極と前記接地電極及び基板との間に発泡プラスチック成形品が挿入されている
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
  5. 請求項1から4の中から選択される1項に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、
    前記静電容量形近接センサは、前記オムツカップの前記身体側と反対側の面に、前記検出面を前記肛門又は前記肛門の近傍へ向くようにして設けられたものである
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
  6. 請求項5に記載の静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置において、
    前記静電容量形近接センサは、前記オムツカップに着脱可能に設置されている
    ことを特徴とする静電容量形近接センサを有する排泄物処理装置。
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