JP2011089833A - 半導体装置ならびに半導体装置のテストパターン生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】テスト時の消費電力の低減と共に圧縮スキャンテストを容易に実現可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】例えば、ランストップ制御信号RSを出力するランストップ回路RUNSTOPと、擬似乱数パターンを生成する第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、その出力を外部からのデータ入力信号Dinの値に応じて反転させる反転制御部INV_BLKと、INV_BLKを介した出力がスキャン入力されるスキャンチェーン部SC_BLKとを設ける。RDG_PTは、RSに応じて出力の更新ならびに保持を切り替え可能に構成される。このRDG_PTによって、活性化率(時系列的なデータの遷移数)が制御された擬似乱数パターンが生成され、これに対してDinに基づく制御を行うことで、ATPGツールからの圧縮パターンに容易に適合させることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】例えば、ランストップ制御信号RSを出力するランストップ回路RUNSTOPと、擬似乱数パターンを生成する第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、その出力を外部からのデータ入力信号Dinの値に応じて反転させる反転制御部INV_BLKと、INV_BLKを介した出力がスキャン入力されるスキャンチェーン部SC_BLKとを設ける。RDG_PTは、RSに応じて出力の更新ならびに保持を切り替え可能に構成される。このRDG_PTによって、活性化率(時系列的なデータの遷移数)が制御された擬似乱数パターンが生成され、これに対してDinに基づく制御を行うことで、ATPGツールからの圧縮パターンに容易に適合させることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置ならびに半導体装置のテストパターン生成方法に関し、特に、自己診断回路を備えた半導体装置ならびにこの半導体装置を対象としたテストパターン生成方法に適用して有効な技術に関する。
例えば、特許文献1の図4には、LFSR(52)と位相器(50)で構成されたデコンプレッサー(36)において、LFSR(52)上の一部の箇所にインジェクター(48a,48b)が挿入され、この箇所にテストパターンが外部入力される構成が示されている。このような構成によると、特許文献1の図7に示すように、インジェクター(48a,48b)への外部入力パターンを関数とする方程式によってスキャンインデータを設定することができ、圧縮スキャンテストを容易に実現可能となる。
また、特許文献2の図10には、ランストップ制御回路(300)によってデータの変化率が制御される乱数発生回路(100)と、その出力を反転制御回路(400)からの制御信号に応じて反転し、スキャンインデータを出力する反転制御部(600)とを備えた構成が示されている。このような構成によると、ランストップ制御回路(300)に伴うデータ変換率の制御と共に、反転制御回路(400)に伴いスキャンチェーン上のデータに生じ得る斜め方向の相関を防止することが可能となる。
一般的に、ロジック系のLSI(Large Scale Integration)などでは、通常の外部端子からのテストパターンによって大規模な論理回路を十分にテストすることは困難であるため、スキャン設計を利用したスキャンパターンでのテストが広く行われている。このスキャン設計では、全てのフリップフロップがシフトレジスタとして接続され、各フリップフロップが、スキャンイネーブル信号に応じてシフトレジスタ動作(スキャンイン、スキャンアウト)かユーザ動作(キャプチャ)を行うように構成される。テスト時には、スキャンインによって全てのフリップフロップにあるスキャンパターンが設定されたのち、キャプチャによって内部論理のテストが行われ、そのテスト結果がスキャンアウトによって取り出されるのと並行して次のスキャンパターンのスキャンインが行われる。
このスキャンパターンの設定とテスト結果の取り出しを行うシフトレジスタをスキャンチェーンという。スキャンチェーンは、論理規模に比例して増加するフリップフロップの数に伴い論理規模に比例して長くなり、さらに論理規模の増大に伴い設定パターンが増大することにより、スキャンパターンのサイズは論理規模の2乗に比例して大きくなる。そこで、近年の大規模なLSIでは、スキャンパターンの増大に対応するため、圧縮スキャンテストが行われている。
圧縮スキャンテストでは、例えば特許文献1等に示されるように、LSI内部にパターンの圧縮コードの展開するハードウェア(デコンプレッサー)とパターンを圧縮するハードウェアを持つ。LSIは、検査装置(ATE:Automatic Test Equipment)から入力された圧縮コードをデコンプレッサーで展開したのちスキャンチェーンに印加し、またスキャンチェーンにおけるキャプチャ後のテスト結果を圧縮したのちATEに出力する。圧縮スキャンテストでは、ATPG(Automatic Test Pattern Generator)ツールによって算出されたケアビット(‘0’か‘1’の確定が必要なフリップフロップ)の数が全フリップフロップ数の5%未満程度であり、残りのフリップフロップはドントケア(‘0’でも‘1’でもよい)となることを利用して圧縮を行う。この圧縮スキャンテストでは、通常、ドントケアのビットに対してLFSR(Linear Feedback Shift Register)を代表とする乱数パターン発生器の値を補完することにより高効率なパターン生成が行われる。
また、近年のLSIでは、ゲーテッドクロックなどによる電力削減技術が多く導入され、LSI内の活性化率を小さくした低消費電力設計が行われている。ところが、テスト時には全ての内部論理をテストする必要があるため、全てのフリップフロップに対してクロックの供給が行われると共に所定のデータが印加され、その結果、LSIの活性化率が非常に高くなり、消費電力が大きくなってしまう。テスト時の消費電力が通常動作時の消費電力よりも大きくなると、電源電流が増大し、例えば、内部電圧降下や動作周波数の低下などを招くため、テスト時の特性不良が必要以上に発生する。また、電源電流の増大に伴い電源ノイズが大きくなり、擬似的な不良を発生させ歩留まり低下の原因ともなる。さらに、テスト設備の面から見ても、テスト時の電源電流が増大すると、それに対応した設備が必要となるため、テスト設備のコストが増大し、ひいてはLSIのテストコストの増大に繋がる。
こうした中、例えば、特許文献1に示すような技術を用いて圧縮スキャンテストを行った場合、ドントケアのビットがLFSR等による乱数によって定められるため、LSIの活性化率が50%程度となってしまい、前述したテスト時における消費電力の増大の問題を避けられない。一方、例えば、特許文献2に記載されているような技術を用いると、LSIの活性化率を調整可能となるが、特許文献2に示される構成では、圧縮スキャンテストに対応することができない。
そこで、本発明の目的の一つは、テスト時の消費電力の低減と共に圧縮スキャンテストを容易に実現可能な半導体装置を提供することにある。また、この半導体装置を対象としたテストパターン生成方法を提供することにある。本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による半導体装置は、Mビットの出力値を持つ第1乱数パターン発生回路と、K(K<M)ビットのデータ入力信号が外部入力されるデータ入力端子と、Mビットの入力および出力を持つ反転制御部と、M本のスキャンチェーンとを有するものとなっている。第1乱数パターン発生回路は、時系列的に入力される第1および第2信号を受け、第1信号に応じて擬似乱数パターンとなるMビットの出力値を更新し、第2信号に応じてMビットの出力値を維持する構成を備えている。反転制御部は、第1乱数パターン発生回路からのMビットの出力値を受け、この各ビットをKビットのデータ入力信号に応じて反転させるか否かを制御したのちMビットの出力を行う。M本のスキャンチェーンは、それぞれ、スキャン接続された複数のフリップフロップを含み、反転制御部からのMビットの出力がそれぞれ入力される。なお、前述した第1信号および第2信号の時系列的な発生確率は、設定レジスタの設定値に応じて変更可能となっている。
このような構成を用いると、第1乱数パターン発生回路によって活性化率(時系列的なデータ遷移の数)が低減された擬似乱数パターンを生成することができ、この擬似乱数パターンに対して外部からのデータ入力信号に基づいてデータ反転の制御を行うことで、ATPGツールによって算出されたケアビットパターンに容易に適合させることが可能となる。これによって、テスト時の消費電力が低減できると共に、圧縮スキャンテストが容易に実現可能になる。
また、本実施の形態による半導体装置のテストパターン生成方法は、前述したような半導体装置を対象としてコンピュータシステムを用いたプログラム処理によって実現され、次の第1〜第3ステップを実行するものとなっている。第1ステップでは、ユーザによって入力された設定レジスタの設定値に基づいて、第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答を算出する。第2ステップでは、予め入力された故障リストから故障を選択し、この選択した故障に対応し、一部のビットのみがケアビットとして定められたケアビットパターンをATPGアルゴリズムを用いて算出する。第3ステップでは、第1ステップで算出された第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答と、第2ステップで算出されたケアビットパターンとを比較し、第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答に対して前述した反転制御部による反転制御を行うことでケアビットパターンを満たせる場合に、この反転制御に伴う前述したKビットのデータ入力信号を算出し、このデータ入力信号を実際のテストパターンとして保存する。これによって、活性化率が制御された圧縮スキャンテスト用のテストパターンを容易に生成することが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、テスト時の消費電力が低減できると共に、圧縮スキャンテストが容易に実現可能になる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。また、実施の形態の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による半導体装置において、その構成の一例を示すブロック図である。図1に示す半導体装置DEVは、ランストップ回路RUNSTOPと、第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、反転制御部INV_BLKと、スキャンチェーン部SC_BLKと圧縮回路COMPを備えている。RUNSTOPは、LFSR等を代表とする第2乱数パターン発生回路RDG_RSと活性化率設定レジスタSREGを備え、RDG_PTに対してランストップ制御信号RSを出力する。RSは、RDG_RSの出力がSREGに基づいて制御されることで、‘1’または‘0’の発生確率がSREGによって定められた擬似乱数パターンとなる。例えば、SREGによって‘1’の発生確率が25%に設定された場合、RSとなるシリアルなNビットの中に、0.25×N個の‘1’と、0.75×N個の‘0’が長期的に含まれることになる。
図1は、本発明の実施の形態1による半導体装置において、その構成の一例を示すブロック図である。図1に示す半導体装置DEVは、ランストップ回路RUNSTOPと、第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、反転制御部INV_BLKと、スキャンチェーン部SC_BLKと圧縮回路COMPを備えている。RUNSTOPは、LFSR等を代表とする第2乱数パターン発生回路RDG_RSと活性化率設定レジスタSREGを備え、RDG_PTに対してランストップ制御信号RSを出力する。RSは、RDG_RSの出力がSREGに基づいて制御されることで、‘1’または‘0’の発生確率がSREGによって定められた擬似乱数パターンとなる。例えば、SREGによって‘1’の発生確率が25%に設定された場合、RSとなるシリアルなNビットの中に、0.25×N個の‘1’と、0.75×N個の‘0’が長期的に含まれることになる。
第1乱数パターン発生回路RDG_PTは、LFSR等を代表とする方式で擬似乱数パターンを発生する手段に加えて、例えばランストップ制御信号RSが‘0’のクロックサイクルでは擬似乱数パターンの出力値を更新せず、‘1’のクロックサイクルにおいて擬似乱数パターンの出力値を更新する手段を備えたものとなっている。RDG_PTにおける擬似乱数パターンを発生する手段は、乱数を発生できる方式であれば特に限定はされず、例えば、特許文献1等に示されるように、LFSRと位相器を組み合わせたような方式であってもよい。反転制御部INV_BLKは、第1乱数パターン発生回路RDG_PTから出力されたmビットの擬似乱数パターンを受け、外部データ入力端子P_Dinからのk(k<m)ビットのデータ入力信号に応じて擬似乱数パターンの各ビットを反転するか否かを制御したのち、mビットの出力信号を生成する。
スキャンチェーン部SC_BLKは、m本のスキャンチェーンSC[1]〜SC[m]を備え、各スキャンチェーンは、図示はしないが広く知られているように、スキャンパスによって順次シリアル接続された複数のフリップフロップによって構成される。各スキャンチェーンSC[1]〜SC[m]に対しては、反転制御部INV_BLKから出力されたmビットの信号がそれぞれ初段のフリップフロップを介して並列に入力され、各スキャンチェーン内のシフト動作(スキャンイン)を介して最終段のフリップフロップに至るまでの各フリップフロップの値が順次設定される。圧縮回路COMPは、特に限定はされないが代表的にはMISR(Multiple Input Signature Register)等であり、シフト動作(スキャンアウト)を介して各スキャンチェーンSC[1]〜SC[m]の最終段のフリップフロップから順次並列出力されたmビットの信号を圧縮し、その圧縮結果を外部データ出力端子P_Doutを介して出力する。
図2は、図1の半導体装置をテストする際のテストシステムの構成例を示す概略図である。前述した図1の半導体装置DEVは、検査装置ATEに接続された状態でテストされる。検査装置ATEは、活性化率設定データを含む各種初期値データINI_DATをDEVのいずれかの外部端子に対して出力し、この活性化率設定データをDEVの活性化率設定レジスタSREGに設定する。例えば、SREGをシフトレジスタで構成することで、1個の外部端子からSREGに値を設定することができ、また、この外部端子は、DEV内のモード切り替えによって外部データ入力端子P_Din等で兼用させることも可能である。ATEは、各種初期値データの設定を終えると、DEVのスキャンテストを開始し、例えば、内部メモリ等に格納されているスキャンインデータSIN_DATをクロックサイクル毎にP_Dinに対して順次出力する。また、これと並行して、外部データ出力端子P_Doutを介して順次出力されたテスト結果(Dout)をスキャンアウトデータSOUT_DATとして内部メモリ等に格納し、そのデータを予め判明している期待値と比較することで不良の有無を検出する。
図3は、図1の半導体装置において、その第1乱数パターン発生回路RDG_PTならびに反転制御部INV_BLKの詳細な構成例を示す回路図である。図3に示すRDG_PTは、順次シリアル接続されると共に、最終段から初段への帰還経路を備えた複数のフリップフロップFF[1]〜FF[m]とこの帰還経路上に挿入された複数のEXOR回路EOR1,EOR2からなる、所謂LFSRの構成を備えている。この例では、EOR2が、FF[m]の出力とFF[3]の出力を演算し、EOR1が、EOR2の出力とFF[2]の出力を演算したのちFF[1]の入力に帰還している。LFSRでは、m個のフリップフロップにより(2m−1)個の値を循環する擬似乱数パターンを生成でき、初期値がわかれば、クロック信号CLKの印加回数によって擬似乱数パターンの出力値を容易に計算することができる。
また、このRDG_PTは、各フリップフロップFF[1]〜FF[m]の入力にそれぞれセレクタ回路SEL[1]〜SEL[m]を備えている。各セレクタ回路(例えばSEL[m])は、前述したランストップ制御信号RSが‘1’の場合には、前段のフリップフロップ(FF[m−1])からの出力を対応するフリップフロップ(FF[m])に入力することで、クロック信号CLKに同期して擬似乱数パターンの出力値を更新する。一方、RSが‘0’の場合には、対応するフリップフロップ(FF[m])の出力をそのまま入力に戻すことで擬似乱数パターンの出力値を更新せずに維持する。なお、ここでは、各フリップフロップの入力にセレクタを挿入することで、出力値の保持ならびに更新を切り替える構成例を示したが、同一の機能を実現できれば特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、CLKの経路にアンド回路を挿入し、RSが‘0’の場合に、各フリップフロップへのCLKの入力をマスクするように構成することなども可能である。
図3に示す反転制御部INV_BLK1は、複数のEXOR回路EOR[1]〜EOR[m]によって構成される。EOR[1]は、データ入力信号Dinと前述したRDG_PT内のFF[1]の出力とを演算し、EOR[2]は、DinとFF[2]の出力とを演算し、以降同様にして、EOR[m]は、DinとFF[m]の出力とを演算する。したがって、EOR[1]〜EOR[m]のそれぞれは、Dinが‘0’の場合には、対応するフリップフロップの出力をそのまま出力し、Dinが‘1’の場合には、対応するフリップフロップの出力を反転して出力する。
図4は、図1の半導体装置において、そのランストップ回路RUNSTOPの詳細な構成例を示す回路図である。図4に示すRUNSTOPは、前述した第2乱数パターン発生回路RDG_RSおよび活性化率設定レジスタSREGに加えて、複数のオア回路OR[1]〜OR[n]と、OR[1]〜OR[n]の出力を演算してランストップ制御信号RSを出力するアンド回路ADとを備えている。SREGは、任意に値を設定可能なnビットのレジスタによって構成され、この各ビットがOR[1]〜OR[n]の一方の入力にそれぞれ接続される。RDG_RSは、代表的にはLFSR等であり、その各フリップフロップの出力の中から適宜選択したnビットがOR[1]〜OR[n]の他方の入力にそれぞれ接続される。
ここで、n=3の場合を例として、図4のランストップ回路RUNSTOPの動作を説明する。例えば、活性化率設定レジスタSREGの3ビットが“111”の場合、ランストップ制御信号RSには、常に‘1’が出力される。その結果、前述した第1乱数パターン発生回路RDG_PTは、常に出力値を更新することになる。次に、SREGの3ビット中のいずれか2ビットが‘1’の場合、‘0’となる残りの1ビットに対応する第2乱数パターン発生回路RDG_RSの出力に応じて、RSは1/2の確率で‘1’となる。その結果、RDG_PTは、1/2の確率で出力値を更新することになる。続いて、SREGの3ビット中のいずれか1ビットが‘1’の場合、‘0’となる残りの2ビットに対応するRDG_RSの出力に応じて、RSは1/4の確率で‘1’となる。その結果、RDG_PTは、1/4の確率で出力値を更新することになる。
このように、活性化率設定レジスタSREGの設定値に応じて、第1乱数パターン発生回路RDG_PTにおける出力値の更新確率を制御することができ、その結果、半導体装置DEVの活性化率を制御することが可能となる。すなわち、SREGのnビットにおいて‘0’を設定するビット数を増加させるほど、RDG_PTにおける出力値の更新確率が下がり、これに伴いスキャンインにおける各スキャンチェーン上のデータの遷移が抑制されるため、半導体装置DEVの活性化率を低減できる。なお、ここでは、オア回路ORとアンド回路ADを用いたが、勿論、ナンド回路とアンド回路を用いる等、適宜変更可能である。
図5は、図1の半導体装置を用いて圧縮スキャンテストを行う場合の動作原理を示す概念図である。図5に示すように、ランストップ回路RUNSTOPを利用しない場合(例えば活性化率設定レジスタSREGに全て‘1’を設定した場合)は、第1乱数パターン発生回路RDG_PTによって‘0’と‘1’が長期的に見てそれぞれ1/2の確率で発生するため、結果として、時系列なデータの遷移が多く発生することになる。一方、RUNSTOPを用いると、この時系列なデータの遷移が抑制され、活性化率を低減することができる。
ここで、パターン生成ツールを用いて、予め、この活性化率を低減されたパターン(ここでは“111110000”)と、ATPGツールによって算出された圧縮スキャンテスト用のケアビットパターン(ここでは“xxxxx1011”、「x」はドントケア)とを比較し、“000001011”をデータ入力信号Dinとして定めておく。そうすると、このDinにおける‘1’の箇所が反転制御部INV_BLKを介して反転するため、INV_BLKを通過後のパターンは、“111111011”となる。このように、INV_BLKを通過後のパターンは、ATPGツールによるケアビットパターンを満たすと共に、活性化率が低減されたパターンとなる。
これによって、第1の効果として、テスト時の消費電力を低減した上での圧縮スキャンテストが実現可能となる。テスト時の消費電力は、静的電力(スタンバイ電流)、クロック電力、データ変化(活性化率)に比例する動的電力に分類できるが、図1の半導体装置を用いることで、活性化率を例えば従来の1/10程度とした圧縮スキャンテストを行うことも可能である。消費電力が低減できると、前述したように、過剰な不良検出を抑制でき、また、供給電力を確保する観点でテスト設備のコストを低減することが可能となる。
第2の効果として、高圧縮率での圧縮スキャンテストが実現可能となる。例えば、図3の例では、1ビットのみのデータ入力信号Dinによって圧縮スキャンテストを行うことができる。これによって、テスト時に必要な外部端子数が低減でき、また、テスト入力の保持に必要な検査装置のデータ量(すなわち図2のスキャンインデータSIN_DATに該当)も低減できるため、テスト設備のコストを低減することが可能となる。また、1台の検査装置から見ると、前述した消費電力、端子数、テストデータ量の低減に伴い、多数個の半導体装置DEVを同時にテストすることが可能となり、これに伴いテストコストの低減が図れる。
第3の効果として、LSIの活性化率の設定とATPGツールによるケアビットパターンの反映とを容易に両立させながら圧縮スキャンテストを行うことができる。すなわち、テストの最適化ならびに容易化等が図れる。例えば、比較例として、特許文献1のように、乱数パターン発生回路(図1の第1乱数パターン発生回路RDG_PTに該当)に対してテスト入力を行うような構成を用いた場合、ケアビットパターンの反映と活性化率設定を両立させることは極めて困難となる。一方、図1の半導体装置では、活性化率を設定したパターンを生成し、これに対してケアビットを反映させることができるため、この2つをそれぞれ独立して考慮することができ、この両立が極めて容易となる。なお、図5に示したように、ケアビットに応じてデータ入力信号Dinによるデータ反転を行うと、この反転に伴いその前段階で設定した活性化率が変化する懸念がある。ただし、このケアビット数は、前述したように全フリップフロップ数の5%程度であるため、実使用上、この反転制御が必要な箇所は微少であり、活性化率に対する影響はほとんど生じない。
次に、図1の半導体装置のより具体的な動作例について、図6の構成例を用いて説明する。図6は、図1の半導体装置の簡略的な構成例を示す回路図である。ここでは、説明を容易にするため、前述したランストップ回路RUNSTOPにおける活性化率設定レジスタSREGならびに第2乱数パターン発生回路RDG_RSのビット数nが2となっている。また、第1乱数パターン発生回路RDG_PTの出力ビット数は6(D1〜D6)であり、その内の4ビット(D1〜D4)が反転制御部INV_BLKを介してスキャンチェーン部SC_BLKに入力される構成となっている。SC_BLKは、それぞれ4個のフリップフロップを含んだ4本のスキャンチェーンSC[1]〜SC[4]によって構成され、全体として16個のフリップフロップを備えている。また、圧縮回路COMPは、簡略的にEXOR回路とされ、データ入力信号Dinは1ビットとされている。
図7〜図9は、図6の構成例において、それぞれ、活性化率設定レジスタSREGの設定値に応じた動作例を示す説明図である。まず、図7には、SREG=“11”の場合(すなわちランストップ回路RUNSTOPによる活性化率の低減制御が無い場合)の動作例が示されている。この場合、ランストップ制御信号RSは、常に‘1’となり、第1乱数パターン発生回路RDG_PTによる擬似乱数パターンの出力値が各クロックサイクル(図7の時刻t1〜t12)毎に更新される。そして、RDG_PT内の4ビット(D1〜D4)が反転制御部INV_BLKに入力される。
一方、図7では、ATPGによって算出されたケアビットパターンの例として、3個のケアビットパターンCPAT1〜CPAT3が示されている。各ケアビットパターンは、16ビット(4ビット×4クロックサイクル)からなり、その内の2ビットがケアビット(「−」はドントケア)となっている。この場合、CPAT1〜CPAT3を実行するための各クロックサイクル(t1〜t12)毎に、RDG_PTからの4ビット(D1〜D4)の出力値とケアビットパターンにおける4ビットとを対比し、図7に示すようなデータ入力信号Dinの値を決定する。
例えば、時刻t2では、RDG_PTのD2の値がケアビットと一致するためDin=‘0’(反転無し)とし、時刻t3では、ケアビットは存在しないがデータ反転に伴う不必要なデータ遷移を避けるため時刻t2におけるDin=‘0’を維持し、時刻t4では、RDG_PTのD4の値がケアビットと不一致のためDin=‘1’(反転有り)とする。また、時刻t5では、RDG_PTのD3の値がケアビットと不一致のためDin=‘1’(反転有り)とし、時刻t6では、ケアビットは存在しないが不必要なデータ遷移を避けるため時刻t5におけるDin=‘1’を維持する。
このようにしてデータ入力信号Dinの値を定めることで、図7に示すように、スキャンチェーン部SC_BLKに対して各ケアビットパターンを満足するテストパターンTPAT11〜TPAT13を設定可能となる。また、LSIの活性化率(トグル率)もほぼ設定通りとすることができる。具体的には、TPAT11〜TPAT13における各パターン毎の平均トグル数(‘0’から‘1’への遷移数と‘1’から‘0’への遷移数の合計値)は、6.3であり、各パターンは、4ビットを3回シフトすることで設定されるために、LSIの活性化率は53%(=6.3/12)となる。擬似乱数パターンをそのまま用いると、その平均活性化率は理論的に50%であるため、ほぼ設定通りとなる。
次いで、図8には、SREG=“01”の場合(すなわちランストップ回路RUNSTOPにより活性化率を1/2に低減する設定を行った場合)の動作例が示されている。この場合、ランストップ制御信号RSでは、各クロックサイクル(図8の時刻t1〜t12)毎に‘0’と‘1’が1/2の確率で生じ、RSが‘0’の場合には、第1乱数パターン発生回路RDG_PTによる擬似乱数パターンの出力値が更新されずに維持される。また、ATPGツールによって算出されたケアビットパターンは、図7と同様である。
この場合、図7と同様にして、各クロックサイクル(t1〜t12)毎に、RDG_PTからの4ビット(D1〜D4)の出力値とケアビットパターンにおける4ビットとを対比し、図8に示すようなデータ入力信号Dinの値を決定する。このようにしてDinの値を定めることで、図8に示すように、スキャンチェーン部SC_BLKに対して各ケアビットパターンを満足するテストパターンTPAT21〜TPAT23を設定可能となる。また、LSIの活性化率(トグル率)もほぼ設定通りとすることができる。具体的には、TPAT21〜TPAT23における各パターン毎の平均トグル数は、3.7であり、LSIの活性化率は30%(=3.7/12)となる。活性化率設定レジスタSREGによって活性化率を1/2に低減しているため、その理論値は25%であり、ほぼ設定通りとなる。
続いて、図9には、SREG=“00”の場合(すなわちランストップ回路RUNSTOPにより活性化率を1/4に低減する設定を行った場合)の動作例が示されている。この場合、ランストップ制御信号RSでは、各クロックサイクル(図9の時刻t1〜t12)毎に‘0’と‘1’が1/4の確率で生じ、RSが‘0’の場合には、第1乱数パターン発生回路RDG_PTによる擬似乱数パターンの出力値が更新されずに維持される。また、ATPGツールによって算出されたケアビットパターンは、図7と同様である。
この場合、図7と同様にして、各クロックサイクル(t1〜t12)毎に、RDG_PTからの4ビット(D1〜D4)の出力値とケアビットパターンにおける所定の4ビットとを対比し、図9に示すようなデータ入力信号Dinの値を決定する。このようにしてDinの値を定めることで、図9に示すように、スキャンチェーン部SC_BLKに対して各ケアビットパターンを満足するテストパターンTPAT31〜TPAT33を設定可能となる。また、LSIの活性化率(トグル率)もほぼ設定通りとすることができる。具体的には、TPAT31〜TPAT33における各パターン毎の平均トグル数は、1.0であり、LSIの活性化率は8%(=1.0/12)となる。活性化率設定レジスタSREGによって活性化率を1/4に低減しているため、その理論値は12.5%であり、ほぼ設定通りとなる。
これらの例のように、図1の半導体装置を用いることで、LSIの活性化率をほぼ設定値通りに制御しながらATPGツールによって算出されたケアビットパターンを満たした状態でのテストパターン生成が可能となる。なお、図6〜図9の例では、各ケアビットパターン毎のケアビット数が2ビット/16ビット(12.5%)であったが、実際の半導体装置におけるケアビット数は、例えば数百万、数千万といった多数のビットの中の5%程度となるため、LSIの活性化率は、確率的により理論値に近づくことになる。
以上、本実施の形態1による半導体装置を用いることで、代表的には、テスト時の消費電力の低減と共に圧縮スキャンテストを容易に実現可能となる。
(実施の形態2)
前述した実施の形態1の図3等では、データ入力信号Dinが1ビットである場合を例として説明を行ったが、本実施の形態2では、Dinが複数ビットである場合について説明する。図10は、本発明の実施の形態2による半導体装置において、その主要部の構成例を示す回路図であり、図3の変形例を示すものである。図10には、第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、反転制御部INV_BLK2と、スキャンチェーン部SC_BLKが示され、その内のINV_BLK2が、図3の反転制御部INV_BLK1と異なった構成となっている。それ以外の構成に関しては、図3と同様であるため詳細な説明は省略する。
前述した実施の形態1の図3等では、データ入力信号Dinが1ビットである場合を例として説明を行ったが、本実施の形態2では、Dinが複数ビットである場合について説明する。図10は、本発明の実施の形態2による半導体装置において、その主要部の構成例を示す回路図であり、図3の変形例を示すものである。図10には、第1乱数パターン発生回路RDG_PTと、反転制御部INV_BLK2と、スキャンチェーン部SC_BLKが示され、その内のINV_BLK2が、図3の反転制御部INV_BLK1と異なった構成となっている。それ以外の構成に関しては、図3と同様であるため詳細な説明は省略する。
図10の反転制御部INV_BLK2は、図3と同様のm個のEXOR回路EOR[1]〜EOR[m]に加えて1個のEXOR回路EOR3を備えており、EOR[1]〜EOR[m]の一方の入力が、2ビットのデータ入力信号Din[1],Din[2]またはその組み合わせによって定められる構成となっている。この例では、EOR[1],EOR[2]の一方の入力がDin[1]であり、EOR[m−1],EOR[m]の一方の入力がDin[2]であり、EOR[3]の一方の入力が、Din[1]とDin[2]をEOR3で演算した結果となるDin’[12]となっている。
すなわち、データ入力信号Dinがk本の場合、このk本のDinを、k本とその組み合わせのEXOR論理とによって(k+k)C2本の制御線に拡張し、この拡張された制御線のいずれかによって、EOR[1]〜EOR[m]が制御される構成となっている。図11は、図10における反転制御部INV_BLK2の一部を変形した構成例を示す回路図である。図11に示すように、例えば、Dinが3本の場合には、Din[1]〜Din[3]に加えて、Din’[12]、Din’[23]、Din’[13]からなる6本の制御線に拡張される。Din’[12]は、Din[1]とDin[2]をEXOR回路EOR3で演算した結果であり、Din’[23]は、Din[2]とDin[3]をEXOR回路EOR4で演算した結果であり、Din’[13]は、Din[1]とDin[3]をEXOR回路EOR5で演算した結果である。なお、このようにして拡張された制御線とEOR[1]〜EOR[m]との組み合わせ方法は、任意に定めてよい。
このように、複数ビットのデータ入力信号Dinを用いることで、テストパターンのロスを少なくし、より効率的な(短時間での)テストが実現可能となる。すなわち、例えば、前述した図7等において、仮にある一つの時刻内にケアビットが複数存在する場合には、1ビットのDinでは、各ケアビットに対するデータ反転と非反転に矛盾が生じ、ケアビットパターンを満たすテストパターンの作成が困難となる可能性がある。なお、擬似乱数パターンの出力を時系列的に広範囲で探索すれば、矛盾が生じない箇所を検出できる可能性が高いが、その分、テスト時間や、テストパターン作成に要する時間が増大する恐れがある。そこで、本実施の形態2のようにDinを複数ビットとすることで、このような矛盾を容易に解消できる可能性が高くなり、テストパターンの作成が容易となる。ただし、Dinのビット数を増加すると、その分、テストパターンの圧縮率が低下するため、可能な限り少ないビット数とすることが望ましい。
以上、本実施の形態2による半導体装置を用いることで、代表的には、実施の形態1と同様に、テスト時の消費電力の低減と共に圧縮スキャンテストを容易に実現可能となる。更に、データ入力信号を複数ビットとすることで、テストパターンのロスを低減できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態1や2で述べた半導体装置を対象としたテストパターンの生成方法について説明する。図12は、本発明の実施の形態3による半導体装置のテストパターン生成方法において、その処理内容の一例を示すフロー図である。図12に示すフローは、コンピュータシステムによるプログラム処理(ATPGツールを含む)によって自動的に実行されるものである。
本実施の形態3では、実施の形態1や2で述べた半導体装置を対象としたテストパターンの生成方法について説明する。図12は、本発明の実施の形態3による半導体装置のテストパターン生成方法において、その処理内容の一例を示すフロー図である。図12に示すフローは、コンピュータシステムによるプログラム処理(ATPGツールを含む)によって自動的に実行されるものである。
図12においては、まず、ユーザが、テストパターンの活性化率(すなわち、ランストップ回路RUNSTOPにおける活性化率設定レジスタSREGの値)をコンピュータシステムに入力する(S1201)。次いで、ユーザが、半導体装置内の想定故障箇所と故障モードを定めた故障リストを作成し、コンピュータシステムに入力する(S1202)。続いて、コンピュータシステムは、故障リストを参照し、未検出故障が無い場合には終了し、未検出故障が有る場合には、故障リストから故障を選択する(S1204)。そして、コンピュータシステムは、広く知られているATPGアルゴリズムを用いて、この選択した故障を検出するためのケアビットパターン(図7等におけるCPAT)を算出する(S1205)。
次いで、コンピュータシステムは、乱数パターン発生回路の応答を計算する(S1206)。すなわち、前述したS1201に伴うランストップ回路RUNSTOPの制御を反映した上で第1乱数パターン発生回路RDG_PTの各クロックサイクル毎(図7の例では4クロックサイクル分)の出力を計算する。そして、このRDG_PTの出力と、S1205で算出したケアビットパターンとを比較し、図7等で述べたような考え方に基づいて、反転制御部INV_BLKへのデータ入力信号Dinの値を計算する(S1207)。
その後、S1207に伴いINV_BLKで変換されたテストパターン(図7等におけるTPAT)を用いて故障シミュレーションを行い、その結果から検出可能な故障を求めると共に故障リストを更新し、この際のDinの値を実際の外部入力テストパターンとして登録する。この外部入力テストパターンは、図2におけるスキャンインデータSIN_DATとなる。そして、再びS1203へ戻ってループ処理を行う(S1208)。なお、S1207において、ATPGのケアビットパターンを満たすDinが得られなかった場合には、当該故障は未検出故障として故障リストに残り、以降のループ処理の過程で、S1206の乱数パターン発生回路の応答が変わった段階で再び選択されることになる。
以上、本実施の形態3による半導体装置のテストパターン生成方法を用いることで、代表的には、実施の形態1および2の半導体装置を対象とした圧縮スキャンテスト用のテストパターンを容易に生成することが可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、前述した実施の形態3で説明したテストパターン生成方法の変形例について説明する。図13は、本発明の実施の形態4による半導体装置のテストパターン生成方法において、その処理内容の一例を示すフロー図である。図13に示すフローは、図12と同様に、コンピュータシステムによるプログラム処理(ATPGツールを含む)によって自動的に実行されるものである。
本実施の形態4では、前述した実施の形態3で説明したテストパターン生成方法の変形例について説明する。図13は、本発明の実施の形態4による半導体装置のテストパターン生成方法において、その処理内容の一例を示すフロー図である。図13に示すフローは、図12と同様に、コンピュータシステムによるプログラム処理(ATPGツールを含む)によって自動的に実行されるものである。
図13においては、図12のS1201〜S1203と同様に、まず、パターン活性化率の設定(S1301)、故障リストの作成(S1302)、未検出故障有無の判断(S1303)が順に行われる。そして、未検出故障が有った場合、コンピュータシステムは、図12のS1206と同様に設定された活性化率を加味した乱数パターン発生回路の応答を計算する(S1304)。次いで、コンピュータシステムは、図12のS1204およびS1205と同様に、故障リストから故障を選択し(S1305)、当該故障を検出するためのケアビットパターンを計算する(S1306)。ここで、S1306では、図12の場合と異なり、この計算したケアビットパターンを保存する。
次いで、コンピュータシステムは、この保存されたケアビットパターンを参照しながら、S1304で算出した擬似乱数パターンに対して反転制御部INV_BLKによる反転制御(すなわちデータ入力信号Dinによる制御)を加えることで対応可能となるケアビットパターンを探索する(S1307,S1308)。ここで、反転制御による対応が不可能であった場合には、S1305に戻り、反転制御による対応が可能となるまでループ処理が行われる(S1308)。すなわち、このループ処理の過程で、S1306により各故障に対応したケアビットパターンが逐次保存され、この複数のケアビットパターンの中から、S1304で算出した擬似乱数パターンに対して反転制御を加えることで対応可能なケアビットパターンが検出される。なお、ケアビットパターンが検出された場合には、当該ケアビットパターンは保存先から消去される。
コンピュータシステムは、S1308において反転制御による対応が可能なケアビットパターンを検出すると、図12のS1208と同様に、このケアビットに対応する反転制御を加味したテストパターンを用いて故障シミュレーションを行う(S1309)。このS1309において、コンピュータシステムは、故障シミュレーションの結果から検出可能な故障を求めると共に故障リストを更新し、データ入力信号Dinの値(すなわち反転制御を行う値)を実際の外部入力テストパターンとして登録し、再びS1303へ戻ってループ処理を行う。
図13のようなフローを用いると、前述した図12のフローと比較して、テストパターンの生成効率を向上させることが可能となる。すなわち、図12のフローでは、一旦計算したATPGのケアビットパターンが反転制御で対応できなかった場合、当該ケアビットパターンは破棄され、以降のループ処理で再び算出されていた。一方、図13のフローでは、一旦計算したケアビットパターンが、反転制御によって対応可能となるまで保存されるため、ケアビットパターン計算の重複を避けることができる。また、S1304によって算出された擬似乱数パターンは、複数のケアビットパターンと照合されるため、結果的に、この擬似乱数パターンが無駄となる可能性が低くなり、テストパターンに結び付く可能性が高くなる。
以上、本実施の形態4による半導体装置のテストパターン生成方法を用いることで、実施の形態1および2の半導体装置を対象とした圧縮スキャンテスト用のテストパターンを容易に生成することが可能となる。さらに、実施の形態3の場合と比較して、テストパターンの生成効率を向上させることが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本実施の形態による半導体装置は、特に、低電力設計が必要なSOC(System On a Chip)製品、MCU(Micro Controller Unit)製品等の半導体装置に適用して有益なものであり、これに限らず、ロジックを搭載した各種半導体装置に対して広く適用可能である。また、特に、低電力化が重要となるモバイル製品に適用すると、非常に有益な効果が得られる。
AD アンド回路
ATE 検査装置
CLK クロック信号
COMP 圧縮回路
CPAT ケアビットパターン
DEV 半導体装置
Din データ入力信号
Dout データ出力信号
EOR EXOR回路
FF フリップフロップ
INI_DAT 初期値データ
INV_BLK 反転制御部
OR オア回路
P_Din 外部データ入力端子
P_Dout 外部データ出力端子
RDG 乱数パターン発生回路
RS ランストップ制御信号
RUNSTOP ランストップ回路
SC スキャンチェーン
SC_BLK スキャンチェーン部
SEL セレクタ回路
SIN_DAT スキャンインデータ
SOUT_DAT スキャンアウトデータ
SREG 活性化率設定レジスタ
TPAT テストパターン
ATE 検査装置
CLK クロック信号
COMP 圧縮回路
CPAT ケアビットパターン
DEV 半導体装置
Din データ入力信号
Dout データ出力信号
EOR EXOR回路
FF フリップフロップ
INI_DAT 初期値データ
INV_BLK 反転制御部
OR オア回路
P_Din 外部データ入力端子
P_Dout 外部データ出力端子
RDG 乱数パターン発生回路
RS ランストップ制御信号
RUNSTOP ランストップ回路
SC スキャンチェーン
SC_BLK スキャンチェーン部
SEL セレクタ回路
SIN_DAT スキャンインデータ
SOUT_DAT スキャンアウトデータ
SREG 活性化率設定レジスタ
TPAT テストパターン
Claims (9)
- 時系列的に入力される第1および第2信号を受け、前記第1信号に応じて擬似乱数パターンとなるMビットの出力値を更新し、前記第2信号に応じて前記擬似乱数パターンとなる前記Mビットの出力値を維持する第1乱数パターン発生回路と、
K(K<M)ビットのデータ入力信号が外部入力されるデータ入力端子と、
前記第1乱数パターン発生回路からの前記Mビットの出力値を受け、この各ビットを前記Kビットのデータ入力信号に応じて反転させるか否かを制御したのちMビットの出力を行う反転制御部と、
前記反転制御部からの前記Mビットの出力がそれぞれ入力され、それぞれが、スキャン接続された複数のフリップフロップを含むM本のスキャンチェーンとを有することを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
さらに、外部から値の設定が可能な設定レジスタを含み、前記設定レジスタの設定値に応じて前記第1信号および前記第2信号の時系列的な発生確率を制御する制御回路を有することを特徴とする半導体装置。 - 請求項2記載の半導体装置において、
前記制御回路は、さらに、擬似乱数パターンを発生する第2乱数パターン発生回路を含み、前記設定レジスタからの複数ビットの設定値と、前記第2乱数パターン発生回路からの複数ビットの出力値とを論理演算することで、前記第1信号および前記第2信号の時系列的な発生確率を制御することを特徴とする半導体装置。 - 請求項2記載の半導体装置において、
前記Kの値は1であり、
前記反転制御部は、前記1ビットのデータ入力信号の論理レベルに応じて、前記第1乱数パターン発生回路からの前記Mビットの出力値を全て反転させるか否かを制御することを特徴とする半導体装置。 - 請求項2記載の半導体装置において、
前記Kの値は2≦K<Mであり、
前記反転制御部は、前記Kビットのデータ入力信号の論理レベルに応じて、前記第1乱数パターン発生回路からの前記Mビットの出力値に対して一部のビットを反転させるか否か、ならびに他の一部のビットを反転させるか否かを制御することを特徴とする半導体装置。 - 請求項5記載の半導体装置において、
前記反転制御部は、前記Kビットのデータ入力信号と、このKビット中から2ビットを組み合わせ、この2ビットのEXOR演算によって生成した制御信号とを用いて、前記第1乱数パターン発生回路からの前記Mビットの出力値に対して一部のビットを反転させるか否か、ならびに他の一部のビットを反転させるか否かを制御することを特徴とする半導体装置。 - 時系列的に入力される第1および第2信号を受け、前記第1信号に応じて擬似乱数パターンとなるMビットの出力値を更新し、前記第2信号に応じて前記擬似乱数パターンとなる前記Mビットの出力値を維持する第1乱数パターン発生回路と、
K(K<M)ビットのデータ入力信号が外部入力されるデータ入力端子と、
前記第1乱数パターン発生回路からの前記Mビットの出力値を受け、この各ビットを前記Kビットのデータ入力信号に応じて反転させるか否かを制御したのちMビットの出力を行う反転制御部と、
前記反転制御部からの前記Mビットの出力がそれぞれ入力され、それぞれがシリアル接続された複数のフリップフロップを含むM本のスキャンチェーンと、
外部から値の設定が可能な設定レジスタを含み、前記設定レジスタの設定値に応じて前記第1信号および前記第2信号の時系列的な発生確率を制御する制御回路とを有する半導体装置を対象に、コンピュータシステムによるプログラム処理を用いてテストパターンを生成する方法であって、
前記コンピュータシステムは、
ユーザによって入力された前記設定レジスタの設定値に基づいて、前記第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答を算出する第1ステップと、
予め入力された故障リストから故障を選択し、この選択した故障に対応し、一部のビットのみがケアビットとして定められたケアビットパターンをATPGアルゴリズムを用いて算出する第2ステップと、
前記第1ステップで算出された前記第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答と、前記第2ステップで算出された前記ケアビットパターンとを比較し、前記第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答に対して前記反転制御部による反転制御を行うことで前記ケアビットパターンを満たせる場合に、この反転制御に伴う前記Kビットのデータ入力信号を算出し、このデータ入力信号を実際の外部入力テストパターンとして保存する第3ステップとを実行することを特徴とする半導体装置のテストパターン生成方法。 - 請求項7記載の半導体装置のテストパターン生成方法において、
前記コンピュータシステムは、前記第3ステップにおいて、前記ケアビットが存在しない時刻Tに対応する前記Kビットのデータ入力信号の値を、前記時刻Tの前クロックサイクルとなる時刻(T−1)における前記Kビットのデータ入力信号の値と同一の値に設定することを特徴とする半導体装置のテストパターン生成方法。 - 請求項8記載の半導体装置のテストパターン生成方法において、
前記コンピュータシステムは、前記第2ステップにおいて、前記ATPGアルゴリズムを用いて算出された前記ケアビットパターンを逐次保存し、前記第3ステップにおいて、前記第1ステップで算出された前記第1乱数パターン発生回路の時系列的な応答と、前記第2ステップで逐次保存された複数の前記ケアビットパターンとを比較することを特徴とする半導体装置のテストパターン生成方法。
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