JP2005211511A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性、操作性に優れ、第1ワイヤと第2ワイヤとの接合強度が高いガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、先端側に配置され擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤ2と、その基端に溶接により接合され第1ワイヤ2の構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2ワイヤ3とを備えるワイヤ本体10を有する。第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部14は、層状をなしている。ワイヤ本体10の接合部14を含む部位に引っ張り試験を行ったとき、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域と、該弾性領域に続くぼぼ水平または右上がりの降伏領域と、該降伏領域に続く右上がりのほぼ直線状の直線領域とを有し、該直線領域の終端付近で破断し、かつその破断位置が接合部14以外の箇所であるような特性を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガイドワイヤ、特に血管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤに関する。
ガイドワイヤは、例えばPTCA術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCA術に用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
血管は、複雑に湾曲しており、バルーンカテーテルを血管に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の曲げに対する柔軟性と復元性、基端部における操作を先端側に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを総称して「操作性」という)、さらには耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。それらの特性の内、適度の柔軟性を得るための構造として、ガイドワイヤの細い先端芯材の回りに曲げに対する柔軟性を有する金属コイルを備えたものや、柔軟性と復元性を付与するためガイドワイヤの芯材にNi−Ti等の超弾性線を用いたものがある。
従来のガイドワイヤは、芯材が実質的に1種の材料から構成されており、ガイドワイヤの操作性を高めるために、比較的弾性率の高い材料が用いられ、その影響としてガイドワイヤ先端部の柔軟性が失われる傾向にあった。また、ガイドワイヤの先端部の柔軟性を得るために、比較的弾性率の低い材料を用いると、ガイドワイヤの基端側における操作性が失われる。このように、必要とされる柔軟性および操作性を、1種の芯材で満たすことは困難とされていた。
このような欠点を改良するため、例えば芯材にNi−Ti合金線を用い、その先端側と基端側とに異なった条件で熱処理を施し、先端部の柔軟性を高め、基端側の剛性を高めたガイドワイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような熱処理による柔軟性の制御には限界があり、先端部では十分な柔軟性が得られても、基端側では必ずしも満足する剛性が得られないことがあった。
また、先端側に配置された可撓性を有する第1のワイヤと、基端側に配置された剛性が高い第2のワイヤと、第1のワイヤと第2のワイヤとを接続し溝およびスリットを有する管状の接続部材とからなり、接続部材は先端側から基端側に向かって徐々に剛性が高くなるよう構成されたガイドワイヤが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このようなガイドワイヤは、先端側と基端側とにそれぞれ所望の特性を有するワイヤを配置することができるが、両ワイヤを管状の接続部材を介して接続するので、両ワイヤの接合強度を高くすることができず、トルク伝達性が十分に得られないという問題がある。また、ワイヤの接続作業に手間がかかるという製造上の問題もある。
特公平4−60675号公報 特開平10−118005号公報
本発明の目的は、物理的特性が異なる第1ワイヤと第2ワイヤとを接合して用いることにより柔軟性および操作性を十分に確保しつつ、第1ワイヤと第2ワイヤとの接合強度が高く、より高い信頼性を有するガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に溶接により接合され、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2ワイヤとを備えるワイヤ本体を有し、
前記ワイヤ本体の接合部を含む部位に引っ張り試験を行ったとき、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域と、該弾性領域に続くぼぼ水平または右上がりの降伏領域とを有し、前記降伏領域の終端よりさらに高い荷重で破断し、かつ、その破断位置が前記接合部以外の箇所であるような特性を示すことを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に溶接により接合され、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2ワイヤとを備えるワイヤ本体を有し、
前記ワイヤ本体の接合部を含む部位に引っ張り試験を行ったとき、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域と、該弾性領域に続くぼぼ水平または右上がりの降伏領域と、該降伏領域に続く右上がりのほぼ直線状の直線領域とを有し、前記直線領域の終端付近で破断し、かつ、前記接合部は前記第2ワイヤの先端部よりも破断強度が高いことを特徴とするガイドワイヤ。
(3) 前記引張荷重−伸び線図において、破断が近付いた際、ネッキングにより引張荷重−伸び線が下方に向かって湾曲する現象を呈する上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記ワイヤ本体の破断強度が4kg重以上である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(5) 前記第1ワイヤは、超弾性合金で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(6) 前記第2ワイヤは、ステンレス鋼またはCo基合金で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(7) 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率の大きい材料で構成された第2ワイヤと、前記第1ワイヤの基端と前記第2ワイヤの先端とを溶接により接合された接合部とを備えるワイヤ本体を有し、前記接合部は前記第2ワイヤの先端部よりも破断強度が高いことを特徴とするガイドワイヤ。
また、上記(1)〜(7)の本発明において、さらに下記(8)〜(17)を満たすのが好ましい。
(8)前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとの接合部が、曲面状をなし、かつ、前記ワイヤ本体の中心軸に対しほぼ対称な形状である。
(9) 前記接合部は、前記ワイヤ本体の基端方向に向かって凸となる湾曲凸面状をなしている。
(10) 前記接合部は、層状をなしている。
(11) 前記層状をなす接合部の厚さは、0.001〜100μmである。
(12) 前記被覆層は、摩擦を低減し得る材料で構成されている。
(13) 前記被覆層は、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂またはフッ素系樹脂で構成されている。
(14) 前記被覆層の平均厚さは、1〜30μmである。
(15) 前記ワイヤ本体は、その外径が先端方向へ向かって漸減している外径漸減部を有する。
(16) 前記第1ワイヤの少なくとも先端側の部分を覆う螺旋状のコイルを有する。
(17) 前記第1ワイヤおよび前記第2ワイヤのそれぞれの構成材料中に、共通の金属元素が含まれている。
本発明のガイドワイヤによれば、所望の物理的特性を有する第1ワイヤと第2ワイヤとを溶接により接合して用いることにより、柔軟性および操作性を十分に確保することができ、しかも、第1ワイヤと第2ワイヤとの接合部の接合強度が高い。
そのため、ガイドワイヤに引っ張り、曲げ、ねじり等の応力が作用した場合でも、第1ワイヤと第2ワイヤとの接合部が離脱したり破断したりすることがなく、高い信頼性、安全性が得られると共に、基端側から先端側へのねじりトルクや押し込み力を確実に伝達することができ、優れた操作性を発揮する。
以下、本発明のガイドワイヤについて添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図、図2は、本発明のガイドワイヤにおけるワイヤ本体の接合部付近を拡大して示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図1および図2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用のガイドワイヤであって、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを溶接により接合してなるワイヤ本体10と、螺旋状のコイル4とを有している。ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ワイヤ本体10の外径(外径が一定である部分の外径)は、特に限定されないが、通常、0.2〜1.4mm程度であるのが好ましい。
第1ワイヤ2は、擬弾性を示す材料(合金)の線材で構成されている。この材料については、後に詳述する。また、第1ワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1ワイヤ2は、その外径が一定である部分と、外径が先端方向へ向かって漸減している部分(外径漸減部)とを有する。後者は、一箇所でも二箇所以上でもよく、図示の実施形態では、二箇所の外径漸減部15、16を有している。
このような外径漸減部15、16を有することにより、第1ワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
図示の構成では、外径漸減部15、16は、それぞれ第1ワイヤ2の長手方向の一部に形成されているが、第1ワイヤ2の全体が外径漸減部を構成していてもよい。また、外径漸減部15、16のテーパ角度(外径の減少率)は、ワイヤ長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
また、図示の構成と異なり、外径漸減部16の基端が第2ワイヤ3の途中に位置する、すなわち、外径漸減部16が第1ワイヤ2と第2ワイヤ3の接合部(溶接部)14を跨って形成された構成でもよい。
第1ワイヤ2の構成材料は、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)が好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1ワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性および安全性が得られるとともに、第1ワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、第1ワイヤ2に備わる復元性により曲がり癖が付かないので、ガイドワイヤ1の使用中に第1ワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引っ張りによる応力−ひずみ曲線(引張荷重−伸び線)のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。このなかでも特に好ましいものは、上記のNi−Ti系合金である。なお、Ni−Ti系合金に代表される超弾性合金は、後述する被覆層5の密着性にも優れている。
第1ワイヤ2の基端には、第2ワイヤ3の先端が溶接により接合(連結)されている。第2ワイヤ3は、弾性を有する線材で構成されている。第2ワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましい。
第2ワイヤ3は、第1ワイヤ2の構成材料より弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)が大きい材料で構成されている。換言すれば、第2ワイヤ3は、第1ワイヤ2の構成材料より剛性の高い材料で構成されている。これにより、第2ワイヤ3に適度な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が得られ、ガイドワイヤ1がいわゆるコシの強いものとなって押し込み性およびトルク伝達性が向上し、より優れた挿入操作性が得られる。
特に、第1ワイヤ2の前述した特性によりガイドワイヤ1の先端側の部分に優れた柔軟性を確保しつつ、第2ワイヤ3によりガイドワイヤ1の基端側の部分が剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)に富んだものとなるので、ガイドワイヤ1は、優れた押し込み性やトルク伝達性を得て良好な操作性を確保しつつ、先端側においては良好な柔軟性、復元性を得て血管への追従性、安全性が向上する。
第2ワイヤ3の構成材料(素材)は、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等SUSの全品種)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性合金などの各種金属材料を用いることができる。
この中でも、コバルト系合金は、ワイヤとしたときの弾性率が高く、かつ適度な弾性限度を有している。このため、コバルト系合金で構成された第2ワイヤ3は、特に優れたトルク伝達性を有し、座屈等の問題を極めて生じ難い。コバルト系合金としては、構成元素としてCoを含むものであれば、いかなるものを用いてもよいが、Coを主成分として含むもの(Co基合金:合金を構成する元素中で、Coの含有率が重量比で最も多い合金)が好ましく、Co−Ni−Cr系合金を用いるのがより好ましい。このような組成の合金を、第2ワイヤ3の構成材料として用いることにより、前述した効果がさらに顕著なものとなる。また、このような組成の合金は、弾性係数が高く、かつ高弾性限度としても冷間成形可能で、高弾性限度であることにより、座屈の発生を十分に防止しつつ、小径化することができ、所定部位に挿入するのに十分な柔軟性と剛性を備えるものとすることができる。
Co−Ni−Cr系合金としては、例えば、28〜50wt%Co−10〜30wt%Ni−10〜30wt%Cr−残部Feの組成からなる合金や、その一部が他の元素(置換元素)で置換された合金等が好ましい。置換元素の含有は、その種類に応じた固有の効果を発揮する。例えば、置換元素として、Ti、Nb、Ta、Be、Moから選択される少なくとも1種を含むことにより、第2ワイヤ3の強度のさらなる向上等を図ることができる。なお、Co、Ni、Cr以外の元素を含む場合、その(置換元素全体の)含有量は30wt%以下であるのが好ましい。
また、Co、Ni、Crの一部は、他の元素で置換してもよい。例えば、Niの一部をMnで置換してもよい。これにより、例えば、加工性のさらなる改善等を図ることができる。また、Crの一部をMoおよび/またはWで置換してもよい。これにより、弾性限度のさらなる改善等を図ることができる。Co−Ni−Cr系合金の中でも、Moを含む、Co−Ni−Cr−Mo系合金が特に好ましい。
Co−Ni−Cr系合金の具体的な組成としては、例えば、[1]40wt%Co−22wt%Ni−25wt%Cr−2wt%Mn−0.17wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、[2]40wt%Co−15wt%Ni−20wt%Cr−2wt%Mn−7wt%Mo−0.15wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、[3]42wt%Co−13wt%Ni−20wt%Cr−1.6wt%Mn−2wt%Mo−2.8wt%W−0.2wt%C−0.04wt%Be−残部Fe、[4]45wt%Co−21wt%Ni−18wt%Cr−1wt%Mn−4wt%Mo−1wt%Ti−0.02wt%C−0.3wt%Be−残部Fe、[5]34wt%Co−21wt%Ni−14wt%Cr−0.5wt%Mn−6wt%Mo−2.5wt%Nb−0.5wt%Ta−残部Fe等が挙げられる。本発明でいうCo−Ni−Cr系合金とはこれらの合金を包含する概念である。
また、第2ワイヤ3の構成材料として、ステンレス鋼を用いた場合、ガイドワイヤ1は、より優れた押し込み性およびトルク伝達性が得られる。
第1ワイヤ2と、第2ワイヤ3との具体的な組合せとしては、第1ワイヤ2を超弾性合金(特にNi−Ti系合金)で構成し、第2ワイヤ3をCo基合金(特にCo−Ni−Cr系合金)またはステンレス鋼(Fe−Cr−Ni系合金)で構成することが特に好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。また、このような組み合わせが好ましい他の理由としては、第1ワイヤ2および第2ワイヤ3のそれぞれの構成材料中に、共通の金属元素(例えばNi)が含まれていることである。これにより、両者の接合部14の接合強度がさらに高いものとなる。そのため、後述する引っ張り試験に供された際、接合部14での破断が回避され、生体に対する使用において信頼性、安全性が高いガイドワイヤ1が得られる。
第2ワイヤ3は、概ねその外径は一定であるが、第2ワイヤ3の先端付近(接合部14の基端側近傍)に、それ以外の部分よりも柔軟な部位を有している。図1において、前記柔軟な部位として、外径が先端方向へ向かって漸減する外径漸減部18を有している。この外径漸減部18の存在により、第2ワイヤ3から第1ワイヤ2への物理的特性、特に弾性が滑らかに変化し、接合部14の前後において優れた押し込み性やトルク伝達性が発揮され、耐キンク性も向上する。前記柔軟な部位の他の例としては、第2ワイヤ3の先端付近に熱のため降伏応力が他の部分よりも低い部位を有することが挙げられる。このように、第2ワイヤ3の先端付近は、該先端付近以外の部分よりも柔軟であり、第1ワイヤ2は、第2ワイヤ3の先端付近よりも柔軟に構成されている。段階的に柔軟性を増加させることにより押し込み性やトルク伝達性、耐キンク性に優れる。
コイル4は、線材(細線)を螺旋状に巻回してなる部材であり、第1ワイヤ2の先端側の部分を覆うように設置されている。図示の構成では、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内側のほぼ中心部に挿通されている。また、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内面と非接触で挿通されている。接合続境界部14は、コイル4の基端より基端側に位置している。
なお、図示の構成では、コイル4は、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士の間にやや隙間が空いているが、図示と異なり、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士が隙間なく密に配置されていてもよい。
コイル4は、金属材料で構成されているのが好ましい。コイル4を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。また、コイル4は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成してもよい。例えば、先端側をX線不透過材料のコイル、基端側をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼など)のコイルにて各々構成してもよい。なお、コイル4の全長は、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましい。
コイル4の基端部および先端部は、それぞれ、固定材料11および12により第1ワイヤ2に固定されている。また、コイル4の中間部(先端寄りの位置)は、固定材料13により第1ワイヤ2に固定されている。固定材料11、12および13は、半田(ろう材)で構成されている。なお、固定材料11、12および13は、半田に限らず、接着剤でもよい。また、コイル4の固定方法は、固定材料によるものに限らず、例えば、溶接でもよい。また、血管内壁の損傷を防止するために、固定材料12の先端面は、丸みを帯びているのが好ましい。
本実施形態では、このようなコイル4が設置されていることにより、第1ワイヤ2は、コイル4に覆われて接触面積が少ないので、摺動抵抗を低減することができ、よって、ガイドワイヤ1の操作性がより向上する。
なお、本実施形態の場合、コイル4は、線材の横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、線材の断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
ガイドワイヤ本体10を構成する第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とは、溶接により接合されている。これにより、簡単な方法で、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合部(溶接部)14に高い接合強度が得られ、よって、ガイドワイヤ1は、第2ワイヤ3からのねじりトルクや押し込み力が確実に第1ワイヤ2に伝達される。
このような接合部14の形態は、特に限定されないが、図2に示すように、層状をなしている(視覚上の層状に限らず概念的に層状を形成する場合、例えば含有成分の変化が顕著な場合も含む)のが好ましい。この層の厚さは、好ましくは0.001〜100μm程度、より好ましくは0.1〜15μm程度、より好ましくは0.3〜2μm程度である。また、この層の厚さは部分的に厚い部分があっても構わないが、ほぼ同じ厚さであることが好ましい。接合部14がこのような厚さの層状をなすことにより、より一層高い接合強度が得られる。
なお、図2では、理解を容易にするために、層状をなす接合部14と、第1ワイヤ2の材料や第2ワイヤ3の材料との界面は、明確に示されているが、これらはいずれも、明確な境界面が存在しなくてもよい。
溶接により接合された接合部14は、その層中に、第1ワイヤ2を構成する金属材料中の成分(金属元素)と、第2ワイヤ3を構成する金属材料中の成分(金属元素)とが混在している。換言すれば、第1ワイヤ2、接合部14および第2ワイヤ3と、部位が変化するに従ってそれを構成する材料の組成が徐々に(連続的に)変化する。
例えば、第1ワイヤ2をNi−Ti系合金で構成し、第2ワイヤ3をステンレス鋼(Fe−Cr−Ni系合金)で構成した場合、接合部14中では、第2ワイヤ3側から第1ワイヤ2側に向かって、FeおよびCrが減少する傾向を示し、第1ワイヤ2側から第2ワイヤ3側に向かって、NiおよびTiが減少する傾向を示す。
以上のように、接合部14およびその前後における組成(含有成分)の変化を有することで、より一層高い接合強度が得られる。
なお、層状をなす接合部14と、第1ワイヤ2の材料および第2ワイヤ3の材料との界面付近は、前記含有成分(金属元素)の含有量が急激に変化することがある。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との溶接方法としては、特に限定されず、例えば、摩擦圧接、レーザを用いたスポット溶接、バットシーム溶接等の突き合わせ抵抗溶接などが挙げられるが、比較的簡単で高い接合強度が得られることから、突き合わせ抵抗溶接が特に好ましい。
このような接合部14の形状は、特に限定されず、平面形状でもよいが、図1および図2に示すように、曲面状をなしているのが好ましい。特に、ワイヤ本体10の基端方向に向かって凸となる湾曲凸面状(皿状)をなしているのが好ましい。また、接合部14の曲面は、ワイヤ本体10の中心軸に対しほぼ対称な形状であるのが好ましい。すなわち、接合部14の曲面は、ワイヤ本体10の中心軸を中心とする回転体形状をなしているのが好ましい。接合部14の回転体形状としては、皿状の他、例えば、球面状、放物面状、あるいはこれらに近似した形状が挙げられる。
接合部14がこのような形状であることにより、次のような効果が得られる。すなわち、接合部14が曲面状をなしているので、平面に比べて接合面積が大きくなるとともに、曲げに対し応力を分散させる効果が生じるので、高い接合強度が得られる。また、接合部14の曲面がワイヤ本体10の中心軸に対し対称な形状であることから、ワイヤ本体10にねじりが加えらた際に、第2ワイヤ3から第1ワイヤ2へトルクを均一に(偏りを生じずに)伝達することができる。このようなことから、操作性の向上に寄与する。
図2に示すように、ワイヤ本体10の接合部14における外径は、接合部14の基端側および先端側の部位の外径より大きいものとなっているのが好ましい。すなわち、ワイヤ本体10の接合部14を含む所定の領域は、外周方向に若干突出(隆起)した突出部17を有している。このような構成とすることにより、接合部14の接合面積をより大きくすることができるので接合強度が向上し、第2ワイヤ3からのねじりトルクや押し込み力をより確実に第1ワイヤ2に伝達することができる。
また、突出部17を有することにより、例えば、X線透視下で、接合部14が存在する箇所をより容易に視認することが可能となる。その結果、X線透視像を確認することにより、血管内などにおけるガイドワイヤ1やカテーテルの進行状況を容易かつ確実に把握することができ、施術時間の短縮、安全性の向上に寄与する。
突出部17の高さは、特に限定されないが、1μm〜0.4mm程度であるのが好ましく、5〜50μm程度であるのがより好ましい。突出部17の高さが前記下限値未満であると、第1ワイヤ2、第2ワイヤ3の構成材料などによっては、突出部17を設けることによる効果が十分に発揮されない可能性がある。一方、突出部17の高さが前記上限値を超えると、ガイドワイヤ1を挿入するルーメンの内径が決まっているので、突出部17の高さと比較して、基端側の第2ワイヤ3の外径を細くせざるを得なくなり、第2ワイヤ3の物性を十分に発揮するのが困難になる場合がある。
このような突出部17は、例えば次のようにして形成される。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とは、例えばバット溶接機によって、所定の電圧を印加されながら第1ワイヤ2の基端と第2ワイヤ3の先端とが加圧接触される。この加圧接触により、接触部分には溶融層が形成され、この溶融層が冷却固化すると接合部14が形成され、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが強固に接合される。この溶接の際に、接合部14を含む所定の領域(例えば、接合部14から前後0.1〜5mm程度の範囲)に外径が大なる隆起部分が形成される。この隆起部分を適度に除去(削除)して形状を整えることにより、突出部17を形成する。突出部17の外周面は、実質的に平滑な面とすることができる。なお、この隆起部分の除去(整形)の方法は、例えば、研削、研磨、エッチング等の化学処理が挙げられる。
本発明において、ワイヤ本体10は、以下に述べるような物理的特性を有している。図3および図4は、それぞれ、ワイヤ本体に対し引っ張り試験を行ったときの引張荷重−伸び線図(模式図)である。以下、図3および図4を参照しつつ詳細に説明する。
ワイヤ本体10の接合部14を含む所定長さ(例えば、接合部14を中心とする20〜60mm程度の長さ)の部位に対し、引っ張り試験を行ったとき、図3に示すように、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域Aと、該弾性領域Aに続くぼぼ水平(または右上がり)の降伏領域Bと、該降伏領域Bに続く右上がりのほぼ直線状の直線領域Cとを有し、直線領域Cの終端付近(降伏領域Bの終端よりさらに高い荷重)で破断する。しかも、ワイヤ本体10の破断位置は、接合部14以外の箇所、すなわち、第1ワイヤ2の途中または第2ワイヤ3の途中である。
引っ張りを開始すると、引張荷重−伸び線図では、まず、ほぼ直線状に延びた弾性領域Aが現れる。弾性領域Aからさらに荷重を付加すると該弾性領域Aよりも傾きの少ない降伏領域Bが現れる。
第1ワイヤ2が第2ワイヤ3よりも弾性率の低い材料で構成されていることから、弾性領域Aは、第1ワイヤ2の構成材料の物理的特性がより多く現れるものと考えられる。第1ワイヤ2自体がほぼ水平の荷重−伸び線を示すと、降伏領域Bは、ぼぼ直線状でかつ水平(平坦)な線を示す(図3参照)。降伏領域Bの終端(図3中の右端)でも、接合部14の破断は生じない。すなわち、接合部14を構成する層自体(層の内部)、該層と第1ワイヤ2との境界部付近および該層と第2ワイヤ3との境界部付近のいずれもが破断を生じない。
次に、降伏領域Bを超えて右上がりのほぼ直線状の直線領域Cが現れる。この直線領域Cは、第1ワイヤ2の構成材料と第2ワイヤ3の構成材料の両方の物理的特性が重なって出現しているものと考えられる。接合部14が降伏領域Bを超える破断強度を有することにより、第2ワイヤ3よりも柔軟性に富む第1ワイヤ2が、例え接合部14付近にて降伏領域Bの終端近傍に相当する力で強く引っ張られたり曲げられたりねじられたりしても、接合部14の接合状態は維持されることになる。そのため、ガイドワイヤ1は、高い信頼性および安全性が得られる。
さらに荷重を付加すると、やがて直線領域C内で破断するが、引張荷重−伸び線図では、破断点Dから垂直に下がる線として示される。直線領域Cの終端は、破断点Dであるが、この付近を拡大すると、引張荷重−伸び線が尖頭形状となる場合のほか、引張荷重−伸び線が下方に向かって湾曲する湾曲部Eを有する現象が現れる(図3中拡大して示す)。
この湾曲部Eは、破断が近付いた際、例えば第2ワイヤ3の先端部がネッキング(外径の減少によるくびれ:ネックダウンとも言う)を生じることにより現れるものである。ネッキングの程度が小さい程、湾曲部Eの曲率半径は小さくなり、尖頭形状に近付く。このようなネッキングを生じるということは、ワイヤ材料にねばりがあり、ワイヤに過剰な応力が負荷されてもいきなり破断することがないという利点がある。
ワイヤ本体10における破断位置は、概ねネッキングを生じた部位であることが多いが、第2ワイヤ3の先端部(ネッキングを生じた部位)が破断するということは、接合部14を構成する層自体(層の内部)、該層と第1ワイヤ2との境界部および該層と第2ワイヤ3との境界部のいずれの部分でも破断を生じないことを意味し、さらには、接合部14は、第2ワイヤ3の先端部よりも破断強度が高いことを示している。その結果、ガイドワイヤ1は、高い信頼性および安全性が得られる。
ワイヤ本体10の破断強度は、特に限定されないが、4kg重以上であるのが好ましく、5kg重以上であるのがより好ましく、8kg重以上であるのがさらに好ましい。この破断強度が小さ過ぎると、信頼性の向上が十分に得られないおそれがある。
図4(a)(b)は、引張荷重−伸び線図の他のパターンを示す。図4(a)に示す引張荷重−伸び線は、弾性領域Aおよび降伏領域Bは、図3とほぼ同様であるが、直線領域Cの傾きが図3のものと比べて大きく(急峻な上昇と)なっている。例えば、第2ワイヤ3の構成材料として、より弾性率の大きい(剛性の高い)材料を用いた場合や、第2ワイヤ3の外径をより大きくした場合には、このような傾向が現れる。
図4(b)に示す引張荷重−伸び線は、弾性領域Aおよび直線領域Cは、図3とほぼ同様であるが、降伏領域Bは、右上がりのほぼ直線状をなしている。この場合、降伏領域Bにおける傾きは、弾性領域Aの傾きよりも小さく、また、直線領域Cの傾きよりも小さい。例えば、第1ワイヤ2自体は擬弾性を示す材料で構成されているが、降伏点以降も右上がりの引張荷重−伸び線(応力−ひずみ曲線)を示す材料である場合が考えられる。また、第1ワイヤ2が接合部14付近において先端に向って外径が漸減するようなテーパ状であって、弾性領域Aを超えた荷重でそのテーパ状の部分に荷重がかかる場合が挙げられる。第1ワイヤ2の材料自体が平坦な降伏を示すものであってもワイヤ形状によって引張荷重−伸び線に影響を与えられ、降伏領域Bが傾きを有する。
また、ワイヤ本体10に対し引っ張り試験を行ったときの引張速度が比較的遅い場合(例えば0.5mm/分程度)には、引張荷重−伸び線における降伏領域Bは、水平となるかまたは比較的傾きが小さい右上がりとなる傾向を示し、引張速度が比較的速い場合(例えば5mm/分程度)には、引張荷重−伸び線における降伏領域Bは、比較的傾きが大きい右上がりとなる傾向を示す。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
本発明におけるワイヤ本体10の接合部14を含む部位の引っ張り試験を次のように行った。外径0.335mmのNi−Ti合金線(第1ワイヤ2)と外径0.335mmのステンレス鋼線(SUS302)(第2ワイヤ3)とを突合せ抵抗溶接にて溶接した後、接合部に形成された隆起部(バリ)を機械研磨にて切除して実質的に均一な外径とした。このように作製した試験片を、上側がNi−Ti合金線、下側がステンレス鋼線、中央に接合部が位置するよう引っ張り試験機のチャックに固定した。チャック間距離は40mmであり、Ni−Ti合金線およびステンレス鋼線の長さが各々約20mmとなった。引張速度は0.5mm/分とした。以上の条件にて試験片を破断するまで引張った。この引張荷重−伸び線図を図7に示す。
前述したように、図7において、上記接合部14を含む部位は、荷重が加えられると右上がりのほぼ直線状に延びる弾性領域が出現している。さらに荷重が加えられると4kg重を超える荷重にてほぼ水平な降伏領域を示した。それに続いて、右上がりの直線領域が現れ、伸びとして6%、荷重8kg重を過ぎた辺りでネッキングを生じ、その後に破断していることがわかる。実際の試験片においては接合部14で破断せずにステンレス鋼線の接合部14に近い部分にて破断していた。このことは、本発明のガイドワイヤにおいて、接合部14は第2ワイヤ3の先端部よりも破断強度が高いことを示している。
なお、図3および図4の引張荷重−伸び線は、模式的に示されたものであり、直線部分が若干湾曲している場合や、折れ線部分に丸みを有する場合も、本発明に含まれるものである。また、本発明において、引張荷重−伸び線は、各図に示すパターンのものに限定されないことは、言うまでもない。
図1に示すように、ワイヤ本体10は、その外周面(外表面)の全部または一部を覆う被覆層5を有している(図2中では記載を省略)。この被覆層5は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
また、被覆層5は、少なくとも接合部14の外周を覆うように設けられているのが好ましい。前述したように、接合部14付近は、ワイヤ本体10の外径変化(段差)があるため、被覆層5で覆うことにより、この外径変化を相殺または緩和し、接合部14付近におけるガイドワイヤ1の外径をほぼ均一にすることができる。その結果、ガイドワイヤ1の長手方向の移動操作性を向上することができる。
以上のような目的のためには、被覆層5は、摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に接合部14付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
そのなかでも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ1とカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができ、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特に溶接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、通常、焼きつけ、吹きつけ等の方法により、樹脂材料を加熱した状態で、ワイヤ本体10への被覆を行う。これにより、ワイヤ本体10と、被覆層5との密着性は特に優れたものとなる。
また、被覆層5がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、被覆層5を形成する(ワイヤ本体10に被覆する)際に、加熱しなくても、ワイヤ本体10に確実かつ強固に密着した、被覆層5を形成することができる。すなわち、被覆層5をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、被覆層5の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて被覆層5を形成することにより、簡便にコーティングができるとともに、溶接部14における第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合強度を十分に維持した状態にてガイドワイヤの操作を行うことができる。
また、摩擦を低減し得る材料の他の好ましい例としては、親水性材料または疎水性材料が挙げられる。これらのうちでも特に、親水性材料が好ましい。
この親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
また、被覆層5は、ガイドワイヤ1を血管に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることもできる。この目的のためには、被覆層5は柔軟性に富む材料(軟質材料)で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
特に、被覆層5がポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性がより向上するため、血管への挿入時に、血管内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。
このような被覆層5は、2層以上の積層体でもよく、また、ワイヤ本体10の形成箇所により被覆層5を構成する材料の組成が異なっていてもよい。例えば、接合部14を覆う部分と、それ以外の部分とで、被覆層5の構成材料が異なっていてもよい。また、ガイドワイヤ1の先端部(例えば外径漸減部16より先端側の部位)を前述した柔軟性に富む材料で構成して安全性を向上しつつ、それ以外の部位は前述した摩擦を低減し得る材料で構成して操作性を向上することができる。
被覆層5の厚さは、特に限定されず、被覆層5の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、厚さ(平均)が1〜30μm程度であるのが好ましく、2〜15μm程度であるのがより好ましい。被覆層5の厚さが薄すぎると、被覆層5の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、被覆層5の剥離が生じるおそれがあり、また、被覆層5の厚さが厚すぎると、ワイヤ本体10の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また被覆層5の剥離が生じるおそれがある。
なお、本発明では、ワイヤ本体10の外周面(表面)に、被覆層5の密着性を向上するための処理(化学処理、熱処理等)を施したり、被覆層5の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
図5および図6は、それぞれ、本発明のガイドワイヤ1をPTCA術に用いた場合における使用状態を示す図である。
図5および図6中、符号40は大動脈弓、符号50は心臓の右冠状動脈、符号60は右冠状動脈開口部、符号70は血管狭窄部(病変部)である。また、符号30は大腿動脈からガイドワイヤ1を確実に右冠状動脈に導くためのガイディングカテーテル、符号20はその先端部分に拡張・収縮自在なバルーン201を有する狭窄部拡張用のバルーンカテーテルである。以下の操作は、X線透視下で行われる。
図5に示すように、ガイドワイヤ1の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入する。さらに、ガイドワイヤ1を進め、先端から右冠状動脈50内に挿入し、先端が血管狭窄部70を超えた位置で停止する。これにより、バルーンカテーテル20の通路が確保される。なお、このとき、ガイドワイヤ1の接合部14は、大動脈弓40の下行大動脈側(生体内)に位置している。
次に、図6に示すように、ガイドワイヤ1の基端側から挿通されたバルーンカテーテル20の先端をガイディングカテーテル30の先端から突出させ、さらにガイドワイヤ1に沿って進め、右冠状動脈開口部60から右冠状動脈50内に挿入し、バルーン201が血管狭窄部70の位置に到達したところで停止する。
次に、バルーンカテーテル20の基端側からバルーン拡張用の流体を注入して、バルーン201を拡張させ、血管狭窄部70を拡張する。このようにすることによって、血管狭窄部70の血管に付着堆積しているコレステロール等の堆積物は物理的に押し広げられ、血流阻害が解消できる。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のガイドワイヤの用途は、上述したPTCA術において使用される場合に限られない。
本発明のガイドワイヤの実施形態を示す縦断面図である。 本発明のガイドワイヤにおけるワイヤ本体の接合部付近を拡大して示す縦断面図である。 ワイヤ本体に引っ張り試験を行ったときの引張荷重−伸び線図(模式図)である。 ワイヤ本体に引っ張り試験を行ったときの引張荷重−伸び線図(模式図)である。 本発明のガイドワイヤの使用例を説明するための模式図である。 本発明のガイドワイヤの使用例を説明するための模式図である。 ワイヤ本体に引っ張り試験を行ったときの引張荷重−伸び線図である。
符号の説明
1 ガイドワイヤ
10 ワイヤ本体
2 第1ワイヤ
3 第2ワイヤ
4 コイル
5 被覆層
11、12、13 固定材料
14 接合部(溶接部)
15 外径漸減部
16 外径漸減部
17 突出部
18 外径漸減部
20 バルーンカテーテル
201 バルーン
30 ガイディングカテーテル
40 大動脈弓
50 右冠状動脈
60 右冠状動脈開口部
70 血管狭窄部

Claims (7)

  1. 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に溶接により接合され、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2ワイヤとを備えるワイヤ本体を有し、
    前記ワイヤ本体の接合部を含む部位に引っ張り試験を行ったとき、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域と、該弾性領域に続くぼぼ水平または右上がりの降伏領域とを有し、前記降伏領域の終端よりさらに高い荷重で破断し、かつ、その破断位置が前記接合部以外の箇所であるような特性を示すことを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端に溶接により接合され、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率が大きい材料で構成された線状の第2ワイヤとを備えるワイヤ本体を有し、
    前記ワイヤ本体の接合部を含む部位に引っ張り試験を行ったとき、引張荷重−伸び線図において、右上がりのぼぼ直線状に延びる弾性領域と、該弾性領域に続くぼぼ水平または右上がりの降伏領域と、該降伏領域に続く右上がりのほぼ直線状の直線領域とを有し、前記直線領域の終端付近で破断し、かつ、前記接合部は前記第2ワイヤの先端部よりも破断強度が高いことを特徴とするガイドワイヤ。
  3. 前記引張荷重−伸び線図において、破断が近付いた際、ネッキングにより引張荷重−伸び線が下方に向かって湾曲する現象を呈する請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記ワイヤ本体の破断強度が4kg重以上である請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  5. 前記第1ワイヤは、超弾性合金で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  6. 前記第2ワイヤは、ステンレス鋼またはCo基合金で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  7. 先端側に配置され、擬弾性を示す材料で構成された線状の第1ワイヤと、前記第1ワイヤの構成材料より弾性率の大きい材料で構成された第2ワイヤと、前記第1ワイヤの基端と前記第2ワイヤの先端とを溶接により接合された接合部とを備えるワイヤ本体を有し、前記接合部は前記第2ワイヤの先端部よりも破断強度が高いことを特徴とするガイドワイヤ。
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