JP2007135544A - 有色醸造酒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造において、有色馬鈴薯特有のアントシアニン色素を活かした有色醸造酒の製造方法を提供する。
【解決手段】アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造方法であって、加熱処理した該有色馬鈴薯を、該アントシアニン色素を含む色素抽出液とデンプンを含む残渣とに分離する工程と、該残渣を麦芽及び水に添加して糖化することにより糖化液を製造する糖化工程と、該色素抽出液を発酵液に添加して発酵を行う発酵工程と、を備える有色醸造酒の製造方法により解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有色醸造酒の方法に関し、詳細には、アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造方法に関する。
ビールの定義は、日本の酒税法によれば、(1)「麦芽、ホップ、水を原料として発酵させたもの(麦芽100%ビール)」、(2)「麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が、麦芽の重量の10分の5を超えないものに限る」と規定されている。ここで、「麦その他の政令で定める物品」とは、麦、米、とうもろこし、高粱、馬鈴薯、澱粉、糖類又はカラメルである。そして、上記(1)又は(2)の条件を満たすもののみがビールであり、それ以外は発泡酒に分類される。
従って、ビールの副原料や発泡酒の原料に種々のものを用いて発泡酒の味や色などを変えることが可能になる。例えば、原料に各地の農産物を用いることでビールや発泡酒の個性や付加価値を付与したり、地域の特色を出すことができるようになる。その結果、地域産業の活性化にもつながる可能性がある。
1990年、有色馬鈴薯に属する新規馬鈴薯が開発され、2000年に種苗登録された。そして、その起源地と皮肉部分の色に因み、紫皮肉のものは「インカパープル」、同じく赤皮肉のものは「インカレッド」と命名された。
これら有色馬鈴薯は、デンプン価が20%前後で、通常の男爵薯より疫病にかかりにくく、アントシアニン色素のペタニンを生イモ1gあたり1.79mg含有しているという特徴を有している。そして、有色馬鈴薯由来のアントシアニンは、高い抗酸化性及び活性酸素消去能を示すと共に、ブルーベリー由来のアントシアニンには認められない抗インフルエンザ活性、アポトーシス誘導効果を有している。
食味は普通の男爵薯とほぼ同様であるが、アントシアニン色素、カロテノイド色素を含む有色馬鈴薯は天然の色調を有し、着色料に頼ることのない色鮮やかな食品を作ることができる可能性を秘めており、健康面への効果も期待できる。
そのため、このような有色馬鈴薯を用い、種々の食品に応用する試みがなされている。例えば、インカレッド及びインカパープルを用いて、菓子類、パン類、スープ類、揚げ物類、麺類、サラダ類、飲料類、アイスクリーム類を製造することが提案されており、特に、飲料類としては、アルコール発酵飲料にも使用することが提案されている(特許文献1)。
特開2003−159025号公報
有色馬鈴薯をアルコール発酵飲料の原料に利用する場合は、有色馬鈴薯のデンプンを酵素等により糖化して糖化液とし、そこに酵母を添加すれば理論的にはアルコール発酵飲料を製造することができる。
しかしながら、有色馬鈴薯を添加する割合によっては酵母にとって適切な発酵条件とならず、結果的にはアルコール発酵飲料として必要とされる濃度のアルコールを得ることができない。また、有色馬鈴薯を糖化原料として添加しただけでは、糖化工程及び発酵工程を経るにつれて有色馬鈴薯に特有のアントシアニン色素が消失し、有色馬鈴薯を原料に用いるという特徴を活かせないという問題があった。
そこで、本発明は、アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造において、有色馬鈴薯特有のアントシアニン色素を活かした有色醸造酒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは有色馬鈴薯に含まれるアントシアニン色素を損なわない有色醸造酒の製造方法について種々の検討を行った結果、アントシアニン色素は糖化工程中にその色調が薄く変化してしまうこと、その他、発酵液中の酵母、アルコール及びpHの影響を受けやすいとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造方法であって、加熱処理した該有色馬鈴薯を、該アントシアニン色素を含む色素抽出液とデンプンを含む残渣とに分離する工程と、該残渣を麦芽及び水に添加して糖化することにより糖化液を製造する糖化工程と、該色素抽出液を発酵液に添加して発酵を行う発酵工程と、を備える有色醸造酒の製造方法を提供するものである。このような構成により、有色馬鈴薯を色素抽出液と残渣に分離せずに有色醸造酒を製造する場合と比較して、鮮やかな色調を有する有色醸造酒を製造することができる。
上記発明の好ましい態様は以下の通りである。前記発酵工程は、主としてエタノールの生産を行う一次発酵工程と、主として該一次発酵工程の後の発酵液の熟成を行う二次発酵工程とからなることが好ましい。このような構成により、有色醸造酒の味や香りをより向上させることができる。
前記色素抽出液は、前記一次発酵の発酵液に添加されることが好ましい。このような構成により、糖化工程における加熱によるアントシアニン色素の消失を防止することができ、鮮やかな色調の有色醸造酒を製造することができる。
前記色素抽出液は、前記二次発酵の発酵液に添加されることが好ましい。このような構成により、一次発酵工程における酵母やアルコールの影響を受けず、アントシアニン色素の色調がより活かされた有色醸造酒を製造することができる。
前記色素抽出液を添加する前に、前記発酵液をpH3〜5に調整する工程を更に備えることが好ましい。このような構成により、有色醸造酒中のアントシアニン色素の色調をより安定に維持することが可能となる。
前記発酵工程の後に、発酵終了後の発酵液のpHを調整して該発酵液の色調を変化させる工程を更に備えることが好ましい。このような構成により、有色醸造酒の色調を任意に変化させることができる。
前記残渣の添加量は、原料の全量を基準(100重量%)とした場合に、30〜70重量%であることが好ましい。このような構成により、酵母のアルコール発酵を効率よく行うことができると共に、アントシアニン色素を活かした有色醸造酒を製造することができる。
前記色素抽出液の添加量は、全量を基準(100重量%)として15〜20重量%であることが好ましい。このような構成により、有色醸造酒の味に影響を与えることなくアントシアニン色素の鮮やかな色調を付与することができる。
本発明の有色醸造酒の製造方法によれば、アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造において、原料の有色馬鈴薯をアントシアニン色素を含む色素抽出液とデンプンを含む残渣とに分離し、残渣は糖化工程で添加され、色素抽出液は糖化工程の終了後に添加されるため、有色馬鈴薯特有のアントシアニン色素を活かした有色醸造酒を製造することができる。
次に、本発明の有色醸造酒の製造方法の実施形態について、更に具体的に説明する。既述の通り、本発明は、アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造方法であって、加熱処理した該有色馬鈴薯を、該アントシアニン色素を含む色素抽出液とデンプンを含む残渣とに分離する工程と、該残渣を麦芽及び水に添加して糖化することにより糖化液を製造する糖化工程と、該色素抽出液を発酵液に添加して発酵を行う発酵工程と、を備える。
図1は、本発明の実施形態に係る有色醸造酒の製造方法の概要を説明するための図である。以下、本実施形態について図1を参照しつつ説明する。
(分離工程)
アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯としては、インカパープル、インカレッド、北海92号、キタムラサキ等を挙げることができる。
有色馬鈴薯10βは、デンプンをα化すると共に後述する色素抽出液の抽出を容易にするため、加熱処理が施される(S1)。加熱処理は、煮る(ボイル)、蒸す、焼く等、有色馬鈴薯10βに含まれる生デンプンを糊化させてαデンプンにすることできれば如何なる方法も用いることができるが、色素抽出液を回収することを考慮すれば、ボイルにより加熱処理することが好ましい。加熱処理された有色馬鈴薯10αは摩砕され、所定温度まで冷却される。
次に、加熱処理された有色馬鈴薯10αは色素抽出液14と残渣16とに分離される(S2)。色素抽出液14と残渣16に分離する手段としては、例えば、摩砕された有色馬鈴薯10αに水12を添加し、図示しない圧搾装置を用いて圧搾することにより、有色馬鈴薯に含まれるアントシアニン色素を水と共に搾取する方法がある。これにより、アントシアニン色素を含有する色素抽出液14と、デンプン質を含む残渣16とに分離される。なお、水12の添加量は、糖化液の希釈を最小限とするため、有色馬鈴薯10αの重量を基準として、1〜3倍量であることが好ましい。
得られた色素抽出液14は、アントシアニン色素の安定化を図るため、有機酸によりpHを調整することが好ましい。有機酸としては、有色醸造酒の味に与える影響を考慮すれば、リンゴ酸、乳酸、コハク酸を用いることが好ましい。また、pHは上記と同様の観点から、pH3〜5に調整することが好ましく、pH4前後に調整することがより好ましい。
(糖化工程)
分離された残渣16は、麦芽18及び水20と混合されて、糖化処理がなされる(S3)。糖化は、例えば、50〜70℃、65〜90分の条件で行うことができる。なお、糖化温度と時間は、用いる麦芽の糖化力に応じて適宜設定される。
麦芽はビール醸造又は発泡酒醸造に一般的に用いられる麦芽を使用することができ、その種類に特に制限はない。麦芽の配合量は、ビールを製造するか、発泡酒を製造するかによって適宜選択することができる。例えば、酒税法に定義するビールを製造するためには、麦芽重量が67重量%を超えるように調節される。
残渣16の添加量は、上記のように、麦芽の添加量に応じて適宜設定されるが、麦芽の風味を残しつつ、有色馬鈴薯の特徴を活かすという観点からは、原料の全量を基準(100重量%)とした場合に、60〜70重量%であることが好ましく、35〜65重量%であることがより好ましく、40〜60重量%であることが更に好ましい。
糖化の終了後、残渣16と麦芽18の混合液は濾過処理がなされ、粗糖化液22を得る。なお、必要に応じて60〜70℃の温水(スパージ水)を濾過後の残渣(図示せず)に散布して麦汁(残余の糖化液)を得て、これを前記粗糖化液22に混合することもできる。
(煮沸工程)
得られた粗糖化液22はそのまま発酵させることもできるが、ホップを添加し、苦味と香味を付与することもできる。苦味付けのホップを添加する場合は、その添加後、60〜100分間煮沸される(S4)。これにより、糖化液22中にホップの成分が抽出されると共に、糖化液22中の過剰なタンパク質(酵素を含む)を沈殿させて有色醸造酒を清澄なものにすることができる。なお、ホップとしては、有色醸造酒に主に苦味を付与するビターホップと主に香りを付与するアロマホップがあるが、これらは単独でも、2種を混合して用いることもできる。
煮沸により、ホップ粕や凝固したタンパク質が副生されるため、これらは濾過等により除去される。これにより、ホップの成分が抽出された糖化液24が得られる。糖化液24は10〜20℃に冷却され、発酵タンクへ送られる。
(発酵工程)
次に、糖化液24は、有色馬鈴薯10αから抽出された色素抽出液14と酵母26が添加されてアルコール発酵が行われる(S5)。以後、本工程以降の糖化液24を「発酵液」という。なお、色素抽出液14の添加は、酵母26が添加される前でも後でもよい。
色素抽出液14の添加量は、前記発酵液の全量を基準(100重量%)とした場合に、10〜25重量%であることが好ましく、15〜20重量%であることがより好ましい。
ここで、色素抽出液14を前記発酵液に添加する前に、前記発酵液をpH5以下に調整することが色素抽出液14中のアントシアニン色素を安定化する観点から好ましい。pHの調整は、クエン酸等の有機酸を用いて行うことができる。なお、pHの調整は後述する後処理工程でも行うことができる。
酵母は、アルコール発酵を行うことができる酵母であれば特に制限はないが、ビール醸造用において一般的に用いられる上面発酵酵母又は下面発酵酵母を用いることができる。上面発酵酵母としては、例えば、サッカロマイセス セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等を挙げることができ、下面発酵酵母としては、例えば、サッカロマイセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)等を挙げることができる。
発酵(S5)は、主としてエタノールの生産を行う一次発酵工程(S5a)と、主として該一次発酵工程の後の発酵液の熟成を行う二次発酵工程(S5b)とからなることが好ましい。
一次発酵(S5a)では、例えば、5〜10℃で8〜12日間発酵が行われる。これにより発酵液中の糖分を酵母が資化してエタノールの生産を行うほか、炭酸ガスの生成や香気成分の生成等が行われる。
二次発酵(S5b)では、例えば、0〜2℃で20〜40日間発酵が行われる。これにより、一次発酵(S5a)の後の発酵液の熟成が行われるほか、残存エキスの発酵、一次発酵により発生した炭酸ガスの発酵液中への溶存、発酵液の若臭物質の排出、残存酵母及び混濁物質等の沈殿物の沈下等が行われる。
色素抽出液14の発酵液への添加は、図1におけるAで示すように、一次発酵(S5a)の発酵液に添加することが好ましい。また、色素抽出液14のアントシアニン色素をより鮮明に発色させる観点からは、図1におけるBで示すように、二次発酵(S5b)の発酵液に添加することがより好ましい。
このようにして得られた有色醸造酒28は、a*3以上、b*14未満であり、アントシアニン色素の色調が鮮やかに表れたビール又は発泡酒となる。なお、アルコール度は4.5〜6%である。
(後処理工程)
上記のようにして得られた有色醸造酒28はそのまま飲用に供することができるが、発酵終了後に、有色醸造酒28のpHを調整して有色醸造酒28の色調を変化させることもできる。例えば、発酵工程でpH処理を行わなかった場合は、得られた有色醸造酒28のpHをアルカリ側に調整すると、灰赤色となり、酸性側に調整すると、赤紫色となる。
以下の要領で、原料の配合割合が、有色馬鈴薯10kg、麦芽10kg、水80l(内20lは色素抽出液に用いた)である発泡酒を製造した。有色馬鈴薯としては、北海道農業研究センターにより、平成15年及び平成16年度に収穫された「北海92号」(以下、単に「有色馬鈴薯」と称する)を用いた。
(1)色素抽出液の調製
二重釜にて有色馬鈴薯10kgを40分間茹でることにより生デンプンを糊化(α化)した後、茹でた有色馬鈴薯を摩砕して冷却した。そして、有色馬鈴薯の2倍量の水20lを添加し撹拌した。これを袋状にしたさらし布に入れ、圧搾機にて圧搾することにより、濾液と残渣に分離した。濾液はクエン酸を用いてpH4に調整し、色素抽出液として一時的に冷凍保存した。残渣は後の糖化に用いた。
(2)糖化
煮沸釜に水60klと麦芽10kgを加えて52℃で15分タンパク分解を行った後、引き続き62℃で40分糖化し、上記(1)で得られた残渣を添加し、70℃で30分糖化を行うことにより、有色馬鈴薯を含有する麦汁を得た。
(3)濾過
糖化終了後、上記(2)で得られた麦汁を仕込み槽に移し濾過することにより、1番麦汁を得た。1番麦汁を得た後、この1番麦汁の残渣にスパージ水(60℃)を撒水して2番麦汁を得た。そして、1番麦汁と2番麦汁とを混合することにより、粗糖化液を得た。
(4)煮沸
(3)で得られた粗糖化液を煮沸釜で加熱し、液温が約90℃になったときにビターホップであるナゲット40gを加え、90分間煮沸した。更に、煮沸終了間際にアロマホップであるハラタウアロマ4gを加え、煮沸を終了した。
(5)沈殿除去
(4)の煮沸処理で副生したタンパク質の凝固物やホップの粕を除去するために、ワールプールに粗糖化液を移した。そして、タンパク質の凝固物やホップの粕を除去することにより糖化液を清澄化し、発酵用の糖化液を得た。そして、この糖化液を、クエン酸により、pH4に調整した。
(6)一次発酵
麦汁10mlに、酵母としてサッカロマイセス セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)LAGER 2007 Pilsen(Logsdon's Wyeast Laboratories社製)を接種し、30℃で24時間培養した。次いで、酵母の培養液を麦汁5mlに対し1mlの割合で添加し、30℃で24時間培養することにより、酒母を得た。
発酵用の糖化液を冷却した後、発酵タンクに移し、上記のように調製した酒母を糖化液に添加し、5〜10℃にて10日間、一次発酵を行った。
(7)二次発酵
一次発酵が終了した発酵液を貯酒タンクに移し、(1)で得た色素抽出液20lを添加した。そして、最終的に発酵液の温度が1℃になるように温度を調整し、30日間、二次発酵を行った。二次発酵の終了後、瓶詰めを行い、所望の発泡酒を得た。
色素抽出液を一次発酵の発酵液に添加して発酵させたこと以外は、実施例1と同様の要領で発泡酒を製造した。
[比較例1]
有色馬鈴薯から色素抽出液を分離する工程を省略し、有色馬鈴薯をそのまま糖化原料として用いたこと以外は、実施例1と同様の要領で発泡酒を製造した。
[試験例1]発泡酒の色調の測定
実施例1、2及び比較例1で得られた発泡酒を用いて、発泡酒の色調の測定を行った。発泡酒の色調の測定は、分光側色計(ミノルタ社製CM−3500d)を用い、JIS Z 8729に規定されているL***表色系で表した。そして、下記の評価基準を用いて各発泡酒の色調を評価した。
評価結果を測定値と併せて表1に示す。
A:a*が4以上 b*が11未満
B:a*が3以上4未満 b*が11以上14未満
C:a*が3未満 b*が14以上
Figure 2007135544
今回、アントシアニン色素の赤紫色がより強く表れているものを良好な発泡酒と評価したため、a*値が高く、b*値が低いものが評価が高い発泡酒とする。かかる観点からは、表1に示すように、実施例1の発泡酒が最もアントシアニン色素が鮮やかに表れた発泡酒であった。また、実施例2のビールの色調も、好ましい範囲の色調を得ることができた。
一方、比較例1の発泡酒の色調は灰赤色であり、わずかにアントシアニン色素が表れる程度であった。
以上の結果、アントシアニン色素を含む色素抽出液は、二次発酵又は一次発酵の発酵液に添加することが効果的であることが判明した。
本発明はアントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造において、有色馬鈴薯特有のアントシアニン色素を活かした有色醸造酒を製造することができるため、醸造業において有色馬鈴薯の利用の促進を図ることができる。
本発明の実施形態に係る有色醸造酒の製造方法の概要を説明するための図である。
符号の説明
10α及び10β…有色馬鈴薯、12…水、14…色素抽出液、16…残渣、18…麦芽、20…水、22…粗糖化液、24…糖化液、26…酵母、28…有色醸造酒

Claims (8)

  1. アントシアニン色素を含有する有色馬鈴薯を原料として用いる有色醸造酒の製造方法であって、
    加熱処理した該有色馬鈴薯を、該アントシアニン色素を含む色素抽出液とデンプンを含む残渣とに分離する工程と、
    該残渣を麦芽及び水に添加して糖化することにより糖化液を製造する糖化工程と、
    該色素抽出液を発酵液に添加して発酵を行う発酵工程と、
    を備える有色醸造酒の製造方法。
  2. 前記発酵工程は、主としてエタノールの生産を行う一次発酵工程と、主として該一次発酵工程の後の発酵液の熟成を行う二次発酵工程とからなる請求項1記載の有色醸造酒の製造方法。
  3. 前記色素抽出液は、前記一次発酵の発酵液に添加される請求項2に記載の有色醸造酒の製造方法。
  4. 前記色素抽出液は、前記二次発酵の発酵液に添加される請求項2に記載の有色醸造酒の製造方法。
  5. 前記色素抽出液を添加する前に、前記発酵液をpH3〜5に調整する工程を更に備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の有色醸造酒の製造方法。
  6. 前記発酵工程の後に、発酵終了後の発酵液のpHを調整して該発酵液の色調を変化させる工程を更に備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の有色醸造酒の製造方法。
  7. 前記残渣の添加量は、原料の全量を基準(100重量%)とした場合に、30〜70重量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の有色醸造酒の製造方法。
  8. 前記色素抽出液の添加量は、前記発酵液の全量を基準(100重量%)として10〜25重量%である請求項1〜7のいずれか1項記載の有色醸造酒の製造方法。

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