JP2003001299A - 余剰汚泥の処理方法 - Google Patents

余剰汚泥の処理方法

Info

Publication number
JP2003001299A
JP2003001299A JP2001183043A JP2001183043A JP2003001299A JP 2003001299 A JP2003001299 A JP 2003001299A JP 2001183043 A JP2001183043 A JP 2001183043A JP 2001183043 A JP2001183043 A JP 2001183043A JP 2003001299 A JP2003001299 A JP 2003001299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
excess sludge
temperature
methane fermentation
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001183043A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kida
建次 木田
Shigeru Morimura
茂 森村
Toru Shigematsu
亨 重松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001183043A priority Critical patent/JP2003001299A/ja
Publication of JP2003001299A publication Critical patent/JP2003001299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として汚泥微生物からなる余剰汚泥を、短
期間でかつ効率よくメタンに変換することができる、メ
タン発酵による余剰汚泥の効率的な処理方法を提供する
こと。 【解決手段】 余剰汚泥に、余剰汚泥中の有機性炭素を
完全に酸化するために必要な酸素量の計算値の40%の
酸素を添加し、10kgf/cm2 G以下の圧力下で1
50℃から170℃の温度に攪拌下加熱する前処理を行
なった後、高温メタン発酵を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性汚泥法など好
気性処理槽から排出される余剰汚泥を高速度・高消化率
でメタン発酵させる余剰汚泥の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理場においては、第一沈殿池で汚
れを沈殿させた後、曝気槽において汚泥微生物により下
水に含まれる有機物の酸化分解がなされるとともに、フ
ロックとして凝集した余剰汚泥を第二沈殿池で沈殿させ
ることにより、下水から汚染物質が除去され、浄化が行
なわれている。それぞれの沈殿池で生じる初沈汚泥及び
余剰汚泥は、年間約8,500万トン(固形物濃度2
%)に達しており、これら余剰汚泥等は、現在、メタン
発酵又は焼却により減容化が図られている。しかしなが
ら、メタン発酵による初沈及び余剰汚泥の消化率は30
〜50%と低く、この原因は、曝気槽から排出される余
剰汚泥の大部分を占める、硬い細胞壁を有しているバク
テリアの消化率の低下であるとされている。消化率を5
0%に近づけるためには、加温式では30日の処理日数
が、無加温式では60〜80日の処理日数が必要とされ
ている。
【0003】また、食品工場において、活性汚泥槽から
も余剰汚泥が排出されているが、活性汚泥槽から排出さ
れるこれらの余剰汚泥も、従来の加温式メタン発酵で
は、余剰汚泥が混入するために消化率が40〜50%と
低かった。このため、企業の活性汚泥槽から排出される
余剰汚泥は、自社で処分することなく委託処分している
のが現状である。
【0004】このような下水処理場および企業の活性汚
泥槽から排出される余剰汚泥量(固形物2%)は、それ
ぞれ約3000万トン、約1200万トンといわれてい
る。これらの余剰汚泥はロンドン条約により海洋投棄で
きなくなったために、下水汚泥についてはメタン発酵に
よる処理がなされているが、メタン発酵処理では通常長
時間を要し、かつ分解・消化も充分でないことから、東
京や大阪などの大都市では焼却処分に頼っている。しか
し、焼却処分ではダイオキシンなどの二次汚染が問題と
なっている。一方、焼却施設をもたない地方の下水処理
場ではなすすべもなく、メタン発酵の後脱水し、その脱
水汚泥の処理に大きな費用を費やしている。また、企業
の活性汚泥槽から排出される余剰汚泥は、直接あるいは
中間処理により減容した後、埋立処分されており、余剰
汚泥の処理が経営を圧迫しているともいわれている。
【0005】また、メタン発酵による余剰汚泥の処理効
率を向上させるため、超臨界により完全酸化分解するか
亜臨界水酸化によりほぼ完全に液化するか、あるいは操
作圧80kgf/cm2G、280℃の条件下に放置す
る触媒湿式酸化により酸化分解しようとする研究開発例
は知られているが、機材や触媒等の設備コストを含め処
理コストが非常に高くつくことから実用化に至っていな
い。なお,触媒無添加の湿式酸化(ジンプロと呼ばれて
いる。)は,汚泥の酸化分解に採用されているが,操作
条件が厳しく(80kgf/cm2G、280℃),さ
らに完全に酸化分解されないためにフェントン酸化や微
生物による好気処理,もしくは両者の組み合わせにより
処理されている。そのために普及するに至っていない。
また,これらの処理法では余剰汚泥中の有機酸素の大部
分が酸化されるので,バイオガスの回収としては適した
前処理法とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、主と
して汚泥微生物からなる余剰汚泥を、短期間でかつ効率
よくメタンに変換することができる、メタン発酵による
余剰汚泥の効率的な処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、下水処理
場や食品工場等の好気性処理槽から排出される余剰汚泥
を、短期間でかつ効率よくメタンに変換することができ
るメタン発酵処理について鋭意研究し、主として汚泥微
生物からなる余剰汚泥を処理するには、メタン発酵工程
よりもその前段階である前処理工程で、余剰汚泥中の汚
泥微生物を消化されやすい形態とすることが重要である
との知見を得た。また、実用性の観点から、かかる前処
理も温和な条件で実施することが重要であると考えた。
そこで、余剰汚泥に酸素を添加し、低圧条件下で低温加
熱処理を施すと、余剰汚泥中の汚泥微生物の凝集形態が
変化するとともに、硬い細胞壁の部分破壊が生じ、かか
る前処理済みの余剰汚泥を高温メタン発酵すると、多量
のメタンを含むバイオガスが短期間かつ高収率で発生す
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、余剰汚泥に、酸素を添
加し、5〜15kgf/cm2 Gの圧力下で100〜2
00℃の温度に加熱する前処理を行なった後、中温又は
高温メタン発酵させることを特徴とする余剰汚泥の処理
方法(請求項1)や、5〜15kgf/cm2Gの圧力
下が、6〜10kgf/cm2 Gの圧力下であることを
特徴とする請求項1記載の余剰汚泥の処理方法(請求項
2)や、6〜10kgf/cm2 Gの圧力下が、8kg
f/cm2 Gの圧力下であることを特徴とする請求項2
記載の余剰汚泥の処理方法(請求項3)や、100〜2
00℃の温度が、130〜170℃であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかの記載の余剰汚泥の処理方
法(請求項4)や、130〜170℃の温度が、150
℃であることを特徴とする請求項4記載の余剰汚泥の処
理方法(請求項5)や、攪拌下に前処理を行うことを特
徴とする請求項1〜5のいずれか記載の余剰汚泥の処理
方法(請求項6)や、余剰汚泥中の有機性炭素を完全に
酸化するために必要な酸素量の計算値の20〜60%の
酸素を添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か記載の余剰汚泥の処理方法(請求項7)や、20〜6
0%の酸素が、40%の酸素であることを特徴とする請
求項7記載の余剰汚泥の処理方法(請求項8)や、中温
又は高温メタン発酵が、高温メタン発酵であることを特
徴とする請求項1〜8いずれか記載の余剰汚泥の処理方
法(請求項9)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の余剰汚泥の処理方法とし
ては、余剰汚泥に、酸素を添加し、5〜15kgf/c
2 Gの圧力下で、100〜200℃の温度に加熱する
前処理を所定時間行なった後、中温又は高温メタン発酵
させる処理方法であれば、特に限定されるものではな
く、このような低圧低温湿式酸化により、図1に示す余
剰汚泥中の汚泥微生物の凝集形態を変化させたり、硬い
細胞壁の一部を破壊することができ、しかも、メタン発
酵により発生するバイオガスを減少させることがなく、
余剰汚泥の消化処理を容易にすることができる。また、
本発明において余剰汚泥とは、活性汚泥法などで用いら
れる曝気槽等の好気性処理槽から排出される、主として
汚泥微生物からなる汚泥や該汚泥の濃縮処理物をいい、
汚泥微生物としては、主としてズーグレア(Zooglea)
というバクテリアの集団を挙げることができるが、この
他、みずわた(Sphaerotilus)、ポルミディウム(Phor
midium)、スチゲオクロニナム(Stigeocloninum)等も
挙げることができる。
【0010】本発明の余剰汚泥の処理方法においては、
余剰汚泥は酸素が添加され、5〜15kgf/cm2
という低圧条件下で、100〜200℃という低温での
加熱処理が施されるが、かかる低圧条件としては、6〜
10kgf/cm2 Gの圧力下が好ましく、8kgf/
cm2 G程度の圧力下がより好ましい。圧力が15kg
f/cm2 Gを超えて高くなると、余剰汚泥中の有機性
炭素の分解が進み、メタンガスの生成率が低下する上
に、耐圧性容器などの設備コストが高くなることから好
ましくない。他方、圧力が5kgf/cm2 G未満にな
ると、本発明の効果が充分に享受できないことから好ま
しくない。また、10kgf/cm2 G以下の圧力下の
処理であれば、特別な高圧容器を必要とせず、低圧湿式
酸化を容易に行なうことができる。また、上記100〜
200℃での加熱処理としては、130〜170℃での
加熱処理が好ましく、特に150℃程度の加熱処理が好
ましい。加熱温度が200℃を超えると、余剰汚泥中の
有機性炭素の分解が進み、メタンガスの生成率が低下す
る上に、耐熱性容器などの設備コストが高くなることか
ら好ましくない。他方、加熱温度が100℃未満になる
と、本発明の効果が充分に享受できないことから好まし
くない。
【0011】上記余剰汚泥の前処理、すなわち、酸素を
添加し、5〜15kgf/cm2 Gの圧力下で、100
〜200℃の温度に加熱する前処理における添加する酸
素としては、純酸素ガスの他、空気等の酸素含有ガスを
用いることができる。添加する酸素量としては、余剰汚
泥中の有機性炭素を完全に酸化するために必要な酸素量
の計算値の10〜120%、好ましくは20〜60%、
より好ましくは約40%程度であり、例えば、40%程
度酸素を添加すると、前処理後のメタン発酵によるバイ
オガス発生量を1.5〜2.0倍程度増加させることが
できる。かかる酸素の添加により、効率よく、余剰汚泥
中の汚泥微生物の凝集形態を変化させたり、硬い細胞壁
の一部を破壊することができることからして好ましい。
また、上記前処理を攪拌下において実施することが好ま
しく、かかる攪拌には公知の攪拌手段を用いることがで
きる。
【0012】本発明は、余剰汚泥に上記の前処理を所定
時間施した後、中温又は高温メタン発酵することを特徴
とし、前処理時間としては、例えば、加熱温度が150
℃の場合、30分以上、好ましくは1時間以上を例示す
ることができ、上記メタン発酵としては従来公知のメタ
ン発酵法を適用することができるが、余剰汚泥の消化を
効率よく促進するには、50℃以上でメタン発酵を行わ
せる高温メタン発酵や、30℃以上でメタン発酵を行わ
せる中温メタン発酵が低温メタン発酵よりも好ましい。
例えば、余剰汚泥に含まれる有機性炭素を完全に酸化す
るのに必要な酸素量の計算値の40%の酸素を添加し
て、約8kgf/cm2 Gの圧力下、150℃以下の温
度で2時間加熱して酸素を添加する前処理を行なった
後、処理日数2〜4日で連続式高温メタン発酵を行なう
と、消化率75%となり、バイオガス発生量は、有機物
1トンあたり、前処理を行なわない従前の場合には40
0〜500Nm3であったものを、700〜800Nm3
とすることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の技術的範囲はかかる実施例により何ら制限される
ものではない。 実施例1(高温メタン発酵によるガス発生量の計測方
法) ガス発生量の計測は、図2に示す回分式ガス発生試験装
置を用いて行った。ガス発生試験装置は、余剰汚泥を収
納する500mL容試薬瓶からなる反応槽1と、反応槽
1が収納された恒温槽2と、反応槽1から発生するガス
を捕集するガスホルダー3と、反応槽1とガスホルダー
3を連結する塩化ビニールチューブ4とから構成されて
いる。上記反応槽1に、固形分含量4%に濃縮した余剰
濃縮汚泥(以下「余剰濃縮汚泥」という)50mL又は
前処理した余剰濃縮汚泥50mLと、余剰濃縮汚泥で馴
養していた高温嫌気性消化シード(余剰濃縮汚泥を用い
た回分式メタン発酵槽内液)350mLを入れ、反応温
度54℃、一定速度(IUCHI、MULTI MAGNETIC STIRRER、H
SD-6Sの目盛り6)で撹拌して、回分式ガス発生試験を
行った。発生したガスはガスホルダーに導入し、ガス発
生量を毎日計測した。
【0014】参考例1(前処理における温度の影響) 余剰濃縮汚泥1リットル(L)を、総容積2Lの加熱処
理容器(TAS−2型反応装置:TAIATU TECHNO CO.,LT
D)に投入し、温度120℃、撹拌速度237rpmの条
件で熱処理を行った。また、加熱処理容器内の圧力は、
コントロールすることなく成り行きに任せた。この12
0℃に保持した状態で1時間反応を行った後、加熱処理
容器を冷却水により速やかに冷却し、前処理を終了し
た。また、処理温度を150℃、170℃、200℃と
する以外は上記120℃の場合と同様にして前処理を終
了した。加熱温度120℃、150℃、170℃、20
0℃の各前処理終了後のサンプルのそれぞれについて、
固形分有機炭素(VSS)消化率と、全有機炭素(TO
C)回収率を求めた。VSS消化率はオートマチック電
気炉TMF5T(トーマス科学社製)を用い、TOC回収率
はTOC自動計測器TOC-V(島津製作所製)を用いて求
めた。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】次に、上記加熱温度120℃、150℃、
170℃、200℃の各サンプル50mLのそれぞれに
ついて、実施例1記載の回分式高温メタン発酵によるガ
ス発生量の計測方法によりガス発生量を求めた。結果を
図3及び上記表1に示す。表1及び図3からわかるよう
に、処理温度を120℃から200℃まで段階的に上昇
させた結果、VSS消化率(分解率)は16%から64
%まで向上し,ガス発生量も150℃、170℃と処理
温度が高くなるほど向上したが、処理温度200℃では
TOC回収率が低下し、ガス発生量も前処理しないブラ
ンクよりも悪かった。これは200℃で処理することに
より有機性炭素の約15%が酸化分解され、また難分解
性物質の生成や阻害物質の生成によるものと考えられ
る。
【0017】実施例2(低圧湿式酸化処理) 余剰濃縮余剰汚泥400mLを前記総容積2Lの加熱処
理容器に入れ、酸素を酸素ボンベから積算流量計 (MASS
FLOWM METER SEF-1420:STEC INC社製)を通して添加
し、温度150℃、撹拌速度237rpmの条件で処理
した。酸素添加量は、余剰濃縮汚泥400mL中に含ま
れる有機性炭素を完全酸化できる理論酸素必要量に対し
て、それぞれ0%、40%、80%、120%を供給
し、150℃に保持した状態で2時間反応を行った。こ
の時のそれぞれの操作圧は5,8,10,14kgf/
cm2 Gであった。その後、加熱処理容器を冷却水によ
り速やかに冷却し、前処理を終了した。前処理終了直後
に酸素添加量0%、40%、80%、120%の各サン
プルのVSS分解率、TOCの回収率を求めた。結果を
表1に示す。表1に示されるように、酸素添加量を高め
ることによりVSS分解率は向上するが、有機性炭素は
ほとんど酸化されなかった。次に、上記低圧湿式酸化し
た酸素添加量0%、40%、80%、120%の各サン
プル50mLのそれぞれについて、実施例1記載の高温
メタン発酵によるガス発生量の計測方法によりガス発生
量を求めた。結果を図4及び表1に示した。図4からわ
かるように、酸素添加量が理論必要量の40%のとき、
ガス発生速度及びガス発生量は、他の酸素添加量のとき
に比べて2倍近く高く、繰り返し試験により、この結果
には再現性があることがわかった。
【0018】実施例3(メタン発酵) 実施例2の酸素添加量が理論必要量の40%という条件
下で低圧湿式酸化処理(操作圧8kgf/cm2 G,1
50℃,2時間)した余剰濃縮汚泥及び未低圧湿式酸化
処理の余剰濃縮汚泥について、実容積4Lの機械攪拌槽
を用いて、間欠投入による連続式高温メタン発酵による
嫌気性処理試験(装置図を図5に示す)を行ったとこ
ろ、未低圧湿式酸化処理の余剰濃縮汚泥の場合、有機物
負荷2g/L・日においても有機酸が約2000mg/
L残存し、有機物負荷8g/L・日においては7500
mg/Lの有機酸が残存し、有機物負荷12、14g/
L・日と段階的にあげてもほぼ同一濃度の有機酸が残存
した。しかし、有機物負荷16g/L・日にすると分解
率が30%以下と極端に低下した。一方、低圧湿式酸化
処理した余剰濃縮汚泥の場合、有機物負荷8g/L・
日、12g/L・日、16g/L・日においても有機酸
濃度は2000mg/L以下で消化率は75%、ガス発
生量は投入有機物1グラムあたり700〜800mLと
約2倍に向上した。これらの負荷量を処理日数に換算す
るとそれぞれ3.6日、2.4日、2.05日となり、
従来法の30日の約1/10に短縮された。また、消化
率も従来法の40〜50%から低圧湿式酸化処理によ
り、75%までに向上した。
【0019】比較例1(フェントン酸化処理) 過酸化水素は、アルカリ側では酸化力が弱いが、酸性側
でFe2+が共存するとヒドロキシラジカルの生成により
強い酸化力を示す。これは、フェントン試薬として知ら
れており、難分解性有機物の処理、フェノールの処理、
染色の脱色に有効であると報告されている。そこで、F
2+と過酸化水素の反応によって発生したヒドロキシラ
ジカルが有機物を分解する反応機構に基づいて、余剰汚
泥のフェントン酸化処理を次のように行った。まず、p
H6.0に調整した余剰濃縮汚泥100mLを300m
L容三角フラスコに移し、硫酸鉄(II)七水和物(ナカラ
イテスク株式会社製、純度99.0〜102%)と30
%過酸化水素(三徳化学工業株式会社製、試薬特級)を
81mL(過酸化水素/余剰汚泥=0.61g/g)及
び122mL(過酸化水素/余剰汚泥=0.92g/
g)添加し、軽く振り混ぜた。その後、三角フラスコに
アルミホイルで蓋をし、反応槽で105℃、2時間の条
件で反応させた。それぞれについてVSS消化率とTO
C回収率を求め、ガス発生量についても調べた。結果を
表1に示す。VSS消化率は両条件において低く、しか
も有機性炭素の一部は酸化されていた。そのため過酸化
水素を0.92グラム添加したものは無添加(ブラン
ク)のものよりガス発生量は若干低かった。
【0020】
【発明の効果】本発明の余剰汚泥の処理方法によれば、
メタン発酵によるバイオガスの発生量を高く保持し、し
かもメタン発酵の処理時間を著しく短縮することができ
るため、下水処理場における下水処理や、食品工場の余
剰汚泥を効率よくかつ低廉に処理し得るばかりでなく、
ダイオキシンの発生を防止して環境保護を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低圧湿式酸化処理による余剰汚泥中の汚泥微生
物の凝集形態の変化を示す走査型顕微鏡観察結果を示す
図である。
【図2】回分式ガス発生装置を示す図である。
【図3】加熱処理した余剰濃縮汚泥の回分式ガス発生試
験の結果を示す図である。
【図4】本発明の低圧湿式酸化処理した余剰濃縮汚泥の
回分式ガス発生試験の結果を示す図である。
【図5】本発明に使用した間欠投入による連続式高温メ
タン発酵による嫌気性処理試験装置を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 余剰汚泥に、酸素を添加し、5〜15k
    gf/cm2 Gの圧力下で100〜200℃の温度に加
    熱する前処理を行なった後、中温又は高温メタン発酵さ
    せることを特徴とする余剰汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】 5〜15kgf/cm2Gの圧力下が、
    6〜10kgf/cm2 Gの圧力下であることを特徴と
    する請求項1記載の余剰汚泥の処理方法。
  3. 【請求項3】 6〜10kgf/cm2 Gの圧力下が、
    8kgf/cm2 Gの圧力下であることを特徴とする請
    求項2記載の余剰汚泥の処理方法。
  4. 【請求項4】 100〜200℃の温度が、130〜1
    70℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    の記載の余剰汚泥の処理方法。
  5. 【請求項5】 130〜170℃の温度が、150℃で
    あることを特徴とする請求項4記載の余剰汚泥の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 攪拌下に前処理を行うことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか記載の余剰汚泥の処理方法。
  7. 【請求項7】 余剰汚泥中の有機性炭素を完全に酸化す
    るために必要な酸素量の計算値の20〜60%の酸素を
    添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載
    の余剰汚泥の処理方法。
  8. 【請求項8】 20〜60%の酸素が、40%の酸素で
    あることを特徴とする請求項7記載の余剰汚泥の処理方
    法。
  9. 【請求項9】 中温又は高温メタン発酵が、高温メタン
    発酵であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載
    の余剰汚泥の処理方法。
JP2001183043A 2001-06-18 2001-06-18 余剰汚泥の処理方法 Pending JP2003001299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001183043A JP2003001299A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 余剰汚泥の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001183043A JP2003001299A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 余剰汚泥の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003001299A true JP2003001299A (ja) 2003-01-07

Family

ID=19023047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001183043A Pending JP2003001299A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 余剰汚泥の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003001299A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069053A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 有機汚泥の処理方法及び有機汚泥処理設備
WO2011013655A1 (ja) * 2009-07-31 2011-02-03 Kobayashi Yoshio 水分抜き取り式メタン発酵

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069053A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 有機汚泥の処理方法及び有機汚泥処理設備
WO2011013655A1 (ja) * 2009-07-31 2011-02-03 Kobayashi Yoshio 水分抜き取り式メタン発酵
JP4768881B2 (ja) * 2009-07-31 2011-09-07 義雄 小林 水分抜き取り式メタン発酵
JPWO2011013655A1 (ja) * 2009-07-31 2013-01-07 小林 義雄 水分抜き取り式メタン発酵

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4610977B2 (ja) 汚泥返流水の処理方法及び処理装置
CA1128460A (en) Heavy metal removal from wastewater sludge
US5141646A (en) Process for sludge and/or organic waste reduction
JPS6332520B2 (ja)
JP2002159992A (ja) バイオメーカーを用いる高濃度有機性廃水の処理方法および装置
JP4024045B2 (ja) 下水の処理方法
Neufeld et al. Anaerobic phenol biokinetics
Beltran-Heredia et al. Aerobic biological treatment of black table olive washing wastewaters: effect of an ozonation stage
US20130112617A1 (en) Redox wastewater biological nutrient removal treatment method
JPH06315697A (ja) 排水流の処理方法
Weemaes et al. Ozonation of sewage sludge prior to anaerobic digestion
Li et al. Transformation and migration of phosphorus in excess sludge reduction pretreatment by alkaline ferrate oxidation combined with anaerobic digestion
Benmoussa et al. Simultaneous sewage sludge digestion and metal leaching using an internal loop reactor
JP2003024972A (ja) 有機性汚水の生物処理方法及び装置
JP2007136293A (ja) 液状有機性廃棄物の処理方法
JP4404976B2 (ja) 有機性廃水の処理方法及び有機性廃水の処理装置
Li et al. Nitrogen removal of thermal hydrolysis-anaerobic digestion liquid: A review
JP4457391B2 (ja) 有機汚泥の処理方法及び処理装置
JP2003001299A (ja) 余剰汚泥の処理方法
JPH0724499A (ja) 有機性汚泥の処理方法
JP4298602B2 (ja) 有機性汚泥の嫌気性消化処理方法及び装置
JP2000153292A (ja) 光を利用した有機性廃水及び/又は有機性廃棄物の嫌気的消化方法及び光合成細菌の生産方法
Anderson et al. Research and application of anaerobic processes
KR100474375B1 (ko) 고도하수 처리를 위한 유기산 생산장치와, 그를 이용한고도하수처리장치 및 방법
JP4812261B2 (ja) 高濃度有機性物質中の固形分の可溶化処理方法、及び高濃度有機性物質の処理方法