JP2007142491A - 弾性表面波装置の製造方法及び弾性表面波装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数温度特性を改善し得るだけでなく、製造工程の簡略化を果たすことができ、かつコストを低減することが可能な弾性表面波フィルタ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電基板2上にIDT電極7b及び第1の配線パターン11を形成し、IDT電極7b及び第1の配線パターン11を覆うように絶縁膜10を形成し、IDT電極7bが形成されている部分上及び第1の配線パターン11の一部上に絶縁膜が残るように絶縁膜10をエッチングし、さらに第1の配線パターン11上に絶縁膜10が残存している部分において、第1の配線パターン11と接触しないように、第1の配線パターン11と異なる電位に接続される第2の配線パターン12を形成する各工程を備える弾性表面波装置の製造方法。
【選択図】図4
【解決手段】圧電基板2上にIDT電極7b及び第1の配線パターン11を形成し、IDT電極7b及び第1の配線パターン11を覆うように絶縁膜10を形成し、IDT電極7bが形成されている部分上及び第1の配線パターン11の一部上に絶縁膜が残るように絶縁膜10をエッチングし、さらに第1の配線パターン11上に絶縁膜10が残存している部分において、第1の配線パターン11と接触しないように、第1の配線パターン11と異なる電位に接続される第2の配線パターン12を形成する各工程を備える弾性表面波装置の製造方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、圧電基板上にIDT電極及び温度特性改善用のSiO2膜が形成されている弾性表面波装置及びその製造方法に関し、より詳細には、圧電基板上における配線パターンの形成工程及び配線パターンの構造が改良された弾性表面波装置の製造方法及び弾性表面波装置に関する。
携帯電話機では、送信側周波数帯と、受信側周波数帯とが近接している。他方、携帯電話のRF段の帯域フィルタとして弾性表面波フィルタが広く用いられている。送信側周波数帯と受信側周波数帯とが近接しているため、このような用途に用いられる弾性表面波フィルタでは、周波数温度特性が良好であること、特に温度による周波数特性の変化が小さいことが強く求められる。
そこで、例えば、下記の特許文献1には、SiO2からなる周波数温度特性改善膜を圧電基板上に形成した構造が開示されている。図7(a)に平面図で、及び図7(a)中のA−A線に沿う断面図である図7(b)に示すように、弾性表面波フィルタ101では、圧電基板102上に、IDT電極103及び反射器104,105が形成されている。そして、IDT電極103、反射器104,105を覆うようにSiO2からなる膜106が形成されている。
実際には、IDT電極103を外部と電気的に接続するために、SiO2膜の一部に開口を設け、開口において露出している電極部分をボンディングワイヤーなどにより外部と電気的に接続する必要がある。
他方、近年、弾性表面波フィルタ装置においても、回路構成が複雑化してきている。すなわち、減衰量の拡大を図ったり、平衡−不平衡変換機能を実現したりするために、複数の弾性表面波フィルタを接続したり、弾性表面波フィルタに弾性表面波共振子を接続したりした構成などが広く用いられている。
例えば、特許文献2には、図8に示す回路構成を有する弾性表面波フィルタ装置が開示されている。図8に示すように、弾性表面波フィルタ装置111では、不平衡端子112に並列に第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ113,114が接続されている。縦結合共振子型弾性表面波フィルタ113は、一端子対弾性表面波共振子115を介して平衡端子117に接続されている。他方、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ114は、一端子対弾性表面波共振子116を介して第2の平衡端子118に接続されている。
このような回路構成を実現する際に、特許文献2では、図9に模式的平面図で示す配線パターンが形成されている。すなわち、圧電基板121上に、上記不平衡端子112、第1,第2の平衡端子117,118、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ113,114及び一端子対弾性表面波共振子115,116が形成されており、これらが配線パターンにより接続されている。
ところで、配線パターンによる接続部分において、異なる電位に接続する配線パターン同士が交差する部分が存在する。例えば、図9において、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ113と一端子対弾性表面波共振子115とを電気的に接続している配線パターン122は、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ113の中央のIDTをグラウンド電位に接続する配線パターン123と交差しているが、配線パターン122,123間の短絡を防止するために、感光樹脂からなる絶縁層124が形成されている。
同様に、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ114と一端子対弾性表面波共振子116とを接続している配線パターン125と、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタの中央のIDTをアース電位に接続している配線パターン126も、感光樹脂よりなる絶縁層127を介して立体交差されている。
図10は、この立体交差部分を示す図9のB−B線に沿う断面図である。
図9から明らかなように、弾性表面波フィルタ装置111では、上記のように、アース電位に接続される配線パターン123,126や、弾性表面波フィルタと弾性表面波共振子とを電気的に接続する配線パターン122,125、不平衡端子や第1,第2の平衡端子と他の電極部分とを接続する配線パターンなどが存在し、圧電基板121上における配線パターンの構成が複雑化している。そのため、上記のような立体交差部分がいくつかの位置に設けられることになる。
特開2004−254291号公報
特開2004−282707号公報
上述のように、特許文献1に記載の弾性表面波フィルタでは、周波数温度特性を改善するために、圧電基板上においてIDT電極を覆うようにSiO2膜106が形成されていた。
これに対して、特許文献2に記載の弾性表面波フィルタ装置111では、圧電基板上の配線パターンが交差する部分、特に異なる電位に接続される配線パターンが交差する部分において、両者の短絡を防止するために絶縁層として、感光性樹脂からなる絶縁層124,127がフォトリソグラフィー法を用いて形成されていた。
従って、携帯電話機のRF段等に用いられる弾性表面波フィルタ装置では、周波数温度特性を改善するためにSiO2膜を形成しなければならず、かつ配線パターンが複雑化してきた場合には、SiO2膜とは別に、感光樹脂をパターニングすることにより、配線パターン間の短絡を防止するための絶縁層を形成しなければならなかった。そのため、弾性表面波装置の製造工程が煩雑となり、コストが高くつかざるを得なくなってきている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、パターン間の短絡を防止するための絶縁層が形成されている弾性表面波装置を比較的簡単な工程で容易に得ることを可能とする製造方法、並びにそのような弾性表面波装置を提供することにある。
本発明によれば、圧電基板上にIDT電極及び第1の配線パターンを形成する工程と、前記IDT電極及び第1の配線パターンを覆うように前記圧電基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記IDT電極が形成されている部分上及び前記第1の配線パターンの一部上に絶縁膜が残るように絶縁膜をエッチングする工程と、前記第1の配線パターン上に絶縁膜が残存している部分において、前記第1の配線パターンと接触しないように、第1の配線パターンと異なる電位に接続される第2の配線パターンを形成する工程とを備えることを特徴とする、弾性表面波装置の製造方法が提供される。
本発明に係る製造方法の他の特定の局面では、前記圧電基板上に、第3,第4の配線パターンを形成する工程と、前記絶縁膜を部分的エッチングして第4の配線パターンが部分的に露出している開口を形成する工程と、前記開口において前記第4の配線パターンが露出している部分に、電気的に接続されるように、かつ第3の配線パターンと前記絶縁膜を介して立体交差するように該絶縁膜上に至る第5の配線パターンを形成する工程がさらに備えられている。
本発明の製造方法では、好ましくは、上記絶縁膜としてSiO2膜が用いられる。
本発明に係る製造方法の他の特定の局面では、前記絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜である。
本発明に係る弾性表面波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されている第1の配線パターンと、前記IDT電極を覆うように、かつ前記第1の配線パターンの少なくとも一部を覆うように形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上において前記第1の配線パターンと立体交差するように設けられた第2の配線パターンとを備えることを特徴とする。
本発明に係る弾性表面波装置の他の特定の局面では、前記圧電基板上に形成された第3,第4の配線パターンをさらに備え、前記絶縁膜に開口が形成されており、開口内において第4の配線パターンが部分的に露出しており、露出している第4の配線パターン部分に電気的に接続されるように、かつ前記絶縁膜を介して下方に配置された第3の配線パターンと立体交差するように、該絶縁膜上に至っている第5の配線パターンがさらに備えられている。
本発明の弾性表面波装置では、好ましくは、上記絶縁膜としてSiO2膜が用いられる。
本発明に係る弾性表面波装置の他の特定の局面では、前記絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜である。
本発明に係る弾性表面波装置の製造方法によれば、IDT電極及び第1の配線パターンを形成した後に、IDT電極及び第1の配線パターンを覆うように絶縁膜が形成され、絶縁膜が、IDT電極が形成されている部分上及び第1の配線パターンの一部上に残るようにエッチングされる。そして、第1の配線パターン上に絶縁膜が残存している部分において、第1の配線パターンと接触しないように、第1の配線パターンと異なる電位に接続される第2の配線パターンが形成される。
従って、絶縁膜により周波数温度特性が改善され得るだけでなく、周波数温度特性を改善するための絶縁膜より、第1の配線パターンと第2の配線パターンとの接触が防止され、短絡等を確実に防止することができる。しかも、上記第1,第2の配線パターン間を絶縁するために、絶縁膜が形成され、絶縁膜としての絶縁膜を形成する同一工程において、上記第1,第2の配線パターン間の短絡を防止する絶縁層が形成されることになるため、感光樹脂などを用いた絶縁層を形成するための煩雑な工程を省略することができる。よって、製造工程の簡略化及び弾性表面波装置のコストの低減を図ることができる。
加えて、立体交差により配線パターンの構造を簡略することができるので、使用する圧電基板を小さくすることができ、従って、小型の弾性表面波装置を提供することが可能となる。
絶縁膜が部分エッチングにより形成された開口を有し、開口において第4の配線パターンが露出しており、第4の配線パターンが露出している部分に電気的に接続されるようにかつ絶縁膜上に至るように第5の配線パターンが形成されている場合には、第4の配線パターンを第5の配線パターンにより外部に引き出すことができる。また、第3の配線パターンと第5の配線パターンとの短絡を防止することができる。
上記絶縁膜は、種々の絶縁性材料から形成され得るが、SiO2膜を好適に用いることができる。SiO2膜を用いる場合、圧電基板が負の周波数温度係数を有する材料からなる場合、SiO2膜は正の周波数温度係数を有するため、周波数温度特性を改善することができる。
絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜である場合には、上記絶縁膜を用いて、弾性表面波装置の周波数温度特性を改善することができる。
本発明に係る弾性表面波装置では、圧電基板上にIDT電極と、IDT電極に電気的に接続されている第1の配線パターンと、IDT電極を覆うようにかつ第1の配線パターンの少なくとも一部を覆うように形成された絶縁膜と、絶縁膜上において第1の配線パターンと立体交差するように設けられた第2の配線パターンとを備える場合には、絶縁膜により周波数温度特性が改善され得るだけでなく、第1,第2の配線パターン間が絶縁膜により遮断されるため、第1,第2の配線パターン間の短絡を確実に防止することができる。そして、絶縁膜とは別に、第1,第2の配線パターン間の接触を防止する絶縁層を必要としないので、製造工程の簡略化及びコストの低減を果たすことができる。
絶縁膜に開口が形成されており、開口内において第4の配線パターンが部分的に露出しており、露出している第4の配線パターンに電気的に接続されるように、かつ絶縁膜上に至っている第5の配線パターンがさらに備えられている場合には、第5の配線パターンにより、IDT電極に接続されている第1の配線パターンを外部に引き出すことができる。また、第3の配線パターンと第5の配線パターンとの短絡を防止することができる。
上記絶縁膜は、種々の絶縁性材料から形成され得るが、SiO2膜を好適に用いることができる。SiO2膜を用いる場合、圧電基板が負の周波数温度係数を有する材料からなる場合、SiO2膜は正の周波数温度係数を有するため、周波数温度特性を改善することができる。
絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜である場合には、上記絶縁膜を用いて、弾性表面波装置の周波数温度特性を改善することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。弾性表面波フィルタ装置1は、圧電基板2を有する。圧電基板2としては、本実施形態では、LiTaO3またはLiNbO3などの圧電単結晶基板が用いられている。もっとも、圧電基板2は、圧電セラミックスにより構成されていてもよい。
しかしながら、LiTaO3やLiNbO3は負の周波数温度特性を有するため、後述のSiO2膜は正の周波数温度特性を有し、SiO2膜の形成により、周波数温度特性を改善し得るため、本実施形態では、好ましくは、LiTaO3やLiNbO3が圧電基板2を構成する材料として用いられる。
圧電基板2上には、不平衡端子3を構成する電極パッドと、第1,第2の平衡端子4,5を構成する電極パッドとが形成されている。
不平衡端子3に並列に、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6,7が接続されている。
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6は、一端子対弾性表面波共振子8を介して第1の平衡端子4に電気的に接続されている。他方、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ7は、一端子対弾性表面波共振子9を介して第2の平衡端子5に電気的に接続されている。
縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6と、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ7とは、位相が180°逆転されており、従って、弾性表面波フィルタ装置1は、平衡−不平衡変換機能を有する。
また、本実施形態の弾性表面波フィルタ装置1では、圧電基板2上の大部分の領域がSiO2膜10で被覆されている。SiO2膜10は、エッチングにより形成された開口10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10hを有する。
SiO2膜10は正の周波数温度特性を示す。従って、SiO2膜10を縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6,7のIDT電極6a〜6c,7a〜7c及び弾性表面波共振子8,9のIDT電極8a,9aを覆うように形成することにより、周波数温度特性を改善することができる。また、SiO2膜は温度特性改善用ではなく、周波数調整に用いる膜でもよい。
ところで、この種の弾性表面波フィルタ装置では、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6,7が複数のIDT電極6a〜6c,7a〜7cを有し、他方、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6,7は、弾性表面波共振子8,9に電気的に接続されている。従って、図示のように、複雑な電気的接続のための複数の配線パターンが形成されている。また、異なる電位に接続される一方の配線パターンと他方の配線パターンとは電気的に絶縁されねばならない。本実施形態の特徴は、この電気的絶縁が、上記SiO2膜10、すなわち周波数温度特性を改善するためのSiO2膜10を用いて行われていることにある。これを、図1の矢印C及びDで示す立体交差部分を代表して説明することにより明らかにする。
図2(a)は、矢印C,Dで示されている部分を取り出して示す部分拡大平面図であり、(b)は、図2(a)の矢印E,E線に沿う断面図である。
縦結合共振子型弾性表面波フィルタ7の中央のIDT電極7bの一端に第1の配線パターンとしての配線パターン11が電気的に接続されている。この配線パターン11は、図1に示されている電極パッド13に電気的に接続されている。電極パッド13はグラウンド電位に接続される電極パターンである。
他方、図1に示すように、IDT電極7a,7cの各一端が配線パターン12により共通接続されて、一端子対弾性表面波共振子9に電気的に接続されている。この配線パターン12が、第2の配線パターンに相当する。第2の配線パターン12は、SiO2膜10上に形成されている。他方、第1の配線パターンとしての配線パターン11は、図2(b)から明らかなように、IDT電極7bと同一高さ位置に、すなわちSiO2膜10の下方に形成されている。従って、異なる電位に接続される第1,第2の配線パターン11,12が、周波数温度特性を改善する機能を発現するSiO2膜10を間に介在されることにより、絶縁されている。
IDT電極7bの他方側の端部においては、SiO2膜10に後述するエッチングにより開口10bが形成されている。IDT電極7bの端部に接続されている配線パターン15、すなわち第4の配線パターンとしての配線パターン15は、開口10bに露出している。他方、開口10bにおいては、上記第4の配線パターン15が露出しているが、この配線パターン15が露出されている部分に電気的に接続されるように、配線パターン16が形成されている。配線パターン16は、本発明における第5の配線パターンに相当し、開口10b内から、SiO2膜10上に至るように設けられている。また、SiO2膜10を介して、第5の配線パターンとしての配線パターン16は、SiO2膜10の下方に配置されている第3の配線パターン17と立体交差し、かつ絶縁されている。なお、配線パターン16をはわせるSiO2膜部分の断面形状18は、配線パターン16の断線を防ぐために、テーパー形状とされていることが好ましい。第3の配線パターン17は、IDT電極7a,7cを共通接続し、グラウンド電位に電気的に接続するために設けられている。他方、第5の配線パターン16は、不平衡端子3にIDT電極7bの一端を電気的に接続する。従って、第5の配線パターン16と、第3の配線パターン17とは、異なる電位に接続される配線パターンであり、両者の間は、SiO2膜により電気的に絶縁されている。
また、上記のように、SiO2膜10を用いて、異なる電位に接続される配線パターン間が電気的に絶縁されているので、本実施形態では、電気的絶縁のための感光性樹脂層などを別途形成する必要がない。よって、製造工程の簡略化及びコストの低減を果たし得る。これを、具体的な製造方法の実施形態を説明することにより明らかにする。
この製造工程では、図2(a),(b)に示した部分を代表して図3及び図4を参照しつつ説明することとする。
まず、図3(a)に示すように、圧電基板2上に1層目の電極として、IDT電極7b及び配線パターン11,15,17を形成する。IDT電極7b及び配線パターン11,15,17を含む電極を構成する電極材料は特に限定されず、Al、Cu、Auまたはこれらの金属の合金などを用いることができる。また、電極は、単一の金属層により形成される必要は必ずしもなく、これらの金属からなる金属層に、さらに密着性等を高めるために、Ti層やNiCr層などを積層した積層金属膜により各電極を形成してもよい。
さらに、後述する2層目以降の配線パターン等を構成する電極についても、上記第1層目の電極と同じ電極材料を用いて形成することができる。
図3(a)に示すIDT電極7b及び配線パターン11,15,17は、上記のような金属材料を全面に成膜した後、フォトリソグラフィー法などによりパターニングすることにより形成される。もっとも、電極形成方法は特に限定されるものではない。
次に、図3(b)に示すように、圧電基板2上にSiO2膜10を全面に成膜する。SiO2膜の成膜は、蒸着またはスパッタリングなどの適宜の薄膜形成方法により行い得る。
次に、図3(c)に示すように、SiO2膜10上に、ポジ型のフォトレジスト層21を全面に形成する。しかる後、上記開口10bが形成される部分が開口部とされているマスクを用い、露光し、露光されたフォトレジスト層21を現像する。これによって、図3(d)に示すように、開口10bを形成する。しかる後、ドライエッチングプロセスにより、開口10bに露出しているSiO2膜部分を除去する。このようにして、図3(e)に示すように、開口10b内に配線パターン15の一部が露出されることになる。
次に、図4(a)に示すように、フォトレジスト層21を除去する。しかる後、図4(b)に示すように、ネガ型のフォトレジスト層22を全面に形成する。そして、電極を形成したい部分が遮蔽部とされているフォトマスクを用いて露光し、露光されていないレジスト部分を除去する。このようにして、図4(c)に示すように、電極を形成したい部分上において、フォトレジスト層22が除去される。
しかる後、図4(d)に示すように、2層目の電極を構成する電極材料を成膜する。この電極材料による成膜は、1層目の電極と同様に、蒸着またはスパッタリングなどの適宜の薄膜形成方法により行われ得る。そして、図4(e)に示すように、ネガ型のフォトレジスト層22を、その上面に形成されている電極材料とともにリフトオフする。その結果、上記弾性表面波装置1を得ることができる。
図3(a)〜(e)及び図4(a)〜(e)から明らかなように、本実施形態の製造方法では、フォトリソグラフィー法を用い、各種電極や配線パターンの形成以外の工程として、SiO2膜を形成しパターニングするだけでよい。すなわち、配線パターン間の電気的絶縁を図るために、別途、感光性樹脂層を成膜し、パターニングするといった煩雑な工程を省略することができる。
図5(a)〜(f)及び図6(a)〜(f)は、上記実施形態と同様の構造を従来法に従って得る工程を説明するための各部分正面断面図である。ここでは、理解を容易とするために、図3及び図4に示した上記実施形態の製造方法における各部分を示す参照番号に相当する部分については、上記参照番号に200を加えた参照番号で示すこととする。
まず、図5(a)に示すように、圧電基板202上に1層目の電極としてIDT電極207b及び配線パターン211,215,217を形成する。次に、図5(b)に示すように、SiO2膜210を形成し、図5(c)に示すように、上面にフォトレジスト層221を形成する。ここまでは、上記実施形態と同様である。
次に、図5(d)に示すように、フォトレジスト層221に露光し、現像することにより、フォトレジスト層221をパターニングする。すなわち、フォトレジスト層221Aと、フォトレジスト層が設けられていない領域が形成されることになる。次に、図5(e)に示すように、露出しているSiO2膜210を除去し、さらに、図5(f)に示すように、フォトレジスト層221Aを除去する。ここまでは、上記実施形態とほぼ同様である。
次に、図6(a)に示すように、感光性樹脂層231を全面に形成し、図6(b)に示すように、感光性樹脂層231Aを残す部分を除いて、感光性樹脂層231をフォトリソグラフィー法により除去する。この場合、図6(a)から(b)に示す状態に至るまでに、感光及び現像処理をする必要がある。
しかる後、図6(c)に示すように、またフォトレジスト層222を全面に形成した後、図6(d)に示すようにパターニングし、さらに2層目の電極材料を図6(e)に示すように全面に付与する。そして、リフトオフすることにより、図6(f)に示すように、配線パターン212,216が形成され、従来例の弾性表面波装置が得られる。ここでは、SiO2膜をパターニングするだけでなく、上記感光性樹脂層231を形成しパターニングする必要がある。従って、製造工程が煩雑にならざるを得ない。また、感光性樹脂層231を現像する際、そのための現像液を必要とする必要がある。この種の感光性樹脂は、通常現像に際し、アルカリ現像液を用いて現像する必要がある。従って、電極材料としてCuなどを用いた場合、電極の腐食が生じるおそれがある。
これに対して、上記実施形態では、上記のような感光性樹脂層の形成を必要としないため、電極をCuにより形成した場合であっても、すなわち腐食しやすい金属により電極を形成した場合であっても、電極の腐食が生じ難い。
1…弾性表面波フィルタ装置
2…圧電基板
3…不平衡端子
4,5…第1,第2の平衡端子
6…第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ
7…第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ
7a〜7c…IDT電極
8,9…一端子対弾性表面波共振子
10…SiO2膜
10a〜10h…開口
11…配線パターン
12…配線パターン
15…配線パターン
16…配線パターン
17…配線パターン
21…フォトレジスト層
22…フォトレジスト層
2…圧電基板
3…不平衡端子
4,5…第1,第2の平衡端子
6…第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ
7…第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ
7a〜7c…IDT電極
8,9…一端子対弾性表面波共振子
10…SiO2膜
10a〜10h…開口
11…配線パターン
12…配線パターン
15…配線パターン
16…配線パターン
17…配線パターン
21…フォトレジスト層
22…フォトレジスト層
Claims (8)
- 圧電基板上にIDT電極及び第1の配線パターンを形成する工程と、
前記IDT電極及び第1の配線パターンを覆うように前記圧電基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記IDT電極が形成されている部分上及び前記第1の配線パターンの一部上に絶縁膜が残るように絶縁膜をエッチングする工程と、
前記第1の配線パターン上に絶縁膜が残存している部分において、前記第1の配線パターンと接触しないように、第1の配線パターンと異なる電位に接続される第2の配線パターンを形成する工程とを備えることを特徴とする、弾性表面波装置の製造方法。 - 前記圧電基板上に、第3,第4の配線パターンを形成する工程と、前記絶縁膜を部分的エッチングして第4の配線パターンが部分的に露出している開口を形成する工程と、
前記開口において前記第4の配線パターンが露出している部分に、電気的に接続されるように、かつ第3の配線パターンと前記絶縁膜を介して立体交差するように該絶縁膜上に至るように、第5の配線パターンを形成する工程とをさらに備える、請求項1に記載の弾性表面波装置の製造方法。 - 前記絶縁膜がSiO2膜である、請求項1または2に記載の弾性表面波装置の製造方法。
- 前記絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性表面波装置の製造方法。
- 圧電基板と、
前記圧電基板上に形成された少なくとも1つのIDT電極と、
前記IDT電極に電気的に接続されている第1の配線パターンと、
前記IDT電極を覆うように、かつ前記第1の配線パターンの少なくとも一部を覆うように形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上において前記第1の配線パターンと立体交差するように設けられた第2の配線パターンとを備えることを特徴とする、弾性表面波装置。 - 前記圧電基板上に形成された第3,第4の配線パターンをさらに備え、前記絶縁膜に開口が形成されており、開口内において第4の配線パターンが部分的に露出しており、露出している第4の配線パターン部分に電気的に接続されるように、かつ前記絶縁膜を介して下方に配置された第3の配線パターンと立体交差するように、該絶縁膜上に至っている第5の配線パターンをさらに備える、請求項5に記載の弾性表面波装置。
- 前記絶縁膜がSiO2膜であり、請求項4または5に記載の弾性表面波装置。
- 前記絶縁膜が周波数温度特性改善用の膜であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の弾性表面波装置。
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