JP2007137361A - 車両用ドア開閉検知システム - Google Patents

車両用ドア開閉検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】 車両の美観を損なうことなく、ドア開閉時におけるドアの障害物への接触を防止することが可能であり、ドア開閉に関する利便性に優れた車両用ドア開閉検知システムを提供すること。
【解決手段】 車体にヒンジを介してドアが設けられ、上記ドアの外面に、ヒンジを介してドアノブが取り付けられるとともに、上記ドアノブを把持する操作者の手が挿入される把持用凹部が形成されている車両に設置される車両用ドア開閉検知システムであって、上記把持用凹部内に設けられ、上記ドアノブより下方の所定領域内にある物体を検知する物体検知手段と、上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする車両用ドア開閉検知システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車両に設置される車両用ドア開閉検知システムに関する。
自動車等の車両のドアが引きドアである場合、運転者や同乗者(以下、運転者等ともいう)がドアを開くときに不注意によってドアの周縁部を障害物に接触させてしまうことがある。そこで、従来から、ドアの周縁部に、ゴム等の弾性体からなるクッション帯が設けられているものが存在する。ドアの周縁部にクッション帯が設けられていると、ドアの周縁部が障害物に直接接触することを防止することができるため、障害物との接触時にドアに加わる衝撃を緩和することができるとともに、ドアの周縁部に傷や凹みが生じることを防止することができる。
しかし、ドアの周縁部にクッション帯が設けられていても、ドアの外面と障害物との接触を防止することはできないため、障害物の位置や形状等によっては、ドアの外面が障害物に直接接触してしまうことがあった。その結果、障害物との接触時にドアに強い衝撃が加わって運転者等が不快感を抱いたり、ドアの外面に傷や凹みが生じたりすることがあった。
このような問題を解決すべく、従来、例えば、ドアに障害物検知用のセンサが取り付けられ、ドアが開閉される場合には、このセンサからの信号に基づいて障害物の位置と形状とを算出し、この障害物に干渉しない範囲でドアの自動開閉を許容するように構成された車両用ドアの開閉制御装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の車両用ドアの開閉制御装置によれば、ドアと障害物との接触を防止することができる。
特開平6−286461号公報
ところで、運転者等がドアを開くときにドアを障害物に接触させてしまう事態は、障害物がドアの窓から視認可能な位置にない場合(運転者等から見えない高さにその障害物が存在している場合)に起こる可能性が高い。運転者等がドアの窓から視認可能な位置に障害物が存在していれば、当然に運転者等は障害物とドアとが接触しないように注意を払ってドアを開くのである。
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ドアの開閉制御装置では、どの高さにある障害物を検知可能とするかについて何ら考慮されていない。従って、ドアの窓から視認可能な位置に障害物が存在する場合であっても、その障害物に基づいてドアの自動開閉を許容する範囲が決定され、ドアの開閉範囲が制限される事態が生じ得るため、利便性に欠けるという問題があった。
例えば、障害物がドアの窓から視認可能な位置にのみ存在していることが明らかであり、その障害物が、ドアと接触しても構わないと運転手等が考えるようなもの(例えば樹木の枝)である場合には、運転者等は、ドアを開くか否か、ドアを開くのであればどの程度まで開くかを自分で判断した方が、円滑にドアを開くことができる。逆に、そのような障害物に基づいてドアの開閉範囲が制限されると、却ってその制限を解除する操作等を行う必要が生じるため、運転者等にとっては煩わしい手間が増えてしまうことになる。
また、特許文献1に記載の車両用ドアの開閉制御装置では、ドアの開閉範囲が自動的に制御されるため、障害物の位置や運転者等が所持する荷物によっては、運転者等が車内から出ることができない事態が生じ得るため、利便性に欠けるという問題があった。
例えば、障害物とドアとの距離が狭い場合や、運転者等が所持する荷物が大きい場合等には、車内から出るためにドアと障害物とを接触させなければならない事態も生じ得る。
このような場合にも、障害物に基づいてドアの開閉範囲が制限されると、却ってその制限を解除する操作等を行う必要が生じるため、運転者等にとっては煩わしい手間が増えてしまうことになる。
さらに、特許文献1に記載の車両用ドアの開閉制御装置では、障害物検知用のセンサがドアの外面に露出しているため、センサが破損したり、センサが汚れてしまい障害物の検知精度が低下したりするという問題があった。また、センサがドアの外面に露出しているため、車両の美観が損なわれるという問題もあった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の美観を損なうことなく、ドア開閉時におけるドアの障害物への接触を防止することが可能であり、ドア開閉に関する利便性に優れた車両用ドア開閉検知システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 車体にヒンジを介してドアが設けられ、上記ドアの外面に、ヒンジを介してドアノブが取り付けられるとともに、上記ドアノブを把持する操作者の手が挿入される把持用凹部が形成されている車両に設置される車両用ドア開閉検知システムであって、
上記把持用凹部内に設けられ、上記ドアノブより下方の所定領域内にある物体を検知する物体検知手段と、
上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする車両用ドア開閉検知システム。
(1)の発明によれば、把持用凹部内に、ドアノブより下方の所定領域内にある物体を検知する物体検知手段(例えば光学センサ)が設けられ、上記物体検知手段により物体が検知されたことを契機として、車体内において所定の音、光又は画像が出力される。
従って、運転者等は、ドアの窓から視認することができない位置に障害物が存在することを知ることができ、ドアを開くことによってドアが障害物に接触することを未然に防ぐことができる。
上記物体検知手段により検知される物体は、ドアノブより下方の所定領域内にある物体であるため、ドアノブより上方に位置する物体については上記物体検知手段により検知されず、所定の音、光又は画像は出力されない。従って、ドアの窓から視認可能な位置に障害物が存在する場合には、運転者等は、所定の音、光又は画像に惑わされることなく、ドアを開くか否か、ドアを開くのであればどの程度まで開くかを自分で判断し、円滑にドアを開くことができる。また、上記物体検知手段により物体が検知された場合、車体内において所定の音、光又は画像が出力されるが、ドアの開閉範囲が制限されることはない。従って、障害物とドアとの距離が狭い場合や、運転者等が所持する荷物が大きい場合等には、車内から出るためにドアと障害物と接触させるか否かを自分で判断し、円滑にドアを開くことができる。
さらに、把持用凹部内に、物体検知手段が設けられていて、ドアの外面に露出していないため、物体検知手段が破損したり汚れたりすることを防止することが可能であり、物体検知手段によって車両の美観が損なわれることもない。
さらに本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)のシステムであって、
上記ドアが開状態であるか閉状態であるかを検知する開閉状態検知手段を備え、
上記開閉状態検知手段により上記ドアが開状態であると検知されているとき、上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする。
(2)の発明によれば、ドアが開かれた状態の時にのみ動作することとなり、例えば走行中といった、上記システムの動作が不要な状態の時に、不必要に動作しないようにすることが可能となる。
さらに本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(2)のシステムであって、
上記ドアが内側から開かれたか外側から開かれたかを検知する開閉方向検知手段を備え、
上記開閉方向検知手段により上記ドアが内側から開かれたと検知されているとき、上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする。
ドアを車両の外側から開く場合、ドアを開く人間は、ドアの軌道上にある障害物の存在を視認可能な状態にあり、上記システムの動作は不要である。(3)の発明によれば、ドアが内側から開かれた場合にのみ動作することとなり、上記のような状態の場合に、不必要に動作しないようにすることが可能となる。
さらに本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(3)のシステムであって、
上記ドアをロックするロック手段を備え、
上記ロック手段による上記ドアのロックが解除されたとき、上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする。
(4)の発明によれば、ドアを開ける前段階であるロック解除の時点で、車内の人間に障害物の存在を知らせることができるため、ドアが障害物に接触する可能性を大幅に減少させることができる。従って、内側から勢いよくドアを開いた時に、上記出力手段による音、光又は画像の出力に運転者等が気付く前に、ドアが障害物に接触してしまうということを防止することができる。
さらに本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(4)のシステムであって、
上記車両のエンジンが停止したとき、上記物体検知手段により上記物体が検知されたことを契機として、上記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする。
(5)の発明によれば、さらに早く車内の人間に障害物の存在を知らせることができ、ドアが障害物に接触する可能性を減少させることができる。
さらに本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(5)のシステムであって、
上記ドアがロックされているとき、により上記物体が検知されたことを契機として、警告音を出力する警告音出力手段を備えたことを特徴とする。
(6)の発明によれば、上記物体検知手段を、障害物の検知以外に不審者の接近の発見にも用いることで、車両を盗難しようとする者に警告を発し、車両の盗難を未然に防ぐことができる。
本発明によれば、車両の外観を損なうことなく、ドア開閉時のドアの障害物への接触、及び車両の盗難を防止することができる。
図1(a)は、本発明に係る車両用ドア開閉検出システムが設置された自動車を模式的に示す部分側面図であり、(b)は、(a)に示した自動車の部分正面図である。
なお、本実施形態では、本発明の車両用ドア開閉検出システムを普通自動車に適用した場合について説明する。ただし、本発明の車両用ドア開閉検出システムを適用可能な車両としては、特に限定されるものではなく、例えば、大型自動車や、特殊自動車、小型自動車、軽自動車を挙げることができる。
図1(a)に示すように、自動車10の車体17には、窓19を上部に有するドア11が、ヒンジ(図示せず)を介して設けられている。ヒンジは、ドア11の前端部11bの裏側に設けられていて、ドア11は、前端部11b側を軸として、後端部11c側が開閉するように構成されている。なお、図1は、ドア11が閉じられた状態を示している。
また、ドア11の外面11aには、外側ドアハンドル部12が設けられている。外側ドアハンドル部12は、窓19の下側近傍における後端部11c寄りに位置している。
外側ドアハンドル部12は、ドア11の外面11aにヒンジ(図示せず)を介して取り付けられた外側ドアノブ14と、外側ドアノブ14を把持する操作者の手が挿入される把持用凹部18と、把持用凹部18内に設けられた光電センサ13とからなる。外側ドアノブ14は、上記ヒンジにより把持用凹部18の上端近傍に取り付けられていて、把持用凹部18の上端を軸として、所定範囲内で回動可能に構成されている。
光電センサ13は、投受光器及び照度計を備えた反射型光電センサであり、物体検出手段として機能するものである。上記投受光器は、所定方向に赤外線を照射する一方、障害物等の物体からの反射光を受けるものである。また、上記照度計は、反射光の照度が所定値以上であるかを検知するものである。光電センサ13は、反射光の照度が所定値以上である場合に、物体を検出したことを示す検出信号を出力する。
図1において、一点鎖線により示す矢印Aは、光電センサ13から発せられる赤外線の光軸(以下、光軸Aという)を示し、二点鎖線により囲まれた領域Tは、光電センサ13の検出可能領域(以下、検出可能領域Tという)を示す。なお、検出可能領域Tは、一般に白色無光沢紙を標準検出体として示される領域である。従って、物体によっては、検出可能領域Tに含まれるものであっても検出されない場合があり、逆に、検出可能領域Tに含まれないものであっても検出される場合がある。また、図1(b)において、二点鎖線の間にある領域Eは、運転者Dの視野(以下、視野Eという)を示し、Sは、障害物を示す。
図1(a)、(b)に示すように、光軸Aは、ドア11の外面11aより外側に且つ下方に向けられていて、運転者Dの視野Eに含まれないように設定されている。また、検出可能領域Tは、外側ドアノブ14より下方に位置していて、運転者Dの視野Eに含まれないように設定されている。
図1(b)に示すように、障害物Sは、運転者Dの視野Eに含まれていないので、運転者Dから障害物Sは見えていない。また、図1(b)に示すように、ドア11が閉じられた状態では、障害物Sは、検出可能領域Tに含まれないので、光電センサ13によって検出されない。
図2は、図1に示した自動車の外側ドアノブ付近を模式的に示す部分拡大斜視図である。
ドア11の外面11aには、外側ドアハンドル部12が設けられている。外側ドアハンドル部12は、上述したように、外側ドアノブ14と、把持用凹部18と、把持用凹部18内に設けられた光電センサ13とからなる。外側ドアノブ14が手前に引かれることによってドア11が開く。図2では、外側ドアノブ14が手前に引かれた状態を示している。図中、太線で示す矢印は、外側ドアノブ14の動作方向を示す。
なお、外側ドアノブ14が手前に引かれていない状態では、把持用凹部18内に設けられた光電センサ13は、外側ドアノブ14によって隠れるため、ドア11の正面からは視認されない。ただし、光電センサ13は、光軸Aが下方に向くように設けられているので、外側ドアノブ14が手前に引かれているか否かにかかわらず、外側ドアノブ14より下方に位置する検出可能領域Tに含まれる物体を検出可能である。
図3は、図1に示した自動車の内側ドアノブ付近を模式的に示す部分拡大斜視図である。
ドア11の内面11dには、内側ドアハンドル部20が設けられている。内側ドアハンドル部20は、上述したように、ドア11の内面11dに形成された凹部21と、凹部21内の上左側に設けられた操作片16aと、凹部21内の下側に設けられた内側ドアノブ15とからなる。
内側ドアノブ15が手前に引かれることによってドア11が開く。また、操作片16aは、後述するドアロック装置16と接続されている。ドアロック装置16は、操作片16aが操作されたときに、ドア11のロックするか、又は、ドア11のロックを解除する。なお、ドアロック装置16は、従来公知のものであるから、ここでの説明は省略する。図中、操作片16の近傍に付した太線の矢印は、操作片16の動作方向を示す。
上述したように、外側ドアノブ14又は内側ドアノブ15が手前に引かれることによって、ドア11が開く。但し、ドア11を開く手段としては、上述した二つの手段に限定されず、例えば、これらの手段に加えて、リモートコントロールによるドア11の自動開閉装置が設けられていてもよい。ドア11を開く手段の構成等にかかわらず、ドアロック装置16によってドアがロックされているときには、ドア11は開かない。ドアロック装置16は、操作片16aにより手動で操作されるものであるが、さらに、リモートコントロールによって操作されることとしてもよい。
図4(a)は、図1に示した自動車のドアが開いた状態を示す部分側面図であり、(b)は、(a)に示した自動車の部分正面図である。
自動車10の車体17にヒンジ(図示せず)を介して設けられたドア11は、ドア11の前端部11b側を軸として、後端部11c側が開いた状態となっている。それに伴って、ドア11の外面11bに設けられた外側ドアハンドル部12が移動し、外側ドアハンドル部12を構成する光電センサ13から出力される赤外線の光軸A及び光電センサ13の検出可能範囲Tが移動している。
図4(b)に示すように、ドア11が開いた状態であっても、障害物Sは、運転者Dの視野Eに含まれないので、運転者Dから障害物Sは見えていない。しかし、障害物Sは、検出可能範囲Tに含まれているので、光電センサ13によって検出されることになる。
このように、光電センサ13は、ドア11が開いたときに、運転者Dの視野Eに含まれない障害物Sを検出することが可能である。
図5は、図1に示した自動車の内部構成を示すブロック図である。
車両用ドア開閉検知システムは、車体17(図示せず)内に設けられた制御ユニット1によって動作が制御される。制御ユニット1は、CPU1aと、ROM1bと、RAM1cとを有している。CPU1aは、ROM1bに記憶されたプログラムを読み出して実行し、車両用ドア開閉検知システムの制御動作を行う。ROM1bには、車両用ドア開閉検知システムの動作を制御するためのプログラムや、音、光又は画像を出力する際に用いられるデータ等が記憶される。RAM1cは、CPU1aによる演算結果や処理結果等を示すデータを一時的に記憶する。
制御ユニット1には、光電センサ13、ドアロック装置16、ドア開閉状態スイッチ27、ドア開閉方向スイッチ28、エンジンスイッチ29、ディスプレイ30、警告灯31、スピーカ32及び解除ボタン34が接続されている。
光電センサ13は、外側ドアノブ14より下方の検出可能領域T(図1及び図4参照)内にある物体を検出するものである。光電センサ13は、物体を検出したときに、制御ユニット1が備えるCPU1aに、所定の検出信号を送信する。光電センサ13は、物体検出手段として機能するものである。
ドアロック装置16は、ドア11をロックする装置であり、操作片16aが運転者に操作された際にドア11のロック又はその解除を行う。ドアロック装置16は、ドア11のロック又はその解除を行ったとき、CPU1aに所定の信号を送信する。ドアロック装置16は、ロック手段として機能するものである。
ドア開閉状態スイッチ27は、ドア11に設けられた機械式スイッチであり、接点が車体17に接しているか否かによって、ドア11が開状態であるか閉状態であるかを検出する。
ドア11が閉状態にあるとき、接点が車体17と接触し、ドア開閉状態スイッチ27によってドア11が検出される。このとき、ドア開閉状態スイッチ27はONに設定される。
外側ドアノブ14又は内側ドアノブ15が操作されることによりドア11が開状態になると、接点が車体17と接触しなくなり、ドア開閉状態スイッチ27によってドア11が検出されなくなる。このとき、ドア開閉状態スイッチ27はOFFに設定される。
ドア開閉状態スイッチ27のON/OFFは、ドア開閉状態スイッチ27からCPU1aに供給される信号の有無によって、CPU1aに伝達される。
ドア開閉状態スイッチ27は、ドア11が開状態であるか閉状態であるかを検出する開閉状態検出手段として機能するものである。
ドア開閉方向スイッチ28は、ドア11に設けられた機械式スイッチであり、内側ドアノブ15が操作されていることを検出可能である。
内側ドアノブ15が操作されているとき、ドア開閉方向スイッチ28はONに設定される。内側ドアノブ15が操作されていないとき、ドア開閉方向スイッチ28はOFFに設定される。
ドア開閉方向スイッチ28のON/OFFは、ドア開閉方向スイッチ28からCPU1aに供給される信号の有無によって、CPU1aに伝達される。
ドア開閉方向スイッチ28は、ドア11が内側から開かれたか外側から開かれたかを検出する開閉方向検出手段として機能するものである。
エンジンスイッチ29は、エンジン(図示せず)の状態を示すスイッチである。エンジンスイッチ29は、エンジンが作動しているときにはONに設定される一方、エンジンが作動していないときにはOFFに設定される。
解除ボタン34は、車体17に設けられていて、運転者によって操作される。解除ボタン34が運転者によって操作されたときには、解除ボタン34からCPU1aに所定の信号が出力される。
ディスプレイ30、警告灯31及びスピーカ32は、車体17内に設けられていて、CPU1aから供給される信号に基づいて動作する。
ディスプレイ30、警告灯31及びスピーカ32は、出力手段として機能するものである。また、スピーカ32は、警告音出力手段として機能するものである。
次に、車両用ドア開閉検知システムにおいて行われる処理について、図6〜図7を用いて説明することにする。
図6は、状態判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU1aは、ドア11のロックの解除が行われたか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10において、CPU1aは、ドアロック装置16がドア11のロックを解除する処理を行ったときにドアロック装置16から出力される信号を受信した場合に、ドア11のロックの解除が行われたと判断する。
ステップS10において、ドア11のロックの解除が行われたと判断した場合には、CPU1aは、光電センサ13が検出可能領域T(図1及び図4参照)内の物体を検出したか否かを判断する(ステップS17)。ステップS17において、CPU1aは、光電センサ13から検出信号を受信した場合に、物体を検出したと判断する。
ステップS17において、光電センサ13が物体を検出したと判断した場合、CPU1aは、後述する報知処理(ステップS18)を実行し、ディスプレイ30による画像の表示、警告灯31の点灯及びスピーカ32による音の出力を行う。
この場合、ステップS18において、ディスプレイ30、警告灯31及びスピーカ32(出力手段)は、ロック装置16(ロック手段)によるドア11のロックが解除されたとき、光電センサ13(物体検出手段)により物体が検出されたことを契機として、車体17内において、それぞれ、画像、光、音を出力することになる。
ステップS10において、ドア11のロックの解除が行われていないと判断した場合(ドア11のロックが解除されていない場合又はドア11のロックが既に解除されている場合)、CPU1aは、エンジンの停止が行われたか否かを判断する(ステップS11)。ステップS11において、CPU1aは、エンジンスイッチ29の状態がONからOFFに切り替わったとき、エンジンの停止が行われたと判断する。ステップS11において、エンジンの停止が行われたと判断した場合には、CPU1aは、光電センサ13が検出可能領域T(図1及び図4参照)内の物体を検出したか否かを判断する(ステップS17)。光電センサ13が物体を検出したと判断した場合、CPU1aは、報知処理(ステップS18)を実行し、ディスプレイ30による画像の表示、警告灯31の点灯及びスピーカ32による音の出力を行う。
この場合、ステップS18において、ディスプレイ30、警告灯31及びスピーカ32(出力手段)は、自動車10のエンジンが停止したとき、光電センサ13(物体検出手段)により物体が検出されたことを契機として、車体17内において、それぞれ、画像、光、音を出力することになる。
ステップS11において、エンジンの停止が行われていないと判断した場合(エンジンが停止していない場合又はエンジンが既に停止している場合)、CPU1aは、ドア開閉状態スイッチ27がONに設定されているか否かを判断する(ステップS12)。なお、ドア開閉状態スイッチ27がONに設定されている場合、ドア11が閉状態であり、ドア開閉状態スイッチ27がOFFに設定されている場合、ドア11が開状態である。
ステップS12において、ドア開閉状態スイッチ27がONに設定されていないと判断した場合(ドア11が開状態である場合)、CPU1aは、ドア開閉方向スイッチ28がONに設定されているか否かを判断する(ステップS13)。ドア開閉方向スイッチ28がONに設定されていると判断した場合、CPU1aは、光電センサ13が検出可能領域T(図1及び図4参照)内の物体を検出したか否かを判断する(ステップS17)。光電センサ13が物体を検出したと判断した場合、CPU1aは、報知処理(ステップS18)を実行し、ディスプレイ30による画像の表示、警告灯31の点灯及びスピーカ32による音の出力を行う。
この場合、ステップS18において、ディスプレイ30、警告灯31及びスピーカ32(出力手段)は、ドア開閉状態スイッチ27(開閉状態検出手段)によりドア11が開状態であると検出され、さらにドア開閉方向スイッチ28(開閉方向検出手段)によりドア11が内側から開かれたと検出されているとき、光電センサ13(物体検出手段)により物体が検出されたことを契機として、車体17内において、それぞれ、画像、光、音を出力することになる。
ステップS13において、ドア開閉方向スイッチ28がONに設定されていないと判断した場合、ステップS10に処理を戻す。
ステップS12において、ドア開閉状態スイッチ27がONに設定されていると判断した場合(ドア11が閉状態である場合)、CPU1aは、ドアロック装置16がONに設定されているか否かを判断する(ステップS14)。ドアロック装置16がONに設定されていないと判断した場合、ステップS10に処理を戻す。一方、ドアロック装置16がONに設定されていると判断した場合、CPU1aは、エンジンスイッチ29がONに設定されているか否かを判断する(ステップS15)。エンジンスイッチ29がONに設定されていると判断した場合、ステップS10に処理を戻す。一方、エンジンスイッチ29がONに設定されていないと判断した場合、CPU1aは、RAM1cの所定領域において、盗難防止モードフラグをONにセットする(ステップS16)。なお、盗難防止モードフラグは、盗難防止モードに移行しているか否かを判別する際に参照されるフラグである。
ステップS16の処理を実行した後、CPU1aは、光電センサ13が検出可能領域T(図1及び図4参照)内の物体を検出したか否かを判断する(ステップS17)。光電センサ13が物体を検出したと判断した場合、CPU1aは、報知処理を実行する(ステップS18)。
ステップS17において、光電センサ13が物体を検出していないと判断した場合、又は、ステップS18の処理を実行した場合には、ステップS10に処理を戻す。
図7は、報知処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU1aは、盗難防止モードフラグがONにセットされているか否かを判断する(ステップS20)。盗難防止モードフラグがONにセットされていると判断した場合、CPU1aは、警告音出力処理を行う(ステップS21)。ステップS21において、CPU1aは、ROM1bに記憶されている警告音出力用の音データを読み出し、その音データに基づいて、スピーカ32に所定の信号を出力する。その結果、スピーカ32から警告音が出力される。
このとき、スピーカ32は、ロック装置16(ロック手段)によりドア11がロックされているとき(図6、ステップS14:YES)、光電センサ13(物体検出手段)により物体が検出されたことを契機として(図6、ステップS17:YES)、警告音を出力する警告音出力手段として機能する。警告音は、駐車中の自動車10に不審者が近づいてきた場合に出力される音であり、不審者に警告を発することを目的とした音である。従って、車体17内のみならず、車体17外にも聞こえるように出力される。
次に、CPU1aは、解除ボタン22が押下されたか否かを判断し(ステップS22)、解除ボタン22が押下されたと判断したときには、スピーカ32からの警告音の出力を終了する(ステップS23)。続いて、CPU1aは、盗難防止モードフラグをOFFにセットし(ステップS24)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS20において、盗難防止モードフラグがOFFにセットされている場合、CPU1aは、障害物検出報知処理を行う(ステップS25)。
この処理において、CPU1aは、ROM1bに記憶されている報知用の音データを読み出し、その音データに基づいて、スピーカ32に所定の信号を出力する。その結果、スピーカ32から警告音が出力される。また、CPU1aは、警告灯31に対して所定の信号を出力し、警告灯31を点灯させる処理を行う。さらに、CPU1aは、ROM1bに記憶されている報知用の画像データを読み出し、その画像データに基づいて、ディスプレイ30に画像を表示する処理を行う。
次に、CPU1aは、解除ボタン22が押下されたか否かを判断し(ステップS26)、解除ボタン22が押下されたと判断したときには、ディスプレイ30における画像の表示、警告灯31の点灯、及び、スピーカ32による音の出力を終了する(ステップS27)。
ステップS27の処理を実行したときには、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、ディスプレイ30における画像の表示、警告灯31の点灯、及び、スピーカ32による音の出力が行われる場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく、これらのうちのいずれか1以上が行われることとしてもよい。また、車内灯の点滅等を行うこととしてもよい。さらに、光電センサ13により検出された物体とドア11とが接触しないように、ドア11の可動範囲を制限することとしてもよい。なお、ドアの可動範囲を制限する機構については、従来公知のものであり、特開平9−60386等に詳述されているから、ここでの説明は省略する。
本実施形態では、解除ボタン24が押下された際に警告音の出力を停止する場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく、例えば、エンジンキーがエンジンスロットに差し込まれた際に、警告音の出力を停止させることとしてもよい。また、警告音を出力してから所定時間が経過したときに警告音の出力を停止させることとしてもよい。
本実施形態では、解除ボタン24が押下された際に障害物検出報知を停止する場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく、例えば、エンジンキーがエンジンスロットに差し込まれた際に、障害物検出報知を停止することとしてもよい。また、障害物検出報知を開始してから所定時間が経過したときに障害物検出報知を停止することとしてもよい。なお、警告音の出力を停止する方法と、障害物検出報知を停止する方法とは、同一の方法である必要はなく、夫々異なる方法であってもよい。
本実施形態では、物体検出手段が、光電センサである場合について説明した。ただし、本発明において、物体検出手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、超音波センサや磁気センサ等の従来公知の非接触センサを挙げることができる。
本実施形態では、ドアが横方向に開閉する場合について説明したが、本発明において、ドアの開閉方向は、特に限定されるものではなく、例えば、上下方向に開閉することとしてもよい。また、本実施形態では、運転席近傍のドアに物体検出手段(光電センサ)が設けられている場合について説明したが、本発明において、物体検出手段が設けられるドアは、特に限定されるものではない。例えば、全てのドアに物体検出手段が設けられていてもよい。
なお、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
(a)は、本発明に係る車両用ドア開閉検出システムが設置された自動車を模式的に示す部分側面図であり、(b)は、(a)に示した自動車の部分正面図である。 図1に示した自動車の外側ドアノブ付近を模式的に示す部分拡大斜視図である。 図1に示した自動車の内側ドアノブ付近を模式的に示す部分拡大斜視図である。 (a)は、図1に示した自動車のドアが開いた状態を示す部分側面図であり、(b)は、(a)に示した自動車の部分正面図である。 図1に示した自動車の内部構成を示すブロック図である。 状態判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 報知処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御ユニット
1a CPU
1b ROM
1c RAM
10 自動車
11 ドア
11a (ドアの)外面
11b (ドアの)前端部
11c (ドアの)後端部
11d (ドアの)内面
12 外側ドアハンドル部
13 光電センサ
14 外側ドアノブ
15 内側ドアノブ
16 ドアロック装置
16a 操作片
17 車体
18 把持用凹部
19 窓
20 内側ドアハンドル部
21 凹部

Claims (6)

  1. 車体にヒンジを介してドアが設けられ、前記ドアの外面に、ヒンジを介してドアノブが取り付けられるとともに、前記ドアノブを把持する操作者の手が挿入される把持用凹部が形成されている車両に設置される車両用ドア開閉検出システムであって、
    前記把持用凹部内に設けられ、前記ドアノブより下方の所定領域内にある物体を検出する物体検出手段と、
    前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、前記車体内において所定の音、光又は画像を出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする車両用ドア開閉検出システム。
  2. 前記ドアが開状態であるか閉状態であるかを検出する開閉状態検出手段を備え、
    前記出力手段は、前記開閉状態検出手段により前記ドアが開状態であると検出されているとき、前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、前記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア開閉検出システム。
  3. 前記ドアが内側から開かれたか外側から開かれたかを検出する開閉方向検出手段を備え、
    前記出力手段は、前記開閉方向検出手段により前記ドアが内側から開かれたと検出されているとき、前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、前記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア開閉検出システム。
  4. 前記ドアをロックするロック手段を備え、
    前記出力手段は、前記ロック手段による前記ドアのロックが解除されたとき、前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、前記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア開閉検出システム。
  5. 前記出力手段は、前記車両のエンジンが停止したとき、前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、前記車体内において所定の音、光又は画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア開閉検出システム。
  6. 前記ドアをロックするロック手段と、
    前記ロック手段により前記ドアがロックされているとき、前記物体検出手段により前記物体が検出されたことを契機として、警告音を出力する警告音出力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の車両用ドア開閉検出システム。
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