JP2007139162A - ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法 - Google Patents

ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007139162A
JP2007139162A JP2005337509A JP2005337509A JP2007139162A JP 2007139162 A JP2007139162 A JP 2007139162A JP 2005337509 A JP2005337509 A JP 2005337509A JP 2005337509 A JP2005337509 A JP 2005337509A JP 2007139162 A JP2007139162 A JP 2007139162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engagement member
engagement
rod body
claw
cylindrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005337509A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatsugu Murao
雅嗣 村尾
Masayuki Kono
雅行 河野
Kenji Asoi
健治 阿曽井
Hideaki Kawaguchi
英明 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Namitei Co Ltd
Itoi Seisakusho KK
Original Assignee
Namitei Co Ltd
Itoi Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Namitei Co Ltd, Itoi Seisakusho KK filed Critical Namitei Co Ltd
Priority to JP2005337509A priority Critical patent/JP2007139162A/ja
Publication of JP2007139162A publication Critical patent/JP2007139162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】装置自体が大型にならず、且つ製造しやすく製造コストが嵩まないドラムブレーキの隙間調整装置を提供する。
【解決手段】ブレーキシュー3,4の係合する第1係合部材15及び第2係合部材21と、両係合部材を互いに離反させる離反部材27とを有するドラムブレーキ2の隙間調整装置1で、第1係合部材15が、平板を円筒状に曲げ加工された筒部16と係合爪部18と切り欠き部20とを有し、第2係合部材21が、平板を円筒状に曲げ加工された筒部22と係合爪部24とを有し、離反部材27が、両係合部材15,21を同軸状に連結するロッド体28とそれに螺合回転する離反駆動体10とを有するものとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法に関する。
周知の如く、自動車やバイクなどに用いられているドラムブレーキの内部には、ブレーキシューと回転ドラムとの隙間を一定に保つ隙間調整装置(アジャスタ)が配備されている。
隙間調整装置は、例えば、特許文献1に記載された構成となっており、一対のブレーキシューの一方に係合する第1係合部材と、前記ブレーキシューの他方に係合する第2係合部材と、第1係合部材と第2係合部材との間に設けられ且つ両係合部材を互いに離反させ一対のブレーキシューを広げる離反部材とを有している。
かかる離反部材は、第1係合部材に対しては遊嵌し、第2係合部材には螺合状態にあるアジャスタボルトから構成されており、このアジャスタボルトの中途部には、当該アジャスタボルトを回転させ、隙間調整装置全体を伸長させるための調整歯が設けられている。
この隙間調整装置の製造方法、特に第1係合部材と第2係合部材の製造方法としては、特許文献2に記載されているやり方が現状でも多く採用されている。
すなわち、第1係合部材の筒部と断面が同一でありその長さも略同一な管材(パイプ)の先端部分を、パンチ及びダイスを用いて扁平に押圧変形させ、その後、該扁平部分をプレス打ち抜きすることで係合爪部を成形するというものである。胴部としては管材をそのまま利用する。第2係合部材に関しても略同様の製造方法を採用している。
特開2004−19687号公報 特開昭59−206129号公報
しかしながら、前述した製造方法で、隙間調整装置の第1係合部材や第2係合部材を製造した場合、幾つかの問題点があった。
まず、管材の先端部を扁平に押しつぶすためには、大きなプレス力が必要であるばかりか、その変形率の大きさ故に、扁平部分には亀裂が入るなどの欠陥が生じることが多々あった。隙間調整装置は、ドラムブレーキのブレーキシューを外方に広げるものであるため大きな力が作用することや、高信頼性を要求されるために、かかる亀裂等の欠陥の存在は大きな問題となっていた。このような欠陥を無くす1つの方法として、管材を赤熱状態でプレスしたり、焼鈍した後に押し潰し加工したりしている。
ところが、管材を焼鈍した後に係合爪部を成形した場合、その部分には割れ等の欠陥が生じることは極力防止できるものの、焼鈍後の管材の強度が著しく低いものとなるため、第1係合部材や第2係合部材としての強度を確保すべく、係合爪部や筒部の厚みを極端に厚くする必要があった。これに起因して、隙間調整装置自体の大型化やコストアップ等が問題となっていた。
管材の先端部分のみを焼鈍し、他の部分は焼鈍しないという工程を採用することは非常に困難であり、実際に行った場合は製造コストが嵩むことは否めない。また、製造コストという側面から考えると、素材として用いる管材自体が、鋼板等の平板に比べて原価が非常に高いものとなっている。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、装置自体が大型にならず、且つ製造しやすく製造コストが嵩まないドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法は、一対のブレーキシューの一方に係合する一方の係合部材と、ブレーキシューの他方に係合する他方の係合部材と、前記一方及び他方の係合部材との間に設けられ且つ両係合部材を互いに離反させ一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法において、
(a) 前記ブレーキシューに係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
(b) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、を順次行うことで、前記一方及び/又は他方の係合部材を成形することを特徴とする。
また、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法は、一対のブレーキシューの一方に係合する第1係合部材と、ブレーキシューの他方に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材と第2係合部材との間に設けられ且つ前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させ一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法において、
(a) 前記ブレーキシューの一方に係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、該筒板部であって前記爪板部とは反対側に設けられ且つ前記離反部材が係合する切り欠き部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
(b) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、を順次行うことで、前記第1係合部材を成形し、
(c) 前記ブレーキシューの他方に係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
(d) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、を順次行うことで、前記第2係合部材を成形することを特徴とする。
好ましくは、前記曲げ工程で、前記係合爪部が筒部の軸心に一致するように、前記爪板部の基端側に曲げ加工を施すとよい。
さらに好ましくは、前記曲げ工程で、筒部の先端側に開口が形成されるように、筒板部の幅方向両端部を突き合わせるとよい。
また好ましくは、前記離反部材は、第1係合部材及び第2係合部材の筒部にそれぞれ嵌り込み両係合部材を同軸状に連結するロッド体と、該ロッド体に螺合し回転することで前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させる離反駆動体とから構成されるものであって、前記ロッド体及び離反駆動体をプレス成形により製造するとよい。
また、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置は、一対のブレーキシューの一方に係合する第1係合部材と、一対のブレーキシューの他方に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材と第2係合部材との間に設けられて両係合部材を互いに離反させ前記一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置において、前記第1係合部材は、平板を円筒状に曲げ加工し形成された筒部と、該筒部の先端側に設けられ且つ前記ブレーキシューの一方に係合する係合爪部とを有し、前記第2係合部材は、平板を円筒状に曲げ加工し形成された筒部と、該筒部の先端側に設けられ且つ前記ブレーキシューの他方と係合する係合爪部とを有しているとよい。
なお好ましくは、前記離反部材は、第1係合部材及び第2係合部材の筒部にそれぞれ嵌り込み両係合部材を同軸状に連結するロッド体と、該ロッド体に螺合し回転することで前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させる離反駆動体と、を有しているとよい。
加えて、前記第1係合部材は、筒部の基端側に切り欠き部を有するものであって、前記ロッド体は、第1係合部材の筒部に遊嵌状態で挿入される第1棒体と、該第1棒体と同軸状に連続して設けられると共に第2係合部材の筒部に遊嵌状態で挿入され且つ外周面に雄ネジ部が形成されている第2棒体と、前記第1棒体と第2棒体との境界に設けられて前記第1係合部材の切り欠き部に嵌り込む鍔部とを有しており、前記離反駆動体は、前記第2棒体の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有し、当該離反駆動体の外周面にはラチェット歯が形成され、且つ離反駆動体の一方側面が第2係合部材の筒部の基端側との突き当たり面となっているとよい。
さらに好ましくは、前記第1係合部材及び第2係合部材の筒部の先端側には開口が設けられているとよい。
また、前記第1係合部材の係合爪部及び/又は第2係合部材の係合爪部には、リブ部が形成されているとよい。
本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置は、非常にコンパクトでありながら、ドラムブレーキの確実な隙間調整を行うことが可能である。また、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法を用いることで、前述した隙間調整装置を、非常に簡単に且つ低コストで作ることができる。
以下、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法を、図を基に説明する。
[ドラムブレーキ]
図1は、本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置1(以下、アジャスタと呼ぶ)がドラムブレーキ2内に取り付けられている様子を示したものである。なお、ドラムブレーキ2の説明においては、図1の上下を上下方向、左右を左右方向又は幅方向と呼ぶ。
ドラムブレーキ2は、自動車等の本体側(非回転側)に連結されているバックプレート(基板)2Bを有し、このバックプレート2Bに一対のブレーキシュー3,4が取り付けられている。ブレーキシュー3,4はアーチ形状を有しており、タイヤと共に回転する回転ドラム5の内周面に沿って配置されている。
回転ドラム5の内周面に対向するブレーキシュー3,4部分にはブレーキライニング6が取り付けられている。それぞれのブレーキシュー3,4の下端部はアンカー支軸7,7によりバックプレート2Bに揺動自在に取り付けられている。ブレーキシュー3,4の上端部間には、当該ブレーキシュー3,4を互いに拡開させて回転ドラム5に押しつけるホイールシリンダ8が設けられている。
ブレーキシュー3,4の上部側であってホイールシリンダ8の下方側には、ブレーキシュー3,4と回転ドラム5との隙間を自動的に調整するアジャスタ1が設けられている。
アジャスタ1の詳細構造は後述するが、その形状は長尺状であって、アジャスタ1の一方端が一方のブレーキシュー3の上端側と係合しており、アジャスタ1の他方端が他方のブレーキシュー4の上端側と係合している。アジャスタ1の中途部に設けられた離反駆動体(アジャスタボルト)10を回動することで、当該アジャスタ1自体が伸長し、一対のブレーキシュー3,4が互いに離反して拡開することになる。ゆえに、ライニング6が摩耗により薄くなり、ブレーキシュー3,4と回転ドラム5との隙間が拡大したとしても、アジャスタボルト10を回転することで前記隙間を一定のものとし、常に一定のブレーキ制動力を維持することができるようになる。
なお、アジャスタボルト10の回転は、その外周面に設けられたラチェット歯(調整歯)11とそれに噛合する調整レバー12とにより自動的に行われるものとなっている。
すなわち、ブレーキ制動力を働かせるため、一対のブレーキシュー3,4が大きく拡開したときには、この拡開による力が調整レバー12に伝達され、調整レバー12がアジャスタボルト10のラチェット歯11を押すようになり、アジャスタボルト10が回転する。それに伴い、アジャスタ1自体が伸長し、一対のブレーキシュー3,4が互いに離反して拡開する。ブレーキシュー3,4と回転ドラム5との隙間が適正である際には、上記アジャスタボルト10の回動が発生しないように、調整レバー12の形状や取り付け位置、ラチェット歯11のピッチ等が決定されている。
[隙間調整装置の構成]
図2には、アジャスタ1の詳細構成が示されていて、図2(a)は外観図、図2(b)は断面図である。図3には、アジャスタ1を構成するロッド体と離反駆動体(アジャスタボルト)とが示されている。なお、アジャスタ1の説明においては、図2や図3の左右を左右方向と呼ぶと共に、紙面の左右縁に向かう方向を外向きと呼ぶ。
アジャスタ1は、一方のブレーキシュー3にドラムブレーキ2の内側から係合する第1係合部材15を有している。第1係合部材15は、鋼板等の平板を曲げ加工して成形されたものであって、円筒状に加工された第1筒部(筒部)16を有している。
第1筒部16の先端側には、ブレーキシュー3を前後から挟み込む(厚み方向に挟み込む)一対の爪17,17を有する第1係合爪部(係合爪部)18が設けられている。第1係合爪部18は平板状であって、そこに形成された一対の爪17,17の内側形状は、一方のブレーキシュー3に確実に係合するものとされている。
第1係合爪部18の基端側であって第1筒部16の先端部には、第1筒部16の内側に連通する第1開口(開口)19が形成されている。
第1係合部材15は鋼材から構成されているため、その製造工程で防錆を目的としてメッキが施されることになる。かかるメッキ作業の際では、メッキ液が第1筒部16の内側まで浸入することになるが、この第1開口19により、メッキ液が筒内に残存することを確実に防ぐことができ、残存メッキ液による鋼材の腐食等を確実に防止できるものとなっている。
また、図2や図4に示されるように、第1筒部16の基端側には切り欠き部20が形成されている。本実施形態の切り欠き部20は、左右の90度に亘る部分が凹状に切り欠かれるものとなっている。この切り欠き部20には後述するロッド体28の鍔部32が嵌り込むようになる。
一方、本実施形態のアジャスタ1は、他方のブレーキシュー4にドラムブレーキ2の内側から係合する第2係合部材21を有している。
第2係合部材21は、鋼板等の平板を曲げ加工して成形されたものであって、円筒状に加工された第2筒部(筒部)22を有している。
第2筒部22の先端側には、他方のブレーキシュー4を前後から挟み込む(厚み方向に挟み込む)一対の爪23,23を有する第2係合爪部(係合爪部)24が設けられている。第2係合爪部24は平板状であって、そこに形成された一対の爪23,23の内側形状は、他方のブレーキシュー4に確実に係合するものとされている。
本実施形態の場合、第2係合部材21の爪部23,23は、リブ部25を有するものとなっている。具体的には、爪部23の輪郭に沿って爪部23の内側にエンボス加工を施し凹部を形成している。かかるリブ部25により、第2係合部材21の爪部23は第1係合部材15の爪部17に比して長く鉤型となっているものの、高強度を有する。なお、第1係合部材15の第1係合爪部18にもリブ部25を設けることは非常に好ましい。
第2係合爪部24の基端側であって第2筒部22の先端部には、第2筒部22の内側に連通する第2開口(開口)26が形成されている。その理由は、第1開口19の設置理由と略同様であるため、説明を略する。
前述した如く、アジャスタ1は長尺状の形状を有している。その一方側は第1係合爪部18が外方を向くように配置された第1係合部材15であって、他方側は第2係合爪部24が外方を向くように配置された第2係合部材21である。さらに、両係合部材18,21を連結すると共に互いに離反するように動かす離反部材27が設けられている。この離反部材27は、ロッド体28と離反駆動体(アジャスタボルト)10とから構成される。
図2,図3に示すように、ロッド体28は鋼材からなる棒体であって、その一方側が第1係合部材15の第1筒部16に遊嵌状態で挿入される第1棒体29となっている。ロッド体28の他方側は、第2係合部材21の第2筒部22に遊嵌状態で挿入される第2棒体30となっており、その外周面には雄ネジ部31が形成されている。
第1棒体29は、第1係合部材15に挿入された場合に第1開口19から突出しない長さとされており、第2棒体30は、第2係合部材21に挿入された場合、第2開口26から突出しない長さとされている。
第1棒体29と第2棒体30との境界には、第1係合部材15の切り欠き部20に嵌り込む鍔部32が設けられている。詳しくは、図3に示すように、上下の90°に亘ってロッド体28の径方向に広がるフランジが形成されていている。
アジャスタボルト10は、リング形状を有しており、その内孔の内周面には第2棒体30の雄ネジ部31に螺合する雌ネジ部33が形成されている。アジャスタボルト10の外周面にはラチェット歯11(調整歯)が形成されている。
上述したロッド体28の雄ネジ部31にアジャスタボルト10が螺合した上で、第2棒体30に第2係合部材21の第2筒部22を嵌め込むようにする。こうすることで、アジャスタボルト10の側面(鍔部32とは反対の面)が第2係合部材21の筒部の基端側との突き当たるようになる。
また、ロッド体28の第1棒体29に第1係合部材15の第1筒部16を外嵌させると共に、切り欠き部20に鍔部32が嵌り込むようにする。こうすることで、第1係合部材15とロッド体28とが相対回動不能となり一体化する。
このように組み上げられたアジャスタ1において、アジャスタボルト10を所定方向に回動することで、当該アジャスタボルト10はロッド体28(第2棒体30)を外側へ移動し、突き当たり面を介して第2係合部材21を外側に押すようになって、アジャスタ1自体が伸長する。
[隙間調整装置の製造方法]
図4,図5にアジャスタ1を構成する第1係合部材15及び第2係合部材21の製造工程をしてしている。なお、図4,図5の左右を左右方向又は幅方向と呼ぶ。
図4に示すように、第1係合部材15を製造するにあたっては、素材となる鋼板を、第1係合爪部18となる第1爪板部40と、第1筒部16となる第1筒板部41と、第1筒板部41であって第1爪板部40とは反対側に設けられた切り欠き部20とを有する一枚の平板に切り出すようにする(切断工程)。
第1爪板部40の輪郭形状は、第1係合爪部18の最終形状と同じであってよい。第1筒板部41の幅方向長さLは、曲げ加工後に直径dの筒となる長さとする。切り欠き部20の長さは、筒板部の幅方向長さLの1/4とし、第1筒板部41の中心から左右対称位置に2つ設けるようにするとよい。切り欠き部20の深さは、鍔部32の厚さと略同一とするとよい。以上の切断工程は、シャーリングやプレス剪断によって行うことが好ましい。
次に、平板である第1筒板部41の左右方向両端部(幅方向両端部)が互いに突き合わさるように断面円状に曲げ変形させる(曲げ工程)。この工程は汎用の曲げ機械を用いて行うことができる。この際、第1筒板部41の先端部は「なで肩状」に傾斜して切り出されているために、第1筒板部41の両端部を突き合わせたとしても当該部分はキッチリと突き当たることはなく、第1筒部16の先端側に第1開口19が形成されるようになる。
加えて、曲げ工程で、第1係合爪部18と第1筒部16の軸心とが略一致するように、平板状なる第1爪板部40の基端側を上方側に押し上げる。このように、第1筒板部41を断面円状に曲げ変形させる際に、同時に第1爪板部40の基端側を上方に曲げることにより、第1筒部16の先端側が先窄まり形状となって第1係合部材15全体の強度がアップする。第1筒板部41の曲げ加工終了後に、第1爪板部40の基端側のみを曲げ加工しても同様の強度が得られないことを、本願発明者らは確認している。
一方、図5に示すように、第2係合部材21を製造するにあたっては、素材となる鋼板を、第2係合爪部24となる第2爪板部42と、第2筒部22となる第2筒板部43とを有する一枚の平板に切り出すようにする(切断工程)。
第2爪板部42の輪郭形状は、第2係合爪部24の最終形状と同じであってよい。第2筒部22の幅方向長さLは、曲げ加工後に直径dの筒となる長さとすることが好ましい。以上の工程は、シャーリングやプレス剪断によって行うことが好ましい。
次に、平板である第2筒板部43の左右方向両端部が互いに突き合わさるように断面円状に曲げ変形させる(曲げ工程)。この工程は汎用の曲げ機械を用いて行うことができる。この際、第2筒板部43の先端部は「なで肩状」に傾斜して切り出されているために、第2筒板部43の両端部を突き合わせたとしても当該部分はキッチリと突き当たることはなく、第2筒部22の先端側に開口(第2開口26)が形成されるようになる。
加えて、図6(第2係合部材の加工過程を側面視した図)に示す如く、曲げ工程で、第2係合爪部24と第2筒部22の軸心とが略一致するように、第2爪板部42の基端側を上方側に押し曲げるようにする。このように、第2筒板部43を断面円状に曲げ変形させる際に、同時に第2爪板部42の基端側を上方に曲げることにより、第2筒部22の先端側が先窄まり形状となって第2係合部材21全体の強度がアップする。第2筒板部43の曲げ加工終了後に、第2爪板部42の基端側のみを曲げ加工しても同様の強度が得られないことを、本願発明者らは確認している。
かかる曲げ工程を行う際に、第2爪板部42に、第2爪部の輪郭形状に沿ったリブ部25を形成してもよい。当然、第1係合部材15にも同様の加工を施すことは非常に好ましい。
本発明の製造方法を採用することで、従来から行われていた「管材を潰して製造する」方法に比べて、非常に安価に且つ軽量化された第1係合部材15及び第2係合部材21を作ることができるようになる。すなわち、本製造方法によれば、管材を素材として用いる場合に必要であった焼鈍工程が不要になるため、低コスト化が図れる。また、焼鈍工程による素材の強度低下が無くなるため、必要強度を維持したまま各係合部材15,21の肉厚を薄くすることができ、軽量化が図れる。
なお、離反部材27を構成するロッド体28やアジャスタボルト10は、どのような製造方法を用いて製造してもよいが、好ましくは、プレス加工により鍔部32やラチェット歯11を一体的に成形することが好ましい。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1係合部材15や第2係合部材21を最終形状に曲げ加工した後、当該第1係合部材15及び第2係合部材21を焼き入れするようにしてもよい。こうすることで、係合部材15,21全体の強度を高めることができるようになる。
また、図7(a)の如く、第1係合部材15に関し、第1筒部16の突き合わせ部50が開くことを防止するために、例えば、第1筒板部41の幅方向一方側に係合片51を設けるようにし、第1筒板部41の幅方向他方側に係合片51が嵌り込む係合凹部52を設けるようにするとよい。第1筒板部41を断面円形に曲げ変形することで、係合片51が係合凹部52に嵌り込み、第1筒部16の突き合わせ部50が開くことを確実に防止できるようなる(開き防止手段)。
図7(b)に示すように、かかる係合片51及び係合凹部52を第2係合部材21(第2筒板部43)に設けることは非常に好ましい。
また、第1筒部16の切り欠き部20にロッド体28の鍔部32を嵌め込んで、第1係合部材15とロッド体28と相対回動不能としているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1筒部16にロッド体28の第1棒体29を挿入した後、第1筒部16をかしめるようにしてもよい。第1筒部16の断面を半月状とし、第1棒体29の断面も第1筒部16に嵌り込む半月状としてもよい。
本発明にかかるドラムブレーキの隙間調整装置が設置された状況を示す図である。 本発明にかかる隙間調整装置(アジャスタ)の外観と断面を示す図である。 ロッド体及び離反駆動体(アジャスタボルト)を示す図である。 第1係合部材の製造工程を示した図である。 第2係合部材の製造工程を示した図である。 第2係合部材の製造工程を示した図である。 第1係合部材及び第2係合部材に設けられた開き防止手段を示した図である。
符号の説明
1 隙間調整装置(アジャスタ)
3 一方のブレーキシュー
4 他方のブレーキシュー
10 離反駆動体(アジャスタボルト)
11 ラチェット歯
15 第1係合部材
16 第1筒部
18 第1係合爪部
19 第1開口
20 切り欠き部
21 第2係合部材
22 第2筒部
24 第2係合爪部
25 リブ部
26 第2開口
27 離反部材
28 ロッド体
29 第1棒体
30 第2棒体
31 雄ネジ部
32 鍔部
33 雌ネジ部
40 第1爪板部
41 第1筒板部
42 第2爪板部
43 第2筒板部

Claims (10)

  1. 一対のブレーキシューの一方に係合する一方の係合部材と、ブレーキシューの他方に係合する他方の係合部材と、前記一方及び他方の係合部材との間に設けられ且つ両係合部材を互いに離反させ一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法において、
    (a) 前記ブレーキシューに係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
    (b) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、
    を順次行うことで、前記一方及び/又は他方の係合部材を成形することを特徴とするドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法。
  2. 一対のブレーキシューの一方に係合する第1係合部材と、ブレーキシューの他方に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材と第2係合部材との間に設けられ且つ前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させ一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法において、
    (a) 前記ブレーキシューの一方に係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、該筒板部であって前記爪板部とは反対側に設けられ且つ前記離反部材が係合する切り欠き部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
    (b) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、
    を順次行うことで、前記第1係合部材を成形し、
    (c) 前記ブレーキシューの他方に係合する係合爪部となる爪板部と、前記離反部材が挿入される筒部となる筒板部と、を有する一枚の平板を切り出す切断工程、
    (d) 前記筒板部の幅方向両端部を突き合わせるように断面円状に曲げ変形させる曲げ工程、
    を順次行うことで、前記第2係合部材を成形することを特徴とするドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法。
  3. 前記曲げ工程で、前記係合爪部が筒部の軸心に一致するように、前記爪板部の基端側に曲げ加工を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法。
  4. 前記曲げ工程で、筒部の先端側に開口が形成されるように、筒板部の幅方向両端部を突き合わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法。
  5. 前記離反部材は、第1係合部材及び第2係合部材の筒部にそれぞれ嵌り込み両係合部材を同軸状に連結するロッド体と、該ロッド体に螺合し回転することで前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させる離反駆動体とから構成されるものであって、
    前記ロッド体及び離反駆動体をプレス成形により製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドラムブレーキの隙間調整装置の製造方法。
  6. 一対のブレーキシューの一方に係合する第1係合部材と、一対のブレーキシューの他方に係合する第2係合部材と、前記第1係合部材と第2係合部材との間に設けられて両係合部材を互いに離反させ前記一対のブレーキシューを拡開する離反部材と、を有するドラムブレーキの隙間調整装置において、
    前記第1係合部材は、平板を円筒状に曲げ加工し形成された筒部と、該筒部の先端側に設けられ且つ前記ブレーキシューの一方に係合する係合爪部とを有し、
    前記第2係合部材は、平板を円筒状に曲げ加工し形成された筒部と、該筒部の先端側に設けられ且つ前記ブレーキシューの他方と係合する係合爪部とを有していることを特徴とするドラムブレーキの隙間調整装置。
  7. 前記離反部材は、第1係合部材及び第2係合部材の筒部にそれぞれ嵌り込み両係合部材を同軸状に連結するロッド体と、該ロッド体に螺合し回転することで前記第1係合部材と第2係合部材とを互いに離反させる離反駆動体と、を有していることを特徴とする請求項6に記載のドラムブレーキの隙間調整装置。
  8. 前記第1係合部材は、筒部の基端側に切り欠き部を有するものであって、
    前記ロッド体は、第1係合部材の筒部に遊嵌状態で挿入される第1棒体と、該第1棒体と同軸状に連続して設けられると共に第2係合部材の筒部に遊嵌状態で挿入され且つ外周面に雄ネジ部が形成されている第2棒体と、前記第1棒体と第2棒体との境界に設けられて前記第1係合部材の切り欠き部に嵌り込む鍔部とを有しており、
    前記離反駆動体は、前記第2棒体の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有し、当該離反駆動体の外周面にはラチェット歯が形成され、且つ離反駆動体の一方側面が第2係合部材の筒部の基端側との突き当たり面となっていることを特徴とする請求項7に記載のドラムブレーキの隙間調整装置。
  9. 前記第1係合部材及び第2係合部材の筒部の先端側には開口が設けられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のドラムブレーキの隙間調整装置。
  10. 前記第1係合部材の係合爪部及び/又は第2係合部材の係合爪部には、リブ部が形成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のドラムブレーキの隙間調整装置。
JP2005337509A 2005-11-22 2005-11-22 ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法 Pending JP2007139162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005337509A JP2007139162A (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005337509A JP2007139162A (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007139162A true JP2007139162A (ja) 2007-06-07

Family

ID=38202276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005337509A Pending JP2007139162A (ja) 2005-11-22 2005-11-22 ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007139162A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103899685A (zh) * 2014-04-22 2014-07-02 重庆市璧山宏向汽配有限公司 拉臂式制动器的自调间隙组件

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103899685A (zh) * 2014-04-22 2014-07-02 重庆市璧山宏向汽配有限公司 拉臂式制动器的自调间隙组件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5236491B2 (ja) ナット、ナットの製作方法、およびこれに対応する工具
RU2009101815A (ru) Пробойная заклепка (варинаты) и матрица для пробойного заклепочного соединения (варианты)
WO2006087984A1 (ja) 自己穿孔型リベット及びこれによる板材の締結構造
KR20120084689A (ko) 압입 요소 형태의 기능 요소
WO2014034211A1 (ja) 高強度鋼板用ピアスナット
JP2005343254A (ja) 自転車用チェーン
US20130247636A1 (en) Flow formed spline and design suitable for burr free machining
JP3897225B2 (ja) かしめ結合方法
JP2005226788A (ja) ピアスナット
KR101348741B1 (ko) 자동차의 브레이크용 푸쉬 로드 및 그 제조방법
JP2007139162A (ja) ドラムブレーキの隙間調整装置及びその製造方法
JP4361511B2 (ja) ボス部材及びボス部材の製造方法
JP2006327289A (ja) 車輪支持用軸受ユニット及びその製造方法
JP2007152412A (ja) ねじ軸形成方法
JPS5911779B2 (ja) ドラムブレ−キ用ストラツト部材の製造方法
JP2008111500A (ja) ディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け方法、およびディスクブレーキ装置
CA2546338A1 (en) Method for the production of a flange on a metal blank, and transmission part
JP2010075950A (ja) ねじ孔の形成方法及びディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法
JPH11309526A (ja) 中空パイプの端部閉塞構造及びその端部加工方法
JP4316576B2 (ja) 車両用パーキングブレーキのアンカーブロック
JP2006161968A (ja) かしめボルトとその組立方法
JP2007260720A (ja) 抜け止め部を持つ孔の成形方法
JP2010156419A (ja) フランジ継手
JP4964539B2 (ja) 雌ネジ加工方法
JP2008045724A (ja) シュー間隙自動調節機構を備えたドラムブレーキ