JP2007137775A - 破骨細胞分化抑制因子(opg)産生促進用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 食習慣があり安全である食品成分を有効成分として、骨芽細胞のみではなく、腸管由来細胞でOPG産生を促進する組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、ケルセチンまたはケルセチン誘導体を有効成分とする破骨細胞分化抑制因子(OPG)産生促進用組成物、または、タマネギ、ほうれん草、ケールおよびパセリからなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を有効成分とする破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物を提供する。該OPG産性促進用組成物は、骨芽細胞および腸管細胞に対するOPG産生促進作用により、骨粗鬆症などのOPG関連疾患の処置や予防に有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ケルセチンを有効成分とする破骨細胞分化抑制因子(Osteoprotegerin、以下OPGという)産生促進用組成物に関する。OPGは破骨細胞の分化を抑制することから、その生体内での産生促進は、骨吸収の抑制を介して骨粗鬆症などのOPG関連疾患の予防又は処置に有効である。
哺乳動物の骨は骨吸収と骨形成を繰り返しており、骨形成に関与する細胞が骨芽細胞、骨吸収に関与する細胞が破骨細胞である。骨の成長、維持および修復は、これらの細胞の形成と吸収の速度バランスに依存しており、そのバランスが崩れることにより、骨吸収が骨形成を上回り、骨粗鬆症などの骨量が減少する骨代謝関連疾患がもたらされる。よって骨形成が骨吸収を下回らないことが骨量の維持や増強に重要である(非特許文献1)。
骨粗鬆症は、骨を形成するカルシウムやコラーゲンの減少による骨量低下と骨組織の退行を引き起こす全身性の骨疾患である。骨粗鬆症は、高齢者の特に閉経後の女性に多く見られ、近年の高齢化に伴い増加し続けている。骨粗鬆症による骨の脆弱化は、疼痛や、骨折のリスク上昇を招くことから、寝たきりの原因となり、高齢者の生活の質に大きく影響を及ぼす問題となっている(非特許文献2)。
破骨細胞は、未分化の血球系細胞から多核化して分化することにより成熟破骨細胞となり骨吸収を行う。破骨細胞抑制因子(Osteoprotegerin;OPG)は、骨芽細胞から分泌され、破骨細胞の分化に抑制的に働くことが知られている(非特許文献3)。OPGはまた、骨芽細胞のみではなく、肝臓、胃、肺、皮膚で分泌される他、腸管でも分泌される(非特許文献3)。
OPGは破骨細胞の分化抑制作用を有することから、様々な投与試験が行われており、閉経、不動化、ステロイド剤の使用、および免疫抑制剤の使用による骨粗鬆症の他、慢性関節リウマチ、歯根膜炎などに対しても効果が確認されている(非特許文献4)。上記のとおり、OPGは様々な疾患に効果がある可能性があるが、OPGはタンパクであるため、経口投与した場合、そのまま体内に入り作用するとは限らないという問題がある。
そこで、経口投与により破骨細胞の分化抑制効果を得るために、生体内でOPG産生促進活性を示す成分が探索されている。例えば、JudeらはOPG産生を促進する低分子化合物を骨粗鬆症やリウマチの病態モデルラットに投与しこれらの疾患の処置や予防に効果があることを報告している(非特許文献5)。また、食品成分にもOPG産生促進活性のあるものが見出されており、安全性や利便性から非常に有用である。このような食品成分にはラクトフェリンやトレハロースなどが挙げられる。なかでもラクトフェリンは骨芽細胞のみでなく、腸管由来細胞からもOPG産生を促進することからより優れた効果がある(特許文献1)。しかし、ラクトフェリンは乳を原料とするため高コストであるという問題があった。
一方、ケルセチンおよび、その配糖体であるルチンは、タマネギ、ソバ、グリーンアスパラなどに多く含まれる成分である。ケルセチンにはシクロオキシゲナーゼ2およびNFκBの生合成阻害作用、骨密度を向上、およびカルシウム吸収促進などの効果が報告されている(特許文献2〜4)。また、ルチンには卵巣摘出ラットの骨量減少を抑制する効果(非特許文献6)が報告されている。
特開2004-115509 特開2001-233768 特開2002-234844 USP 5478579 日本臨床,2002年,60巻増刊号3,34〜37項 医学の歩み,2001年,198巻,9号,574〜579項 Endocrine Reviews,1999年,20号,3巻,345〜357項 日本臨床,2002年,60巻増刊号3,679〜687項 The journal of pharmacology and experimental therapeutics,309巻,1号,369〜379項 Journal of bone mineral resarch,2000年,15巻,11号,2251〜22257項
本明細書は、食習慣があり安全である食品成分を有効成分として、骨芽細胞のみではなく、腸管由来細胞でOPG産生を促進する組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、ケルセチンに骨芽細胞および腸管由来細胞に対するOPG産生促進作用があることを見出した。また、驚くことにOPG産生促進作用はケルセチンの配糖体であるルチンにはなく、ケルセチンであることが重要であることを見出し、それを基に本発明を完成するに至った。
従来、OPG産生促進効果がケルセチンにあり、さらにルチンにはないことは全く知られていなかった。
即ち本発明が提供するのは以下の通りである。
[1] ケルセチンまたはケルセチン誘導体を有効成分とする破骨細胞分化抑制因子(OPG)産生促進用組成物。
[2] タマネギ、ほうれん草、ケールおよび、パセリからなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を有効成分とするOPG産生促進用組成物。
[3] ソバ、トマト、グリーンアスパラ、あずき、ジャガイモ、イチジク、アンズ、およびレモンからなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を加水分解したものを有効成分とするOPG産生促進用組成物。
[4] OPG産生促進効果の作用点が腸管細胞もしくは骨芽細胞である[1]〜[3]いずれか記載のOPG産生促進用組成物。
[5] 飲食用として使用することを特徴とする[1] 〜[4]いずれか記載のOPG産生促進用組成物。
[6] 医薬用として使用することを特徴とする[1] 〜[4]いずれか記載のOPG産生促進用組成物。
[7] OPG関連疾患の処置または予防を目的とした[1] 〜[6]いずれか記載の組成物。
本発明品は、骨芽細胞および腸管由来細胞でのOPG産生を促進し、破骨細胞の分化抑制を介して骨吸収を抑制することから、骨粗鬆症をはじめとするOPG関連疾患の処置および予防に有用である。
さらに、豊富にある安価な材料からケルセチンを得ることが可能であるため、安価で大量に本発明品を製造することが可能である。
本明細書のOPG産生促進用組成物は、ケルセチンまたはケルセチン誘導体を有効成分とする組成物である。組成物中のケルセチンまたはケルセチン誘導体の含有量は限定されないが、OPG産生促進活性を発揮できる範囲で含まれていれば良い。
ここにいうケルセチンとは、下記式に示す3,3',4',5,7-ペンタヒドロキシフラボンである。また、その誘導体とはケルセチンの塩、酸化体、還元体などが挙げられる。
Figure 2007137775
本発明において使用されるケルセチンまたはケルセチン誘導体は、植物由来のものが好ましいが、化学合成したものでも使用することができる。植物由来のケルセチンは、より多くケルセチンを含有する材料として、タマネギ(学名:Allium cepa.L)、ほうれん草(学名:Spinacia oleraceaL.)、ケール(学名:Brassica oleracea L. var.acephala DC.)、パセリ(学名:petroselium crispum)などの植物から抽出することができる。これら植物からケルセチンを抽出する方法としては、特に限定されないが、例えば特開2004-229615公報に示された方法、すなわち、タマネギの鬼皮からエタノールを用いてケルセチンを抽出する方法などが挙げられる。
また本発明においては、上記ケルセチンを含有する植物、すなわち、タマネギ(学名:Allium cepa.L)、ほうれん草(学名:Spinacia oleraceaL.)、ケール(学名:Brassica oleracea L. var.acephala DC.)および、パセリ(学名:petroselium crispum)からなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を、そのまま、OPG産生促進用組成物の有効成分として用いることも出来る。その場合、上述の植物を原料として、例えば、水、メタ-ノール、エタノール、プロパノール、およびアセトンによる溶媒抽出法、超臨界法など任意の方法を用いてケルセチン成分が抽出された抽出物であれば特に限定されない。前記植物材料は、所望により、粉砕や脱脂などの加工をした後抽出を行ってもよく、また抽出後、所望により、濃縮、精製等を行っても良いし、抽出物をそのまま使用しても良い。
また、本発明においては、ケルセチン配糖体の糖を加水分解することによりケルセチンを得ることもできる。ケルセチン配糖体は特に限定されないが、例えば、ケルセチンに糖がO-グリコシド結合したものが挙げられる。結合する糖は単糖、二糖、三糖以上のオリゴ糖のいずれであってもよい。好ましくはケルセチン配糖体として、ルチン(ケルセチン‐3‐ルチノシド)を用いられる。ルチンは化学合成したものでも使用できるが、好ましくは植物由来のものがよい。植物由来のルチンは、ソバ(学名:Fagopyrum esculentum M.)、トマト(学名:Lycopersicum esculentum Mill)、グリーンアスパラ(学名:Asparagus officinalis)、あずき(学名:Vigna angularis)、ジャガイモ(学名:Solanum tuberosum)、イチジク(学名:Ficus carica)、アンズ(学名:Prunus armeniaca)、およびレモン(学名:Citrus limon)などの植物から抽出することができる。
ケルセチン配糖体を加水分解する方法は、限定しないが、例えば、酸処理、発酵処理、酵素処理などが挙げられる。これらの処理を、ルチン含有植物などからルチンを抽出する前、もしくは抽出した後、或いはルチンそのものに対して行うことによりケルセチンを得ることができる。具体的には、既存添加物名簿収集品目リスト注解書(1999年日本食品添加物協会)に記載された方法、すなわち、ルチン或いはルチン含有植物を水に懸濁させ、酸性下で加熱して加水分解させる方法により、ケルセチンにすることができる。
さらに本発明においては、上記ケルセチン配糖体を含有する植物、すなわち、ソバ(学名:Fagopyrum esculentum M.)、トマト(学名:Lycopersicum esculentum Mill)、グリーンアスパラ(学名:Asparagus officinalis)、あずき(学名:Vigna angularis)、ジャガイモ(学名:Solanum tuberosum)、イチジク(学名:Ficus carica)、アンズ(学名:Prunus armeniaca)、およびレモン(学名:Citrus limon)からなる群より選択されるいずれか1種以上の植物抽出物を加水分解したものを、OPG産生促進用組成物の有効成分として使用することも出来る。その場合、本発明のOPG産生促進用組成物は、ケルセチン配糖体の抽出工程とケルセチン配糖体の加水分解工程を組み合わせて得ることができる。植物中に含有するケルセチン配糖体としては限定されないが、その多くは、広く天然の植物中に存在するルチンである。抽出工程には、例えば水、メタ-ノール、エタノール、プロパノール、およびアセトンによる溶媒抽出法や超臨界抽出法などが利用できる。また、ケルセチン配糖体の加水分解処理には、例えば酸処理、発酵処理、酵素処理などが利用できる。これら2つの工程の順序はどちらを先に実施しても本発明における組成物を得ることができる。
本発明でいうOPG産生促進とは、特に限定されないが、好ましくは腸管または骨芽細胞からの、より好ましくはその両方のOPGの産生量を増加させることをいう。本明細書のOPG産生促進用組成物は、骨芽細胞や腸管由来細胞などにおいてOPG産生を促進し、破骨細胞分化抑制を介してOPG関連疾患を処置または予防することができる。
ここにいうOPG関連疾患とは、生体内OPG濃度の増加により症状が改善される任意の疾患を意味する。具体的にはOPG関連疾患として、閉経、不動化、ステロイド剤の使用、あるいは免疫抑制剤の使用などによる骨粗鬆症の他、慢性関節リウマチ、歯根膜炎などが挙げられる。
OPG産生促進活性は、評価物質を直接動物に投与して評価することもできるが、骨芽細胞、腸管由来細胞などを用いて評価することもできる。細胞を用いた評価では、細胞もしくは、培養上清を用いて、OPG量を定量する方法や、OPGのメッセンジャーRNAを定量する方法などが挙げられる。具体的にはOPG量は酵素免疫測定法(ELISA)法や、ウエスタンブロッティング法などで測定することができる。メッセンジャーRNAの定量法としては、ノザンブロッティング法、RT-PCR法、およびDNAアレイ法などが挙げられる。
これらのうち少なくとも1種の測定において、サンプルの活性が一般に溶媒対照と比較し、統計学的に有意に高い値を示す場合、そのサンプルを「OPG産生促進活性あり」と評価する。
本発明にのOPG産生促進用組成物は、一般的な食品に混合して、飲食用として使用することもできる。ここで言う飲食用とは、例えば、一般食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品などである。飲食用に許容される担体として具体的には、飲料、乳製品、発酵乳、乳酸菌飲料、加工乳、コーヒー飲料、ジュース、アイスクリーム、飴、ビスケット、ウェハース、ゼリー、スープ、麺類、を含むがそれに限定されるものではない。好ましくは飲料、乳製品、加工乳、発酵乳、乳酸菌飲料、ウェハース、ゼリーを含む。
本発明のOPG産生促進用組成物は、所望により医薬的に許容される担体と共に、医薬用としても使用できる。その用途は限定されず、例えば一般用医薬品(OTC)など容易に入手可能な医薬品又は医薬部外品などが挙げられる。医薬用である組成物の形態は限定されず、例えば、丸薬剤、液剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル錠剤、トローチ剤、シロップ剤、ドライシロップ剤などである。好ましくはカプセル剤、液剤、エリクシル、錠剤、カシェ、座薬などとするほうが良い。また医薬的に許容される担体とは、経口、経腸、経皮、および皮下投与のために好適である任意の材料であり、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、微結晶性セルロース、スターチ、ナトリウムスターチグリコレート、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド性二酸化ケイ素、などが挙げられる。
本発明における組成物は、骨粗鬆症やリウマチなどのOPG関連疾患に処置効果があるとされる食品や食品添加物、例えば大豆、ザクロ等の抽出物、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンK、グルコサミン、コンドロイチン、およびコラーゲン等と同時に用いても良い。またその形態は限定されず、飲食物、医薬組成物、製剤、およびカプセル製剤を含む。好ましくは飲食物、カプセル製剤を含む。
本発明におけるOPG産生促進用組成物は、ヒトをはじめとする哺乳動物に投与することにより、OPG関連疾患の処置または予防することができる。ここにいうOPG関連疾患とは、生体内OPG濃度の増加により症状が改善される任意の疾患を意味し、特に限定されないが、具体的には前述のような、閉経、不動化、ステロイド剤の使用、および免疫抑制剤の使用などによる骨粗鬆症の他、慢性関節リウマチ、歯根膜炎などである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)玉葱を原料としたOPG産生促進用組成物の調整
玉葱の鬼皮粉末(カネカサンスパイス製)1重量部を、エタノール5重量部に浸し常温で2日間、抽出した後、濾過により抽出液を得た。その抽出液の溶媒をエバポレーターにより除去し、粉末抽出物0.0164重量部を得た。
(実施例2)骨芽細胞によるOPG産生促進活性の測定
実施例1で得られた抽出物および、ケルセチン(Sigma社製)、ルチン(Sigma社製)について骨芽細胞でのOPG産生促進活性を評価した。ヒト骨芽細胞(MG63細胞)を96穴プレートに2×104 cells/穴播種し、1%の非必須アミノ酸(Gibco社製)、10%FBSを含むイーグル-MEM培地(日水製薬)で37℃、5%CO2-5%空気で3日間培養した。
3日後、1%の非必須アミノ酸、0.1%牛血清アルブミンを含むイーグル-MEM培地に培地を交換して37℃、5%CO2-5%空気で1日間培養した後、実施例1の抽出物を30および100μg/mlで溶解した培地、ケルセチンを1,10および50μg/mlで溶解した培地、およびルチンを1,10および50μg/mlで溶解した培地にそれぞれ交換した。なお、各サンプルを溶解した培地は1%の非必須アミノ酸、0.1%牛血清アルブミンを含むイーグル-MEM培地とした。
培地交換3日後、培養上清のOPG量をOPG測定キット(Human Osteoprotegerin ELISA:Bio Vendor社)を用いてELISA法により測定した。測定はメーカー推奨の方法に従った。
OPG産生促進活性は、平行してOPG量を測定した溶媒対象の平均値を1とした時の抽出物および試薬により産生したOPG量の割合(OPG産生促進率)により評価した。さらに、OPG産生促進率が統計的に有意に1以上となったサンプルを「OPG産生促進活性あり」とした。
Figure 2007137775
表1のP値はStudent-T検定による統計的有意性を表す値であり、溶媒対照に対するサンプルのOPG産生量の変化が統計的に意味のあるものであるかを示す指標である。一般的にP値が0.05より低い値の場合、両者の差が意味のある差であると考えられている。
表1の結果から、骨芽細胞でのOPG産生促進作用はケルセチン配糖体であるルチンには存在せず、ケルセチンに特異的に存在することを確認した。また、ケルセチンを多く含む玉葱鬼皮の抽出物に骨芽細胞に対するOPG産生促進活性があることを確認した。
(実施例3)腸管由来細胞によるOPG産生促進活性の測定
実施例1で得られた抽出物および、ケルセチン(Sigma社製)、ルチン(Sigma社製)について腸管由来細胞でのOPG産生促進活性を評価した。ヒト腸管由来細胞(Caco-2細胞)を96穴プレートに1×104 cells/穴播種し、1%の非必須アミノ酸(Gibco社製)、10%FBSを含むイーグル-MEM培地(日水製薬)で37℃、5%CO2-5%空気で3日間培養した。
3日後、実施例1の抽出物を30および100μg/mlで溶解した培地、ケルセチンを1,10および50μg/mlで溶解した培地、およびルチンを1,10および50μg/mlで溶解した培地に交換した。なお、サンプルを溶解した培地は、1%の非必須アミノ酸、10%FBSを含むイーグル-MEM培地とした。
培地交換3日後、培養上清のOPG量をOPG測定キット(Human Osteoprotegerin ELISA:Bio Vendor社)を用いてELISA法により測定した。測定はメーカー推奨の方法に従った。
OPG産生促進活性は、平行してOPG量を測定した溶媒対象の平均値を1とした時の抽出物および試薬により産生したOPG量の割合(OPG産生促進率)により評価した。さらに、OPG産生促進率が統計的に有意に1以上となったサンプルを「OPG産生促進活性あり」とした。
Figure 2007137775
表2の結果から、腸管由来細胞でのOPG産生促進作用はケルセチン配糖体であるルチンには存在せず、ケルセチンに特異的に存在することを確認した。また、ケルセチンを多く含む玉葱鬼皮の抽出物に腸管由来細胞に対するOPG産生促進活性があることを確認した。
(実施例4)ケルセチン含有ソフトカプセル剤の調整
ケルセチン 40重量部
ゴマ油 55重量部
グリセリン脂肪酸エステル 5重量部
上記組成で常法によりケルセチンを含有するソフトカプセル剤を調整した。
(実施例5)タマネギ抽出物を用いたケルセチン含有ソフトカプセル剤の調整
実施例1の組成物 40重量部
ゴマ油 55重量部
グリセリン脂肪酸エステル 5重量部
上記組成で常法によりタマネギ抽出物を含有するソフトカプセル剤を調整した。
(実施例6)カルシウム、ケルセチン含有錠剤の調整
ケルセチン 45重量部
乳糖 30重量部
結晶セルロース 15重量部
ショ糖脂肪酸エステル 5重量部
炭酸カルシウム 5重量部
上記組成で常法によりカルシウム、ケルセチンを含有する錠剤を調整した。

Claims (7)

  1. ケルセチンまたはケルセチン誘導体を有効成分とする破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  2. タマネギ、ほうれん草、ケールおよびパセリからなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を有効成分とする破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  3. ソバ、トマト、グリーンアスパラ、あずき、ジャガイモ、イチジク、アンズおよびレモンからなる群より選択されるいずれか1種以上の植物の抽出物を加水分解したものを有効成分とする破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  4. 破骨細胞分化抑制因子産生促進効果の作用点が腸管細胞もしくは骨芽細胞である請求項1〜3いずれか1項記載の破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  5. 飲食用として使用することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  6. 医薬用として使用することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の破骨細胞分化抑制因子産生促進用組成物。
  7. 破骨細胞分化抑制因子関連疾患の処置または予防を目的とした請求項1〜6いずれか1項記載の組成物。
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