JP2007141954A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

Info

Publication number
JP2007141954A
JP2007141954A JP2005330411A JP2005330411A JP2007141954A JP 2007141954 A JP2007141954 A JP 2007141954A JP 2005330411 A JP2005330411 A JP 2005330411A JP 2005330411 A JP2005330411 A JP 2005330411A JP 2007141954 A JP2007141954 A JP 2007141954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
write
gaps
magnetoresistive effect
magnetic
random access
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005330411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4521354B2 (ja
Inventor
Takeshi Kajiyama
健 梶山
Kenichi Shimura
健一 志村
Masahisa Yoshikawa
将寿 吉川
Tomomasa Ueda
知正 上田
Tatsuya Kishi
達也 岸
Hisanori Aikawa
尚徳 相川
Toshihiko Nagase
俊彦 永瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
NEC Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, NEC Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2005330411A priority Critical patent/JP4521354B2/ja
Publication of JP2007141954A publication Critical patent/JP2007141954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4521354B2 publication Critical patent/JP4521354B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】MRAMの低電流化、微細化及び誤書き込み耐性の向上を図る。
【解決手段】本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、第1導電線14Aと、第1導電線14Aの側面を覆う第1ヨーク材14Bと、第1導電線14Aに交差する第2導電線16Aと、第2導電線16Aの側面を覆う第2ヨーク材16Bと、第1及び第2ヨーク材14B,16B間の複数のギャップと、垂直磁化膜から構成される第1フリー層を有し、第1フリー層の中心部が複数のギャップのうちの第1ギャップ内に配置される第1磁気抵抗効果素子12とを備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子(magneto-resistive element)をメモリセルとする磁気ランダムアクセスメモリメモリ(MRAM: magnetic random access memory)に関する。
磁気ランダムアクセスメモリは、次世代メモリとして注目されているが、その実用化にあたっては、書き込み電流の低減、セルサイズの縮小などの問題を解決しなければならない。
例えば、書き込み電流に関しては、その値が大き過ぎると、いわゆる半選択セルに対して書き込みディスターブが発生するため、小さな書き込み電流で選択セルの磁化反転を行う技術の開発が必要となる。
現段階では、書き込み電流の低減に関しては、セル形状の面、書き込み方式の面、さらには、配線構造の面から提案がなされている。
セル形状の面からは、十字形、そらまめ(bean)形、台形などの形状が提案されている。しかし、セル形状のみからのアプローチでは、書き込み電流の低減に関しては一定の効果が得られるものの、それのみで十分な誤書き込み耐性を得ることが難しい。
また、セル形状が複雑になると、その形状を安定して微細に形成することが難しくなるため、セルサイズの縮小にとって不利となる。
書き込み方式の面からは、トグル(toggle)や、スピン注入(spin-injection)などの方式が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかし、トグル方式に関しては、誤書き込み耐性については一定の効果が得られるものの、書き込み電流の低減が難しいという問題がある。さらに、スピン注入方式については、スピン注入電流(書き込み電流)の低減が難しいために、熱擾乱や、素子破壊などの問題が発生する。
配線構造の面からは、ヨーク(yoke)構造が提案されている。ヨーク構造とは、書き込み線の表面に軟磁性材料としてのヨーク材を付加した構造のことであり、書き込み電流の低減には一定の効果がある。
しかし、ヨーク構造を採用した場合、2本の書き込み線の交差部において磁場強度の強い部分と弱い部分が発生するため、磁気抵抗効果素子に効率的に磁場を印加することができない。
米国特許第6,545,906号明細書 米国特許第6,256,223号明細書
本発明の例では、書き込み電流の低減、セルサイズの縮小及び誤書き込み耐性の向上を実現できる磁気ランダムアクセスメモリについて提案する。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、第1導電線と、前記第1導電線の側面を覆う第1ヨーク材と、前記第1導電線に交差する第2導電線と、前記第2導電線の側面を覆う第2ヨーク材と、前記第1及び第2ヨーク材間の複数のギャップと、垂直磁化膜から構成される第1フリー層を有し、前記第1フリー層の中心部が前記複数のギャップのうちの第1ギャップ内に配置される第1磁気抵抗効果素子とを備える。
本発明の例によれば、磁気ランダムアクセスメモリにおいて、書き込み電流の低減、セルサイズの縮小及び誤書き込み耐性の向上を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例では、ヨーク構造の書き込み線に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)を用いて書き込みを行う。磁気抵抗効果素子は、2本の書き込み線を覆う軟磁性材料としてのヨーク材間のギャップ内に配置される。
また、このギャップでは、一方のヨーク材から他方のヨーク材に向かう方向の磁場(垂直磁場)が発生する。そこで、磁気抵抗効果素子は、磁化方向(磁化容易軸方向)が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜から構成する。
このような構成によれば、磁場強度が最も強くなるヨーク材間のギャップ内に磁気抵抗効果素子が配置されるため、書き込み電流の低減を実現できる。
また、ヨーク材間のギャップに発生する磁場は、一方のヨーク材から他方のヨーク材に向かう方向(例えば、上向き)と他方のヨーク材から一方のヨーク材に向かう方向(例えば、下向き)の2つのみとなる。
これを極と称すると、本発明の例では、極の向きに基づいて書き込みを行うことができるため、誤書き込み耐性を向上できる。
さらに、磁気抵抗効果素子は垂直磁化膜により構成されるため、その形状については、単純な形状、例えば、円形、四角形、十字形などを採用でき、セルサイズの縮小に貢献できる。
また、2本の書き込み線の交差部にはヨーク材間のギャップが4つ存在するため、1つの交差部に最大で4つの磁気抵抗効果素子を配置することができ、メモリセルの高密度化を実現できる。
2. 書き込み原理
まず、本発明の例に関わる書き込み原理について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間の4つのギャップ1,2,3,4に発生する垂直磁場の強度及び向きは、それぞれ、これら書き込み線(up),(down)に流れる書き込み電流Iw1,Iw2の向きに応じて決定される。
(1) CASE 1
CASE 1では、図1に示すように、書き込み線(up)に紙面右向きの書き込み電流Iw1が流れ、書き込み線(down)に紙面下向きの書き込み電流Iw2が流れるものとする。
書き込み線(up)に紙面右向きの書き込み電流Iw1が流れるとき、この書き込み電流Iw1により発生する磁場は、ギャップ1,3では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となり、ギャップ2,4では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となる。
また、書き込み線(down)に紙面下向きの書き込み電流Iw2が流れるとき、この書き込み電流Iw2により発生する磁場は、ギャップ1,4では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となり、ギャップ2,3では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となる。
従って、CASE 1では、ギャップ1に発生する磁場は、上向きの強い垂直磁場となり、ギャップ2に発生する磁場は、下向きの強い垂直磁場となる。また、残りのギャップ3,4に発生する磁場は、書き込み電流Iw1,Iw2により発生する磁場が互いに打ち消し合うため、零、又は、非常に弱い垂直磁場となる。
以上より、2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間のギャップ1,2に磁気抵抗効果素子を配置すれば、ギャップ1,2内の磁気抵抗効果素子に対してそれぞれデータを書き込むことができる。
CASE 1では、ギャップ1,2内の磁気抵抗効果素子をそれぞれリファレンスセルとして使用できる。
(2) CASE 2
CASE 2では、図2に示すように、書き込み線(up)に紙面左向きの書き込み電流Iw1が流れ、書き込み線(down)に紙面上向きの書き込み電流Iw2が流れるものとする。
書き込み線(up)に紙面左向きの書き込み電流Iw1が流れるとき、この書き込み電流Iw1により発生する磁場は、ギャップ1,3では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となり、ギャップ2,4では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となる。
また、書き込み線(down)に紙面上向きの書き込み電流Iw2が流れるとき、この書き込み電流Iw2により発生する磁場は、ギャップ1,4では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となり、ギャップ2,3では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となる。
従って、CASE 2では、ギャップ1に発生する磁場は、下向きの強い垂直磁場となり、ギャップ2に発生する磁場は、上向きの強い垂直磁場となる。また、残りのギャップ3,4に発生する磁場は、書き込み電流Iw1,Iw2により発生する磁場が互いに打ち消し合うため、零、又は、非常に弱い垂直磁場となる。
以上より、2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間のギャップ1,2に磁気抵抗効果素子を配置すれば、ギャップ1,2内の磁気抵抗効果素子に対してそれぞれデータを書き込むことができる。
CASE 2では、CASE 1と同様に、ギャップ1,2内の磁気抵抗効果素子をそれぞれリファレンスセルとして使用できる。
(3) CASE 3
CASE 3では、CASE 1とCASE 2を組み合わせて使用する。
この場合、ギャップ1に発生する磁場が上向きのとき、ギャップ2に発生する磁場は下向きとなり(図1)、逆に、ギャップ1に発生する磁場が下向きのとき、ギャップ2に発生する磁場は上向きとなる(図2)。
CASE 3では、ギャップ1内の磁気抵抗効果素子とギャップ2内の磁気抵抗効果素子には常に相補データが同時に記憶される。このため、例えば、一方をデータ記憶のためのデータセルとし、他方をリファレンスセルとして、読み出し安定性に優れた1ビット/2セルタイプのメモリセルを小面積で実現できる。
また、これに代えて、ギャップ1,2内の2つの磁気抵抗効果素子をレファレンス電圧の生成に使用することもできる。
(4) CASE 4
CASE 4では、図3に示すように、書き込み線(up)に紙面右向きの書き込み電流Iw1が流れ、書き込み線(down)に紙面上向きの書き込み電流Iw2が流れるものとする。
書き込み線(up)に紙面右向きの書き込み電流Iw1が流れるとき、この書き込み電流Iw1により発生する磁場は、ギャップ1,3では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となり、ギャップ2,4では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となる。
また、書き込み線(down)に紙面上向きの書き込み電流Iw2が流れるとき、この書き込み電流Iw2により発生する磁場は、ギャップ1,4では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となり、ギャップ2,3では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となる。
従って、CASE 4では、ギャップ3に発生する磁場は、上向きの強い垂直磁場となり、ギャップ4に発生する磁場は、下向きの強い垂直磁場となる。また、残りのギャップ1,2に発生する磁場は、書き込み電流Iw1,Iw2により発生する磁場が互いに打ち消し合うため、零、又は、非常に弱い垂直磁場となる。
以上より、2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間のギャップ3,4に磁気抵抗効果素子を配置すれば、ギャップ3,4内の磁気抵抗効果素子に対してそれぞれデータを書き込むことができる。
CASE 4では、ギャップ3,4内の磁気抵抗効果素子をそれぞれリファレンスセルとして使用できる。
(5) CASE 5
CASE 5では、図4に示すように、書き込み線(up)に紙面左向きの書き込み電流Iw1が流れ、書き込み線(down)に紙面下向きの書き込み電流Iw2が流れるものとする。
書き込み線(up)に紙面左向きの書き込み電流Iw1が流れるとき、この書き込み電流Iw1により発生する磁場は、ギャップ1,3では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となり、ギャップ2,4では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となる。
また、書き込み線(down)に紙面下向きの書き込み電流Iw2が流れるとき、この書き込み電流Iw2により発生する磁場は、ギャップ1,4では、紙面裏側から紙面表側に向かう方向(上向き)となり、ギャップ2,3では、紙面表側から紙面裏側に向かう方向(下向き)となる。
従って、CASE 5では、ギャップ3に発生する磁場は、下向きの強い垂直磁場となり、ギャップ4に発生する磁場は、上向きの強い垂直磁場となる。また、残りのギャップ1,2に発生する磁場は、書き込み電流Iw1,Iw2により発生する磁場が互いに打ち消し合うため、零、又は、非常に弱い垂直磁場となる。
以上より、2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間のギャップ3,4に磁気抵抗効果素子を配置すれば、ギャップ3,4内の磁気抵抗効果素子に対してそれぞれデータを書き込むことができる。
CASE 5では、CASE 4と同様に、ギャップ3,4内の磁気抵抗効果素子をそれぞれリファレンスセルとして使用できる。
(6) CASE 6
CASE 6では、CASE 4とCASE 5を組み合わせて使用する。
この場合、ギャップ3に発生する磁場が上向きのとき、ギャップ4に発生する磁場は下向きとなり(図3)、逆に、ギャップ3に発生する磁場が下向きのとき、ギャップ4に発生する磁場は上向きとなる(図4)。
CASE 6では、ギャップ3内の磁気抵抗効果素子とギャップ4内の磁気抵抗効果素子には常に相補データが同時に記憶される。このため、例えば、一方をデータ記憶のためのデータセルとし、他方をリファレンスセルとして、読み出し安定性に優れた1ビット/2セルタイプのメモリセルを小面積で実現できる。
また、これに代えて、ギャップ3,4内の2つの磁気抵抗効果素子をレファレンス電圧の生成に使用することもできる。
(7) CASE 7
CASE 7では、CASE 1, 2, 4, 5を組み合わせて使用する。
例えば、ギャップ1,3内に磁気抵抗効果素子を配置する場合、これら磁気抵抗効果素子に対して、それぞれ独立に2値データ(“0”/“1”)を書き込むことができる。
即ち、ギャップ1内の磁気抵抗効果素子に対しては、CASE 1(図1)及びCASE 2(図2)を利用して、ギャップ3内の磁気抵抗効果素子とは独立に書き込みを実行できる。また、ギャップ3内の磁気抵抗効果素子に対しては、CASE 3(図3)及びCASE 4(図4)を利用して、ギャップ1内の磁気抵抗効果素子とは独立に書き込みを実行できる。
同様に、例えば、ギャップ2,4内に磁気抵抗効果素子を配置する場合、これら磁気抵抗効果素子に対しても、それぞれ独立に2値データを書き込むことができる。
即ち、ギャップ2内の磁気抵抗効果素子に対しては、CASE 1(図1)及びCASE 2(図2)を利用して、ギャップ4内の磁気抵抗効果素子とは独立に書き込みを実行できる。また、ギャップ4内の磁気抵抗効果素子に対しては、CASE 3(図3)及びCASE 4(図4)を利用して、ギャップ2内の磁気抵抗効果素子とは独立に書き込みを実行できる。
(8) CASE 8
CASE 8では、CASE 1〜CASE 7の全てを組み合わせて使用する。
2本の書き込み線(up),(down)の交差部におけるヨーク材間の4つのギャップ1,2,3,4の全てに磁気抵抗効果素子を配置する。
この場合、1つの交差部には、1ビット/2セルタイプのメモリセルが2つ配置されることになる。つまり、1つの交差部に配置された4つの磁気抵抗効果素子により2ビットデータを記憶できる。
2. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
(1) 回路例
図5は、本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリの回路例を示している。
メモリセルアレイ10は、アレイ状に配置される複数のメモリセル11から構成される。また、メモリセル11は、例えば、直列接続される磁気抵抗効果素子12と選択素子13とから構成される。磁気抵抗効果素子12は、例えば、MTJ(magnetic tunnel junction)素子から構成され、選択素子13は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。
磁気抵抗効果素子12の一端は、例えば、カラム方向に延びる書き込みビット線(write bit line)14に接続される。書き込みビット線14の一端は、書き込みドライバ/シンカー15Aに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー15B接続される。
書き込みドライバ/シンカー15A,15Bは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー15A,15Bは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みビット線14に流れる書き込み電流の向きを決定する。
書き込みビット線14は、読み出しビット線としても機能する。
書き込みビット線14の他端は、選択素子20を経由して、センスアンプ21に接続される。
選択素子20は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。選択素子20としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートには、読み出し時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択するためのカラム選択信号φCSLが入力される。
センスアンプ21は、例えば、差動増幅器から構成され、リファレンス電圧Vrefに基づいて、選択されたメモリセル11から読み出されるデータの値を判定し、出力信号Voutを出力する。
磁気抵抗効果素子12の近傍には、例えば、ロウ方向に延びる書き込みワード線(write word line)16が配置される。書き込みワード線16の一端は、書き込みドライバ/シンカー17Aに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー17B接続される。
書き込みドライバ/シンカー17A,17Bは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのロウを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17A,17Bは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを決定する。
磁気抵抗効果素子12の磁化方向は、書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁場と、書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場との合成磁場により決定される。
磁気抵抗効果素子12の他端は、選択素子13を経由して、例えば、接地端子Vssに接続される。
選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線18に接続される。読み出しワード線18は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、読み出し時にメモリセルアレイ10内の1つのロウを選択するためのロウデコーダ19に接続される。
(2) メモリセルの例
図6は、図5のメモリセル11のデバイス構造の例を示している。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。
P型シリコン基板 (P-sub)22A内には、N型ウェル領域 (N-well)22B及びP型ウェル領域 (P-well)22Cからなるダブルウェル領域が形成される。
P型ウェル領域22C内には、STI(shallow trench isolation)構造の素子分離層23が形成される。素子分離層23により取り囲まれた素子領域内には、選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタが形成される。
NチャネルMOSトランジスタは、P型ウェル領域22C内のソース/ドレイン領域24A,24Bと、ソース/ドレイン領域24A,24B間のチャネル領域上のゲート電極25とから構成される。ゲート電極25は、読み出しワード線18に接続される。
ソース/ドレイン領域24B上には、コンタクトプラグ26,28及び中間層27A,27Bが形成される。
磁気抵抗効果素子(MTJ)12は、下部電極29上に配置される。下部電極29は、コンタクトプラグ26,28及び中間層27A,27Bを経由して、ソース/ドレイン領域24Bに電気的に接続される。
書き込みビット線14は、カラム方向に延び、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線14Aと、その導電線14Aを取り囲むヨーク材(軟磁性材料)14Bとから構成される。
また、書き込みワード線16は、ロウ方向に延び、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲むヨーク材16Bとから構成される。
ヨーク材14Bは、導電線14Aの側面及び上面を覆い、ヨーク材16Bは、導電線16Aの側面及び下面を覆う。ヨーク材14B,16Bは、書き込みビット線14及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
ヨーク材14B,16Bの間には、収束された磁力線の通り道となる4つのギャップが形成される。磁気抵抗効果素子12は、これら4つのギャップのうちの1つ内に配置され、例えば、導電材料からなるキャップ層30を経由して、書き込みビット線14に接続される。
磁気抵抗効果素子12の平面形状は、単純な形状、例えば、円形に設定される。また、磁気抵抗効果素子12は、少なくともその中心部がヨーク材14B,16Bの間のギャップ内に存在するようにレイアウトされる。
磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層(magnetic free layer)及び磁気固着層(magnetic pinned layer)は、それぞれ、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成される。
磁気フリー層の磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線14及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
(3) 磁気抵抗効果素子の例
磁気抵抗効果素子の例について説明する。
図8は、磁気抵抗効果素子の第1例を示している。
第1例では、磁気抵抗効果素子12は、磁気フリー層、トンネルバリア層、磁気固着層及び反強磁性層(anti-ferromagnetic layer: AF)により構成される。
同図(a)のボトムピンタイプでは、シリコン基板上に反強磁性層(pin layer)が形成され、反強磁性層上に磁気固着層(pinned layer)が形成され、磁気固着層上にトンネルバリア層(tunneling barrier layer)が形成され、トンネルバリア層上に磁気フリー層が形成される。
同図(b)のトップピンタイプでは、シリコン基板上に磁気フリー層が形成され、磁気フリー層上にトンネルバリア層が形成され、トンネルバリア層上に磁気固着層が形成され、磁気固着層上に反強磁性層が形成される。
磁気固着層の磁化方向は、反強磁性層により上向き又は下向きに固着され、磁気フリー層の磁化方向は、電流磁場に応じて上向き又は下向きに変化する。
図9は、磁気抵抗効果素子の第2例を示している。
第2例は、第1例と比べると、磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層が、SAF(synthetic anti-ferromagnetic)構造を有している点が異なっている。
このため、磁気フリー層は、第1フリー層(強磁性層)、第2フリー層(強磁性層)及びこれらの間の非磁性層(non-magnetic layer)から構成される。第1及び第2フリー層は、例えば、互いに反強磁性結合している。
同図(a)のSAFタイプ磁気抵抗効果素子は、図8(a)のボトムピンタイプに対応し、同図(b)のSAFタイプ磁気抵抗効果素子は、図8(b)のトップピンタイプに対応している。
図10は、磁気抵抗効果素子の第3例を示している。
第3例は、磁気抵抗効果素子の平面形状に関する。
本発明の例では、磁気抵抗効果素子は、互いに交差する2本の書き込み線を覆うヨーク材の交差部におけるギャップ内に配置される。
このため、同図に示すように、磁気抵抗効果素子12の平面形状としては、円形(同図(a))、四角形(同図(b))、十字形(同図(c))などの単純な形状を採用することができる。
ここで、磁気抵抗効果素子12は、少なくともその中心部がヨーク材間のギャップ内に存在するようにレイアウトされる。
(4) 動作
図5乃至図10の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、選択されたメモリセル11内の書き込みビット線14及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、ドライバ/シンカー15A,15Bを用いて、選択されたカラム内の書き込みビット線14に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17A,17Bを用いて、選択されたロウ内の書き込みワード線16に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー15Aからドライバ/シンカー15Bに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図7の断面図において、書き込みビット線14及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,16B間のギャップ内に配置される磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層の磁化方向が上向きに変化する。
これにより、磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層の磁化方向と磁気固着層の磁化方向は、例えば、共に上向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー15Bからドライバ/シンカー15Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図7の断面図において、書き込みビット線14及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,16B間のギャップ内に配置される磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層の磁化方向が下向きに変化する。
これにより、磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層の磁化方向は下向き、磁気固着層の磁化方向は上向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ21により検出することにより行う。
まず、ロウデコーダ19を用いて、選択されたロウ内の読み出しワード線18を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ21から書き込みビット線(読み出しビット線)14を経由してメモリセル11に向かう読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ21の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ21の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がアンチパラレル状態にあることが検出される。
(5) 変形例
次に、図7のデバイス構造の変形例を説明する。
図11は、第1変形例を示している。
第1変形例は、図7の例と比べると、磁気抵抗効果素子12の下部に書き込みビット線14が配置され、磁気抵抗効果素子12の上部に書き込みワード線16が配置されている点が異なる。
この場合、磁気抵抗効果素子12は、導電材料からなるキャップ層30を経由して、書き込みビット線14に接続される。
このように、書き込みビット線14と書き込みワード線16との位置関係を逆にすることもできる。
図12は、第2変形例を示している。
第2変形例は、図7の例と比べると、導電線14A,16Aを取り囲むヨーク材14B,16Bがツノ構造を有している点が異なる。
即ち、ヨーク材14Bは、導電線14Aの下面よりも下に突出し、ヨーク材16Bは、導電線16Aの上面よりも上に突出している。
このようなツノ構造を採用することにより、電流磁場をさらに効率的に磁気抵抗効果素子12に印加できる。
その他の変形例として、例えば、センスアンプを書き込みワード線に接続することもできる。この場合には、磁気抵抗効果素子の一端は、書き込みビット線ではなく、書き込みワード線に接続される。
3. 応用例
本発明の例の磁気ランダムアクセスメモリの応用例について説明する。
(1) 第1応用例
図13は、第1応用例を示している。
第1応用例は、書き込み原理のCASE 8が適用される磁気ランダムアクセスメモリに関する。
書き込みビット線14と書き込みワード線16との交差部には、ヨーク材14B,16Bの4つのギャップが形成され、これら4つのギャップ内には、それぞれ磁気抵抗効果素子12(R1),12(R2),12(L1),12(L2)が配置される。
磁気抵抗効果素子12(R1),12(L1)は、ペアとなり、これら2つの磁気抵抗効果素子12(R1),12(L1)で1ビットデータを記憶する。即ち、磁気抵抗効果素子12(R1),12(L1)の一方がデータセルとして使用され、他方がリファレンスセルとして使用される。
同様に、磁気抵抗効果素子12(R2),12(L2)は、ペアとなり、これら2つの磁気抵抗効果素子12(R2),12(L2)で1ビットデータを記憶する。即ち、磁気抵抗効果素子12(R2),12(L2)の一方がデータセルとして使用され、他方がリファレンスセルとして使用される。
磁気抵抗効果素子12(R1),12(R2),12(L1),12(L2)の一端は、共通に書き込みビット線14に接続される。
磁気抵抗効果素子12(R1)の他端は、下部電極29(R1)及び選択素子13(R1)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して接地点に接続される。選択素子13(R1)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線18(R1)に接続される。
また、磁気抵抗効果素子12(L1)の他端は、下部電極29(L1)及び選択素子13(L1)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して接地点に接続される。選択素子13(L1)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線18(L1)に接続される。
同様に、磁気抵抗効果素子12(R2)の他端は、下部電極29(R2)及び選択素子13(R2)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して接地点に接続される。選択素子13(R2)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線18(R2)に接続される。
また、磁気抵抗効果素子12(L2)の他端は、下部電極29(L2)及び選択素子13(L2)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して接地点に接続される。選択素子13(L2)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線18(L2)に接続される。
(2) 第2応用例
図14は、第2応用例を示している。
第2応用例は、第1応用例において磁気抵抗効果素子12(R1),12(R2),12(L1),12(L2)の平面形状を十字形にした点に特徴を有する。
ここで、磁気抵抗効果素子12(R1),12(R2),12(L1),12(L2)は、その形状(十字形)が、ヨーク材14B,16Bにより構成される十字形に合致するようにレイアウトされる。
この場合、書き込みビット線14と書き込みワード線16との交差部における磁場強度分布の磁場強度が強い部分に合わせて磁気抵抗効果素子12(R1),12(R2),12(L1),12(L2)を配置できるため、書き込み効率が向上する。
(3) 第3応用例
図15は、第3応用例を示している。
第3応用例は、書き込み原理のCASE 3又はCASE 6が適用される磁気ランダムアクセスメモリに関する。
書き込みビット線14と書き込みワード線16との交差部には、ヨーク材14B,16Bの4つのギャップが形成され、これら4つのギャップのうち交差部における対角線上に存在する2つのギャップ内には、それぞれ磁気抵抗効果素子12(R),12(L)が配置される。
磁気抵抗効果素子12(R),12(L)は、ペアとなり、これら2つの磁気抵抗効果素子12(R),12(L)で1ビットデータを記憶する。即ち、磁気抵抗効果素子12(R),12(L)の一方がデータセルとして使用され、他方がリファレンスセルとして使用される。
また、これに代えて、磁気抵抗効果素子12(R),12(L)は、共にデータを読み出すとこのレファレンス電圧を生成するために使用することもできる。
例えば、読み出し時に、レファレンスビット線としての書き込みビット線と接地点との間に磁気抵抗効果素子12(R),12(L)が並列接続されるようにすれば、レファレンスビット線に“0”−データと“1”−データの中間電圧としてのレファレンス電圧を発生させることができる。
(4) 第4応用例
図16は、第4応用例を示している。
第4応用例は、書き込み原理のCASE 7が適用される磁気ランダムアクセスメモリに関する。
書き込みビット線14と書き込みワード線16との交差部には、ヨーク材14B,16Bの4つのギャップが形成され、これら4つのギャップのうちカラム方向に隣り合う2つのギャップ内には、それぞれ磁気抵抗効果素子12(R),12(L)が配置される。
磁気抵抗効果素子12(R),12(L)には、それぞれ独立にデータが書き込まれる。即ち、磁気抵抗効果素子12(R),12(L)のそれぞれをデータセルとして使用する。
尚、磁気抵抗効果素子12(R),12(L)は、それぞれ交差部においてロウ方向に隣り合う2つのギャップ内に配置してもよい。
(5) 第5応用例
図17は、第5応用例を示している。
第5応用例は、第3応用例の変形例である。
第5応用例の特徴は、下部電極29(L),29(R)のレイアウトにあり、その他の点については、第3応用例と同じである。
即ち、下部電極29(L),29(R)は、その長軸が、書き込みビット線14が延びる方向に平行となるように配置される。また、書き込みワード線16が書き込みビット線14よりも上に配置される場合には、下部電極29(L),29(R)の長軸が、書き込みワード線16が延びる方向に平行となるように配置してもよい。
第5応用例は、図6に示す実施の形態や、図16に示す第4応用例などにも適用できる。また、下部電極同士が接触しないことを条件に、図13及び図14に示す第1及び第2応用例にも適用できる。
下部電極29(L),29(R)を引き出す方向については、書き込みビット線14又は書き込みワード線16に対して、0°(平行)〜90°(垂直)の範囲内で自由に選択できる。
4. 材料
(1) 垂直磁化膜(フリー層、ピン層)は、以下の材料により構成される。
[A] 1×106 erg/cc以上の磁気異方性エネルギー密度で高い保磁力を持つ磁性材料
・ 例1
Fe(鉄), Co(コバルト), Ni(ニッケル)のうち少なくとも1つの元素と、Cr(クロム), Pt(白金) ,Pd(パラジウム)のうち少なくとも1つの元素とを含む合金
この合金には、規則合金と不規則合金の双方が含まれる。規則合金としては、Fe(50)Pt(50), Fe(50)Pd(50), Co(50)Pt(50)などがあり(括弧内の数字は割合)、不規則合金としては、CoCr合金, CoPt合金, CoCrPt合金, CoCrPtTa合金, CoCrNb合金などがある。
・ 例2
Fe, Co, Ni のうち少なくとも1つの元素又はその元素を含む合金と、Pt ,Pd のうち1つの元素又はその元素を含む合金とが交互に積み重ねられた構造
この構造には、例えば、Co/Pt人工格子、Co/Pd人工格子、CoCr/Pt人工格子などが含まれる。
・ 例3
希土類金属のうち少なくとも1つの元素、例えば、Tb(テルビウム), Dy(ジスプロシウム), Gd(ガドリニウム)と、遷移金属のうち少なくとも1つの元素とからなるアモルファス合金
例えば、TbFe, TbCo, TbFeCo, DyTbFeCo, GdTbCoなどがある。
[B] [A]に示す材料について、組成比及び厚さの調整、不純物の添加などを行った磁性材料
・ 例1
Fe, Co, Niのうち少なくとも1つの元素と、Cr, Pt ,Pdのうち少なくとも1つの元素とを含む合金に、Cu, Ag, Cr, B, V, Ta, Nb, SiO2, MgO, TiNなどの不純物元素、その合金又は化合物を加えたもの
例えば、規則合金としてのFe(50)Pt(50), Fe(50)Pd(50), Co(50)Pt(50)などの材料に、Cu、Cr、Agなどの不純物を加えると、磁気異方性エネルギー密度が低下する。また、不規則合金としてのCoCr合金, CoPt合金, CoCrPt合金, CoCrPtTa合金, CoCrNb合金などの材料の非磁性元素の割合を増やすと、磁気異方性エネルギー密度が低下する。
・ 例2
Fe, Co, Ni のうち少なくとも1つの元素又はその元素を含む合金と、Pt ,Pd のうち1つの元素又はその元素を含む合金とが交互に積み重ねられた構造において、厚さの調整又は不純物の添加を行ったもの
例えば、このような材料には、磁気異方性エネルギー密度が最も高くなる最適値が存在し、その最適値から離れるに従い、磁気異方性エネルギー密度が低下する。また、Co/Pt人工格子、Co/Pd人工格子、CoCr/Pt人工格子などを構成する合金に、Cu, Ag などの不純物元素、その合金又は絶縁物を加えると、磁気異方性エネルギー密度が低下する。
・ 例3
希土類金属のうち少なくとも1つの元素、例えば、Tb, Dy, Gdと、遷移金属のうち少なくとも1つの元素とからなるアモルファス合金の組成比を調整して磁気異方性エネルギー密度を低下させたもの
例えば、TbFe, TbCo, TbFeCo, DyTbFeCo, GdTbCoなどのアモルファス合金の組成比を調整すると、磁気異方性エネルギー密度を小さくできる。
・ その他
このような磁気異方性エネルギー密度が低下した材料は、磁気抵抗効果素子のフリー層として使用できる。
(2) 非磁性層は、以下の材料から構成される。
・ Ta
・ TiN, CrRu, Co-Cr-Pt(非磁性となるようにCrとPtの合計の割合を50%以上にする), Au, Ag, Pt, Pd, Ir, Fe, Cr, MgO
これらの材料を用いて非磁性層を構成すると共に、非磁性層上に垂直磁化膜を形成することで、垂直磁化膜の配向性を高めて、その特性を向上させることができる。
・ CrTi, CrNb, CrV, CoCrPt, CrRu
(3) その他
ヨーク材(軟磁性材料)上に磁気抵抗効果素子を形成する場合、これらの間には原子の拡散防止機能及び両者を交換結合させない機能を持つバッファ層が形成される。
このバッファ層は、例えば、Ta, TiN, TaNなどの導電層から構成される。
フリー層として、例えば、FePt、CoPtなどの規則合金を用いる場合、これに垂直磁気異方性を発生させるため、ヨーク材とフリー層との間にはバッファ層が配置される。
このバッファ層は、例えば、MgO などの材料から構成できる。
フリー層として、例えば、Co/Pt人工格子を用いる場合、CoとPtの厚さを調節することにより磁気抵抗効果素子の保磁力を調節できる。
フリー層として、例えば、FePt、CoPtなどの規則合金を用いる場合、フリー層には機能層が付加される。機能層としては、例えば、フリー層と同じ結晶構造を有し、格子定数がフリー層のそれに近い材料、例えば、FeRhが使用される。
フリー層として、例えば、Co/Pt人工格子又はCo/Pd人工格子を用いる場合においても、FeRhを機能層として使用できる。
ピン層として、例えば、FePt、CoPtなどの規則合金を用いる場合、これに垂直磁気異方性を発生させるためには、fct(001)面を配向させる必要がある。このため、結晶配向のための制御層として、例えば、厚さが数nmのMgOからなる極薄層を形成する。
極薄層は、MgOの他、例えば、格子定数が2.8オンク゛ストローム、4.0オンク゛ストローム、5.6オンク゛ストロームのfcc構造又はbcc構造をもつ元素又は化合物、例えば、Pt, Pd, Ag, Au, Al, Cu, Cr, Feなど、又は、これらの合金から構成できる。
ボトムピン構造の場合には、ヨーク材とピン層との間に結晶配向のための制御層を配置する。この制御層とヨーク材との間には、例えば、Ta, TiN, TaNなどからなるバッファ層が配置される。
トップピン構造の場合には、バリア層にfcc(100)面が配向したMgOを用いる。この場合、MR比が劣化しないことを条件に、結晶配向のための制御層をさらに積層してもよい。
フリー層として、FePt, CoPtなどの規則合金を用いる場合にも、同様に、fct(001)面を配向させる必要がある。
トップピン(ボトムフリー)構造の場合には、ヨーク材とピン層との間に結晶配向のための制御層を配置する。この制御層とヨーク材との間には、例えば、Ta, TiN, TaNなどからなるバッファ層が配置される。
ボトムピン(トップフリー)構造の場合には、バリア層にfcc(100)面が配向したMgOを用いる。この場合、MR比が劣化しないことを条件に、結晶配向のための制御層をさらに積層してもよい。
5. その他
本発明の例によれば、ヨーク材のギャップにおいて40Oe/mA以上の効率を実現できる。この場合、書き込み電流を数mA以下に設定できると共に、磁気抵抗効果素子のスイッチング磁場(反転磁場)については、磁気シールドが不要となるレベル、即ち、外部磁場によって誤書き込みが発生しない程度にまで上げることができる。
例えば、磁気抵抗効果素子から下部ヨーク材までの距離を100nmとし、磁気抵抗効果素子から上部ヨーク材までの距離を100nmとし、ヨーク材のギャップでの磁場を40Oe/mAとしてシミュレーションを行うと、フリー層(垂直磁化膜)の反転磁場は200Oe程度、書き込み電流の値は4〜5mAに設定できる。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の例に関わる書き込み原理を示す図。 本発明の例に関わる書き込み原理を示す図。 本発明の例に関わる書き込み原理を示す図。 本発明の例に関わる書き込み原理を示す図。 本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリを示す回路図。 メモリセルの例を示す平面図。 図6のVII−VII線に沿う断面図。 磁気抵抗効果素子の構造例を示す断面図。 磁気抵抗効果素子の構造例を示す断面図。 磁気抵抗効果素子の平面形状の例を示す断面図。 第1変形例を示す断面図。 第2変形例を示す断面図。 第1応用例を示す平面図。 第2応用例を示す平面図。 第3応用例を示す平面図。 第4応用例を示す平面図。 第5応用例を示す平面図。
符号の説明
10: メモリセルアレイ、 11: メモリセル、 12: 磁気抵抗効果素子、 13,20: 選択素子、 14: 書き込みビット線、 14A,16A: 導電線、 14B,16B: ヨーク材(軟磁性材料)、 15A,15B: 書き込みビット線ドライバ/シンカー、 16: 書き込みワード線、 17A,17B: 書き込みワード線ドライバ/シンカー、 18: 読み出しワード線、 19: ロウデコーダ、 21: センスアンプ、 22A: P型シリコン基板、 22B: N型ウェル領域、 22C: P型ウェル領域、 23: 素子分離層、 24A,24B: ソース/ドレイン領域、 25: ゲート電極、 26,28: コンタクトプラグ、 27A,27B: 中間層、 29: 下部電極、 30: キャップ層。

Claims (5)

  1. 第1導電線と、前記第1導電線の側面を覆う第1ヨーク材と、前記第1導電線に交差する第2導電線と、前記第2導電線の側面を覆う第2ヨーク材と、前記第1及び第2ヨーク材間の複数のギャップと、垂直磁化膜から構成される第1フリー層を有し、前記第1フリー層の中心部が前記複数のギャップのうちの第1ギャップ内に配置される第1磁気抵抗効果素子とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリにおいて、さらに、垂直磁化膜から構成される第2フリー層を有し、前記第2フリー層の中心部が前記複数のギャップのうちの第2ギャップ内に配置される第2磁気抵抗効果素子を具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記第1及び第2ギャップは、前記第1及び第2導電線の交差部における対角線上に存在し、前記第1及び第2磁気抵抗効果素子により1ビットデータが記憶されることを特徴とする請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記第1及び第2ギャップは、前記第1及び第2導電線の交差部においてロウ方向又はカラム方向に隣接し、前記第1及び第2磁気抵抗効果素子にはそれぞれ独立にデータが書き込まれることを特徴とする請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 前記第1及び第2ギャップは、前記第1及び第2導電線の交差部における対角線上に存在し、前記第1及び第2磁気抵抗効果素子は、共にデータを読み出すときのレファレンス電圧を生成するために使用されることを特徴とする請求項2に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
JP2005330411A 2005-11-15 2005-11-15 磁気ランダムアクセスメモリ Active JP4521354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005330411A JP4521354B2 (ja) 2005-11-15 2005-11-15 磁気ランダムアクセスメモリ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005330411A JP4521354B2 (ja) 2005-11-15 2005-11-15 磁気ランダムアクセスメモリ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007141954A true JP2007141954A (ja) 2007-06-07
JP4521354B2 JP4521354B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=38204509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005330411A Active JP4521354B2 (ja) 2005-11-15 2005-11-15 磁気ランダムアクセスメモリ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4521354B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001273760A (ja) * 2000-03-29 2001-10-05 Sharp Corp 磁気メモリおよびその記録方法
JP2002118239A (ja) * 2000-07-21 2002-04-19 Hewlett Packard Co <Hp> Mramの性能を向上させるための最適な書込導体レイアウト
JP2003031773A (ja) * 2001-07-13 2003-01-31 Canon Inc 磁気メモリ素子及びその記録方法、並びにその磁気メモリ素子を用いたメモリ
JP2004104027A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Nec Corp Mramメモリセル及び自発磁化反転促進方法
JP2004165661A (ja) * 2002-11-13 2004-06-10 Hewlett-Packard Development Co Lp 非対称に被覆された導体を有するmram

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001273760A (ja) * 2000-03-29 2001-10-05 Sharp Corp 磁気メモリおよびその記録方法
JP2002118239A (ja) * 2000-07-21 2002-04-19 Hewlett Packard Co <Hp> Mramの性能を向上させるための最適な書込導体レイアウト
JP2003031773A (ja) * 2001-07-13 2003-01-31 Canon Inc 磁気メモリ素子及びその記録方法、並びにその磁気メモリ素子を用いたメモリ
JP2004104027A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Nec Corp Mramメモリセル及び自発磁化反転促進方法
JP2004165661A (ja) * 2002-11-13 2004-06-10 Hewlett-Packard Development Co Lp 非対称に被覆された導体を有するmram

Also Published As

Publication number Publication date
JP4521354B2 (ja) 2010-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7869272B2 (en) Memory device and memory for retaining information based on amagnetization state of a magnetic material
JP5193419B2 (ja) スピン注入磁気ランダムアクセスメモリとその書き込み方法
US6845038B1 (en) Magnetic tunnel junction memory device
US6590803B2 (en) Magnetic memory device
US7245523B2 (en) Bistable magnetic device using soft magnetic intermediary material
JP2008227009A (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ、その書き込み方法及びその製造方法
US20100237449A1 (en) Magnetoresistive element, and magnetic random access memory
US6661689B2 (en) Semiconductor memory device
JP5023395B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ及びその書き込み方法
KR101946457B1 (ko) 열적으로 안정한 자기터널접합 셀 및 이를 포함하는 메모리 소자
CN101751991A (zh) 电阻变化型存储装置
JP2008159613A (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ及びその書き込み方法
US20040042264A1 (en) Magnetic memory devices having multiple bits per memory cell
JP2010219412A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気ランダムアクセスメモリ
JP2008187048A (ja) 磁気抵抗効果素子
JP2003197875A (ja) 磁気記憶装置
JP2002289807A (ja) 磁気メモリ装置および磁気抵抗効果素子
JP3868699B2 (ja) 磁気メモリ装置
JP3980990B2 (ja) 磁気メモリ
US7459759B2 (en) Magnetic random access memory
JP2010232447A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ
US6894919B2 (en) Magnetic random access memory
JP2002299574A (ja) 磁気記憶素子、磁気記憶装置および携帯端末装置
JP2006134363A (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ
JP4521354B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4521354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350