JP2007139631A - 半導体集積回路及び擬似乱数発生回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハーレベルでのバーンインテストに対応可能であって、テスト用の回路の設計容易化が見込める半導体集積回路を提供することを目的とする。
【解決手段】バーンインテストモードにおいて、PLL回路1の出力クロックを、直接或いは反転回路等のリファレンス入力信号出力回路2を介してPLL回路1のリファレンス入力端子に供給するとともに、セレクタ3を介してスキャンチェーンを構成する初段のフリップフロップFFにデータ入力信号として供給することにより、初段のフリップフロップFFから擬似的な乱数を発生させ、回路全体に適切なストレスを印加する。
【選択図】図1
【解決手段】バーンインテストモードにおいて、PLL回路1の出力クロックを、直接或いは反転回路等のリファレンス入力信号出力回路2を介してPLL回路1のリファレンス入力端子に供給するとともに、セレクタ3を介してスキャンチェーンを構成する初段のフリップフロップFFにデータ入力信号として供給することにより、初段のフリップフロップFFから擬似的な乱数を発生させ、回路全体に適切なストレスを印加する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体集積回路に関し、特に擬似的な乱数を発生させて利用する半導体集積回路に関する。また、本発明は、擬似的な乱数を発生する擬似乱数発生回路に関する。
近年、半導体集積回路の大規模化及び同期回路化に伴い、機能記述を用いた論理合成による回路設計法やテストパターンを自動で作成するための方法としてのスキャン設計法が注目されている。また、半導体集積回路の大規模化により、バーンインテストなどの信頼性試験の重要度も増してきている。ところが、大規模な半導体集積回路に対して信頼性試験を行う際、実際のセット機器上で動作する状態を100%実現することは非常に難しくなっているため、消費電流テスト、バーンインテストなどにおいては、スキャン設計法を利用し回路にストレスを印加していることが少なくない。
スキャン設計法を利用すれば、実動作状態と等価にはならないものの、信頼性試験時において、動作している回路の割合を実動作に近い状態にすることが可能である。このため、十分なストレスをかけずにバーンインテスト等を行ってしまう、といったことを防止する手法として注目されている。
ところで、従来のバーンインテストは、パッケージングされた完成品に対して行っていた。このため、十数種の周波数の異なる信号供給源を組み合わせて複数種の信号を作成し、作成した信号を必要な数だけ設けられた端子に対して供給することにより内部回路を動作させる、というテスト手法を採っていた。回路規模が小さく且つ動作が複雑でない回路に対しては、このような従来のテスト手法にて、実動作に近い信号パターンを実現することができていた。
しかしながら、大量の半導体集積回路のバーンインテストを完成品に対して行う方法に対し、最近ではウェハーレベルでバーンインテストを行う手法も確立されつつあり、完成品に対して適用されていた、必要分の入力端子/出力端子を用意する従来方法では対応が難しくなってきている。ウェハーレベルのバーンインテストにおいては、大量の半導体集積回路チップを同時にテストするため、各々のチップに割り当てられる(各々のチップが使用可能な)端子数は、完成品に対してバーンインテストする場合と比べて遥かに少ないからである。
このようなウェハーレベルでのバーンインテストを考慮した技術が、例えば、下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1に記載のテスト回路装置では、n段分のスキャン機能付きフリップフロップ回路の出力信号を入力信号として受ける排他的論理和の組み合わせ回路を設け、その排他的論理和の組み合わせ回路の出力信号をシフトレジスタの初段のスキャン機能付きフリップフロップ回路への入力信号とすることにより、(2n −1)+(スキャンチェーンの段数−n)周期の簡易的な疑似乱数発生回路を構成している。そして、この疑似乱数発生回路を用いて、バーンインテストの際に、回路に適切なストレスを与えようとしている。
上述したように、完成品に対して適用されていた従来のテスト手法では、ウェハーレベルでのバーンインテストに対応することが困難である。
また、上記特許文献1に記載の手法のように、擬似乱数発生回路を構成し、その擬似乱数発生回路をバーンインテスト等に利用する手法は有用ではある。しかしながら、上記特許文献1の手法では、スキャンチェーン回路を設計した後または事前に、テスト専用回路として、煩雑な排他的論理和の組み合わせ回路を追加する必要があり、テスト回路の設計がより複雑になってしまう、という問題があった。
本発明は、上記の点に鑑み、ウェハーレベルでのバーンインテストに対応可能であって、テスト用の回路の設計容易化が見込める半導体集積回路を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような半導体集積回路に適用可能な擬似乱数発生回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る半導体集積回路は、互いに直列に接続されたスキャン機能を有する複数のフリップフロップと前記フリップフロップに挟んで設けられた複数のチェーン内組み合わせ回路とから成るスキャンチェーン保有部を備え、該スキャンチェーン保有部に対してスキャンテストを実施する際、前記複数のフリップフロップを複数段のシフトレジスタとして用いる半導体集積回路において、PLL回路と、前記PLL回路の出力クロックを反映した信号をデータ入力信号として初段のフリップフロップのデータ入力端子に供給するためのデータ入力信号出力回路と、を備え、乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックを反映した前記信号を前記データ入力信号として前記データ入力端子に供給し、且つ、前記PLL回路の出力クロックを反映したリファレンス入力信号を前記PLL回路のリファレンス入力端子に供給することにより、前記初段のフリップフロップの出力端子から擬似的な乱数を発生させることを特徴とする。
PLL回路の出力クロックを反映した信号をリファレンス入力信号としてPLL回路のリファレンス入力端子に与えることにより、PLL回路の出力クロックの周波数は一定周波数に安定しない。これを利用し、初段のフリップフロップから擬似的な乱数を発生させる。これにより、バーンインテスト等を行う際に、適切なストレスを回路全体に自動的に印加することが可能となる。
また、上記のように構成すれば、擬似的な乱数を発生させるための専用回路を、スキャンチェーン保有部の回路設計の後または事前に、容易に組み込むことが可能である。更に、乱数発生モード以外の動作モードにおいてPLL回路が他の用途(例えば、フリップフロップの動作クロック生成用途)にも利用可能なことをも考慮すれば、擬似的な乱数を発生させるための専用回路は極めて小規模で済む。
具体的には例えば、乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される。
PLL回路の出力クロックを、直接リファレンス入力端子に供給する場合は該出力クロックそのものがリファレンス入力信号となり、反転回路等を介してリファレンス入力端子に供給する場合は反転回路等の出力信号がリファレンス入力信号となる。
また例えば、乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、1以上の前記フリップフロップの出力信号及び1以上の前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の少なくとも一方に基づいて生成される。
乱数発生モードでは、PLL回路の出力クロックを反映した信号がデータ入力信号として初段のフリップフロップに供給されるため、各フリップフロップの出力信号並びに各チェーン内組み合わせ回路の出力信号及び内部信号も、PLL回路の出力クロックを反映した信号となる。これを考慮し、リファレンス入力信号を、フリップフロップの出力信号などに基づいて生成する。
具体的には例えば、乱数発生モードにおいて、前記フリップフロップの出力信号及び前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の何れかが、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される。
また例えば、1以上の前記フリップフロップの出力信号及び1以上の前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の少なくとも一方と外部クロックとに応じて出力信号が変化する組み合わせ回路を備え、乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、その組み合わせ回路の出力信号に基づいて生成される。
また例えば、乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、最終段のフリップフロップの出力信号に基づいて生成される。
これにより、擬似的な乱数を発生させるための専用回路を極めて容易に組み込むことが可能となる。
また例えば、乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックは、少なくとも他のPLL回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給されるようにしてもよい。
そして例えば、乱数発生モードにおいて、前記データ入力信号は、前記PLL回路の出力クロックと前記他のPLL回路の出力クロックに基づいて生成されるようにしてもよい。
また例えば、前記データ入力信号出力回路は、少なくとも組み合わせ回路を含んで構成される。
また例えば、通常モードにおいて、前記PLL回路の前記リファレンス入力端子に一定周波数のクロックを与え、これによって得られる前記PLL回路の出力クロックに基づいて各フリップフロップへの動作クロックを生成する。
これにより、PLL回路が通常モードにても有効に利用される。逆に言えば、乱数を発生させるための専用回路として別途PLL回路を設ける必要はなく、極めて小規模の回路追加にて擬似的な乱数を発生させることが可能である。
また、本発明に係る擬似乱数発生回路は、PLL回路と、フリップフロップと、を備え、前記PLL回路の出力クロックを反映した信号をデータ入力信号として前記フリップフロップのデータ入力端子に供給し、且つ、前記PLL回路の出力クロックを反映したリファレンス入力信号を前記PLL回路のリファレンス入力端子に供給することにより、前記フリップフロップの出力端子から擬似的な乱数を発生させることを特徴とする。
具体的には例えば、前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される。
また例えば、前記リファレンス入力信号は、前記フリップフロップの出力信号に応じた信号に基づいて生成される。
PLL回路の出力クロックを反映した信号がデータ入力信号としてフリップフロップに供給されるため、フリップフロップの出力信号及びその出力信号に応じた信号(例えば、そのフリップフロップの出力信号に応じて動作する後段回路の出力信号)も、PLL回路の出力クロックを反映した信号となる。これを考慮し、リファレンス入力信号を、フリップフロップの出力信号に応じた信号に基づいて生成する。尚、当然のことながら、「前記フリップフロップの出力信号に応じた信号」には、前記フリップフロップの出力信号そのものも含まれる。
具体的には例えば、前記フリップフロップの出力信号に応じた信号は、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される。
また例えば、前記フリップフロップの出力信号に応じた信号と外部クロックとに応じて出力信号が変化する組み合わせ回路を備え、前記リファレンス入力信号は、その組み合わせ回路の出力信号に基づいて生成される。
また例えば、前記PLL回路の出力クロックは、少なくとも他のPLL回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給されるようにしてもよい。
そして例えば、前記データ入力信号は、前記PLL回路の出力クロックと前記他のPLL回路の出力クロックに基づいて生成されるようにしてもよい。
また例えば、前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記データ入力端子に供給される。
上述した通り、本発明に係る半導体集積回路によれば、バーンインテスト等を行う際に、適切なストレスを回路全体に自動的に印加することが可能となる。本発明に係る半導体集積回路は、ウェハーレベルでのバーンインテストに対応可能であり、勿論、完成品でのバーンインテストにも対応可能である。また、上述の如く、テスト用の回路の設計容易化が見込める。
<<第1実施形態>>
以下、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図1は、第1実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図1は、第1実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。
図1の半導体集積回路(テスト回路)は、PLL(Phase Locked Loop)回路1、リファレンス入力信号出力回路2、セレクタ(バーンイン/スキャンテスト選択回路)3、複数のスキャン機能付きフリップフロップFF(以下、単に「フリップフロップFF」という)、複数の組み合わせ回路CC、スキャンテストデータ入力端子4、スキャン/バーンイン切換端子5、通常データ入力端子6、シフト/通常切換端子7、クロック入力端子8及び分周回路9を有して構成される。
各フリップフロップFFは互いに直列に接続されており、直列接続されたフリップフロップFF間の夫々に組み合わせ回路CCが1つずつ挟んで設けられている。上記の複数のフリップフロップFFと複数の組み合わせ回路CCは、スキャンチェーン保有部を構成している。以下、後の説明にて挙げられる他の組み合わせ回路と明確に区別するために、スキャンチェーン保有部を構成する組み合わせ回路CCを、特にチェーン内組み合わせ回路CCと呼ぶ。
各フリップフロップFFは、例えば図1に示す如く、テスト用データ入力端子Tからの信号と通常データ入力端子Nからの信号をシフト/通常切換端子7からの信号に基づいて択一的に選択出力するセレクタと、該セレクタの出力信号をD入力端子(データ入力端子)にて受けるD型フリップフロップと、を備えて構成される。各フリップフロップFFには、クロック入力端子8を介して共通の動作クロックが供給されている。
セレクタ3の出力信号はテスト用データ入力信号として初段(1段目)のフリップフロップFFのテスト用データ入力端子Tに与えられ、通常データ入力端子6からの通常データ入力信号は初段のフリップフロップFFの通常データ入力端子Nに与えられている。
初段のフリップフロップFFの出力信号は、2段目のフリップフロップFFのテスト用データ入力端子Tに直接与えられており、初段のフリップフロップFFの出力信号を入力信号として受ける、初段と2段目のフリップフロップFFの間に設けられたチェーン内組み合わせ回路CCの出力信号は、2段目のフリップフロップFFの通常データ入力端子Nに与えられている。
同様に、2段目のフリップフロップFFの出力信号は、3段目のフリップフロップFFのテスト用データ入力端子Tに直接与えられおり、2段目のフリップフロップFFの出力信号を入力信号として受ける、2段目と3段目のフリップフロップFFの間に設けられたチェーン内組み合わせ回路CCの出力信号は3段目のフリップフロップFFの通常データ入力端子Nに与えられている。
k(kは2以上の整数)を用いて一般化すると、(k―1)段目のフリップフロップFFの出力信号は、k段目のフリップフロップFFのテスト用データ入力端子Tに直接与えられ、(k―1)段目のフリップフロップFFの出力信号を入力信号として受ける、(k―1)段目とk段目のフリップフロップFFの間に設けられたチェーン内組み合わせ回路CCの出力信号はk段目のフリップフロップFFの通常データ入力端子Nに与えられている。
図1の半導体集積回路(テスト回路)は、複数の動作モードにて動作する。その複数の動作モードの中には、通常モードとテストモードが含まれる。
通常モードにおいては、シフト/通常切換端子7を介して通常モード選択信号(例えば、ローレベルの信号)が各フリップフロップFFに供給され、各フリップフロップFFは、通常データ入力端子Nに供給された信号を動作クロックの立ち上がり時点で保持して出力する。
テストモードにおいては、シフト/通常切換端子7を介してテストモード選択信号(例えば、ハイレベルの信号)が各フリップフロップFFに供給され、各フリップフロップFFは、テスト用データ入力端子Tに供給された信号を動作クロックの立ち上がり時点で保持して出力する。つまり、テストモードにおいては、上記の複数のフリップフロップFFが複数段のシフトレジスタとして動作する。
シフトレジスタとしても動作可能なフリップフロップFFは、スキャン機能付きフリップフロップ(スキャン機能を有するフリップフロップ)と呼ばれる。各フリップフロップFFがシフトレジスタとして動作する動作モードを、シフトモードと呼ぶ。本明細書の各実施形態において、テストモードとシフトモードは一致している。シフトレジスタを構成する各フリップフロップFFと各フリップフロップFF間の配線は、所謂スキャンチェ−ンを構成している。
テストモードには、スキャンテストを行うためのスキャンテストモードとバーンインテストを行うためのバーンインテストモードとが含まれる。
セレクタ3は、PLL回路1の出力信号である出力クロックとスキャンテストデータ入力端子4からのスキャンテスト用データ入力信号とを入力信号として受ける。スキャンテストモードにおいては、スキャンテストモードの選択を表す選択信号(例えば、ローレベルの信号)がスキャン/バーンイン切換端子5を介してセレクタ3に供給され、セレクタ3はスキャンテストデータ入力端子4からのスキャンテスト用データ入力信号を選択して出力する。一方、バーンインテストモードにおいては、バーンインテストモードの選択を表す選択信号(例えば、ハイレベルの信号)がスキャン/バーンイン切換端子5を介してセレクタ3に供給され、セレクタ3はPLL回路1の出力クロックを選択して出力する。
図2に、PLL回路1の内部ブロック図を示す。PLL回路1は、位相比較器11と、ループフィルタ12と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)13と、分周回路14と、を備えて構成される。
位相比較器11は、リファレンス入力端子(REF)に供給されるリファレンス入力信号と分周回路14から出力される帰還信号との位相差を比較し、その位相差を表す信号を出力する。ループフィルタ12は、位相比較器11からの信号を平滑化して出力する。VCO13は、ループフィルタ12からの信号に応じて発振周波数を変化させる可変周波数発振器である。VCO13が発振したクロックは、PLL回路1の出力クロックとして出力されると共に分周回路14に与えられる。分周回路14は、VCO13からの出力クロックを所定の分周比n(nは1以上の任意の数であり、例えば2以上の整数)にて分周し、その分周によって得られた信号を帰還信号として位相比較器11に与える。
そして、PLL回路1は、全体として、位相比較器11に与えられるリファレンス入力信号と帰還信号の位相及び周波数が一致するように、出力クロックの周波数を制御する。
通常モードにおいては、図示されない発振子などからPLL回路1のリファレンス入力端子に一定周波数のクロックが与えられる。この場合、その一定周波数のn倍の周波数を有する出力クロックがPLL回路1から安定的に出力される。そして、通常モードにおいては、その安定した出力クロックを分周回路9で分周したクロックが、図示されないセレクタ等を介し、各フリップフロップFFの動作クロックとして各フリップフロップFFに供給される。
図1は、テストモード(特にバーンインテストモード)における回路動作を説明するための回路図となっており、図1において、PLL回路1の出力クロックは、リファレンス入力信号出力回路2を介してリファレンス入力端子に与えられている。テストモードにおいては、一定周波数(例えば、数100キロヘルツ)の外部クロックがクロック入力端子8を介して各フリップフロップFFに動作クロックとして供給される。後述の説明からも明らかとはなるが、この外部クロックはPLL回路1の出力クロックと非同期となる(後述する他の実施形態においても同様)。以下、特に記述しない限り、バーンテストモードにおける動作の説明を行うものとする(後述する他の実施形態についても同様)。
上記の説明から明らかなように、バーンインテストモードにおいては、PLL回路1の出力クロックが、組み合わせ回路であるセレクタ3及び初段のフリップフロップFF内のセレクタを介し、データ入力信号として初段のD型フリップフロップのD入力端子(データ入力端子)に供給される。尚、セレクタ3またはセレクタ3及び初段のフリップフロップFF内のセレクタは、データ入力信号出力回路を構成する、と考えることができる。
リファレンス入力信号出力回路2は、例えば、PLL回路1の出力クロックを反転して出力する反転回路、PLL回路1の出力クロックにおける電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、PLL回路1の出力クロックを所定の分周比mにて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)である。ここで、分周比を表すmは、1以上の任意の数であり、例えば2以上の整数であるが、nと異なっていることが望ましい。
通常モードのように、PLL回路1のリファレンス入力端子に安定した一定周波数のクロックを与えた場合、ループフィルタ12の特性等にて定まる所定の時間をかけて、出力クロックの周波数は徐々に増加或いは減少し、最終的に一定周波数にて安定する。しかし、上記のように構成すれば、周波数が安定していない出力クロックを元にリファレンス入力信号が作成されるため、PLL回路1の出力クロック(周波数は、例えば数メガヘルツ〜数10メガヘルツ)の周波数は絶えず変化することになる。
そうすると、初段のフリップフロップFFの出力端子からは擬似的な乱数が発生することになる。つまり、バーンインテストの最中において、初段のフリップフロップFFの出力信号における“0”または“1”の出現が(ほぼ)無秩序となる。これにより、バーンインテスト時に、チェーン内組み合わせ回路CCを含む回路全体に適切なストレスを自動的に印加することが可能となる。また、適切なストレスを印加するためのバーンインテスト用の専用回路として、単純なセレクタ3及びリファレンス入力信号出力回路2を追加するだけで済む。また更に、そのような専用回路の設計は、スキャンチェーン保有部の回路の設計の後または事前に、容易に行うことができる。
尚、仮に、PLL回路1の出力クロックが一定の周波数にて安定している場合は、たとえ該出力クロックと動作クロックの周波数が異なっていたとしても、初段のフリップフロップFFの出力信号のパターンは、一定の周期をもった繰り返しパターンとなる(例えば、“001101001101001101・・・”のように“001101”を繰り返す)。そして、初段のフリップフロップFFの出力信号のパターンが繰り返しパターンになると、チェーン内組み合わせ回路CCの一部または全部にストレスがかからない場合が生じる。例えば、或るチェーン内組み合わせ回路CCが、連続する3つのフリップフロップFFの出力信号を受ける3入力のアンド回路を含んでいた場合、上記繰り返しパターンに“111”が存在していなければ、該アンド回路は常にローレベルの出力信号を出力することになり、該アンド回路の後段回路にストレスが全くかからなくなる。このため、適切なストレス印加のために、乱数が求められる。
また、リファレンス入力信号出力回路2における組み合わせ回路とは、PLL回路1の出力クロックと他の任意の信号とによって出力信号が変化する回路である。その組み合わせ回路に供給される他の任意の信号として、例えば、外部クロック、1以上のフリップフロップFFの出力信号(特に最終段のフリップフロップFFの出力信号)、または(及び)、1以上のチェーン内組み合わせ回路CCからの信号などが採用される。ここで、「チェーン内組み合わせ回路CCからの信号」とは、チェーン内組み合わせ回路CCの出力信号(そのチェーン内組み合わせ回路CCを挟む後段側のフリップフロップFFの通常データ入力端子Nへの信号)、または、そのチェーン内組み合わせ回路CCの内部にて発生する信号(内部信号)である。
また、リファレンス入力信号出力回路2を設ける例を図1に示したが、リファレンス入力信号出力回路2を省略することも可能である。この場合、PLL回路1の出力クロックは、そのままPLL回路1のリファレンス入力端子にリファレンス入力信号として供給されることになる。PLL回路1の出力クロックを、直接、リファレンス入力端子に供給した場合でも、リファレンス入力信号と分周回路14からの帰還信号の位相は一致することがないため、PLL回路1の出力クロックの周波数は絶えず変化することになる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図3は、第2実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図3において、図1と同一の部分には同一の符号を付してある。
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図3は、第2実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図3において、図1と同一の部分には同一の符号を付してある。
図3の半導体集積回路が図1の半導体集積回路と異なる点は、図1のリファレンス入力信号出力回路2がリファレンス入力信号出力回路20に置換されている点だけであり、その他の点において、図1及び図3の半導体集積回路は一致しているため、一致点の重複する説明を省略する。
リファレンス入力信号出力回路20は、スキャンチェーン保有部の最も後段側に位置するフリップフロップFFの出力信号、即ち、シフトモードにてシフトレジスタを構成した場合における最終段のフリップフロップFFの出力信号を入力信号として受ける。
リファレンス入力信号出力回路20は、例えば、上記入力信号(リファレンス入力信号出力回路20への入力信号)を反転して出力する反転回路、上記入力信号における電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、上記入力信号を所定の分周比にて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)である。
PLL回路1が動作を開始すると、リファレンス入力信号と出力クロックを分周した帰還信号との位相を一致させる方向に出力クロックの周波数が増加または減少していく。この出力クロックの周波数の変動の影響を受けて、初段のフリップフロップFFからは(一時的に)擬似的な乱数が得られる。そして、初段のフリップフロップFFの出力信号が擬似的な乱数となれば、最終段のフリップフロップFFの出力信号も擬似的な乱数となる。この最終段のフリップフロップFFの出力信号を元にリファレンス入力信号が作成されるため、PLL回路1の出力クロックの周波数は絶えず変化することになり、初段のフリップフロップFFからの擬似的な乱数の発生が継続する。
このように、本実施形態のように構成していも、PLL回路を含む擬似乱数発生回路が形成され、バーンインテスト時に、チェーン内組み合わせ回路CCを含む回路全体に適切なストレスを自動的に印加することができる。
また、図3の配線状態とは異なるが、最終段以外のフリップフロップFFの出力信号、または、何れかのチェーン内組み合わせ回路CCからの信号(出力信号もしくは内部信号)を、リファレンス入力信号出力回路20への入力信号としてもよい。
初段以外の各フリップフロップFFの出力信号や、各チェーン内組み合わせ回路CCの出力信号又は内部信号は、初段のフリップフロップFFの出力信号に応じて変化する信号である。このため、初段以外の各フリップフロップFFの出力信号や、各チェーン内組み合わせ回路CCの出力信号又は内部信号も、初段のフリップフロップFFの出力信号と同じく、PLL回路1の出力クロックの周波数の変動を反映して乱数的に変化する。従って、初段のフリップフロップFFの出力信号に応じたこれらの信号に基づいてリファレンス入力信号を生成しても、継続的に乱数を発生させることが可能である。
尚、半導体集積回路の設計において、スキャンチェーン保有部の回路形成は、通常、コンピュータを用いて自動的に行われる。そして、その回路形成によって得られた配線図を見て、どの部分に何れのフリップフロップFFの出力端子があるかや、どの部分に何れのチェーン内組み合わせ回路CCの出力端子があるかなどを判別することは、煩雑な作業を要し、また、困難であることが多い。このため、図3に示す如く、最終段のフリップフロップFFの出力信号をリファレンス入力信号出力回路20への入力信号として採用することが望ましい。最終段のフリップフロップFFの出力信号は、当然に、特定可能だからである。
また、リファレンス入力信号出力回路20を組み合わせ回路(例えば、ナンド回路)にする場合は、2以上のフリップフロップFFの各出力信号に応じて、または、2以上のチェーン内組み合わせ回路CCのからの各信号(各出力信号もしくは各内部信号)に応じてリファレンス入力信号出力回路20の出力信号が変化するように該組み合わせ回路を形成してもよいし、1以上のフリップフロップFFの出力信号及び1以上のチェーン内組み合わせ回路CCのからの信号(出力信号もしくは内部信号)に応じてリファレンス入力信号出力回路20の出力信号が変化するように該組み合わせ回路を形成してもよい。
また、リファレンス入力信号出力回路20を設ける例を図3に示したが、リファレンス入力信号出力回路20を省略することも可能である。この場合、何れかのフリップフロップFFの出力信号または何れかのチェーン内組み合わせ回路CCの出力信号もしくは内部信号が、直接、PLL回路1のリファレンス入力端子にリファレンス入力信号として供給されることになる。この場合でも、リファレンス入力信号と分周回路14からの帰還信号の位相は一致することがないため(或いは一致を維持できないため)、PLL回路1の出力クロックの周波数は絶えず変化することになる。
<<第3実施形態>>
次に、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図4は、第3実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図4において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。
次に、本発明の第3実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図4は、第3実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図4において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。
図4の半導体集積回路が図3の半導体集積回路と異なる点は、図3におけるリファレンス入力信号出力回路20がリファレンス入力信号出力回路21に置換されている点だけであり、その他の点において、図3及び図4の半導体集積回路は一致しているため、一致点の重複する説明を省略する。
リファレンス入力信号出力回路21への入力信号の一方は、図3のリファレンス入力信号出力回路20への入力信号と同じである。リファレンス入力信号出力回路21は、例えば組み合わせ回路であり、その組み合わせ回路の出力信号は、第2実施形態におけるリファレンス入力信号出力回路20の組み合わせ回路と同様、1以上のフリップフロップFFの出力信号及び1以上のチェーン内組み合わせ回路CCのからの信号(出力信号もしくは内部信号)に応じて変化する。
更に、リファレンス入力信号出力回路21における組み合わせ回路(例えば、ナンド回路)には、外部クロックも与えられており、その組み合わせ回路の出力信号は、その外部クロックに応じても変化する。該外部クロックは、バーンインテストモードにおける各フリップフロップFFの動作クロックと同じものであっても良いし、他のクロックであっても良い。
リファレンス入力信号出力回路21の出力信号は、PLL回路1のリファレンス入力端子に供給される。尚、図4には示していないが、リファレンス入力信号出力回路21の出力信号を、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)を介して、PLL回路1のリファレンス入力端子に供給するようにしてもよい。
本実施形態のように構成しても、PLL回路を含む擬似乱数発生回路が形成され、バーンインテスト時に、チェーン内組み合わせ回路CCを含む回路全体に適切なストレスを自動的に印加することができる。
<<第4実施形態>>
次に、本発明の第4実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図5は、第4実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図5において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。本実施形態は、複数のPLL回路が備えられている場合を想定している。
次に、本発明の第4実施形態に係る半導体集積回路について説明する。図5は、第4実施形態の半導体集積回路に含まれる一部分(テスト回路)の回路構成図である。図5において、他の図と同一の部分には同一の符号を付してある。本実施形態は、複数のPLL回路が備えられている場合を想定している。
図5の半導体集積回路が図1の半導体集積回路と異なる点は、図1のリファレンス入力信号出力回路2の代わりにリファレンス入力信号出力回路22が設けられる点と、新たにPLL回路1a及びリファレンス入力信号出力回路23が設けられている点だけであり、その他の点において、図1及び図5の半導体集積回路は一致しているため、一致点の重複する説明を省略する。
PLL回路1aは、PLL回路1と同じものである。そして、PLL回路1と1aは、リファレンス入力信号出力回路22及び23を介しつつ、環状に接続されている。具体的には、PLL回路1の出力クロックがリファレンス入力信号出力回路23を介してPLL回路1aのリファレンス入力端子に供給され、PLL回路1aの出力クロックがリファレンス入力信号出力回路22を介してPLL回路1のリファレンス入力端子に供給されている。
リファレンス入力出力回路22及び23は、図1のリファレンス入力信号出力回路2と同様のものである。
リファレンス入力信号出力回路22は、例えば、PLL回路1aの出力クロックを反転して出力する反転回路、PLL回路1aの出力クロックにおける電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、PLL回路1aの出力クロックを所定の分周比にて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)である。
リファレンス入力信号出力回路23は、例えば、PLL回路1の出力クロックを反転して出力する反転回路、PLL回路1の出力クロックにおける電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、PLL回路1の出力クロックを所定の分周比にて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)である。
また、リファレンス入力信号出力回路22と23の一方又は双方を省略するようにしてもよい。例えば、双方を省略する場合は、PLL回路1の出力クロックが直接PLL回路1aのリファレンス入力端子に供給され、PLL回路1aの出力クロックが直接PLL回路1のリファレンス入力端子に供給される。
上記のように構成すれば、一方のPLL回路へのリファレンス入力信号が他方のPLL回路からの出力クロックによって変化し、他方のPLL回路へのリファレンス入力信号が一方のPLL回路からの出力クロックによって変化するため、双方の出力クロックの周波数が互いに固定されず、絶えず変化することになる。つまり、複数のPLL回路を含む擬似乱数発生回路が形成され、バーンインテスト時に、チェーン内組み合わせ回路CCを含む回路全体に適切なストレスを自動的に印加することができる。
また、PLL回路1の出力クロックをそのままセレクタ3に供給するのではなく、例えば図6に示す如く、PLL回路1及び1aの各出力クロックを入力信号とする組み合わせ回路30(図6では、ナンド回路を例示)の出力信号を、PLL回路1の出力クロックの代わりにセレクタ3に供給するようにしてもよい。
また、3つ以上のPLL回路が備えられている場合も、図5と同様に、それらのPLL回路を環状に接続するようにしてもよい。例えば、図7に示す如く、3つのPLL回路1、1a及び1bが備えられている場合は、リファレンス入力信号出力回路22、23及び24を介しつつ、PLL回路1、1a及び1bを環状接続すればよい。尚、図7の場合においても、リファレンス入力信号出力回路22、23及び24の何れか又は全てを省略可能である。
<<変形等>>
第1〜第4実施形態において、PLL回路1の出力クロックを、セレクタ3だけでなく、反転回路、遅延回路、分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)を介して、初段のフリップフロップFFに供給するようにしても構わない。例えば、PLL回路1の出力クロックを、PLL回路1の出力クロックを反転して出力する反転回路、PLL回路1の出力クロックにおける電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、PLL回路1の出力クロックを所定の分周比にて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)を介して、初段のフリップフロップFFに供給するようにしても構わない。
第1〜第4実施形態において、PLL回路1の出力クロックを、セレクタ3だけでなく、反転回路、遅延回路、分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)を介して、初段のフリップフロップFFに供給するようにしても構わない。例えば、PLL回路1の出力クロックを、PLL回路1の出力クロックを反転して出力する反転回路、PLL回路1の出力クロックにおける電位変化のタイミングを所定時間だけ遅延させて出力する遅延回路、PLL回路1の出力クロックを所定の分周比にて分周して出力する分周回路、もしくは組み合わせ回路、またはそれらを混合した回路(例えば、反転回路と遅延回路を直列接続した回路)を介して、初段のフリップフロップFFに供給するようにしても構わない。
この場合も、バーンインテストモードにおいて、PLL回路1の出力クロックを反映した信号が初段のフリップフロップFF(初段のD型フリップフロップのD入力端子)にデータ入力信号として供給されることになるため、初段のフリップフロップFFから擬似的な乱数が発生する。例えば、分周回路を介在させる場合は、分周回路9の出力信号をPLL回路1の出力クロックの代わりにセレクタ3に供給すればよい。
第1〜第4実施形態において、初段のフリップフロップFF或いは初段のフリップフロップFF内のD型フリップフロップにPLL回路1の出力クロックをデータ入力信号として供給するための配線に介在する回路(図1等において、セレクタ3またはセレクタ3及び初段のフリップフロップFF内のセレクタ)は、データ入力信号出力回路を構成する。
第1〜第4実施形態では、スキャンチェーン保有部を有するテスト回路に、PLL回路を利用した擬似乱数発生回路を適用する例を示したが、各実施形態にて具体的に例示された擬似乱数発生回路は、テスト回路以外にも用いることができる。
例えば、図1においては、PLL回路1、リファレンス入力信号出力回路2、セレクタ3及び初段のフリップフロップFFにて擬似乱数発生回路が構成されるが(但し、リファレンス入力信号出力回路2は省略可能)、その初段のフリップフロップFFの出力端子から得られる擬似的な乱数を、乱数を必要とする他の回路(不図示)に供給するようにしてもよい。
テスト回路への利用を考慮せずに擬似乱数発生回路を構成する場合は、セレクタ3は不要であり、また、初段のフリップフロップFFがスキャン機能付きフリップフロップである必要もない。即ち、例えば図8に示す如く、PLL回路1の出力クロックを、直接、D型フリップフロップ31のD入力端子(データ入力端子)に供給することも可能である。図8のように構成すれば、D型フリップフロップ31の出力端子(Q)から擬似的な乱数が得られる。尚、D型フリップフロップ31には、一定の周波数の外部クロックが動作クロックとして与えられる。
また、図1の回路構成を図3や図4の回路構成に変形したように、D型フリップフロップ31の出力信号そのもの或いは該出力信号に応じて動作する後段回路からの信号に基づいて(即ち、D型フリップフロップ31の出力信号に応じた信号に基づいて)、PLL回路1のリファレンス入力信号を生成するようにしてもよい。
また、各実施形態においては、1つのスキャンチェーン保有部だけに着目して説明したが、半導体集積回路の中に複数のスキャンチェーン保有部が備えられていても良いのは勿論である。複数のスキャンチェーン保有部が備えられている場合、各スキャンチェーン保有部に対して、各実施形態におけるPLL回路を有した擬似乱数発生回路を適用してもよい。また、1つのPLL回路を複数のスキャンチェーン保有部に共有させても良い。つまり、バーンインテストモードにおいて、1つのPLL回路1が、複数のスキャンチェーン保有部における初段のフリップフロップFFの夫々に対して、出力クロックをデータ入力信号として与えるようにしてもよい。
また、各実施形態において、バーンインテストを行う際は、事前に、各フリップフリップFFにリセット信号を供給して各フリップフリップの保持する値を全て「0」としておくようにしてもよい。但し、事前のリセット信号の供給を省略するようにしてもよい。
また、PLL回路を擬似乱数発生回路として利用する動作モードは、乱数発生モードと呼ぶこともでき、上述のバーンインテストモードは、該乱数発生モードの中に含まれる1つの動作モードと捉えることもできる。
また、図3の回路構成において、リファレンス入力信号出力回路20を省略し、PLL回路1のリファレンス入力端子を一定電位(グランドや電源電圧の電位)に保つ、或いは、リファレンス入力端子に外部クロックを直接供給する、といったことも可能である。
本発明は、あらゆる半導体集積回路に適用可能である。特に、スキャン設計法を利用する半導体集積回路に好適である。
1、1a、1b PLL回路
2、20〜24 リファレンス入力信号出力回路
3 セレクタ
4 スキャンテストデータ入力端子
5 スキャン/バーンイン切換端子
6 通常データ入力端子
7 シフト/通常切換端子
8 クロック入力端子
9 分周回路
11 位相比較器
12 ループフィルタ
13 VCO
14 分周回路
FF フリップフロップ
CC 組み合わせ回路
2、20〜24 リファレンス入力信号出力回路
3 セレクタ
4 スキャンテストデータ入力端子
5 スキャン/バーンイン切換端子
6 通常データ入力端子
7 シフト/通常切換端子
8 クロック入力端子
9 分周回路
11 位相比較器
12 ループフィルタ
13 VCO
14 分周回路
FF フリップフロップ
CC 組み合わせ回路
Claims (18)
- 互いに直列に接続されたスキャン機能を有する複数のフリップフロップと前記フリップフロップに挟んで設けられた複数のチェーン内組み合わせ回路とから成るスキャンチェーン保有部を備え、該スキャンチェーン保有部に対してスキャンテストを実施する際、前記複数のフリップフロップを複数段のシフトレジスタとして用いる半導体集積回路において、
PLL回路と、
前記PLL回路の出力クロックを反映した信号をデータ入力信号として初段のフリップフロップのデータ入力端子に供給するためのデータ入力信号出力回路と、を備え、
乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックを反映した前記信号を前記データ入力信号として前記データ入力端子に供給し、且つ、前記PLL回路の出力クロックを反映したリファレンス入力信号を前記PLL回路のリファレンス入力端子に供給することにより、前記初段のフリップフロップの出力端子から擬似的な乱数を発生させる
ことを特徴とする半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、1以上の前記フリップフロップの出力信号及び1以上の前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の少なくとも一方に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記フリップフロップの出力信号及び前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の何れかが、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。 - 1以上の前記フリップフロップの出力信号及び1以上の前記チェーン内組み合わせ回路からの信号の少なくとも一方と外部クロックとに応じて出力信号が変化する組み合わせ回路を備え、
乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、その組み合わせ回路の出力信号に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記リファレンス入力信号は、最終段のフリップフロップの出力信号に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記PLL回路の出力クロックは、少なくとも他のPLL回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。 - 乱数発生モードにおいて、前記データ入力信号は、前記PLL回路の出力クロックと前記他のPLL回路の出力クロックに基づいて生成される
ことを特徴とする請求項7に記載の半導体集積回路。 - 前記データ入力信号出力回路は、少なくとも組み合わせ回路を含んで構成される
ことを特徴とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の半導体集積回路。 - 通常モードにおいて、前記PLL回路の前記リファレンス入力端子に一定周波数のクロックを与え、これによって得られる前記PLL回路の出力クロックに基づいて各フリップフロップへの動作クロックを生成する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れかに記載の半導体集積回路。 - PLL回路と、
フリップフロップと、を備え、
前記PLL回路の出力クロックを反映した信号をデータ入力信号として前記フリップフロップのデータ入力端子に供給し、且つ、前記PLL回路の出力クロックを反映したリファレンス入力信号を前記PLL回路のリファレンス入力端子に供給することにより、前記フリップフロップの出力端子から擬似的な乱数を発生させる
ことを特徴とする擬似乱数発生回路。 - 前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項11に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記リファレンス入力信号は、前記フリップフロップの出力信号に応じた信号に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項11に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記フリップフロップの出力信号に応じた信号は、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項13に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記フリップフロップの出力信号に応じた信号と外部クロックとに応じて出力信号が変化する組み合わせ回路を備え、
前記リファレンス入力信号は、その組み合わせ回路の出力信号に基づいて生成される
ことを特徴とする請求項13に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記PLL回路の出力クロックは、少なくとも他のPLL回路を介して、前記リファレンス入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項11に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記データ入力信号は、前記PLL回路の出力クロックと前記他のPLL回路の出力クロックに基づいて生成される
ことを特徴とする請求項16に記載の擬似乱数発生回路。 - 前記PLL回路の出力クロックは、直接、または、反転回路、遅延回路、分周回路もしくは組み合わせ回路もしくはそれらを混合した回路を介して、前記データ入力端子に供給される
ことを特徴とする請求項11〜請求項16の何れかに記載の擬似乱数発生回路。
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JP2005335203A JP2007139631A (ja) | 2005-11-21 | 2005-11-21 | 半導体集積回路及び擬似乱数発生回路 |
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CN114076883A (zh) * | 2021-11-10 | 2022-02-22 | 北京中电华大电子设计有限责任公司 | 老化电路、芯片老化测试方法及芯片 |
-
2005
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Cited By (2)
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CN114076883A (zh) * | 2021-11-10 | 2022-02-22 | 北京中电华大电子设计有限责任公司 | 老化电路、芯片老化测试方法及芯片 |
CN114076883B (zh) * | 2021-11-10 | 2023-09-05 | 北京中电华大电子设计有限责任公司 | 老化电路、芯片老化测试方法及芯片 |
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