JP2007139986A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真方式を用いた画像の定着方法において、省エネのため溶剤定着が実用化されている。樹脂を含む着色粒子(トナー)は、高温にしなくとも軟化剤を含む溶剤で樹脂を軟化させることができる。しかし、溶媒として水を用いたものは蒸発により乾燥させるため、熱定着装置に匹敵する電力を必要とする。水以外の溶媒を用いた例では、揮発性を有し、かつ臭いがきつい。臭いの問題が少なく、かつ揮発性も少ない溶媒を用いてトナーを軟化させる定着法では、省エネルギーかつ安全な定着装置が得られるが、定着速度が軟化剤の樹脂粒子や記録媒体への浸透速度に依存しているので高速化が困難である。
【解決手段】トナーに定着液を付与する前、または後に、少なくともトナーが定着に適した温度になるよう、必要なところに温度調節手段を設けることにより、軟化した樹脂粒子の記録媒体に対する浸透速度が上がり、定着の高速化が達成できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、等の電子写真方式を用いた画像の定着方法とその装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等に用いられる画像形成装置は、画像情報に基づいて紙、布、OHP用シート等の記録材に文字や記号等を含む画像を記録するものである。
このような記録装置には種々の方式があるが、そのうち、電子写真方式の画像形成装置が普通紙に高精細な画像を高速で記録することができる点から広くオフィスで使用されている。この電子写真方式の画像形成装置では、記録媒体上のトナーを加熱して溶解し、これを加圧することでトナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が主流である。
しかしながら、これらの像形成装置における消費電力の約半分以上は熱定着方式のトナー加熱のために消費されており、近年の環境負荷軽減の観点から低消費電力(省エネ)の定着装置が望まれている。即ち、定着時の加熱温度を今までよりも極端に下げる、もしくは加熱を必要としない、定着方式が望まれている。
省エネの観点からは、全く加熱せずにトナーを定着させることが理想である。この非加熱定着方法として、トナー樹脂を溶解する溶剤を未定着トナーに付与する所謂溶剤定着が知られている(例えば、特許文献1 参照。)。
溶剤定着においては、トナーを溶解、又は膨潤させる定着液をトナーに付与してトナーを溶解、または膨潤させ、この定着液を乾燥させることでトナーを定着させる方法が提案されている。この定着方式では、前記熱定着方式の場合のようにトナー溶解のための加熱処理が不要であることから、低消費電力で省エネ対策として優れた定着方式と言える。
しかしながら、上記従来技術では、軟化剤の分散媒である水はVOC(揮発性有機化合物)に非該当であり問題ないが、軟化剤中のその他の有機化合物に関しては、臭気(不快臭や刺激臭)や安全性(PRTR法該当品種やProposition65該当品種)の観点からは問題視される材料が実施例等に記載されており、オフィス環境で使用する場合、人体に対し悪影響を及ぼす部材や不快な臭気がオフィス内に充満してしまい、オフィス環境への使用は問題である。また、定着剤を多量に未定着トナー画像に付与した場合、水分の吸収により記録媒体に皺やカールが発生し、画像形成装置として必要な安定かつ高速な記録媒体(転写紙)搬送を著しく損なうこととなる。さらに、この多量の水は乾燥装置を用いて蒸発により除去しようとすると、上記熱定着装置に匹敵する電力を必要とすることとなる。更に、大気中水分の影響で粒子どうしの流動性を損なわないようにするため、トナー微粒子表面は撥水性処理されており、水を溶媒とする定着液の場合、未定着トナー画像に定着液を付与すると、トナー微粒子が液に弾かれてしまい、画像が乱れるという重大な不具合がある。
一方、別の溶剤定着方法として、トナーを溶解しシリコーンオイルと相溶性を示す溶剤をシリコーンオイルに混合することでトナーの軟化による画像の乱れを防止している(例えば、特許文献2 参照。)。すなわち比較的粘度の高いシリコーンオイルにより、軟化したトナーの流動を抑えているものである。また、この発明の中で開示されている溶剤はベンゼン等の芳香族系溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤であり、揮発性を有し、且つ、臭いもきつく、VOC問題の観点からも問題が多い。
これらの発明に対して、人体に対して無害な溶液を定着液として使用し、さらに、転写紙などの記録媒体上の付着量を減らしカールや皺が発生しないように、記録媒体に転写する前のトナーに対して定着液を供給し、非画像部での付着量を軽減するような工夫を行っている例がある(例えば、特許文献3 参照。)。
定着液付与時にトナーが飛び散らないよう、トナー粒子を、前もって加圧・加熱し、トナーを変形させることで、トナー間の付着力、トナーと記録紙間の付着力を増大させる方法が提案されている(例えば、特許文献4 参照。)。そのため、加圧がほぼ前提となっており、加熱手段がトナー層に接触しており、画像を乱す恐れがある。
記録媒体上のトナー樹脂粒子を軟化させる定着液を利用した定着方法では、上記のように省エネルギーかつ安全な定着装置が得られるが、定着速度が軟化剤の樹脂粒子や記録媒体への浸透速度に依存しているので高速化が困難である。
特開昭53−118139号公報 特開昭59−119364号公報 特開2004−109750号公報 特開2004−294847号公報
顕像を記録媒体へ定着させる工程において、トナー粒子や記録媒体に対し接触もしくは非接触で必要な加熱を行い、定着液の浸透加速を行うことにより、高速対応性を備えた定着装置を提供する。
請求項1に記載の発明では、着色材と樹脂を分散して微粒子化した着色粒子によって未定着像を形成する画像形成手段と、形成された未定着像を1次転写する中間転写体と、転写された未定着像を記録媒体上に転写する転写手段と、を有し、さらに、前記着色粒子を軟化させる特性を有する軟化剤を成分として含有する定着液を、前記未定着像を担持した記録媒体に供給する供給手段と、前記定着液を付与された前記記録媒体を加圧する加圧手段とを備え前記着色粒子を前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、前記定着に適した温度に調節する少なくとも1つの温度調節手段を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記中間転写体上の未定着像の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1ないし2のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記未定着像を転写した後の定着前の記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記記録媒体の前記未定着像が転写された面にエメリーローラを当接させ、その面と反対の面にヒートローラを当接させてローラ同士を加圧させる手段であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記未定着像を転写した後の記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液が前記記録媒体に付与された後の該記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液の供給手段の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記加圧手段の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項2ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、輻射熱による加熱手段を含むことを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項5ないし8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、ヒートローラによる加熱手段を含むことを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液の温度を調節する手段であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、少なくとも1つの温度調節手段は、前記記録媒体の厚さに応じて調節温度を変える手段を有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の画像形成装置において、少なくとも1つの温度調節手段は、前記記録媒体の平滑度に応じて調節温度を変える手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、樹脂を含む着色粒子に、樹脂を軟化させる軟化剤を含む定着液を付与する定着装置を有する画像形成装置において、定着に適した温度になるよう、少なくとも1つの温度調節手段を設けたので、樹脂の軟化が促進され、高速定着が可能になる。
温度調節手段を、中間転写体、転写前の記録媒体、転写後の記録媒体、定着液自身、定着液供給ローラ、加圧ローラ、定着装置排出後の記録媒体というように、さまざまな場所に必要に応じて複数箇所設けるので、高速定着の効果がより高くなる。
温度調節手段には、設置場所に応じて、輻射熱による加熱手段、ヒートローラによる加熱手段を使い分けることによって、より効果の高い高速定着ができる。
図1は本発明の実施形態に係る複写機の概略構成図である。
同図において符号1は画像形成部、20は帯電器、30は感光体、40は現像装置、41は現像ローラ、42はクリーニング部材、43は攪拌スクリュ、44は塗布ローラ、50は除電ランプ、60はクリーニング装置、70は中間転写ユニット、71、72、73は懸架ローラ、74、75、76はテンションローラ、77は1次転写バイアスローラ、79はクリーニング部材、80は転写装置、81は2次転写バイアスローラ、85は分離装置、90は定着装置、100は転写ベルト、200は記録媒体としての転写紙をそれぞれ示す。また、Aは回転方向を表す矢印、Bk、C、M、Yは色を表し、黒、シアン、マゼンタ、イエローをそれぞれ示す。
本発明の基本的考え方は、定着液の浸透加速を行うにあたり、トナーを変形させたり、トナー粒子間・トナーと記録媒体間の付着力を増大させたり、といった定着工程は、定着液の働きによるものなので、定着液付与前の工程で行う必要はない。このため、トナー粒子や記録媒体や定着液供給手段を加熱することは、画像面に非接触でも可能である、という考え方である。
同図において、潜像担持体として感光体30のまわりに、帯電器20、図示しない露光装置からの光束による画像形成部1、現像装置40、転写装置80、クリーニング装置60が配設されている。感光体30の材質としてはa−Si、OPC等が使用できる。また、帯電器20としては、ローラやチャージャ等の形態が使用できる。また、露光装置としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。
上記構成の複写機で反転現像により画像を形成する場合について説明する。感光体30は、図示しないモータ等の駆動手段によって複写時には一定速度で矢印A方向に回転駆動される。そして帯電器20により暗中にて一様に帯電された後に、画像形成部1において、露光により原稿光像が照射結像されて、静電潜像が感光体30の外周表面上に担持される。その後、上記静電潜像は現像装置40の部分を通過する間に現像される。静電潜像に現像されたトナー像は、転写部77にて中間転写ベルト100に転写後、転写紙200に転写される。転写後、感光体30は除電ランプ50により残留電位が除去されて、クリーニング装置20により、残留トナーが除去され次の作像に備えられる。
転写後の転写紙200は定着装置90へと搬送される。まず、図示しない電界付与手段によりトナー粒子を記録媒体に押付ける電界を形成し、その後に図示しない供給手段により、トナーの樹脂粒子を溶解させるような成分を含んだ定着溶液を供給し、トナー粒子を溶解・膨潤した状態にして定着させている。この際、予め電界付与手段によって記録媒体とトナー粒子の結合性を高めてあるので、定着液の付与によるトナー粒子の流動を防止でき、画像の乱れを防止できる。
本実施形態の複写機で用いられる現像剤は、従来一般的に市販され使用されているIsopar(エクソン社商標)をキャリアとした低粘性(1mPa・s程度)、低濃度(1%程度)の液体現像剤ではなく、高粘性高濃度の液体現像剤である。この現像剤の粘度及び濃度の範囲としては、例えば粘度が50〜10000mPa・s、濃度が5%から40%のものを用いる。キャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(エクソン商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。揮発性、不揮発性については、目的に合わせて選択することができる、また、トナーの粒径は、サブミクロンから6μm程度まで目的に合わせて選択することができる。
次に、本実施形態の現像装置について説明する。
図2は本発明の実施形態を説明するための図である。
同図において符号45は中間ローラ、46はクリーニング部材、47はスイープローラ、48はクリーニング部材、91は定着ローラ、92は加圧ローラ、93は定着液、94は定着液収容タンク、95はヒータ、96は液温検知手段としての液温センサ、97は電界付与手段、98は接地線をそれぞれ示す。図1と同じ役割の部材には同じ符号を付与する。
同図はローラ転写式の1つの画像形成ステーションと定着装置の関係を示すしている。
現像装置40は、図2に示すように内部に現像剤を収容する現像剤収容タンク40’、現像ローラ41、スイープローラ47、塗布手段として、表面に均一なパターンの彫刻がなされている塗布ローラ44および中間ローラ45、攪拌スクリュ43から主に構成されている。現像ローラ41、中間ローラ45、およびスイープローラ47にはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材42、46、48が備えられている。各クリーニング部材はブレードに限らずローラ式であってもよい。
現像ローラ41およびスイープローラ47は、外周面にそれぞれ導電性を有する弾性体の層が設けられている。これらの弾性体層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。弾性体層の表面硬度としては、感光体との間で効率的にニップを形成できるようにJIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。弾性体層の材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、現像ローラ41とスイープローラ47の表面が導電性を有し、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての、弾性体層の材質は、上記導電性・膨潤溶解の制約なく、弾性を有していればよい。このとき、現像バイアス電圧・スイープバイアス電圧は、現像ローラ41・スイープローラ47の軸からではなく、表面から印加する必要がある。
また、弾性体層を現像ローラ41とスイープローラ47とに設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体30側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体30を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、現像ローラ41、スイープローラ47はコーティングもしくはチューブにより、その表面がRz5μm以下の平滑性を有するように構成されている。
現像ローラ41およびスイープローラ47を感光体に対してそれぞれ適当な圧力で当接させると、各ローラの弾性体の層が弾性変形し、現像ニップおよび除去ニップを形成する。特に、現像ニップを形成することによって、現像剤のトナーが現像領域の現像電界により、感光体に対して移動し付着するための一定の現像時間を確保することができる。また、当接圧力を調整することで各ニップ部における表面移動方向の幅であるニップ幅を調整することができる。各ニップ幅は、各ローラの線速と現像時定数との積以上に設定する。ここで、現像時定数とは、現像量が飽和するまでに要する時間であって、必要最小ニップ幅をプロセス速度で除したものである。例えば、必要最小ニップ幅が5mmでプロセス速度が500mm/secであれば、現像時定数は10msecとなる。
現像動作時においては、現像ローラ41は、中間ローラ45を介して塗布ローラ44によって現像剤の薄層が形成される。このとき現像ローラ41上に塗布される現像剤の厚みが、その表面の1cm 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μg以上、60μg以下となるように設定した。このために、現像剤の薄層を3〜12μmの厚みに塗布するようにした。この理由は、現像剤の塗布厚が、現像ローラ表面の1cm 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μgより小さくなるような厚みでは、十分な量の顔料が上記感光体上に形成された潜像の画像部に移動せず、画像部の画像濃度が薄くなるおそれがあるからである。また、現像ローラ表面の1cm 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が60μgより大きくなるような厚みでは、現像後の地肌部に残留する余剰トナーが多くなり上記スイープローラ47による除去が不完全になるおそれがあるからである。
そして、現像ローラ41表面に形成された現像剤の薄層は、感光体30と現像ローラ41とにより形成された現像ニップを通過する際に感光体30上の潜像に応じて現像される。すなわち、画像部では、トナーが感光体30に移動し、地肌部(非画像部)では、現像バイアス電位と感光体電位とによって形成される電界により、現像ローラ41表面にトナーを移動させて地肌部分にトナーが付着しないようにする。しかしながら、地肌部分のトナーの一部が、現像ローラ41表面まで移動しきれずに感光体30に残るとカブリの原因となる。そこで、本実施形態に係る複写機の現像装置では、このカブリの原因となるトナー(以下、「カブリトナー」という)をスイープ(掃除)するためスイープローラ47を設けている。このスイープローラ47は、現像ローラ41に対し感光体30の回転方向下流側であって、現像されたトナー層を挟むように、感光体30に押圧して設置されている。スィープローラ47の表面は、感光体30の表面と略等速で移動しながら地肌部のカブリトナーを除去している。
現像ローラ41の現像後のトナーはゴースト防止のためにクリーニング部材42によって除去され、スイープローラ47で除去した液体現像剤はスイープローラ47の性能維持のためにクリーニング部材48によって除去される。これらの液体現像剤は調整用のタンク40”に集められて、ここで、濃度を調整後に改めて現像タンク40’内へ送られるようになっている。調整タンク40”内には攪拌手段、および図示しない濃度検知手段および液量検知手段があり、タンク内の濃度を均一にした状態で濃度および液量を検知して、新しい液体現像剤の補給やキャリアの補給による濃度調整を行っている。ここからの現像タンク40’内への液体現像剤の供給量は液体現像剤の使用量より若干多くなるように設定されており、溢れた分は調整タンク40”へ戻るようになっていて、液体現像剤は常に循環するようになっている。
次に、本発明の特徴部分である定着液による定着工程について説明する。この定着装置90は、定着液93の供給手段である定着ローラ91と記録媒体200を挟持して対向する加圧ローラ92から構成されている。定着ローラ91の一部が定着液93に浸かっており、その後金属板で裏打ちされたメタリングブレードで余剰な液を掻き落すことで定着に必要な量の定着液93が定着ローラ91に表面保持されている。これに対して、未定着像の載った記録媒体200が間を搬送されるように加圧ローラ92が接触している。加圧されたニップ間で定着液93が供給されるので、軟化した樹脂が押しつぶされて表面が平滑化し、定着後の画像品質が向上する。 ヒータ95に関しては後述する。
図3は記録媒体上のトナー樹脂の定着過程を示す図である。同図(a)は定着前、同図(b)は定着中、同図(c)は定着後のトナー樹脂の状態をそれぞれ示す。
同図において符号taは未定着トナー、tbは定着トナーをそれぞれ示す。
同図(b)において、未定着トナーtaの樹脂に定着剤を付与した場合、樹脂は定着剤に溶解・膨潤され、粘着性を持った状態となり、ローラの圧力の効果などにより定着液が樹脂から吐き出され、記録媒体中などに浸透し、樹脂同士か結着し、定着した状態tbを示す。
過剰な量の軟化剤が供給されると軟化した後の結着が起こりにくくなり、定着液供給後、時間をおいても粘着性を維持した状態になっている。ここで結着過程は樹脂を軟化させた定着液が樹脂内部に拡散あるいは記録媒体中に浸透することで起こっていると考えられ、この拡散・浸透の速度が高速対応性に対して重要である。
ところで、定着液が供給されるニップ部での圧力は軟化した樹脂を変形させることができる程度の圧力があるとよい。例えば、数十〜数百kPa程度の圧力があるとよい。この際、定着ローラの表面の影響も考えられるので表面の平滑性が良い方が好ましい。例えば、表面粗さとして十点平均粗さRzで2〜3μm以下であることが望ましい。
本発明に用いた定着液塗布装置では、定着液43を供給する供給部において、電界付与手段97が備えられており、電界供給時に正又は負の極性を有するトナー粒子を記録媒体200側に押付けるような電界を発生させる。この電界によって、定着ローラ41にトナーが逆に転写するオフセットを防止することができる。オフセットの状態は、印加される電圧によって変化し、本発明に用いた定着液塗布装置では、600V以上の電圧を印加して電界を形成することでオフセットを防止することができた。
さて、本発明は軟化剤を含む定着液による、いわゆる、新規な溶剤定着方式であり、従来技術では臭気の問題、安全性の問題、などの他、高速追従性が問題視され、高速複写に限界があるのではないか、と考えられていた。しかし、上述した如く、塗布ローラ方式で軟化液を薄層塗布することで、高速化が可能となり、更に、定着液を加熱・加温することで定着速度が一段と向上する。勿論、軟化液の安全性、臭気の問題、塗布ローラ方式のローラへのトナーオフセット等々の課題はそれぞれクリアーされた。
ところで、定着液を加熱・加温することで高速追従性が可能となった理由はトナー層に供給された軟化液を含む定着液が前述の如く、結着過程で樹脂を軟化させた定着液が樹脂内部に拡散あるいは記録媒体中に浸透することで表層のトナーの硬化が進むと考えられ、この拡散・浸透の速度が定着液を加熱・加温することでトナー樹脂内部への浸透拡散が一段と進んだことに依ると考えられる。
繰り返し述べると、トナー層、記録媒体への定着液の拡散・浸透の速度を速めるには液の浸透性を向上させる手段として、
・定着液粘性を低下させる。
・トナー層に含有しているキャリア液の親和性を向上させる。
といった方法がある。
それらを達成するには
定着液を加温・加熱させる。
記録媒体自体を加熱・加温する。
といった方法がある。後者の場合、記録媒体上にトナー層が担持している場合としていない場合、つまり、転写以前に加温・加熱する場合と転写後に加熱・加温する2通りのケースが考えられる。
次に定着液の成分について説明する。
1.軟化剤
本実施形態で使用する軟化剤は、トナーを構成する樹脂成分を溶解または膨潤させる材料(以下、「軟化剤」という。)である。この軟化剤は揮発することなく、すなわち臭いもなく、水との親和性を持たない材料であるのが望ましい。この溶解・膨潤成分の具体例としては、飽和脂肪族エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル等がある。
飽和脂肪族エステルは、一般式「RCOOR」で示される化合物であり、Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、Rは、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、ラウリン酸エチル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらは、ほとんど揮発することなく、シリコーンオイルやPAOなどの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒に溶解し水への溶解度は、0.1g/100ml(25℃)以下であり、難溶性である。
脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式「R(COOR」で示される化合物であり、Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの部剤の多くは、ほとんど揮発することなく、シリコーンオイルやPAOなどの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒に溶解し、水への溶解度は、0.1g/100ml(25℃)以下であり、難溶性である。
脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式「R(COOR−O−R」で示される化合物であり、Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの部剤の多くは、ほとんど揮発することはない。水への溶解度は、0.1g/100ml(25℃)以下であり、難溶性である。また、これらの部剤の多くは、シリコーンオイルやPAO(ポリ−αオレフィン)などの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒への溶解性は低いため、HLB値が1〜5程度の界面活性剤にて、シリコーンオイルやPAOなどの合成油や鉱物油、炭化水素系溶媒へ乳化分散する方法もある。
いずれも、炭素数が多いほど、粘性が高く、不揮発性も高くなる傾向にある。また、精製すると臭いを減らすことができ、精製度の高いエステルは、ほとんど無臭のものもある。
・軟化剤が液状である点について
液状の軟化剤の例は、上記の通り。軟化剤が液体だと、固体やゲルの場合に比べ、トナー層への浸透が速い。液体においても、その浸透速度は粘性や表面エネルギーなどに依存し、より低粘性のものはより浸透速度が速い。また、液状であればパイプやポンプ等を用いて供給でき、粉体のように舞い散らないなど、取り扱いが便利であるため、供給方法が容易である。
また、薄層を形成しやすいために供給量を規制しやすい、粉体に比べ樹脂粒子と混ざりやすいなどの利点も有する。
2.軟化剤の希釈液
溶解・膨潤成分を、定着させたい樹脂に対して、必要量以上に供給すると、樹脂の溶解が進みすぎて定着させたい樹脂の流れ等が発生する原因になる。定着させたい樹脂は、半溶解状態あるいは膨潤状態であることが望ましく、溶解・膨潤成分の種類にもよるが、樹脂に対して概ね半量以下で十分である。また、それ以上多くないと溶融膨潤しないような溶解・膨潤成分では、樹脂を溶融膨潤させた後の溶解・膨潤成分の処理にも困るのでふさわしくない。例えば転写紙上でトナー像を構成するトナーの量は、厚さにして数μmレベルであり、溶解・膨潤成分は、これよりも更に薄く少量で供給する方が望ましい。このように薄く少量を供給できることが望ましいが、これを均一に供給することは極めて困難である。そこで、このような少量の溶解・膨潤成分を供給する方法として、一般に、この溶解・膨潤成分を何らかの液体によって希釈する方法が利用される。
・希釈液の揮発性について
この希釈液としては、環境への影響を考慮して、水を用いるものが知られている。しかし、水、あるいは水と混ぜて水との親和性のよい、また水に易溶性の分散液・希釈液を用いた場合、水は揮発しやすく、またさらに水分を吸着することもあり、希釈した定着剤が濃度変化しやすいという不具合がある。また腐敗等の保存性の問題も生じるため、防腐剤の検討も必要となる。さらに、感光体や中間転写体あるいはフィルム状記録媒体上に付与する場合において、その表面エネルギーのため、均一に塗布できないこともある。また転写紙を用いた場合、紙がコックリングする(シワになる)心配もある。揮発すると臭いや大気汚染の問題も生じる。
・不揮発性希釈液
これらの課題を克服するためには、不揮発性で、水に難溶性で、臭いのほとんどしない、分散液・希釈液の採用が望ましく、その例としては、シリコーンオイルあるいはミネラルオイル等が挙げられる。両者とも、各種構造、グレード(粘性・分子量)がある。本実施形態では、主に、上記軟化剤を50%、希釈液としてシリコーンオイル50cstを50%以下の割合で混合した液を定着剤として用いた。
軟化剤が液体であれば軟化剤のみで定着液として使用することができる。しかし、記録媒体上にある樹脂の量は極めて微量であり、これに対して過剰にならない量を供給することは困難である。そこで適当な希釈液を使用して薄めて定着液として供給することで、安定して供給できる供給量の定着液に必要な量の軟化剤が含まれるようにしている。
3.定着時間の温度依存性
図4は定着時間とスミアの定着温度依存性を説明するための図である。
同図において符号G30、G40、G50はそれぞれ定着時の液温30℃、40℃、50℃におけるスミアの変化を示す曲線である。横軸は定着液塗布からの経過時間(単位:分)、縦軸は後述のスミア値をそれぞれ示す。
定着時間とは、定着液を供給してから満足な定着性が得られるまでの時間であり、満足な定着性とは、スミア値0.2(同図における破線)以下の状態を言う。
本発明は記録媒体上の未定着画像(トナー)に軟化剤を含む定着液を供給して、トナー像を軟化、一部溶解させ、記録媒体(転写紙)に定着させる溶剤定着方式であり、定着速度は、樹脂粒子や記録媒体への定着液の浸透速度、および、樹脂の軟化に要する時間に依存している。定着時間の短縮のためには定着液のトナー層への浸透を速くすることが重要であり、定着液の粘性が大きな影響をもたらし、粘性が低いほど浸透が速くなる。また樹脂の軟化に要する時間は温度によって変化し、温度が高いほど短時間になる。
ここで述べたスミア値とは次のような検査手順によって得る値を言う。
クロックメータ先端に5mm厚の弾性材をクッション材として付設し、そこに布を被せる。
ベタ画像上を10往復擦った後の布上の濃度(3点平均)を測定し(Dcrk)、そこから布濃度(Dcls)を差し引いた値を元の画像濃度(Dinit)で除した値Dsmrをスミア法における評価値とする。すなわち、Dsmrは次式によって定義される。
Dsmr=(Dcrk−Dcls)/ Dinit
Dsmrの値は小さいほど定着性が良く、現状の目標値は0.2以下である。
図5は本発明の他の実施形態を説明するための図である。
本実施形態は、1次転写直後にトナー温度を上げる構成である。
樹脂温度を上げると、樹脂が軟化し、定着液の浸透を早め、定着液による樹脂の軟化を速めると考えられる。中間転写体100を用いた作像装置において、液温をあげるためのヒータ95のほかに、中間転写体100上に転写されたトナー粒子(樹脂)を加温する手段、例えば、赤外線ヒータ95’等を設ける。赤外線ヒータ95’は、トナー粒子を軟化させる。トナー粒子が転写紙200に転写され、定着液93を供給された時、定着液93によりさらに軟化され、定着時間が速くなる。ヒータで軟化されたトナー粒子は、ヒータで軟化されていないトナー粒子より、定着液による軟化が速くなる。なお、赤外線ヒータ95’だけで効果が十分な場合には液温用のヒータ95を省略することもできる。
この時、樹脂に与える熱量は高い方がより有利である。定着時間を短くできる。特にガラス転移点以上であれば劇的な効果が得られる。ただし、この加熱は、従来の熱定着方式のように、加熱だけでトナーを溶融定着するためのものではないので、熱定着方式のような熱量は必要ない。特に融点以上である必要はない。この加熱は、樹脂を軟化させ定着液の浸透を速める、定着時温度を定着液による樹脂の軟化に有利な状態に保つ、定着液温度を高くしている場合定着液温度を下げない、等の効果がある。
図2に示したヒータ95は、定着時間を短縮するために、定着液粘性を下げる手段として定着液93を加熱する目的で配置してある。
定着液温度を調整するには、定着液容器に液温検知手段96を設け、液温を検知し、それらに基づきヒータ95をON/OFFさせる。なお、この方法は寒冷地で使用する際などでも定着液を加温して、常に一定した定着品質を提供するために定着液温を一定にコントロールする目的にも使用できる。
本発明で液温と定着性(スミア)の関係をみたところ、液温30℃に対して50℃の方が短時間で優れた定着性を得ることができた。
溶剤定着の大きなメリットは非加熱である。定着液の加熱については従来使用している電力に対して、1/2〜1/3(200〜300W以下)、具体的な温度としては100℃以下、好ましくは50℃程度を上限にコントロールして熱源(ヒータ)を制御する。
図6は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
定着液93を加熱するだけだと、供給手段の熱容量が大きい場合、定着液温度が下がってしまい、充分な効果が得られず、定着時間がかかってしまう。そこで、定着液供給手段にも加熱手段95’を設け、定着液93と同等な温度とすることで、充分な効果が得られる。同図では定着液供給手段として、ヒータを内蔵した定着ローラ91を用いた例を示している。
定着液の熱容量に比べて、供給手段の熱容量が充分に大きい場合、供給手段の温度制御のみで定着液の温度を制御することが可能である。
図示してないが、加圧ローラ92にヒータを内蔵させてヒートローラとしてもよい。
図7は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号101は記録媒体の搬送ベルトを示す。
図8は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
定着液93や定着液供給手段91を温めても、温度の低い記録媒体200が入ってくると、定着液温度や着色樹脂温度を下げてしまい、充分な効果が得られない場合がある。そこで、記録媒体も加温することで、よりよい効果が得られる。
定着時間の短縮を考えると定着液のトナー層への浸透を速くすることと、着色樹脂の粘性を下げ、溶融性を高めることが考えられる。定着液の粘性を下げる手段として定着液を加熱・加温する効果は前述のとおりである。一方、記録媒体(転写紙)を加熱することで同様な効果をもたらすことができる。さらに、記録媒体を加熱することは、記録媒体上の着色粒子をも加熱する効果があり、定着時間を速めることができる。両図に示した実施形態では転写前に転写紙を加熱する例であり、接触(図7)、非接触(図8)、画像面から(図7、図8)、背面から(図8)、など、いろいろな加熱手段が設置可能である。
図7、図8の実施形態では、定着装置90の加温手段(ヒータ95、あるいは赤外線ヒータ95’)は必要に応じて付加すればよいので、両図には具体的な構成を明示してない。以下の図においても同様である。ただし、ヒータをうまく組み合わせれば、総合的に使用エネルギを少なくして高い定着効果を得ることが可能になる。
図9は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。同図(a)は構成図、同図(b)は加圧ローラの拡大図である。
同図において符号102は加圧ローラとしてのエメリーローラを示す。
定着液を付与する以前に転写紙を加熱することは効果があるが、より効果を高めるためには、着色粒子(トナー粒子)が載った状態の記録媒体200を加熱するのがよい。トナー粒子と記録媒体200とを加熱するにあたり、未定着トナーに直接触れずに加熱するには、ローラ中にヒータを内蔵したヒートローラ95”でトナー画像面とは反対面に当接するようにし、かつ、画像面にはエメリーローラ102を当接させ、画像が摺られないように駆動している。エメリーローラは、その頂点が局部的には点接触で画像面を押さえ、なるべく画像に触れないよう、また、触れてもあまり画像を乱さないように記録媒体200を加熱ローラ側に押付けている。
図10は本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
トナー像に定着液93を付与した後に転写紙200とトナー層を加熱したところ優れた短時間定着を得ることができた。定着液93や定着液供給手段91を温めても、定着液供給後に、環境によって、転写紙200の温度が低下して、特に転写紙200への定着液93の浸透過程での加速効果が低くなってしまう場合がある。そこで、定着液供給後に記録媒体200も加熱することで、温度の高い状態を長く保つことができ、着色樹脂、定着液93、定着液供給手段91、記録媒体200等を加熱するのに加え、定着をより早くすることができる。
定着液を付与した後の加熱は赤外線などの非接触型のヒータもしくはトナー画像の無い反対面をヒータ内臓ローラにて転写紙に当接加熱する方法がある。
記録媒体は具体的には転写紙であり、多くの種類がある。我々の検討によると転写紙の性質は定着品質(短時間定着)に影響を与える。厚みが厚い場合は熱容量が大きいので、同じ定着液温度もしくは定着液供給手段温度では、定着液塗布時の定着液温度が下がり、定着速度が遅くなってしまう。そこで、厚みに応じて定着液温度もしくは定着液供給手段温度を上げることにより、定着液が転写紙に速やかに浸透移行するために速度を薄い場合と同等にできる。また平滑度が低い場合は、熱伝達が悪いので、温度を高くしないと、樹脂温度を高くできない。そこで、平滑度に応じて定着液温度もしくは定着液供給手段温度を調整することにより、平滑度が高い紙と同等な定着性にできる。また、コート紙では、液が浸透しにくいコート層の場合、浸透を阻害されるため、定着液温度もしくは定着液供給手段温度を上げるとよい。このように転写紙の物性(厚さ、平滑性等)により定着液の浸透拡散の速度が異なる。したがって、紙物性によって定着液温度もしくは定着液供給手段温度を変えることで、紙によって定着速度が変わらず、効率良く定着することができる。
以下に本発明に用いた定着液の実施例を示す。
・アジピン酸ジイソブチル(軟化剤、LD50=12.3g/kg) 50wt%
・ジメチルシロキサン(50mPa・s、希釈剤、LD50=15g/kg) 50wt%
図1にて示した複写装置で、雷鳥ダルアート(商品名)127g/mの転写紙上に作像した未定着画像を用い、定着液温度30℃にて、紙への定着液付着量80〜110mg/A4でスミア値を測定したところ、塗布後30秒後のスミア値は0.38で、塗布後1分以内での評価結果は0.18であった。そして、定着液温度50℃にて、紙への定着液付着量80〜110mg/A4でスミア値を測定したところ、塗布後30秒後のスミア値は0.14で、塗布後1分以内でのスミア値は0.09の優れた定着性を得ることができた。図4は、この評価結果をプロットしたものである。
塗布後1分でのスミア値を0.2まで許容すると仮定すれば、30℃以上であればすべて満足している。塗布後30秒でのスミア値0.2以下として定着性を定めるのであれば、グラフから内挿しておよそ45℃以上であれば満足な定着性が得られる。
本発明の実施形態に係る複写機の概略構成図である。 本発明の実施形態を説明するための図である。 記録媒体上のトナー樹脂の定着過程を示す図である。 定着時間とスミアの定着温度依存性を説明するための図である。 本発明の他の実施形態を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明するための図である。
符号の説明
30 感光体
40 現像装置
80 転写装置
90 定着装置
91 定着ローラ
92 加圧ローラ
93 定着液
200 転写紙

Claims (13)

  1. 着色材と樹脂を分散して微粒子化した着色粒子によって未定着像を形成する画像形成手段と、形成された未定着像を1次転写する中間転写体と、転写された未定着像を記録媒体上に転写する転写手段と、を有し、さらに、前記着色粒子を軟化させる特性を有する軟化剤を成分として含有する定着液を、前記未定着像を担持した記録媒体に供給する供給手段と、前記定着液を付与された前記記録媒体を加圧する加圧手段とを備え前記着色粒子を前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、前記定着に適した温度に調節する少なくとも1つの温度調節手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記中間転写体上の未定着像の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記未定着像を転写した後の定着前の記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記記録媒体の前記未定着像が転写された面にエメリーローラを当接させ、その面と反対の面にヒートローラを当接させてローラ同士を加圧させる手段であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記未定着像を転写する前の記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液が前記記録媒体に付与された後の該記録媒体の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液の供給手段の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記加圧手段の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項2ないし6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、輻射熱による加熱手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項5ないし8のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、ヒートローラによる加熱手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記温度調節手段は、前記定着液の温度を調節する手段であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、少なくとも1つの温度調節手段は、前記記録媒体の厚さに応じて調節温度を変える手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1つに記載の画像形成装置において、少なくとも1つの温度調節手段は、前記記録媒体の平滑度に応じて調節温度を変える手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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