JP2007137436A - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ないためクリーンルームでの使用が可能なチップ型電子部品収納台紙の提供。
【解決手段】下記式で定まるカールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維と、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂エマルジョンとを、共に含有したことにより、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値を1×10Ω以下にしたチップ型電子部品収納台紙。
Figure 2007137436

【選択図】なし

Description

本発明は、導電性を付与し、無塵化したチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)所定の幅にスリットする。
(2)所定大きさの角穴と丸穴を開ける。角穴はチップ型電子部品収納用で、丸穴は充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、角穴を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、この工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーでトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出す。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には充填したチップ部品に悪影響を及ぼさないこと、更に、カバーテープが良好に接着されるよう紙の表面に平滑性を有すること、紙に対する各種処理に耐え得る強度を有すること、チップ部品を挿入する角穴(以下キャビティと記す)の寸法が正確であること等が挙げられる。
近年になり、チップ型電子部品が順次小型化されており、長さと幅が1.6×0.8mmから1.0×0.5mmが主流になると共に、0.6×0.3mm以下のサイズが実用化されてきたため、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルが多くなってきた。また、チップ型電子部品が極小サイズになるほど、収納台紙から脱落した紙粉が限りなく少ないことが要求されており、更には基盤の精密化に伴って、電子機器への実装工程がクリーンルームで行われる場合もあり、収納台紙の無塵化が望まれていた。
これまで、チップ型電子部品収納台紙の帯電防止方法としては、特開平9−188385号公報(特許文献1参照)には表面にカーボンブラックなどの導電剤を塗布あるいは導電紙を貼合する方法、特開平9−216659号公報(特許文献2参照)には1本の導電体をキャビティに沿って敷設する方法、特開2000−203521号公報(特許文献3参照)と特許第3383935号(特許文献4参照)では全層あるいは中層に導電性物質を内添し表面に導電性物質を塗布する方法が提案されているが、工程が増えたり、過剰な導電剤が必要であるなどコストアップが大きく採用が困難であった。
一方、キャビティ内のヒゲやケバと称するパルプ繊維の飛び出しを防ぐ方法としては、特開平6−127566号公報(特許文献5参照)、特開平10−218281号公報(特許文献6参照)、特開平11−165786号公報(特許文献7参照)のようにキャビティ内壁にバインダー樹脂を塗布する方法、特開平9−221192号公報(特許文献8参照)のようにキャビティ内壁にフィルム層を形成する、あるいは特開2001−315846号公報(特許文献9参照)には、合成樹脂又は金属からなるカップをキャビティにはめ込むといった方法が提案されているが、全てがキャビティからの紙粉発生を抑制できても、収納台紙の表裏面や側面からの紙粉は抑制できない。
他方、クリーンルーム内で使用される無塵紙や低発塵紙は、特公平6−11959号公報(特許文献10参照)にあるように公知の方法として、紙に低ガラス転移点の樹脂エマルジョンを含浸して製造されている。また、導電性と無塵化を両立したチップ型電子部品収納台紙は存在せず、0603以下の極小チップ型電子部品の実装においては、導電性と無塵化を両立したチップ型電子部品収納台紙の提案が望まれている状況にあった。
特開平9−188385号公報 特開平9−216659号公報 特開2000−203521号公報 特許第3383935号 特開平6−127566号公報 特開平10−218281号公報 特開平11−165786号公報 特開平9−221192号公報 特開2001−315846号公報 特公平6−11959号公報
本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙に関するものであり、詳しくは、カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがなく、更に紙粉が原因のトラブルが極めて少ないためクリーンルームでの使用が可能なチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
本発明者らは、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルと帯電状態及びキャリアテープに必要な導電性レベルを把握、更に紙粉の発生を抑える方法について鋭意検討し、カールやキンクを付与または持つ導電性繊維の選択と、熱可塑性樹脂を含浸又は塗布することにより、導電性と無塵化を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)チップ型電子部品を収納するチップ型電子部品収納台紙であって、(数1)で定まるカールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維と、熱可塑性樹脂を含有したことにより、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値が1×10Ω以下であるチップ型電子部品収納台紙。
Figure 2007137436
(2)台紙中に導電性繊維を2g/m2以上含むことを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
本発明は、マウンターでの実装時に静電気によるトラブルが発生せず、塵の発生が極めて少ないためクリーンルーム内で使用可能である。
本発明では、チップ型電子部品収納台紙に導電性を付与する方法として、(数1)で定まるカールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維を使用する。
Figure 2007137436
導電性を付与する方法としては、従来から金属繊維や導電繊維、金属粉体などを内添する方法は知られているが、導電体がパルプ繊維と結合しないため、パルプ繊維のネットワークから離脱しやすいという欠点があり、チップ型電子部品収納台紙には使用できなかった。特にカバーテープ剥離時の剥離帯電が大きいことから、チップ型電子部品収納台紙においては用紙表面の電気抵抗値を下げる必要があるが、導電性繊維が離脱しやすいという理由から採用にはいたっていなかった。
本発明者らは、カールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維を使用し樹脂エマルジョンを含浸又は塗布することにより、導電性繊維の離脱をなくすことができることを見出した。
本発明で使用する導電性繊維としては、カーボンブラックや二酸化チタンなどの導電粉体を溶融複合紡糸した繊維、無電解めっきにより製造した繊維などの公知の導電性繊維が使用できるが、パルプ繊維のネットワーク上で少ない量で効率良く導電性を付与するためには、溶融複合紡糸により製造された芯鞘複合型の導電性複合繊維が好ましい。
芯成分を形成するポリマーとしては、公知の繊維形成性能を有するポリマー、即ちポリアミド、ポリエステル等が有用である。ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11及びこれらを主成分とする共重合ポリアミドがよく知られている。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエート及びこれらを主成分とする共重合ポリエステル等がよく知られている。前期記載外のポリマーであっても、繊維形成性能があるポリマーであれば、本発明の芯成分を形成するポリマーとして使用することができ、何等制限を受けるものではない。更に、目的に応じて、二酸化チタン等の無機粒子を含んでいても良い。鞘成分を形成するポリマーとしては、芯成分を形成するポリマーと同様の種類のポリマーを使用することができるが、芯成分形成ポリマーと同一のポリマーを使用すると、芯鞘の界面での結合が強固であり、叩解しても繊維が内部で崩壊することなく導電性に有効に働くため好ましい。
繊維への導電性付与は、鞘成分に公知の導電性粉体、即ち導電性カーボンブラックや二酸化チタン等を配合して溶融複合紡糸することにより達成される。導電性粉体の含有量は10〜60質量%、好ましくは15〜40質量%である。導電性粉体の含有量が10質量%未満では十分な導電性が得られず、60質量%を超えると繊維形成が困難になる。
導電性繊維の長さについては、特に制約はないが、含浸または塗布の際に台紙表面に均一に分散、定着するためには10mm以内、好ましくは5mm以内にする。10mmよりも長いと、均一に含浸、塗布することができず、台紙表面に撚れのような結束状態が発生し、効率が悪化するだけでなく、カバーテープの接着性にも影響を与えるため好ましくない。
導電性繊維の太さについては、一般的にはデシテックスで表現されるが、あえて太さを算出すると、50μm以下、好ましくは30μm以下が良い。50μmを越えると、カールしにくいという欠点があるだけでなく、プレスポケット形成のためのパンチ加工性の悪化や平滑悪化によるカバーテープ接着不良などの問題が生じるので好ましくない。
台紙中の導電性繊維の含有量としては、導電性繊維の長さと太さ及びカールやキンクの影響を受けるが、2g/m2以上、好ましくは3g/m2から10g/m2の範囲で含有することにより表面電気抵抗値が1×10Ω以下を達成することができる。2g/m2よりも少ないと十分に表面電気抵抗を下げることができず、10g/m2を超えると表面電気抵抗の低下は頭打ちとなるかわりにコストアップになり効率的ではない。
導電性繊維にカールやキンクを与える方法としては、圧縮力を与えながら機械的な混練処理を施す方法が良い。混練処理を行う機械としては、レファイナー、スクリュープレス、ニーダー、二軸ミキサー、ディスパーザー等を使用することができ、これらは同一手段を2段組合せて実施してもよく、異なる手法を2段組合せても良い。繊維は水に分散した状態で混練処理し、このときの繊維の濃度は10〜50%、好ましくは15〜35%である。この際の処理温度は、常温、加温下のどちらでも良い。尚、混練処理の際に分散剤を添加しても良い。分散剤としては、ポリカルボン酸型などの高分子型分散剤、非イオン、アニオン性の界面活性剤型分散剤、ポリリン酸などの無機型分散剤がある。
一方、導電性繊維にカールやキンクを付与する方法としては、公知の巻縮繊維を使用することもできる。巻縮繊維としては、既に顕在化しているもの、潜在的に巻縮をもつもの、どちらでも良い。巻縮数としては、カールファクターCが1.05〜1.55の範囲であれば特に問題はないが、巻縮が顕在化した段階で10〜90個/インチ程度が好ましい。巻縮繊維としては、スパイラル状の繊維が伸縮性に優れているので好ましい。このスパイラル状構造の繊維としては複合繊維で巻縮が顕在化或は潜在化しているもの、単一成分で特定の熱履歴で巻縮が顕在化しているもの、或は潜在化しているもの等がある。この中でも、高融点ポリエステルと低融点ポリエステルからなるサイドバイサイド型のような複合繊維がカール状態が安定しており好ましく使用できる。尚、ポリエステル以外でも、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11やアクリル繊維等、一般的な合成繊維を使用することができる。
パルプ繊維ネットワークとの絡みの強さは、機械的な混練処理の方が、巻縮繊維よりも好ましい。これは、機械的な混練処理により、導電性繊維表面にシワ状の凹凸ができるためであり、これによって、パルプ繊維との接着面積が増えるためだと考えられる。
カールやキンクの尺度を本発明ではカールファクターCとして、(数1)によって定義した。
Figure 2007137436
ここで、Cはカールファクター、L1は繊維長さ、L2は繊維の両端の距離を示しており、カールファクターCが大きい程に繊維のカールやキンクが大きいことを示す。
カールファクターCが1.05よりも小さいと、台紙表面、即ちパルプ繊維のネットワークとの絡みが弱く導電性繊維が抜け落ちやすい。カールファクターCが1.55よりも大きいと、パルプ繊維のネットワークとの絡みは強いが、導電性繊維がダマ状に撚れやすく、また、導電性繊維間の接触度合いが低下し導電路を形成しにくくなるため、導電化の効率が落ちてしまう。
本発明では、導電性繊維の状態をカール或はキンクと表現している。ここで、カールとは曲率をもって繊維が湾曲している状態であり、キンクとは繊維が折れている場合を示している。本発明では、カールとキンクでの、導電化への影響度に差はなく、カールファクターCが規定の範囲内にあることが重要である。 導電性繊維のカールファクターCは水に分散した導電性繊維をガラス板上に滴下、乾燥後、導電性繊維の両端の距離を測定し、(数1)にしたがって算出した。同様にして100本分の導電性繊維を測定し、平均を求めた。
本発明において無塵化のために含浸又は塗布に使用する熱可塑性樹脂はエマルジョンとして扱いやすいアクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが使用でき、消泡剤、増粘剤、導電剤、帯電防止剤などを配合することもできる。樹脂エマルジョンとしては、ガラス転移温度が−20〜10℃の範囲が良い。−20℃よりも低いと粘着性が強くなりブロッキングが生じやすい。一方、10℃よりも高いと、柔軟性が低下し発塵を抑える効果が低下して、効率的ではない。樹脂エマルジョンの含浸量は含浸後の台紙用紙に対して3〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%である。含浸量が3%未満では発塵を抑える効果が十分ではなく、20%を超えて含浸しても発塵を抑える効果は変わらない。又、樹脂エマルジョンにリチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等の有機塩類、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子などの帯電防止剤を混合して使用することができる。
本発明において、カールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維と、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される熱可塑性樹脂とを、共に含有させる方法としては、導電性繊維と前記熱可塑性樹脂をエマルジョンとして混合して含浸又は塗布する、或は樹脂エマルジョンを含浸又は塗布後に導電性繊維を含浸又は塗布する、或は導電性繊維を含浸又は塗布後に樹脂エマルジョンを塗布する、という方法があるが、カールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維と、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂エマルジョンとを、共に含有していることが重要であり、何等制限を受けるものではない。ただし、導電性繊維の抜け落ちを防止を高めるためには導電性繊維を含む塗料を含浸又は塗布した後に、樹脂エマルジョンを含浸又は塗布する方法が好ましい。
導電性繊維と樹脂エマルジョンを混合して含浸又は塗布する場合は、導電性繊維の樹脂エマルジョンへの配合率は、3質量%〜50質量%、好ましくは10〜35質量%が良い。3質量%未満だと導電性が不十分であり、50質量%よりも多くすると、導電性繊維の分散が著しく悪化し、均一な塗布ができなくなるだけでなく、大幅なコストアップとなる。
樹脂エマルジョンを含浸又は塗布後に導電性繊維を含浸又は塗布する、或は導電性繊維を含浸又は塗布後に樹脂エマルジョンを塗布する場合は、導電性繊維をアクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される樹脂エマルジョンに分散させる、又は、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミドなどの水溶性ポリマーに分散させて使用する。この時の導電性繊維の分散は、導電性繊維と樹脂エマルジョンを混合して含浸又は塗布する場合と同様の比率が採用される。
含浸方法は、オンマシンでのサイズプレス、スプレーによる塗工やオフマシンでのキスコート、ディッピング含浸、各種コーティングマシンなどがあり、これらに限定されるものではないが、多層抄きの板紙の紙層内部へ樹脂エマルジョンを十分に浸透させるためには、オフマシンでのキスコートとディッピング含浸の組合せが好ましい。塗工方法は、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が採用できるが、導電性繊維を均一に塗布するためにはエアーナイフコーターが好ましい。
本発明のチップ型電子部品収納台紙用紙は、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値および体積電気抵抗値が1×10Ω以下である。1×10Ωよりも高いと、カバーテープ剥離時の剥離帯電に対して除電が不十分になる。尚、導電性繊維は導電性繊維同士が接点を持つことにより導電性を発現し、完全な導電化になると1×10Ωを示した。
本発明で使用される原料パルプは各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよいが繊維形態が均一なパルプを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるパルプは公知の方法により叩解してもよく、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解した場合ではカナディアン・スタンダード・フリーネスで250〜550ml程度の処理が好ましい。560mlよりも高いと強度、得に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、歩留の低下、高密度化による量目損の問題だけでなく、樹脂エマルジョンの浸透性が低下し無塵化に障害が出る。
抄紙に際して、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、スチレン・アクリル、スチレン・オレフィン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤、タルク等の填料、染料等を使用することができるが、樹脂エマルジョンの浸透性を妨げないために、サイズ剤は極力使用しない。
本発明ではボトムテープ、カバーテープとの接着性を高めるために、ポリエチレンワックスエマルジョンを塗布することもできる。さらに塗布手段については、公知の各種方法が採用できる。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の坪量は、中に収納するチップ型電子部品の大きさにより決ってくるが、一般に200〜1000g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い多層抄きが好ましい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固型分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS P8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供した。尚、導電性、発塵性、実装テストの詳細は下記の通りである。
<カールファクターC>
10倍に拡大したチップ型電子部品収納台紙の表面写真から、導電性繊維の両端の距離を測定し、カールファクターCを(数1)にしたがって算出した。同様にして100本分の導電性繊維を測定し、平均を求めた。尚、含浸又は塗布前の導電性繊維のカールファクターとチップ型電子部品収納台紙に含浸又は塗布した後のカールファクターはほぼ同一の値を示した。
Figure 2007137436
<導電性>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、JIS K 6911に準拠して、三菱油化(株)製表面電気抵抗計Hiresta IP MCP−HT260を使用して、印加電圧100V、時間10秒間で表面電気抵抗を測定した。
<発塵性>
温度23℃、相対湿度45%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この台紙を、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」で、カバーテープ貼り付けと部品挿入を行わずに、速度2400タクト/min、1000m運転し、アンリール、部品挿入部の紙粉発生量と導電性繊維離脱量を目視で評価を行った。紙粉は全く発生しない場合を○、若干だが発生した場合を×とした。
<実装テスト>
温度23℃、相対湿度45%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティを作成し、縦0.6mm、横0.3mm、高さ0.30mmのコンデンサーチップを充填し、次いで、表面にカバーテープを貼る操作は、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」を使用して行った。表面にカバーテープを貼る条件は、ヒートシール温度190℃、ヒートシール圧力3.5kg、テーピング速度2400タクト/minであった。次に、温度27℃、相対湿度65%の環境下で松下電器産業(株)製の「Panasert MSR」を使用し、600個/minの実装速度で2万個を実装して、その間にコンデンサーチップの飛び出しによる実装ミスの回数をカウントした。次の式に従って不良率を算出した。
不良率(%)=実装ミスのカウント/20,000×100
導電性繊維(KBセーレン製Belltron/TYPE9R1、導電性カーボンブラック含有)のカット品(長さ5mm)にニーダー処理を施し、カールファクターCが異なる導電性繊維a、導電性繊維b、導電性繊維c、導電性繊維d、導電性繊維eを製造した。それぞれのカールファクターCは、1.02、1.10、1.30.1.50、1.65であった。次にそれぞれの導電性繊維をアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−280)に40%配合して、含浸又は塗工用の塗料を調製し、それぞれ調製液a、調製液b、調製液c、調製液d、調製液eを製造した。また、導電性繊維cを30%配合した以外は同様にして調製液fを製造した。
また、澱粉(王子コンスターチ製王子エースA)とポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)の固形分比7:3の混合液に、導電性繊維cを40%配合して調製液gを製造した。
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用には針葉樹クラフトパルプA30質量%、広葉樹晒クラフトパルプB70質量%の混合パルプをダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)450mlに調製し、中層用には針葉樹クラフトパルプA10質量%、広葉樹晒クラフトパルプB90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)410mlに調製し、裏層用には広葉樹晒クラフトパルプBを単独でダブル・ディスク・リファイナーでCSF(カナダスタンダード フリーネス)470mlまで叩解し、調製した。それぞれのパルプスラリーに硫酸バンドを対パルプ2.0質量%添加し、紙力剤としてポリストロン117(荒川化学工業社製、ポリアクリルアミド系紙力剤)を1.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを3層抄合わせ抄造機でそれぞれ表層90g/m2、中層140g/m2、裏層90g/m2で抄合わせて含浸前又は塗工前の原紙aを製造した。
実施例1〜3
原紙aにエアーナイフコーターで調製液b(実施例1)、調製液c(実施例2)、調製液d(実施例3)を乾燥塗布量として8g/m2塗布し乾燥後、更にオフマシン含浸機でアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−280)を乾燥塗布量として22g/m2塗布し、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
実施例4
原紙aにオフマシン含浸機でアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−280)を乾燥塗布量として22g/m2塗布し乾燥した後、エアーナイフコーターで調製液cを8g/m2塗布して、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
実施例5
原紙aにオフマシン含浸機で調製液fを乾燥塗布量として30g/m2塗布し、厚さ厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
比較例1〜2
原紙aにエアーナイフコーターで調製液a(比較例1)、調製液e(比較例2)、を乾燥塗布量として8g/m2塗布し乾燥後、更にオフマシン含浸機でアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−280)を乾燥塗布量として22g/m2塗布し、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
比較例3
原紙aにエアーナイフコーターで調製液fを乾燥塗布量として8g/m2塗布し乾燥後、更にオフマシン含浸機で澱粉(王子コンスターチ製王子エースA)とポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)の固形分比7:3の混合液を乾燥塗布量として22g/m2塗布し、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
比較例4
原紙aにオフマシン含浸機でアクリル酸エステル樹脂(昭和高分子製AM−280)を乾燥塗布量として30g/m2塗布し、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
比較例5
原紙aに澱粉(王子コンスターチ製王子エースA)とポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)の固形分比7:3の混合液を、オフマシン含浸機で乾燥塗布量として30g/m2塗布し、厚さ0.42mmのチップ型子部品収納台紙を製造した。
得られた試料のカールファクターC、導電性、発塵性、実装テストを前述の方法で評価した。評価結果を表1に示す。実施例1〜5は比較例1〜5と比較して、表面電気抵抗値が10Ω以下であり、発塵がなく、実装テストにおいても不良率が低いという結果を得た。
実施例と比較例との対比から明らかなように、本発明の要件を満たすチップ型電子部品収納台紙は、カバーテープ剥離時の帯電が少ない上に、発塵もなく、極小チップ対応の包装材として優れている。
Figure 2007137436

Claims (2)

  1. チップ型電子部品を収納するチップ型電子部品収納台紙であって、(数1)で定まるカールファクターCの平均が1.05〜1.55の範囲にある導電性繊維と、熱可塑性樹脂を共に含有したことにより、23℃、50%RHの環境条件下での紙の表面電気抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
    Figure 2007137436
  2. 台紙中に導電性繊維を2g/m以上含むことを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
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