JP2016130656A - 静電容量センサ - Google Patents

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勲 甲斐
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Abstract

【課題】極めて小さい比誘電率の物体やアースされた金属板の接近を安定して検出することができ、周囲温度の変化によって検出特性が影響を受けることが無く、マイクロコンピュータを用いなくても装置構成が可能である静電容量センサを提供する。【解決手段】検出用電極20が接続されそれへの被検出体の接近に伴って発生する静電容量に従って発振周波数が変化する第1の発振回路14と、発振周波数が固定された第2の発振回路16と、第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の発振周波数とを混合し検出用電極への被検出体の接近に伴って変化する第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の固定された発振周波数との周波数差の絶対値を示すビート周波数を検出するビート周波数検出回路部18と、検出されたビート周波数の変化から検出用電極への被検出体の接近を判別する判別回路部とを備えてセンサを構成した。【選択図】図1

Description

この発明は、発振回路の一部に電極を設け、発振回路を用いて電極に対象物が接近することを検出する静電容量センサに関する。
この種の静電容量センサとしては、例えば、検出電極が接続された発振回路の発振出力を積分回路によって積分し、弁別回路によって弁別し、論理処理回路を介して出力回路より物体検知信号を出力する構成であって、積分回路、弁別回路、論路処理回路および出力回路に一定の電圧を供給する電源回路の定電圧出力を、電圧可変回路を介して発振回路に供給し、発振回路に供給する電圧を調整することによって感度調整を行うことができるようにした静電容量型近接センサ(例えば、特許文献1参照。)、検出電極が接続された発振回路として、検出物体の緩和周波数の1/10〜10倍の周波数で発振し検出電極と設置端間の静電容量の増加および誘電損の増加によって同一方向に発振周波数が変化する発振回路を用い、検出電極に対する検出物体の近接を発振回路の発振周波数に基づいてマイクロコンピュータで判別するように構成され、誘電率の小さい物体に対してもその有無を判別することができ、高誘電率の他の物体を介しても検出物体の有無を検出することができるようにした静電容量型近接センサ(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。また、同一の発振方式を用いて構成されまた温度特性および周波数特性が同一である電子部品および電子材料を用いて構成され同一の発振周波数を出力する第1発振器および第2発振器と、対象物との間の静電容量を検出する検出電極としてのアンテナと、発振周波数と静電容量とにより定まる位相量に応じて、第1発振器からの出力の位相を変更する移相手段と、この移相手段の出力と第2発振器からの出力との位相差を検出する位相差検出手段と、この位相差検出手段の出力する位相差に基づいて、アンテナと対象物との間の静電容量を判定する判定手段とを備えて構成された静電容量センサが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11−40021号公報(第3−4頁、図1) 特開2000−147135号公報(第3−4頁、図1) 特開2006−162347号公報(第4−6頁、図1)
しかしながら、従来の静電容量センサはいずれも、極めて小さい比誘電率(εs)の物体を高感度で安定して検出したりアースされた金属板等の接近を比較的長い検出距離でしかも周囲温度等の使用環境の変化に拘わらず安定して検出することは困難であった。また、特許文献2に開示された静電容量型センサでは、検出電極に対する検出物体の近接を判別するのにマイクロコンピュータが用いられ、また、特許文献3に開示された静電容量センサでも、対象物との間に検出された静電容量を判定するのに、通常はマイクロコンピュータが用いられる。このため、高価なパーツの使用やソフト開発費用が必要になって、装置コストが高くなる、といった問題がある。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、極めて小さい比誘電率の物体であっても高感度で安定して検出することができ、アースされた金属板等であればその接近を比較的長い検出距離で安定して検出することができ、また、周囲温度等の使用環境の変化によって検出特性が影響を受けることが無く信頼性の高くて、マイクロコンピュータを用いなくても装置構成を可能にすることができる静電容量センサを提供することを目的とする。
この発明では、上記目的を達成するために、静電容量を検出するための検出回路として発振回路を用い、その発振回路の発振コンデンサに検出用電極を接続し、検出用電極と電源GND間の静電容量が増加すると発振回路の発振周波数が低下することを利用して、被検出体の検出を行うようにした。
すなわち、請求項1に係る発明は、発振回路の一部(発振コンデンサ)に検出用電極を接続し、発振回路を用いて検出用電極に被検出体が接近することを検出する静電容量センサにおいて、検出用電極が一部に接続され、その検出用電極への被検出体の接近に伴って検出用電極に発生する静電容量に従って発振周波数が変化する第1の発振回路と、前記検出用電極への被検出体の接近の有無に関係なく発振周波数が固定された第2の発振回路と、前記第1の発振回路の発振周波数と前記第2の発振回路の発振周波数とを混合して、前記検出用電極への被検出体の接近に伴って変化する第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の固定された発振周波数との周波数差の絶対値を示すビート周波数を検出するビート周波数検出手段と、このビート周波数検出手段によって検出されたビート周波数の変化から前記検出用電極への被検出体の接近を判別する判別手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静電容量センサにおいて、第1の発振回路に設けられた検出用電極を、第1の発振回路の一部とコンデンサを介して接続したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の静電容量センサにおいて、第2の発振回路の回路方式を第1の発振回路の回路方式と同一にしたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の静電容量センサにおいて、第1の発振回路および第2の発振回路がそれぞれ発生する各信号波の発振波形をそれぞれ正弦波としたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静電容量センサにおいて、検出用電極に被検出体が接近しない状態における第1の発振回路の発振周波数を、第2の発振回路の固定された発振周波数と同一またはそれより低い発振周波数に設定したことを特徴とする。
請求項1に係る発明の静電容量センサにおいては、被検出体が検出用電極に接近するのに伴って検出用電極に静電容量が発生し、その発生した静電容量が、検出用電極が接続された第1の発振回路の発振コンデンサの静電容量の増加分となり、その静電容量の増加によって第1の発振回路の発振周波数が低下する。この低くなった第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の固定された発振周波数とを混合することによって発生する周波数差の絶対値を示す周波数をビート周波数と言う(その信号波形を以下では「ビート波形」と言う)が、ビート周波数は発振周波数より低い周波数となる。このビート周波数がビート周波数検出手段によって検出され、検出されたビート周波数の変化から検出用電極への被検出体の接近が判別手段により判別されて、被検出体が検出用電極に接近することが検出される。したがって、被検出体が検出用電極に接近していないときのビート周波数と、被検出体が検出用電極に接近したときのビート周波数とを比較することにより、検出用電極への被検出体の接近状態を正確に検知することができる。このように、第1の発振回路に接続された検出用電極に被検出体が接近したときに第1の発振回路の発振周波数が僅かに変化することを利用して被検出体の検出を行うようにするが、その発振周波数の極めて小さい変化そのものではなく、第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の発振周波数とを混合することによって発生する周波数差の絶対値を示すビート周波数、すなわち検出用電極への被検出体の接近に伴って変化した周波数を用い、その変化した周波数分だけが検出信号として取り出される。
したがって、この静電容量センサを使用すると、極めて小さい比誘電率の物体であっても高感度で安定して検出することができ、アースされた金属板等であればその接近を比較的長い検出距離で安定して検出することができる。また、第1の発振回路および第2の発振回路のそれぞれの回路方式を同一にすることにより、周囲温度等の使用環境の変化によって検出特性が影響を受けることが無くて信頼性の高いセンサを構成することが可能となり、さらに、マイクロコンピュータを用いなくても装置構成を可能にすることができる。
請求項2に係る発明の静電容量センサでは、検出用電極がそれと直列にコンデンサを介して第1の発振回路の発振コンデンサに接続されていることにより、検出用電極に対する被検出体の接近距離に反比例して変化する静電容量、特に検出用電極に被検出体が極めて接近したときの静電容量の急激な変化がなだらかになり、したがって第1の発振回路の発振周波数の変化がなだらかになる。このため、近距離の検出点から遠距離の検出点までにわたって検出信号がなだらかな出力変化となるので、検出用電極に対する被検出体の接近距離をより正確に検出することができる。
請求項3に係る発明の静電容量センサでは、第2の発振回路の回路方式が第1の発振回路の回路方式と同一であることにより、使用環境による影響を無くし、被検出体をより安定して正確に検出することができる。
すなわち、一般的に発振回路の発振周波数は、周囲温度の影響や電源投入後における時間の経過によるドリフトの影響を受け、第1の発振回路に接続された検出用電極への被検出体の接近とは関係なく僅かな変化を生じる。この発振周波数の変化は、発振回路の方式によりそれぞれ異なった特性を持つ。この静電容量センサでは、第2の発振回路の回路方式を第1の発振回路の回路方式と同一にしているので、第1の発振回路と第2の発振回路との間において、周波数変化特性の傾向が揃えられ相互に補正される。したがって、使用環境による影響を受けて被検出体の誤検出が発生する、といったことが避けられる。
請求項4に係る発明の静電容量センサでは、第1の発振回路および第2の発振回路がそれぞれ発生する各信号波の発振波形がそれぞれ正弦波とされていることにより、高調波を少なくすることができる。
ここで、第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の発振周波数とを混合したときに高調波が多く含まれると、センサの品質や信頼性に対し大きな影響が及ぼされるので、そのような影響が出るのを避けるためには、それら高調波を除去する必要がある。高調波の除去のためには、一般的に用いられるアクティブフィルタ回路等の追加が必要となり、回路の複雑化を招くだけでなく形状を大型化することも必要となり、装置の製作コストも非常に高くなる。この静電容量センサでは、高調波を少なくすることができるので、そのような問題点が無くなる。
請求項5に係る発明の静電容量センサでは、検出用電極に被検出体、例えばアースされた金属板が接近しない状態における第1の発振回路の発振周波数が、第2の発振回路の固定された発振周波数と同一またはそれより低い発振周波数に設定されていることにより、判別手段による金属板の接近の判別が簡易になる。
ここで、アースされた金属板が検出用電極に接近するのに伴って第1の発振回路の発振周波数は低くなるが、検出用電極に被検出体が接近しない状態における第1の発振回路の発振周波数が、第2の発振回路の発振周波数より高く設定されていると、第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の発振周波数との周波数差の絶対値を示すビート周波数(検出周波数)は、アースされた金属板が離間位置から検出用電極に接近するのに従って、次第に小さくなって一旦0(ゼロ)となった後、反転して上昇することになる。このため、検出周波数の変化による金属板接近の判別が複雑になる。この静電容量センサでは、検出用電極に金属板が接近しない状態における第1の発振回路の発振周波数が第2の発振回路の発振周波数と同一またはそれより低く設定されているので、検出周波数は、アースされた金属板が検出用電極に接近するのに従って上昇する一方であり、このため金属板接近の判別が簡易になる。
この発明の実施形態の1例を示し、静電容量センサの検出部の回路構成を示すブロック図である。 図1に示した検出部を含む静電容量センサの全体構成を示すブロック図である。 図1および図2に示した静電容量センサの構成要素の1つである第1の発振回路の構成の1例を示し、ハートレー発振回路の発振コンデンサに検出用電極を直接に接続した例を示す回路構成図である。 図1に示した検出部を構成する各回路からそれぞれ出力される信号波形を示す図である。 静電容量センサの一般的な構造例を示し、カバーを外した状態を背面側から見た平面図である。 図5に示した静電容量センサの縦断面図である。 図3に示した第1の発振回路のGNDと大地間の高周波結合を示す回路構成図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近した場合における発振周波数の変化を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近した場合における、金属板の接近距離と、第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の発振周波数との周波数差(絶対値)を示す検出周波数(ビート周波数)との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数と同一に設定された場合の、金属板の接近距離と検出周波数との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数より2,000Hzだけ低く設定された場合の、金属板の接近距離と検出周波数との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数より2,000Hzだけ高く設定された場合の、金属板の接近距離と検出周波数との関係を示す図である。 検出周波数と、1,000Hz=1,000mVのF/Vコンバータの出力電圧との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数と同一に設定された場合の、金属板の接近距離と、1,000Hz=1,000mVのF/Vコンバータにより変換された出力電圧との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数より2,000Hzだけ低く設定された場合の、金属板の接近距離と、1,000Hz=1,000mVのF/Vコンバータにより変換された出力電圧との関係を示す図である。 アースされた金属板が検出用電極に接近していない状態における第1の発振回路の発振周波数が、それと混合される第2の発振回路の発振周波数より2,000Hzだけ高く設定された場合の、金属板の接近距離と、1,000Hz=1,000mVのF/Vコンバータにより変換された出力電圧との関係を示す図である。 図1および図2に示した静電容量センサの構成要素の1つである第1の発振回路の構成の1例を示し、ハートレー発振回路の発振コンデンサにコンデンサを介して検出用電極を接続した例を示す回路構成図である。 第1の発振回路の発振コンデンサに検出用電極を直接に接続した場合、および、第1の発振回路の発振コンデンサに容量5pFのコンデンサを介して検出用電極を接続した場合の、検出用電極へのアースされた金属板の接近距離と第1の発振回路への入力容量との関係(金属板との接近距離が10mmで1pFの容量を発生したとき)をそれぞれ示す図である。
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
この静電容量センサは、図2に示すように、検出部10と判別回路部12とから構成され、検出部10は、図1に示すように、2つの発振回路14、16とビート周波数検出回路部18とを備えて構成されている。
2つの発振回路のうちの一方は、所定の発振周波数FDの信号波を発生させる第1の発振回路14である。第1の発振回路14は、LC発振回路あるいはCR発振回路やオペアンプを用いた帰還発振回路で構成され、その発振波形は、高調波分が少ない正弦波であることが好ましい。LC発振回路としては、一般的に良く知られているコルピッツ発振回路やハートレー発振回路が用いられる。この第1の発振回路14の一部に、被検出体、例えば比誘電率(εs)の小さい物体や大地にアースされた金属板との間の静電容量を検出するための検出用電極20が接続されている。図3に、第1の発振回路14をハートレー発振回路で構成した例を示しているが、検出用電極20は、発振コンデンサCAに接続されている。図3において(図16および図18においても)各符号は、Q:発振トランジスタ、R1:フィードバック抵抗、R2:バイアス抵抗、R3:負荷抵抗、CB:直流カットコンデンサ、CC:デカップリングコンデンサ、L:発振コイルをそれぞれ示す。
そして、検出用電極20は、その電極と大地間で発生した静電容量が発振コンデンサCAと並列となるように接続されていて、静電容量が増加すると発振コンデンサCAの容量が増加する。この結果、検出用電極20によって検出された静電容量の増加に従って、第1の発振回路14の発振周波数FDが低下することとなる。例えば、第1の発振回路14をLC発振回路で構成した場合において、発振コンデンサCAのキャパシタンス(容量)をC(F)、発振コイルLのインダクタンスをL(H)とすると、第1の発振回路14の発振周波数FD(Hz)は、数1に示す式で表される。この数式において、発振コンデンサCAの容量Cが大きくなるため、発振周波数FDが小さくなるのである。
Figure 2016130656
2つの発振回路のうちのもう一方は、第1の発振回路14と同一のまたは異なる固定された発振周波数FKの信号波を発生させる第2の発振回路16である。この第2の発振回路16は、その発振周波数FKが第1の発振回路14の発振周波数FDと混合されて、第1の発振回路14の発振周波数FDとの周波数差の絶対値を示すビート周波数を検出するために設けられる。この場合において、正弦波を発生する第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとを混合したときに含まれる高調波を少なくするためには、第2の発振回路16が発生する信号波の発振波形も正弦波とすることが好ましい。なお、第2の発振回路16を安価で簡易なインバータ発振回路を用いて構成することもできるが、インバータ発振回路には大きな高調波が含まれ、僅かな周波数変化を検出するためには、高調波に含まれる色々な周波数を排除しなければならない。このためには、複雑な周波数を処理するアクティブフィルタ回路等を必要とするので、回路構成が複雑化し、センサの製作コストも高くなる。したがって、第2の発振回路16が発生する信号波の発振波形は、これを正弦波とすることが好ましい。
また、一般的な容量の変化によって発振周波数を変化させることのできるLC発振回路やCR発振回路あるいはオペアンプを用いた帰還発振回路の発振周波数は、電源投入後における時間の経過によるドリフトや周囲温度の影響を受けて変化しやすい。さらにまた、静電容量センサにより、微小な比誘電率(εs)の物体を検出したりアースされた金属板の接近を比較的長い検出距離で検出するためには、微小な周波数の変化を安定して検出しなければならない。そこで、第2の発振回路16の回路方式は、これを第1の発振回路14と同一方式の発振回路とすることが好ましい。また、発振回路の発振周波数の変化は、発振回路に用いられるパーツの各種定数によってもそれぞれ異なった特性を持つので、第1の発振回路14と第2の発振回路16とで、パーツ定数もおよそ同一とすることが好ましい。さらに、第1の発振回路14および第2の発振回路16の各発振周波数も、凡そ同一の周波数に設定することが好ましく、その場合にはそれぞれ発振回路定数もほぼ同一となる。以上のような構成とすることにより、第1の発振回路14と第2の発振回路との間において、両者の発振周波数の混合によって周波数変化特性の傾向が揃えられ相互に補正されることとなる。この結果、温度の影響や電源投入後における時間の経過によるドリフトの影響を受けることが避けられ、検出用電極20への被検出体の接近によって生じる静電容量に従った周波数変化を捉え、信頼性の高い安定した高感度の検出信号を出力することができる。
ビート周波数検出回路部18は、第1の発振回路14から結合コンデンサ22を介して入力される発振周波数FDと第2の発振回路16から結合コンデンサ24を介して入力される発振周波数FKとを混合する混合回路26、この混合回路26から出力される信号波形を検波する検波回路28、この検波回路28から出力される信号波形を平滑化して高周波分を除去する平滑回路30、この平滑回路30から出力される信号波形を増幅する増幅回路32、および、この増幅回路32から出力される信号波形から、第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとの周波数差の絶対値を示すビート波形を作成する波形整形回路34から構成されている。なお、第1の発振回路14から出力される信号波形および第2の発振回路16から出力される信号波形をそれぞれ別々の検波回路で検波した後に混合し平滑化する回路構成とすることもできるが、半波波形での混合には、検波ダイオードの非直線特性やダイオードの順方向残留電圧等の影響もあって、混合後の波形には複雑な高調波が含まれることとなる。このため、混合後の信号波形を平滑化し大きな増幅率で増幅し直流パルスに変換して検出周波数とした場合に、高調波が影響して正確なビート周波数とすることが困難となる。そのような高調波の除去のためには、一般的に用いられるアクティブフィルタ回路等の追加が必要となり、回路の複雑化を招くだけでなく形状を大型化することも必要となり、センサの製作コストも非常に高くなる。したがって、この実施形態のように、第1の発振回路14から結合コンデンサ22を介して入力される発振周波数FDと第2の発振回路16から結合コンデンサ24を介して入力される発振周波数FKとを混合回路26で混合し、その後に検波回路28で検波し、続いて平滑回路30で平滑化し、結合コンデンサ42を介して増幅回路32で増幅し、波形整形回路34で波形を整形して検出周波数信号を得るような回路構成とすることが好ましい。
判別回路部12は、ビート周波数検出回路部18において第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとを混合して検出された周波数差の絶対値を示す検出周波数(ビート周波数)FMの変化から、検出用電極20への被検出体の接近を判別する。この判別回路部12は、ビート周波数検出回路部18によって検出された検出周波数FMを電圧に変換するF/Vコンバータ回路36を備えている。このF/Vコンバータ回路36から出力される電圧信号は、例えば、コンパレータ回路38において予め設定された電圧値と比較され、設定値以上の電圧、したがって設定値以上の検出周波数FMに変化しているときに、パワー増幅回路40を経て、被検出体の検出信号としてスイッチングされ、デジタル信号として出力される。あるいは、検出用電極20に対する被検出体の接近位置をアナログ的に感知し、センサの外部から自由にスイッチングレベルを制御したいような場合には、図2中に二点差線で示すように、F/Vコンバータ回路36から出力される電圧信号を直接に、被検出体の接近距離を示すアナログ信号として出力することもできる。
なお、ビート周波数検出回路部18から出力される検出周波数FMの変化を、マイクロコンピュータ等を用いてデータ処理することにより、検出用電極20への被検出体の接近を判別することも可能である。但し、静電容量センサを使用して被検出体の検出を行う場合には、高い検出応答スピードが要求されるが、マイクロコンピュータによる周波数変化の検出には長時間のステータスタイムを必要とするので、クロック周波数がかなり高いマイクロコンピュータを使用しても、検出応答スピードの速いセンサを製作することは非常に困難であり、またセンサの製作コストも非常に高価なものとなる。これに対し、F/Vコンバータは、周波数1サイクルごとに周波数を電圧に変換することができ、応答スピードの速い静電容量センサを製作することができるので、実施形態に示すように、F/Vコンバータ回路36を設けて検出周波数FMを電圧に変換する回路構成とすることが好ましい。
次に、上記したように構成された静電容量センサにおける処理動作や検出原理について具体的に説明する。
最初に、検出部10の各処理回路における信号処理について図4を参照しながら説明する。
検出部10の第1の発振回路14の出力側のA1点における信号波形を図4の(A1)に示し、第2の発振回路16の出力側のA2点における信号波形を図4の(A2)に示す。これらの第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとが、それぞれ結合コンデンサ22、24を介して混合回路26に入力されて混合されると、混合回路26の出力側のB点では、図4の(B)に示すように、ビート波形状で高周波の波高値が変化する信号波形が発生する。この信号波形を検波回路28で検波すると、検波回路28の出力側のC点において、図4の(C)に示すように、波高値が変化する高周波で構成される半波状の波形に加工された信号波となる。この加工された信号波形を平滑回路30で平滑化すると、平滑回路30の出力側のD点において、図4の(D)に示すように、高周波分が除去され低周波となった正弦波状の脈流波形の信号波が発生する。この脈流電圧信号は、直流バイアス電圧を含んでいるので、結合コンデンサ42を用いて直流分をカットし、増幅回路32で交流分のみを増幅すると、増幅回路32の出力側のE点において、図4の(E)に示すように、GNDからVCCまで変化する直流のパルス状波形が得られる。このパルス状波形には、僅かではあるが発振周波数の高周波分が含まれるので、パルス数を計数して被検出体の接近信号とするときに誤動作の要因となることを避けるために、波形整形回路34で波形整形して、波形整形回路34の出力側のF点において、図4の(F)に示すように、立上りおよび立下りの鋭いパルス波形の信号波とし、これを検出周波数として検出部10から出力している。
ところで、静電容量センサの一般的な構造としては、図5にカバーを外した状態を背面側から見た平面図を、図6に縦断面図をそれぞれ示しているように、前面側に検出面部44が形設されたケース46の内部に、検出面部44に沿うように検出用電極48が配設され、また、プリント基板50が収納されており、ケースの背面側の開口部がカバー52によって気密に閉塞されている。図5および図6中の符号54はO−リングであり、56は基板止めねじ、58は接続ケーブルである。このような構造の静電容量センサの検出面部44に被検出物が接触したりアースされた金属板等が接近したりすると、検出用電極48と大地間に静電容量が発生し、その発生した静電容量の変化が、プリント基板50に設けられた電子回路により電圧のデータに変換されて、接続ケーブル58を通して出力されることになる。
図1に示した静電容量センサの第1の発振回路14に説明を戻して、第1の発振回路14は、例えば発振周波数が数100kHz〜数1000kHzで発振波形が正弦波である信号波を発生させている。この第1の発振回路14に接続された検出用電極20に、所定の比誘電率を持つ物体が接触しあるいはアースされた金属板が接近すると、検出用電極20と大地間に静電容量が発生する。図7に示すように、静電容量センサの電源GNDは、電気配線の分布容量や電源回路の電源トランスTRの2次−1次間の巻線間結合容量を介して、1次側である商用電源AC側のアースを経由し、高周波的には大地に接続されている。したがって、検出用電極20と大地間に発生した静電容量は、およそ等価的に発振コンデンサCAの両端に接続されるため、検出用電極20と大地間に静電容量ΔCが発生すると、発振コンデンサCAの静電容量がΔCだけ増加したことになる。図7中の符号CXは、配線による大地との分布容量を示し、CYは巻線間結合容量を示す。
第1の発振回路14の上記発振状態において、検出用電極20に被検出体、例えばアースされた金属板60が接近していない状態における第1の発振回路14の発振周波数をFDとし、第1の発振回路14の発振コンデンサCAの容量をCA(F)とした場合において、発振周波数FDは、数2の式で表される。また、アースされた金属板60が検出用電極20に接近することによって、上述したように第1の発振回路14の発振コンデンサCAの容量がΔCだけ増加したとすると、第1の発振回路14の発振周波数FDは、数3の式で表される。そして、第1の発振回路14の発振周波数の変化ΔFは、FD−FDとなる。
Figure 2016130656
Figure 2016130656
例えば図8に示すように、アースされた金属板60が検出用電極20に接近していない状態における第1の発振回路14の発振周波数FDが1,000.00kHzであり、アースされた金属板60が検出用電極20の前面10mmまでの距離に接近した時点における第1の発振回路14の発振周波数FDが998.40kHzに低下したとすると、第1の発振回路14の発振周波数の下降分ΔFは、1.60kHzである。したがって、第1の発振回路14の発振周波数FD=1,000.00kHzに対する発振周波数の下降分ΔF=1.60kHzの比率は、(1.60÷1,000.00)×100%であるから、その変化率は0.16%に過ぎない。このため、第1の発振回路14の発振周波数の変化を直接に検出信号とすることは技術的にみて非常に困難である。また、一般的な発振回路においては、被検出体の有無に関係なく、センサが使用される周囲の温度変化によっても、上記変化率の数値程度の周波数の変化を避けることができない。
一方、アースされた金属板60が検出用電極20に接近していない状態における第1の発振回路14の発振周波数FDが1,000.00kHzで、第2の発振回路16の発振周波数FKが1,000.00kHzであった場合において、第1の発振回路14および第2の発振回路16からそれぞれ結合コンデンサ22、24を介して混合回路26に入力され混合されて発生するビート周波数FMは、第1の発振回路14の発振周波数と第2の発振回路16の発振周波数との間に差が無いので、およそ0Hzとなる。そして、アースされた金属板60が検出用電極20の前面10mmまでの距離に接近したときに、第1の発振回路14の発振周波数FD=998.40kHzと第2の発振回路16の固定された発振周波数FK=1,000.00kHzとを混合して発生するビート周波数FMは、第1の発振回路14の発振周波数と第2の発振回路16の発振周波数との周波数差(FD−FK)の絶対値であるΔF=1.60kHzとなる。このように、ビート周波数は、アースされた金属板60が検出用電極20に接近していない状態におけるおよそ0Hzから、アースされた金属板60が検出用電極20の前面10mmまでの距離に接近した時点における1.6kHzへと大きく変化することとなる。したがって、ビート周波数を検出周波数として出力信号とすることにより、信頼性の高い検出信号による処理が可能となる。なお、ビート周波数検出回路部18からは、第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとの周波数差の絶対値のみが検出周波数(ビート周波数)として出力されるので、アースされた金属板60が検出用電極20に接近するのに従って、第1の発振回路14の発振周波数FDは低下するが、検出周波数FMは増加することとなる。図9に、検出用電極20へのアースされた金属板60の接近距離に対する検出周波数の変化の状態を示す。
この静電容量センサにおいては、検出部10において上記したような信号処理を行い、第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとの周波数差の絶対値を示す検出周波数FMを得て、これを検出部10から出力するようにしている。したがって、例えば第2の発振回路16の固定された発振周波数FKを、アースされた金属板60が検出用電極20に接近しない状態における第1の発振回路14の発振周波数FDと同一周波数に設定しておくと、検出周波数FMは、アースされた金属板60が検出用電極20に接近していないときは0Hz近辺の周波数となり、金属板60が検出用電極20に接近することにより、検出周波数FMがΔFに増加することとなる。
図9に示したような検出周波数FMの変化は、そのままでは検出信号として制御用に用いることは非常に難しい。そこで、図2に示すように、判別回路部12のF/Vコンバータ回路36により、検出周波数FMの変化をアナログの電圧の変化に変換するようにしている(図14〜図16参照)。そして、F/Vコンバータ回路36から出力される電圧信号をコンパレータ回路38で所定の設定電圧と比較し、設定値以上の電圧の変化があったときに、被検出体の検出信号としてスイッチングさせデジタル信号として出力するなどしている。
次に、アースされた金属板が検出用電極20に接近しない状態における第1の発振回路14の発振周波数FDの設定値と、第2の発振回路16の固定された発振周波数FKとの大小関係による検出周波数および出力電圧の変化について説明する。
最初に、アースされた金属板が検出用電極20に接近していない待機状態においては、検出部10から出力される検出周波数(ビート周波数)FMと、第1の発振回路14の発振周波数FDおよび第2の発振回路16の発振周波数FK(一定値)との関係は、FM=FD−FK、FK=FD−FMとなる。次に、アースされた金属板が検出用電極20に接近したときは、第1の発振回路14の発振周波数FDがFDからΔFだけ増加した周波数となり(FD=FD+ΔF)、検出周波数FMと発振周波数FD、FKとの関係は、FM=FD−FK=FD+ΔF−FKとなる。FK=FD−FMであるから、FM=FD+ΔF−FD+FM=FM+ΔFとなる。
上記したように、アースされた金属板が検出用電極20に接近するとFM=FM+ΔFとなることから、検出周波数FMは、金属板が検出用電極20に接近していない待機状態における検出周波数FMから検出周波数分だけプラス側に増加することが分かる。ところが、実際に発生している検出周波数(ビート周波数)FMにはプラスやマイナスの波形が無く、絶対値の周波数が発生するだけである。したがって、アースされた金属板が検出用電極20に接近する場合において、第1の発振回路14の発振周波数FDと第2の発振回路16の発振周波数FKとが等しい(FD=FK)ときは、検出周波数FMがゼロからの変化となり、第1の発振回路14の発振周波数FDが第2の発振回路16の発振周波数FKより低い(FD<FK)ときは、検出周波数FMはプラス側に変化し、一方、第1の発振回路14の発振周波数FDが第2の発振回路の発振周波数FKより高い(FD>FK)ときは、検出周波数FMはマイナス側に変化することとなる。
すなわち、
1)FD=FKの場合、検出周波数FMは、周波数ゼロの状態からアースされた金属板の接近に伴ってΔFだけ増加した周波数となる。この条件における検出用電極20に対する金属板の距離と検出周波数との関係を図10に示す。
2)FD<FK(FD−FK=−2,000Hz)の場合、検出周波数FMは、待機状態のビート周波数FDとFKとの周波数差に相当する周波数からアースされた金属板の接近に伴ってΔFだけ加算された周波数に増加する。この条件における検出用電極20に対する金属板の距離と検出周波数との関係を図11に示す。
3)FD>FK(FD−FK=2,000Hz)の場合、検出周波数FMは、周波数FMの状態からアースされた金属板の接近に伴ってΔFだけ減算された周波数に減少した後、検出距離が約8.8mmでFD=FKとなると一旦ゼロとなり、さらに金属板が接近すると、検出周波数FMは増加に転じることとなる。この条件における検出用電極20に対する金属板の距離と検出周波数との関係を図12に示す。
FD>FKの場合には、図12から分かるように、アースされた金属板との各距離に対して検出周波数の値が1つだけにはならないため、金属板の検出信号を正常に出力することが難しい。この問題を避けるためには、金属板の接近していない待機状態における第1の発振回路14の発振周波数FDは、第2の発振回路16の発振周波数FKに対してFD≦FKとなるように設定することが望ましい。
一般的に、周波数の入力を電圧出力に変換するF/Vコンバータは、図13に検出周波数と出力電圧との関係を示すように、入力周波数と出力電圧とが比例するように設計されている。図10〜図12に示した金属板との距離と検出周波数との関係を、金属板との距離とF/Vコンバータ回路36の出力電圧との関係に変換したものを図14〜図16にそれぞれ示す。
以上、静電容量センサにおける処理動作や検出原理について説明したが、検出用電極20への被検出体の接近に伴って検出用電極20に発生する静電容量の値は、検出用電極20と被検出体との間の距離に反比例する。このことは、検出用電極20に被検出体が接近するのに連れて急激に静電容量が増加することを意味する。ところが、静電容量センサにおいて精密な検出点の設定や検出制御を簡易にするためには、使用検出距離範囲内において検出距離と検出出力とが可能な限り比例に近いスムーズでリニアな関係になることが望ましい。
検出用電極20の大きさにもよるが、例えば、アースされた金属板と検出用電極20との間の距離が10mmであるときに検出用電極20に発生する静電容量が1pFであったとすると、距離が1mmだけ変化して9mmとなったときに検出容量は1.1pFとなり、距離の変化1mmに対して容量は0.1pFだけしか変化しない。一方、アースされた金属板が検出用電極20に2mmの距離まで接近したときに検出用電極20に発生する静電容量は、5pFと急激に大きくなり、その検出点からさらに距離が1mmだけ変化して金属板が1mmの距離まで接近したときに検出容量は10pFとなり、距離の変化1mmに対して容量は5pFも変化することになる。このように、同じ1mmの距離の変化で、静電容量の変化率は約50倍も大きくなる。図3に示すように、第1の発振回路14の発振コンデンサCAに検出用電極20を直接に接続した場合の、検出用電極20へのアースされた金属板の接近距離と第1の発振回路14への入力容量との関係曲線を図18の実線Iに示す。
上記したような問題を解決して金属板との距離と第1の発振回路14への入力容量との関係曲線をなだらかにするためには、図17に示すように、第1の発振回路14の発振コンデンサCAに、例えば容量5pFのコンデンサCSを介して検出用電極20を接続するように回路構成するとよい。この場合において、検出用電極20によって検出される静電容量をΔCとし、第1の発振回路14に入力される静電容量をCDとすると、コンデンサの直列接続の計算式から、CD=(5×ΔC)÷(5+ΔC)となる。
したがって、上記した場合と同一の条件において、コンデンサCSに5pFのものを用いたとき、第1の発振回路14の発振コンデンサCAへの入力容量は、距離10mmにときに0.83pF、距離9mmのときに0.90pFと変化して、距離の変化1mmに対して容量は0.07pFだけ変化する。一方、アースされた金属板が検出用電極20により接近した場合における発振コンデンサCAへの入力容量の変化は、距離2mmのときに2.5pF、距離1mmのときに3.33pFとなり、距離の変化1mmに対して容量は0.83pFだけ変化する。このように、同じ1mmの距離の変化における静電容量の変化率は約12倍となり、変化率が約1/4に改善される。第1の発振回路14の発振コンデンサCAに容量5pFのコンデンサCSを介して検出用電極20を接続した場合の、検出用電極20へのアースされた金属板の接近距離と第1の発振回路14への入力容量との関係曲線を図18の破線IIに示す。
この発明に係る静電容量センサは、半導体シリコンウエハや絶縁体であるプラスチック成形品からなる物体等の有無を検出したり、アースされた金属板が電極に接近するときに金属板と電極間に発生する静電容量を利用して金属板の接近を検知したり、収穫された穀物や肥料など、非金属製の物体が持つ比誘電率に比例して発生する静電容量を検出してそれらの有無を検出したりする場合など、産業機械、工業、農業などの分野において広く利用されるものである。
10 検出部
12 判別回路部
14 第1の発振回路
16 第2の発振回路
18 ビート周波数検出回路部
20 検出用電極
22、24、42 結合コンデンサ
26 混合回路
28 検波回路
30 平滑回路
32 増幅回路
34 波形整形回路
36 F/Vコンバータ回路
38 コンパレータ回路
40 パワー増幅回路
60 アースされた金属板
CA 第1の発振回路の発振コンデンサ
CS コンデンサ

Claims (5)

  1. 発振回路の一部に検出用電極を接続し、発振回路を用いて検出用電極に被検出体が接近することを検出する静電容量センサにおいて、
    検出用電極が一部に接続され、その検出用電極への被検出体の接近に伴って検出用電極に発生する静電容量に従って発振周波数が変化する第1の発振回路と、
    前記検出用電極への被検出体の接近の有無に関係なく発振周波数が固定された第2の発振回路と、
    前記第1の発振回路の発振周波数と前記第2の発振回路の発振周波数とを混合して、前記検出用電極への被検出体の接近に伴って変化する第1の発振回路の発振周波数と第2の発振回路の固定された発振周波数との周波数差の絶対値を示すビート周波数を検出するビート周波数検出手段と、
    このビート周波数検出手段によって検出されたビート周波数の変化から前記検出用電極への被検出体の接近を判別する判別手段と、
    を備えたことを特徴とする静電容量センサ。
  2. 前記第1の発振回路に設けられた検出用電極は、第1の発振回路の一部とコンデンサを介して接続された請求項1に記載の静電容量センサ。
  3. 前記第2の発振回路の回路方式は、前記第1の発振回路の回路方式と同一である請求項1または請求項2に記載の静電容量センサ。
  4. 前記第1の発振回路および前記第2の発振回路がそれぞれ発生する各信号波の発振波形はそれぞれ正弦波である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の静電容量センサ。
  5. 前記検出用電極に被検出体が接近しない状態における前記第1の発振回路の発振周波数は、前記第2の発振回路の固定された発振周波数と同一またはそれより低い発振周波数に設定された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静電容量センサ。
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