JP2007142110A - 半導体レーザモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光アイソレータ中の入射側偏光子の入射面で光検出部へ向けて反射されて分岐される分岐光が他の分岐光と干渉することがなく、レーザ光の特性に応じた電気信号の波長依存性を持たない検出を可能にする。
【解決手段】入射側偏光子21の入射面21a及び出射面21bは、非平行であるので、入射面21aで分岐される分岐光Aと出射面21bで分岐される分岐光B1との分岐方向を異ならせることができ、光検出部が受光する分岐光Aに対して他の分岐光B1,B2,B3,…が干渉することがなく、レーザ光の特性に応じた電気信号の波長依存性を持たない検出が可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光信号を送信する光送信器に用いられる半導体レーザモジュールに関し、特に、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信システムにおける光信号送信用に好適な半導体レーザモジュールに関するものである。
一般に、高密度WDM(DWDM:Dense WDM)通信の分野では、光信号の波長が長期に亘って安定していることが要求される。そのため、半導体レーザからの出射光の波長をモニタする波長モニタの機能をパッケージ内に設けた波長モニタ内蔵型モジュールが開発されている。たとえば、特許文献1に開示された半導体レーザモジュールは、DFBレーザ素子(分布帰還型半導体レーザ素子)の前端面から出射されるレーザ光を2分岐し、その一つを光アイソレータを介して出力用光ファイバに導く一方、他の一つの分岐光の一部を強度モニタ用受光素子及び波長モニタ用受光素子からなる波長モニタ部に導くこととしている。これにより、DFBレーザ素子の前端面から出射される光の信号に基づいた制御が可能となっている。
ところが、かかる特許文献1の方式では、DFBレーザ素子から出射されるレーザ光を分岐するためのビームスプリッタを要し、コスト高となるばかりでなく、光路長が長くなるので、半導体レーザモジュールの小型化が困難である。
この点、特許文献2では、アイソレータの入射側偏光子及び出射側偏光子で反射したレーザ光をモニタ光として利用している。特許文献2では、入射側偏光子での反射光を強度モニタに、出射側偏光子での反射光を波長モニタに、それぞれ利用している。
特開2002−185074号公報 米国特許第6400739号明細書
ここで、特許文献2のように、アイソレータの入射側偏光子又は出射側偏光子での反射光をモニタ光として用いる場合、図10に示すように、入射側偏光子100,ファラデー回転子101、出射側偏光子102及び磁石103を備えるアイソレータ104に関して、入射側偏光子100の入射面100a及び出射面100bでそれぞれ反射された分岐光A,Bが強度モニタ又は波長モニタに入射する。
しかしながら、入射面100aで反射されて分岐される分岐光Aと、出射面100bで反射されて分岐される分岐光Bとが同一方向に分岐され、位相の異なる分岐光A,Bの両方が強度モニタ又は波長モニタ用の光検出部によって受光されることとなる。このため、分岐光A,Bが干渉を生じ、光検出部で発生する信号が、図11に示すように波長依存性を持つものとなってしまう。このような波長依存性を持つ検出信号による場合、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の強度又は波長を精密に制御することができないという問題がある。また、入射側偏光子の厚さと傾斜角度を、分岐光A,Bが位相差を持たないように設定すれば波長依存性を回避し得るが、偏光子の厚さと傾斜角度との管理は面倒であり、かつ、変動しやすいものである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光アイソレータ中の入射側偏光子の入射面で光検出部へ向けて反射されて分岐される分岐光が出射面等で反射されて分岐される他の分岐光と干渉することがなく、レーザ光の特性に応じた電気信号の波長依存性を持たない検出が可能な半導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る半導体レーザモジュールは、前端面から直線偏光したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記レーザ光が中心軸に沿って入射する入射側偏光子、該入射側偏光子を経た前記レーザ光を出射させる出射側偏光子、及び前記入射側偏光子と前記出射側偏光子の間に配置され前記レーザ光の偏光方向を回転させるファラデー回転子を有する光アイソレータと、前記入射側偏光子で反射された前記レーザ光を受光し前記レーザ光の特性に応じた電気信号を出力する光検出部と、を有し、前記入射側偏光子の入射面及び出射面は、非平行で、かつ、前記レーザ光の入射光軸に対して傾斜していることを特徴とする。
請求項2に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記入射側偏光子の入射面及び出射面は、前記レーザ光の入射光軸に対する傾斜方向を異ならせて非平行に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記入射側偏光子は、前記入射面及び前記出射面が非平行となる楔形状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記入射側偏光子及び前記出射側偏光子は、同一形状からなり、前記中心軸上の一点に関して点対称に配置されていることを特徴とする。
請求項5に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光アイソレータ及び前記光検出部を主面上に搭載する基台を有することを特徴とする。
請求項6に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記入射側偏光子の前記入射面及び前記出射面は、前記主面に垂直であることを特徴とする。
請求項7に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光アイソレータは、前記入射側偏光子、前記ファラデー回転子、及び前記出射側偏光子を載置するベース板を有し、該ベース板が前記基台の前記主面上に固定されていることを特徴とする。
請求項8に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光検出部は、前記レーザ光の一部を受光し前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、前記レーザ光の一部が入射され波長に対して周期的な透過率特性を有するフィルタと、該フィルタを通過したレーザ光を受光し前記レーザ光の波長に応じた電気信号を出力する第2の受光素子とを有することを特徴とする。
請求項9に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記半導体レーザ素子の前記前端面から出射された前記レーザ光をコリメートし、前記入射側偏光子に向けて出射する第1のレンズを有することを特徴とする。
請求項10に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記光アイソレータを通過した光を集光する第2のレンズと、該第2のレンズによって集光されたレーザ光を受光する光ファイバとを有することを特徴とする。
請求項11に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記半導体レーザ素子は、単一縦モード半導体レーザ素子であることを特徴とする。
請求項12に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記半導体レーザ素子は、分布帰還型半導体レーザ素子であることを特徴とする。
請求項13に係る半導体レーザモジュールは、上記発明において、前記半導体レーザ素子は、複数の単一縦モード半導体レーザと半導体光増幅器と前記複数の単一縦モード半導体レーザの出力を前記半導体光増幅器に導く合波器とを集積してなるアレイ型半導体レーザ素子であることを特徴とする。
本発明に係る半導体レーザモジュールによれば、光アイソレータ中の入射側偏光子の入射面及び出射面は、レーザ光の入射光軸に対して傾斜しているので、これら入射面及び出射面で反射されて分岐される分岐光は入射光軸とは異なる方向に進行する。この際、該入射側偏光子の入射面及び出射面は、非平行であるので、入射面で反射されて分岐される分岐光と出射面で反射されて分岐される分岐光との分岐方向を異ならせることができ、光検出部が受光する分岐光に対して他の分岐光が干渉することがなく、レーザ光の特性に応じた電気信号の波長依存性を持たない検出を可能にすることができるという効果を奏する。
本発明の半導体レーザモジュールを実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
(実施の形態1)
図1−1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールM1を模式的に表した水平断面図であり、図1−2は、その縦断側面図である。図1−1及び図1−2に示すように、本実施の形態1に係る半導体レーザモジュールM1は、前端面から直線偏光したレーザ光LFを出射する半導体レーザ素子10と、レーザ光LFが入射する入射側偏光子21、該入射側偏光子21を経たレーザ光LFを出射させる出射側偏光子22、及び入射側偏光子21と出射側偏光子22の間に配置されレーザ光LFの偏光方向を回転させるファラデー回転子23を有してレーザ光LFを一方向(図1−1、図1−2においては右方向)にのみ通過させる光アイソレータ20と、入射側偏光子21で反射されたレーザ光LRを受光しレーザ光LFの特性に応じた電気信号を出力する光検出部30と、を備える。
半導体レーザ素子10は、いわゆるTEモードで直線偏光したレーザ光LFをその前端面(図1−1等における右側端面)から出力するものであり、本実施の形態1では、図1−1の紙面上下方向に直線偏光している。図2は、本実施の形態1の半導体レーザ10の構成例を模式的に示す平面図である。本実施の形態1の半導体レーザ10は、図2に示すように、それぞれ異なる波長のレーザ光を発するストライプ形状の複数の単一縦モード半導体レーザ11a,11b,…,11nと、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)12と、複数の単一縦モード半導体レーザ11a,11b,…,11nからそれぞれ個別の導波路13を介して出力されるレーザ光を半導体光増幅器12に導く合波器14とを同一基板15上に集積してなるアレイ型半導体レーザ素子として構成されている。よって、各単一縦モード半導体レーザ11a,11b,…,11nで発生し前端面から前方に出射されるレーザ光の強度は半導体光増幅器12に注入される電流によって調整される。ここで、単一縦モード半導体レーザ11a,11b,…,11nは、DFBレーザ素子(分布帰還型半導体レーザ素子)であっても、DBRレーザ素子(分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子)であってもよい。
また、半導体レーザ素子10は、LDキャリア16を介して基台31上に固定されている。この基台31は、光検出部30を主面31a上に載置させるためのものであり、電子冷却装置32上に固定されている。LDキャリア16上には、半導体レーザ素子10の近傍に位置させて、サーミスタ17が固定されている。サーミスタ17によって検出される温度に基づいて電子冷却装置32に供給する電流の大きさを調整することにより、半導体レーザ素子10の温度を変化させることで、レーザ光LFの波長を制御することが可能である。また、基台31上には、半導体レーザ素子10の前端面から出射されるレーザ光LFをコリメートする第1のレンズとしてのコリメートレンズ33が固定されている。
光検出部30は、レーザ光LFの強度検出のためのものであり、基台31の主面31a上において、半導体レーザ素子10の前端面から出射されコリメートされたレーザ光LFが、光アイソレータ20の入射側偏光子21の表面で反射し、この反射されたレーザ光LRが入射される位置に配置されている。ここで、光検出部30は、コリメートレンズ33を出射して光アイソレータ20に向かって伝搬するレーザ光LFを遮らないように配置される。したがって、光検出部30からは、半導体レーザ素子10の前端面から出射されたレーザ光LFの強度に応じた電気信号が得られる。
これら半導体レーザ素子10、光検出部30、基台31、電子冷却装置32、及びコリメートレンズ33は、パッケージ34内に収容され、その内部は気密に保たれている。
図3は、光アイソレータ20の構成例を示す水平断面図である。光アイソレータ20は、中心軸Cの周りに筒状(シリンドリカル)に形成され、中心軸Cが入射レーザ光LFの光軸と平行となるようにパッケージ34の外部に固定されたもので、ファラデー回転子23に直流磁界を印加する磁石24を備える。入射側偏光子21と出射側偏光子22は、光アイソレータ20の中心軸Cと交差するように設けられている。ここで、ファラデー回転子23は平行平板であるが、入射側偏光子21と出射側偏光子22は、図3に示すように、平面的に見て楔形状(左右対称の台形形状)に形成され、それぞれの入射面21a,22aと出射面21b,22bとが非平行とされている。また、本実施の形態1では、入射側偏光子21と出射側偏光子22は、同一形状で、中心軸C上の一点に関して点対称となる如く配置されている。すなわち、入射面21aと出射面22bとが平行で、出射面21bと入射面22aとが平行となるように配置されている。ファラデー回転子23の入出射面は、出射面21bと入射面22aとに平行に配置されている。また、入射面21a,22a及び出射面21b,22bは、いずれもレーザ光LFの光軸に対しては直交せず傾斜角度を持つように配置されている。
また、入射側偏光子21は、その通過偏光方向が、直線偏光されたレーザ光LFに対し、通過する光量が最大となるように、中心軸C周りでの位置合わせがなされている。本実施の形態1では、半導体レーザ素子10からの出射光の偏光方向は図1−1や図3の紙面上下方向であり、入射側偏光子21の通過偏光方向も、図3の紙面に平行となるように位置合わせされている。
また、光アイソレータ20の端部には、光アイソレータ20からの出射光を集光する第2のレンズとしての集光レンズ35、及びこの集光レンズ35によって集光されたレーザ光を受光して伝送する光ファイバ36が固定されている。
本実施の形態1に係る半導体レーザモジュールM1では、半導体レーザ素子10から出射されたレーザ光LFは、コリメートレンズ33によってコリメートされ、光アイソレータ20の入射側偏光子21に入射する。入射側偏光子21の通過偏光方向とレーザ光LFの偏光方向とは、ともにほぼ紙面に平行であるため、その大部分が光アイソレータ20を通過して集光レンズ35に入射し、集光されて光ファイバ36に結合する。光ファイバ36に結合したレーザ光は、その内部を伝搬し、所望の用途に供されることとなる。
一方、入射側偏光子21の入射面21aでは、図3に示すように、わずかながら反射されて分岐される分岐光Aが生ずる。ここで、入射面21aは、レーザ光LFの入射光軸(光アイソレータ20の中心軸C)に対して傾斜しているため、分岐光Aは、入射光軸に対してずれた方向に進行する。この分岐光Aは、基台31上に、レーザ光LFを遮らないように配置された光検出部30に入射する。光検出部30では、この分岐光Aを受光素子(フォトダイオード)で受光することにより強度に応じた電気信号が生成される。このようにして光検出部30において生成される電気信号及びサーミスタ17によって検出される温度に基づいて、半導体レーザモジュールM1の光ファイバ36に結合したレーザ光のレーザ光の強度を所望の値に制御し、波長を一定に制御すべく、半導体レーザ素子10の駆動電流、電子冷却装置32の電流が調整されることとなる。
ここで、入射側偏光子21の出射面21bやファラデー回転子23の入出射面並びに出射側偏光子22の入射面22aにおいても、図3に示すように、わずかながら反射されて分岐される他の分岐光B1,B2,B3,B4を生ずる。この際、出射面21bやファラデー回転子23の入出射面並びに出射側偏光子22の入射面22aは、レーザ光LFの入射光軸に対して傾斜しているため、他の分岐光B1,B2,B3,B4は、入射光軸に対してずれた方向に進行する。このため、他の分岐光B1,B2,B3,B4が半導体レーザ素子10に帰還しないようにすることができる。また、出射面21bやファラデー回転子23の入出射面並びに出射側偏光子22の入射面22aは、入射面21aと平行ではないため、他の分岐光B1,B2,B3,B4は、分岐光Aとは異なる方向に分岐される。よって、他の分岐光B1,B2,B3,B4が、光検出部30には入射しないようにすることができ、分岐光Aと他の分岐光B1,B2,B3,B4とが干渉しないようにすることができる。これにより、光検出部30で受光されて検出される検出値は、図4に示すように、波長依存性を有しない一定値となり、レーザ光の強度を精密に制御することができる。
このためにも、入射側偏光子21の入射面21aと出射面21b、或いはファラデー回転子23の入出射面、出射側偏光子22の入射面22aとのなす角度は、他の分岐光B1,B2,B3,B4が、光検出部30に入らない角度であればよい。より好ましくは、分岐光Aと他の分岐光B1,B2,B3,B4との分岐方向が入射光軸を挟んで異なる側に進行するように入射面21aと出射面21bは入射光軸に対する傾斜方向を異ならせるのがよい。
また、本実施の形態1では、入射側偏光子21と出射側偏光子22とが同一形状で中心軸C上の一点に関して点対称となるように配置されているので、光アイソレータ20における入射光と出射光との光軸が一致するため、組立て時の出射方向の調整が容易となる。
また、本実施の形態1では、入射側偏光子21と出射側偏光子22とが同一形状で中心軸C上の一点に関して点対称となるように配置されているので、出射側偏光子22の出射面22bで反射されて分岐される分岐光B5と入射側偏光子21の入射面21aで反射されて分岐される分岐光Aとの分岐方向は同一方向となる。しかしながら、出射側偏光子22の出射面22bで反射されて分岐される分岐光B5は、ファラデー回転子23により偏光方向が回転されて入射側偏光子21により遮断されるので、入射面21aからの分岐光Aと干渉を起こすことはない。
なお、本実施の形態1では、光検出部30として、レーザ強度に応じた電気信号を出力する受光素子のみを具備するものを使用している。しかし、光検出部30としては、半導体レーザモジュールM1の用途に応じて、波長に対して周期的な透過率特性を有するフィルタと、該フィルタを通過したレーザ光を受光しレーザ光の波長に応じた電気信号を出力する受光素子のみを具備するものであってもよいし、後述する実施の形態3の如く、レーザ光の一部を受光しレーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、レーザ光の一部が入射され波長に対して周期的な透過率特性を有するフィルタと、該フィルタを通過したレーザ光を受光しレーザ光の波長に応じた電気信号を出力する第2の受光素子とを有するものであってもよい。
次に、本実施の形態1の半導体レーザモジュールM1の製造方法について説明する。まず、基台31上に部品を配置する。すなわち、半導体レーザ素子10及びサーミスタ17がボンディング実装済みのLDキャリア16を基台31上に半田付けにより固定し、さらに、半導体レーザ素子10の前端面からの出射光路上にコリメートレンズ33を位置合わせして固定する。コリメートレンズ33の位置合わせは、半導体レーザ素子10を駆動した状態でコリメートレンズ33を配置し、これを通過したレーザ光の広がり角が最小となるような位置を決定し、固定する。次いで、パッケージ34の底部34aに電子冷却装置32を半田付けにより固定する。
この後、電子冷却装置32上に基台31をボンディング実装する。この際、半導体レーザ素子10を駆動しニアフィールドパターン(NFP)を観察しながら、レーザ光がパッケージ34の窓部34bの中心軸に沿って出射されるように基台31の半田付けを行う。
次いで、パッケージ34の窓部34bの外部に円筒状の光アイソレータ20を取り付ける。この際、光アイソレータ20を通過する光量が最大となるように光アイソレータ20を窓部34bの中心軸の周りで回転調芯し、YAGレーザ光照射により、その位置で光アイソレータ20をレーザ溶接する。さらに、光アイソレータ20の入射側偏光子21の入射面21aで反射されて分岐された分岐光Aの入射光量が最大となる位置に位置合わせして光検出部30を基台31上に半田付け固定する。
そして、不活性ガス雰囲気において、パッケージ34の上面にカバー34cを被せ、端部をシーム溶接する。これにより、パッケージ34の内部は気密封止される。最後に、光アイソレータ20の端部に集光レンズ35を固定し、続いて集光レンズ35からの出射光が集光される位置に光ファイバ36を位置合わせし、固定する。以上により、本実施の形態1の半導体レーザモジュールM1が完成する。
このように本実施の形態1の半導体レーザモジュールM1によれば、光アイソレータ20中の入射側偏光子21の入射面21a及び出射面21bは、レーザ光の入射光軸に対して傾斜しているので、これら入射面21a及び出射面21bで反射されて分岐される分岐光A,B1は入射光軸とは異なる方向に進行する。この際、該入射側偏光子21の入射面21a及び出射面21bは、非平行であるので、入射面21aで反射されて分岐される分岐光Aと出射面21bで反射されて分岐される分岐光B1との分岐方向を異ならせることができ、光検出部30が受光する分岐光Aに対して他の分岐光B1,B2,B3,…が干渉することがなく、レーザ光の特性に応じた電気信号の波長依存性を持たない検出が可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールM2について図5−1〜図6−2を参照して説明する。なお、本実施の形態2において、実施の形態1で示した部分と同一部分又は相当する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
図5−1は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールM2を模式的に表した水平断面図であり、図5−2は、その縦断側面図である。図5−1及び図5−2に示すように、本実施の形態2に係る半導体レーザモジュールM2は、円筒状の光アイソレータ20に代えて、平面実装型の光アイソレータ40が用いられている。
図6−1は、平面実装型の光アイソレータ40を模式的に表した平面図であり、図6−2は、光アイソレータ40の手前の磁石を省略して示す側面図である。光アイソレータ40は、入射側偏光子21、ファラデー回転子23及び出射側偏光子22を載置するベース板41を有し、このベース板41が、パッケージ34内において基台31の主面31a上に固定されている。ここで、半導体レーザ素子10からの出射光の偏光方向は、図5−1の紙面上下方向であり、入射側偏光子21の通過偏光方向も、図6−1の紙面に平行となるように設定されている。
次に、本実施の形態2の半導体レーザモジュールM2の製造方法について説明する。まず、基台31を電子冷却装置32上にボンディング固定するまでの工程は、実施の形態1の場合と同様に行う。光検出部30は、基台31に半田付けで固定する。そして、光検出部30に入射する分岐光Aが最大となるように光アイソレータ40を基台31の主面31a上で位置合わせを行い、YAGレーザ照射によりベース板41を基台31上にレーザ溶接する。後の工程は、実施の形態1の場合と同様に行えばよい。
このように、本実施の形態2の半導体レーザモジュールM2によれば、平面実装型の光アイソレータ40は、ベース板41に対して偏光子21の偏光方向が一定となっているため、偏光方向を半導体レーザ素子10の偏光方向と揃えておくことにより、組立て時に入射光軸周りの回転調芯を不要にすることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールM3について図7〜図9を参照して説明する。なお、本実施の形態3において、実施の形態2で示した部分と同一部分又は相当する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールM3を模式的に表した水平断面図である。図7に示すように、本実施の形態3に係る半導体レーザモジュールM3は、レーザ強度に応じた電気信号を出力する光検出部30に代えて、レーザ強度及びレーザ波長のそれぞれに応じた電気信号を出力する光検出部50が用いられている。
図8は、光アイソレータ40の入射側偏光子21の入射面21aで反射されたレーザ光LR(分岐光A)の光軸に沿った光検出部50の構成例を示す平面図である。図8に示すように、光検出部50は、レーザ光LR(分岐光A)の伝搬方向上流側から順に配置された、レーザ光LR(分岐光A)の一部を直接受光しその強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子としてのフォトダイオード51と、レーザ光LR(分岐光A)の一部が入射されるように配置されたフィルタとしてのエタロン52と、該エタロン52を通過したレーザ光を受光しその波長に応じた電気信号を出力する第2の受光素子としてのフォトダイオード53とを備える。
したがって、フォトダイオード51からは、半導体レーザ素子10の前端面から出射されたレーザ光LFの強度に応じた電気信号が得られる。また、エタロン52は、図9に実線で示すように、波長に対して周期的な透過率特性を有する。したがって、かかるエタロン52を通してレーザ光をフォトダイオード53で受光することにより、半導体レーザ素子10の前端面から出射されたレーザ光LFの波長に応じた電気信号が得られることになる。これにより、フォトダイオード51,53の受光比率が一定となるように設定しておき、半導体レーザ素子10の単一縦モード半導体レーザ11a,11b,…,11nが、DFBレーザ素子(分布帰還型半導体レーザ素子)の場合であれば、温度を調整し、DBRレーザ素子(分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子)の場合であれば、電流を調整することによって、波長の制御が可能となる。
次に、本実施の形態3の半導体レーザモジュールM3の製造方法について説明する。まず、光アイソレータ40を基台31上に固定するまでの工程は、実施の形態2の場合と同様に行う。そして、光検出部50の基台31上への固定に際しては、フォトダイオード53の検出出力をモニタしながら所望の光透過特性となるようにエタロン52をレーザ光LR(分岐光A)の光軸に対する傾き角度が適切となるよう、平面内で位置合わせする(図8中の円弧状矢印参照)。エタロン52の位置合わせによって透過率の波長特性を、たとえば図9中の破線に示すようにずらすことができる。位置合わせ後に、エタロン52を基台31上に固定する。後の工程は、実施の形態1,2の場合と同様に行えばよい。
このように、本実施の形態3の半導体レーザモジュールM3によれば、光検出部50中のエタロン52をレーザ光LR(分岐光A)の光軸に対する傾き角を調整して取り付けることにより、フォトダイオード53が検出する波長特性に対して所望の透過率特性を持たせることができ、精密な波長検出が可能となる。
なお、これら実施の形態1〜3では、半導体レーザ素子10として、アレイ型半導体レーザ素子を用いたが、半導体光増幅器12や合波器14を有しない単体のDFBレーザ素子(分布帰還型半導体レーザ素子)や、DBRレーザ素子(分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子)による単一縦モード半導体レーザ素子であってもよい。
また、これら実施の形態1〜3では、光アイソレータ20,40を、一対の偏光子21,22とファラデー回転子23との組合せからなる1段構成のもので説明したが、n+1枚の偏光子とn枚のファラデー回転子とを組合せてなる多段構成のものであってもよい。
本発明の実施の形態1に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した水平断面図である。 図1−1の縦断側面図である。 半導体レーザの構成例を模式的に示す平面図である。 光アイソレータの構成例を示す水平断面図である。 波長−検出値の関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した水平断面図である。 図5−1の縦断側面図である。 平面実装型の光アイソレータを模式的に表した平面図である。 光アイソレータの手前の磁石を省略して示す側面図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体レーザモジュールを模式的に表した水平断面図である。 図7において、入射面で反射されたレーザ光の光軸に沿った光検出部の構成例を示す平面図である。 エタロンの波長−透過率の関係を示す特性図である。 従来例の光アイソレータを模式的に表した平面図である。 従来の波長−検出値の関係を示す特性図である。
符号の説明
10 半導体レーザ素子
20 光アイソレータ
21 入射側偏光子
21a 入射面
21b 出射面
22 出射側偏光子
23 ファラデー回転子
30 光検出部
31 基台
31a 主面
33 コリメートレンズ
35 集光レンズ
36 光ファイバ
40 光アイソレータ
41 ベース板
50 光検出部
51 フォトダイオード
52 エタロン
53 フォトダイオード

Claims (13)

  1. 前端面から直線偏光したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
    前記レーザ光が中心軸に沿って入射する入射側偏光子、該入射側偏光子を経た前記レーザ光を出射させる出射側偏光子、及び前記入射側偏光子と前記出射側偏光子の間に配置され前記レーザ光の偏光方向を回転させるファラデー回転子を有する光アイソレータと、
    前記入射側偏光子で反射された前記レーザ光を受光し前記レーザ光の特性に応じた電気信号を出力する光検出部と、
    を有し、
    前記入射側偏光子の入射面及び出射面は、非平行で、かつ、前記レーザ光の入射光軸に対して傾斜していることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 前記入射側偏光子の入射面及び出射面は、前記レーザ光の入射光軸に対する傾斜方向を異ならせて非平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
  3. 前記入射側偏光子は、前記入射面及び前記出射面が非平行となる楔形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 前記入射側偏光子及び前記出射側偏光子は、同一形状からなり、前記中心軸上の一点に関して点対称に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  5. 前記光アイソレータ及び前記光検出部を主面上に搭載する基台を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  6. 前記入射側偏光子の前記入射面及び前記出射面は、前記主面に垂直であることを特徴とする請求項5に記載の半導体レーザモジュール。
  7. 前記光アイソレータは、前記入射側偏光子、前記ファラデー回転子、及び前記出射側偏光子を載置するベース板を有し、該ベース板が前記基台の前記主面上に固定されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体レーザモジュール。
  8. 前記光検出部は、前記レーザ光の一部を受光し前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、前記レーザ光の一部が入射され波長に対して周期的な透過率特性を有するフィルタと、該フィルタを通過したレーザ光を受光し前記レーザ光の波長に応じた電気信号を出力する第2の受光素子とを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  9. 前記半導体レーザ素子の前記前端面から出射された前記レーザ光をコリメートし、前記入射側偏光子に向けて出射する第1のレンズを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  10. 前記光アイソレータを通過した光を集光する第2のレンズと、該第2のレンズによって集光されたレーザ光を受光する光ファイバとを有することを特徴とする請求項9に記載の半導体レーザモジュール。
  11. 前記半導体レーザ素子は、単一縦モード半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  12. 前記半導体レーザ素子は、分布帰還型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  13. 前記半導体レーザ素子は、複数の単一縦モード半導体レーザと半導体光増幅器と前記複数の単一縦モード半導体レーザの出力を前記半導体光増幅器に導く合波器とを集積してなるアレイ型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
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