JP2014185981A - 半導体集積回路および半導体集積回路の自己テスト方法 - Google Patents

半導体集積回路および半導体集積回路の自己テスト方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロジックBISTによる自己テストでは故障検出率を上げづらく、回路の特定箇所の故障を短時間で検出できない。
【解決手段】一実施形態によれば、複数の組合わせ回路13および複数のFF14を有する論理回路と、組合わせ回路13からのデータを取込む第1パス又は前段FF14からのデータを取込む第2パスをFF14毎に切替える選択器と、選択で有効にされる第2パスをそれぞれが有する複数のスキャンチェーンと、テスト用のパターンを発生させるパターン発生器と、パターン発生器の駆動、選択切替え、および各スキャンチェーンからの応答結果によって自己テストを行うテスト制御回路23と、テスト制御回路23によりテストされる複数のFF14のうち、論理パターンを示す#7、#8、#9、#11を出力するFF14に対して個別に論理値を設定する設定端子18、19とを備える半導体集積回路1が提供される。
【選択図】図4

Description

一実施形態は半導体集積回路および半導体集積回路の自己テスト(Self Test)方法に関する。
大規模かつ複雑なLSIのテストの困難性を解決するテスト容易化手法の一つとして、近年、ロジックBIST[Built In Self Test](論理回路の組込み自己テスト)が主流である(例えば特許文献1参照)。
ロジックBISTは被テストブロックへ与えるテストパターンを生成し、被テストブロックからのテスト結果出力を解析する。ロジックBISTはその生成及び解析を被テストブロックの周辺に構成された論理回路によりLSI内部で全て自動的に行う。例えばフリップフロップ回路によるスキャンチェーンを用いて故障位置を特定する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
ロジックBISTの対象となる被テストブロックには従来のスキャンテスト同様にスキャンチェーンが設けられている。スキャンチェーンへテストデータがシフトインされ、チェーン長分のデータがシフトインされる。シフトインが完了したら、システムクロック周波数にてラウンチ及びキャプチャの実行、すなわち実動作速度で被テストブロックはテストされる。
ラウンチではデータ遷移を起こすためのラウンチクロックがフリップフロップへ与えられる。キャプチャではラウンチに続いて結果を取込むためのキャプチャクロックがフリップフロップへ与えられる。2つのクロックによる基本動作によってデータはキャプチャされる。
キャプチャされたデータは次のシフトイン時にシフトアウトされる。シフトアウト結果はMISR(マルチインプット・シフトレジスタ)と呼ばれるデータの圧縮器に入力される。所定回数のシフトイン、シフトアウトを実施した後、圧縮器の値を期待値と比較することにより被テストブロックのテストが実現できる。
特開2007−40921号公報 特開2006−153629号公報
しかし、反面、ロジックBISTによる自己テストでは、ランダムデータ故に故障検出率を上げにくく、所望箇所の故障を確実に検出することが困難である。疑似乱数に与えるシードのシード値を適宜変えれば良いが、シード値を逆算することは非常に困難である。シート値を算出できたとしても開発段階で回路が変更される度に再計算が必要となり、開発期間の長期化、開発効率の低下という問題も存在する。
また、上記故障検出率が上げづらいという背景の為、ロジックBISTによる自己テストではテストポイントを挿入することが高度に必須である。テストポイントとは観測困難な回路内部の信号を回路外部で観測するために回路に挿入される端子又は信号線を言う。しかし、タイミングがクリティカルな経路へのテストポイントの挿入は経路を途中で分断する。データ経路の分断により実動作速度でのテストが実現できない。
更にシフト時に多数のフリップフロップが同時にスイッチングされるため、電圧降下(IrDrop)が発生し誤動作の原因となる。誤動作を避けるため、擬似乱数パターンの発生器の出力又はスキャンチェーンに与えるシフトデータを所々マスクするという電流対策を実施する方法も行われる。しかしその方法では故障検出率が著しく低下する。検出率の低下を避けるにはシフト段数を増やす必要がある。シフト段数を増やすことはテスト時間が増大する。
また、自己テストにロジックBISTを適用した場合、電流対策又はシフト段数の増大という問題を回避するためにはシステムとして過剰な電源設計が求められる。コストの増大につながり、及び消費電力が増大するため、車載製品又は携帯機器等のバッテリの浪費を招く。
更に、自己テストにロジックBISTを適用した場合、ロジックBISTが正しく故障を検出するかどうか、及びロジックBIST回路自体が故障していないかどうかを判断する仕組みを組込むことが求められる。
このような課題を解決するため、一実施形態によれば、複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを有する論理回路と、前記論理回路の前記組合わせ回路からのデータを取込む第1パス又は前段フリップフロップからのデータを取込む第2パスを前記フリップフロップ毎に切替える選択器と、前記選択器の選択によって有効にされる前記第2パスをそれぞれが有する前記論理回路内の複数のスキャンチェーンと、前記複数のスキャンチェーンへのテスト用のパターンを発生させるパターン発生器と、前記パターン発生器の駆動、前記選択器の切替え、および各スキャンチェーンからの応答結果によって自己テストを行うテスト制御回路と、前記テスト制御回路によりテストされる前記論理回路の前記複数のフリップフロップのうち、論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して個別に論理値を設定する設定端子と、を備える半導体集積回路が提供される。
また、別の一実施形態によれば、複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを有する論理回路と、前記論理回路の前記組合わせ回路からのデータを取込む第1パス又は前段フリップフロップからのデータを取込む第2パスを前記フリップフロップ毎に切替える選択器と、前記選択器の選択によって有効にされる前記第2パスをそれぞれが有する前記論理回路内の複数のスキャンチェーンと、前記複数のスキャンチェーンへのテスト用のパターンを発生させるパターン発生器と、前記パターン発生器の駆動、前記選択器の切替え、および各スキャンチェーンからの応答結果によって自己テストを行うテスト制御回路と、前記一部のフリップフロップ毎に又は前記一部のフリップフロップのそれぞれ前記シフトデータの入力経路に設けられ、前記テスト制御回路によりテストされる前記論理回路の前記複数のフリップフロップのうち、論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して個別に論理値を設定する設定端子と、前記複数のフリップフロップのうちの前記一部のフリップフロップから、前記一部のフリップフロップと異なるフリップフロップへのシフトパスをバイパスさせるバイパス部と、を備える半導体集積回路が提供される。
また、別の一実施形態によれば、複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを持つ論理回路および前記論理回路に対する組込み自己テスト用のテスト制御回路が、前記フリップフロップ毎に前段フリップフロップからのデータを取込むパス経由でテスト用のパターンを前記論理回路内の複数のスキャンチェーンへシフトインし、前記テスト制御回路が、前記複数のフリップフロップのうちの論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して設定端子により個別に論理値を設定し、前記テスト制御回路が、前記フリップフロップ毎に前記組合せ回路からのデータを取込むパス経由でクロックの供給により前記論理回路を実動作させ、前記テスト制御回路が、前記複数のスキャンチェーンからシフトアウトされたデータおよび予め保持する期待値データにより動作が正常かどうかを確認する半導体集積回路の自己テスト方法が提供される。
第1の実施形態に係る半導体集積回路の回路ブロック図である。 第1の実施形態に係る半導体集積回路の一本のスキャンチェーンの回路ブロック図である。 第1の実施形態に係る半導体集積回路に用いられるフリップフロップの構成例を示す複数の図である。 本実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。 第1の実施形態に係る半導体集積回路のテスト制御回路による自己テスト動作の複数のタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。 第2の実施形態に係る半導体集積回路のテスト制御回路による自己テスト動作の複数のタイミングチャートである。 第3の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。 第3の実施形態に係る半導体集積回路のテスト制御回路による自己テスト動作のタイミングチャートである。 第5の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。 第5の実施形態に係る半導体集積回路のテスト制御回路による自己テスト動作のタイミングチャートである。
以下、実施の形態に係る半導体集積回路および半導体集積回路の自己テスト方法について、図1乃至図11を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る半導体集積回路の回路ブロック図である。量産テスト対象のロジックBISTの構成が示されている。図2にスキャンチェーンの一部を抜粋して示す。
本実施形態に係る半導体集積回路は論理回路11を有するIC10の全体である。
IC10は被テストブロックである論理回路11と、論理回路11内の複数のスキャンチェーン(シフトチェーン)12とを備えている。
IC10はスキャンチェーン12へのテストデータのシフトイン、論理回路11の実動作、データのシフトアウト及び結果出力の蓄積を繰返す。複数回数に亘るシフトイン及びシフトアウトの繰返し後、IC10は蓄積データと期待値とを比較し、論理回路11の故障の有無を判定する。
論理回路11は複数の組合わせ回路およびそれぞれ2入力系統を持つ複数のFF(フリップフロップ)14を有する。複数のFFの縦続接続によりスキャンチェーン12が形成されている。
各スキャンチェーン12は例えばクロック周波数毎にグループ化されて設けられている。
図2は一本のスキャンチェーン12の回路ブロック図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。
スキャンチェーン12はスキャナブルである。元々存在する複数のFF14と複数の組合わせ回路13(logicと表記されている)との中に、スキャンチェーン12が張られる。
各スキャンチェーン12は複数のFF14が生成された後、FF14の接続関係に応じてソフトウェアツールによって生成される。各組合わせ回路13は現在の入力のみにより一意な論理値を出力する。
各FF14は過去にセットされた状態値を保持する。図3(a)はFF14の構成例を示す図であり、FF14は選択器15を設けている。
FF14は、組合せ回路13を経由する信号の入力端子Dと、テスト信号の入力端子TIと、クロック信号用のクロック端子CPとを有する。FF14は、切替え制御信号ShiftEn(シフトイネーブル)が入力される制御端子TEと、FF14の状態値の出力端子Qとを有する。
選択器15は図2において組合わせ回路13からのデータを取込む第1パス(Iと表記されている)、又は前段FF14からのデータを取込む第2パス(IIと表記されている)をFF14毎に切替える。第1パスは各入力端子D(ノーマル)に接続され、第2パスは各入力端子TI(シフトデータ)に接続されている。
図2、図3(a)のようにスキャンチェーン12は選択器15の選択により有効にされる第2パスIIを有する。第2パスIIの有効化によりスキャンチェーン12はシフトレジスタを構成する。
また、図3(b)及び図3(c)は別の種別のFF14の構成例を示す複数の図である。同図中既述の符号はそれらと同じ要素を表す。
図3(a)のFF14とは別に、IC10は論理回路11内にそれぞれリセッタブルなFF14及びプリセッタブルなFF14を備えている。
図3(b)のリセッタブルFF14は、FF14の状態値を0(Low)に設定するリセット端子18(CD)を有する。図3(c)のプリセッタブルなFF14は、その値を1(High)に設定するプリセット端子19(SD)を有する。
リセット端子18及びプリセット端子19は何れも論理パターンを示す組合わせの一部のFF14に対して個別に論理値を設定する設定端子である。
例えば3つのプリセット端子19、リセット端子18及びプリセット端子19は、3ビットの論理パターン"101"を示す組合わせの3個のFF14に対して個別に論理値"1"、"0"、"1"を設定する。
以下、リセッタブル/プリセッタブル(リセッタブル又はプリセッタブル)な一部のFF14をリセッタブル/プリセッタブルFF14と呼ぶことがある。
リセッタブル/プリセッタブルFF14の個数は、全てのFF14の個数と同じかあるいはその個数よりもより少ない。
また、図1においてIC10は、パターン発生器16と、テスト制御回路17とを備える。
パターン発生器16は複数のスキャンチェーン12へのテスト用のパターンを発生させる疑似乱数発生器である。パターン発生器16は例えば擬似ランダムパターン(pseudorandom pattern)といった乱数パターンを発生させる。
パターン発生器16は線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR[Linear Feedback Shit Register])又はセルオートマトン(CA[Cellular Automaton])によりテストデータを生成する。
テスト制御回路17はコントローラであり、パターン発生器16の駆動、及び選択器15の切替えを制御する。
テスト制御回路17は論理回路11の実動作による各スキャンチェーン12からの応答結果によって自己テストを実施する。テスト制御回路17は診断結果により論理回路11の故障箇所を特定する。
テスト制御回路17は、自己テスト制御回路22と、期待値ROM(read only memory)24(記憶部)と、ロジックBIST制御回路23とを備えている。
自己テスト制御回路22は自己テスト手順を実行する。自己テスト制御回路22はパワーオンによりCPU21から起動される。
期待値ROM24はパターン発生器16からの乱数パターンの期待値を予め記憶する。
ロジックBIST制御回路23はスキャンチェーン12へそれぞれシステムクロック周波数の分周により得られるスキャンクロック周波数を供給する。
ロジックBIST制御回路23は図3(a)のように選択器15(又はFF14)へ、パスの切替え信号を通知する。
ロジックBIST制御回路23は図2のように制御端子TEへのアクティブなShiftEnの入力によって、FF14に第2パスIIによる入力端子TI(シフトデータ)経路を選択させる。この入力端子TIはチェーン前段のFF14のQ出力に接続される。
ロジックBIST制御回路23は制御端子TEへの非アクティブなShiftEnの入力によって、FF14に第1パスIによるD(ノーマル)経路を選択させる。
ロジックBIST制御回路23は図3(b)、図3(c)のリセッタブル/プリセッタブルFF14へはシステムクロックとは非同期の制御信号を入力する。ロジックBIST制御回路23はリセッタブル/プリセッタブルFF14を任意タイミングでリセット(値0)又はプリセット(値1)する。
また、図1のロジックBIST制御回路23は読出し部25と、比較器26とを備えている。
読出し部25はテスト用の乱数パターンの入力に対して複数のスキャンチェーン12からそれぞれ出力される複数系統のデータ列を読出す。乱数パターンは複数のスキャンチェーン12の何れかのシフト段数分の符号長を有する。
比較器26は圧縮部20による圧縮により得られるデータ列と、期待値ROM24の期待値とを比較する。
更に図1のIC10は、圧縮器20と、CPU(central processing unit)21とを備えている。
圧縮器20は複数のスキャンチェーン12の出力側に設けられ、圧縮データをテスト制御回路17へ与える。圧縮器20はスキャンチェーン12のチェーン数分の系統のデータ列をそれぞれ圧縮する。
圧縮器20が設けられる理由は全ての出力を逐一テストする代わりに圧縮によってデータ量を小さくするためである。小さい規模の回路の利用により処理時間の短縮化が行われている。
圧縮器20はMISR(マルチインプット・シフトレジスタ)である。CPU21は別のROM、RAM(random access memory)によってテスト制御回路17へ制御コマンドを入力する。
IC10は、信号入力用の端子34と、PLL(phase locked loop)などの高速クロック信号の発振器35とを備える。
本実施形態に係る自己テスト方法は、テスト制御回路17が乱数パターンを複数のスキャンチェーン12へシフトインし、リセッタブル/プリセッタブルFF14に対してリセット端子18及びプリセット端子19により個別に0又は1を設定する。
更にその方法は、テスト制御回路17が論理回路11を実動作させ、及び複数のスキャンチェーン12からシフトアウトされたデータおよび期待値ROM24の期待値データにより動作が正常かどうかを確認する。
図4は本実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。自己テスト回路1はIC10(図1)の一部分を表す具体例である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。同図中の#1〜#11は節点又は信号名を表す。#7、#8、#9及び#11を出力するFF14に値を確実にセットするため、FF14の前段に#1〜#6を出力するFF14が接続されている。
図5(a)から図5(k)は本実施形態に係る半導体集積回路のロジックBIST制御回路23による自己テスト動作のタイミングチャートである。
図5(a)はFF14のパス切替え用のタイミングチャートである(信号名ShiftEn)。
図5(b)はクロックを表すタイミングチャートである。クロックはLSIのシステムクロックである。通常シフト時、自己テスト回路1には端子34から速度の遅いクロックが与えられる。ラウンチ及びキャプチャ時、自己テスト回路1は発振器35からの高速クロックを使って実動作速度、即ち実周波数で動作する。
図5(c)はリセッタブル/プリセッタブルFF14への駆動信号の論理を表すタイミングチャートである。
図5(d)から図5(k)は節点#1から#11における複数の電圧値を表すタイミングチャートである。斜線はドントケア(考慮が不要)を表す。
次にこのように構成した自己テスト回路1の作用について図4、図5によって説明する。
図4においてテストは太線の部分の経路をFF14がキャプチャして#11に論理変化が伝わるか、についての故障をロジックBIST制御回路23に検出させることを目的とする。具体的には、#9の論理がHからLに変化する経路及び#10の論理がLからHに変化する経路の実動作速度でのキャプチャによって、#11の論理がLからHへ変化するかどうかがテストされる。
ここでキャプチャとは各FF14が入力端子Dを介して論理回路11からの信号値を取込むことである。太線の部分は、#9を出力するFF14、バッファ29、インバータ30、オアゲート28、アンドゲート27、及び#11を出力するFF14からなる。
#1から#11を付した各FF14、及び#10を出力するアンドゲート27は、予め設計段階において選択される。スキャンチェーン12の生成後、ソフトウェアツールが論理回路11内で#1から#11を付した各FF14、及び#10を出力するアンドゲート27を検索する。検索により、各FF14及びアンドゲート27が特定される。設計段階において選択されるべきFF14の情報の保持、ツールを用いたFF14等の検索、及び特定の各機能は例えば自己テスト制御回路22により実行される。
その目的を果たすため、本実施例では図4に示すReset信号を、FF14の非同期のReset端子18又は非同期のPreset端子19に接続する。図5のタイミングチャートに示すように、シフト動作完了後から、図5中でマークを付したラウンチクロック(Launch Clock)及びキャプチャクロック(Capture Clock)の発生までの間、ロジックBIST制御回路23はReset信号を有効(assert)にし続けている。同図の例では有効とはLにおいてアクティブである。ラウンチクロック及びキャプチャクロックが発生する時点では、ロジックBIST制御回路23はReset信号を非アクティブに戻す。
これにより、キャプチャ時に上記所望の論理変化を得ることができる。ロジックBISTでの所望の論理パターンの実動作速度でのテストが確実に実施できる。
以下の詳述に先立ってロジック制御手順について述べると、ロジックBIST制御回路23は概略的には3つの状態を切替えることによって手順を実行する。ロジックBIST制御回路23は自己テスト回路1の状態を、(1)最初にシフト状態(ShiftEnがハイ)、(2)キャプチャ状態(ShiftEnがロー)及び(3)再度シフト状態(ShiftEnがハイ)に切替える。
(1)最初のシフト状態の間、自己テスト回路1には複数のFF14による複数のシフトレジスタが形成される。データがシフトレジスタへシフトインされる。各シフトレジスタを構成するFF14に値がセットされる。
(2)引続きキャプチャ状態の間、複数のFF14に設定された値が組合わせ回路13を通過し、複数の組合わせ回路13からの値が複数の次段FF14に取込まれる。
(3)その後、自己テスト回路1はキャプチャ状態からシフト状態へ戻される。
上記の#9、#10及び#11の各論理変化のテストの目的のため、(2)のキャプチャ状態の間の波形結果にロジックBIST制御回路23は着目する。以下、詳述する。
まず図5(a)における最初のシフト状態ではロジックBIST制御回路23は自己テスト回路1へデータをシフトインする。
図5(b)のように、シフトイン中、クロックにより図4中の回路のFF14の間でデータがシフトされる。
図5(c)のリセット信号により自己テスト回路1の状態はキャプチャ状態に切替えられる。リセット信号によって図5(i)〜図5(k)のように、#9、#10、#11はそれぞれ1、0、1になる。
図5(b)のように、ロジックBIST制御回路23は2つのクロック信号を発生させる。
1つ目のクロックは状態の遷移を起こすためのラウンチクロックを表す。ラウンチクロックにより図5(i)〜図5(k)のように、#9、#10、#11を出力するFF14の内部値はそれぞれ"0"、"1"、"0"へ遷移する。
2つ目のクロックは結果を遷移後決まる結果を取込むためのキャプチャクロックを表す。キャプチャクロックにより図5(j)、図5(k)のように#11の結果が次段FF14に取込まれる。
引続き図5(a)のようにキャプチャ状態からシフト状態へ切替えられる。シフト状態時、複数本のシフトレジスタによってロジックBIST制御回路23はリセッタブル/プリセッタブルFF14からデータをスキャンアウトする。
次に図1に戻ってロジックBIST制御回路23の読出し部25はデータを取込む。比較器26はそのデータと、期待値ROM24に保持された期待値とを比較する。任意個数のFF14の良否が判定される。
また、ロジックBIST制御回路23は2つのデータ間の真偽の検証によって、回路の故障の有無を検出する。故障とは遅延性の故障である。
故障が発生すると、前段FF14のデータがクロックの立上がり又は立下りにおいて次段FF14へ到達しない。比較結果によりデータの未到達が検出される。図4の太線部分に故障があるかどうかが判定される。
尚、図4において、Logicと示した部分の論理はドントケアで構わない。各FF14の図示しない端子D、TIの入力についてもドントケアで構わない。また、図5(c)のReset操作は複数回数のうち任意回数目において最低1回だけ実施すれば良い。複数回数に亘ってシフト及びキャプチャのペアを繰返すロジックBISTによるテスト動作中、1回のリセットで足りる。
このように一部のFF14がリセッタブル/プリセッタブルであるため、キャプチャ時において3ビットパターン"101"などの所望する論理変化を得ることができる。
自己テスト回路1によれば、データのシフトイン後、太線上の#9の論理と、#10の論理とが実動作速度でキャプチャされる。#11の論理変化が確かに伝わったことがテストされる。
従来例による問題点を本実施例のそれと比べる。従来例による半導体集積回路では、Reset信号が存在しない。本実施例のようにReset信号が有効にされた時点において、従来例による各FFはチェーン長分のビットパターンによる論理が既にセットされている必要がある。シフトデータがランダムであるが故に論理を実現するシフトパターンが確実に得られる保証がない。仮に開発初期段階においてシフトスキャン対象の回路要素が全て生成されていたとしても、開発段階の進展により、スキャンチェーン自体が変更になることがある。あるいはシフトスキャン対象の部分の回路論理が変更されないとしても回路動作は保証されない。パターン発生器16のビット数を増やした場合であっても、回路動作が保証されるとは限らない。
本実施形態に係る半導体集積回路によれば、非同期のリセッタブル/プリセッタブルFF14によって、所望する論理パターンの設定が可能となる。従来例によるロジックBISTによっては困難な特定パターンの故障検出が容易となる。
特定の一部のFF14用のテストパターンを、パターン発生器16は短時間内に発生させることができない。あるいは永遠にパターン発生器16が出力し続ければその入力パターン列を発生させ得るとは言える。本実施形態に係る半導体集積回路によれば、一部のFF14に"1"、"0"、"1"といった論理を予めセットしておくことができるため、LSI内の特定部分の回路内の論理の正常な変化と、その論理の伝達とをテストできる。IC10が被テストブロック内の各FF14の入力を強制的にリセットし所定パターンの入力に対してその出力を観察することにより、パターン発生器16からの入力を待つことなくテストが可能になる。部分回路の出力パターンが正常であるかどうかを判定できるようになる。
更に本実施形態に係る半導体集積回路によれば、観測用のテストポイントの挿入無しでテストを行えるため、遅延故障に対する検出確度を向上させることができる。本実施形態に係る半導体集積回路によれば、テストポイントの挿入が避けられるため、従来例よりも遅延故障検出確度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においてはリセット信号の数は1であったがその数は複数でもよい。実施例2の回路構成を図6に、タイミングチャートを図7にそれぞれ示す。
図6は第2の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。自己テスト回路2はIC10(図1)の一部分を表す具体例である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。
#1を出力するFF14、#7を出力するFF14、#8を出力するFF14、#9を出力するFF14、#11を出力するFF14が何れもリセッタブル/プリセッタブルな一部のFF14である。
第2の実施形態は第1の実施形態と、Reset2がReset1と別に2重にされている点、及び#2〜#6を出力する各FF14へのReset制御が不要である点で異なる。
リセット又はプリセット用のReset1、2が2つのグループに分配されている。
第1のグループとして、#1、#9、#11を出力する各FF14はそれぞれリセット端子18、プリセット端子19、プリセット端子19を介してテスト制御回路23からのリセット信号Reset1を受ける。
第2のグループとして、#7、#8を出力する各FF14はそれぞれリセット端子18、プリセット端子19を介してリセット信号Reset2を受ける。
図6に示される以外については、本実施形態に係る半導体集積回路は第1の実施形態に係る半導体集積回路の構成要素と実質同じ構成要素を有する。それらの重複説明は省略する。
図7(a)から図7(l)は本実施形態に係る半導体集積回路のロジックBIST制御回路23による自己テスト動作のタイミングチャートである。
図7(c)は第1のリセット信号Reset1の論理を表すタイミングチャートである。
図7(d)は第2のリセット信号Reset2の論理を表すタイミングチャートである。
図7(e)から図7(l)は節点#1から#11における複数の電圧を表すタイミングチャートである。斜線はドントケアを表す。
次にこのようにして構成された自己テスト回路2の作用について図6、図7によって説明する。
図6において、テストは太線の部分(#9を出力するFF14、バッファ29、インバータ30、オアゲート28、アンドゲート27、及び#11を出力するFF14)の経路をFF14がキャプチャして#11に論理変化が伝わるか、についての故障をロジックBIST制御回路23に検出させることを目的とする(実施例1と同様)。具体的には#9の論理がHからLに変化する経路、及び#10の論理がLからHに変化する経路の実動作速度でのキャプチャによって、#11の論理がLからHへ変化するかどうかがテストされる。
実施例1との違いは#7、#8を出力するFF14のリセット信号の経路が#1、#9を出力するFF14のリセット信号の経路から分けられている点である。#2〜#6を出力するFF14へのリセット制御が不要な点も実施例1と異なる。#2〜#6は図4と同様にドントケアで構わない。
実施例2では#7、#8の論理をキャプチャ期間、一定値に保つことで実施例1同様の論理変化を実動作速度で故障検出することが可能である。
まず図7(a)のように最初のシフト状態では、ロジックBIST制御回路23は自己テスト回路2へデータをシフトインする。
図7(c)、図7(d)のように、ロジックBIST制御回路23はReset1、Reset2を2つのフリップフロップグループへ入力する。
図7(h)、図7(i)のように、#7、#8を出力するFF14はReset1によりそれぞれプリセット、リセットされる。
図7(e)、図7(j)のように、#1、#9を出力するFF14はReset2によりそれぞれリセット、プリセットされる。
ロジックBIST制御回路23は図7(h)、図7(i)のように#7、#8に一定の論理値をキャプチャ期間が終わるまで保持させる。ラウンチクロック及びキャプチャクロックの発生までの間、ロジックBIST制御回路23は図7(d)のようにReset2を有効にし続ける。
ラウンチクロックにより#9、#10、#11はそれぞれ0、1、0に変化する。キャプチャクロックにより#11の結果が取込まれる(図7(j)、図7(k)、図7(l)参照)。
#11を出力するFF14からのデータのスキャンアウト後、キャプチャされたデータ及び期待値データ間が比較される。
以上のように自己テスト回路2は第1の実施形態同様に論理変化を実動作速度で故障検出することが可能である。
本実施形態に係る半導体集積回路によれば、プリセッタブル/リセッタブルFF14の数を最小限にすることができる。
(第3の実施形態)
上記実施形態では、リセット端子18、プリセット端子19がFF14をクロックに非同期でリセット、プリセットしていた。第3の実施形態に係る半導体集積回路は、FF14の入力経路に設けられた他の論理回路によりクロックに同期してリセット、プリセットしてもよい。
実施例3の回路構成を図8に、タイミングチャートを図9にそれぞれ示す。
図8は第3の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。自己テスト回路3はIC10(図1)の一部分を表す具体例である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。
#1〜#4、#8を出力するFF14のシフトデータの入力端子TI(入力経路)にはアンドゲート27(他の論理回路)が接続されている。
#5、#6、#7、#9、#11を出力するFF14のシフトデータの入力端子TI(入力経路)には、ゲート回路31(他の論理回路)が接続されている。
アンドゲート27及びゲート回路31は#1〜#11を出力する一部のFF14の入力端子TI上に設けられている。アンドゲート27及びゲート回路31は何れもシステムクロックに同期して各FF14に対して個別に論理値を設定する設定端子である。
ロジックBIST制御回路23はスキャンチェーン12による乱数パターンのシフトイン動作の最終段階において、アンドゲート27及びゲート回路31に値をセットする。
図8に示される以外については、本実施形態に係る半導体集積回路は第1の実施形態に係る半導体集積回路の構成要素と実質同じ構成要素を有する。それらの重複説明は省略する。
図9(a)から図9(k)は本実施形態に係る半導体集積回路のロジックBIST制御回路23による自己テスト動作のタイミングチャートである。
図9(a)から図9(c)は図5(a)から図5(c)の例と同じである。図9(d)から図9(k)は節点#1から#11における複数の電圧を表すタイミングチャートである。斜線はドントケアを表す。
上述のように構成された自己テスト回路3の作用について図8、図9によって述べる。
図8において、テストは、太線の部分(#9を出力するFF14、バッファ29、インバータ30、オアゲート28、アンドゲート27、及び#11を出力するFF14)の経路をFF14がキャプチャして#11に論理変化が伝わるか、についての故障をロジックBIST制御回路23に検出させることを目的とする(第1の実施形態、第2の実施形態と同様)。#9の論理がHからLに変化する経路、及び#10の論理がLからHに変化する経路の実動作速度でのキャプチャによって、#11の論理がLからHへ変化するかどうかがテストされる。
実施例1、2との違いは、FF14が非同期リセット/プリセット型ではなく、TI(シフトデータ入力)経路に組合わせ論理回路が追加されている点である。論理回路の各FF14への接続によってリセット/プリセット信号がFF14へ入力されている。すなわち、同期型のFF14に変更されている点で実施例2は実施例1と異なる。同期とはFF14をリセット/プリセットさせるタイミングがクロックに同期していることである。
図9(b)に示すようにReset信号はシフトサイクル(シフト状態の期間)の最終クロックの立上り時にアクティブ(L)となるよう制御されている。これにより、実施例1と同様に、ラウンチクロック、キャプチャクロックの開始前に、#1〜#11を出力する全てのFF14に所望の論理をセットすることが実現できる。
これにより、キャプチャ時点において、上記3ビットパターン"1"、"0"、"1"などの所望の論理変化を得ることができる。ロジックBISTによる3ビットパターンなどの論理パターンの実動作速度でのテストを確実に実施できる。
以下、詳述する。まず図9(a)のように、最初のシフト状態(ShiftENハイ)において各FF14は入力端子TIからデータが取込まれる。
図9(c)のように、ロジックBIST制御回路23はReset信号を有効(L)にする。
Reset信号が有効(L)の時に、図9(b)のクロックの立上がりエッジが各FFへ加えられる。
図9(d)〜図9(k)のように、#1から#11を出力する各FF14のTI(シフト)への入力経路がリセット又はプリセットされる。シフトデータ入力経路に設けられた他の論理回路によって#5、#6、#7、#9、#11には"1"がセットされる。
つまりシフトサイクルの最終クロック入力時、シフト終了段階において自己テスト回路3は他の論理回路(アンドゲート27及びゲート回路31)に固定値を強制的にセットする。
引続き図9(a)でシフト状態からキャプチャ状態(ShiftEnがロー)に切替えられる。
図9(i)、図9(j)、図9(k)のように、キャプチャ状態においてラウンチクロックにより#9、#10、#11を出力するFF14はそれぞれ0、1、0に変化する。続くキャプチャクロックにより#11の結果が取込まれる。#11を出力するプリセッタブルFF14からのデータのスキャンアウト後、比較が行われる。
実施例1、2と本実施例との違いは、FF14を非同期リセット/プリセット型にしなくても済む。その反面、TI経路にアンドなどの論理回路を本実施例は必要となる。仮にロジックBISTによる故障検出率を向上させるためのテストポイントの挿入は、ノーマル経路のFF14のD入力端子に対して行われる。その場合、D端子へテストポイントを挿入するため、ノーマル動作のタイミングがより厳しくなる。更にノーマル経路上での強制的な論理の設定により、実動作速度テストができないと言う欠点が存在する。
本実施例ではTI経路に対してテストポイントを挿入することと等価である。アンドゲート27等の挿入がノーマル経路を阻害することがない。通常シフト時、アンドゲート27等がスルーされ、通常時と同様に回路が動作する。前段FF14のQ出力が後段FF14の入力端子TIへ直接伝わる。自己テスト回路3によれば、余裕があるタイミングマージンを確保でき、タイミング懸念が少ないため、有用である。
本実施形態に係る半導体集積回路によれば、シフトの最終段階で固定値を設定するため、所定パターンによる故障を容易に検出することが可能であり、遅延故障に対する検出確度を向上させることができる。
加えて更にタイミングチャート(図9)は、第1の実施形態によるタイミングチャート(図5)と異なり、FF14に値を強制的にセットするタイミングが異なる。
図5(前者)はシフト完了からキャプチャ動作の前の時点が値の強制セットのタイミングである。図9(後者)はラストシフト時がそのタイミングである。
図4、図8の間で比較すると、双方は既存回路に対する値の挿入方法が異なる。図4(前者)はFF14の非同期Reset又はPreset経路に値が挿入される。自己テスト回路3(図8)はTI(シフトデータ)入力経路に値が挿入される。本実施形態に係る半導体集積回路によれば、回路規模の面において図4の例よりも優れる。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態に係る各半導体集積回路は、半導体集積回路自身を利用して自己故障診断機能が正常に動作するかどうかを確認してもよい。
実施例4は図1の自己テストにロジックBISTを用いた場合の実施例であり、特に図示しない。
通常の自己テストではロジックBISTにより所定回数のシフト、キャプチャ動作を繰返した時点でロジックBIST制御回路23は圧縮器20に圧縮されたデータを期待値と比較することで故障を診断する。
しかしながら、例えばこの比較器26(比較器26はロジックBIST対象外にせざるを得ない)が故障する場合が存在する。故障による比較器26が常にコンペアOKを出力するようになっている場合も想定される。故障とは入力の変化に対して出力値が固定される縮退故障を言う。この故障を検出することも重要である。
本実施例による半導体集積回路は所定の比較動作の実施後、同じ故障診断を更に実施する。半導体集積回路はこの際、診断途中の所定箇所において、実施例1〜3に示すリセット信号を有効(assert)にし、あえて故障を加える。半導体集積回路はコンペア結果、NG判定するかどうかをテストする。
第4の実施形態に係る半導体集積回路は、第1、第2、第3の各実施形態に係る半導体集積回路の構成要素と実質同じ構成要素を有する。それらの重複説明は省略する。
上述の構成を有する本実施形態に係る半導体集積回路はテスト対象外の要素として比較器26の故障を検出する。半導体集積回路は、比較器26による比較の後、図4の例と同じ故障診断を繰返す間に意図的に故障を発生させる。
シフト及びキャプチャの繰返しの途中、半導体集積回路は、Reset信号(図5、図7又は図9)を有効にすることにより、あえて故障データを圧縮器20へ出力する。圧縮器20には故障データが正常データに混入する。比較器26によってコンペア結果がNGと判定されるかどうかがテストされる。
従来例による半導体集積回路は、このような故障データを混入させることを、専用回路により、あるいはシフト回数を変更するなどの方法により実行している。
前者(専用回路を設置すること)は、その専用回路自身が故障している可能性がある。本実施形態による半導体集積回路によれば、Reset信号により一度所望の動作をさせ、及びOKの判定後に同じReset信号を操る。信頼性が高い点で有利である。
また、後者(シフト回数を変更すること)は、故障データが混入する箇所が多岐に渡り、混入の機会が増大する。微小な故障が隠れてしまう危険性が生じる。本実施形態による半導体集積回路によれば、故障データの混入箇所が微小範囲に限定されるため、信頼性が高い。
本実施例では、読出し部25、ロジックBIST制御回路23及び自己テスト制御回路22等、比較器26と異なる要素に意図的に故障データを発生させて自己テストを行ってもよい。
本実施形態に係る半導体集積回路によれば、自己テスト時において、テスト制御回路17といった組込み自己テスト回路自体が故障していないかどうかを容易にチェックすることが可能になる。
(第5の実施形態)
上記実施形態では、リセット端子18、プリセット端子19、アンドゲート27又はゲート回路31付きのFF14をスキャンチェーン12から外してもよい。
実施例5の回路構成を図10に、タイミングチャートを図11にそれぞれ示す。
図10は第5の実施形態に係る半導体集積回路の具体例を示す回路図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。自己テスト回路32はIC10(図1)の一部分を表す。
自己テスト回路32は各TI入力経路に前段FF14のQ出力が直接シフト入力されることをバイパスする。
図10において#3、#4、#6を出力するFF14はリセット端子18、プリセット端子19を備えている。各FF14は第1の実施形態及び第2の実施形態で説明の非同期のリセッタブル/プリセッタブルな一部のFF14である。
#5、#7を出力する各FF14のTI入力経路上に、それぞれマルチプレクサ33(バイパス部)が設けられている。
同図中央の第1のマルチプレクサ33は、#3、#4を出力する各FF14(一部のフリップフロップ)から、#5を出力するFF14(一部のフリップフロップと異なるフリップフロップ)へのシフトパスをバイパスさせる。
第1のマルチプレクサ33は、#4を出力するFF14と、#4の手前の#2を出力するFF14との一方からのデータを#5へ接続入力する。
同様に、第2のマルチプレクサ33は、#6を出力するFF14(一部のフリップフロップ)から、#7を出力するFF14(一部のフリップフロップと異なるフリップフロップ)へのシフトパスをバイパスさせる。
第2のマルチプレクサ33は、#6を出力するFF14と、#6の前段の#5を出力するFF14との一方からのデータを#7へ接続入力する。
各マルチプレクサ33は、第1の入力端子A0、第2の入力端子A1、バイパス/非バイパスを切替えるバイパス信号用の端子S及び出力端子Zを有する。
第1のマルチプレクサ33によるシフト経路の変更は、#3を出力するプリセッタブルFF14と、#4を出力するリセッタブルFF14との2つをバイパスする。
第2のマルチプレクサ33によるシフト経路の変更は、#6を出力するプリセッタブルFF14をバイパスする。
ロジックBIST制御回路23はマルチプレクサ33によるシフトパスのバイパス又は非バイパスを制御する。ロジックBIST制御回路23は乱数パターンのシフトイン中、マルチプレクサ33にシフトパスをバイパス側へ切替えさせる。
ロジックBIST制御回路23はバイパス信号の論理とReset信号の論理とを常に互いに逆にしてもよい。ロジックBIST制御回路23はバイパス信号とReset信号とを互いに同期させて切替えてもよい。
各マルチプレクサ33のバイパス信号用の端子SへはロジックBIST制御回路23からのバイパス信号が入力される。
バイパス信号とReset信号とが常に互いの逆論理であるように設定し、バイパス信号の代わりにReset信号の反転論理により各マルチプレクサ33はバイパス経路を選択しても良い。
図10に示される以外については、自己テスト回路32は第1、第2、第3の各実施形態に係る半導体集積回路の構成要素と実質同じ構成要素を有する。それらの重複説明は省略する。
図11(a)から図11(k)は本実施形態に係る半導体集積回路のロジックBIST制御回路23による自己テスト動作のタイミングチャートである。
図11(a)、図11(b)は図5(a)、図5(b)の例と同じである。
図11(c)はリセッタブル/プリセッタブルFF14への信号の論理を表すタイミングチャートである。図11(d)はバイパス制御信号の論理を表すタイミングチャートである。
図11(e)から図11(k)は節点#1から#7における複数の電圧を表すタイミングチャートである。斜線はドントケアを表す。
次にこのように構成した自己テスト回路32の作用について図10、図11によって説明する。
図10において#3、#4、#6を出力する各FF14は実施例1、2で適用した非同期プリセッタブルFF14である。本実施例の特徴的な構成は#5、#7を出力する各FF14のTI入力経路にマルチプレクサ33を搭載している点である。マルチプレクサ33は通常のシフト経路ではなく、その手前のFF14からのシフト経路にシフト経路を切替え可能である。マルチプレクサ33によりプリセッタブルFF14をバイパスするようにシフト経路が変更可能である。マルチプレクサ33はロジックBIST制御回路23からのバイパス信号(リセット信号の反転論理でも良い)によりバイパス経路を選択する。
以下、詳述する。図11(a)のように、2度のシフト状態の期間のうちの早いほうのシフト期間では自己テスト回路32の状態は非バイパスである。図10の#3、#4、#6を出力する各FF14はバイパスされない。各FF14はシフトレジスタによりシフトインされたデータを送る。遅いほうのシフト期間において自己テスト回路32はバイパスの実施により#3、#4、#6を出力する各FF14はバイパスされる。リセット信号がアクティブにされる。#2、#5、#7を出力する各FF14が接続される。
図11(e)から図11(k)に示すように、あるシフト期間でリセットとバイパスとがアクティブにされる。ここで破線で囲まれるA、BのうちのAは非バイパス時におけるデータの局所的な変化部分を示す。Bはバイパス時のデータの局所的な変化部分を示す。自己テスト回路32を走らせることで、Bにおけるトグル率はAにおけるトグル率よりも低いという結果が得られた。
トグル率とは一節点においてクロック信号の個数に対するトグル回数の割合である。例えば節点#4において、個数5に対するトグル回数5はトグル率100%に等しい。トグル回数とは節点の電圧レベルがHからLへあるいはLからHへ変化する回数である。
Bのシフト期間ではより少ないトグル回数により、より低い電力が消費される。#3、#4、#6を出力する各FF14はリセット/プリセットが入れ放されたままであり、データ変化は起きない。リセッタブル/プリセッタブルFF14と異なる他のFF14だけがスキャンシフトを実行し、テストが行われる。
自己テスト回路32によれば、シフト期間Bでは、トグル率が抑えられ、シフト期間中の電力消費を低減できる点で効果がある。
従来例による半導体集積回路は、低消費電流対策としてシフトインするデータそのものをマスクする。このマスク方法では、全てのFF14の値が部分的に固定される。FF14の活性化率が局所的にダウンする。固定値及び活性化率のダウンは故障検出率を上げづらいという欠点があった。
仮に自己テスト回路32がバイパス経路を設けずに、Reset信号だけをシフト期間中にアクティブにしたとする。その場合、次段に接続される非プリセッタブルFF14の固定値が次段のFF14へ伝搬してしまう。
バイパス経路無し及びReset信号だけを使う例は、故障検出率を上げることができない。更にキャプチャされたデータがシフトアウトされない。その例による故障検出率は更に低下する。
本実施形態に係る半導体集積回路によれば、非プリセッタブルFF14へのシフト動作は確保され、データのシフトアウトも可能である。故障検出率の低下を最小限に抑えつつ消費電流削減が可能となる。
マルチプレクサ33を設けるとともにシフト動作中の任意のタイミングでマルチプレクサ33をバイパス経路側に制御することによって、故障検出率の低下を防ぎつつシフト動作時の動作電流を削減できる。検出率低下を最小限に抑えつつロジックBIST稼働時の動作電流を低減することができる。
また、図10の例ではバイパス部としてマルチプレクサ33の代わりに切替え機能を有する素子又は回路が用いられてもよい。
尚図10の#3、#4、#6を出力する各FF14は第3の実施形態で説明された同期型のプリセッタブルFF14であってもよい。マルチプレクサ33を設けることは、アンドゲート27及びゲート回路31が各FF14の入力経路に設けられた図8の例に対しても同様に適用可能である。
尚、上記の実施形態は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
論理パターンを構成する複数のFF14の個数の設定は、自己テスト制御回路22及びロジックBIST制御回路23のうちの何れかによる。
図3(a)では各選択器15がFF14内に設けられていたが、各選択器15はFF14の外に設けられてもよい。
各図及び各タイミングチャート中の論理の定義の仕方は種々変更可能である。例えばShiftEnのアクティブ、非アクティブはL、Hであったが、逆でもよい。データ遷移及びデータ取込みのタイミングはクロック信号の立上りエッジ及び立下りエッジの何れでもよいことは言うまでもない。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,2,3,32…自己テスト回路、10…IC(半導体集積回路)、11…論理回路、12…スキャンチェーン、13…組合わせ回路、14…フリップフロップ(FF)、15…選択器、16…パターン発生器、17…テスト制御回路、18…リセット端子(設定端子)、19…プリセット端子(設定端子)、20…圧縮器、21…CPU、22…自己テスト制御回路、23…ロジックBIST制御回路、24…期待値ROM(記憶部)、25…読出し部、26…比較器、27…アンドゲート(他の論理回路)、28…オアゲート、29…バッファ、30…インバータ、31…ゲート回路(他の論理回路)、33…マルチプレクサ(バイパス部)、34…端子、35…発振器。

Claims (5)

  1. 複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを有する論理回路と、
    前記論理回路の前記組合わせ回路からのデータを取込む第1パス又は前段フリップフロップからのデータを取込む第2パスを前記フリップフロップ毎に切替える選択器と、
    前記選択器の選択によって有効にされる前記第2パスをそれぞれが有する前記論理回路内の複数のスキャンチェーンと、
    前記複数のスキャンチェーンへのテスト用のパターンを発生させるパターン発生器と、
    前記パターン発生器の駆動、前記選択器の切替え、および各スキャンチェーンからの応答結果によって自己テストを行うテスト制御回路と、
    前記テスト制御回路によりテストされる前記論理回路の前記複数のフリップフロップのうち、論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して個別に論理値を設定する設定端子と、
    を備える半導体集積回路。
  2. 前記設定端子は前記一部のフリップフロップ毎に設けられ、
    前記設定端子は前記一部のフリップフロップに前記テスト制御回路から前記論理回路へのクロックとは非同期で指令されるリセット端子又はプリセット端子である請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記複数のフリップフロップのうちの前記一部のフリップフロップから、前記一部のフリップフロップと異なるフリップフロップへのシフトパスをバイパスさせるバイパス部を更に備え、
    前記テスト制御回路は前記バイパス部による前記シフトパスのバイパス又は非バイパスを制御する請求項2記載の半導体集積回路。
  4. 複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを有する論理回路と、
    前記論理回路の前記組合わせ回路からのデータを取込む第1パス又は前段フリップフロップからのデータを取込む第2パスを前記フリップフロップ毎に切替える選択器と、
    前記選択器の選択によって有効にされる前記第2パスをそれぞれが有する前記論理回路内の複数のスキャンチェーンと、
    前記複数のスキャンチェーンへのテスト用のパターンを発生させるパターン発生器と、
    前記パターン発生器の駆動、前記選択器の切替え、および各スキャンチェーンからの応答結果によって自己テストを行うテスト制御回路と、
    前記一部のフリップフロップ毎に又は前記一部のフリップフロップのそれぞれ前記シフトデータの入力経路に設けられ、前記テスト制御回路によりテストされる前記論理回路の前記複数のフリップフロップのうち、論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して個別に論理値を設定する設定端子と、
    前記複数のフリップフロップのうちの前記一部のフリップフロップから、前記一部のフリップフロップと異なるフリップフロップへのシフトパスをバイパスさせるバイパス部と、
    を備える半導体集積回路。
  5. 複数の組合わせ回路および複数のフリップフロップを持つ論理回路および前記論理回路に対する組込み自己テスト用のテスト制御回路が、前記フリップフロップ毎に前段フリップフロップからのデータを取込むパス経由でテスト用のパターンを前記論理回路内の複数のスキャンチェーンへシフトインし、
    前記テスト制御回路が、前記複数のフリップフロップのうちの論理パターンを示す組合わせの一部のフリップフロップに対して設定端子により個別に論理値を設定し、
    前記テスト制御回路が、前記フリップフロップ毎に前記組合せ回路からのデータを取込むパス経由でクロックの供給により前記論理回路を実動作させ、
    前記テスト制御回路が、前記複数のスキャンチェーンからシフトアウトされたデータおよび予め保持する期待値データにより動作が正常かどうかを確認する
    半導体集積回路の自己テスト方法。
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