JP2007141288A - 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 - Google Patents
薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】再生ヘッドを備えた垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドにおいて、トラック消去の発生と、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とを抑制する。
【解決手段】薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子5と、磁気抵抗効果素子5を挟むように配置された第1および第2の再生シールド層3,9と、磁気抵抗効果素子5に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層とを備えている。第1および第2の再生シールド層3,9は、媒体対向面30に配置された第1の端面3a,9aと、第1の端面3a,9aとは反対側の第2の端面3b,9bと、第1の端面3a,9aに近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分3A,9Aと、第2の端面3b,9bに近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分3B,9Bとを有している。
【選択図】図4
【解決手段】薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子5と、磁気抵抗効果素子5を挟むように配置された第1および第2の再生シールド層3,9と、磁気抵抗効果素子5に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層とを備えている。第1および第2の再生シールド層3,9は、媒体対向面30に配置された第1の端面3a,9aと、第1の端面3a,9aとは反対側の第2の端面3b,9bと、第1の端面3a,9aに近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分3A,9Aと、第2の端面3b,9bに近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分3B,9Bとを有している。
【選択図】図4
Description
本発明は、再生ヘッドを備えた垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッド、ならびにこの薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
また、磁気ディスク装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
再生ヘッドの特性としては、高感度および高出力であることが要求される。この要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いた再生ヘッドが量産されている。
一般的なスピンバルブ型GMR素子は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置された固定層と、この固定層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。フリー層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。固定層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、固定層との交換結合により、固定層の磁化の方向を固定する層である。
また、再生ヘッドは、GMR素子のトラック幅方向の両側に配置された一対のバイアス磁界印加層を備えている。このバイアス磁界印加層は、フリー層にバイアス磁界を印加するものである。バイアス磁界は、フリー層に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態において、フリー層の磁化をトラック幅方向に向ける。一方、固定層の磁化の方向は、ヘッドの媒体対向面に垂直な方向に固定される。従って、フリー層に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態では、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度は90°に保たれる。この再生ヘッドに、記録媒体から、媒体対向面に垂直な方向の信号磁界が印加されると、フリー層の磁化の方向が変化し、その結果、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度が変化する。この角度によってGMR素子の電気抵抗が変化する。従って、このGMR素子の電気抵抗の変化を検出することにより、記録媒体に記録された情報を再生することができる。
再生ヘッドは、更に、GMR素子を挟むように配置された一対の再生シールド層を備えている。再生シールド層は、GMR素子が、対向していないビットからの磁界の影響を受けないようにするためのものである。
一方、垂直磁気記録用の記録ヘッドとしては、単磁極ヘッドとシールド型ヘッドとが知られている。単磁極ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層(主磁極)と、媒体対向面に配置された端面を有し、媒体対向面から離れた位置において磁極層に連結された補助磁極と、非磁性材料よりなり、磁極層と補助磁極との間に設けられたギャップ層とを備えている。媒体対向面において、補助磁極の端面は、磁極層の端面に対して、記録媒体の進行方向の後側に配置されている。補助磁極は、磁極層の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能を有する。
シールド型ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、媒体対向面に配置された端面を有し、媒体対向面から離れた位置において磁極層に連結された記録シールド層と、非磁性材料よりなり、磁極層と記録シールド層との間に設けられたギャップ層とを備えている。媒体対向面において、記録シールド層の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。シールド型ヘッドにおいて、記録シールド層は、磁極層より発生された磁束を吸い込むことにより、磁界勾配を急峻にすることができる。そのため、シールド型ヘッドによれば、線記録密度のより一層の向上が可能になる。なお、磁界勾配とは、磁極層から発生された磁界のうち記録媒体の面に垂直な方向の成分の、記録媒体の進行方向における単位長さ当たりの変化量を言う。また、記録シールド層は、磁極層の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有する。
ところで、垂直磁気記録用の薄膜磁気ヘッドでは、再生シールド層や記録シールド層に起因して、記録または再生の対象となっているトラック以外のトラックに記録された信号が減衰する現象(以下、トラック消去という。)が生じる場合があった。このトラック消去が生じる原因は、再生シールド層や記録シールド層において、媒体対向面に配置された端面とトラック幅方向の両側部とによって形成される2つの角部の近傍で、媒体対向面に対して垂直な方向の磁界成分が局所的に大きくなるためと考えられる。薄膜磁気ヘッドの信頼性確保のためには、トラック消去の発生を抑制する必要がある。
特許文献1には、トラック消去の発生を抑制するために、再生シールド層や記録シールド層が、媒体対向面に配置された端面に近づくに従って連続的に幅が小さくなる幅変化部分を含むようにした技術が記載されている。
薄膜磁気ヘッドでは、バイアス磁界印加層の磁化がトラック幅方向に向くようにバイアス磁界印加層を着磁する必要がある。この着磁は、薄膜磁気ヘッドに対して、トラック幅方向の磁界を印加することによって行われる。また、この着磁は、例えば薄膜磁気ヘッドの製造時や出荷時に行われる。
ところで、バイアス磁界印加層の着磁は、薄膜磁気ヘッドの製造時と出荷時のように、複数回行われる場合もある。ここで、前述のような幅変化部分を含む再生シールド層や記録シールド層を備えた薄膜磁気ヘッドでは、バイアス磁界印加層の着磁を行う毎に、再生ヘッドの出力が変動する現象が発生する場合があることが分かった。この現象は、再生シールド層や記録シールド層の平面形状が長方形の場合には発生していなかった。薄膜磁気ヘッドの信頼性確保のためには、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動を抑制する必要がある。
また、垂直磁気記録用の薄膜磁気ヘッドでは、トラック幅方向の広い範囲にわたって、記録または再生の対象となっているトラックに隣接する1以上のトラックに記録された信号が減衰する現象(以下、広範囲隣接トラック消去という。)が顕著に生じる場合があった。広範囲隣接トラック消去は、記録シールド層の磁気的な状態の不安定性に起因していると考えられる。すなわち、媒体対向面において、記録シールド層の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。記録シールド層の端面の幅は、磁極層の端面の幅よりも大きい。そのため、記録シールド層の磁気的な状態が不安定であると、記録シールド層の端面を通過する磁束が変動し、その結果、広範囲隣接トラック消去が生じると考えられる。高記録密度化と薄膜磁気ヘッドの信頼性確保のためには、この広範囲隣接トラック消去の発生を抑制する必要もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、再生ヘッドを備えた垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドであって、トラック消去の発生と、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とを抑制できるようにした薄膜磁気ヘッド、ならびに、この薄膜磁気ヘッドを有するヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えた垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドであって、トラック消去の発生、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動、および広範囲隣接トラック消去の発生を抑制できるようにした薄膜磁気ヘッド、ならびに、この薄膜磁気ヘッドを有するヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層とを備えている。
記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層とを備えている。
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1および第2の再生シールド層はそれぞれ、媒体対向面に配置された第1の端面と、第1の端面とは反対側の第2の端面と、第1の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分と、第2の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分とを有している。第1および第2の再生シールド層の平面形状はそれぞれ、上記平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状である。上記平面形状を形成するために外接長方形から切り離された4つの切片のうち、第1の端面に近い2つの切片を第1の切片とし、第2の端面に近い2つの切片を第2の切片とし、媒体対向面に平行な仮想の中心線を中心として、上記平面形状および外接長方形を折り返したときに、第1の切片および第2の切片のうち互いに重ならない部分の面積を、第1の切片と第2の切片の面積の和で除した値は、0〜0.2の範囲内である。
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドでは、第1および第2の再生シールド層がそれぞれ、第1の幅変化部分と第2の幅変化部分とを有し、且つ上記の平面形状を有することにより、トラック消去の発生とバイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とが抑制される。
なお、本出願において、平面形状とは、対象となる層における下地とは反対側の面を上面としたとき、その上面の上方から対象を見たときの対象の形状を言う。また、「外接長方形」における「長方形」は、広義の長方形であり、正方形を含む。
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1および第2の再生シールド層の平面形状はそれぞれ、仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状であってもよい。
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の幅変化部分は、第1の端面の幅方向の各端部に接続された第1および第2の斜面を有し、第2の幅変化部分は、第2の端面の幅方向の各端部に接続された第3および第4の斜面を有していてもよい。この場合、第1および第2の再生シールド層はそれぞれ、更に、第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有していてもよい。第1および第2の側面は平面であってもよいし、幅方向外側に突出する曲面であってもよい。
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の端面を含む第1の仮想の平面と第1の斜面とのなす角度、第1の仮想の平面と第2の斜面とのなす角度、第2の端面を含む第2の仮想の平面と第3の斜面とのなす角度、および第2の仮想の平面と第4の斜面とのなす角度は、いずれも2°〜30°の範囲内であってもよい。
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の再生シールド層の平面形状と第2の再生シールド層の平面形状は等しくてもよい。
本実施の形態の第2の薄膜磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
媒体対向面に配置された第1の端面を有し、媒体対向面から離れた位置において磁極層に連結された記録シールド層と、
媒体対向面に配置された端面を有し、磁極層と記録シールド層との間に設けられたギャップ層とを備えている。
記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
媒体対向面に配置された第1の端面を有し、媒体対向面から離れた位置において磁極層に連結された記録シールド層と、
媒体対向面に配置された端面を有し、磁極層と記録シールド層との間に設けられたギャップ層とを備えている。
本実施の形態の第2の薄膜磁気ヘッドでは、媒体対向面において、記録シールド層の第1の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。また、記録シールド層の第1の端面の幅は、磁極層の端面の幅よりも大きい。また、第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層はそれぞれ、媒体対向面に配置された第1の端面と、第1の端面とは反対側の第2の端面と、第1の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分と、第2の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分とを有している。第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層の平面形状はそれぞれ、上記平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状である。上記平面形状を形成するために外接長方形から切り離された4つの切片のうち、第1の端面に近い2つの切片を第1の切片とし、第2の端面に近い2つの切片を第2の切片とし、媒体対向面に平行な仮想の中心線を中心として、上記平面形状および外接長方形を折り返したときに、第1の切片および第2の切片のうち互いに重ならない部分の面積を、第1の切片と第2の切片の面積の和で除した値は、0〜0.2の範囲内である。
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドでは、第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層がそれぞれ、第1の幅変化部分と第2の幅変化部分とを有し、且つ上記の平面形状を有することにより、トラック消去の発生、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動、および広範囲隣接トラック消去の発生が抑制される。
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層の平面形状はそれぞれ、仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状であってもよい。
また、本発明の第2の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の幅変化部分は、第1の端面の幅方向の各端部に接続された第1および第2の斜面を有し、第2の幅変化部分は、第2の端面の幅方向の各端部に接続された第3および第4の斜面を有していてもよい。この場合、第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層はそれぞれ、更に、第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有していてもよい。第1および第2の側面は平面であってもよいし、幅方向外側に突出する曲面であってもよい。
また、本発明の第2の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の端面を含む第1の仮想の平面と第1の斜面とのなす角度、第1の仮想の平面と第2の斜面とのなす角度、第2の端面を含む第2の仮想の平面と第3の斜面とのなす角度、および第2の仮想の平面と第4の斜面とのなす角度は、いずれも2°〜30°の範囲内であってもよい。
また、本発明の第2の薄膜磁気ヘッドにおいて、第1の再生シールド層の平面形状と第2の再生シールド層の平面形状と記録シールドの平面形状は等しくてもよい。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の第1または第2の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
本発明のヘッドアームアセンブリは、本発明の第1または第2の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションと、スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームとを備え、サスペンションがアームに取り付けられているものである。
本発明の磁気ディスク装置は、本発明の第1または第2の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明の第1の薄膜磁気ヘッド、あるいは第1の薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリまたは磁気ディスク装置によれば、第1および第2の再生シールド層がそれぞれ、第1の幅変化部分と第2の幅変化部分とを有し、且つ前述の平面形状を有することにより、トラック消去の発生とバイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とを抑制することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明の第2の薄膜磁気ヘッド、あるいは第2の薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリまたは磁気ディスク装置によれば、第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層がそれぞれ、第1の幅変化部分と第2の幅変化部分とを有し、且つ前述の平面形状を有することにより、トラック消去の発生、バイアス磁界印加層の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動、および広範囲隣接トラック消去の発生を抑制することが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録すると共に、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生するものである。図1は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。
[第1の実施の形態]
始めに、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録すると共に、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生するものである。図1は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。
図1および図2に示したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルティック(Al2O3・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる第1の再生シールド層3と、この第1の再生シールド層3の上に配置された絶縁層4と、この絶縁層4の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、絶縁層4の上においてMR素子5の両側に配置された一対のバイアス磁界印加層6とを備えている。
磁気ヘッドは、更に、一対のバイアス磁界印加層6の上に配置された一対の電極層7と、MR素子5、電極層7および絶縁層4を覆うように配置された絶縁層8と、この絶縁層8の上に配置された磁性材料よりなる第2の再生シールド層9とを備えている。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。図2には、MR素子5が、CIPタイプのGMR素子である例を示している。MR素子5がTMR素子またはCPPタイプのGMR素子である場合には、一対の電極層7がMR素子5の上下の各面に接するように配置されるか、再生シールド層3,9が電極層を兼ねてMR素子5の上下の各面に接するように配置される。
磁気ヘッドは、更に、第2の再生シールド層9の上に配置されたアルミナ等の非磁性材料よりなる非磁性層10と、この非磁性層10の上に配置された磁性材料よりなる中間磁性層11とを備えている。第1の再生シールド層3から中間磁性層11までの部分は、再生ヘッドを構成する。中間磁性層11は、再生シールド層の機能と後述する記録ヘッドにおける補助磁極としての機能とを有している。
磁気ヘッドは、更に、中間磁性層11の上に配置されたアルミナ等の非磁性材料よりなる非磁性層12と、この非磁性層12の上に配置された磁性材料よりなるヨーク層13と、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、ヨーク層13の周囲に配置された非磁性層14とを備えている。ヨーク層13の媒体対向面30側の端部は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。また、ヨーク層13および非磁性層14の上面は平坦化されている。
磁気ヘッドは、更に、ヨーク層13および非磁性層14の上面の上に配置された磁性材料よりなる磁極層15と、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、磁極層15の周囲に配置された非磁性層16とを備えている。磁極層15の下面は、ヨーク層13の上面に接している。また、磁極層15および非磁性層16の上面は平坦化されている。
磁気ヘッドは、更に、磁極層15および非磁性層16の上に配置されたギャップ層17と、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、ギャップ層17の上において、後述するコイル19を配置すべき領域に配置された非磁性層18と、非磁性層18の上に配置されたコイル19と、このコイル19を覆うように形成された絶縁層20とを備えている。コイル19は、平面渦巻き形状をなしている。ギャップ層17には、コイル19の中心部に対応する位置に開口部が形成されている。絶縁層20は媒体対向面30に露出していない。なお、ギャップ層17は、非磁性導電層であってもよい。
磁気ヘッドは、更に、磁性材料よりなり、磁極層15、ギャップ層17および絶縁層20の上に配置された記録シールド層21を備えている。記録シールド層21は、ギャップ層17に形成された開口部を通して磁極層15に連結されている。また、記録シールド層21の媒体対向面30側の端部は、媒体対向面30に配置されている。非磁性層12から記録シールド層21までの部分は、記録ヘッドを構成する。
磁気ヘッドは、更に、記録シールド層21を覆うように形成されたアルミナ等の絶縁材料よりなる保護層22を備えている。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面30と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドは記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置され、記録ヘッドは記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
図3は、媒体対向面のうちの再生ヘッドに対応する部分を示している。図3に示したように、再生ヘッドは、MR素子5と、このMR素子5をシールドするための第1の再生シールド層3および第2の再生シールド層9とを備えている。MR素子5は、媒体対向面30の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって記録媒体に記録された情報を再生する。MR素子5は、互いに反対側を向き且つ媒体対向面30と交差するように配置された第1の面(下面)5aおよび第2の面(上面)5bを有している。第1の再生シールド層3は、絶縁層4を介してMR素子5の第1の面5aに対向するように配置されている。第2の再生シールド層9は、絶縁層8を介してMR素子5の第2の面5bに対向するように配置されている。
MR素子5は、例えば、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置された固定層と、この固定層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。
再生ヘッドは、更に、MR素子5のトラック幅方向の両側に配置された一対のバイアス磁界印加層6と、MR素子5に対して磁気的信号検出用の電流を流すための一対の電極層7とを備えている。バイアス磁界印加層6は、硬磁性層(ハードマグネット)や、強磁性層と反強磁性層との積層体等を用いて構成される。電極層7は、例えば、Ta層とAu層との積層体、Tiw層とTa層の積層体、あるいはTiN層とTa層の積層体等によって構成される。バイアス磁界印加層6は、バイアス磁界印加層6の磁化がトラック幅方向に向くように着磁され、MR素子5に対してトラック幅方向のバイアス磁界を印加する。
再生ヘッドにおいて、MR素子5のフリー層に外部磁界が印加されない状態では、フリー層の磁化は、バイアス磁界印加層6からのバイアス磁界によって、トラック幅方向に向けられている。一方、固定層の磁化の方向は、媒体対向面30に垂直な方向に固定されている。従って、フリー層に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態では、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度は90°に保たれる。この再生ヘッドに、記録媒体から、媒体対向面30に垂直な方向の信号磁界が印加されると、フリー層の磁化の方向が変化し、その結果、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度が変化する。この角度によってMR素子5の電気抵抗が変化する。従って、このMR素子5の電気抵抗の変化を検出することにより、記録媒体に記録された情報を再生することができる。MR素子5の電気抵抗は、MR素子5に磁気的信号検出用の電流を流したときの2つの電極層7間の電位差より求めることができる。
記録ヘッドは、磁極層15、ギャップ層17、コイル19および記録シールド層21を備えている。コイル19は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。磁極層15は、媒体対向面30に配置された端面を有し、コイル19によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。記録シールド層21は、媒体対向面30に配置された端面を有し、媒体対向面30から離れた位置において磁極層15に連結されている。ギャップ層17は、媒体対向面30に配置された端面を有し、磁極層15と記録シールド層21との間に設けられている。
コイル19の少なくとも一部は、磁極層15および記録シールド層21に対して絶縁された状態で、磁極層15と記録シールド層21との間に配置されている。磁極層15、ヨーク層13および記録シールド層21は、コイル19によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる磁路を構成する。
媒体対向面30において、記録シールド層21の端面は、磁極層15の端面に対して、ギャップ層17の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。記録シールド層21の端面の幅は、磁極層15の端面の幅よりも大きい。また、記録シールド層21の端面の面積は、磁極層15の端面の面積よりも大きい。記録シールド層21は、磁極層15の端面より発生された磁束を吸い込むことにより、磁界勾配を急峻にすることができる。また、記録シールド層21は、磁極層15の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有する。また、記録シールド層21は、磁極層15の端面より発生される還流磁束のうちの不要な広がり成分を、記録媒体に達する前に吸い込むことにより、磁気的なシールドとして機能する。
次に、図4を参照して、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の形状について詳しく説明する。図4は、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状を示す平面図である。図4に示したように、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状は等しい。
層3,9,11はそれぞれ、媒体対向面30に配置された第1の端面3a,9a,11aと、第1の端面3a,9a,11aとは反対側の第2の端面3b,9b,11bと、媒体対向面30に対して垂直になるように配置された第1の側面3c,9c,11cと、第1の側面3c,9c,11cとは反対側の第2の側面3d,9d,11dとを有している。第1の端面3a,9a,11a、第2の端面3b,9b,11b、第1の側面3c,9c,11cおよび第2の側面3d,9d,11dは、いずれも平面である。
層3,9,11はそれぞれ、更に、第1の端面3a,9a,11aの一端部(図4における左側の端部)と第1の側面3c,9c,11cの一端部(媒体対向面30に近い端部)とを接続する第1の斜面3e,9e,11eと、第1の端面3a,9a,11aの他端部と第2の側面3d,9d,11dの一端部(媒体対向面30に近い端部)とを接続する第2の斜面3f,9f,11fと、第2の端面3b,9b,11bの一端部(図4における左側の端部)と第1の側面3c,9c,11cの他端部とを接続する第3の斜面3g,9g,11gと、第2の端面3b,9b,11bの他端部と第2の側面3d,9d,11dの他端部とを接続する第4の斜面3h,9h,11hとを有している。
第1の端面3a,9a,11aと第2の端面3b,9b,11bは平行になっている。また、第1の側面3c,9c,11cと第2の側面3d,9d,11dは平行になっている。また、第1の斜面3e,9e,11eと第4の斜面3h,9h,11hは平行になっている。また、第2の斜面3f,9f,11fと第3の斜面3g,9g,11gは平行になっている。
また、層3,9,11はそれぞれ、第1の端面3a,9a,11aに近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分3A,9A,11Aと、第2の端面3b,9b,11bに近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分3B,9B,11Bとを有している。
第1の幅変化部分3A,9A,11Aは、層3,9,11のうち、第1の斜面3e,9e,11eと第1の側面3c,9c,11cの接続位置および第2の斜面3f,9f,11fと第2の側面3d,9d,11dの接続位置よりも媒体対向面30に近い部分である。従って、第1の幅変化部分3A,9A,11Aは、第1の端面3a,9a,11aの幅方向の各端部に接続された第1の斜面3e,9e,11eおよび第2の斜面3f,9f,11fを有している。
第2の幅変化部分3B,9B,11Bは、層3,9,11のうち、第3の斜面3g,9g,11gと第1の側面3c,9c,11cの接続位置および第4の斜面3h,9h,11hと第2の側面3d,9d,11dの接続位置よりも媒体対向面30から遠い部分である。従って、第2の幅変化部分3B,9B,11Bは、第2の端面3b,9b,11bの幅方向の各端部に接続された第3の斜面3g,9g,11gおよび第4の斜面3h,9h,11hを有している。
層3,9,11の最大の幅は、例えば約90μmである。第1の端面3a,9a,11aおよび第2の端面3b,9b,11bの各幅は、層3,9,11の最大の幅の約80%であることが好ましい。
ここで、図4に示したように、第1の端面3a,9a,11aを含む仮想の平面P11と第1の斜面3e,9e,11eとのなす角度を角度θ11とする。また、仮想の平面P11と第2の斜面3f,9f,11fとのなす角度を角度θ12とする。また、第2の端面3b,9b,11bを含む仮想の平面P12と第3の斜面3g,9g,11gとのなす角度を角度θ13とする。また、仮想の平面P12と第4の斜面3h,9h,11hとのなす角度を角度θ14とする。角度θ11,θ12,θ13,θ14は等しい。また、角度θ11,θ12,θ13,θ14は、2°〜30°の範囲内であることが好ましく、4°〜25°の範囲内であることがより好ましい。その理由については、後で詳しく説明する。
図4に示した例では、層3,9,11の平面形状はそれぞれ、媒体対向面30に平行な仮想の中心線3CL,9CL,11CLによって分けられた2つの部分が中心線3CL,9CL,11CLを中心として線対称の関係となる形状になっている。しかし、後で詳しく説明するように、中心線3CL,9CL,11CLによって分けられた2つの部分は、線対称でなくとも、線対称に近ければよい。
次に、図5を参照して、記録シールド層21の形状について詳しく説明する。図5は、記録シールド層21の平面形状を示す平面図である。記録シールド層21の平面形状は、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状と等しい。
記録シールド層21は、媒体対向面30に配置された第1の端面21aと、第1の端面21aとは反対側の第2の端面21bと、媒体対向面30に対して垂直になるように配置された第1の側面21cと、第1の側面21cとは反対側の第2の側面21dとを有している。第1の端面21a、第2の端面21b、第1の側面21cおよび第2の側面21dは、いずれも平面である。
記録シールド層21は、更に、第1の端面21aの一端部(図5における左側の端部)と第1の側面21cの一端部(媒体対向面30に近い端部)とを接続する第1の斜面21eと、第1の端面21aの他端部と第2の側面21dの一端部(媒体対向面30に近い端部)とを接続する第2の斜面21fと、第2の端面21bの一端部(図5における左側の端部)と第1の側面21cの他端部とを接続する第3の斜面21gと、第2の端面21bの他端部と第2の側面21dの他端部とを接続する第4の斜面21hとを有している。
第1の端面21aと第2の端面21bは平行になっている。また、第1の側面21cと第2の側面21dは平行になっている。また、第1の斜面21eと第4の斜面21hは平行になっている。また、第2の斜面21fと第3の斜面21gは平行になっている。
また、記録シールド層21は、第1の端面21aに近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分21Aと、第2の端面21bに近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分21Bとを有している。
第1の幅変化部分21Aは、記録シールド層21のうち、第1の斜面21eと第1の側面21cの接続位置および第2の斜面21fと第2の側面21dの接続位置よりも媒体対向面30に近い部分である。従って、第1の幅変化部分21Aは、第1の端面21aの幅方向の各端部に接続された第1の斜面21eおよび第2の斜面21fを有している。
第2の幅変化部分21Bは、記録シールド層21のうち、第3の斜面21gと第1の側面21cの接続位置および第4の斜面21hと第2の側面21dの接続位置よりも媒体対向面30から遠い部分である。従って、第2の幅変化部分21Bは、第2の端面21bの幅方向の各端部に接続された第3の斜面21gおよび第4の斜面21hを有している。
ここで、図5に示したように、第1の端面21aを含む仮想の平面P21と第1の斜面21eとのなす角度を角度θ21とする。また、仮想の平面P21と第2の斜面21fとのなす角度を角度θ22とする。また、第2の端面21bを含む仮想の平面P22と第3の斜面21gとのなす角度を角度θ23とする。また、仮想の平面P22と第4の斜面21hとのなす角度を角度θ24とする。角度θ21,θ22,θ23,θ24は等しい。また、角度θ21,θ22,θ23,θ24は、いずれも、2°〜30°の範囲内であることが好ましく、4°〜25°の範囲内であることがより好ましい。その理由については、後で詳しく説明する。
図5に示した例では、記録シールド層21の平面形状は、媒体対向面30に平行な仮想の中心線21CLによって分けられた2つの部分が中心線21CLを中心として線対称の関係となる形状になっている。しかし、後で詳しく説明するように、中心線21CLによって分けられた2つの部分は、線対称でなくとも、線対称に近ければよい。
次に、図6および図7を参照して、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21の平面形状について詳しく説明する。図6および図7は、これらの層3,9,11,21の平面形状を説明するための説明図である。
図6に示したように、層3,9,11,21の平面形状はそれぞれ、平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状である。ここで、上記平面形状を形成するために外接長方形から切り離された4つの切片のうち、第1の端面3a,9a,11a,21aに近い2つの切片を第1の切片C11,C12とし、第2の端面3b,9b,11b,21bに近い2つの切片を第2の切片C21,C22とする。
また、図7に示したように、仮想の中心線3CL,9CL,11CL,21CLを中心として、層3,9,11,21の平面形状および上記外接長方形を折り返したときに、第1の切片C11,C12および第2の切片C21,C22のうち互いに重ならない部分Dの面積をSdとする。また、第1の切片C11,C12と第2の切片C21,C22の面積の和をSsとする。本実施の形態において、重ならない部分Dの面積Sdを第1の切片C11,C12と第2の切片C21,C22の面積の和Ssで除した値を、対称からのずれを表すパラメータPとする。パラメータPの値の取り得る範囲は0〜1である。図4および図5に示したように、層3,9,11,21の平面形状が、仮想の中心線3CL,9CL,11CL,21CLによって分けられた2つの部分が中心線3CL,9CL,11CL,21CLを中心として線対称の関係となる形状の場合、パラメータPの値は0となる。パラメータPの値が0以外のときは、上記の2つの部分は線対称ではない。しかし、パラメータPの値が0以外であっても0に近ければ、2つの部分は線対称に近いと言える。パラメータPの値が大きくなるに従って、2つの部分は線対称の関係から遠ざかる。本実施の形態では、パラメータPの値が0〜0.2の範囲内となるようする。その理由については後で詳しく説明する。
次に、図5を参照して、磁極層15の形状について詳しく説明する。図5に示したように、磁極層15は、一端部が媒体対向面30に配置されたトラック幅規定部15Aと、このトラック幅規定部15Aの他端部に連結され、トラック幅規定部15Aよりも大きな幅を有する幅広部15Bとを有している。トラック幅規定部15Aの上面の幅は、ほぼ一定になっている。媒体対向面30におけるトラック幅規定部15Aの上面の幅は、トラック幅を規定する。幅広部15Bの幅は、例えば、トラック幅規定部15Aとの境界の位置ではトラック幅規定部15Aの幅と等しく、媒体対向面30から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。
図2に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層15(トラック幅規定部15A)の端面は、基板1から遠い第1の辺A1と、第1の辺A1とは反対側の第2の辺A2と、第1の辺A1の一端と第2の辺A2の一端とを結ぶ第3の辺A3と、第1の辺A1の他端と第2の辺A2の他端とを結ぶ第4の辺A4とを有する台形形状をなしている。第1の辺A1は、トラック幅を規定する。磁極層15の端面の幅は、第2の辺A2に近づくに従って、すなわち基板1に近づくに従って小さくなっている。これにより、スキューに起因して、あるトラックへの情報の書き込み時に隣接トラックの情報が消去される現象を抑制することができる。なお、スキューとは、円盤状の記録媒体における円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きのことである。なお、磁極層15の端面の形状は、長方形または正方形であってもよい。また、磁極層15の端面の形状は、第2の辺A2がない三角形であってもよい。
なお、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、以下のような種々の変更が可能である。まず、ヨーク層13は設けられていなくてもよいし、磁極層15の上側に設けられていてもよいし、磁極層15の上下にそれぞれ設けられていてもよい。また、平面渦巻き状のコイル19の代わりに、磁極層15を中心にして螺旋状に配置されたコイルを設けてもよい。あるいは、磁極層15の上下にそれぞれ、平面渦巻き状のコイルを設けてもよい。また、記録シールド層21は、2つ以上の層によって形成されていてもよい。
本実施の形態に係る磁気ヘッドを含む磁気ディスク装置における記録媒体は、例えば、基板と、この基板上に順に積層された水平磁化層および垂直磁化層を備えている。垂直磁化層は、情報を記録する層である。水平磁化層は、磁束を通過させる磁路を形成する層である。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの効果について説明する。まず、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21はそれぞれ、第1の端面3a,9a,11a,21aに近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分3A,9A,11A,21Aを有している。これにより、本実施の形態によれば、トラック消去の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21はそれぞれ、更に、第2の端面3b,9b,11b,21bに近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分3B,9B,11B,21Bを有している。また、本実施の形態では、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21の平面形状はそれぞれ、前述のパラメータPの値が0〜0.2の範囲内となるような形状である。言い換えると、これらの層3,9,11,21の平面形状は、媒体対向面30に平行な仮想の中心線3CL,9CL,11CL,21CLによって分けられた2つの部分が中心線3CL,9CL,11CL,21CLを中心として線対称の関係か線対称に近い関係となる形状である。これらのことから、本実施の形態によれば、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、記録シールド層21が第1の幅変化部分21Aと第2の幅変化部分21Bとを有し、記録シールド層21の平面形状が、上述のように、中心線21CLによって分けられた2つの部分が中心線21CLを中心として線対称の関係か線対称に近い関係となる形状になっている。これにより、本実施の形態によれば、広範囲隣接トラック消去の発生を抑制することができる。
本実施の形態において、上記の各効果が得られる理由については、第2の実施の形態の説明の後で、実験の結果を参照しながら詳しく説明する。
また、本実施の形態において、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21の平面形状は等しい。これにより、これらの層3,9,11,21を同一形状のマスクを用いてパターニングすることが可能となり、その結果、磁気ヘッドの製造効率を向上させることが可能になる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置について説明する。まず、図8を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。磁気ディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体である磁気ディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図1における基板1および保護層22からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、磁気ディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面(エアベアリング面)30が形成されている。磁気ディスクが図8におけるz方向に回転すると、磁気ディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図8におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によって磁気ディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図8におけるx方向は、磁気ディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図8における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図9を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図9は、本実施の形態に係るヘッドアームアセンブリを示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図10および図11を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係る磁気ディスク装置について説明する。図10は磁気ディスク装置の要部を示す説明図、図11は磁気ディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、磁気ディスク装置に組み込まれる。磁気ディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚の磁気ディスク262を有している。各磁気ディスク262毎に、磁気ディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共に磁気ディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係る磁気ディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210を磁気ディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210を磁気ディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、磁気ディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、磁気ディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置は、前述の本実施の形態に係る磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
[第2の実施の形態]
次に、図12および図13を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12は、本実施の形態における第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状を示す平面図である。図12に示したように、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状は等しい。
次に、図12および図13を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12は、本実施の形態における第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状を示す平面図である。図12に示したように、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状は等しい。
図12に示したように、本実施の形態における第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11はそれぞれ、第1の実施の形態における第1の側面3c,9c,11cおよび第2の側面3d,9d,11dの代わりに、第1の側面3i,9i,11iおよび第2の側面3j,9j,11jを有している。第1の側面3i,9i,11iおよび第2の側面3j,9j,11jは、幅方向外側に突出する曲面である。この曲面は、円筒の一部となる面であってもよい。
また、本実施の形態における第1の幅変化部分3A,9A,11Aは、層3,9,11のうち、最も幅が大きくなる位置よりも媒体対向面30に近い部分である。また、本実施の形態における第2の幅変化部分3B,9B,11Bは、層3,9,11のうち、最も幅が大きくなる位置よりも媒体対向面30から遠い部分である。
図12に示した例では、層3,9,11の平面形状はそれぞれ、媒体対向面30に平行な仮想の中心線3CL,9CL,11CLによって分けられた2つの部分が中心線3CL,9CL,11CLを中心として線対称の関係となる形状になっている。しかし、中心線3CL,9CL,11CLによって分けられた2つの部分は、線対称でなくとも、線対称に近ければよい。
図13は、本実施の形態における記録シールド層21の平面形状を示す平面図である。記録シールド層21の平面形状は、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11の平面形状と等しい。
図13に示したように、本実施の形態における記録シールド層21は、第1の実施の形態における第1の側面21cおよび第2の側面21dの代わりに、第1の側面21iおよび第2の側面21jを有している。第1の側面21iおよび第2の側面21jは、幅方向外側に突出する曲面である。この曲面は、円筒の一部となる面であってもよい。
また、本実施の形態における第1の幅変化部分21Aは、記録シールド層21のうち、最も幅が大きくなる位置よりも媒体対向面30に近い部分である。また、本実施の形態における第2の幅変化部分21Bは、記録シールド層21のうち、最も幅が大きくなる位置よりも媒体対向面30から遠い部分である。
図13に示した例では、記録シールド層21の平面形状はそれぞれ、媒体対向面30に平行な仮想の中心線21CLによって分けられた2つの部分が中心線21CLを中心として線対称の関係となる形状になっている。しかし、中心線21CLによって分けられた2つの部分は、線対称でなくとも、線対称に近ければよい。
次に、図14および図15を参照して、第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21の平面形状について詳しく説明する。図14および図15は、これらの層3,9,11,21の平面形状を説明するための説明図である。
図14に示したように、層3,9,11,21の平面形状はそれぞれ、平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状である。ここで、上記平面形状を形成するために外接長方形から切り離された4つの切片のうち、第1の端面3a,9a,11a,21aに近い2つの切片を第1の切片C11,C12とし、第2の端面3b,9b,11b,21bに近い2つの切片を第2の切片C21,C22とする。
また、図15に示したように、媒体対向面30に平行な仮想の中心線3CL,9CL,11CL,21CLを中心として、層3,9,11,21の平面形状および上記外接長方形を折り返したときに、第1の切片C11,C12および第2の切片C21,C22のうち互いに重ならない部分Dの面積をSdとする。また、第1の切片C11,C12と第2の切片C21,C22の面積の和をSsとする。第1の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、重ならない部分Dの面積Sdを第1の切片C11,C12と第2の切片C21,C22の面積の和Ssで除した値を、対称からのずれを表すパラメータPとする。図12および図13に示したように、層3,9,11,21の平面形状が、仮想の中心線3CL,9CL,11CL,21CLによって分けられた2つの部分が中心線3CL,9CL,11CL,21CLを中心として線対称の関係となる形状の場合、パラメータPの値は0となる。パラメータPの値が0以外のときは、上記の2つの部分は線対称ではない。しかし、パラメータPの値が0以外であっても0に近ければ、2つの部分は線対称に近いと言える。パラメータPの値が大きくなるに従って、2つの部分は線対称の関係から遠ざかる。本実施の形態では、パラメータPの値が0〜0.2の範囲内となるようする。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
次に、第1および第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの効果を確認するために行った大1ないし第5の実験の結果を参照しながら、第1および第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの効果について詳しく説明する。
[第1の実験]
第1の実験は、トラック消去に関する実験である。第1の実験では、以下で説明する第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。
第1の実験は、トラック消去に関する実験である。第1の実験では、以下で説明する第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。
第1の種類の試料は、第1の実施の形態に対応するものである。すなわち、第1の種類の試料は、図4に示した形状の第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11と、図5に示した形状の記録シールド層21とを有している。第1の種類の試料において、層3,9,11,21の最大の幅は約90μmであり、第1の端面3a,9a,11a,21aおよび第2の端面3b,9b,11b,21bの各幅は約72μmである。
第2の種類の試料は、第2の実施の形態に対応するものである。すなわち、第2の種類の試料は、図12に示した形状の第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9および中間磁性層11と、図13に示した形状の記録シールド層21とを有している。第2の種類の試料において、層3,9,11,21の最大の幅は約96μmであり、第1の端面3a,9a,11a,21aおよび第2の端面3b,9b,11b,21bの各幅は約72μmである。
第3の種類の試料は、図16に示した形状の第1の再生シールド層3、第2の再生シールド層9、中間磁性層11および記録シールド層21を有している。図16は、第3の試料における層3,9,11,21の平面形状を示す平面図である。図16に示したように、第3の試料における層3,9,11,21は、第1の実施の形態における第2の幅変化部分3B,9B,11B,21B、第3の斜面3g,9g,11gおよび第4の斜面3h,9h,11hを有していない。また、第3の試料における層3,9,11,21では、第2の端面3b,9b,11b,21bの幅方向の両側に、それぞれ第1の側面3c,9c,11c,21cと第2の側面3d,9d,11d,21dが直接接続されている。第3の種類の試料において、層3,9,11,21の最大の幅は約90μmであり、第1の端面3a,9a,11a,21aの幅は約72μmである。第3の試料において、第1の端面3a,9a,11a,21aを含む仮想の平面P31と第1の斜面3e,9e,11e,21eとのなす角度を角度θ31とする。また、仮想の平面P31と第2の斜面3f,9f,11f,21fとのなす角度を角度θ32とする。第3の試料のその他の特徴は、第1の試料と同様である。
第1の実験では、第1および第2の種類の試料における角度θ11,θ12,θ13,θ14,θ21,θ22,θ23,θ24および第3の種類の試料における角度θ31,θ32を、角度θと表す。角度θは、0°〜70°の範囲内とした。なお、第1の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状と、第3の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状は、いずれも長方形である。また、第2の種類の試料において角度θが0°のとき、曲面である第1の側面とこれに続く平面との境界位置において第1の側面に接する平面と第1の側面に続く平面とのなす角度、および曲面である第2の側面とこれに続く平面との境界位置において第2の側面に接する平面と第2の側面に続く平面とのなす角度は、いずれも45°である。
次に、図17を参照して、第1の実験の方法について説明する。第1の実験では、図17に示した実験装置を使用した。この実験装置は、第1の実施の形態において説明した磁気ディスク装置にコイル300を付加した構成になっている。この実験装置において、スライダ210は上述の磁気ヘッドの試料を含んでいる。コイル300は、必要なときに磁気ディスク262の面に対して垂直な方向の外部磁界を発生するようになっている。
第1の実験は、以下の第1ステップないし第6ステップを含んでいる。第1ステップでは、磁気ディスク262において、中心トラック、および中心トラックの両側におけるそれぞれ50μmの幅の領域内の全てのトラックに、低周波(1MHz)の信号を記録した。
第2ステップでは、低周波の信号を記録した全トラックより低周波の信号を再生して、トラック毎に、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を初期信号出力と呼ぶ。
第3ステップでは、磁気ヘッドの試料を中心トラックに配置して、磁気ディスク262を回転させながら、コイル300から外部磁界を発生させた。このとき、第1の端面3a,9a,11a,21a、第1の斜面3e,9e,11e,21eおよび第2の斜面3f,9f,11f,21fにおいて、媒体対向面30に対して垂直な方向の磁界成分が局所的に大きくなると、トラック消去が発生し得る。第4ステップでは、コイル300からの外部磁界の発生を停止した。
第5ステップでは、低周波の信号を記録した全トラックより低周波の信号を再生して、トラック毎に、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を残留信号出力と呼ぶ。
第6ステップでは、各試料について、トラック消去に関して不良か否かを判定した。ここでは、初期信号出力に対する残留信号出力の割合が70%以下となったトラックが1つでもあれば不良であると判定し、初期信号出力に対する残留信号出力の割合が70%以下となったトラックが全くなければ不良ではないと判定した。
以上の内容の実験を多数の試料について行い、条件が同じ複数の試料において不良と判定される割合を求めた。この割合を百分率で表した数値を不良率とする。第1の実験の結果を、図18ないし図20に示す。図18は、第1の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。図19は、第2の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。図20は、第3の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。
図18ないし図20から分かるように、第1ないし第3の種類の試料で同様な傾向が見られる。すなわち、いずれの種類の試料においても、角度θが2°〜40°の範囲で、トラック消去の発生を抑制する効果が得られている。この効果は、いずれの種類の試料においても、角度θが4°〜35°の範囲内のときに顕著になる。このことから、トラック消去の発生を抑制するためには、層3,9,11,21が第1の幅変化部分3A,9A,11A,21Aを有することが重要であることが分かる。また、第1の実験の結果から分かるように、トラック消去の発生を抑制するためには、第1および第2の実施の形態において、角度θ11,θ12,θ21,θ22は、2°〜40°の範囲内であることが好ましく、4°〜35°の範囲内であることがより好ましい。
なお、第1ないし第3のいずれの種類の試料においても、角度θが40°を超えると不良率が大きくなっている。この原因は、角度θが40°を超えると、第1の端面3a,9a,11a,21aと第1の斜面3e,9e,11e,21eとによって形成される角部の近傍と、第1の端面3a,9a,11a,21aと第2の斜面3f,9f,11f,21fとによって形成される角部の近傍において、媒体対向面30に対して垂直な方向の磁界成分が大きくなるためと考えられる。
[第2の実験]
第2の実験は、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動に関する実験である。第2の実験では、第1の実験と同様の第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。ただし、第2の実験では、角度θを10°とした。第1ないし第3の種類の試料のその他の特徴は、第1の実験と同様である。
第2の実験は、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動に関する実験である。第2の実験では、第1の実験と同様の第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。ただし、第2の実験では、角度θを10°とした。第1ないし第3の種類の試料のその他の特徴は、第1の実験と同様である。
次に、第2の実験の方法について説明する。第2の実験は、第1の実施の形態において説明した磁気ディスク装置を使用して行った。第2の実験は、以下の第1ステップないし第12ステップを含んでいる。第1ステップでは、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を初期着磁と呼ぶ。
第2ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波(1MHz)の信号を記録した後、この信号を再生した。そして、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を初期信号出力と呼ぶ。
第3ステップでは、再度、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を1回目の再着磁と呼ぶ。第4ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波の信号を記録した後、この信号を再生し、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を1回目の再着磁後の信号出力と呼ぶ。
第5ステップでは、再度、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を2回目の再着磁と呼ぶ。第6ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波の信号を記録した後、この信号を再生し、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を2回目の再着磁後の信号出力と呼ぶ。
第7ステップでは、再度、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を3回目の再着磁と呼ぶ。第8ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波の信号を記録した後、この信号を再生し、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を3回目の再着磁後の信号出力と呼ぶ。
第9ステップでは、再度、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を4回目の再着磁と呼ぶ。第10ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波の信号を記録した後、この信号を再生し、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を4回目の再着磁後の信号出力と呼ぶ。
第11ステップでは、再度、バイアス磁界印加層6の着磁を行った。この着磁を5回目の再着磁と呼ぶ。第12ステップでは、磁気ディスク262における所定のトラックへ低周波の信号を記録した後、この信号を再生し、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を5回目の再着磁後の信号出力と呼ぶ。
第4ステップ、第6ステップ、第8ステップ、第10ステップおよび第12ステップでは、再着磁後の信号出力が、初期信号出力に比べて初期信号出力の20%以上変化した場合には不良であると判定し、そうでない場合には不良ではないと判定した。
以上の内容の実験を多数の試料について行い、条件が同じ複数の試料において不良と判定される割合を求めた。この割合を百分率で表した数値を不良率とする。第2の実験の結果を、図21ないし図23に示す。図21は、第3の種類の試料における再着磁毎の不良率を示す特性図である。図22は、第1の種類の試料における再着磁毎の不良率を示す特性図である。図23は、第2の種類の試料における再着磁毎の不良率を示す特性図である。図21ないし図23において、横軸の0〜5の数字は、それぞれ、初期着磁、1回目の再着磁、2回目の再着磁、3回目の再着磁、4回目の再着磁、5回目の再着磁を表している。
図21から分かるように、第3の種類の試料では再着磁毎の不良率が大きい。これに対し、図22および図23から分かるように、第1の種類および第2の種類の試料では再着磁毎の不良率が非常に小さくなっている。また、図22と図23を比較すると、第1の種類の試料よりも第2の種類の試料の方が、再着磁毎の不良率が小さくなっていることが分かる。
ここで、第3の種類の試料では再着磁毎の不良率が大きくなり、第1の種類および第2の種類の試料では再着磁毎の不良率が小さくなる原因について考察する。図24は、第3の種類の試料における再生シールド層3,9の磁区構造の一例を模式的に示したものである。図24において、(a)〜(f)は、それぞれ初期着磁後、1回目の再着磁後、2回目の再着磁後、3回目の再着磁後、4回目の再着磁後、5回目の再着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造を示している。図中の矢印は、磁化の方向を示している。なお、図24に示したような磁区構造は、磁区観察装置によって容易に観察することができる。
図24に示したように、第3の種類の試料では、着磁毎に再生シールド層3,9の磁区構造が変化している。これは、再生シールド層3,9の平面形状が、媒体対向面30に平行な仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状にはなっていないことに起因していると考えられる。図24に示したように、着磁毎に再生シールド層3,9の磁区構造が変化すると、媒体対向面30の近傍における再生シールド層3,9の磁化の方向が、着磁毎に変化し得る。
図25は、再生シールド層3,9の磁区構造が図24(a)に示した構造になっているときの媒体対向面30の近傍における再生ヘッドの状態を示す説明図である。図26は、再生シールド層3,9の磁区構造が図24(b)に示した構造になっているときの媒体対向面30の近傍における再生ヘッドの状態を示す説明図である。図25および図26において、符号41で示す矢印は再生シールド層3の磁化の方向を表し、符号42で示す矢印は再生シールド層9の磁化の方向を表し、符号43で示す矢印はバイアス磁界印加層6によるバイアス磁界の方向を表している。また、図25および図26において、符号44で示す矢印は、再生シールド層3,9の磁化によってMR素子5に印加される磁界の方向を表している。図25に示した状態と図26に示した状態とでは、再生シールド層3,9の磁化によってMR素子5に印加される磁界の方向が互いに反対になっている。
図25および図26に示したように、MR素子5には、バイアス磁界と、再生シールド層3,9の磁化による磁界とが印加される。そのため、再生シールド層3,9の磁化の方向が変化することによって、再生シールド層3,9の磁化によってMR素子5に印加される磁界の方向が変化すると、再生ヘッドの出力が変化する。
図27は、第3の種類の試料における着磁毎の再生ヘッドの出力の変化の一例を示す特性図である。図27において、横軸の0〜5の数字は、それぞれ、初期着磁、1回目の再着磁、2回目の再着磁、3回目の再着磁、4回目の再着磁、5回目の再着磁を表している。図27において、縦軸は、規格化出力を表している。ここで、規格化出力とは、各着磁後の信号出力を初期信号出力で除した値とする。また、図27において、符号51で示す破線は、初期信号出力の80%のレベルを表し、符号52で示す破線は、初期信号出力の120%のレベルを表している。図27に示した例では、1回目、3回目および5回目の再着磁後の信号出力が、初期信号出力に比べて初期信号出力の20%以上変化している。
以上の考察から、第3の種類の試料では、着磁毎に再生シールド層3,9の磁区構造が変化しやすいことから、再着磁毎の不良率が大きくなると考えられる。
図28は、第1の種類の試料における再生シールド層3,9の磁区構造の一例を模式的に示したものである。図29は、第2の種類の試料における再生シールド層3,9の磁区構造の一例を模式的に示したものである。図28および図29において、(a)〜(f)は、それぞれ初期着磁後、1回目の再着磁後、2回目の再着磁後、3回目の再着磁後、4回目の再着磁後、5回目の再着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造を示している。図中の矢印は、磁化の方向を示している。図28に示した第1の種類の試料における例では、(b)に示した1回目の再着磁後を除いて、着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造は一定である。図29に示した第2の種類の試料における例では、全ての着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造は一定である。従って、図28および図29に示した例では、第1の種類の試料よりも第2の種類の試料の方が、着磁毎の再生シールド層3,9の磁区構造の変化が抑制されている。
第1の種類および第2の種類の試料では、再生シールド層3,9の平面形状が、媒体対向面30に平行な仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状になっている。これにより、第1の種類および第2の種類の試料では、着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造は一定の構造になりやすいと考えられる。そのため、第1の種類および第2の種類の試料では、着磁毎の再生シールド層3,9の磁区構造の変化が抑制され、その結果、再着磁毎の不良率が小さくなると考えられる。また、第2の種類の試料では、第1の種類の試料に比べて、着磁後の再生シールド層3,9の磁区構造はより一定の構造になりやすいと考えられる。そのため、第1の種類の試料よりも第2の種類の試料の方が、再着磁毎の不良率が小さくなると考えられる。
第2の実験の結果と上記の考察から、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動を抑制するには、第1および第2の実施の形態のように、再生シールド層3,9が第1の幅変化部分3A,9Aだけでなく、第2の幅変化部分3B,9Bをも有することが重要であると言える。更に、第2の実験の結果から、第1の実施の形態に比べて第2の実施の形態の方が、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動を抑制する効果が大きいことが分かる。
[第3の実験]
第3の実験は、第2の実験と同様に、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動に関する実験である。第3の実験では、第1の実験と同様の第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。第3の実験では、角度θを0°〜45°の範囲内とした。第1ないし第3の種類の試料のその他の特徴は、第1の実験と同様である。なお、第1の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状と、第3の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状は、いずれも長方形である。
第3の実験は、第2の実験と同様に、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動に関する実験である。第3の実験では、第1の実験と同様の第1ないし第3の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。第3の実験では、角度θを0°〜45°の範囲内とした。第1ないし第3の種類の試料のその他の特徴は、第1の実験と同様である。なお、第1の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状と、第3の種類の試料において角度θが0°のときの層3,9,11,21の平面形状は、いずれも長方形である。
第3の実験では、各試料について、第2の実験と同様の第1ステップないし第12ステップを実行した。第3の実験では、条件が同じ複数の試料において、1回目ないし5回目の再着磁後において1回以上、不良と判定された試料の割合を求め、この割合を百分率で表した数値を不良率とした。第3の実験の結果を、図30ないし図32に示す。図30は、第3の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。図31は、第1の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。図32は、第2の種類の試料における角度θと不良率との関係を示す特性図である。
図30から分かるように、第3の種類の試料では、角度θが2°以上になると不良率が非常に大きくなる。また、図31および図32から分かるように、第1および第2の種類の試料では、角度θが0°〜30°の範囲で不良率が十分小さくなり、特に角度θが0°〜25°の範囲で不良率が非常に小さくなる。従って、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動を抑制するためには、第1および第2の種類の試料において、角度θは、0°〜30°の範囲内であることが好ましく、0°〜25°の範囲内であることがより好ましい。
第1の実験の結果から、トラック消去の発生を抑制するためには、第1および第2の実施の形態において、角度θ11,θ12,θ21,θ22は、2°〜40°の範囲内であることが好ましく、4°〜35°の範囲内であることがより好ましいことが分かった。この第1の実験の結果と第3の実験の結果を合わせて考えると、トラック消去の発生と、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とを抑制するためには、第1および第2の実施の形態において、再生シールド層3,9における角度θ11,θ12,θ13,θ14は、2°〜30°の範囲内であることが好ましく、4°〜25°の範囲内であることがより好ましいと言える。中間磁性層11は、再生シールド層の機能を有することから、トラック消去の発生と、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動とを抑制するためには、中間磁性層11の形状は、再生シールド層3,9と同様の形状とすることが好ましい。
記録シールド層21の形状は、バイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動には影響を与えない。しかし、この後で説明する第4の実験の結果から、記録シールド層21の形状も、再生シールド層3,9と同様の形状とすることが好ましい。
[第4の実験]
第4の実験は、広範囲隣接トラック消去に関する実験である。第4の実験では、実施例の磁気ヘッドの試料と比較例の磁気ヘッドの試料とを用いた。実施例の試料は、第1の実施の形態に対応するものである。実施例の試料は、第1の実験の第1の種類の試料において、再生シールド層3,9および中間磁性層11(図4参照)における角度θ11,θ12,θ13,θ14および記録シールド層21(図5参照)における角度θ21,θ22,θ23,θ24を、いずれも10°としたものである。比較例の試料は、記録シールド層21の形状のみが実施例の試料と異なるものである。比較例の試料における記録シールド層21の形状は、第1の実験の第3の種類の試料における記録シールド21(図16参照)において角度θ31,θ32を10°としたものである。
第4の実験は、広範囲隣接トラック消去に関する実験である。第4の実験では、実施例の磁気ヘッドの試料と比較例の磁気ヘッドの試料とを用いた。実施例の試料は、第1の実施の形態に対応するものである。実施例の試料は、第1の実験の第1の種類の試料において、再生シールド層3,9および中間磁性層11(図4参照)における角度θ11,θ12,θ13,θ14および記録シールド層21(図5参照)における角度θ21,θ22,θ23,θ24を、いずれも10°としたものである。比較例の試料は、記録シールド層21の形状のみが実施例の試料と異なるものである。比較例の試料における記録シールド層21の形状は、第1の実験の第3の種類の試料における記録シールド21(図16参照)において角度θ31,θ32を10°としたものである。
第4の実験では、まず、磁気ディスク262において、中心トラック、および中心トラックの両側におけるそれぞれ50μmの幅の領域内の全てのトラックに、低周波(1MHz)の信号を記録した。次に、低周波の信号を記録した全トラックより低周波の信号を再生して、トラック毎に、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を初期信号出力と呼ぶ。次に、中心トラックに、高周波(160MHz)の信号を記録した。次に、中心トラックを除く、低周波の信号を記録した全トラックより、最初に記録した低周波の信号を再生して、トラック毎に、得られた再生信号出力の平均値を求めた。この値を残留信号出力と呼ぶ。そして、初期信号出力に対する残留信号出力の割合を規格化出力とした。広範囲隣接トラック消去が発生すると、1以上のトラックにおいて規格化出力が大きく低下する。
第4の実験の結果を図33および図34に示す。図33は、比較例の試料における中心トラックからの距離と規格化出力との関係を示す特性図である。図34は、実施例の試料における中心トラックからの距離と規格化出力との関係を示す特性図である。図33と図34から分かるように、比較例の試料では広範囲隣接トラック消去が発生しているのに対し、実施例の試料では広範囲隣接トラック消去は発生していない。
比較例の試料において広範囲隣接トラック消去が発生するのは、記録シールド層21の平面形状が、媒体対向面30に平行な仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状にはなっていないことに起因していると考えられる。すなわち、比較例における記録シールド層21では、図24に示した再生シールド層3,9と同様に、磁気的な状態が不安定になりやすく、その結果、第1の端面21aを通過する磁束が変動して、広範囲隣接トラック消去が生じると考えられる。
一方、実施例における記録シールド層21の平面形状は、媒体対向面30に平行な仮想の中心線によって分けられた2つの部分が中心線を中心として線対称の関係となる形状になっている。これにより、実施例における記録シールド層21では、磁気的な状態が安定になりやすく、その結果、広範囲隣接トラック消去の発生が抑制されると考えられる。
第4の実験の結果から、トラック消去の発生とバイアス磁界印加層6の着磁に伴う再生ヘッドの出力変動の抑制に加え、広範囲隣接トラック消去の発生も抑制するためには、記録シールド層21の形状を、再生シールド層3,9と同様の形状とすることが好ましいと言える。
[第5の実験]
第5の実験は、第1および第2の実施の形態において説明した対称からのずれを表すパラメータPの値の好ましい範囲を求めるための実験である。第5の実験では、以下で説明する第4および第5の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。
第5の実験は、第1および第2の実施の形態において説明した対称からのずれを表すパラメータPの値の好ましい範囲を求めるための実験である。第5の実験では、以下で説明する第4および第5の種類の磁気ヘッドの試料を用いた。
第4の種類の試料は、第1の実施の形態に対応するものである。第4の種類の試料は、第2の実験における第1の種類の試料を含んでいる。この第1の種類の試料を、第4の種類における基本試料と呼ぶ。この基本試料では、パラメータPの値は0となる。第4の種類の試料は、基本試料と、これに類似した試料とを含む。基本試料に類似した試料とは、角度θ11,θ12,θ21,θ22を10゜とし、角度θ13,θ14,θ23,θ24を10°以外の角度とするか、あるいは、角度θ11,θ12,θ13,θ14,θ21,θ22,θ23,θ24を10°とし、第3の斜面3g,9g,11g,21gおよび第4の斜面3h,9h,11h,21hの長さを、第1の斜面3e,9e,11e,21eおよび第4の斜面3f,9f,11f,21fの長さとは異ならせることによって、パラメータPの値を0.02〜0.40の範囲内で変化させた試料である。
第5の種類の試料は、第2の実施の形態に対応するものである。第5の種類の試料は、第2の実験における第2の種類の試料を含んでいる。この第2の種類の試料を、第5の種類における基本試料と呼ぶ。この基本試料では、パラメータPの値は0となる。第5の種類の試料は、基本試料と、これに類似した試料とを含む。基本試料に類似した試料とは、角度θ11,θ12,θ21,θ22を10゜とし、角度θ13,θ14,θ23,θ24を10°以外の角度とするか、あるいは、角度θ11,θ12,θ13,θ14,θ21,θ22,θ23,θ24を10°とし、第3の斜面3g,9g,11g,21gおよび第4の斜面3h,9h,11h,21hの長さを、第1の斜面3e,9e,11e,21eおよび第4の斜面3f,9f,11f,21fの長さとは異ならせることによって、パラメータPの値を0.02〜0.40の範囲内で変化させた試料である。
第5の実験では、各試料について、第2の実験と同様の第1ステップないし第12ステップを実行した。第5の実験では、条件が同じ複数の試料において、1回目ないし5回目の再着磁後の信号出力のうち、初期信号出力に対する変化量が最も大きい信号出力が、初期信号出力に比べて初期信号出力の20%以上変化した試料の割合を求め、この割合を百分率で表した数値を不良率とした。
第5の実験の結果を、図35に示す。図35は、第4および第5の種類の試料におけるパラメータPと不良率との関係を示す特性図である。図35において、三角形の複数の点およびこれらを接続する直線は、第4の種類の試料の特性を表している。また、図35において、丸形状の複数の点およびこれらを接続する直線は、第5の種類の試料の特性を表している。
図35から分かるように、第4の種類の試料と第5の種類の試料のいずれにおいても、パラメータPの値が0〜0.2の範囲内であれば、不良率は10%未満の小さな値になっている。しかし、第4の種類の試料と第5の種類の試料のいずれにおいても、パラメータPの値が0.2よりも大きくなると不良率は増加する。この第5の実験の結果に基づいて、第1および第2の実施の形態では、パラメータPの値の範囲を0〜0.2としている。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、層3,9,11,21の形状は、第1および第2の実施の形態に示した形状に限らない。例えば、第1および第2の実施の形態において、第1ないし第4の斜面の代わりに、それぞれ曲面を配置してもよい。この場合、第1の端面とこれに続く曲面との境界位置において曲面に接する平面と第1の端面とのなす角度、および第2の端面とこれに続く曲面との境界位置において曲面に接する平面と第2の端面とのなす角度は、それぞれ2°〜30°の範囲内であることが好ましく、4°〜25°の範囲内であることがより好ましい。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
3…第1の再生シールド層、5…MR素子、6…バイアス磁界印加層、9…第2の再生シールド層、11…中間磁性層、15…磁極層、17…ギャップ層、19…コイル、21…記録シールド層、30…媒体対向面。
Claims (17)
- 記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ前記媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、前記媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって前記記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
前記磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
前記磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、
前記第1および第2の再生シールド層はそれぞれ、前記媒体対向面に配置された第1の端面と、前記第1の端面とは反対側の第2の端面と、前記第1の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分と、前記第2の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分とを有し、
前記第1および第2の再生シールド層の平面形状はそれぞれ、前記平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状であり、
前記平面形状を形成するために前記外接長方形から切り離された4つの切片のうち、前記第1の端面に近い2つの切片を第1の切片とし、前記第2の端面に近い2つの切片を第2の切片とし、前記媒体対向面に平行な仮想の中心線を中心として、前記平面形状および外接長方形を折り返したときに、第1の切片および第2の切片のうち互いに重ならない部分の面積を、第1の切片と第2の切片の面積の和で除した値が、0〜0.2の範囲内であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記第1および第2の再生シールド層の平面形状はそれぞれ、前記仮想の中心線によって分けられた2つの部分が前記中心線を中心として線対称の関係となる形状であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の幅変化部分は、前記第1の端面の幅方向の各端部に接続された第1および第2の斜面を有し、前記第2の幅変化部分は、前記第2の端面の幅方向の各端部に接続された第3および第4の斜面を有することを特徴とする請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1および第2の再生シールド層はそれぞれ、更に、前記第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、前記第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有し、前記第1および第2の側面は平面であることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1および第2の再生シールド層はそれぞれ、更に、前記第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、前記第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有し、前記第1および第2の側面は、幅方向外側に突出する曲面であることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の端面を含む第1の仮想の平面と前記第1の斜面とのなす角度、前記第1の仮想の平面と前記第2の斜面とのなす角度、前記第2の端面を含む第2の仮想の平面と前記第3の斜面とのなす角度、および前記第2の仮想の平面と前記第4の斜面とのなす角度は、いずれも2°〜30°の範囲内であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の再生シールド層の平面形状と第2の再生シールド層の平面形状は等しいことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 記録媒体に対向する媒体対向面と、
互いに反対側を向き且つ前記媒体対向面と交差するように配置された第1および第2の面を有し、前記媒体対向面の近傍に配置され、垂直磁気記録方式によって前記記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果素子と、
前記磁気抵抗効果素子の第1の面に対向するように配置された第1の再生シールド層と、
前記磁気抵抗効果素子の第2の面に対向するように配置された第2の再生シールド層と、
前記磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界印加層と、
前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイルと、
前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記コイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
前記媒体対向面に配置された第1の端面を有し、前記媒体対向面から離れた位置において前記磁極層に連結された記録シールド層と、
前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記磁極層と記録シールド層との間に設けられたギャップ層とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、
前記媒体対向面において、前記記録シールド層の第1の端面は、前記磁極層の前記端面に対して、前記ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置され、
前記記録シールド層の第1の端面の幅は、前記磁極層の前記端面の幅よりも大きく、
前記第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層はそれぞれ、前記媒体対向面に配置された第1の端面と、前記第1の端面とは反対側の第2の端面と、前記第1の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第1の幅変化部分と、前記第2の端面に近づくに従って連続的に幅が減少する第2の幅変化部分とを有し、
前記第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層の平面形状はそれぞれ、前記平面形状に外接する外接長方形における4つの角部を切り欠いて形成される形状であり、
前記平面形状を形成するために前記外接長方形から切り離された4つの切片のうち、前記第1の端面に近い2つの切片を第1の切片とし、前記第2の端面に近い2つの切片を第2の切片とし、前記媒体対向面に平行な仮想の中心線を中心として、前記平面形状および外接長方形を折り返したときに、第1の切片および第2の切片のうち互いに重ならない部分の面積を、第1の切片と第2の切片の面積の和で除した値が、0〜0.2の範囲内であることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層の平面形状はそれぞれ、前記仮想の中心線によって分けられた2つの部分が前記中心線を中心として線対称の関係となる形状であることを特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の幅変化部分は、前記第1の端面の幅方向の各端部に接続された第1および第2の斜面を有し、前記第2の幅変化部分は、前記第2の端面の幅方向の各端部に接続された第3および第4の斜面を有することを特徴とする請求項8または9記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層はそれぞれ、更に、前記第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、前記第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有し、前記第1および第2の側面は平面であることを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の再生シールド層、第2の再生シールド層および記録シールド層はそれぞれ、更に、前記第1の斜面と第3の斜面とを接続する第1の側面と、前記第2の斜面と第4の斜面とを接続する第2の側面とを有し、前記第1および第2の側面は、幅方向外側に突出する曲面であることを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の端面を含む第1の仮想の平面と前記第1の斜面とのなす角度、前記第1の仮想の平面と前記第2の斜面とのなす角度、前記第2の端面を含む第2の仮想の平面と前記第3の斜面とのなす角度、および前記第2の仮想の平面と前記第4の斜面とのなす角度は、いずれも2°〜30°の範囲内であることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の再生シールド層の平面形状と前記第2の再生シールド層の平面形状と前記記録シールドの平面形状は等しいことを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
前記スライダを記録媒体のトラック横断方向に移動させるためのアームと
を備え、前記サスペンションが前記アームに取り付けられていることを特徴とするヘッドアームアセンブリ。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
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