JP2007131895A - マグネトロンスパッタ電極及びマグネトロンスパッタ電極を備えたスパッタリング装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタ電極及びマグネトロンスパッタ電極を備えたスパッタリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 処理基板に対向して設けたターゲットの後方に、このターゲットの前方にトンネル状の磁束を形成すべく中央磁石と周辺磁石とを有する磁石組立体を複数個並設してマグネトロンスパッタ電極を構成し、これを用いて反応性スパッタリングにより成膜する際に、処理基板面内で比抵抗値などの膜質が略均一になるようにする。
【解決手段】 処理基板Sに対向して設けたターゲット31の後方に磁石組立体4a〜4hを少なくとも4個並設する場合に、並設した磁石組立体のうち処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の並設方向の間隔D3を、その両端における磁石組立体相互の間隔D1より大きく設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マグネトロンスパッタリング方式で処理基板上に所定の薄膜を形成するマグネトロンスパッタ電極及びこのマグネトロンスパッタ電極を備えたスパッタリング装置に関する。
マグネトロンスパッタリング方式のスパッタリング装置では、ターゲットの後方(スパッタ面と背向する側)に、支持板上に交互に極性を変えて複数の磁石を設けた磁石組立体を配置し、この磁石組立体によってターゲット前方(スパッタ面側)にトンネル状の磁束を形成して、ターゲット前方で電離した電子及びスパッタリングによって生じた二次電子を捕捉することで、ターゲット前方での電子密度を高め、これらの電子と、真空チャンバ内に導入される希ガスのガス分子との衝突確率を高めてプラズマ密度を高くできる。このため、処理基板の著しい温度上昇を伴うことなく、成膜速度を向上できる等の利点があり、処理基板上に所定の薄膜を形成するのによく利用されている。
ところで、近年では、FPD製造用のガラス基板のように、面積の大きい処理基板に対してマグネトロンスパッタリング方式で薄膜を形成することが多くなり、それに伴って、ターゲットも大面積化している。この場合、大面積の処理基板に対して効率よく成膜するには、大面積のターゲットの後方に、上記構成の磁石組立体を等間隔で複数並設することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−134640号公報(例えば、図3参照)。
上記のように、ターゲットの後方に等間隔で複数の磁石組立体を並設すれば、ターゲット前方でのプラズマ分布が略均等になり、面積の大きい処理基板に対し成膜する場合でも処理基板面内での膜厚分布を略均一にできる。ところが、例えばアルゴンなどのスパッタガスと共に、酸素などの反応ガスを導入して反応性スパッタリングを行うと、処理基板の中央領域とその外周領域では反応性にむらが生じて処理基板面内で比抵抗値などの膜質が不均一になるという問題があった。
そこで、上記点に鑑み、本発明の課題は、処理基板全面に亘って膜厚分布や比抵抗値などの膜質を略均一にできるマグネトロンスパッタ電極及びマグネトロンスパッタ電極を備えたスパッタリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載のマグネトロンスパッタ電極は、処理基板に対向して設けたターゲットの後方に、このターゲットの前方にトンネル状の磁束を形成すべく中央磁石と周辺磁石とを有する磁石組立体を少なくとも4個並設したマグネトロンスパッタ電極において、並設した磁石組立体のうち処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の並設方向の間隔を、その両端における磁石組立体相互の間隔より大きく設定したことを特徴とする。
これによれば、処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の並設方向の間隔を、その両端におけるものと比較して大きくすると、処理基板を貫通する磁束線相互の間隔が、磁石組立体の並設方向に沿って拡がることで、反応性スパッタリングにより成膜する際に、処理基板前方での反応がその全面に亘って略均一になる。その結果、処理基板面内で比抵抗値などの膜質を均一にできる。
ここで、並設する磁石組立体の数が多い(例えば8個以上)場合、前記磁石組立体相互の間隔を、この磁石組立体の並設方向に沿ってその両端から中央に向かうに従い段階的に大きくすれば、磁場プロファイルに沿ってプラズマの斜め成分が改善され、処理基板前方での反応がその全面に亘って略均一にできてよい。
また、前記処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の間隔を一定にしておけば、特に大面積のターゲットをその全面に亘って略一定に侵食させることができ、また、処理基板全面に亘って膜厚分布を略均一にできてよい。
前記各磁石組立体を、ターゲットの裏面に沿って一体かつ平行に往復動させる駆動手段を設けておけば、磁石組立体の二次元的な往復動によって、ターゲットのさらに高い利用効率が達成できる。
請求項5記載のスパッタリング装置は、請求項1乃至請求項4記載のマグネトロンスパッタ電極を真空排気可能なスパッタ室内に配置し、スパッタ室内に所定のガスを導入するガス導入手段と、ターゲットへのスパッタ電力の投入を可能とするスパッタ電源を設けたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明のマグネトロンスパッタ電極及びこのマグネトロンスパッタ電極を備えたスパッタリング装置では、反応性スパッタリングする場合でも、処理基板全面に亘って膜厚分布を略均一にできるだけでなく、比抵抗値などの膜質を略均一にできるという効果を奏する。
図1及び図2を参照して説明すれば、1は、本発明のマグネトロンスパッタ電極Cを有するマグネトロン方式のスパッタリング装置(以下、「スパッタ装置」という)である。スパッタ装置1は、インライン式のものであり、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプなどの真空排気手段(図示せず)を介して所定の真空度に保持できるスパッタ室11を有する。スパッタ室11の上部空間には、図示しない基板搬送手段が設けられている。この基板搬送手段は、公知の構造を有し、例えば、処理基板Sが装着されるキャリアを有し、駆動手段を間欠駆動させて、後述するターゲットと対向した位置に処理基板Sを順次搬送できる。
また、スパッタ室11にはガス導入手段2が設けられている。ガス導入手段2は、マスフローコントローラ21を介設したガス管22を介してガス源23に連通しており、アルゴンなどのスパッタガスや反応性スパッタリングの際に用いる反応ガスがスパッタ室11内に一定の流量で導入できる。反応ガスとしては、処理基板S上に成膜しようする薄膜の組成に応じて選択され、酸素、窒素、炭素、水素を含むガス、オゾン、水若しくは過酸化水素またはこれらの混合ガスなどが用いられる。スパッタ室11の下側には、マグネトロンスパッタ電極Cが配置されている。
マグネトロンスパッタ電極Cは、略直方体(上面視で長方形)のターゲット31を有している。ターゲット31は、Al合金、MoやITOなど処理基板S上に成膜しようする薄膜の組成に応じて公知の方法でそれぞれ作製され、スパッタリング中、ターゲット31を冷却するバッキングプレート32に、インジウムやスズなどのボンディング材を介して接合され、絶縁板33を介してマグネトロンスパッタ電極Cのフレーム34に取付けられている。この場合、ターゲット31は、処理基板Sの外形寸法より大きくなるように設定される。このため、FPD製造用のガラス基板のように、面積の大きい処理基板Sに対して成膜する場合、ターゲット31のスパッタ面311の表面積も大きくなる。
また、マグネトロンスパッタ電極Cは、ターゲット31の後方に位置して、磁石組立体4a〜4hを装備している。各磁石組立体4a〜4hは、ターゲット31に平行に設けられた支持板(ヨーク)41を有する。同一形状に形成された各支持板41は、ターゲット31の長手方向に沿ってその両側に延出するように形成した長方形状の平板から構成され、磁石の吸着力を増幅する磁性材料製である。また、ターゲット31の後方に所定数の磁石組立体4a〜4fを配置したとき、磁石組立体4a〜4fの並設方向に沿ったターゲットの幅より全体として小さくなるように個々の支持板41の横幅が定寸される。
各支持板41上には、ターゲット31の長手方向に沿った棒状の中央磁石42と支持板41の外周に沿って設けた周辺磁石43とが交互に極性を変えて設けられている。この場合、中央磁石42の同磁化に換算したときの体積を、周辺磁石43の同磁化に換算したときの体積の和(周辺磁石:中心磁石:周辺磁石=1:2:1)程度になるように設計している。
これにより、ターゲット31の前方に、釣り合った閉ループのトンネル状の磁束がそれぞれ形成され、ターゲット31の前方で電離した電子及びスパッタリングによって生じた二次電子を捕捉することで、ターゲット31前方での電子密度を高くしてプラズマ密度を高くできる。
ここで、磁石組立体相互の間隔を一定にした場合、ターゲット31前方でのプラズマ分布が略均等になり、面積の大きい処理基板Sに対して成膜しても、処理基板S面内での膜厚分布が略均一になるものの、酸素などの反応ガスを導入して反応性スパッタリングを行うと、処理基板Sの中央領域とその外周領域では反応性にむらが生じて処理基板S面内で比抵抗値などの膜質が不均一になる場合がある。この場合、一般に中央領域の反応性が劣化する。
本実施の形態では、並設した磁石組立体4a〜4hのうち処理基板Sの中央領域に対向する磁石組立体4c、4d、4e、4f相互の並設方向の間隔を、その両端における間隔より大きく設定した。即ち、図2に示すように、並設した磁石組立体4a〜4hのうち、処理基板Sの中央領域に対向する磁石組立体4c、4d、4e、4f相互の間隔D1を最大でかつ一定に設定し、その両側の磁石組立体4c、4fと、これに隣接する磁石組立体4b、4gとの相互の間隔D2をD1より小さく設定し、磁石組立体4b、4gと、両端に位置する磁石組立体4a、4hとの相互の間隔D3をD2より小さく設定して、磁石組立体4a〜4h相互の間隔を、その並設方向に沿ってその両端から中央に向かうに従い段階的に大きくした。
この場合、処理基板Sを通過する磁束線Mを模擬的に表わして見ると、図3(a)に示すように、磁石組立体相互を等間隔で配置したものと比較して、図3(b)に示すように、上記のように磁石組立体4a〜4h相互の間隔を変えると、中央領域の磁石組立体4c〜4fが形成するターゲット31前方のトンネル状の磁束のアーチがより処理基板Sに近づくようになる。この場合、より処理基板Sに近づいた磁束で捕捉された電子によって形成されるプラズマがより処理基板Sに近づき、このプラズマで、ターゲット31から飛散して処理基板Sに向かうスパッタ粒子が活性化されることで、処理基板Sの中央領域前方での反応性が改善され、その結果、処理基板面S内で比抵抗値などの膜質を均一にできる。
そして、処理基板Sを、ターゲット31と対向した位置に搬送し、ガス導入手段2を介して所定のスパッタガスや反応ガスを導入した後、ターゲット31に接続したスパッタ電源5を介して、負の直流電圧または高周波電圧を印加すると、処理基板S及びターゲット31に垂直な電界が形成され、ターゲット31の前方にプラズマが発生してターゲット31がスパッタリングされることで処理基板S上に成膜される。
これにより、反応性スパッタリングにより成膜する際に、処理基板S前方での反応がその全面に亘って略均一になる。その結果、膜厚分布を略一定にでき、また、処理基板面内で比抵抗値などの膜質を略均一にできる。
ところで、上記のように各磁石組立体4a〜4hを構成した場合、中央磁石42や周辺磁石43の上方におけるプラズマ密度は低くなり、その周辺と比較して、スパッタリングの進行に伴うターゲット31の侵食量が少なくなる。このため、図示しないエアーシリンダなどの駆動手段を設け、その駆動軸に、各磁石組立体4a〜4hを取付け、ターゲット31の並設方向に沿った水平な2箇所の位置で磁石組立体4a〜4hを一体に平行に往復動させてトンネル状の磁束の位置を変えるようにしてもよい。これにより、ターゲット31の外周縁部を含むその全面に亘って略均等に侵食でき、さらには二次元的な往復動によってターゲット31の利用効率をさらに高めることができてよい。
磁石組立体4a〜4h相互の間隔D1、D2、D3は、支持板41の大きさや支持板41上に設けた中央磁石42、周辺磁石43の磁場強度などを考慮して適宜設定され、また、上記のようにターゲット31の利用効率を高めるために、磁石組立体4a〜4hを2点間で往復動させる場合、特に、ターゲット31の表面の中央領域に非侵食領域が残らないことを考慮して設定されるが、間隔D1、D2、D3を、所定値を超えて大きく設定すると、処理基板Sでの膜厚分布を略均一にできない。
例えば、ターゲット31として、1200mm×1400mmの外形寸法のものを用い、支持板41として、75mm×1440mmの外形寸法を有するものを用い、支持板41上に、ターゲット31の長手方向に沿って棒状の中央磁石42と、支持板41の外周に沿って周辺磁石43とを設け、120mmの範囲で並設方向に沿って8個の磁石組立体4a〜4hを往復動させる場合には、D1を90mmとしたとき、D2が65〜75mm、D3が35〜40mmの範囲に設定される。
尚、本実施の形態では、8個の磁石組立体4a〜4hを、相互の間隔D1〜D3を変えて並設したものについて説明したが、磁石組立体の個数や相互の間隔はこれに限定されるものではなく、並設した磁石組立体のうち処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の並設方向の間隔を、その両端における間隔より大きく設定しておけば、上記と同様の効果が得られる。
本実施例1では、ターゲット31の後方に磁石組立体4a〜4hを8個並設した、図1に示すスパッタ装置1を用いて処理基板SにITO膜を成膜した。この場合、処理基板Sとして、ガラス基板(1200mm×1300mm)を用いると共に、ターゲット31として、InにSnOを10重量%添加したものを用い、公知の方法で、1700mm×1800mmの外形寸法を有するように作製し、バッキングプレート32に接合した。そして、反応性スパッタリングによりガラス基板S上にITO膜を成膜した。
また、支持板41として、130mm×1840mmの外形寸法を有するものを用い、支持板41上に、ターゲット41の長手方向に沿った棒状の中央磁石42と、支持板41の外周に沿って周辺磁石43とを設けた。そして、D1を110mm、D2を65mm及びD3を20mmに設定した。
スパッタリング条件として、真空排気されているスパッタ室11内の圧力が0.67Paに保持されるように、マスフローコントローラ21を制御してスパッタガスであるアルゴン(Ar流量100sccm)と、反応ガスであるHO(HO流量8sccm)及びOを所定流量でスパッタ室11内に導入した。また、ターゲット31への投入電力を65kWとし、スパッタ時間を15秒に設定し、8個の磁石組立体4a〜4hを160mmで一体に往復動させながら成膜した。図4(a)には、上記条件下で反応ガスであるOのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングした後、処理基板を取出し、大気アニール炉で処理温度200℃に設定し、60分間アニール処理を行ったときのガラス基板S面内の所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照))の比抵抗値の変化を示す。
(比較例1)
比較例1として、図1に示すスパッタ装置1を用いたが、9個の磁石組立体を46mmの等間隔で並設したものを用いた(図3(a)参照)。また、スパッタ条件を上記実施例1と同じとし、実施例1と同じガラス基板Sに反応性スパッタリングによりITO膜を成膜した。図4(b)には、上記条件下で反応ガスであるOのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングし、成膜した後、処理基板を取出し、大気アニール炉で処理温度200℃に設定し、60分間アニール処理を行ったときのガラス基板S面内の所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照))の比抵抗値の変化を示す。
図4(a)及び図4(b)を参照して説明すれば、比較例1では、Oの流量を変化させても、測定点P1、P2、P3で比抵抗値が略一定となる箇所がなく、また、Oの流量が増えるのに従い、ガラス基板Sの外周領域の測定点P1と、ガラス基板Sの中央領域の測定点P2とでの比抵抗値の差も大きくなり、Oの流量を10sccmに設定した場合には、約400μΩ・cmの差が生じ、ガラス基板S面内での膜質を略均一にできないことが判る。
それに対して、実施例1では、Oの流量を3sccm前後に設定したとき、測定点P1、P2、P3で比抵抗値が略一定となり、また、Oの流量が増えても、外周領域の測定点P1点と、中央領域の測定点P2点とでの比抵抗値の差は大きくならず、Oの流量を10sccmに設定した場合でも、比抵抗値の差は100μΩ・cm以下であった。これにより、ガラス基板S面内で膜質を略均一に保持できたことが判る。
本実施例2では、ターゲット31の後方に磁石組立体4a〜4hを8個並設した、図1に示すスパッタ装置1を用いて処理基板SにMoN膜を成膜した。この場合、処理基板Sとして、ガラス基板(1200mm×1300mm)を用いると共に、ターゲット31として、Mo(99.95%)のものを用い、公知の方法で、1700mm×1800mmの外形寸法を有するように作製し、バッキングプレート32に接合した。そして、反応性スパッタリングによりガラス基板S上にMoN膜を成膜した。
また、支持板41として、130mm×1840mmの外形寸法を有するものを用い、支持板41上に、ターゲット41の長手方向に沿った棒状の中央磁石42と、支持板41の外周に沿って周辺磁石43とを設けた。そして、D1を110mm、D2を65mm及びD3を20mmに設定した。
スパッタリング条件として、真空排気されているスパッタ室11内の圧力が0.3Paに保持されるように、マスフローコントローラ21を制御してスパッタガスであるアルゴン(Ar流量200sccm)と、反応ガスであるNを所定流量でスパッタ室11内に導入した。また、ターゲット31への投入電力を110kWとし、スパッタ時間を40秒に設定した。図5(a)には、上記条件下で反応ガスであるNのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングしたときのガラス基板S面内の所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照)))の比抵抗値の変化を示す。
(比較例2)
比較例2として、図1に示すスパッタ装置1を用いたが、9個の磁石組立体の46mmの等間隔で並設定したものを用いた(図3(a)参照)。また、スパッタ条件を上記実施例2と同じとし、実施例2と同じガラス基板Sに反応性スパッタリングによりMoN膜を成膜した。図5(b)には、上記条件下で反応ガスであるNのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングしたときのガラス基板S面内での所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照)))の比抵抗値の変化を示す。
図5(a)及び図5(b)を参照して説明すれば、比較例2では、反応ガスであるNを添加するだけで、ガラス基板Sの外周領域の測定点P1と、ガラス基板Sの中央領域の測定点P2とでの比抵抗値に差が生じ、Nの流量が増えるのに従い、測定点P1とP2とでの比抵抗値の差が大きくなり、Nの流量を200sccmに設定した場合には、約100μΩ・cmの差が生じ、ガラス基板S面内での膜質を略均一にできないことが判る。
それに対して、実施例2では、Nの流量が50sccm以下の場合には、測定点P1、P2、P3で比抵抗値が略一定であり、Nの流量が増えると、外周領域の測定点P1と、中央領域の測定点P2とで比抵抗値に差が生じるが、Nの流量を200sccmに設定した場合でも、比抵抗値の差は25μΩ・cm以下であった。これにより、ガラス基板S面内で膜質を略均一に保持できたことが判る。
本実施例3では、図1に示すスパッタ装置1を用いたが、磁石組立体として、図6(a)に示すように、磁石組立体を5個並設したものを用いた。この場合、処理基板Sとして、ガラス基板(550mm×650mm)を用いると共に、ターゲット31として、InにSnOを10重量%添加したものを用い、公知の方法で、910mm×880mmの外形寸法を有するように作製し、バッキングプレート32に接合した。
また、支持板41として、130mm×900mmの外形寸法を有するものを用い、支持板41上に、ターゲット41の長手方向に沿った棒状の中央磁石42と、支持板41の外周に沿って周辺磁石43とを設けた。両端の磁石組立体相互の間隔D4を20mmに設定し、ガラス基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の間隔をD5を65mmに設定した(図6(a)参照)。
そして、上記実施例1と同条件で反応性スパッタリングによりガラス基板S上にITO膜を200℃で成膜した。成膜中、磁石組立体を100mmで一体に往復動させた。図7(a)には、上記条件下で反応ガスであるOのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングしたときのガラス基板S面内での所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照))の比抵抗値の変化を示す。
(比較例3)
比較例3として、図1に示すスパッタ装置1を用いたが、磁石組立体として、図6(b)に示すように、磁石組立体を5個等間隔で並設したものを用いた。この場合、磁石組立体相互の間隔D6を43mmに設定した(図6(b)参照)。また、スパッタ条件を上記実施例3と同じとし、実施例3と同じガラス基板Sに反応性スパッタリングによりITO膜を成膜した。図7(b)には、上記条件下で反応ガスであるOのガス流量を変化させてガラス基板S上に反応性スパッタリングしたときのガラス基板S面内での所定の測定点(P1、P2、P3(図2参照))の比抵抗値の変化を示す。
図7(a)及び図7(b)を参照して説明すれば、比較例3では、Oの流量が増えるのに従い、ガラス基板Sの外周領域の測定点P1と、ガラス基板Sの中央領域の測定点P2とでの比抵抗値の差も大きくなり、Oの流量を10sccmに設定した場合には、約250μΩ・cmの差が生じ、ガラス基板S面内で膜質を略均一に保持できないことが判る。
それに対して、実施例3では、Oの流量を増やしても、外周領域の測定点P1と、中央領域の測定点P2とでの比抵抗値の差は大きくならず、Oの流量を10sccmに設定した場合でも、比抵抗値の差は80μΩ・cm以下であった。これにより、ガラス基板S面内で膜質が略均一にできたことが判る。
本発明のスパッタリング装置を模式的に説明する図。 磁石組立体の配置を説明する図。 (a)は、磁石組立体を等間隔で配置したときの磁束線を模擬的に示す図。(b)は本発明に従い磁石組立体を配置したときの磁束線を模擬的に示す図。 (a)は、実施例1に従いITO膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。(b)は、比較例1に従いITO膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。 (a)は、実施例2に従いMoN膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。(b)は、比較例2に従いMoN膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。 (a)は、本発明の磁石組立体の配置の変形例を説明する図。(b)は、(a)の比較例である磁石組立体の配置を説明する図 (a)は、実施例3に従いITO膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。(b)は、比較例3に従いITO膜を成膜したガラス基板面内の所定点の比抵抗値の変化を示す。
符号の説明
1 マグネトロンスパッタリング装置
31 ターゲット
4a〜4h 磁石組立体
42 中心磁石
43 周辺磁石
5 スパッタ電源
C マグネトロンスパッタ電極
S 処理基板

Claims (5)

  1. 処理基板に対向して設けたターゲットの後方に、このターゲットの前方にトンネル状の磁束を形成すべく中央磁石と周辺磁石とを有する磁石組立体を少なくとも4個並設したマグネトロンスパッタ電極において、並設した磁石組立体のうち処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の並設方向の間隔を、その両端における磁石組立体相互の間隔より大きく設定したことを特徴とするマグネトロンスパッタ電極。
  2. 前記磁石組立体相互の間隔を、この磁石組立体の並設方向に沿ってその両端から中央に向かうに従い段階的に大きくしたことを特徴とする請求項1記載のマグネトロンスパッタ電極。
  3. 前記処理基板の中央領域に対向する磁石組立体相互の間隔を一定にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマグネトロンスパッタ電極。
  4. 前記各磁石組立体を、ターゲットの裏面に沿って一体かつ平行に往復動させる駆動手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ電極。
  5. 請求項1乃至請求項4記載のマグネトロンスパッタ電極を真空排気可能なスパッタ室内に配置し、スパッタ室内に所定のガスを導入するガス導入手段と、ターゲットへのスパッタ電力の投入を可能とするスパッタ電源を設けたことを特徴とするスパッタリング装置。


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