JP2007142573A - 半導体デバイス、そのバイアス抵抗調整方法、および、電子機器 - Google Patents

半導体デバイス、そのバイアス抵抗調整方法、および、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】信号増幅手段に対するバイアス抵抗調整を、精度を高く迅速に行う。
【解決手段】本方法は、信号増幅手段(たとえばFET)の信号入力端子(ゲート)を介してトリマブル抵抗に接続され、トリマブル抵抗の値を見積もる際の誤差となる当該信号増幅手段のインピーダンス(Rgs)を、当該FETに所定の出力経路電流(ドレイン電流Id)を流した状態で測定し、その測定値を用いてトリマブル抵抗の目標値を決定する第1ステップ(ST701〜ST714)と、第1ステップで決定された目標値が得られるように、ドレイン電流IdをFETに流さない状態でトリマブル抵抗の抵抗値を調整する第2ステップ(ST715〜ST717)と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス、そのバイアス抵抗調整方法および電子機器に関するものである。本発明は特に、信号増幅手段と、その信号入力端子バイアスを決める直列抵抗部とを有する半導体デバイス、当該半導体デバイスを搭載した電子機器、ならびに、直列抵抗部の抵抗値を調整する半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法に関する。
無線送信機、特に、携帯電話用の送信部に用いられる電力増幅器では、信号増幅手段として、たとえば電界効果トランジスタが1段または多段接続されたものが用いられる。
図5に、最も簡単な構成例として、電界効果トランジスタを1つ備える電力増幅器の回路を示す。
図5に示す半導体デバイス101の信号増幅回路は、電界効果トランジスタ201ならびに4つの抵抗、すなわち第1ゲートバイアス抵抗R、第2ゲートバイアス抵抗(トリマブル抵抗)Rtrim、負荷抵抗としてのドレインバイアス抵抗Rfdおよびソースバイアス抵抗Rfsを有する。
電界効果トランジスタ201のゲートGに、信号入力端子302が接続されている。また、電界効果トランジスタ201のドレイン電極Dに、信号出力端子303が接続されている。
電界効果トランジスタ201のドレイン電極Dは、ドレインバイアス抵抗Rfdを介して電源電圧Vddの供給端子(以下、第1電源端子)301に接続され、ソース電極Sはソースバイアス抵抗Rfsを介して基準電圧、たとえば接地電圧の供給端子(以下、第2電源端子)401に接続されている。
第1ゲートバイアス抵抗Rは、信号入力端子302と第1電源端子301との間に接続され、トリマブル抵抗Rtrimは信号入力端子302と第2電源端子401との間に接続されている。
このように、電界効果トランジスタ201のゲート電極Gにゲート印加電圧を供給するための第1ゲートバイアス抵抗Rとトリマブル抵抗Rtrimが直列に接続されている。また、第1ゲートバイアス抵抗Rの一端はドレインバイアス抵抗Rfdに接続された電源電圧Vddの供給端子(第1電源端子)301に接続され、トリマブル抵抗Rtrimの一端はソースバイアス抵抗Rfsに接続された基準電圧の供給端子(第2電源端子)401に接続されている。
図5に示す電界効果トランジスタ201は、電力増幅度およびノイズ低減等の観点から最適な動作点が決められており、その動作点となるようにバイアスが設定される。通常、バイアス点は、ドレイン電流idにより規定される。
ここで、電界効果トランジスタのドレイン電流idの大きさは、ゲートとソース間の電圧VGSに依存し、飽和領域で以下の式(1)により表される。
Figure 2007142573
ここで、符号“gm”はトランスコンダクタンス、符号“Vth”は閾値電圧、を示している。
上記式(1)から明らかなように、電界効果トランジスタのドレイン電流idの大きさは、ゲートとソース間電圧VGSのみによって決定されるものではない。つまり、上記の閾値電圧Vthやトランスコンダクタンスgmは電界効果トランジスタの構造や製造過程により決定され、したがって、複数の電界効果トランジスタを同一の半導体基板上に形成した場合は各電界効果トランジスタにおいてばらつきが生ずる。しかも、電界効果トランジスタが形成される半導体基板が大口径化するほど製造が困難となるので、こういったばらつきが大きくなる。
さらに、閾値電圧Vthやトランスコンダクタンスgmは電界効果トランジスタの動作状況によっても変化する。例えば、大量のドレイン電流idが流れることによって、電界効果トランジスタが発熱するので、電界効果トランジスタを構成する半導体のキャリア濃度やキャリアの移動度が変化するため、閾値電圧Vthやトランスコンダクタンスgmが変化する。
したがって、各電界効果トランジスタの閾値電圧Vthやトランスコンダクタンスgmのばらつきによるドレイン電流idのばらつきを小さくし、また、電界効果トランジスタの動作時に正確なドレイン電流idが流れるように信号入力端子のバイアス調整を各電界効果トランジスタについて行わなければならない。
そこで、図5に示す電界効果トランジスタ201に接続されるトリマブル抵抗Rtrimの抵抗の大きさを調整することにより、同一半導体基板上に形成された複数の電界効果トランジスタ201のそれぞれについてドレイン電流idの大きさを正確かつ均一にすることが重要である。
すなわち、トリマブル抵抗Rtrimの抵抗の大きさを調整することにより、電界効果トランジスタ201のゲートとソース間電圧VGSを変化させて、各電界効果トランジスタ201が有する閾値電圧Vthやトランスコンダクタンスgmの値に応じて、所定のドレイン電流idが得られるようにゲートバイアスを設定することが必要である。
トリマブル抵抗Rtrimとしては、ボリューム式可変抵抗器もあるが、サイズが大きくなるという問題があるので、携帯電話用の送信部に用いられる電力増幅器では、レーザ照射によりトリミング可能な抵抗を用いる場合が多い。
レーザ照射によりトリミング可能な抵抗を用いる電力増幅器として、特許文献1に記載されているような、電圧分割型FET信号入力端子バイアス調整回路がある。ここで、レーザ照射によるトリマブル抵抗Rtrimのトリミングでは、トリマブル抵抗Rtrimを構成する薄膜抵抗にレーザを照射しその部分を絶縁体(もしくは高抵抗)に変異させる。
例えばトリマブル抵抗Rtrimを個別の部品として形成した場合は、図6で示すようなトリマブル抵抗500を使用する。
図6に示すトリマブル抵抗500は、端子501に挟まれた絶縁体503上に形成されている薄膜抵抗502を有し、薄膜抵抗502の表面に線状にレーザスポットが重複するように走査しながら、レーザ照射部504を形成する。このときレーザ照射部504は照射面から薄膜抵抗502の底部まで熱反応を起こして、その熱反応(溶解)を起こした部分が絶縁化(または高抵抗化)する。
このレーザ走査では、レーザ照射部504は線状となるので、薄膜抵抗502の電流経路505が屈折して長くなる。そのため、トリマブル抵抗500の抵抗は、レーザ照射部504の形成箇所が多いほど高くなる。
レーザ照射部504の長さ、本数および配置は、抵抗の調整範囲に応じて予め決められている。
なお、照射するレーザの波長が短いほどレーザスポットを小さく絞れるので、レーザ照射部504の長さを一層微妙に調整することができる。そのため、トリミングに使用するレーザの波長は1〜1.4[μm]とすることが多い。
このようなトリマブル抵抗を電界効果トランジスタと同一の半導体基板上に形成する技術も知られている。
この場合、半導体デバイスに光を照射したときの光励起現象が問題となる。つまり、レーザ光等、特に高い光子密度を持つ超短波のパルス光が半導体に照射されると、半導体中に瞬時に高密度の電子(および正孔)を光励起することになる。
ここで、図5で示す電界効果トランジスタ201とトリマブル抵抗Rtrimを含む回路を有する半導体デバイス101が一つの半導体基板上に形成されていることから、上記光励起により生じた電子(および正孔)によって、電界効果トランジスタ201の特性を変化させる場合がある。
たとえば、光励起により発生した多量の電子が電界効果トランジスタ201のソース及び/又はドレインの不純物領域の電位を変化させ、あるいは、チャネル電位を変化させることによって電界効果トランジスタ201の特性が変動する。この光励起による特性変動は一時的な現象で、レーザの照射を止めると数秒で電界効果トランジスタ201の特性が復帰する。具体的には、ドレイン電流id、これを規定するトランスコンダクタンスg、閾値電圧Vthおよびソースとドレイン間電圧VGSが、レーザ照射を止めてから数秒で元に復帰する。
ところが、トリミングのためのレーザ照射が頻繁に行われる場合は、個々の電界効果トランジスタ201のゲートバイアス調整時に、レーザ照射のたびにトランジスタ特性が復帰するまでの待ち時間をもたせなければならない。この待ち時間がない、あるいは、不十分だと、レーザトリミング中は定常状態(たとえば、デバイス完成後の実使用状態)と異なる状態でトリマブル抵抗の調整を行なうことになることから、光励起により生じた電子等の影響により、調整に誤差が生じる。
また、トランジスタ特性は温度特性を有し、光励起によって生じた電子のライフタイムが過ぎて、その影響がなくなった場合でも、温度が十分冷えるのを待つという観点から、待ち時間を長くする必要もある。
以上より、半導体デバイスの特性が完成品の規格内となるように、電流増幅素子のゲートバイアスを正確に調整するには、ゲートバイアス調整工程のタクトタイムが長くなり、調整コストが増大してしまう。
そこで、トリマブル抵抗のトリミングを行ってドレイン電流を調整する際に、レーザ照射の回数を可能な限り少なくする調整方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載されている調整方法は、いわゆる粗調整と微調整に調整フローを分けて、粗調整ではレーザ照射後の待ち時間を設けない、あるいは、設けても短くして、予め決められた、ある粗調整範囲に特性を速やかに収束させる。そして、その結果として、十分な待ち時間を持たせて行う微調整におけるレーザ照射回数を低減し、これによって、全体の調整時間を短くする。
この調整方法を適用すると、例えば図8のフローチャートに示すようなバイアス抵抗調整方法が考えられる。図8のフローチャートは電界効果トランジスタの温度特性変化を考慮した電圧分割型FETバイアス調整回路の調整フローを示すものである。なお、図8および以下の説明では“ステップ”を“ST”と略称する。
電界効果トランジスタに、所定のソースとドレイン間バイアス、および、ソースとゲート間バイアスを印加し(ST601)、その状態でドレイン電流Idを測定する(ST602)。そしてドレイン電流Idを、その目標値と比較し(ST603)、ドレイン電流Idが目標値を超えている場合は当該電界効果トランジスタについてはすでにドレイン電流Idの調整が不可能なので、調整作業を終了する(処理フローをST616に遷移)。
ドレイン電流Idが調整目標値に達していない場合は、トリマブル抵抗のレーザトリミングを行う(ST604〜ST606)。
より詳細には、トリマブル抵抗に必要な単位、たとえば1ショットのレーザ照射を行う。つぎに、ドレイン電流Idを測定し(ST605)、測定値を所定の割合、ここでは目標値の80%に到達したかを判断する(ST606)。ドレイン電流Idが目標値の所定の割合に到達していない場合は、ST607において、トリマブル抵抗のトリムエリアのすべてがレーザトリミングされていないことを確認し、レーザトリミングのレーザ照射場所をシフトし(ST608)、再度トリマブル抵抗のレーザトリミングを行う(ST604)。そして、トリマブル抵抗のトリムエリアのすべてがレーザトリミングされきれていない限り、ST604からST607を繰り返す。ここで“トリムエリア”とは、レーザ走査のプログラム上で予め決められている数、長さ、配置のレーザ照射部の総称である。
ただし、ドレイン電流Idが目標値の所定の割合(ここでは目標値の8割)に到達する前に、トリムエリアのすべてがトリミングされてしまった場合は、もはやそれ以上の調整は不可能となるので、その時点で調整終了する(処理フローをST616に遷移)。
上記レーザトリミングの結果、ドレイン電流Idが調標値の所定の割合に到達した場合は、ドレイン電流Idによる電界効果トランジスタの温度上昇が飽和するまで待ち時間を設け(ST609)、粗調整が終了する。
つぎに微調整においては、まず、トリマブル抵抗に所定の単位、たとえば1ショットでレーザ照射を行い(ST610)、前述した光励起による影響がなくなるのを数秒待つ待ち時間を経て(ST611A)、ドレイン電流Idの測定を行う(ST611)。
つぎのST612において測定値を調整目標と比較し、目標値に到達していない場合、粗調整の場合と同様に、トリムエリアの終了確認(ST613)とレーザ照射場所のシフト(ST614)とを経て、ST610からの処理を、目標値が得られるまで必要な回数繰り返す。
ST612で目標値が得られた場合、ST601で印加したバイアスを、ここで解除した後(ST615)、調整終了する(ST616)。
その後、測定対象を半導体基板(ウェハ)の次のデバイスへシフトさせる動作を行い(ST617)、図8に示すバイアス調整フローを、新たなデバイスに対して実行する。
このバイアス抵抗調整方法では、特許文献2に記載されているように、目標値の所定の割合を80%、90%、97%と次第に絞り込むようにすると、一層精密なドレイン電流のIdの調整が可能となる。
特開平10−41757号公報 特開2004−336696号公報
ところが、たとえば特許文献2に記載された技術、および、その技術を適用して詳細な手順を示す図8に示す方法では、レーザ照射ごとに、光励起の影響を排除するための待ち時間(図8ではST611A)を数秒とる必要がある。この時間は数秒と短いが、レーザ照射回数だけ必要なことからトータルでは長い時間となり、そのことがバイアス調整時間を長くする。
この光励起の影響を抑制するためには、図7に示すように、トリマブル抵抗(Rtrim)の形成領域と、電界効果トランジスタ(FET)の形成領域との距離dを長くすることで対処可能である。これによって、光励起の影響を排除するための待ち時間も多少短くできる。
ただし、このような対処方法は、チップ面積縮小の要請に反し、好ましくない。
また、光励起現象が発生しにくいように長波長のレーザを使用する方法、光の半導体基板への入射を遮断する方法も考えられる。
ただし、前者の方法ではトリミングの精度や安定性が低下し、後者の方法では光遮断のためのデバイス製造プロセスが必要でコスト増となるという不利益を有する。
特許文献2および図8の方法は、光励起の影響を排除するための待ち時間(図8のST611A)の合計時間を短くすることを目的として、その待ち時間が不要な粗調整(図8ではST604〜ST608)を設けている。つまり、粗調整後はドレイン電流Idが、たとえば調整値の80%とある程度狭い範囲に絞られているので、微調整のレーザ照射(ST610)の回数を少なくでき、その結果として、つぎの待ち時間(ST611A)の合計時間も短くできる。
ところが、レーザ照射ごとに待ち時間が不要な粗調整は比較的早く済むことから、通常、つぎのST609で、電界効果トランジスタの発熱が飽和して、実使用時と同等な定常状態となるまで待ち時間を設ける必要があり、これが全体のバイアス調整時間を長くする。
本発明が解決しようとする課題は、信号増幅手段に対するバイアス調整方法において、信号入力端子のバイアス抵抗のトリミング時においてトリミングの精度が高く、かつ、トリミングを迅速にすることである。
本発明の半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法は、信号増幅手段と、信号増幅手段の信号入力端子バイアスを決める複数の抵抗を直列接続させている直列抵抗部と、を半導体基板に有し、前記複数の抵抗の少なくとも一つがトリマブル抵抗であり、前記直列抵抗部の両端が前記信号増幅手段の出力側電源供給経路と非接続である半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法であって、前記信号増幅手段の信号入力端子を介して前記トリマブル抵抗に接続され、前記トリマブル抵抗の値を見積もる際の誤差となる当該信号増幅手段のインピーダンスを、当該信号増幅手段に所定の出力経路電流を流した状態で測定し、その測定値を用いてトリマブル抵抗の目標値を決定する第1ステップと、前記第1ステップで決定され、誤差を含まないトリマブル抵抗の前記目標値が得られるように、前記出力経路電流を前記信号増幅手段に流さない状態で前記トリマブル抵抗の抵抗値を調整する第2ステップとを含む。
本発明では好適に、前記第1ステップは、前記信号増幅手段の前記信号入力端子に加える電圧を調整することにより、出力経路電流を所定値に制御する電流制御ステップと、前記所定値の出力経路電流を流した状態で、前記インピーダンスを、前記制御後の出力経路電流の値を用いて求めるインピーダンス決定ステップと、前記求めたインピーダンスを用いて前記トリマブル抵抗の目標値を求める目標値決定ステップとを含む。
この場合、さらに好適に、前記電流制御ステップが、前記インピーダンス決定ステップに用いる前記制御後の出力経路電流の値を測定する電流確認ステップを、さらに含み、前記電流確認ステップの実行を、所定の待ち時間の経過を待って行う。
あるいは好適に、前記直列抵抗部に、前記トリマブル抵抗以外に固定抵抗を含む場合、前記目標値の算出に当該固定抵抗の値を用いるために、前記第1ステップに、前記固定抵抗の測定ステップをさらに含み、前記固定抵抗の測定ステップの直前に、前記出力経路電流をオフする。
本発明の半導体デバイスは、信号増幅手段と、信号増幅手段の信号入力端子バイアスを決める複数の抵抗を直列接続させている直列抵抗部とを半導体基板に有し、前記複数の抵抗の少なくとも一つがトリマブル抵抗であり、前記直列抵抗部の両端が前記信号増幅手段の出力側電源供給経路と非接続である。
本発明では好適に、前記半導体デバイスは、前記信号増幅手段にローレベルの電源電圧を供給する第1バイアス供給パッド、ハイレベルの電源電圧を供給する第2バイアス供給パッド、前記直列抵抗部の両端の一方に接続する第3バイアス供給パッド、他方に接続するおよび第4バイアス供給パッド、ならびに、信号入力パッドおよび信号出力パッドを有し、前記信号入力パッドが前記信号増幅手段の信号入力端子に電気的に接続され、前記第1および第2バイアス供給パッドは、前記第3および第4バイアス供給パッドと非接続であり、前記信号入力端子と前記第3バイアス供給パッド間の抵抗、前記信号入力端子と前記第4バイアス供給パッド間の抵抗の少なくとも一方が前記トリマブル抵抗である。
この場合、さらに好適に、前記第1〜第4バイアス供給パッド、ならびに、前記信号入力パッドおよび前記信号出力パッドの全てが、前記半導体基板の4辺中、対向する1対の辺側に配置されている。
本発明によれば、信号入力端子のバイアス抵抗のトリミング時においてトリミングの精度が高く、かつ、トリミングを迅速にすることが可能なバイアス抵抗調整方法を提供できる。
また、上記バイアス抵抗調整の適用が容易な構成を有する半導体デバイスおよび電子機器を提供できる。
本発明は、信号増幅手段を有する半導体デバイス、当該半導体デバイスを搭載した電子機器に広く適用できる。半導体デバイスの信号増幅手段としては、電界効果トランジスタ(FET)に代表される各種増幅素子が用いられる。
近年、アナログおよびディジタルの電力増幅素子としても電界効果トランジスタ(FET)が広く用いられるようになってきていることから、ここではFETの場合を例として、実施形態を説明する。入力された信号電流又は信号電圧の大きさに基づいて出力される電力の制御を行う電力増幅手段であればどのような形態のものについても適用することができる。かかる信号増幅手段では、信号を入力する信号入力端子を有し、出力側電源供給経路を通じて増幅されるべき電力に応じた出力が信号出力端子から出力される。本発明における電力供給手段の出力側電源供給経路とは、信号入力端子の信号に基づいて増幅して出力される電力の経路である。
例えば、信号増幅手段としてFETを使用した場合は、信号入力端子はゲート電極であり、増幅されるべき電力が出力される出力側電源供給経路は、FETのチャネルを経由したソース電極とドレイン電極の間となる。なお、FETの段数は任意であるが、ここでは、最も簡単な1段増幅の場合を例として説明する。複数段増幅の場合には、それぞれの段のバイアス回路に、あるいは、複数の段にバイアス電圧を供給するバイアス電圧供給回路にゲートバイアス調整のためのトリミングが可能な手段が設けられる。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体デバイスの構成の一例を示す回路図である。
図1に示す半導体デバイス1は、電界効果トランジスタ2と、電界効果トランジスタ2の信号入力端子バイアスを決める直列抵抗部を有している。そして、図1に示す半導体デバイス1では、直列抵抗部として二つの直列接続された抵抗のうち一つがトリマブル抵抗Rtrimでありもう一つが第1ゲートバイアス抵抗Repiとなっており、直列接続されたトリマブル抵抗Rtrimと第1ゲートバイアス抵抗Repiの両端が出力側電源供給経路を構成する電界効果トランジスタ2のソース電極S及びドレイン電極Dと非接続となっている。
ここで、電界効果トランジスタ2の信号入力端子には、直列接続されたトリマブル抵抗Rtrimと第1ゲートバイアス抵抗Repiとの接続点が接続する。このようにすることで、信号入力端子では、直列接続された二つの抵抗RtrimとRepiに加えられた電圧のうち、これらの抵抗RtrimとRepiの大きさにより分配された電圧がバイアスとして加わる。図1では直列接続されている抵抗はRtrimとRepiの2つであるが、2つ以上の複数の抵抗を直列接続させた直列抵抗部を含むものであれば形態は問わない。なお、2つ以上の直列接続された抵抗のうち少なくとも一つがトリマブル抵抗であれば、信号増幅手段の信号入力端子に接続された接続点における抵抗の調整ができる。したがって、以下のように信号増幅手段のバイアス抵抗の調整を行うことができる。
図1において、Hi側の端子3は直列抵抗RepiとRtrimのうち、抵抗Repiの側の端子であり、Lo側の端子4は抵抗Rtrimの側の端子である。ドレイン端子5は、電界効果トランジスタ2のドレイン電極D側に接続し、ソース端子6はソース電極S側に接続する。
また、電界効果トランジスタ2のドレイン電極D側に接続するドレイン端子5とソース電極S側に接続するソース端子6が設けられている。信号増幅手段としてFETを使用した場合は、ドレイン電極D側に接続するドレイン端子5にはハイレベルの電圧を供給し、ソース電極S側に接続するソース端子6にはローレベルの電圧を供給する。図1における半導体デバイス1の電界効果トランジスタ2のゲート電極Gには信号が入力されるが、信号を入力するために、直列接続された二つのトリマブル抵抗Rtrimと第1ゲートバイアス抵抗Repiとの接続点の箇所から引き出される配線の端に接続された信号入力端子が設けられる。信号入力端子に設けられた入力信号の電圧は、直列接続された二つの抵抗RtrimとRepiにより分配され、その分配されたバイアス電圧が電界効果トランジスタ2の信号入力端子と共通するゲート電極Gに加わる。また、バイアス電圧に応じた電界効果トランジスタ2の出力を取り出すために、図1において負荷(Load)と電界効果トランジスタのドレイン電極Dの接続点から、配線を引き出し、配線の先端に信号出力端子を設ける。
なお、図1に示す半導体デバイス1は回路図となっているが、実際は電界効果トランジスタ2と直列抵抗部Rは半導体基板上に形成されている。図2は図1に示す半導体デバイス1の回路図を実現するための各素子のレイアウトを示すものであるが、半導体基板上に、電界効果トランジスタ2と複数の直列に接続された第1ゲートバイアス抵抗Repiとトリマブル抵抗Rtrim(配線図示なし)が形成されている。
また、図2の各素子のレイアウトにおいては、電源電圧Vddの供給端子、GND端子、INPUT端子、OUTPUT端子が形成されている。
トリマブル抵抗Rtrimは、図6に示すように端子501に挟まれた絶縁体503上に形成されている薄膜抵抗502を有し、レーザ照射によりトリミング可能となっている。薄膜抵抗502上の表面にレーザを照射することにより、レーザ照射部504が形成され、照射面から薄膜抵抗502の底部まで熱反応を起こして、その熱反応(溶解)を起こした部分が絶縁化(または高抵抗化)する。薄膜抵抗502に絶縁化されたレーザ照射部504が形成されることにより、端子間501の電流経路が長くなり、端子間501の抵抗が増大する。したがって、レーザ照射部504の数や長さを変えることによりトリマブル抵抗Rtrimの抵抗値を調整することができる。
ここで、トリミングに使用されるレーザは波長が1〜1.4[μm]のダイオード励起方式のYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)レーザ、又は、YLF(イットリウム・リチウム・フッ化物結晶)レーザを使用している。
以上のような構成から半導体デバイス1を用いて、その調整方法を実施するためのフローを図3に示す。まず、電界効果トランジスタ2のドレイン端子5とソース端子6に電圧を印加する(ST701)。次に、電界効果トランジスタ2のゲート電極Gに電圧を加え、そのときのドレイン端子に流れるドレイン電流Idを測定する(ST702、ST703)。次に、測定されたドレイン電流Idが所定の範囲内にあるかを調べる(ST704)。ドレイン電流Idが所定の範囲内にない場合は、再度ST702に戻り、ゲート電極Gに加える電圧を調整し、そのときのドレイン電流Idを測定する(ST703)。
このように、電界効果トランジスタ1のゲート電極に加える電圧を調整することにより、ドレイン電流Idが所定の範囲となるように制御する電流制御のステップを設けることで、トリマブル抵抗Rtrimの目標値を決定する際の誤差要因となるゲート−ソース間のインピーダンスの測定が正確にできるようになる。また、電界効果トランジスタ2のゲート電極Gに加える電圧を調整するたびごとに、ドレイン電流を確認するステップ(ST704)を設けることで、トリマブル抵抗Rtrimの目標値を決定するのに必要なゲート−ソース間のインピーダンスを正確に求めていくことができる。
なお、半導体デバイス1の信号増幅手段が電界効果トランジスタ1でなくても、信号増幅手段のインピーダンスが、信号増幅手段の信号入力端子のバイアスを決定する直列抵抗部に含まれるトリマブル抵抗の目標値を決める際の誤差要因となるので、同様に電流制御のステップを設けることが必要である。また同様にして、電流制御ステップにおいて、信号増幅手段の出力側電源供給経路を流れる電流を逐次確認していくステップを設けることで、信号増幅手段のインピーダンスを正確に求めていくことができる。
測定されたドレイン電流Idが所定の範囲内にある場合は、ドレイン電流Idを流したままの状態でそのまま待ち時間を置き(ST705)、電界効果トランジスタ2の温度上昇を飽和させる。すなわち、電界効果トランジスタ2に限らず、信号増幅手段は出力側電源供給経路に電流を流す際は熱を発生するため、その熱による温度上昇が定常化するために、待ち時間をおくことが必要なのである。これにより、出力側電源供給経路に流れる電流が安定化し、その電流値に基づいた信号増幅手段のインピーダンスを正確に行うことができるようになる。
次に、電界効果トランジスタ2の温度上昇が飽和した状態のままで、再度ドレイン電流Idを測定、その値が所定範囲内にあるかを調べる(ST706、ST707)。このとき、ドレイン電流Idが所定範囲内に無い場合は、ゲート電極に加える電圧を調整して(ST708)、ドレイン電流Idが所定範囲に収まるようにする。
ドレイン電流Idが所定範囲に収まった場合は、そのドレイン電流Id値におけるゲート電極Gとソース電極Sの間に加わっている電圧VGSを測定し、その測定値を記憶する(ST709)とともに、ゲート電極Gとソース電極Sに流れる電流Igsを測定する(ST710)。測定されたVGSとIgsの値を用いて、ゲート電極Gとソース電極Sの間のインピーダンス、例えばゲート−ソース間抵抗Rgsを、Rgs=VGS/Igsの関係により計算する(ST711)。
ゲート電極Gとソース電極Sの間のインピーダンス、例えばゲート−ソース間抵抗Rgsは、2つの直列接続された抵抗RtrimとRepiにより分配された電界効果トランジスタ2に加えられるバイアス電圧を定める際に、トリマブル抵抗Rtrimの目標値を決定するのに必要なパラメータである。すなわち、電界効果トランジスタ2に加えられるバイアス電圧を定めるためのトリマブル抵抗Rtrimの目標値は、以下に説明する式のようにトリマブル抵抗Rtrimに接続された電界効果トランジスタ2のゲート−ソース間抵抗Rgsの影響をうけ、当該目標値を決定する際は、ゲート−ソース間抵抗Rgsを誤差要因として考慮しなければならない。そのため、トリマブル抵抗Rtrimの目標値を決定する際の誤差を取り除くため、電界効果トランジスタ2のゲート−ソース間抵抗Rgsの測定を前もって行う必要がある。
なお、信号増幅手段が電界効果トランジスタ2でなくても、信号増幅手段がその信号入力端子のバイアスを決定する直列抵抗部の配線の一部に含まれている以上、当該信号増幅手段のインピーダンスが、信号増幅手段の信号入力端子のバイアスを決定する直列抵抗部に含まれるトリマブル抵抗の目標値を決める際の誤差要因となる。したがって、そのような場合にも、トリマブル抵抗の目標値を決めるのに先立って、上記のようなインピーダンスを決定するステップのように、信号増幅手段のインピーダンスを信号増幅手段の出力側電源供給経路に電流を流した状態で測定しなければならない。
その後、ST701におけるドレイン端子とソース端子の間の電圧印加を解除し(ST712)、複数の抵抗Rのうち、トリマブル抵抗Rtrim以外の抵抗Rを測定する(ST713)。測定する抵抗Rは、図1において半導体基板を構成部分とする抵抗Repiである。抵抗Repiは、直列抵抗部に含まれるトリマブル抵抗Rtrim以外の固定抵抗である。そして、この抵抗の測定が必要なのは、トリマブル抵抗の目標値を決定する際に当該測定値を用いて計算するためである。また、ドレイン端子とソース端子の間の電圧印加を解除することで、電界効果トランジスタ2の温度上昇による、固定抵抗測定の誤差をなくす。
ゲート−ソース間抵抗Rgsと抵抗Repiがわかれば、決定すべきトリマブル抵抗Rtrimの抵抗値は以下の関係より算出することができる。
Figure 2007142573
(Vggは、信号入力端子バイアスを決める直列抵抗部のHi側(図1の符号3)の電圧であり、VggLはそのLo側(図1の符号4)の電圧である。)
以上の関係に基づき、決定すべきトリマブル抵抗Rtrimの抵抗値を算出する(ST714)。次に、こうして算出された抵抗値になるように、トリマブル抵抗Rtrimのトリミングを行う。トリマブル抵抗Rtrimのトリミングを行う場合は、まず、トリマブル抵抗Rtrimの抵抗値を測定する(ST715)。
そして、測定した抵抗値が算出されたトリマブル抵抗Rtrimの抵抗の目標値と同一になっているかを調べる(ST716)。測定した抵抗値が算出されたトリマブル抵抗Rtrimの抵抗値と同一でない場合は、図6に示すトリマブル抵抗Rtrimの薄膜抵抗502にレーザを1ショット照射し(ST717)、その箇所について照射面から薄膜抵抗502の底部までを絶縁化させる。
ST717のレーザショットの繰り返しにより、トリマブル抵抗Rtrimが算出された値に達した場合は、トリマブル抵抗Rtrimの調整を終了する(ST718)。そして、同一半導体基板上に他の調整すべきトリマブル抵抗がある場合は、そのトリマブル抵抗の抵抗値の調整をする(ST719)。
以上のように、本発明の半導体デバイスは、電界効果トランジスタの信号入力端子バイアスを決めるトリマブル抵抗を含む直列抵抗部Rの両端が電界効果トランジスタ2のソース電極S及びドレイン電極Dと非接続となっている。そのため、電界効果トランジスタの動作と切り離して、直列抵抗部Rの測定を行うことができる。ゆえに、直列抵抗部Rの抵抗の測定を高精度に行うことができ、トリマブル抵抗の目標値を誤差が発生すること無く正確に決定することができる。
さらに直列抵抗部Rの両端が電界効果トランジスタのソース電極S及びドレイン電極Dと非接続となっているので、電界効果トランジスタを動作させることなく、決定されたトリマブル抵抗を決定された目標値となるように調整することができる。そのため、トリマブル抵抗のトリミングをレーザ照射により行う場合であっても、動作中の電界効果トランジスタにレーザ光が半導体基板内を乱反射して電界効果トランジスタの構成部分に伝わり、その部分で光励起によってキャリアが発生しても、そのキャリアによる影響はない。特に、半導体デバイスを構成する素子同士を密集させた場合であっても、かかる影響は小さい。以上より、トリマブル抵抗を調整した後の電界効果トランジスタのドレイン電流は正確な値に設定される。
なお、信号増幅手段が電界効果トランジスタでなくても、本発明の半導体デバイスは、信号増幅手段の信号入力端子が複数の抵抗を直列接続させた直列抵抗部と接続する箇所がある。しかし、直列抵抗部の両端が、信号増幅手段の出力側電源供給経路と非接続であるため、直列抵抗部に含まれるトリマブル抵抗の測定を、信号増幅手段の出力側電源供給経路に電流を流さないで行うことができる。すなわち、トリマブル抵抗を調整する際において、信号増幅手段を動作させる必要が無いので、信号増幅手段はトリマブル抵抗の調整作業の影響をうけることがない。
また、本発明の半導体デバイスの調整方法では、電界効果トランジスタのドレイン電流が所定値を示す際のゲート電極とソース電極の間の抵抗を測定した後、そのままドレイン電流を流した状態で待ち時間を設ける工程が設けられている。すなわち、本発明の半導体デバイスの調整方法では、実際の電界効果トランジスタの動作状態に近い状態におけるドレイン電流を流した状態で待ち時間が設けられているので、待ち時間の間に電界効果トランジスタの発熱が定常化し、その特性が安定する。電界効果トランジスタの特性が安定した状態でトリマブル抵抗の目標値を決定することにより、正確なトリマブル抵抗の目標値を決定することができるようになる。
なお、ドレイン電流を流した状態で待ち時間を設ける工程は、従来の技術とは異なり、トリマブル抵抗のトリミングを行う際においては無い。そのため、トリマブル抵抗のトリミングを行う際は、電界効果トランジスタの発熱が安定化するのを待つ必要がなく、トリミングを迅速に行うことができる。
さらに、本発明の半導体デバイスの調整方法では、電界効果トランジスタのドレイン電流が所定値を示す際のゲート電極とソース電極の間の抵抗を測定し、その測定値を用いてトリマブル抵抗の目標値を決定する工程を設ける工程がある。この工程は測定器単独で実行ができ、トリマブル抵抗のトリミングを行う装置を使用する必要がない。したがって、この工程では同一の半導体基板上に複数の電界効果トランジスタと電界効果トランジスタの信号入力端子バイアスを決める直列抵抗部が形成された半導体デバイスについて、各電界効果トランジスタに接続するトリマブル抵抗の目標値の決定を同時に行うことができる。
各電界効果トランジスタに接続するトリマブル抵抗の目標値の決定を同時に行うことにより、結果的には同一の半導体基板上の各電界効果トランジスタに接続するトリマブル抵抗のトリミング処理の時間短縮を図ることができる。
各電界効果トランジスタに接続するトリマブル抵抗の目標値の決定を同時に行う場合の半導体デバイスの構成は図2に示す半導体デバイス1に代えて、図4(a)に示すような半導体デバイス1を用いる。本半導体デバイス1は、一つの電界効果トランジスタ2を単位とする半導体デバイス1−i(i:1〜n)を複数個横に並べたものである。ここで、1−iの半導体デバイスは、1段目と2段目の2段にわたって設けられている。
まず、1段目の複数個並べられた半導体デバイス1−iのうち一つの半導体デバイス1−1について説明する。すなわち、本半導体デバイス1−1では電界効果トランジスタ2のドレイン電極Dとソース電極Sに配線されるパッドをそれぞれ第1バイアス供給パッド7と第2バイアス供給パッド8とし、トリマブル抵抗Rtrimを含む直列接続された抵抗Rの両端のうちの一方に接続する側を第3バイアス供給パッド9とし、他方に接続する側を第4バイアス供給パッド10としている。なお、図1に示す半導体デバイス1と同様に図4(a)に示す半導体デバイス1−1は、直列接続された抵抗Rの両端は電界効果トランジスタ2のソース電極S及びドレイン電極Dと非接続となるようにする。
図4(a)に示す電界効果トランジスタ2と直列接続された抵抗Rとからなる半導体デバイス1−1を構成する半導体基板は、4つの辺からなる四角形をなし、そのうち、対向する2つの辺11,12がある。第1バイアス供給パッド7は辺11,12のうち一方の辺11の縁部に位置し、第2バイアス供給パッド8は他方の辺12の縁部に位置している。また、第3バイアス供給パッド9は辺11,12のうち一方の辺11の縁部に位置し、第4バイアス供給パッド10は他方の辺12の縁部に位置している。
以上の説明は、一つの電界効果トランジスタ2を単位とする半導体デバイス1−1についての説明であるが、すでに説明したように、辺11,12の間には一つの電界効果トランジスタ2を単位とする半導体デバイス1−iが多数個横に並べられることになる。多数個並べられた半導体デバイス1−iは、それぞれ第1バイアス供給パッド7、第2バイアス供給パッド8、第3バイアス供給パッド9、第4バイアス供給パッド10が備えられている。
なお、1段目に複数個並べられた半導体デバイスと同様の形態の半導体デバイスが2段目にも並べられている。
図4(a)に示す半導体デバイス1を用いて、各半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimを調整する方法を説明する。まず図4(b)に示すように、各半導体デバイス1−iの第1バイアス供給パッド7、第2バイアス供給パッド8、第3バイアス供給パッド9、第4バイアス供給パッド10に測定器のプローブ13を当てる。そして、すでに説明した図3に示すようなフローと同様にして、各半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimの目標値を算出する(ST701〜ST714)。
前段の段落で説明したように、トリマブル抵抗Rtrimの目標値を算出する際は、各半導体デバイス1−iのドレイン端子とソース端子にバイアスを加えた上で、ゲート端子にも電圧を加えなければならない。ところで、図4(a)に示す半導体デバイス1では、ドレイン電極Dとソース電極Sのパッドがそれぞれ第1バイアス供給パッド7と第2バイアス供給パッド8となっており、これらのパッドは対向する2辺11、12の側にそれぞれ配置されている。また、トリマブル抵抗Rtrimを含む直列接続された抵抗Rの両端のうちの一方に接続するほうを第3バイアス供給パッド9とし、他方に接続するほうを第4バイアス供給パッド10となっており、これらのパッドは対向する2辺11、12の側にそれぞれ配置されている。
そのため、図4(b)に示すように各半導体デバイス1−iのすべてについて同時に、パッドに当てられたプローブ13により、ドレイン端子とソース端子にバイアスを加えた上で、ゲート端子にも電圧を加えることができる。すなわち、第1バイアス供給パッドと前記第2バイアス供給パッド、及び前記第3バイアス供給パッドと前記第4バイアス供給パッドは半導体基板上の対向する2辺の側にそれぞれ配置されているので、各半導体デバイス1−iのパッドに当てられる測定器のプローブ13が他の半導体デバイス1−iのパッドに当てられるプローブ13とお互いに接触しないためである。
ここで、図4(a)に示すように、1段目の半導体デバイス1−iのパッドと同様に、2段目の半導体デバイス1−iの第1バイアス供給パッド7´、第2バイアス供給パッド8´、第3バイアス供給パッド9´、第4バイアス供給パッド10´も1断目と同様の配列がされている。また、1段目の半導体デバイス1−iの第2バイアス供給パッド8と2段目の半導体デバイス1−iの第1バイアス供給パッド7´は互いに突き合わされている。また、1段目の半導体デバイス1−iの第4のパッド10と2段目の半導体デバイス1−iの第1バイアス供給パッド9´も互いに突き合わされている。
そのため、図4(b)に示すように1段目の半導体デバイス1−iと2段目の半導体デバイス1−iのパッドに同時にプローブ13をお互い接触させることなく当てることができる。これにより、1段目の半導体デバイス1−iと2段目の半導体デバイス1−iについて同時に、ドレイン端子とソース端子にバイアスを加えた上で、ゲート端子にも電圧を加えることができる。
各半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimの目標値を算出した後、各半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimの一つ一つについて、目標値に基づいてトリミングを行う。トリミングは、図3に示すようなフローと同様である(ST715〜ST718)。すべての半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimのトリミングが終了後、各半導体デバイス1−iのトリマブル抵抗Rtrimの調整が完了する。
すべての半導体デバイス1−iについてのトリマブル抵抗Rtrimの調整が完了した後、電界効果トランジスタ2のドレイン電極Dに配線される第1バイアス供給パッド7と直列抵抗部Rの両端のうちの一方に接続する第3バイアス供給パッド9とを半導体デバイス1−iの外部の配線により接続する。かかる配線には、共通のバイアス供給路となる配線がさらに引き出される。また、電界効果トランジスタ2のソース電極Sに配線される第2バイアス供給パッド8と直列抵抗部Rの両端のうちの他方に接続する第4バイアス供給パッド10とを半導体デバイス1−iの外部の配線により接続する。同様にこの配線にも、共通のバイアス供給路となる配線がさらに引き出される。
このようにすることは、図1に示した半導体デバイスにおいて、Hi側の端子3とドレイン端子5とが電気的に接続され、また、Lo側の端子4とソース端子6とが電気的に接続されることである。このようにして配線を行った半導体デバイスは、図5に示した半導体デバイス101と等価な電子機器となる。ここで、上記の第1バイアス供給パッド7と第3のバイアス供給パッド9に接続された外部の配線から引き出された共通のバイアス供給路は図5に示した半導体デバイス101の電源端子301に相当し、第2バイアス供給パッド8と第4のバイアス供給パッド10に接続された外部の配線から引き出された共通のバイアス供給路は図5に示した半導体デバイス101の電源端子401に相当する。
図1に示した半導体デバイスは、トリマブル抵抗Rtrimを調整する前の、半導体デバイスであり、ゲートバイアス調整用の電源を電界効果トランジスタの駆動用の電源と共用化できない。しかし、上記のように、直列抵抗部と電界効果トランジスタとが、半導体デバイスの外部の配線により共通のバイアス供給路によって接続されることにより、半導体デバイスの電源を共用化し回路をコンパクトにした電子機器として使用することができる。
本発明の実施形態に係る半導体デバイスの回路図である。 半導体基板上に形成された半導体デバイスの素子のレイアウトを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る半導体デバイスの調整フローを示すものである。 (a)は半導体基板上に形成された半導体デバイスの素子のレイアウトを示す平面図であり、(b)は同半導体デバイスにプローブを当てた状態の平面図である。 従来技術に係る半導体デバイスの回路図である。 (a)はトリマブル抵抗の斜視図であり、(b)はトリマブル抵抗の上面図である。 半導体基板上に形成された半導体デバイスの素子のレイアウトを示す平面図である。 電圧分割型FETバイアス調整回路の調整フローを示すものである。
符号の説明
1…半導体デバイス、2…電界効果トランジスタ、3…Hi側の端子、4…Lo側の端子、5…ドレイン端子、6…ソース端子、7…第1バイアス供給パッド、8…第2バイアス供給パッド、9…第3バイアス供給パッド、10…第4バイアス供給パッド、11…辺、12…辺、13…プローブ

Claims (10)

  1. 信号増幅手段と、信号増幅手段の信号入力端子バイアスを決める複数の抵抗を直列接続させている直列抵抗部と、を半導体基板に有し、前記複数の抵抗の少なくとも一つがトリマブル抵抗であり、前記直列抵抗部の両端が前記信号増幅手段の出力側電源供給経路と非接続である半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法であって、
    前記信号増幅手段の信号入力端子を介して前記トリマブル抵抗に接続され、前記トリマブル抵抗の値を見積もる際の誤差となる当該信号増幅手段のインピーダンスを、当該信号増幅手段に所定の出力経路電流を流した状態で測定し、その測定値を用いてトリマブル抵抗の目標値を決定する第1ステップと、
    前記第1ステップで決定され、誤差を含まないトリマブル抵抗の前記目標値が得られるように、前記出力経路電流を前記信号増幅手段に流さない状態で前記トリマブル抵抗の抵抗値を調整する第2ステップと、
    を含む半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法。
  2. 前記第1ステップは、
    前記信号増幅手段の前記信号入力端子に加える電圧を調整することにより、出力経路電流を所定値に制御する電流制御ステップと、
    前記所定値の出力経路電流を流した状態で、前記インピーダンスを、前記制御後の出力経路電流の値を用いて求めるインピーダンス決定ステップと、
    前記求めたインピーダンスを用いて前記トリマブル抵抗の目標値を求める目標値決定ステップと、
    を含む請求項1に記載の半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法。
  3. 前記電流制御ステップが、前記インピーダンス決定ステップに用いる前記制御後の出力経路電流の値を測定する電流確認ステップを、さらに含み、
    前記電流確認ステップの実行を、所定の待ち時間の経過を待って行う
    請求項2に記載の半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法。
  4. 前記直列抵抗部に、前記トリマブル抵抗以外に固定抵抗を含む場合、前記目標値の算出に当該固定抵抗の値を用いるために、前記第1ステップに、前記固定抵抗の測定ステップを、さらに含み、
    前記固定抵抗の測定ステップの直前に、前記出力経路電流をオフする
    請求項2に記載の半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法。
  5. 前記トリマブル抵抗は熱反応により高抵抗化する材料の薄膜抵抗を備え、
    前記第2ステップにおいて、レーザ照射により前記薄膜抵抗を部分的に高抵抗化することによって前記トリマブル抵抗の抵抗値を調整する
    請求項1に記載の半導体デバイスのバイアス抵抗調整方法。
  6. 信号増幅手段と、
    信号増幅手段の信号入力端子バイアスを決める複数の抵抗を直列接続させている直列抵抗部と、
    を半導体基板に有し、
    前記複数の抵抗の少なくとも一つがトリマブル抵抗であり、
    前記直列抵抗部の両端が前記信号増幅手段の出力側電源供給経路と非接続である
    半導体デバイス。
  7. 前記トリマブル抵抗は、レーザ照射時の熱反応により高抵抗化する材料の薄膜抵抗を備える
    請求項6に記載の半導体デバイス。
  8. 前記半導体デバイスは、前記信号増幅手段にローレベルの電源電圧を供給する第1バイアス供給パッド、ハイレベルの電源電圧を供給する第2バイアス供給パッド、前記直列抵抗部の両端の一方に接続する第3バイアス供給パッド、他方に接続するおよび第4バイアス供給パッド、ならびに、信号入力パッドおよび信号出力パッドを有し、
    前記信号入力パッドが前記信号増幅手段の信号入力端子に電気的に接続され、
    前記第1および第2バイアス供給パッドは、前記第3および第4バイアス供給パッドと非接続であり、
    前記信号入力端子と前記第3バイアス供給パッド間の抵抗、前記信号入力端子と前記第4バイアス供給パッド間の抵抗の少なくとも一方が前記トリマブル抵抗である
    請求項6に記載の半導体デバイス。
  9. 前記第1〜第4バイアス供給パッド、ならびに、前記信号入力パッドおよび前記信号出力パッドの全てが、前記半導体基板の4辺中、対向する1対の辺側に配置されている
    請求項6に記載の半導体デバイス。
  10. 信号増幅用の半導体デバイスを搭載している電子機器であって、
    前記半導体デバイスは、
    信号増幅手段と、
    信号増幅手段の信号入力端子バイアスを決める複数の抵抗を直列接続させている直列抵抗部と、
    を半導体基板に有し、
    前記複数の抵抗の少なくとも一つがトリマブル抵抗であり、
    前記直列抵抗部の両端が、前記信号増幅手段の出力側電源供給経路と前記半導体デバイス内では非接続であり、
    前記直列抵抗部と前記信号増幅手段は、半導体デバイス外部の配線によって共通のバイアス供給路に接続されている
    電子機器。
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