JP2007136293A - 液状有機性廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿式酸化法により酸化処理した後に生じる処理液の着色を抑制し、なおかつ高い脱水性を得ることができる、特にLPO法に適した、液状有機性廃棄物を低濃度色度にて処理方法を提供する。
【解決手段】 湿式酸化反応によって液状有機性廃棄物を分解処理する方法において、同廃棄物に硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を添加することにより液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0に調整し、その後に湿式酸化反応を行うことによって液状有機性廃棄物を低濃度色度にて分解させる。
【選択図】図1
【解決手段】 湿式酸化反応によって液状有機性廃棄物を分解処理する方法において、同廃棄物に硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を添加することにより液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0に調整し、その後に湿式酸化反応を行うことによって液状有機性廃棄物を低濃度色度にて分解させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、屎尿、浄化槽汚泥、下水汚泥、余剰汚泥、消化汚泥、生ごみ等の液状有機性廃棄物を湿式酸化処理方法により処理する方法に関する。
従来から、屎尿、浄化槽汚泥、下水汚泥、余剰汚泥、消化汚泥、生ごみ(適宜、水が加えられる)等の液状有機性廃棄物を処理する方法の一つとして湿式酸化処理法が知られている。
湿式酸化処理法とは、液状有機性廃棄物等の被酸化物を粉砕等して、これを加温しつつ水が液相を保持するような圧力下で、酸素等の酸化剤の存在下に被酸化物を酸化分解する方法である。湿式酸化処理法によれば、液状有機性廃棄物自体を酸化分解することで、固体成分の可溶化による固体成分の減量化を達成することができ、さらに、有機性廃棄物を改質することにより脱水性の向上も図ることができる。
湿式酸化処理法は、酸化処理時の圧力に応じて、酸化処理温度を260℃以上とするHPO(高圧酸化)法、酸化処理温度を180〜260℃とするMPO(中圧酸化)法および酸化処理温度を180℃以下とするLPO(低圧酸化)法に分類される。HPO法およびMPO法では、被酸化物を分解するエネルギーが大きいので、可溶化による減量化および脱水性の効果が大きく、逆に、LPO法では、HPO法およびMPO法と比較して少ないエネルギー量で被酸化物を処理することができるので、ランニングコストを低減することができるとともに初期設備費を抑えることができる。
上記いずれの方法においても、装置系内でのスケール抑制や処理液の中和のために、液状有機性廃棄物に予め水酸化ナトリウム等のアルカリ性薬剤を添加することによりpHを8以上の条件として酸化処理を行うのが通常である。
しかしながら、アルカリ性条件で酸化を行う湿式酸化法では、上記のいずれの方法においても、酸化処理に伴って黒褐色および/または赤褐色の色度成分が生成され、酸化処理後に生じる処理液が高度に着色するという問題がある。特に、酸化処理時のエネルギーが小さいLPO法においてこのような着色化の問題が顕著に現れる。
また、上記の中性またはアルカリ性条件で酸化処理を行う方法では、十分な脱水性を得ることができないという問題もある。
特許文献1には、酸化処理前の被酸化対象物に触媒および0.01mol/lの硫酸を添加し、pHを8以下とした後にHPO法にて処理する方法が記載されている。しかしながら、この酸化処理方法では、有機物の低減や窒素成分の形態変化について効果が得られることが記載されているものの処理液の色度を低減できることには一切触れられていない。
色度を抑制する方法として、特許文献2には、リン固定化剤の無機化合物を添加することにより熱処理系内での溶解性リン酸態リン濃度を20mg/l以下に保ち、結果的に、処理液の色度を抑制する方法が記載されている。この方法では、熱処理前にアルカリ剤を添加して有機性廃液を中性またはアルカリ性の域で熱処理を行っており、この方法では、十分な脱水性を得ることができない。
特表平2−265695号公報
特開2003−340491号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、湿式酸化法により酸化処理した後に生じる処理液の着色を抑制し、なおかつ高い脱水性を得ることができる、特にLPO法に適した、液状有機性廃棄物を低濃度色度にて処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法は、湿式酸化処理反応によって液状有機性廃棄物を分解処理する方法において、同廃棄物に硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群(以下、「硫酸系試薬」と称する)から選択される少なくとも1種を添加することにより液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0に調整し、その後に湿式酸化反応を行うことによって液状有機性廃棄物を低濃度色度にて分解させることを特徴とするものである。
上記本発明の方法において、湿式酸化反応を温度140〜175℃、圧力0.5〜1.0MPa(ゲージ圧)以下で行うことが好ましい。
上記本発明の方法において、湿式酸化反応の酸化剤が酸素含有ガスであり、該酸素含有ガスの酸素濃度が少なくとも21%であることが好ましい。
上記本発明の方法において、上記の酸化分解処理を行う前に、温度190〜230℃、圧力1.2〜2.8MPaの無酸素水熱処理を行う場合もある。
本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法によれば、硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を添加することにより液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0に調整し、その後に湿式酸化反応を行うので、汚泥の可溶化に伴う減量化の効果を従来法とほぼ同程度に維持しながら、酸化処理後の着色度を大幅に低減させることができ、さらに、脱水性を大幅に改善することができる。本発明で添加される硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムはいずれも水酸化ナトリウム等に比べ安価であり、注入量も少なくて済むため、湿式酸化処理に要するコストを低くすることができる。
以下、本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法を説明するフローシートである。
本発明の方法の処理対象物である液状有機性廃棄物は、屎尿、浄化槽汚泥、下水汚泥、余剰汚泥、消化汚泥、生ごみ(適宜、水が加えられる)等である。
本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法では、まず、屎尿等の液状有機性廃棄物を、液状有機性廃棄物貯留槽(1)に投入し、液状有機性廃棄物貯留槽(1)に備えられ得た攪拌機(図示を省略)を稼働させる。
所定時間にわたって液状有機性廃棄物を攪拌した後、硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の硫酸系試薬を液状有機性廃棄物貯留槽(1)中の液状有機性廃棄物に添加し、液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0、好ましくは2.0〜3.0に調整する。硫酸系試薬を用いてpHを上記範囲に調整することにより、酸化処理した後に得られる処理液の着色を抑制することができ、かつ、脱水率を向上させることができる。
添加される硫酸系試薬は、硫酸、硫酸第二鉄および硫酸アルミニウムのうちのいずれか1つのみを単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。LPO法において、硫酸、硫酸第二鉄および硫酸アルミニウムの単独または複数を組み合わせた添加は、単独作用または複数種の相互作用により、処理液の着色度の抑制および処理液中の有機成分の不溶化(除去)による生物処理負荷の低減においてより優れているという特徴を有している。
また、このような硫酸系試薬を添加することによるpH調整時に、液状有機性廃棄物貯留槽(1)に投入されている液状有機性廃棄物の固体成分が可溶化されるとともに、若干の固体成分の減量化がなされる。その減量化の程度は、pHの低下に比例する。図2にこの減量化の効果を説明する。なお、図2において、硫酸注入した場合に可溶化率より減量化率のほうが高くなっているのは、pHの低下により、固体の有機成分に加えて浮遊物質(SS)中の灰分(強熱残留物)も液状有機性廃棄物中に溶解しているためであると考えられる。
液状有機性廃棄物貯留槽(1)にてpH調整された原料は、ポンプ手段(本実施の形態では定量供給ポンプ(2))によって、ヒータ(3)に通されて加温された後に熱交換器(4)に移送される。熱交換器(4)の圧力は所定値に保たれる。熱交換器(4)では、原料と、先行して水熱処理がなされた成分とで熱交換が行われ、ヒータ(3)で加温された原料がさらに加温される。
次いで、熱交換器(4)にて加温された原料は、ヒータ(5)に通されて、水熱反応に適した温度まで加温される。ヒータ(5)で加温された原料は、切換弁(6)および(7)の開閉の切換によって、水熱反応器(8)または酸化反応器(10)のいずれかに通される。なお、ヒータ(5)は、処理される原料を水熱処理に適した温度に加温するために設置されるものであるので、切換弁(7)の開により水熱反応器(8)に通さずに酸化反応器(10)に通す場合には、ヒータ(5)の駆動は停止される。
切換弁(6)の開により原料が水熱反応器(8)に通される場合、原料は、ヒータ(5)により、190〜230℃に加温され、1.2〜2.8MPaに加圧され、原料の水熱反応を行わせる。
なお、水熱反応器(8)の加熱は、ヒータではなく、下部から高圧水蒸気を吹き込ませて行わせることもできる。
水熱反応後の処理液は、熱交換器(4)に通されて、水熱処理前の原料と熱交換されることにより温度が低下した後、酸化反応器(10)に通される。
このように酸化反応器(10)での後述の湿式酸化反応を行う前に水熱処理を行うことにより、液状有機性廃棄物の減量化、可溶化並びに改質のさらなる向上を図ることができるとともに、特に、後の湿式酸化処理がLPO法の条件であった場合には、温度域が140〜175℃では不十分にしか分解できなかった、液状有機性廃棄物中に含まれることがあるビニール類やポリプロピレン類等をもほぼ分解することができる。
水熱反応器(8)には、中央部に温度検出器(TIC)が、上部に液位検出器(LIC)が、そして頂部に圧力検出器(PIC)が設置され、これらの各検出器により水熱反応塔内の各温度、液位および圧力の各条件が設定値になるように制御される。
ヒータ(5)から直接または水熱反応器(8)を介して原料は、酸化反応器(10)に通される。ヒータ(5)または熱交換器(4)から酸化反応器(10)に至るラインの途中には、圧力制御弁(9)が設けられており、圧力制御弁(9)の開度を調節することにより、酸化反応器(10)内に通される原料の圧力は、1MPa未満に保たれている。
酸化反応器(10)は、その下部にボイラー(11)からの蒸気が注入され、注入される蒸気によって酸化反応器(10)内の原料は、所定の温度まで加熱される。ここで、蒸気により加熱される温度にて、酸化処理がHPO法であるか、MPO法であるか、またはLPO法であるかが異なる。また、このような蒸気の注入と共に、酸化反応器(10)の下部には、原料を酸化および改質等する処理を行うための供給ガスがコンプレッサー(12)の駆動により所定量注入される。注入される供給ガスの量は、酸化処理がHPO法であるか、MPO法であるか、またはLPO法であるかに応じて異なる。供給ガスは、空気または酸素含有ガスであり、空気が注入される場合は、コンプレッサー(12)によって直接酸化反応器(10)の下部に注入され、酸素含有ガスを注入する場合は、空気をブロワ等にてPSA法等の酸素濃縮装置(図示せず)に移送し、ここで酸素濃度を25〜100%、好ましくは40〜60%にした後に、コンプレッサー(12)により酸化反応器(10)の下部に注入する。酸素濃度を高く設定すれば、酸素含有ガスの供給量を減らすことができるので、酸化反応器(10)内のガス/液比の関係から反応圧力を低くできるとともに、酸化反応によって排出されるガス量を減らすことができる。また、酸化反応を迅速に行わせることができる。
他方、酸化反応器(10)に注入される供給ガスの酸素濃度を高くすれば、着色度を抑制すること、および排ガス処理負荷の低減を図ることができるが、酸化反応器(10)に注入される供給ガスは、酸化反応器(10)内の攪拌作用も兼ねて酸化反応器(10)の下部から注入されるものであることから、酸化反応器(10)内に注入される供給ガス量は、酸化反応器(10)内の原料の攪拌に必要な最小量以上に確保されるように注意する必要がある。
また、酸化反応器(10)には、その頂部に圧力検出器(図示せず)が設置され、また、圧力検出器によって検知される圧力値に応じて酸化反応器(10)内の圧力を調整することができる圧力制御弁(13)が設置されている。これにより、酸化反応器(10)内の圧力が各酸化処理条件に応じた設定値(例えば、LPO法では1MPa未満)を維持するように、酸化反応器(10)内で酸化処理が行われている間は常時酸化反応器(10)内の圧力が管理される。
酸化分解処理を終えた酸化反応器(10)から流出される処理液とガスとは混合された状態で冷却器(14)を通過することにより減温された後、減圧弁(圧力制御弁)(15)によって大気圧まで降圧される。
降圧された処理液とガスとは、気液分離槽(16)に通され、ここで、ガスと処理液とに気液分離される。ガスは、そのまま、図示しない生物処理槽等の攪拌のために用いられるか、あるいは、適正な処理が施された後、大気に放出される。
次に酸化処理液は固液分離槽(17)に流入し、沈降した濃縮酸化スラリー(分離汚泥)は供給ポンプ(18)を介して脱水装置(19)に通され、分離液は固液分離槽(17)からの分離液を合わせて生物処理またはメタン発酵等の資源化装置(図示せず)へと移送される。脱水装置(19)としては、フィルタープレス、ベルトプレス、遠心分離機等の公知のものが用いられてよい。
脱水装置(19)では、固形物の脱水処理が行われ、その後、脱水された固形物はコンポスト(堆肥)化装置(図示せず)に通され、ここで脱水された固形物はコンポスト(堆肥)として緑地還元が図られる。脱水装置(19)では、固形物の含水率を70重量%以下になるまで脱水を行えば、排出する汚泥の量を大きく低減することができるので好ましい。
本発明の処理方法では、硫酸系試薬が添加されるので脱水性が大幅に改善されるので、外部から水分調節剤や凝集剤等の薬剤を添加することなく脱水機により含水率を65重量%以下にまで脱水することができる。
なお、液体成分は、メタンガスを回収することなく、そのままの状態で生物処理に付す、液体肥料として緑地還元を図る等の各種資源化処理が適宜選択使用されてよい。
このようにして処理がなされた脱水汚泥は、特に水熱処理をさらに行った場合にはビニール等の混入が少なく、高温滅菌であることから衛生的であり、また、適度な含水率であるため、高品質でハンドリング性のよいコンポストを得ることができる。
一方、脱水汚泥は含水率が低く有機成分の含有量が高いため自己燃焼可能な発熱量を有していることから、そのままの状態で燃料としての資源化を図ることもできる。
このように、本実施の形態は、液状有機性廃棄物に硫酸等の硫酸系試薬を添加してpHを調整している以外は、従来通りの工程により酸化処理がなされるので面倒な工程を増加させることがない。また、pHを調整するために液状有機性廃棄物に添加される硫酸系試薬は安価である。したがって、本発明の処理方法は、安価かつ効率的に着色が抑制され、かつ、脱水率に優れた処理方法を提供することができる。
本発明の液状有機性廃棄物の分解処理方法は、あらゆる温度および圧力条件下に実施することが可能であるが、LPO(低圧酸化)法の条件で液状有機性廃棄物を処理すれば、以下の効果を得ることができる。
(i)酸化分解処理時の温度が175℃以下(水熱反応時で230℃以下)であるので、ダイオキシン類の発生を極力防止することができる。
(ii)酸化分解処理時の圧力が1MPa未満(ゲージ圧にて)である場合には、「高圧ガス保安法」の適用対象外となり、人件費等のランニングコストを抑制することができる。
したがって、有利には、LPO法の条件、好ましくは、温度140〜175℃、圧力0.5〜1.0MPa(ゲージ圧にて)以下で反応させる。この際の反応時間は、好ましくは15〜90分であり、酸素含有ガスを用いる場合の酸素濃度は、好ましくは少なくとも21容量%である。
以下、本発明の液状有機性廃棄物の処理方法を実施例に基づき具体的に説明する。
1日当たり2.0m3の汚泥を処理することができる連続通水色LPO実験装置を用い、下水処理場から排出された濃縮余剰汚泥を湿式酸化処理した。
(実施例1)
処理対象の濃縮余剰汚泥に硫酸を加え、pHを2に調整し、その後、湿式酸化処理を行った。湿式酸化処理の酸化温度は170℃、酸化圧力は0.9MPa、酸化時間は60分、酸素供給率は40%である。ここで、酸素供給率とは、汚泥を全酸化分解するのに必要な酸素量(CODcr値)に対する割合を示す。
処理対象の濃縮余剰汚泥に硫酸を加え、pHを2に調整し、その後、湿式酸化処理を行った。湿式酸化処理の酸化温度は170℃、酸化圧力は0.9MPa、酸化時間は60分、酸素供給率は40%である。ここで、酸素供給率とは、汚泥を全酸化分解するのに必要な酸素量(CODcr値)に対する割合を示す。
(比較例1)
比較例1として、処理対象の濃縮余剰汚泥に水酸化ナトリウムを2g/l加え、pH10に調整した他は、実施例1と同じ条件にて酸化処理を行った。
比較例1として、処理対象の濃縮余剰汚泥に水酸化ナトリウムを2g/l加え、pH10に調整した他は、実施例1と同じ条件にて酸化処理を行った。
実施例1および比較例1の結果を下記表1に示す。
なお、表中、可溶化率はVSS除去率を示し、減量化率はSS除去率を示す。VSS濃度およびSS濃度はルツボ重量法を用いて測定した。
分離液色度は、予め色度標準液にて作成してある検量線内の吸光度に収まるよう適当に試料を希釈し、10mmガラスセルを用い波長455nmにおける吸光度を測定した後、検量線から次式に従って算出して求めた。なお、測定対照液(ブランク)は蒸留水である。
(実施例3〜5)
湿式酸化処理を行う前に、水熱温度200℃、水熱圧力1.5MPaで水熱処理を行い、処理対象の濃縮余剰汚泥に添加される硫酸の量を変更することによりpHを変更した他は、実施例1と同様にして湿式酸化処理を行った。
湿式酸化処理を行う前に、水熱温度200℃、水熱圧力1.5MPaで水熱処理を行い、処理対象の濃縮余剰汚泥に添加される硫酸の量を変更することによりpHを変更した他は、実施例1と同様にして湿式酸化処理を行った。
(比較例2)
比較例2として、処理対象の濃縮余剰汚泥に水酸化ナトリウムを2g/l程度加え、pH10に調整した他は、実施例3〜5と同じ条件にて酸化処理を行った。
比較例2として、処理対象の濃縮余剰汚泥に水酸化ナトリウムを2g/l程度加え、pH10に調整した他は、実施例3〜5と同じ条件にて酸化処理を行った。
実施例1〜4および比較例1および2の結果から、本発明による方法を用いた場合、汚泥の可溶化率(VSS除去率)および減量化率(SS除去率)は従来法(比較例1および2)に比べて若干劣るものの、処理分離液の色度着色度合いや処理汚泥の脱水性が大幅に改善されていることが判った。
次に、下水処理の余剰汚泥に硫酸を添加してLPO法の湿式酸化処理を行った場合の酸化液pHと色度との関係を図3に示す。
図3により、LPO酸化液のpHが6以下であれば、処理液の色度は十分に低下されることが判った。
1 液状有機性廃棄物貯留槽
2 定量供給ポンプ
3 ヒータ
4 熱交換器
5 ヒータ
6 切換弁
7 切換弁
8 水熱反応器
9 圧力制御弁
10 酸化反応器
11 ボイラー
12 コンプレッサー
13 圧力制御弁
14 冷却器
15 圧力制御弁
16 気液分離槽
17 固液分離槽
18 供給ポンプ
19 脱水装置
2 定量供給ポンプ
3 ヒータ
4 熱交換器
5 ヒータ
6 切換弁
7 切換弁
8 水熱反応器
9 圧力制御弁
10 酸化反応器
11 ボイラー
12 コンプレッサー
13 圧力制御弁
14 冷却器
15 圧力制御弁
16 気液分離槽
17 固液分離槽
18 供給ポンプ
19 脱水装置
Claims (4)
- 湿式酸化反応によって液状有機性廃棄物を分解処理する方法において、同廃棄物に硫酸、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を添加することにより液状有機性廃棄物のpHを2.0〜6.0に調整し、その後に湿式酸化反応を行うことによって液状有機性廃棄物を低濃度色度にて分解させることを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法。
- 湿式酸化反応を温度140〜175℃、圧力0.5〜1.0MPa(ゲージ圧)以下で行う、請求項1記載の方法。
- 湿式酸化反応の酸化剤が酸素含有ガスであり、該酸素含有ガスの酸素濃度が少なくとも21%である、請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の酸化分解処理を行う前に、温度190〜230℃、圧力1.2〜2.8MPa(ゲージ圧)の無酸素水熱処理を行う、液状有機性廃棄物の処理方法。
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