JP2007133310A - パルス多重化波長変換光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来周波数変換時に捨てられていた光を利用してパルスの多重化を行うことにより、効率の良いパルス多重化波長変換光学系を提供する。
【解決手段】 5倍波発生光学素子3から放出されてダイクロイックミラー6で反射された3倍波と、2倍波発生光学素子3から発生してハーフミラー4で分割された2倍波の1部は、光遅延回路8でタイミングを同一とされ、光遅延回路9で遅延され、ミラー10で反射された後、ダイクロイックミラー11で反射されて、ダイクロイックミラー6を透過した5倍波と同一光路とされる。これら2倍波と3倍波が5倍波発生光学素子12に入ると新たに5倍波が発生する。5倍波発生光学素子5で発生した5倍波のパルス列の中央に、5倍波発生光学素子12で発生した5倍波のパルス列が来るように、光遅延回路9を調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】 5倍波発生光学素子3から放出されてダイクロイックミラー6で反射された3倍波と、2倍波発生光学素子3から発生してハーフミラー4で分割された2倍波の1部は、光遅延回路8でタイミングを同一とされ、光遅延回路9で遅延され、ミラー10で反射された後、ダイクロイックミラー11で反射されて、ダイクロイックミラー6を透過した5倍波と同一光路とされる。これら2倍波と3倍波が5倍波発生光学素子12に入ると新たに5倍波が発生する。5倍波発生光学素子5で発生した5倍波のパルス列の中央に、5倍波発生光学素子12で発生した5倍波のパルス列が来るように、光遅延回路9を調節する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パルス多重化波長変換光学系に関するものである。
固体紫外レーザ装置としては、半導体レーザから放出されるレーザ光を、非線形光学素子を用いて高調波に波長変換することにより紫外光を形成して利用するものが、一般的に用いられている。
一例として、波長1547nmの半導体レーザの光を、ファイバーアンプや半導体アンプなどで増幅し、その増幅した1547nmの基本波を、波長変換光学系により8倍波に波長変換し193nmの光を得るものがある。ここでは、具体的なレーザ装置の構成の説明は行わないが、例えば特開2000−200747号公報(特許文献1)等に記載されて公知となっている。
これらのレーザ光源を使用する装置のうち、半導体検査装置等においては、繰り返し周波数が高いレーザ光が要求される。繰返し周波数を上げる1つの方法は、種光となるレーザーの繰返し周波数を増加する方法である。しかし、光ファイバーを用いた光増幅装置(EDFA)では、種光となるレーザの繰返し周波数の増加に伴い増幅率が低下し、各パルス光のピークパワーが低下してしまう。
繰り返し周波数を上げる他の方法として、ビームスプリッタなどを用いて光を分割し、分割した光の一方を遅延させることによるパルス多重化の方法が考えられる。しかしこの方法では、多重化毎にパワーが半減し、例えば1つのパルスを8個のパルスに多重化するとき、個々のパルスは1/64、全パワーは1/8のパワーになってしまうという問題点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、従来周波数変換時に捨てられていた光を利用してパルスの多重化を行うことにより、効率の良いパルス多重化波長変換光学系を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、第1の周波数を有する第1の光を発生する第1の光源と、第2の周波数を有する第2の光を発生する第2の光源と、前記第2の光を2つに分割するビームスプリッタと、分割された前記第2の光の一方と前記第1の光とを同一光路に合成する第1のダイクロイックミラーと、前記第1のダイクロイックミラーにより同一光路に合成された前記第1の光の一部を、それらの周波数の和の周波数を有する第3の光に変換する第1の周波数変換素子と、分割された前記第2の光の他方を遅延させる第1の光遅延器と、前記第1の周波数変換素子から放出される、前記第3の光と前記第1の光を分離する第2のダイクロイックミラーと、前記第2のダイクロイックミラーで分離された前記第1の光と、前記第1の光遅延器から放出される光とを同一光路に合成する第3のダイクロイックミラーと、前記第3のダイクロイックミラーにより同一光路に合成された光を遅延する第2の光遅延器と、前記第2のダイクロイックミラーにより分離された第3の光と、前記第2の光遅延器から放出される光とを同一光路に合成する第4のダイクロイックミラーと、前記第4のダイクロイックミラーにより同一にされた光路から入射する前記第1の光と前記第2の光の一部を、それらの周波数の和の周波数を有する第3の光に変換する第2の周波数変換素子とを有することを特徴とするパルス多重化波長変換光学系である。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であってビームスプリッタの光分配率が変化可能とされていることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来周波数変換時に捨てられていた光を利用してパルスの多重化を行うことにより、効率の良いパルス多重化波長変換光学系を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態であるパルス多重化波長変換光学系において、異なる波長で同一繰り返し数を持つ2つのパルス列から、それらの和の周波数を持つ、繰り返し数が2倍のパルス列を形成する光学系の例を示す図である。本実施の形態に係るパルス多重化波長変換光学系は、後述する図2に示す波長変換光学系の一部(破線で囲まれた部分)と置き換えて使用される。この例においては、3倍波発生光学素子から出力される1つのパルスと、2倍波発生光学素子から出力される1つのパルスを合成して、5倍波のパルスを2つ形成するものである。図1に示す光学系は、例えば図2に示されるような波長変換光学系の一部として使用される場合もあり、単独で使用される場合もある。この例においては、2倍波発生光学素子、3倍波発生光学素子を光源と見なしており、特許請求の範囲及び課題を解決するための手段に言う「光源」とは、このような2次光源をも含むものである。また、このようなx倍波発生光学素子は、従来周知のものと変わるところが無く、PPLN、LBO、BBO、CLBO等の非線形結晶を使用して実現できる。
第1の光源である3倍波発生光学素子1から発生した3倍波3ωは、ダイクロイックミラー2を透過する。第2の光源である2倍波発生光学素子3から発生した2倍波2ωは、ハーフミラー等のビームスプリッタ4で2つに分割され、その一方がダイクロイックミラー2で反射されて、3倍波発生光学素子1から放出された3倍波3ωと光路を同一にされると共に、パルスのタイミングが一致するように、その発生タイミングや光路長が調整される。
このようにして、重なり合って5倍波発生光学素子5に入射した2倍波2ωと3倍波3ωから5倍波5ωが合成されるが、3倍波3ωの一部が変換されずに残り、5倍波5ωと共に放出される。これらのうち5倍波5ωは、ダイクロイックミラー6を透過し、3倍波3ωは、ダイクロイックミラー6で反射される。
一方、ハーフミラー等のビームスプリッタ4で分割された残りの2倍波2ωは、光遅延回路8を通り、ダイクロイックミラー7を透過する。ダイクロイックミラー6で反射された3倍波3ωは、ダイクロイックミラー7でも反射され、ダイクロイックミラー7を透過した2倍波2ωと光路を同一にされる。光遅延回路8は、2倍波2ωを遅延させ、ダイクロイックミラー7に入射してくる3倍波3ωと同一タイミングとするためのものである。これにより、ダイクロイックミラー7を出力した2倍波2ωと3倍波3ωは、光路とタイミングが重なり合ったものとなる。これらの光は、光遅延回路9を通った後、ミラー10で反射され、ダイクロイックミラー11でも反射される。ダイクロイックミラー6を透過した5倍波5ωはダイクロイックミラー11をも透過する。そして、5倍波5ωと、重なり合った2倍波2ω、3倍波3ωの光路が同一となる。
光遅延回路9を調節し、5倍波5ωのパルス列のパルス間の中央に、重なり合った2倍波2ω、3倍波3ωのパルスが位置するようにする。ダイクロイックミラー11を通った光は、5倍波発生光学素子12に入るが、このとき、重なり合った2倍波2ω、3倍波3ωから新たに5倍波5ωが発生し、もともとあって入射した5倍波5ωはそのまま透過する。よって、5倍波発生回路12から発生する5倍波のパルスは、光源のパルス1つに対して2つとなり、光源の2倍の周波数を有する5倍波を形成することができる。
5倍波発生光学素子5で形成される5倍波5ωの波高値と、5倍波発生光学素子12で形成される5倍波の波高値は必ずしも一致しない。これを一致させるために、ビームスプリッタ4の反射率と透過率を調整する。ビームスプリッタ4の反射率を高くすると、5倍波発生光学素子5に供給される2倍波2ωが多くなり、それに伴って発生する5倍波5ωの量が多くなって、残る3倍波3ωの量が少なくなると共に、ビームスプリッタ4を透過する2倍波2ωの量も少なくなるので、5倍波発生光学素子5で発生する5倍波5ωの波高値が高く、5倍波発生光学素子12で発生する5倍波5ωの波高値が低くなる。ビームスプリッタ4の反射率を低くすると逆の現象が起こる。よって、調節により、5倍波発生光学素子5で形成される5倍波5ωの波高値と、5倍波発生光学素子12で形成される5倍波の波高値を一致させることができる。
このようにビームスプリッタ4の光の分配率(出射する2つの光の強度の比)を調節することにより、最終的に出力される2系列の光パルスのパルス高さを同一にすることができる。ビームスプリッタ4の光の分配率を変えるには、たとえば、反射率の異なるハーフミラーを複数枚用意し、これらを切り換えて使用できるような構成としておき、最適なものを適宜選択して使用するようにすればよい。発生する2系列のパルスの波高値を観察し、これらを同一にするように、ビームスプリッタ4の光の分配率を調節するような、自動制御を行うことも考えられる。
図1に示すような光学系においては、従来捨てていた光を、別の5倍波を形成するために使用しているので、光の有効利用が図れ、周波数を倍にしても、パルスの高さはあまり小さくならない。
又、図1においては、3倍波と2倍波から5倍波を形成する例について説明したが、倍波の関係はこれに制限されるものではない。例えば、7倍波と基本波から8倍波を発生させる光学系も、図1における3倍波を7倍波、2倍波を基本波と読み替えるだけで、同様にパルスの多重化を実現することができる。このように、図1に示す光学系は、2つの異なる周波数の光を発生する光源から、その和の周波数を有する光を形成する光学系に適用することができる。
その光学系の例を、図2を用いて説明する。EDFA31によって増幅された周波数ωの基本波は、非線形光学結晶(NLC)を用いた波長変換素子32に入射し、波長変換素子32からは、基本波ωとその2倍の周波数を持つ2倍波2ωが放出される。これらは、ミラー33で反射され、NCLを用いた波長変換素子34に入射し、波長変換素子34からは基本波の3倍の周波数を持つ3倍波3ωが放出される。
EDFA35によって増幅された周波数ωの基本波は、NLCを用いた波長変換素子36に入射し、波長変換素子36からは、基本波ωと2倍波2ωが放出される。これらの基本波ωと2倍波2ωは、ダイクロイックミラー37を透過する。一方、波長変換素子34から放出された3倍波3ωは、ダイクロイックミラー37で反射され、これにより、ダイクロイックミラー37を透過した基本波ω、2倍波2ωと、3倍波3ωが同一光路上を進行する。そして、NLCを用いた波長変換素子38に入射し、2倍波2ωと3倍波3ωとから、基本波の5倍の周波数を有する5倍波5ωが形成される。
EDFA39によって増幅された周波数ωの基本波は、ミラー40で反射され、ダイクロイックミラー41を透過する。一方、EDFA42によって増幅された周波数ωの基本波は、NLCを用いた波長変換素子43に入射し、波長変換素子43からは、基本波ωとその2倍の周波数を持つ2倍波2ωが放出される。このうち、2倍波2ωはダイクロイックミラー41で反射され、ダイクロイックミラー41を透過した基本波ωと同一光路となり、ダイクロイックミラー44を透過する。
波長変換素子38で発生した5倍波5ωは、ダイクロイックミラー44で反射されダイクロイックミラー44を透過した基本波ω、2倍波2ωと同一光路となり、NLCを用いた波長変換素子45に入射し、ここで5倍波5ωと2倍波2ωが合成されて、基本波の7倍の周波数を有する7倍波7ωが発生する。この7倍波7ωは、NLCを用いた波長変換素子46に入射し、波長変換素子45を透過した基本波ωと合成されて基本波の8倍の周波数を有する8倍波8ωが形成される。
1…3倍波発生回路、2…ダイクロイックミラー、3…2倍波発生光学素子、4…ビームスプリッタ、5…5倍波発生光学素子、6…ダイクロイックミラー、7…ダイクロイックミラー、8…光遅延回路、9…光遅延回路、10…ミラー、11…ダイクロイックミラー、12…5倍波発生光学素子
Claims (2)
- 第1の周波数を有する第1の光を発生する第1の光源と、第2の周波数を有する第2の光を発生する第2の光源と、前記第2の光を2つに分割するビームスプリッタと、分割された前記第2の光の一方と前記第1の光とを同一光路に合成する第1のダイクロイックミラーと、前記第1のダイクロイックミラーにより同一光路に合成された前記第1の光の一部を、それらの周波数の和の周波数を有する第3の光に変換する第1の周波数変換素子と、分割された前記第2の光の他方を遅延させる第1の光遅延器と、前記第1の周波数変換素子から放出される、前記第3の光と前記第1の光を分離する第2のダイクロイックミラーと、前記第2のダイクロイックミラーで分離された前記第1の光と、前記第1の光遅延器から放出される光とを同一光路に合成する第3のダイクロイックミラーと、前記第3のダイクロイックミラーにより同一光路に合成された光を遅延する第2の光遅延器と、前記第2のダイクロイックミラーにより分離された第3の光と、前記第2の光遅延器から放出される光とを同一光路に合成する第4のダイクロイックミラーと、前記第4のダイクロイックミラーにより同一にされた光路から入射する前記第1の光と前記第2の光の一部を、それらの周波数の和の周波数を有する第3の光に変換する第2の周波数変換素子とを有することを特徴とするパルス多重化波長変換光学系。
- 前記ビームスプリッタの光分配率が変化可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のパルス多重化波長変換光学系。
Priority Applications (1)
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JP2005328630A JP2007133310A (ja) | 2005-11-14 | 2005-11-14 | パルス多重化波長変換光学系 |
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JP2005328630A Pending JP2007133310A (ja) | 2005-11-14 | 2005-11-14 | パルス多重化波長変換光学系 |
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Cited By (2)
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CN111106521A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-05-05 | 北京科益虹源光电技术有限公司 | 一种和频装置和激光器 |
CN111129935A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-05-08 | 北京科益虹源光电技术有限公司 | 一种和频方法 |
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2005
- 2005-11-14 JP JP2005328630A patent/JP2007133310A/ja active Pending
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