JP2007135645A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】先端部の柔軟性を確保し、操作性、安全性に優れたガイドワイヤを提供する。また、ガイドワイヤの先端部においてワイヤ本体とコイルとのクリアランスを十分に確保し、ワイヤ本体の形状の自由度を広くする。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを接合してなるワイヤ本体10と、ワイヤ本体10の先端部を覆うように設置された螺旋状のコイル4とを備える。コイル4は、先端側に位置し、コイル外径が先端方向に向かって漸減する第1コイル部41と、第1コイル部41の基端側に位置し、長手方向に沿ってコイル外径がほぼ一定の第2コイル部42とで構成されており、固定材料51〜53によりワイヤ本体10に対し固定されている。第1コイル部4を構成する円形断面の素線411は、その直径が先端方向に向かって漸減するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤ、特に血管や胆管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤに関する。
ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCAに用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態で、バルーンカテーテルと共に目的部位である冠状動脈の狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
また、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasity)の場合においても、フェモラール、イリアック、リーナル、シャントなどの末梢血管の狭窄・閉塞部位を再開通させるために、PTCAと同じように、ガイドワイヤは、バルーンカテーテルを狭窄部まで誘導する。
さらに、ガイドワイヤは、胆管や膵管の病変部治療において、例えば次のような方法にて、胆管、膵管病変部付近まで各治療デバイスを誘導するために使用される。
1.ERCP(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)
内視鏡を十二指腸の下行部まで挿入し、その内視鏡でVator乳頭を正面に見ながら、造影カニューレを胆管、膵管に挿入し、造影剤を注入しX線撮影する方法。
2.EST(endoscopic sphincterotomy)
十二指腸乳頭開口部に切開用のパピロトームを挿入し、高周波で乳頭括約筋を切開する方法。
3.EPBD(endoscopic papillary balloon dilation)
内視鏡を経由して乳頭をバルーンで拡張し、胆管胆石を廃除する方法。
PTCAを必要とする血管は、複雑に湾曲しており、バルーンカテーテルを血管に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の曲げに対する柔軟性と復元性、基端部における操作を先端側に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(以下これらを総称して「操作性」という)、さらには耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。それらの特性の内、適度の柔軟性を得るための構造として、ガイドワイヤの先端部の芯材の回りに、柔軟に湾曲し得る金属製コイルを設置した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このガイドワイヤには次のような欠点がある。
芯材(ワイヤ本体)の先端部の回りに配置される金属製コイルには、一般的に2つのコイルを連結してなるものがあるが、コイルの基端から先端まで、コイルの外径がほぼ一定であるため、コイルの基端側と先端側で柔軟性に差がなく、そのため、ガイドワイヤの先端部(コイルが存在する部位)において、先端に向かって徐々に柔軟性を増すような構成とすることができない。その結果、ガイドワイヤのコイルが存在する部位において、耐キンク性やトルク伝達性が劣る場合があり、生体への挿入時の操作性、安全性が低下するという問題がある。
また、コイルの内面とワイヤ本体との空間(クリアランス)が狭く、ワイヤ本体の先端の形状を例えば扁平形状としたり所望の湾曲形状としたりする場合に、形状や加工の自由度がなく、制約を受けるので、操作性や安全性等の向上を目的とした最適な形状にすることができない場合がある。
また、特にガイドワイヤを血管狭窄部(以下単に「狭窄部」とも言う)を通過させるときに、コイルの外径が大きいと、ガイドワイヤの最先端により狭窄部を押す力が弱いので、狭窄部の通過性に劣る。
特開2004−249095号公報
本発明の目的は、ガイドワイヤの先端部、特にコイルが存在する部位の柔軟性を確保し、操作性、安全性に優れたガイドワイヤを提供すること、また、ガイドワイヤの先端部においてワイヤ本体とコイルとのクリアランスを十分に確保することができ、ワイヤ本体の形状や加工の自由度が大きいガイドワイヤを提供することにある。また、狭窄部の通過性に優れたガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有するワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に形成してなるコイルとを備え、
前記コイルは、先端側に位置し、コイル外径が先端方向に向かって漸減する第1コイル部と、第1コイル部の基端側に位置し、長手方向に沿ってコイル外径がほぼ一定の第2コイル部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記第1コイル部の内径がほぼ一定かまたは先端方向に向かって漸増している上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 可撓性を有するワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に形成してなるコイルとを備え、
前記コイルの外径が先端方向に向かって漸減し、かつ前記コイルの内径がほぼ一定かまたは先端方向に向かって漸増する第1コイル部を有することを特徴とするガイドワイヤ。
(4) 前記第1コイル部を構成する素線は、その横断面積が先端方向に向かって漸減するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(5) 前記第1コイル部を構成する素線は、その横断面積が円形であり、かつその直径が先端方向に向かって漸減するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
また、前記ワイヤ本体は、先端側に配置された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に接合された線状の第2ワイヤとを備え、前記第1ワイヤの外周に前記コイルが配置されているのが好ましい。
前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの接合部は、前記コイルの内部に位置しているのが好ましい。
前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの接合部は、前記第2コイル部の内部に位置しているのが好ましい。
第1ワイヤは、大径部と、前記大径部より先端側に位置する小径部と、前記大径部と前記小径部との間に位置し、先端方向に向かって外径が漸減するテーパ部とを有するのが好ましい。
前記第1コイル部の内側に前記小径部が位置しているのが好ましい。
前記小径部の先端側の部位に、平板状に形成された平板部を有するのが好ましい。
前記第2コイル部の内側に前記大径部が位置しているのが好ましい。
前記第1コイル部の内側または前記第1コイル部と前記第2コイル部との境界部の内側に前記テーパ部が位置しているのが好ましい。
前記第2コイル部を構成する素線は、その横断面積が円形であり、かつ前記第2コイル部の先端部の素線の直径が前記第1コイル部の基端部の素線の直径とほぼ等しいのが好ましい。
ガイドワイヤの縦断面において、前記第1コイル部を構成する素線の横断面中心同士を結ぶ線が前記ワイヤ本体の中心線に対し先端方向に向かって徐々に離間するように前記第1コイル部が配置されているのが好ましい。
ガイドワイヤの縦断面において、前記第1コイル部を構成する素線の横断面中心同士をを結ぶ線が前記ワイヤ本体の中心線に対し先端方向に向かって徐々に接近するように前記第1コイル部が配置されているのが好ましい。
前記第1コイル部を構成する素線と前記第2コイル部を構成する素線とは、異なる材料で構成されているのが好ましい。
前記第1コイル部の曲げ弾性が前記第2コイル部の曲げ弾性より小さいのが好ましい。
前記コイルは、その先端部および基端部においてそれぞれ前記ワイヤ本体に対し固定材料により固定されているのが好ましい。
前記コイルは、前記第1コイル部と前記第2コイル部との境界部において前記ワイヤ本体に対し固定材料により固定されているのが好ましい。
前記第1コイル部の最大外径をDmax、最小外径Dminとしたとき、Dmin/Dmaxが0.3〜0.95であるのが好ましい。
前記コイルの全長をL、第1コイル部の長さをLとしたとき、L/Lが0.1〜0.9であるのが好ましい。
前記ワイヤ本体は、先端側に配置された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に接合された線状の第2ワイヤとを備え、前記第2ワイヤは、前記第1ワイヤの最大外径より大きい外径の部分を有するのが好ましい。
前記第2ワイヤは、前記第1ワイヤより剛性が高いものであるのが好ましい。
前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとは、同一または同種の金属材料で構成されており、それらは溶接により接合されているのが好ましい。
前記第1ワイヤおよび前記第2ワイヤは、それぞれ、超弾性合金で構成されており、それらは溶接により接合されているのが好ましい。
前記第1ワイヤは、超弾性合金で構成されており、前記第2ワイヤは、ステンレス鋼で構成されているのが好ましい。
前記第1ワイヤの先端部に、X線造影性を有する造影部を有するのが好ましい。
前記コイルおよび/または前記第2ワイヤの外周に、樹脂被覆層が設けられているのが好ましい。
前記第2ワイヤの外周に、摩擦を低減し得る樹脂材料で構成された樹脂被覆層が設けられているのが好ましい。
前記コイルの外周に、柔軟性に富む材料で構成された樹脂被覆層が設けられているのが好ましい。
前記コイルの少なくとも先端部は、露出することなく前記樹脂被覆層に覆われているのが好ましい。
前記樹脂被覆層は、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂またはフッ素系樹脂で構成されているのが好ましい。
ガイドワイヤの少なくとも先端部の外面に親水性材料がコーティングされているのが好ましい。
本発明のガイドワイヤによれば、ワイヤ本体の先端部に設けられたコイルが、第1コイル部と第2コイル部とで構成されているため、ガイドワイヤにおけるコイル設置部(コイルが存在する部位)の物理的特性を所望に設定することができ、特に先端に向かって柔軟性が増すようなものとすることができる。
また、第1コイル部のコイル外径が先端方向に向かって漸減するため、コイル設置部の先端側の形状を先細り形状とすることができる。これにより、ガイドワイヤの耐キンク性が向上するとともに、ガイドワイヤを生体内へ挿入する際の操作性(柔軟性と復元性、押し込み性、トルク伝達性および追従性等)、安全性が向上する。
特に、第1コイル部のコイル外径が先端方向に向かって漸減するため、ガイドワイヤの最先端の断面積を小さくすることができ、そのため、狭窄部に掛かる力が集中して狭窄部の通過性が向上する。
また、ワイヤ本体を、柔軟性に富んだ第1ワイヤと、第1ワイヤより剛性が高い第2ワイヤとを接合して構成した場合には、ガイドワイヤの先端側には柔軟性を十分に確保して安全性を高め、ガイドワイヤの基端側には十分な剛性が得られ、操作性がさらにガイドワイヤを得ることができる。かかる効果は、通常の外径を有するガイドワイヤは勿論のこと、外径が細いガイドワイヤでも発揮される。このようなことから、本発明のガイドワイヤは、例えば湾曲したカテーテル内、内視鏡内、血管、胆管、膵管等の体腔内で優れた操作性を発揮する。
また、第1コイル部と第2コイル部の素線の線径や素線の材料、第1コイル部と第2コイル部との接合構造、第1ワイヤ、第2ワイヤの形状、それらの接合部のコイルに対する位置、等の諸条件を工夫することにより、応力集中を防止または緩和し、曲げやねじりの応力が円滑に伝達され、急峻なキンク(折れ曲がり)やねじれ等をより有効に防止することができる。
また、第1コイル部の内面と第1ワイヤとの間の空間(クリアランス)が大きくとれるので、この部分のガイドワイヤをより柔軟にすることができるとともに、平板部を形成することが可能となり、また平板部に曲げ変形加工等を施すにあたり加工の自由度が大きく、より適切な形状とすることができる。
また、第1コイル部の内面が大きくとれるので、第1ワイヤの外径を太くすることができ、その結果、狭窄部の通過性をより一層向上することができる。
また、第1ワイヤと第2ワイヤとを溶接により接合(連結)した場合には、第2ワイヤから第1ワイヤへねじりトルクや押し込み力をより確実に伝達することができる。
また、コイルの途中やコイルの基端付近において、ガイドワイヤに曲げやねじりが作用したとき、第1ワイヤと第2ワイヤとの接合部や第1コイル部と第2コイル部の境界部等への応力集中が防止または抑制され、そのため、曲げやねじりの応力がガイドワイヤの先端付近まで円滑に伝達され、急峻なキンク(折れ曲がり)やねじれ等を有効に防止することができる。
また、樹脂被覆層、特に摩擦を低減し得る材料で構成された樹脂被覆層を設けた場合には、カテーテル内などにおけるガイドワイヤの摺動性が向上し、ガイドワイヤの操作性をより優れたものとすることができる。ガイドワイヤの摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤのキンクやねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、コイルの外周に、柔軟性に富む材料で構成された樹脂被覆層を設けた場合、特に、コイルの先端部が露出することなく当該樹脂被覆層で覆われている場合には、血管等への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性をさらに向上することができる。
以下、本発明のガイドワイヤについて添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図、図2〜図4は、それぞれ、本発明のガイドワイヤにおける第1コイル部の構成例を模式的に示す拡大縦断面図である。なお、説明の都合上、図1〜図4中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1〜図4では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテル(内視鏡も含む)の内腔に挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを好ましくは溶接により接合(連結)してなるワイヤ本体10と、ワイヤ本体10の先端部に設置された螺旋状のコイル4とを有している。ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。
第1ワイヤ2は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。第1ワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1ワイヤ2は、外径がほぼ一定である大径部21と、大径部21より先端側に位置し、大径部21より外径が小さい小径部23と、大径部21と小径部23との間に位置し、先端方向に向かって外径が漸減するテーパ部22と、小径部23の先端側に位置し、平板状に形成された平板部24とを有している。これらは、第1ワイヤ2の先端側から、平板部24、小径部23、テーパ部22および大径部21の順に配置されている。
テーパ部22を介して小径部23と大径部21とが形成されていることにより、第1ワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な狭窄部の通過性および柔軟性を得て、血管等への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
なお、テーパ部22のテーパ角度(外径の減少率)は、ワイヤ長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
平板部24は、平板状(リボン状)をなしており、所望の形状に変形(リシェイプ:形状付け)させて用いることができる。一般に、ガイドワイヤでは、誘導するカテーテル等の先端部を血管形状に対応させたり、血管分岐を円滑に誘導したりするために、医師がガイドワイヤの先端部を予め所望の形状に曲げて使用することがあり、このようにガイドワイヤの先端部を所望の形状に曲げることをリシェイプと言う。そして、平板部24を設けることにより、リシェイプを容易かつ確実に行うことができ、ガイドワイヤ1を生体内に挿入する際の操作性が格段に向上する。
平板部24の長さは、特に限定されないが、5〜200mm程度であるのが好ましく、10〜150mm程度であるのがより好ましい。平板部24の長さが長すぎると、その構成材料によっては、ガイドワイヤ1の操作性が低下するおそれがあり、一方、平板部24の長さが短すぎると、ガイドワイヤ1の先端部の形状を所望の形状にすることができなくなるおそれがある。
第1ワイヤ2の基端側の部分、すなわち大径部21は、その外径が第1ワイヤ2の基端まで一定となっている。大径部21の長さは、第2コイル部42の長さより短いのが好ましい。
第1ワイヤ2の基端(大径部21の基端)には、第2ワイヤ3の先端が好ましくは溶接により接続(連結)されている。第2ワイヤ3は、柔軟性または弾性を有する線材で構成されている。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との溶接方法としては、特に限定されず、例えば、摩擦圧接、レーザを用いたスポット溶接、バットシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられるが、比較的簡単で高い接合強度が得られることから、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。
本実施形態では、第2ワイヤ3は、外径がほぼ一定である大径部31と、大径部31より先端側に位置し、大径部31より外径が小さい小径部33と、大径部31と小径部33との間に位置し、先端方向に向かって外径が漸減するテーパ部32とを有している。これらは、第2ワイヤ3の先端側から、小径部33、テーパ部32および大径部31の順に配置されている。小径部33の先端部の外径は、第1ワイヤ2の大径部21の外径とほぼ等しい。これにより、第1ワイヤ2の大径部21の基端と第2ワイヤ3の小径部33の先端とを接合した際、それらの接合部(接合面)6の外周に両ワイヤ2、3の外径差による段差が生じず、連続した面を構成することができる。
第2ワイヤ3は、テーパ部32を介して小径部33と大径部31とが形成されていることにより、第2ワイヤ3の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、コイル4の途中およびそれより基端側の部分においても良好な柔軟性を得て、血管等への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。さらに、第2ワイヤ3から第1ワイヤ2への物理的特性、特に弾性が滑らかに変化し、両ワイヤ2、3の接合部(接合面)6の前後において優れた押し込み性やトルク伝達性が発揮され、耐キンク性も向上する。
第2ワイヤ3の大径部31は、第1ワイヤ2の大径部21の外径(第1ワイヤ2の最大外径)より大きい外径を有する。大径部31の外径は、例えば、大径部21の外径の1.02〜5倍程度とすることができる。
テーパ部32のテーパ角度(外径の減少率)は、ワイヤ長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。また、このようなテーパ部は、ワイヤ長手方向に沿って複数箇所設けられていてもよい。
第2ワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましく、1400〜3000mm程度であるのがより好ましい。
第1ワイヤ2の平均外径は、第2ワイヤ3の平均外径より小さい。これにより、ガイドワイヤ1は、その先端側である第1ワイヤ2上では柔軟性に富み、基端側である第2ワイヤ3上では比較的剛性が高いものとなるので、先端部の柔軟性と優れた操作性(押し込み性、トルク伝達性等)とを両立することができる。
第1ワイヤ2および第2ワイヤ3の構成材料は、特に限定されず、それぞれ、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)などの各種金属材料を使用することができるが、そのなかでも特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)が好ましく、より好ましくは超弾性合金である。
超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1ワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管等に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、第1ワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、第1ワイヤ2に備わる復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中に第1ワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。なお、Ni−Ti系合金に代表される超弾性合金は、後述する樹脂被覆層8、9の密着性にも優れている。
コバルト系合金は、ワイヤとしたときの弾性率が高く、かつ適度な弾性限度を有している。このため、コバルト系合金で構成されたワイヤは、トルク伝達性に優れ、座屈等の問題が極めて生じ難い。コバルト系合金としては、構成元素としてCoを含むものであれば、いかなるものを用いてもよいが、Coを主成分として含むもの(Co基合金:合金を構成する元素中で、Coの含有率が重量比で最も多い合金)が好ましく、Co−Ni−Cr系合金を用いるのがより好ましい。このような組成の合金を用いることにより、前述した効果がさらに顕著なものとなる。また、このような組成の合金は、弾性係数が高く、かつ高弾性限度としても冷間成形可能で、高弾性限度であることにより、座屈の発生を十分に防止しつつ、小径化することができ、所定部位に挿入するのに十分な柔軟性と剛性を備えるものとすることができる。
Co−Ni−Cr系合金としては、例えば、28〜50wt%Co−10〜30wt%Ni−10〜30wt%Cr−残部Feの組成からなる合金や、その一部が他の元素(置換元素)で置換された合金等が好ましい。置換元素の含有は、その種類に応じた固有の効果を発揮する。例えば、置換元素として、Ti、Nb、Ta、Be、Moから選択される少なくとも1種を含むことにより、第2ワイヤ3の強度のさらなる向上等を図ることができる。なお、Co、Ni、Cr以外の元素を含む場合、その(置換元素全体の)含有量は30wt%以下であるのが好ましい。
また、Co、Ni、Crの一部は、他の元素で置換してもよい。例えば、Niの一部をMnで置換してもよい。これにより、例えば、加工性のさらなる改善等を図ることができる。また、Crの一部をMoおよび/またはWで置換してもよい。これにより、弾性限度のさらなる改善等を図ることができる。Co−Ni−Cr系合金の中でも、Moを含む、Co−Ni−Cr−Mo系合金が特に好ましい。
Co−Ni−Cr系合金の具体的な組成としては、例えば、(1)40wt%Co−22wt%Ni−25wt%Cr−2wt%Mn−0.17wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、(2)40wt%Co−15wt%Ni−20wt%Cr−2wt%Mn−7wt%Mo−0.15wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、(3)42wt%Co−13wt%Ni−20wt%Cr−1.6wt%Mn−2wt%Mo−2.8wt%W−0.2wt%C−0.04wt%Be−残部Fe、(4)45wt%Co−21wt%Ni−18wt%Cr−1wt%Mn−4wt%Mo−1wt%Ti−0.02wt%C−0.3wt%Be−残部Fe、(5)34wt%Co−21wt%Ni−14wt%Cr−0.5wt%Mn−6wt%Mo−2.5wt%Nb−0.5wt%Ta−残部Fe等が挙げられる。本発明でいうCo−Ni−Cr系合金とはこれらの合金を包含する概念である。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とは、異なる材料で構成されていてもよいが、同一または同種(合金において主とする金属材料が等しい)の金属材料で構成されていてもよい。これにより、接合部(溶接部)6の接合強度がより高くなり、接合部6の外径が小さくても、離脱等を生じることなく、優れたトルク伝達性等を発揮する。
この場合、第1ワイヤ2および第2ワイヤ3は、それぞれ、前述した超弾性合金で構成されているのが好ましく、その中でもNi−Ti系合金で構成されているのがより好ましい。これにより、ワイヤ本体10のテーパ部16より先端側において優れた柔軟性を確保するとともに、ワイヤ本体10の基端側の部分では、十分な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を確保することができる。その結果、ガイドワイヤ1は、優れた押し込み性やトルク伝達性を得て良好な操作性を確保しつつ、先端側においては良好な柔軟性、復元性を得て血管、胆管、膵管への追従性、安全性が向上する。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを異なる材料で構成する場合、第1ワイヤ2は、前述した超弾性合金で構成されているのが好ましく、特にNi−Ti系合金で構成されているのが好ましく、第2ワイヤ3は、前述したステンレス鋼で構成されているのが好ましい。
また、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをそれぞれ、金属組成や物理的特性の異なる擬弾性合金同士、あるいはステンレス鋼同士で構成してもよい。
第1ワイヤ2をステンレス鋼で構成した場合には、平板部24のリシェイプがよりし易く、また、リシェイプした形状をしっかりと維持することができるという利点がある。
なお、上記では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3を接合した態様にて説明したが、接合部のない一部材のワイヤであってもよい。その場合のワイヤの構成材料は、前述したのと同様の材料が挙げられ、特にステンレス鋼、コバルト系合金、擬弾性合金が好ましい。
ワイヤ本体10の先端部外周には、当該先端部を覆うようにコイル4が配置されている。このコイル4の設置により、カテーテルの内壁や生体表面に対するワイヤ本体10の表面の接触面積が少なくなり、これにより、摺動抵抗を低減することができ、その結果、ガイドワイヤ1の操作性がより向上する。
コイル4は、先端側に位置する第1コイル部(先端側コイル部)41と、第1コイル部41の基端側に位置する第2コイル部(基端側コイル部)42とで構成されている。
第1コイル部41は、素線(細線)411を螺旋状に巻回してなる部材であり、第1ワイヤ2の少なくとも先端側の部分を覆うように設置されている。図示の構成では、第1ワイヤ2の先端側の部分は、第1コイル部41の内側のほぼ中心部に挿通されている。また、第1ワイヤ2の先端側の部分は、第1コイル部41の内面と非接触で挿通されている。
第1コイル部41は、そのコイル外径が先端方向に向かって漸減している。第1コイル部41の外径の減少に伴い、ガイドワイヤ1の外径も先端に向かって徐々に減少するので、ガイドワイヤ1の生体内(カテーテル内)への挿入操作に際しての操作性が向上するとともに、ガイドワイヤ1の外径の減少により、柔軟性を徐々に増すことができかつ応力集中を防止することができるので、耐キンク性や安全性を向上することができる。
第1コイル部41の最大外径Dmaxは、0.25〜0.89mm程度が好ましく、0.25〜0.46mm程度がより好ましい。第1コイル部41の最小外径Dminは、0.10〜0.86mm程度が好ましく、0.15〜0.38mm程度がより好ましい。また、最大外径Dmaxと最小外径Dminの比Dmin/Dmaxは、0.3〜0.95程度であるのが好ましく、0.44〜0.83程度であるのがより好ましい。このような範囲であると、前述した効果がより顕著に発揮される。
コイル4の全長Lは、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましく、30〜300mm程度であるのがより好ましい。また、第1コイル部41の長さをLとしたとき、L/Lは、0.05〜0.9であるのが好ましい。
第1コイル部41を構成する素線411は、その横断面積が先端方向に向かって漸減するものである。本実施形態では、第1コイル部41を構成する素線411は、その横断面積が円形であり、素線411の直径は、第1コイル部41の先端方向に向かって漸減するものであるのが好ましい。
素線411の最大直径dmaxは、0.23〜0.87mm程度が好ましく、0.23〜0.44mm程度がより好ましい。素線411の最小直径dminは、0.06〜0.20mm程度が好ましく、0.08〜0.15mm程度がより好ましい。また、最大直径dmaxと最小直径dminの比dmin/dmaxは、0.1〜0.9程度であるのが好ましく、0.18〜0.44程度であるのがより好ましい。このような範囲であると、前記Dmin、Dmaxの条件とも相まって、前述した効果がより顕著に発揮される。
第1コイル部41は、そのコイル内径が、第1コイル部41の長手方向に沿って一定のもの、先端方向に向かって漸増しているもの、先端方向に向かって漸減しているもののいずれでもよいが、特に、コイル内径が第1コイル部41の長手方向に沿って一定のもの、または先端方向に向かって漸増しているものが好ましい。以下、それぞれに場合について、図2〜図4を参照しつつ説明する。
1. 第1コイル部41のコイル内径が先端方向に向かって漸増しているもの
1−1 図2に示すように、素線411の横断面中心同士を結ぶ線415がワイヤ本体10の中心線100に対し先端方向に向かって徐々に離間するように素線411が配置されている(以下「態様1」と言う)。
1−2 図3に示すように、素線411の横断面中心同士を結ぶ線415がワイヤ本体10の中心線100に対し先端方向に向かって徐々に接近するように素線411が配置されている(以下「態様2」と言う)。
2. 第1コイル部41のコイル内径が長手方向に沿って一定のもの
2−1 図4に示すように、素線411の横断面中心同士を結ぶ線415がワイヤ本体10の中心線100に対し先端方向に向かって徐々に接近するように素線411が配置されている(以下「態様3」と言う)。
前記態様1および態様2の場合、特に態様1の場合には、第1コイル部41の内面と第1ワイヤ2との間の空間(クリアランス)が大きくとれるので、この部分のガイドワイヤ1をより柔軟にすることができるとともに、十分な幅の平板部24を形成することができる。さらには、平板部24等に曲げ変形加工等を施すにあたり、加工の自由度が増し、より適切な形状とすることができる。
また、前記態様3の場合には、第1コイル部41の外周面のテーパ角度(先端方向に向かって外径が減少する度合い)を比較的大きくとることができ、前述したガイドワイヤ1の外径の減少により得られる効果がより顕著に発揮されるとともに、第1コイル部41の内面と第1ワイヤ2との間の空間(クリアランス)をある程度確保することができ、それによる前述した効果、すなわち第1コイル部41の部分のガイドワイヤ1をより柔軟にし、平板部24を形成する際または平板部24等に曲げ変形加工等を施す際の形状、寸法、加工の自由度が増し、より適切な形状とすることができる。
第2コイル部42は、素線(細線)421を螺旋状に巻回してなる部材であり、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部6付近を覆うように設置されている。図示の構成では、接合部6付近の第1ワイヤ2および第2ワイヤ3は、第2コイル部42の内側のほぼ中心部に挿通されている。また、第1ワイヤ2および第2ワイヤ3は、第2コイル部42の内面と非接触で挿通されている。
第2コイル部42は、長手方向に沿ってコイル外径がほぼ一定である。これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内や生体内へ挿入する際の挿入抵抗をより低減することができる。この場合、第2コイル部42のコイル外径は、前述した第1コイル部41の最大直径Dmaxとほぼ等しいのが好ましい。
第2コイル部42を構成する素線421は、その長手方向に沿って横断面積がほぼ一定であるが、これに限らず、先端方向に向かって横断面積が漸減するものあるいは漸増するものでもよい。本実施形態では、第2コイル部42を構成する素線421は、その横断面積が円形であり、素線421の直径は、第2コイル部42の全長にわたりほぼ一定である。
また、前述した第1コイル部41の基端部の素線411の直径(好ましくは前記最大直径dmax)は、第2コイル部42の先端部の素線421の直径とほぼ等しい。これにより、第1コイル部41と第2コイル部42との境界部43において、コイル4の剛性変化をより少なくする(緩やかにする)ことができ、当該境界部43の前後におけるガイドワイヤ1の柔軟性を徐々に変化させることができかつ応力集中を防止することができるので、耐キンク性や安全性を向上することができる。
第2コイル部42のコイル内径は、第2コイル部42の長手方向に沿ってほぼ一定のもの、先端方向に向かって漸増しているもの、先端方向に向かって漸減しているもののいずれでもよいが、特に、コイル内径が第2コイル部42の長手方向に沿って一定のもの、または先端方向に向かって漸増しているものが好ましい。
以上のような構成とすることにより、第1コイル部41の曲げ弾性は、第2コイル部42の曲げ弾性より小さいものとなる。これにより、ガイドワイヤ1は、第2コイル部42から第1コイル部41にかけて、徐々に柔軟性を増すようになり、ガイドワイヤ1の先端部における耐キンク性、操作性および安全性をさらに向上することができる。
第1コイル部41と第2コイル部42との境界部43では、第1コイル部41の素線411と第2コイル部42の素線421とを例えば溶接により接合したり、接着剤により固定したりすることができる。
また、第1コイル部41と第2コイル部42との境界部43では、第1コイル部41と第2コイル部42の素線411、421同士が互いの隙間に入り込むように(噛み合うように)配置されているのが好ましい。これにより、第1コイル部41と第2コイル部42との境界部43では、第1コイル部41と第2コイル部42とが重なって部分が形成されるので、両コイル部41、42の接合強度が十分に確保されるとともに、第2コイル部42から第1コイル部41への剛性の変化が緩やかになる。その結果、両コイル部41、42の境界部43の前後におけるガイドワイヤ1の柔軟性を徐々に変化させることができかつ応力集中を防止することができるので、耐キンク性や安全性を向上することができる。
なお、上記では、コイル4として、第1コイル部41の基端側に第2コイル部42を設ける実施形態を説明したが、コイル4として、第1コイル部41のみをワイヤ本体10の先端部に設置しても良い。この場合、第1コイル部41の材料や寸法などの構成や作用・効果は、上述した記載を援用することができる。
また、本実施形態の場合、素線411および421は、それぞれ、横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、素線411および421の少なくとも一方は、横断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
次に、コイル4とワイヤ本体10との位置関係について説明する。図1に示すように、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部6は、コイル4の内部に位置しており、特に、第2コイル部42の内部に位置している。第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とで異種材料を用いた場合、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部6は、その前後で比較的剛性の変化が生じ易いが、この接合部6が外径一定(剛性が一定)の第2コイル部42の内側に位置することで、ワイヤ本体10の接合部6の前後の剛性変化を吸収、緩和することができ、剛性(柔軟性)の緩やかな変化を得ることができる。そのため、ガイドワイヤ1の耐キンク性、操作性および安全性を向上することができる。
なお、本発明では、図示の構成と異なり、接合部6が境界部43または第1コイル部41の内側、あるいはコイル4の基端より基端側に位置していてもよい。
また、第1ワイヤ2の大径部21は、第2コイル部42の内側に位置しており、小径部23は、第1コイル部41の内側に位置している。これにより、ガイドワイヤ1は、第2コイル部42から第1コイル部41にかけて、徐々に柔軟性を増すようにすることが容易に可能となる。
さらに、第1ワイヤ2のテーパ部22は、図1に示すように第1コイル部41の内側に位置しているか、あるいは境界部43の内側に位置しているのが好ましい。これにより、第2コイル部42から第1コイル部41にかけての柔軟性の変化をより円滑に行うことができ、ガイドワイヤ1の先端部における耐キンク性、操作性および安全性をさらに向上することができる。
なお、図示の構成では、第1コイル部41、第2コイル部42は、それぞれ、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された素線同士が隙間なく密に配置されているが、これと異なり、素線同士の間にやや隙間が空いているような構成であってもよい。
第1コイル部41(素線411)および第2コイル部42(素線421)の構成材料としては、金属材料、樹脂材料のいずれでもよいが、素線411、421のうちの少なくとも素線421は金属材料で構成されているのが好ましく、素線411、421の双方が金属材料で構成されているのがより好ましい。
素線411、421を構成する金属材料としては、それぞれ、前記第1ワイヤ2および第2ワイヤ3の構成材料で挙げた材料と同様のものを用いることができる。また、その他の金属として、例えば、コバルト系合金、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1の先端部にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。
また、第1コイル部41(素線411)と第2コイル部42(素線421)とが、異なる材料で構成されていてもよい。その好ましい例としては、素線411をNi−Ti合金等の超弾性合金で構成し、素線421をステンレス鋼で構成する場合が挙げられる。この場合には、コイル部4におけるトルク伝達性、押し込み性を確保しつつコイル部4の先端側をより柔軟性に富むものとすることができる。両コイル部を異なる材料で構成する他の例としては、素線411をX線不透過材料で構成し、素線421をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼等)で構成する場合が挙げられる。
第1コイル部41(素線411)、第2コイル部42(素線421)共にX線造影性を有さない場合には、別途X線造影性を有するマーカを設置することができる。後述する樹脂被覆層8中にX線不透過材料によるフィラーを分散することも、その一例である。
図1に示すように、コイル4は、ワイヤ本体10に対し3箇所で固定されている。すなわち、コイル4は、第1コイル部41の先端部が固定材料(固定部)51により第1ワイヤ2の先端に固定され、第2コイル部42の基端部が固定材料(固定部)53により第2ワイヤ3の途中(小径部33とテーパ部32の境界付近)に固定され、境界部43が固定材料(固定部)52により第1ワイヤ2の途中(テーパ部22と大径部21との境界付近)に固定されている。このような箇所で固定することにより、ガイドワイヤ1の先端部(コイル4が存在する部位)の柔軟性を損なうことなく、第1コイル部41および第2コイル部42をそれぞれ確実に固定することができる。
固定材料51、52および53は、それぞれ、半田(ろう材)で構成されている。なお、固定材料51、52および53は、半田に限らず、接着剤でもよい。また、コイル4のワイヤ本体10に対する固定方法は、前記のような固定材料によるものに限らず、例えば、溶接でもよい。また、血管等の体腔の内壁の損傷を防止するために、固定材料51の先端面は、丸みを帯びているのが好ましい。
図1に示すように、ワイヤ本体10は、その外周面(外表面)の全部または一部を覆う被覆層として、樹脂被覆層8、9を有している。図示の実施形態では、コイル4および第2ワイヤ3の外周に、それぞれ、樹脂被覆層8および9が設けられている。特に図1に示す構成では、樹脂被覆層8内に素線411および412の全部または一部が埋入した構成となっている。
樹脂被覆層8、9は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、樹脂被覆層8、9は、以下に述べるような摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に接合部6付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
その中でも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ1とカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、焼きつけ、吹きつけ等の方法により、樹脂材料を加熱した状態で、ワイヤ本体10への被覆を行うことができる。これにより、樹脂被覆層8、9の密着性は特に優れたものとなる。
また、樹脂被覆層8、9がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、樹脂被覆層8、9を形成する(コイル4やワイヤ本体10に被覆する)際に、加熱しなくても、確実かつ強固に密着した樹脂被覆層8、9を形成することができる。すなわち、樹脂被覆層8、9をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、樹脂被覆層8、9の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて樹脂被覆層8、9を形成することにより、簡便にコーティングができるとともに、接合部6における第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合強度を十分に維持した状態にてガイドワイヤの操作ができる。
また、樹脂被覆層8、9(特に先端側の樹脂被覆層8)は、ガイドワイヤ1を血管等に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、樹脂被覆層8、9は柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
特に、樹脂被覆層8、9が前述した熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性がより向上するため、血管等への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。
このような樹脂被覆層8、9は、それぞれ、2層以上の積層体でもよい。また、樹脂被覆層8と樹脂被覆層9とは、同一材料で構成されていても、異なる材料で構成されていてもよい。例えば、ガイドワイヤ1の先端側に位置する樹脂被覆層8は、前述した柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成し、ガイドワイヤ1の基端側に位置する樹脂被覆層9は、前述した摩擦を低減し得る材料で構成することができる。これにより、摺動性(操作性)の向上と安全性の向上の両立を図ることができる。
樹脂被覆層8、9の厚さは、特に限定されず、樹脂被覆層8、9の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、樹脂被覆層8、9共に、厚さ(平均)が1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜30μm程度であるのがより好ましい。樹脂被覆層8、9の厚さが薄すぎると、樹脂被覆層8、9の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、樹脂被覆層8、9の剥離が生じるおそれがある。また、樹脂被覆層8、9の厚さが厚すぎると、ガイドワイヤ1の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また樹脂被覆層8、9の剥離が生じるおそれがある。
なお、本発明では、コイル4やワイヤ本体10の外周面(表面)に、樹脂被覆層8、9の密着性を向上するための処理(粗面加工、化学処理、熱処理等)を施したり、樹脂被覆層8、9の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
樹脂被覆層8は、コイル4の先端(固定材料51を含む)を露出することなく覆っており、しかも、樹脂被覆層8の先端は、丸みを帯びた形状であるのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1を血管等の体腔に挿入する際、その内壁の損傷をより有効に防止し、安全性を高めることができる。
また、樹脂被覆層8中には、造影性を有する材料(前記X線不透過材料等)によるフィラー(粒子)が分散され、これにより造影部を構成するようにしてもよい。
ガイドワイヤ1の少なくとも先端部の外面には、親水性材料がコーティングされているのが好ましい。本実施形態では、ガイドワイヤ1の先端からテーパ部32の基端付近に至るまでの領域におけるガイドワイヤ1の外周面に、親水性材料がコーティングされている。これにより、親水性材料が湿潤して潤滑性を生じ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)が低減し、摺動性が向上する。従って、ガイドワイヤ1の操作性が向上する。
親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
図5〜図14は、それぞれ、本発明のガイドワイヤ1をPTCAに用いた場合における使用状態を示す図である。このうち、図7〜図14は、CTO(Chronic Total Occlusion:慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を模式的に示す図である。
図5および図6中、符号40は大動脈弓、符号50は心臓の右冠状動脈、符号60は右冠状動脈開口部、符号70は血管狭窄部(病変部)である。また、符号30は大腿動脈からガイドワイヤ1を確実に右冠状動脈に導くためのガイディングカテーテル、符号17はその先端部分に拡張・収縮自在なバルーン18を有する狭窄部拡張用のバルーンカテーテルである。なお、以下の操作は、X線透視下で行われる。
ガイドワイヤ1の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入する(図5参照)。ガイドワイヤ1を先端から右冠状動脈50内に挿入し、さらに進めて血管狭窄部70を通過させ、ガイドワイヤ1の先端が血管狭窄部70を超えた位置で停止する。これにより、バルーンカテーテル17の通路が確保される。なお、このとき、ガイドワイヤ1の第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部6は、大動脈弓40の下行大動脈側(生体内)に位置している。
次に、ガイドワイヤ1の基端側から挿通されたバルーンカテーテル17の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、さらにガイドワイヤ1に沿って進め、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入し、バルーン18が血管狭窄部70の位置に到達したところで停止する。
次に、バルーンカテーテル17の基端側からバルーン拡張用の流体を注入して、バルーン18を拡張させ、血管狭窄部70を拡張する。このようにすることによって、血管狭窄部70の血管に付着堆積しているコレステロール等の堆積物は物理的に押し広げられ、血流阻害が解消できる。
次に、CTOの拡張治療の操作手順について、図7〜図14を参照しつつ説明する。図7〜図14では、図中の左側が「基端」、右側が「先端」となる。また、CTOの治療に用いるガイドワイヤ1は、その先端部が、平板部24をリシェイプすることにより予め所望の形状に湾曲変形されている。
血管(右冠状動脈50等)15内でガイドワイヤ1を血管狭窄部70に向かって進め、ガイドワイヤ1の先端を血管狭窄部70の手前に位置させる(図7参照)。
次に、ガイドワイヤ1に沿ってマイクロカテーテル35を先端方向へ進め、マイクロカテーテル35の先端をガイドワイヤ1の先端部に接近させる(図8参照)。なお、必要に応じて、ガイドワイヤ1単体もしくはマイクロカテーテルの替りにバルーンカテーテルと共に使用することもある。
ガイドワイヤ1の先端を、血管狭窄部70の窪み71に位置させる(図9参照)。
ガイドワイヤ1を回転させながら、血管狭窄部70内をゆっくりと進めてゆき(図10参照)、血管狭窄部70を通過させる(図11参照)。ガイドワイヤ1の先端部は、コイル4の外径が小さくなっており、コイル4の表面積が小さいのでガイドワイヤ先端に伝わる力が大きくなる。これにより、ガイドワイヤ1の最先端が血管狭窄部70に与える圧力が大きくなる。さらに、コイル4の表面積が小さくなるとコイル4と血管狭窄部70との摩擦抵抗が小さくなる。これらのことにより、ガイドワイヤ1を血管狭窄部70内で進め易くなる。
ガイドワイヤ1を留置したまま、マイクロカテーテル35を抜き取り、それに代えてガイドワイヤ1の基端側からバルーンカテーテル17を挿通し、該バルーンカテーテル17の先端を血管狭窄部70の手前に位置させる。
さらに、バルーンカテーテル17をガイドワイヤ1に沿って先端方向へ進め、バルーン18を血管狭窄部70内に位置させたところで停止する(図12参照)。
バルーンカテーテル17の基端側からバルーン拡張用の流体を注入して、バルーン18を拡張させ、血管狭窄部70を拡張する。これにより、狭窄部70は、狭窄が緩和または解除されて開通し、血管15に血流が確保される(図13参照)。
バルーン18内からバルーン拡張用の流体を抜き取り、バルーン18を収縮させる。次いで、バルーンカテーテル17をガイドワイヤ1と共に基端方向へ移動して、血管15より抜き取る。以上でCTOの治療の手技を終わる。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のガイドワイヤの用途は、上述したPTCAにおいて使用される場合に限られず、例えば血管造影や経内視鏡手技等に使用することもできる。
本発明のガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤにおける第1コイル部の構成例を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明のガイドワイヤにおける第1コイル部の構成例を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明のガイドワイヤにおける第1コイル部の構成例を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの使用例を説明するための模式図である。 本発明のガイドワイヤの使用例を説明するための模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。 本発明のガイドワイヤによりCTO(慢性完全閉塞)を治療する際の操作手順を示す模式図である。
符号の説明
1 ガイドワイヤ
10 ワイヤ本体
100 ワイヤ本体の中心線
2 第1ワイヤ
21 大径部
22 テーパ部
23 小径部
24 平板部
3 第2ワイヤ
31 大径部
32 テーパ部
33 小径部
4 コイル
41 第1コイル部
411 素線
415 素線の横断面中心同士を結ぶ線
42 第2コイル部
421 素線
43 境界部
51、52、53 固定材料(固定部)
6 接合部(溶接部)
8、9 樹脂被覆層
15 血管
17 バルーンカテーテル
18 バルーン
30 ガイディングカテーテル
35 マイクロカテーテル
40 大動脈弓
50 右冠状動脈
60 右冠状動脈開口部
70 血管狭窄部
71 窪み

Claims (5)

  1. 可撓性を有するワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に形成してなるコイルとを備え、
    前記コイルは、先端側に位置し、コイル外径が先端方向に向かって漸減する第1コイル部と、第1コイル部の基端側に位置し、長手方向に沿ってコイル外径がほぼ一定の第2コイル部とを有することを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記第1コイル部の内径がほぼ一定かまたは先端方向に向かって漸増している請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 可撓性を有するワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に形成してなるコイルとを備え、
    前記コイルは、その外径が先端方向に向かって漸減し、かつ前記コイルの内径がほぼ一定かまたは先端方向に向かって漸増する第1コイル部を有することを特徴とするガイドワイヤ。
  4. 前記第1コイル部を構成する素線は、その横断面積が先端方向に向かって漸減するものである請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  5. 前記第1コイル部を構成する素線は、その横断面積が円形であり、かつその直径が先端方向に向かって漸減するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
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